特許第5983254号(P5983254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983254
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20160818BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H05K1/14 E
   H05K3/36 Z
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-217377(P2012-217377)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-72378(P2014-72378A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241588
【氏名又は名称】豊和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 一明
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−244728(JP,A)
【文献】 特開2003−210795(JP,A)
【文献】 特表2012−503237(JP,A)
【文献】 特開2001−125607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00 − 1/02
H05K 1/14
H05K 1/18
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板に、各種のデバイスが接続される外部接続端子複数実装されると共に、前記デバイスとの間で信号の入出力を行う入出力装置が接続される回路基板であって、
前記デバイス毎に、前記複数の外部接続端子から選定した同じ役割を果たす該外部接続端子を含む特定の前記外部接続端子からなる外部接続端子群が形成されて
前記各種のデバイスに応じて、前記ベース基板に前記外部接続端子群が複数実装されると共に、前記同じ役割を果たす前記外部接続端子同士が、一筆状にしたプリント配線によって互いに接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記同じ役割を果たす前記外部接続端子を、前記デバイスから出力された信号を入力する入力端子と、前記入出力装置から出力された信号を前記デバイスに出力する出力端子として、
前記外部接続端子群は、前記入力端子と前記出力端子とを備えることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベース基板に、各種のデバイスが接続される外部接続端子を複数実装すると共に、前記デバイスとの間で信号の入出力を行う入出力装置が接続される回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、シーケンサとデバイスとの間で信号伝送するI/OカードのI/O切り替え装置が開示されている。特許文献1に記載のI/Oカードでは、基板上に入力/出力モード切り替え部の回路が設けられており、1枚のI/Oカードによって、信号の入力用のI/Oカードと信号の出力用のI/Oカードとを差別することなく、入力モードあるいは出力モードにしたがって、信号をシーケンサとデバイスとの間で伝送させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−97303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで一般に上記のI/Oカードを始めとする回路基板には、安価であるという理由で汎用のものが多く用いられているものの、汎用の回路基板では、デバイスが接続される外部接続端子の数が限られている。このため、回路基板に接続しようとするデバイスが多数の場合には、外部接続端子の数が不足することで汎用の回路基板を用いることができず、汎用の回路基板とは別に端子台等の増設端子を用意する必要がある。このような場合には、作業者が信号線を増設端子に結線する作業が必要になることで、作業工数が増加することが懸念されていた。
【0005】
汎用の回路基板を用いることができないという不都合を解消する方法としては、回路基板に、接続したいデバイスの数に対応させた外部接続端子を実装することが考えられるが、このような回路基板は、接続したいデバイスの数に合わせて個別に製造しなければならなかった。そのため、回路基板の製造コストが増加することが懸念されていた。
【0006】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、接続したいデバイスに必要な外部接続端子を実装することが可能で、製造コストを抑制できる回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る回路基板は、ベース基板に、各種のデバイスが接続される外部接続端子複数実装されると共に、前記デバイスとの間で信号の入出力を行う入出力装置が接続される回路基板であって、前記デバイス毎に、前記複数の外部接続端子から選定した同じ役割を果たす該外部接続端子を含む特定の前記外部接続端子からなる外部接続端子群が形成されて、前記各種のデバイスに応じて、前記ベース基板に前記外部接続端子群が複数実装されると共に、前記同じ役割を果たす前記外部接続端子同士が、一筆状にしたプリント配線によって互いに接続されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記同じ役割を果たす前記外部接続端子を、前記デバイスから出力された信号を入力する入力端子と、前記入出力装置から出力された信号を前記デバイスに出力する出力端子として、前記外部接続端子群は、前記入力端子と前記出力端子とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明に係る回路基板によれば、回路基板に接続したいデバイスに応じた外部接続端子群を、ベース基板に実装することが可能になる。さらに、ベース基板を共通にして、該ベース基板に、各種のデバイスに応じた外部接続端子群を実装して回路基板を製造できるため、ベース基板の共通化に伴って、回路基板の製造コストを抑制できる。
加えて、同じ役割を果たす外部接続端子を設けた外部接続端子群を、ベース基板に複数実装することで、デバイスの配設位置等に応じて、同じ役割を果たす複数の外部接続端子から好適な外部接続端子を選択できる。
請求項2の発明によれば、信号の入力系統及び出力系統を設けたデバイスについても、一つの外部接続端子群を利用して、回路基板に接続することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1で回路基板の入力ピンに工具マガジン制御ボックスとテスト信号発生器とを接続した状態の説明図である。
図2】実施形態2で回路基板の出力ピンに工具マガジン制御ボックスとテスト信号検出器と主軸スイッチとを接続した状態の説明図である。
図3】実施形態3で回路基板に電磁開閉器を接続した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1を参照しつつ説明する。図1には回路基板1に、互いに異なる位置に配設した工具マガジン制御ボックス2と、テスト信号発生器3とを接続した例を示した。回路基板1は、絶縁基板(図示せず。)の表裏面にプリント配線による電子回路4を形成したベース基板5を備え、このベース基板5の表面に、外部インターフェース用のコネクタ6が設けられている。このコネクタ6は、前記電子回路4に接続されている。このコネクタ6には、プログラマブルロジックコントローラ7(以下「PLC7」という。)が入出力信号線8を介して接続される。
【0012】
図1に示すようにベース基板5の表面には、所定のコネクタパターンが形成されたコネクタ部9が、電子回路4に接続されて複数配置されている。ここでは、43箇所のコネクタ部9をベース基板5の表面に配置した。各コネクタ部9は、回路基板1に接続されるデバイスに応じてそれぞれ異なるコネクタパターンを有する。図1では、43箇所のコネクタ部9の内から選択した2箇所のコネクタ部9に、ヘッダコネクタ11,12がそれぞれ設けられている。ヘッダコネクタ11は、電源ピンP,Pと、信号ピンX1〜X16(ここでは入力ピンX1〜X16)と、グランドピンN,Nとを備えている。電源ピンP,Pは、ベース基板5に形成した電源層(図示せず。)に半田付けして接続されている。入力ピンX1〜X16は、前記電子回路4に半田付けして接続されている。またグランド線N,Nは、ベース基板5に形成したグランド層(図示せず。)に半田付けして接続されている。このようにして電源ピンP,P、入力ピンX1〜X16、グランドピンN,Nは、ベース基板5にそれぞれ実装される。
【0013】
一方ヘッダコネクタ12は、電源ピンPと、入力ピンX5〜X8と、グランドピンNとを備えている。上記のヘッドコネクタ11と同様に、電源ピンPは電源層、入力ピンX5〜X8は電子回路4、グランドピンNはグランド層にそれぞれ接続されている。図1に示すように入力ピンX5〜X8は、両ヘッダコネクタ11,12に共通して配置されている。図1に示す例では、入力ピンX5を、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9にも、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9と同様な方法で実装することが可能となっている。そして各入力ピンX5同士は、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。さらに図1に示す例では、入力ピンX6〜X8についても、入力ピンX5と同様に、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9と同様な方法で実装することが可能となっている。各入力ピンX6同士、各入力ピンX7同士、各入力ピンX8同士についても、各入力ピンX5同士と同様に、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。なお図1における入力ピンX5,X6のみを示したコネクタ部9や入力ピンX7,X8のみを示したコネクタ部9については、図示した以外の入力ピンも実装可能であるが当該入力ピンの図示を省略した。
【0014】
また図1に示すようにヘッダコネクタ11には、レセプタクルコネクタ14が接続されている。このレセプタクルコネクタ14は、工具マガジン制御ボックス2から導出された信号線15に取り付けられている。本実施形態ではレセプタクルコネクタ14に、電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ11における一方の電源ピンP、入力ピンX1〜X16の内の入力ピンX1〜X5及び入力ピンX9〜X16がそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ11とレセプタクルコネクタ14とを接続すると、前記一方の電源ピンP、入力ピンX1〜X5及び入力ピンX9〜X16が、レセプタクルコネクタ14とそれぞれ電気的に接続されることになる。これに対し、ヘッダコネクタ11とレセプタクルコネクタ14とを接続しても、ヘッダコネクタ11における他方の電源ピンP、入力ピンX6〜X8、グランドピンN,Nは、レセプタクルコネクタ14と電気的に接続されないことになる。なお、ヘッダコネクタ11と工具マガジン制御ボックス2のレセプタクルコネクタ14とを接続するときは、レセプタクルコネクタ14のピン差込部にヘッダコネクタ11の電源ピンP、入力ピンX1〜X5及び入力ピンX9〜X16を差し込むだけでよい。よって、工具マガジン制御ボックス2を、前記一方の電源ピンP、入力ピンX1〜X5及び入力ピンX9〜X16にそれぞれ接続することが容易になる。
【0015】
さらに図1に示すようにヘッダコネクタ12には、レセプタクルコネクタ16が接続されている。このレセプタクルコネクタ16は、例えば回路基板1をテスト動作させるテスト信号発生器3から導出された信号線17に取り付けられている。本実施形態のレセプタクルコネクタ16には、前記レセプタクルコネクタ14と同様の電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ12における電源ピンP、入力ピンX5〜X8の内の入力ピンX6〜X8がそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ12とレセプタクルコネクタ16とを接続すると、ヘッダコネクタ12における電源ピンP、入力ピンX6〜X8が、レセプタクルコネクタ16とそれぞれ電気的に接続されることになる。これに対し、ヘッダコネクタ12とレセプタクルコネクタ16とを接続しても、入力ピンX5、グランドピンNは、レセプタクルコネクタ16と電気的に接続されないことになる。ヘッダコネクタ12とテスト信号発生器3のレセプタクルコネクタ16との接続についても、上述したヘッダコネクタ11と工具マガジン制御ボックス2のレセプタクルコネクタ14との接続と同様の方法でなされる。よって、テスト信号発生器3を、電源ピンP、入力ピンX6〜X8にそれぞれ接続することも容易になる。なお、上記の工具マガジン制御ボックス2及びテスト信号発生器3は本発明のデバイスの一例であり、電源ピンP、入力ピンX1〜X16、グランドピンNは本発明の外部接続端子の一例である。また、ヘッダコネクタ11に備えられた電源ピンP,P、入力ピンX1〜X16、グランドピンN,Nや、ヘッダコネクタ12に備えられた電源ピンP、入力ピンX5〜X8、グランドピンNは、本発明の特定の外部接続端子及び外部接続端子群の一例である。
【0016】
次に、工具マガジン制御ボックス2やテスト信号発生器3から送信された信号がPLC7に入力される動作を説明する。例えば操作者が工具マガジン制御ボックス2に設けられた各種のボタンを操作すると、その操作に応じて発信された信号が、ベース基板5のヘッダコネクタ11が備える入力ピンX1〜X5、X9〜X16にそれぞれ入力される。本実施形態では、入力ピンX1に、工作機械の主軸に装着する各種の工具を着脱可能に保持する工具マガジンの手動運転・自動運転切替指令信号、入力ピンX2に工具マガジンの正転駆動指令信号、入力ピンX3に前記工具マガジンの逆転駆動指令信号、入力ピンX4に前記工具マガジンのロック解錠指令信号、入力ピンX5に、ワークの加工に必要な前記工具を所定の位置に割り出す工具マガジン回転割出指令信号が、それぞれ入力される。加えて、入力ピンX9〜X16に、前記工作機械が備える複数の前記工具マガジンの内から、ワークの加工に必要な工具を把持した特定の工具マガジンを指定する工具マガジン指定指令信号がそれぞれ入力される。例えば、入力ピンX9に、工具マガジン番号が「1」の工具マガジンを指定する工具マガジン指定指令信号が入力される。また入力ピンX10〜X16については、工具マガジン番号が「2」〜「8」の工具マガジンを指定する工具マガジン指定指令信号がそれぞれ入力される。
【0017】
また、例えば操作者がテスト信号発生器3に設けられた各種のスイッチを操作すると、該テスト信号発生器3の記憶装置に記憶されているテストデータに基づいた各種のテスト信号が、ベース基板5のヘッダコネクタ12が備える入力ピンX6〜X8にそれぞれ入力される。
【0018】
本実施形態では、ヘッダコネクタ11の入力ピンX6〜X8はテスト信号発生器3と接続されていないため、テスト信号発生器3から発信されたテスト信号を、ヘッダコネクタ11の入力ピンX6〜X8に入力できない。しかしヘッダコネクタ12の入力ピンX6〜X8をテスト信号発生器3と接続したことで、前記テスト信号をヘッダコネクタ12の入力ピンX6〜X8に入力することが可能になる。加えて、仮に図1に示したヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装した入力ピンX6を、テスト信号発生器3と接続したり、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装した入力ピンX7,X8を、テスト信号発生器3と接続すれば、前記テスト信号を、ヘッダコネクタ11,12を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装した入力ピンX6〜X8に入力することが可能になる。なお、入力ピンX6〜X8は本発明の同じ役割を果たす外部接続端子の一例である。また、各入力ピンX1〜X16は本発明の入力端子の一例である。
【0019】
そして、各入力ピンX1〜X16に入力された各種の信号は、図1に示すコネクタ6、入出力信号線8を通じてPLC7に入力される。PLC7は、該入力された各種の信号に基づいて工具マガジン制御ボックス2の作動状態やテスト信号発生器3の作動状態をそれぞれ監視する。
【0020】
<実施形態1の効果>
本実施形態の回路基板1では、工具マガジン制御ボックス2を回路基板1に接続するための電源ピンP、入力ピンX1〜X5及び入力ピンX9〜X16を、べース基板5の一のコネクタ部9に実装することが可能になる。さらに、テスト信号発生器3を回路基板1に接続するための電源ピンP、入力ピンX6〜X8を、ベース基板5の他のコネクタ部9に実装することが可能になる。
加えて、ベース基板5を共通にして、該ベース基板5に、工具マガジン制御ボックス2やテスト信号発生器3を回路基板1に接続するための各種のピンを実装して、回路基板1を製造できる。よって、ベース基板5の共通化に伴って、回路基板1の製造コストを抑制できる。
さらには、複数のコネクタ部9に、テスト信号発生器3から発信されるテスト信号を入力する入力ピンX6〜X8をそれぞれ実装することで、テスト信号発生器3の配設位置等に応じて、複数の各入力ピンX6〜X8から好適な入力ピンX6〜X8を選択できる。
【0021】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図2を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。図2には回路基板1に、互いに異なる位置に配設した工具マガジン制御ボックス2と、テスト信号検出器20と、工作機械の主軸を回転駆動させる主軸用モータを通電状態又は非通電状態にする主軸スイッチ21とを接続した例を示した。
【0022】
図2には、3箇所のコネクタ部9にヘッダコネクタ23〜25がそれぞれ設けられた例を示した。ヘッダコネクタ23は、電源ピンP,Pと、出力ピンY1〜Y16と、グランドピンN,Nとを備えている。電源ピンP,Pは実施形態1と同様に電源層に接続され、グランドピンN,Nは実施形態1と同様にグランド層に接続されている。また出力ピンY1〜Y16は、図2に示す電子回路4に半田付けして接続されている。
【0023】
一方ヘッダコネクタ24は、電源ピンPと、出力ピンY5,Y6と、グランドピンNとを備えている。上記のヘッダコネクタ23と同様にヘッダコネクタ24では、電源ピンPは電源層、出力ピンY5,Y6は電子回路4、グランドピンNはグランド層にそれぞれ接続されている。図2に示すように出力ピンY5,Y6は、両ヘッダコネクタ23,24に共通して配置されている。図2に示す例では、出力ピンY5,Y6を、ヘッダコネクタ23,24を設けたコネクタ部9以外の2箇所のコネクタ部9にも、ヘッダコネクタ23,24を設けたコネクタ部9と同様な方法で実装することが可能となっている。そして各出力ピンY5同士は、一筆状にしたプリント配線によって接続され、各出力ピンY6同士も、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。
【0024】
さらにヘッダコネクタ25は、電源ピンPと、出力ピンY7,Y8と、グランドピンNとを備えている。上記の両ヘッダコネクタ23,24と同様にヘッダコネクタ25では、電源ピンPは電源層、出力ピンY7,Y8は電子回路4、グランドピンNはグランド層にそれぞれ接続されている。図2に示すように出力ピンY7,Y8は、両ヘッダコネクタ23,25に共通して配置されている。図2に示す例では、出力ピンY7,Y8を、ヘッダコネクタ23,25を設けたコネクタ部9以外の2箇所のコネクタ部9にも、ヘッダコネクタ23,25を設けたコネクタ部9と同様の方法で出力ピンY5,Y6と共に実装することが可能となっている。そして、各出力ピンY7同士、各出力ピンY8同士についても、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。なお図2における出力ピンY5〜Y8のみを示したコネクタ部9については、図示した以外の出力ピンも実装可能であるが当該出力ピンの図示を省略した。
【0025】
また図2に示すようにヘッダコネクタ23には、レセプタクルコネクタ27が接続されている。このレセプタクルコネクタ27は、工具マガジン制御ボックス2から導出された信号線28に取り付けられている。本実施形態ではレセプタクルコネクタ27に、電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ23における一方の電源ピンP、出力ピンY1〜Y16の内の出力ピンY1〜Y4及び出力ピンY9〜Y16、一方のグランドピンNがそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ23とレセプタクルコネクタ27とを接続すると、前記一方の電源ピンP、出力ピンY1〜Y4及び出力ピンY9〜Y16、前記一方のグランドピンNが、レセプタクルコネクタ27とそれぞれ電気的に接続されることになる。これに対し、ヘッダコネクタ23とレセプタクルコネクタ27とを接続したとしても、ヘッダコネクタ23における他方の電源ピンP、出力ピンY5〜Y8、他方のグランドピンNは、レセプタクルコネクタ27と電気的に接続されないことになる。なお、本実施形態についても実施形態1と同様に、工具マガジン制御ボックス2を、前記一方の電源ピンP、出力ピンY1〜Y4及び出力ピンY9〜Y16、前記一方のグランドピンNにそれぞれ接続することが容易になる。
【0026】
さらには図2に示すようにヘッダコネクタ24には、レセプタクルコネクタ29が接続されている。このレセプタクルコネクタ29は、テスト信号検出器20から導出された信号線30に取り付けられている。本実施形態のレセプタクルコネクタ29には、前記レセプタクルコネクタ27と同様の電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ24における出力ピンY5,Y6、グランドピンNがそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ24とレセプタクルコネクタ29とを接続すると、ヘッダコネクタ24における出力ピンY5,Y6、グランドピンNが、レセプタクルコネクタ29とそれぞれ電気的に接続されることになる。これに対し、ヘッダコネクタ24とレセプタクルコネクタ29とを接続しても、電源ピンPはレセプタクルコネクタ29と電気的に接続されないことになる。なお、ヘッダコネクタ24とテスト信号検出器20のレセプタクルコネクタ29とを接続するときは、レセプタクルコネクタ29のピン差込部に、ヘッダコネクタ24の出力ピンY5,Y6、グランドピンNを差し込むだけでよい。よって、テスト信号検出器20を、出力ピンY5,Y6、グランドピンNにそれぞれ接続することが容易になる。
【0027】
加えて図2に示すようにヘッダコネクタ25には、レセプタクルコネクタ31が接続されている。このレセプタクルコネクタ31は、主軸スイッチ21から導出された信号線32に取り付けられている。本実施形態のレセプタクルコネクタ31には、上記の両レセプタクルコネクタ27,29と同様の電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ25における出力ピンY7,Y8がそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ25とレセプタクルコネクタ31とを接続すると、ヘッダコネクタ25における出力ピンY7,Y8が、レセプタクルコネクタ31と電気的に接続されることになる。これに対し、ヘッダコネクタ25とレセプタクルコネクタ31とを接続しても、電源ピンP、グランドピンNは、レセプタクルコネクタ31と電気的に接続されないことになる。ヘッダコネクタ25と主軸スイッチ21のレセプタクルコネクタ31との接続についても、上述したヘッダコネクタ24とテスト信号検出器20のレセプタクルコネクタ29との接続と同様の方法でなされる。よって、主軸スイッチ21を出力ピンY7,Y8に接続することも容易になる。なお、テスト信号検出器20及び主軸スイッチ21は本発明のデバイスの一例であり、電源ピンP、出力ピンY1〜Y16、グランドピンNは本発明の外部接続端子の一例である。また、ヘッダコネクタ23に備えられた電源ピンP,P、出力ピンY1〜Y16、グランドピンN,Nや、ヘッダコネクタ24に備えられた電源ピンP、出力ピンY5,Y6、グランドピンNや、ヘッダコネクタ25に備えられた電源ピンP、出力ピンY7,Y8、グランドピンNは、本発明の特定の外部接続端子及び外部接続端子群の一例である。
【0028】
次に、PLC7から出力された信号が、工具マガジン制御ボックス2、テスト信号検出器20、主軸スイッチ21に入力される動作を説明する。PLC7は、該PLC7の記憶装置に記憶された加工制御プログラムにおける所定の制御命令によって、各種の信号を入出力信号線8を通じてコネクタ6に出力する。各種の信号は、コネクタ6を介して回路基板1に入力される。その後、各種の信号は、ヘッダコネクタ23が備える出力ピンY1〜Y4及び出力ピンY9〜Y16から工具マガジン制御ボックス2に出力される。本実施形態では、工具マガジンの手動運転・自動運転切替指令信号が出力ピンY1から、前記工具マガジンのロック指令信号が出力ピンY2から、前記工具マガジンのロック解錠指令信号が出力ピンY3から、工具マガジン回転割出指令信号が出力ピンY4から、それぞれ工具マガジン制御ボックス2に出力される。加えて、工具マガジン番号が「1」の工具マガジンを指定する工具マガジン指定指令信号が、出力ピンY9から工具マガジン制御ボックス2に出力される。また、出力ピンY10〜Y16については、工具マガジン番号が「2」〜「8」の工具マガジンを指定する工具マガジン指定指令信号を、工具マガジン制御ボックス2に出力する。PLC7は、該PLC7が出力した前記各種の信号によって工具マガジン制御ボックス2の動作制御を実行する。
【0029】
また、PLC7は、例えば該PLC7の記憶装置に記憶された工作機械の動作テストプログラムにおける所定の制御命令によって、各種のテスト信号を入出力信号線8を通じてコネクタ6に出力する。そして、各種のテスト信号は、コネクタ6を通じて回路基板1に入力された後に、ヘッダコネクタクタ24が備える出力ピンY5,Y6からテスト信号検出器20に出力される。PLC7は、該PLC7が出力した各種のテスト信号によって工作機械の動作テストを実行可能としている。
【0030】
さらに、PLC7は、前記加工制御プログラムにおける所定の制御命令によって、主軸スイッチ21を通電状態又は非通電状態にする信号を入出力信号線8を通じてコネクタ6に出力する。これらの信号は、コネクタ6を通じて回路基板1に入力された後に、ヘッダコネクタ25が備える出力ピンY7,Y8から主軸スイッチ21に出力される。本実施形態では、主軸スイッチ21を非通電状態にする非通電指令信号が出力ピンY7から、該主軸スイッチ21を通電状態にする通電指令信号が出力ピンY8から、それぞれ主軸スイッチ21に出力される。PLC7は、非通電指令信号や通電指令信号によって主軸スイッチ21のオンオフ制御を実行する。
【0031】
本実施形態では、ヘッダコネクタ23の出力ピンY5,Y6はテスト信号検出器20と接続されていないため、PLC7から出力された各種のテスト信号を、ヘッダコネクタ23の出力ピンY5,Y6からテスト信号検出器20に出力できない。しかし、ヘッダコネクタ24の出力ピンY5,Y6をテスト信号検出器20に接続したことで、前記テスト信号をヘッダコネクタ24の出力ピンY5,Y6からテスト信号検出器20に出力することが可能になる。また、ヘッダコネクタ23の出力ピンY7,Y8については、主軸スイッチ21と接続されていないため、PLC7から出力された非通電指令信号や通電指令信号を、ヘッダコネクタ23の出力ピンY7,Y8から主軸スイッチ21に出力できない。しかし、ヘッダコネクタ25の出力ピンY7,Y8を主軸スイッチ21に接続したことで、非通電指令信号や通電指令信号を、ヘッダコネクタ25の出力ピンY7,Y8から主軸スイッチ21に出力することが可能になる。加えて、仮に図2に示したヘッダコネクタ23,24を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装した出力ピンY5,Y6を、テスト信号検出器20と接続すれば、前記テスト信号を当該出力ピンY5,Y6からテスト信号検出器20に出力することが可能になる。さらに加えて、仮にヘッダコネクタ23,25を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装した出力ピンY7,Y8を、主軸スイッチ21と接続すれば、前記非通電指令信号や前記通電指令信号を、当該出力ピンY7,Y8から主軸スイッチ21に出力することが可能になる。なお、ヘッダコネクタ23に備えられた各出力ピンY5〜Y8、ヘッダコネクタ24に備えられた各出力ピンY5,Y6、ヘッダコネクタ25に備えられた各出力ピンY7,Y8は、本発明の同じ役割を果たす外部接続端子の一例である。また、各出力ピンY1〜Y16は本発明の出力端子の一例である。
【0032】
<実施形態2の効果>
本実施形態の回路基板1では、工具マガジン制御ボックス2を回路基板1に接続するための電源ピンP、出力ピンY1〜Y4及び出力ピンY9〜Y16を、べース基板5の一のコネクタ部9に実装することが可能になる。さらに、テスト信号検出器20を回路基板1に接続するための出力ピンY5,Y6、グランドピンNを、ベース基板5の他のコネクタ部9に実装することが可能になる。加えて、主軸スイッチ21を回路基板1に接続するための出力ピンY7,Y8を、ベース基板5のさらに他のコネクタ部9に実装することが可能になる。
加えて、ベース基板5を共通にして、該ベース基板5に、工具マガジン制御ボックス2、テスト信号検出器20や主軸スイッチ21を回路基板1にそれぞれ接続するための各種のピンを実装して、回路基板1を製造できる。よって、ベース基板5の共通化に伴って、回路基板1の製造コストを抑制できる。
さらには、複数のコネクタ部9に、PLC7が発信する各種のテスト信号を出力する出力ピンY5,Y6や、PLC7が発信する非通電指令信号や通電指令信号を出力する出力ピンY7,Y8をそれぞれ実装することで、テスト信号検出器20や主軸スイッチ21の配設位置等に応じて、複数の各出力ピンY5〜Y8から好適な出力ピンY5〜Y8を選択できる。
【0033】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図3を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1,2と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。図3には、回路基板1Aに、サーマルリレー35と電磁接触器36とを有する電磁開閉器37を接続した例を示した。この電磁開閉器37は、工作機械の主軸用モータに電力を供給する電源ラインに設けられている。
【0034】
図3には2箇所のコネクタ部9に、入力ピンと出力ピンとの双方を備えるヘッダコネクタ39,40がそれぞれ設けられた例を示した。ヘッダコネクタ39は、電源ピンPと、入力ピンX21と、出力ピンY21と、グランドピンNとを備えている。一方ヘッダコネクタ40は、電源ピンPと、入力ピンX23と、出力ピンY23と、グランドピンNとを備えている。各電源ピンPは、回路基板1Aのベース基板5Aに形成された電源層(図示せず。)に半田付けして接続されている。各グランドピンNは、前記ベース基板5Aに形成されたグランド層(図示せず。)に半田付けして接続されている。また、各入力ピンX21,X23及び各出力ピンY21,Y23は、前記ベース基板5Aに形成した電子回路4Aに半田付けして接続されている。
【0035】
図3に示す例では、入力ピンX21を、ヘッダコネクタ39を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9にも、ヘッダコネクタ39を設けたコネクタ部9と同様な方法で実装することが可能となっている。そして各入力ピンX21同士は、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。さらに図3に示す例では、出力ピンY21についても、入力ピンX21と同様に、ヘッダコネクタ39を設けたコネクタ部9以外のコネクタ部9に実装することが可能となっている。各出力ピンY21同士についても、各入力ピンX21と同様に、一筆状にしたプリント配線によって接続されている。なおベース基板5Aの表面には、図2に示した4箇所のコネクタ部9以外にも、例えば電源ピンPと、複数の出力ピンと、グランドピンNとを実装したコネクタ部9を始めとする複数のコネクタ部9が配置されているがそれらの図示を省略した。なお、実施形態2における入力ピンX21や出力ピンY21は、本発明の同じ役割を果たす外部接続端子の一例である。
【0036】
また図3に示すようにヘッダコネクタ39には、レセプタクルコネクタ41が接続されている。このレセプタクルコネクタ41は、電磁開閉器37から導出された信号線42に取り付けられている。本実施形態ではレセプタクルコネタタ41に、電気的接点を備えて、ヘッダコネクタ39の電源ピンP、入力ピンX21、出力ピンY21、グランドピンNがそれぞれ差し込まれて嵌合するピン差込部(図示せず。)を形成した。したがって、ヘッダコネクタ39とレセプタクルコネクタ41とを接続すると、前記電源ピンP、入力ピンX21、出力ピンY21、前記グランドピンNが、レセプタクルコネクタ41とそれぞれ電気的に接続されることになる。ここでは、電源ピンPと入力ピンX21とがサーマルリレー35に、出力ピンY21とグランドピンNとが電磁開閉器36に、それぞれ電気的に接続されるようにした。
【0037】
次に、電磁開閉器37のサーマルリレー35から出力された信号がPLC7に入力される動作や、PLC7から出力された信号が電磁開閉器37の電磁接触器36に入力される動作を説明する。例えば主軸用モータに過電流が流れると、サーマルリレー35に設けられたバイメタルがサーマルリレー35の接点を常閉側から常開側へ切り替える。するとサーマルリレー35は、接点開信号を出力する。この接点開信号は、ヘッダコネクタ39が備える入力ピンX21に入力される。その後接点開信号は、図3に示すコネクタ6、入出力信号線8を通じてPLC7に入力される。なお、電磁開閉器37は本発明のデバイスの一例である。
【0038】
続いてPLC7は、前記接点開信号を受信すると、該PLC7の記憶装置に記憶された負荷保護プログラムにおける所定の制御命令によって、電磁接触器36の接点を閉じる電磁石のコイルへの励磁電流を遮断する電流遮断信号を、入出力信号線8を通じてコネクタ6に出力する。この電流遮断信号は、コネクタ6を介して回路基板1Aに入力される。その後電流遮断信号は、ヘッダコネクタ39が備える出力端子Y21から電磁接触器36に出力される。この電流遮断信号によって、前記励磁電流を前記コイルに供給するスイッチがオフして、該励磁電流を該コイルに供給することが遮断される。すると、前記電磁石が励磁状態から消磁状態になることで、電磁接触器36の接点が開放される。なお、ヘッダコネクタ39に備えられた電源ピンP,入力ピンX21,出力ピンY21,グランドピンNは本発明の外部接続端子群の一例である。また、入力ピンX21は本発明の入力端子の一例であり、出力ピンY21は本発明の出力端子の一例である。
【0039】
<実施形態3の効果>
本実施形態の回路基板1Aでは、入力ピンX21と出力ピンY21とが一つのヘッダコネクタ39に備えられている。このため、信号の入力系統に当たる電磁接触器36と、信号の出力系統に当たるサーマルリレー35とを設けた電磁開閉器37についても、一つのヘッダコネクタ39を用いて回路基板1Aに接続することが可能になる。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば上述した実施形態1〜3とは異なり、外部インターフェース用のコネクタ6、これに接続されるPLC7及び入出力信号線8に代えて、各ベース基板1,1Aの電子回路4,4Aに、各回路基板1,1Aに接続される工具マガジン制御ボックス2等との間で信号の入出力を行う入出力回路を設けてもよい。
【0041】
また上述した実施形態1とは異なり、ベース基板5の表面には、回路基板1に接続されるデバイスに対応させて、43個以外の適宜の個数のコネクタ部9を形成してもよい。さらに実施形態3とは異なり、ベース基板5Aの表面に、入力ピンと出力ピンとの双方を実装したコネクタ部9を3つ以上形成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A・・回路基板、2・・工具マガジン制御ボックス、3・・テスト信号発生器、5,5A・・ベース基板、7・・PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、20・・テスト信号検出器、21・・主軸スイッチ、35・・サーマルリレー、36・・電磁接触器、37・・電磁開閉器、P・・電源ピン、X1〜X16、X21・・入力ピン、Y1〜Y16、Y21・・出力ピン、N・・グランドピン。
図1
図2
図3