(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光素子を覆い、前記発光素子の光軸方向から見た光出射範囲内において、少なくとも前記発光素子に相対する位置に複数の曲率または面で形成された複数の屈折部を配置し、且つ、前記光出射範囲内で前記発光素子の光軸方向の外縁部から投影される範囲の外側に外れた位置に全反射面部を配置し、
前記全反射面部が一対で略V字状に配置され、且つ前記一対の全反射面部の夫々の外方に、凸状に形成した、前記発光素子の光軸に対して主として80°以上の照射光を配光するための凸状屈折部を配置し、
前記凸状屈折部の夫々の外側に、前記発光素子の光軸に略平行な、前記発光素子からの光を遮る他の全反射面部をさらに備えることを特徴とする光学素子。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る防犯灯1の設置態様を示す図である。
照明器具たる防犯灯1は、
図1に示すように、街路8の街路脇8Aに立設された支柱9に取り付けられ、夜間に点灯し、街路8が延びる街路方向Gに広い範囲を照らす器具である。防犯灯1は、その照射範囲の全域において、街路8の路面8Rから所定高さ(例えば1.5メートル)で規定の明るさが得られるように設計されている。
【0015】
図2は防犯灯1の上方斜視図である。また
図3は防犯灯1の構成を示す図であり、
図3(A)は平面図、
図3(B)は側面図、
図3(C)は底面図、
図3(D)は正面図、
図3(E)は背面図である。
防犯灯1は、
図1〜
図3に示すように、器具本体30と、支持アーム部3とを備えている。器具本体30は概略板状に形成され、その底面30Aの略全域から照明光を照射する。
支持アーム部3は、器具本体30の天面30Bに設けられ、
図1に示すように、この器具本体30の底面30Aを路面8Rに対して、20°程度傾斜させる姿勢で器具本体30を支柱9に支持する。
この支持アーム部3は、
図2、及び
図3に示すように、アーム本体3Aと、ブラケット7とを有する。アーム本体3Aは中空の柱状体であり、その一端部3Bが器具本体30の天面30Bに接続され、他端部3Cには、支柱9への固定用のブラケット7が取り付けられている。
【0016】
図4は
図3(C)のIV−IV線断面図、
図5は
図3(C)のV−V線断面図、また
図6は防犯灯1の分解斜視図、
図7はグローブ6を基板ベース部2に向けられる面から見た斜視図である。
器具本体30は、これらの図に示すように、基板ベース部2と、LED基板21と、グローブ6とを備えている。
基板ベース部2は、略矩形の厚さT(
図4)が薄い板状に形成されており、
図6に示すように、その底面にはLED基板21を取り付ける取付面10が設けられている。また基板ベース部2の上面は、器具本体30の天面30Bを構成し、この上面に、
図4、及び
図5に示すように、上記アーム本体3Aが一体に形成されている。
【0017】
LED基板21は、略矩形の回路実装基板であり、例えば、その通電部(不図示)は、高熱伝導性の銅箔からなり、その他の絶縁部(不図示)は樹脂からなる基板が用いられている。
図6に示すように、LED基板21の実装面21Aには、発光素子たる複数のLED22が載置(実装)されている。LED22には、リフレクターの中にLEDチップを配置し、樹脂で封止した、いわゆる表面実装型LEDが用いられている。LED22は、実装面21A内に整列配置されており、特に、各々の発熱によって実装面21Aの全面が略均一な温度となる間隔で配置されている。
【0018】
また、基板ベース部2の取付面10は、このLED基板21と略同じ、或いは若干大きく構成され、この取付面10にLED基板21の裏面全体を密着させて取り付けられる。この基板ベース部2は、少なくとも取付面10の熱を天面30Bに伝達可能な高熱伝導性を有する、例えばアルミニウム合金等の材料で形成されている。したがって、LED22の発熱はLED基板21、及び取付面10を通じて天面30Bに伝わり外気に放熱される。このとき、天面30Bには、少なくともLED基板21を含む広範囲に熱が伝えられるから、天面30Bの略全面を使ってLED22の発熱が効率良く放熱される。
【0019】
この天面30Bには、上述のアーム本体3Aを一体成型して設けており、
図5、及び
図6に示すように、このアーム本体3Aの中に、電源装置34が収められている。電源装置34は、商用電力を直流電力に変換してLED22の点灯電力を生成する電源回路35を備え、アーム本体3Aの端部3Cから引き出された電線38を通じて商用電力が供給されている。
アーム本体3Aの内部には、
図1に示すように、端部3B側の上部に、センサ用遮光窓を構成するブッシング39が挿入されている。また、
図4に示すように、アーム本体3Aの内部には、明るさセンサ40がブッシング39に対応する位置に設けられている。明るさセンサ40には、センサ用遮光窓を介して外部の光が入射され、明るさセンサ40は、アーム本体3Aの周囲の明るさを検知可能となっている。電源装置34には、明るさセンサ40の検知信号に基づき、周囲の明るさに応じて電源回路35を制御し点灯/消灯を行う点灯回路が設けられており、これにより、自律的な点灯制御が行われる。
【0020】
グローブ6は、基板ベース部2の底面の側を覆って閉塞する板状の透明部材であり、例えば樹脂材やガラスで形成されている。
図6に示すように、この防犯灯1ではグローブ6が基板ベース部2の底面と略同じ大きさの板状に形成されており、その左右両側の縁部6Aには、複数の爪部25が設けられている。基板ベース部2の天面30Bには、
図5に示すように引掛孔26が設けられており、引掛孔26にグローブ6の爪部25を引っ掛かけてグローブ6が基板ベース部2の底面を覆って取り付けられる。さらに、グローブ6は、
図3及び
図4に示すように、その外周部を、基板ベース部2にねじ17により締結されて、基板ベース部2に本固定される。
【0021】
この天面30Bに設けた引掛孔26は、
図5に示すように、基板ベース部2の底面側に貫通するため、引掛孔26から水が浸入し取付面10に至る虞がある。そこで、この基板ベース部2は、引掛孔26と取付面10との間を通って、当該取付面10を取り囲むようにパッキン嵌込溝13が設けられており、このパッキン嵌込溝13にパッキン14(
図6には図示せず)が嵌め込まれている。
また、グローブ6には、
図7に示すように、このパッキン嵌込溝13に挿入される環状のパッキン押圧リブ27が設けられている。
図4及び
図5に示すように、このパッキン押圧リブ27とパッキン14とが密着することで取付面10がシールされ防水が図られる。
このとき、取付面10とグローブ6の間の空間、すなわち、LED基板21が配置されている空間は、パッキン14によって断熱されることからグローブ6の側からLED22の発熱が放熱されず、その発熱の大部分が取付面10を通じて天面30Bに伝達されて放熱されることとなる。また、グローブ6には、パッキン押圧リブ27を囲む環状の強化リブ28が形成されて、グローブ6の剛性が高められている。
【0022】
また、この防犯灯1のグローブ6には、その外側の面内に、LED22の各々に対応した位置に光学素子たるレンズ部(レンズ)5が一体に設けられている。各々のレンズ部5は、照射光の配光を制御する光学部材であり、これらのレンズ部5をグローブ6の外側に設けることで、LED基板21とグローブ6の間の隙間を縮め、器具本体30の底面30Aから天面30Bまでの厚みTが抑えられる。
また、レンズ部5により照射光の配光を制御することから、LED22とレンズ部5とは、精度よく所定の位置関係に配置する必要がある。
LED22及びレンズ部5のそれぞれは、光学設計の基準位置となる光学基準点位置を有している。LED22の光学基準点位置は、発光点の光軸であり、レンズ部5の発光基準点位置は、光学中心である。
本実施形態は、LED22の光学基準点位置と、レンズ部5の光学基準点位置とが一致する位置で、LED基板21とグローブ6を基板ベース部2に対して精度よく位置決めする位置決め機構を有している。
【0023】
位置決め機構は、
図6に示すように、基板ベース部2に設けられる突体としての棒状の位置決めピン31と、LED基板21に形成された一対の貫通穴32と、
図7に示すように、グローブ6に設けられ、位置決めピン31を受ける筒状受け部46と、によって構成されている。
位置決めピン31は、
図4に示すように、基板ベース部2の取付面10に一対立設されている。位置決めピン31の立設方向は、LED22の光軸方向K(
図8、
図9参照)に一致させている。
LED基板21の貫通穴32には、位置決めピン31が嵌められて、位置決めピン31は、LED基板21を貫通している。貫通穴32の内形は、位置決めピン31の外形に略一致している。LED基板21は、取付面10に平行な方向に移動することが規制されて、基板ベース部2に対して所定位置に精度よく位置決めされる。なお、LED基板21は、その中央をねじ16により一か所固定されている。
【0024】
また、グローブ6の筒状受け部46の穴には、
図7に示すように、LED基板21の貫通穴32を貫通した位置決めピン31が嵌められている。
筒状受け部46の穴の内形は、位置決めピン31の外形に略一致しており、グローブ6が取付面10に平行な方向に移動することが規制されて、基板ベース部2に対して所定の位置に精度よく位置決めされる。
ここで、LED基板21とグローブ6が基板ベース部2に位置決めされたときに、LED22の光学基準点位置と、レンズ部5の光学基準点位置とが重なるように、LED22のLED基板21上の位置、及びレンズ部5のグローブ6での形成位置が設計されている。このため、LED基板21とグローブ6とが、LED22の光学基準点位置とレンズ部5の光学基準点位置を一致させる位置に精度よく位置決めされる。また、光軸方向Kを、位置決めピン31の立設する方向に一致させているので、特に、LED22の光軸に対するレンズ部5の位置を精度よく合わせることができる。
【0025】
また、グローブ6は、
図3、
図4、及び
図7に示すように、LED基板21の外周を押圧する基板押圧部44を備えている。
ここでは、基板押圧部44は、すべてのLED22を取り囲んで押圧する枠状となっている。基板押圧部44は、LED22を一つずつ取り囲むように複数を設けてもよいし、LED22を複数のグループに分けてグループごとにLED22を取り囲むように設けてもよい。
また、筒状受け部46は、レンズ部5に対応する箇所を避けてグローブ6に形成された溝36に突設されており、基板押圧部44よりもLED基板21側に突出していない。このため、基板押圧部44をLED基板21に押し付けてグローブ6を配置することができ、LED基板21が反っていた場合でも、ねじ17により、グローブ6を基板ベース部2に締め付けることによって、LED基板21の外周部が基板押圧部44に押圧されるので、LED基板21の反りは強制的に解消される。即ち、基板押圧部44でLED基板21を押圧することにより、LED基板21の反りが解消され、LED22の光学基準点位置と、レンズ部5の光学基準点位置とが一致して重ね合わされる位置にLED基板21とグローブ6とが精度よく位置決めされる。
【0026】
次いで、レンズ部5とLED22の構成の詳細について説明する。
図8はグローブ6及びLED基板21の構成を示す図であり、
図8(A)はレンズ部5の平面図、
図8(B)は
図8(A)のD1−D1矢視断面図、
図8(C)は
図8(A)のD2−D2矢視断面図、
図8(D)はレンズ部5の斜視図である。
レンズ部5とLED22のそれぞれは、
図6に示すように、平行な列線L1,L2に沿って二列に配列されている。レンズ部5とLED22の数は、合計12個であり、各列にそれぞれ6個が並べられている。なお、防犯灯1は、列線L1、L2の延びる方向を、高さ方向から見て
図1に示す街路幅方向Wに一致させて街路脇8Aに設けられる。
【0027】
図8(B)、及び
図8(C)に示すように、基板押圧部44の内周側では、グローブ6とLED基板21との間に空洞29が形成されている。空洞29は、グローブ6とLED基板21との間に形成される隙間Sと、隙間Sに開口するLED挿入部29Aと、を有している。LED挿入部29Aは、
図7に示すように、矩形形状の開口を有するとともに、
図8(B)に示すように、断面放物線状の内面を有している。この内面は、
図8(C)に示すように、一様な形状を保って列線L1,L2の方向に延在し、LED22が放射する光の入射面29Bとなっている。LED挿入部29Aは、両端部近傍で浅く形成されており、LED挿入部29Aの両端近傍でのレンズ部5の厚みが確保されて、レンズ部5の強度の低下が抑制されている。
また、隙間Sは、特にレンズ部5とLED基板21との間のスペースを保つものであり、LED基板21とレンズ部5との干渉を回避する。LED22は、この隙間Sよりわずかに厚い高さ調整部材たるセラミック基板37に搭載されて、LED挿入部29A内に配置されている。なお、高さ調整部材は、セラミック基板37に代え、樹脂基板などを用いてもよい。
【0028】
また、LED22は、
図8の(A)に示すように、電圧印加により光を放射するLEDチップ23を蛍光体と透明の樹脂24で封止した構成である。LEDチップ23には、電圧が印加される一対の電極23Aが設けられている。一対の電極23Aの対面方向は、高さ方向から見て街路方向Gに直交する方向に設定されている。LEDチップ23が放射する光は、一対の電極23Aに進路を妨げられるので、一対の電極23Aが対面する方向に関し、一対の電極23Aの外側に向かう光が少なくなる。一方、街路方向Gに対しては、LEDチップ23から放射する光の進路を妨害するものがない。そこで、一対の電極23Aが対面する方向を、街路幅方向Wに一致させることで、LEDチップ23が放射する光のうち、街路方向Gに向かう光は、電極23Aに妨げられることがなくない。このため、LED22が放射する光の照度分布は、街路方向Gに沿った方向への広がりを有し、街路方向Gの両側に向かう光を放射するのに好適となる。
【0029】
次いで、レンズ部5の形状及びレンズ部5による光の配光制御について説明する。
レンズ部5の外面5C(出射面)には、
図8に示すように、適宜にカットされた光の制御面20が配置されている。制御面20は、街路方向Gに沿った方向についてのレンズ部5の中心の両側で対称に形成される。
制御面20は、街路方向G(ここでは、列線L1,L2と直交する方向)に向かう光を制御する第1制御面20A、20Bと、街路幅方向Wで、かつ路面8Rに向かう光を制御する第2制御面20Cと、を備えている。また、第1制御面20A、20Bの延長面上には、街路方向Gに向かう光を制御する第3制御面20D、20Eが形成されている。
制御面20A〜20Eは、LED22と相対する位置に配置されており、LED22の光軸方向から見た光出射面内において、LED22が放射する光が入射される屈折部を構成する。
また、制御面20A〜20Eを通る光は、ここで屈折して
図1に示す街路8の路面8Rに拡散される。拡散された光は、防犯灯1の設置箇所を中心として、街路方向Gに沿った方向について、防犯灯1の両側に広がるエリアEを含む照射エリアを照射する。複数の制御面20A〜20Eにより、路面8Rにおける器具の近傍の照射エリア8R1(
図11参照)での水平面照度が確保される。
【0030】
ここで、第3制御面20D、20Eは、レンズ部5の突出端側から側面にかかる部位に位置する肩部の表面を構成するが、小さな曲率半径で面形状を変化させると配光制御が困難となる。本実施形態では、第3制御面20D、20Eは、
図8(B)、
図8(D)に示しように、レンズ部5の側面に向かってレンズ部5の基端側に傾斜する平面により構成されている。これにより、第3制御面20D、20Eから出射される照射光の配光制御が容易となり、照射先でのムラを抑制できる。
【0031】
また、光の制御面20は、街路8の内側と逆側(器具本体30の背後側)に向かう光を遮蔽する一対の第4制御面20F、20Gを備えている。第4制御面20F、20Gは、LED22の光軸方向の外縁部から投影されるLED22の範囲の外側に外れた位置で、しかも、街路8の内側とは逆側に外れた位置に配置される。
第4制御面(以下、第1全反射面部という)20F、20Gは、その下方の内面5Bから入射した光を全反射して街路8側に光を配光する。
第1全反射面部20F、20Gは、
図8(A)、
図8(B)に示すように、レンズ部5の幅方向の中央の両側に、器具本体部の背後に向かって延びるように設けられた概略断面台形状の一対の柱状レンズ部19の対向面により構成されている。また、投影面内において、第1全反射面部20F、20Gは、
図8(A)に示すように、器具本体30の背後側に向かうにつれて外広がりのV字状であり、その開き角θが大きい程、街路8の正面側に光が配光され、その開き角θが小さい程、街路方向Gに光が配光される。
図8(B)に示すように、第1全反射面部20F、20Gの断面形状は、光軸方向Kの前方に向かって口開き状となっている。
【0032】
一対の第1全反射面部20F、20Gの夫々の外方には、屈折部である第5制御面20H、20Iが配置されている。第5制御面20H、20Iは、柱状レンズ部19の外面のうち、第1全反射面部20F、20Gから連続する凸状の壁面により構成されている。特に、第5制御面20H、20Iは、第1全反射面部20F、20Gを介して入射された光を遠方の照射エリアに向けて屈折させる。以下、第5制御面20H、20Iを、凸状屈折部20H、20Iとして説明する。
また、第6制御面20J、20Kの夫々が、柱状レンズ部19の基端側から外側に延在している。第6制御面20J、20Kの夫々は、LED22の光軸Kに略平行で、列線L1,L2の方向に略直交する壁面であり、街路方向Gに沿った方向に延在し、第2全反射面部を構成する。以下、第6制御面20J、20Kを第2全反射面部20J、20Kとする。
【0033】
次いで、第1全反射面部20F、20G及び第2全反射面部20J、20Kで反射される光について説明する。
図9は第2全反射面部20J、20Kに反射される光の配光を説明する図、
図10は第1全反射面部20F、20Gに反射される光の配光を説明する図である。
図9及び
図10とも、一つのレンズ部5に特化して光線を図示しているが、他のレンズ部5も同様に配光を制御している。
図9において、光軸方向Kは紙面垂直な方向になっている。LED22から防犯灯1の背後に向かう光のうち、第2全反射面部20J、20Kに到達した光は、反射して街路8の内側に向かう光成分41を有する。このため、防犯灯1の背後へ向かう光が抑制される。
【0034】
また、
図10において、LED22から防犯灯1の背後に向かう光のうち、第1全反射面部20F、20Gに到達した主な成分は反射される。この光は、概略街路方向Gに沿った方向に向かい、凸状屈折部20H、20Iから出射される。凸状屈折部20H、20Iで屈折して出射される光成分42は、LED22の光軸に対し、主として鉛直角80°以上の照射光を配光する。凸状屈折部20H、20Iから照射される光成分42は、防犯灯1の近傍の照射エリア8R1から街路方向Gの遠方に離れた照射エリア8R2(
図11参照)を照射し、そこでの鉛直面照度を高める成分となる。
【0035】
図11は街路8に沿った方向に隣接して設置された防犯灯1の設置態様を示す図であり、凸状屈折部20H、20Iで屈折して出射される光の光線図を併せて図示している。なお、同図において、符号8R1、8R2は、右側の防犯灯1についての近傍のエリア、及び、その近傍のエリアより遠方での照射エリアを示している。
図11に示すように、防犯灯1が街路方向Gに取付間隔Dをあけて複数設けられる場合、設置台数の削減の観点からは、防犯灯1は、街路8での規定の照度が保たれる範囲で、できるだけ互いの間隔を広くあけて取り付けることが要求される。
前述したように、各防犯灯1は、照射範囲の全域で、路面8Rの上方に位置し、街路幅方向Wに直交する鉛直面EAにおいて、路面8Rから所定高さ(例えば1.5メートル)での照度(鉛直面照度)が、人の顔を認識できる程度の規定の明るさを得られるように設計されている。
基本的には、防犯灯1から離れるほど防犯灯1の光が届きにくくなり、鉛直面照度が下がる。街路方向Gに関し、各防犯灯1が、規定の鉛直面照度を満足する照射領域の範囲が広がるほど、
図11に示す防犯灯1の取付間隔Dを広げることができる。
複数の防犯灯1を隣接して設ける場合、街路方向Gに関し、規定の鉛直面照度を満たす照射範囲の両端同士が重なるように、防犯灯1の互いの間隔を調整して設置することで、防犯灯1の取付間隔Dを最も広くなる。
以下では、鉛直面照度の規定を満たす範囲にある鉛直面EAのうち、防犯灯1から最も離れた鉛直面EAを遠方の照射エリア8R2とする。
なお、路面8Rの近傍の照射エリア8R1の水平面照度は、設置された複数の防犯灯1の光を足し合わせた照度が、規定する照度以上になるように規定されている。この規定を満足するように、各防犯灯1から路面8Rに向かう光が制御されている。
【0036】
また、防犯灯1が設置される周囲環境としては、例えば、街路8の外側に隣接して家屋が建てられていたり、街路8の外側に隣接して田んぼや畑があったりする場合がある。防犯灯1の光が家屋に光が入り込むと、住人の生活サイクルを乱す要因となる。また、街路8の外側に隣接して田んぼや畑に光が漏れると、漏れた光が農作物の生長に悪影響を及ぼしたり、光に集まってくる害虫が、農作物に被害を及ぼしたりする要因となる。このような光害を回避するため、防犯灯1の背後への光の照射を抑制したいという要求がなされる場合がある。
前述したように、LED22から防犯灯1の背後に向かって放射された光の多くの成分が、第1全反射面部20F、20G及び第2全反射面部20J、20Kに反射され、防犯灯1の背後に向かう光が抑制される。また、第1全反射面部20F,20Gに反射された光の配光は、凸状屈折部20H、20Iでの屈折によって、遠方の照射エリア8R2に向かうように制御される。つまり、本実施の形態の防犯灯1では、背後に向かう不要な光を抑制するだけでなく、
図11に示すように、遠方の照射エリア8R2を照射する光成分42として有効に利用することで、遠方の照射エリア8R2の鉛直面照度が高められている。
【0037】
以上説明したように、本実施形態のレンズ部5は、LED22を覆い、LED22の光軸方向から見た光出射範囲内において、少なくともLED22に相対する位置に複数の曲率または面で形成された複数の屈折部を配置し、且つ、光出射範囲内でLED22の光軸方向の外縁部から投影される範囲の外側に外れた位置に第1全反射面部20F、20Gを配置している。
この構成によれば、照射が不要な方向への光をレンズ部5の第1全反射面部20F、20Gにより反射させて、反射させた光を、照度を高めたい照射エリアに向けることで、LED22の消費電力を増大させずに、例えば、LED22から遠くに離れた遠方の照射エリア8R2での鉛直面照度を高めることができる。これに伴い、防犯灯1を複数設置する場合には、互いの間の取付間隔Dを広げて設置できる。
【0038】
また、第1全反射面部20F、20Gが一対で略V字状に配置され、且つ一対の第1全反射面部20F、20Gの夫々の外方に、凸状に形成したレンズの光軸に対して主として80°以上の照射光を配光するための凸状屈折部20H、20Iが配置されている。
この構成によれば、LED22から外れた位置に、例えば、V字状の第1全反射面部20F、20Gに反射された光を含むLED22の光を、レンズ部5の光軸に対して主として80°以上の照射光を配光して、凸状屈折部20H、20Iから放射できるので、遠方の照射エリア8R2での鉛直面照度を効率よく高めることができる。
例えば、防犯灯1の高さ位置としては、4〜5m程度であることも多い。このような場合、LED22を光源とする防犯灯1に対し、LED22が放射する光の配光をレンズ部5で制御する場合、光の光軸に対する鉛直角として、主として80°以上を狙うことで、LED22が、防犯灯1で標準的に利用されるものであっても、防犯灯1の鉛直面照度の規定を満たす街路方向Gについての照射範囲を防犯灯1の両側に30m程度とすることも可能となる。
【0039】
また、凸状屈折部20H、20Iの夫々の外側に、LED22の光軸に略平行な、LED22からの光を遮る第2全反射面部(他の全反射面部)20J、20Kをさらに備えている。
この構成によれば、例えば、LED22から放射される光のうち、LED22の光軸方向Kから見て、例えば、LED22を照射したい正面とは逆側の背面側に向かう方向に第1全反射面部20F、20Gと第2全反射面部20J、20Kを配置することで、LED22の背後に照射される光を一層抑制できる。
【0040】
また、防犯灯1は、LED22を覆うレンズ部5が、LED22の光軸方向から見た光出射範囲内において、少なくともLED22に相対する位置に複数の曲率または面で形成され、主として防犯灯1の近傍の照射エリア8R1での水平面照度を確保する複数の屈折部を配置し、且つ、光出射範囲内でLED22の光軸方向の外縁部から投影される範囲の外側に、主として防犯灯1の近傍より遠方の照射エリア8R2での鉛直面照度を確保する第1全反射面部20F、20Gを配置している。
したがって、例えば、防犯灯1を街路8の照明に用いる場合には、屈折部により、照射が必要な領域の水平面照度を確保しつつ、防犯灯1の背後など、照射が不要な方向への光を第1全反射面部20F、20Gにより反射させることで、防犯灯1の近傍の照射エリア8R1より遠方の照射エリア8R2にでの鉛直面照度が確保される。防犯灯1の照射が不要な方向への光の漏れを抑制しつつ、LED22の消費電力を増大させずに、遠方の照射エリア8R2での鉛直面照度を高めることができる。このため、防犯灯1の光により、防犯灯1の背後の住人や農作物に対して光害を与ることを防止できるとともに、街路方向Gに沿って防犯灯1を複数設置する場合には、互いの間隔を広くあけることができ、防犯灯1の設置数を削減できる。
【0041】
また、防犯灯1では、第1全反射面部20F、20Gが一対で略V字状に配置され、且つ一対の第1全反射面部20F、20Gの夫々の外方に凸状とした、レンズ部5の光軸に対して主として鉛直角80°以上の照射光を配光するための凸状屈折部20H、20Iを配置し、防犯灯1の近傍の照射エリア8R1より遠方の照射エリア8R2における鉛直面照度を高めている。
上述したように、防犯灯1の高さ位置としては、4〜5m程度であることも多い。このような場合、光の光軸に対する鉛直角を主として80°以上を狙うことで、LED22が、防犯灯1で標準的に利用されるものであっても、防犯灯1の遠方の照射エリア8R2での鉛直面照度の規定を満たす街路方向Gについての照射範囲を防犯灯1の両側に30m程度とすることも可能となる。
【0042】
また、防犯灯1では、凸状屈折部20H、20Iの夫々の外側に、LED22の光軸に略平行な、LED22からの光を遮る第2全反射面部20J、20Kをさらに備えている。
第2全反射面部20J、20Kを、防犯灯1の背後に漏れる光を遮る全反射面として利用することで、防犯灯1の背後に漏れる光を一層抑制できる。
【0043】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば上述した実施形態では、屋外設置型の照明器具の一例として防犯灯1を例示したが、これに限らず、本発明は、街路灯や道路灯、投光器にも適用できる。
また、発光素子の一例としてLED22を例示したが、これに限らず、有機EL等の他の発光素子でも良い。
また、発光素子たるレンズを、グローブ6に一体に形成されて、グローブ6の一部をなすレンズ部5として記載したが、レンズは、グローブ6の一部をなすものによらず、例えば、単体のレンズを、LED22毎に設けてもよい。