(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
静電潜像が形成されてトナーで現像される被現像体に対向して配置された現像ドラムと、該現像ドラムの中心軸の延長線上に延び該現像ドラムを回転自在に支持する軸部材とを有し、該現像ドラムの回転によりトナーを含む現像剤を前記被現像体に向けて搬送して該被現像体上の静電潜像をトナーで現像する現像剤搬送体と、
前記現像ドラム側面を向いた第1面と該第1面に対する裏面である第2面とを有し、該第1面と該第2面とに貫通し前記軸部材が挿通される挿通孔と該第2面から突出し第1結合部が形成された突出部とが形成され、前記軸部材が該挿通孔に挿通された状態に該軸部材を支持する支持部材と、
前記支持部材側を向いた内面と該内面に対する裏面である外面とを有し、前記軸部材を貫通させる貫通孔と、前記第1結合部に重なる位置に形成された通し穴とを有し、該支持部材の前記第2面側に、該第2面との間に空間を持って該第2面を覆うように配置されて、該支持部材に固定された蓋部材と、
前記通し穴と重なる第2結合部と、前記貫通孔に挿入されて前記軸部材が貫通し該軸部材によって位置決めされる中空の筒状部と、前記被現像体側に延び該被現像体に対し位置が定められた被現像体側の部材に突き当てられる突当部とを有し、前記蓋部材の前記外面に宛てがわれて、前記軸部材が前記筒状部に貫通し、前記通し穴を通り前記第1結合部および前記第2結合部に結合された結合部材により固定されて、前記被現像体側の部材への前記突当部の突き当てにより前記被現像体と前記現像ドラムとの間隔をあらかじめ定められた間隔に維持する間隔維持部材と、を備え、
前記蓋部材に設けられた前記貫通孔が、前記間隔維持部材の前記筒状部の外径よりも大きな径を有する孔であることを特徴とする現像装置。
前記蓋部材は、前記外面のうちの、該間隔維持部材に宛てがわれた部分の少なくとも一部が、該少なくとも一部を除いた部分に比して凹んでいることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の画像形成装置100の全体構成図である。
【0013】
この
図1に示す画像形成装置100は、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、および黒(K)色それぞれのトナーを用いてトナー像を形成するカラーのプリンタである。この画像形成装置100は、YMCK各色のトナーによるトナー像をそれぞれ形成する4台の画像形成エンジン20Y,20M,20C,20Kが、用紙の搬送方向に沿って配置されたいわゆるタンデムタイプのプリンタである。
【0014】
画像形成エンジン20Y,20M,20C,20Kには、
図1の矢印By方向,矢印Bm方向,矢印Bc方向,矢印Bk方向にそれぞれ回転する、電子写真方式用の積層型の感光体21Y,21M,21C,21Kがそれぞれ備えられている。また、画像形成エンジン20Y,20M,20C,20Kには、感光体21Y,21M,21C,21Kの周囲に、帯電器22Y,22M,22C,22K、露光器23Y,23M,23C,23K、現像装置24Y,24M,24C,24K、1次転写ロール25Y,25M,25C,25K、および、感光体用クリーニング装置26Y,26M,26C,26Kがそれぞれ設けられている。各画像形成エンジン内の感光体は、各画像形成エンジン内の帯電器により、あらかじめ定められた電位に表面電位が達するように帯電される。そして、この帯電された感光体に各画像形成エンジン内の露光器が、レーザ光により、回転する各感光体の回転軸に沿った方向についてのラスタ走査を行うことで、電位の分布として表される静電潜像が各感光体上に形成される。この静電潜像に対し、帯電したトナーを含む現像剤中のトナーを、各画像形成エンジン内の各現像装置が静電的に付着させることで静電潜像が現像される。ここで、現像装置24Y,24M,24C,24Kには、現像ドラム241Y,241M,241C,241K、および、2本の撹拌部材242Y,242M,242C,242Kがそれぞれ備えられている。各2本の撹拌部材は、
図1の紙面に対して垂直な方向を回転軸として回転してトナーを含む現像剤を撹拌し、この撹拌により現像剤中のトナーを帯電させる。一方、各現像ドラムの周面は、
図1の紙面に対して垂直な方向に延びる現像ドラムの中心軸を回転軸としてこの図の時計回りの方向に回転し、帯電したトナーを含む現像剤を、対向する各感光体に近接する位置まで搬送する。ここで、各現像ドラムが、本発明にいう現像剤搬送体の一例に相当する。
【0015】
また、
図1の各画像形成エンジンの下側には、各画像形成エンジン内の感光体に接する中間転写ベルト30が設けられている。中間転写ベルト30は、駆動ロール31から駆動力を受けながら
図1の矢印A方向に循環移動する。この中間転写ベルト30を挟んで感光体21Y,21M,21C,21Kに対向する位置には1次転写ロール25Y,25M,25C,25Kがそれぞれ備えられている。この中間転写ベルト30は、各感光体上で形成されたトナー像の転写(1次転写)を受けて1次転写像を運搬する。中間転写ベルト30に転写されずに感光体21Y,21M,21C,21K上に残留したトナーは、感光体用クリーニング装置26Y,26M,26C,26Kによりそれぞれ除去される。
【0016】
また、中間転写ベルト30の移動方向について4つの1次転写ロール25Y,25M,25C,25Kよりも下流側には、バックアップロール33、および、2次転写ロール40が備えられており、中間転写ベルト30は、バックアップロール33により2次転写ロール40に押し付けられている。また、この画像形成装置100には、用紙を収容するトレイ60が備えられており、中間転写ベルト30により2次転写ロール40の位置まで運搬されてきた1次転写像は、2次転写ロール40により、トレイ60から取り出された用紙に2次転写される。また、画像形成装置100には、定着装置50、および、中間転写ベルト用クリーニング装置70が設けられている。定着装置50は、用紙上に2次転写された未定着の2次転写像を用紙に定着させる処理を行うものであり、中間転写ベルト用クリーニング装置70は、用紙上に2次転写されずに中間転写ベルト30上に残留したトナーを除去するものである。
【0017】
次に、この画像形成装置100における画像形成の一連の動作について説明する。
【0018】
帯電器22Y,22M,22C,22Kにより、感光体21Y,21M,21C,21Kの帯電が行われ、露光器23Y,23M,23C,23Kにより、帯電した感光体21Y,21M,21C,21Kの上に静電潜像がそれぞれ形成される。
【0019】
感光体21Y,21M,21C,21K上にそれぞれ形成された静電潜像は、現像装置24Y,24M,24C,24Kによって、各画像形成エンジンに対応した色のトナーを含む現像剤中のトナーでそれぞれ現像されて、YMCK各色のトナーによるYMCK各色のトナー像が形成される。このようにして各画像形成エンジンごとに形成されたトナー像は、各像保持体に対応した1次転写ロール25Y,25M,25C,25Kにおいて、中間転写ベルト30上に、順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、これにより、各画像形成エンジンごとの1次転写像からなる重ね合わせトナー像が形成される。重ね合わせトナー像は中間転写ベルト30により運搬され、2次転写ロール40の位置に達する。
【0020】
一方、上記のYMCK各色のトナーによる重ね合わせトナー像の形成と呼応してトレイ60中の用紙が取り出される。取り出された用紙は、1次転写された各色のトナー像からなる重ね合わせトナー像が中間転写ベルト30により2次転写ロール40の位置に達するのにタイミングを合わせて2次転写ロール40の位置に送り出され、2次転写ロール40によってこの用紙上に重ね合わせトナー像が転写(2次転写)される。そして、定着装置50によって用紙上の2次転写像に定着処理が施され、排紙トレイ80上に排出される。
図1には、トレイ60から取り出されて排紙トレイ80上に排出されるまでの用紙搬送路が、点線矢印で示す経路で示されている。なお、用紙への2次転写後に中間転写ベルト30上に残留したトナーは中間転写ベルト用クリーニング装置70により除去される。
【0021】
以上が、この画像形成装置100における画像形成の一連の動作についての説明である。
【0022】
次に、この画像形成装置100に備えられている現像装置について詳しく説明する。上述したように、この画像形成装置100には、YMCK4色のトナーにそれぞれ対応した4つの現像装置24Y,24M,24C,24Kが備えられている。各現像装置は、各現像装置によって用いられているトナーの色が異なるものの、ハードウェアとしては同一のものである。そこで、以下では、K色トナーに対応した現像装置24Kを代表させて、画像形成装置100に備えられている現像装置についての説明を行う。
【0023】
図2は、K色トナーに対応した現像装置、および、K色トナーに対応した感光体を
図1の斜め上方向からみたときの図、
図3は、
図2に示す現像装置24Kおよび感光体21Kの左側の端部を表した図、および、
図4は、
図2に示す現像装置24Kおよび感光体21Kの右側の端部を表した図である。
【0024】
図2には、
図1の斜め上方向から見たときには現像装置24Kの筐体に隠れているために視認できない現像ドラム241Kが点線で示されている。
図2に示すように、現像装置24Kの両端部には、間隔維持部材240a,240bがそれぞれ設けられている。ここで、左側の間隔維持部材240bは、
図3に示すように、感光体21Kを回転可能に支持するベアリング210bに向かって突出してベアリング210bに突き当たっている突当部2401bを備えている。同様に、右側の間隔維持部材240aは、
図4に示すように、感光体21Kを回転可能に支持するベアリング210aに向かって突出してベアリング210aに突き当たっている突当部2401aを備えている。2つの間隔維持部材240a,240bは、これら2つの間隔維持部材240a,240bが有する突当部2401a,2401bが感光体21K側のベアリング210a,210bにそれぞれ突き当たることにより、
図2に示す感光体21Kと現像ドラム241Kとの間の距離を一定に保つ働きをする。
【0025】
図5は、
図2に示す現像装置を、感光体側から表した図である。
【0026】
現像装置24Kは、
図5の左右方向に延びる長尺な形状を有しており、同様に
図5の左右方向に延びる長尺な現像ドラム241Kを備えている。この
図5における現像ドラム241Kの下側にはフィルム2410が設けられている。このフィルム2410は、現像ドラム241K上の現像剤に含まれるトナーにより感光体21K(
図1参照)上の静電潜像が現像される際にトナーが飛散することを防ぐためのものである。ここで、
図1で上述したように、現像装置24Kには、2つの撹拌部材242Kも備えられているが、2つの撹拌部材242Kは、現像装置24Kの、
図5に示されている側とは反対側に備えられており、これら2つの撹拌部材242Kは
図5には示されてはいない。
【0027】
また、現像装置24Kには、現像ドラム241Kの中心軸上およびその延長線上に延びている軸部材2411が設けられている。ただし、
図5では、この軸部材2411のうち、現像ドラム241Kの中心軸の延長線上に延びている部分だけが表れている。この軸部材2411は、後述するように、現像ドラム241Kを回転自在に支持する部材であり、軸部材自体は回転せずに静止した状態に維持される。また、現像装置24Kの、
図5の左側の端部には、側面壁2400に一端が固定され他端が図の左方向に突き出ている入力ギア軸部2431aや、回転駆動力の入力を受けて入力ギア軸部2431aを回転軸として回転する回転駆動力入力ギア2431が設けられている。回転駆動力入力ギア2431の回転駆動力は、
図5には現れていないいくつかのギア(
図8で後述)を経て、側面壁2400上の連結ギア2435に伝達される。
図5の左側の端部には、軸部材2411を中心軸として回転する現像ドラム駆動ギア2436が設けられおり、連結ギア2435に伝達された回転駆動力は現像ドラム駆動ギア2436に伝達される。現像ドラム駆動ギア2436の回転駆動力は、
図11で後述する機構(
図5では表れていない)により現像ドラム241Kに伝達され、この伝達された回転駆動力により軸部材2411を回転中心として現像ドラム241Kが回転する。これにより、現像ドラム241Kの周面上の、帯電したトナーを含む現像剤が、
図1の感光体21Kに向かって搬送され、上述したように静電潜像の現像に用いられる。
【0028】
また、現像装置24Kの図の左側の端部には、現像ドラム駆動ギア2436や連結ギア2435を含む複数のギアであって、回転駆動力入力ギア2431に入力された回転駆動力を現像ドラム241Kに伝達するための複数のギアを覆うとともに、上述の入力ギア軸部2431aを支持する蓋部材243が設けられている。この蓋部材243については、後で詳しく説明する。
【0029】
さらに、この蓋部材243よりも
図5の左側には、
図2で上述した間隔維持部材240aが備えられている。また、現像装置24Kの
図5の右側の端部にも同様に、感光体21Kと現像装置24K中の現像ドラム241Kとの間の距離を一定に保つためのもう1つの間隔維持部材240bが設けられている。
【0030】
ここで、現像ドラム241Kが本発明にいう現像ドラムの一例に相当し、軸部材2411が本発明にいう軸部材の一例に相当する。また、側面壁2400が本発明にいう支持部材の一例に相当し、蓋部材243が本発明にいう蓋部材の一例に相当する。また、本発明にいう間隔保持部材は、その配置が蓋部材と関連しており、本実施形態では、2つの間隔維持部材240a,240bのうちの蓋部材243側の間隔維持部材240aが本発明にいう間隔保持部材の一例に相当する
図6は、
図5の現像装置24Kの左側の端部を表した斜視図である。
【0031】
蓋部材243は、2つの蓋部材固定ネジ2432,2433により
図5の側面壁2400に固定されている。この蓋部材243は、入力ギア軸部2431aが貫通する入力ギア軸部用貫通孔2431bを有しており、入力ギア軸部用貫通孔2431bを入力ギア軸部2431aが貫通することにより、この蓋部材243は入力ギア軸部2431aを支持している。この蓋部材243による入力ギア軸部2431aの支持により、回転駆動力入力ギア2431が回転する際の振動が押さえられる。
【0032】
図6には、
図5で上述した間隔維持部材240aも示されている。間隔維持部材240aは、間隔維持部材固定ネジ2402により、蓋部材243上に設けられたネジ通し穴(
図6には表れておらず
図7で後述する)の中に備えられている突出部(
図6には表れておらず
図7で後述する)にネジ止めされている。また、この間隔維持部材240aには、軸部材2411が貫通しており、間隔維持部材240aは、間隔維持部材固定ネジ2402と、
図7で後述する突出部とによる上述のネジ止めと、軸部材2411とによって支持されている。ここで、
図6には、間隔維持部材240aにおいて、
図6の右方向に突出した形状の、
図2で上述した突当部2401aが設けられており、この突当部2401aの先端が、
図2で説明したように
図2の感光体21Kを支持するベアリング210aに突き当てられることで、感光体21Kと現像ドラム241Kとの間の距離の維持が図られる。
【0033】
図7は、
図6の状態から間隔維持部材240aを取り外した状態を表した図である。
【0034】
図7に示すように、蓋部材243上において、間隔維持部材240aが配置されていた箇所(
図6参照)には、ネジ通し穴2435bが設けられいる。このネジ通し穴2435bの中には、
図5の側面壁2400に一端が固定され他端が
図5の左方向に延び
図5の連結ギア2435の回転中心となる突出部2435aが設けられている。突出部2435aには、上述した間隔維持部材固定ネジ2402と結合するネジ穴が形成されており、
図6の間隔維持部材240aは、
図6の間隔維持部材固定ネジ2402によって
図7の突出部2435aにネジ止めされる。また、蓋部材243には、
図7に示すように、蓋部材243上における
図6の間隔維持部材240aの位置決め用のピン2404が設けられている。ここで、間隔維持部材固定ネジ2402と結合する上述のネジ穴が、本発明にいう第1結合部の一例に相当し、ネジ通し穴2435が、本発明にいう通し穴の一例に相当し、間隔維持部材固定ネジ2402が、本発明にいう結合部材の一例に相当する。
【0035】
図8は、
図7の状態から蓋部材243を取り外した状態を表した図である。
【0036】
側壁2400上には、
図8に示すように、2つのネジ受け部材2432a,2433aが設けられている。これら2つのネジ受け部材2432a,2433aは、
図7に示す蓋部材243をネジ止めするための、
図6で上述した2つの蓋部材固定ネジ2432,2433と結合するものである。
【0037】
図8には、
図1に示す2つの撹拌部材242Kが回転する際の回転駆動の駆動中心軸となる2つの撹拌部材駆動軸(
図8では表れておらず
図10で後述する)に取り付けられる2つのギア支持突起部2438や、2つのギア支持突起部2438に支持されて2つのギア支持突起部2438を回転駆動軸として回転する2つの撹拌部材ギア2434が示されている。これら2つの撹拌部材ギア2434のうちの図の左下の撹拌部材ギア2434は、図の右上の撹拌部材ギア2434と接触しているとともに、回転駆動力入力ギア2431とも接触している。回転駆動力入力ギア2431に入力された回転駆動力は、図の左下の撹拌部材ギア2434に伝達され、これにより、この左下の撹拌部材ギア2434が回転する。また、この左下の撹拌部材ギア2434の回転は、右上の撹拌部材ギア2434に伝達され、これにより、この右上の撹拌部材ギア2434が回転する。ここで、この図では表れていないが、2つの撹拌部材ギア2434は、
図1の2つの撹拌部材242Kにそれぞれ接続されており、2つの撹拌部材ギア2434の回転とともに、
図1の2つの撹拌部材242Kは、
図1の紙面に対して垂直な方向を回転軸として回転する。この撹拌部材242Kの回転により、
図1の現像装置24K内で、トナーを含む現像剤の撹拌が行われ、撹拌されたトナーが帯電する。また、図の右上の撹拌部材ギア2434には、ベアリング2434bが取り付けられおり、このベアリング2434bは、後述するように、
図7の蓋部材243が右上の撹拌部材ギア2434を回転可能に支持するためのものである。
【0038】
図8の右上の撹拌部材ギア2434は、連結ギア2435と接触しており、右上の撹拌部材ギア2434の回転は連結ギア2435に伝達され、連結ギア2435は上述の突出部2435aを回転中心として回転する。
【0039】
連結ギア2435は、現像ドラム駆動ギア2436と接触しており、連結ギア2435の回転は現像ドラム駆動ギア2436に伝達され、現像ドラム駆動ギア2436を回転させる。現像ドラム駆動ギア2436は、この図では表れていないが
図1および
図5に示す現像ドラム241Kに接続されており、現像ドラム駆動ギア2436の回転とともに、
図1の現像ドラム241Kが
図1の紙面に対して垂直な方向を回転中心として回転する。
【0040】
図9は、
図8の状態からベアリング2434bを取り外した状態を表した図である。
【0041】
図9に示す2つのギア支持突起部2438のうち、右上のギア支持突起部2438の先端に
図8のベアリング2434bが取り付けられる。ここで、右上のギア支持突起部2438にベアリング2431aが取り付けられた状態では、この右上の撹拌部材ギア2434が右上のギア支持突起部2438とともに回転しても、ベアリング2434bは、右上のギア支持突起部2438と接触する内周面のみが回転し外周面は回転しない。このようにベアリング2434bが取り付けられた状態で、ギア支持突起部2438は、
図6および
図7に示す蓋部材243にはめ込まれて支持される。
【0042】
図10は、
図9の状態から、回転駆動力入力ギア2431、2つの撹拌部材ギア2434、および連結ギア2435を取り外した状態を表した図である。
【0043】
図10に示すように、側面壁2400上には、入力ギア軸部2431a、2つの撹拌部材駆動軸2434a、および、突出部2435aが突き出している。また、側面壁2400上には、蓋部材243を位置決めするための蓋部材位置決め部材2439が設けられている。
【0044】
図9に示す回転駆動力入力ギア2431および連結ギア2435は、上述したように、
図10に示す入力ギア軸部2431aおよび突出部2435aを回転中心として回転する。一方、2つの撹拌部材ギア2434は、上述したように、2つの撹拌部材駆動軸2434aとともにこれら2つの撹拌部材駆動軸2434aを回転駆動軸として回転する。これら2つの撹拌部材駆動軸2434aの回転により
図1に示す2つの撹拌部材242Kの回転が実現する。
【0045】
図11は、
図10に示す現像ドラム241Kの構成を表した断面図である。
【0046】
現像ドラム241Kは、フランジ2401および現像スリーブ2404により構成されており、
図11には、これらフランジ2401および現像スリーブ2404からなる現像ドラム241Kの端部の断面が、現像ドラム駆動ギア2436、軸部材2411、および、側壁2400の断面とともに示されている。フランジ2401は、軸部材2411のまわりを軸部材2411との間に隙間を維持しつつ取り巻いている。現像ドラム駆動ギア2436は、フランジ2401の外周面に接触しており、現像ドラム駆動ギア2436の回転により、フランジ2401は、軸部材2411を回転中心として回転する。フランジ2401の外面の一部には、現像スリーブ2404が取り付けられており、フランジ2401の回転とともに現像スリーブ2404も軸部材2411を回転中心として回転する。ここで、
図11には、
図5の現像装置24Kの側壁2400の断面も模式的に示されており、軸部材2411やフランジ2401は側壁2400を挿通している。ここで、軸部材2411やフランジ2401が挿通する側壁2400上の挿通孔には、フランジ2401と接するベアリング2400aが設けられている。側壁2400は、この挿通孔に設けられたベアリング2400aを介して、軸部材2411やフランジ2401を支持している。このベアリング2400aは、フランジ2401と接する内周面はフランジ2401の回転ともに回転するが、側壁2400と接する外周面は、内周面に連動せずに静止した状態に維持される。これにより、側壁2400は、フランジ2401を回動自在に支持している。
【0047】
軸部材2411には軸受部材2402が取り付けられており、この軸受部材2402は、フランジ2401にも接触している。この軸受部材2402は、軸部材2411に接する部分が、フランジ2401に接触する部分と連動しない構造を有しており、フランジ2401に接触する部分がフランジ2401の回転とともに回転しても、軸部材2411に接する部分はその回転に連動せずに、軸部材2411とともに静止した状態に維持される。すなわち、フランジ2401の回転は軸部材2411に伝達されることなく、フランジ2401が回転しても軸部材2411は静止した状態に維持されることとなる。また、軸部材2411の、軸受部材2402よりも図の右側の部分では、軸部材2411の周囲にマグネット2403が配置されている。このマグネット2403は、現像スリーブ2404の周回方向に複数の磁極が配列されたものであり、その磁極の配列は、
図1の感光体21Kに近接する現像位置を通過した現像スリーブ2404上の現像剤が磁気的な力により現像スリーブ2404から離れやすくなるように、あらかじめ決められた配列となっている。
【0048】
次に、
図6に示す間隔維持部材240aについて詳しく説明する。
【0049】
図12は、
図6に示す間隔維持部材240aを表した図である。
【0050】
図12の間隔維持部材240aの図の右向きの側面が、
図6で蓋部材243に対向する面である。この右向きの面には、軸部材2411が貫通する中空の筒状部2406が設けられており、筒状部の外周面上にはリブ2405が設けられている。筒状部2406は、軸部材2411が貫通した状態で
図7に示す軸部材用貫通孔2403の内部に収容されるものであり、リブ2405は、筒状部2406が、あらかじめ決められた程度以上に軸部材用貫通孔2403の内部に進入することを阻止する役割を果たしている。また、間隔維持部材240aには、位置決め用凹部2407、および、ネジ止め穴2408も設けられている。位置決め用凹部2407は、
図7のピン2404を収容して蓋部材243上での間隔維持部材240aの位置決めを補助する働きをしており、ネジ止め穴2408は、
図6の間隔維持部材固定ネジ2402によるネジ止めの際に、
図7の突出部2435aが貫通する穴である。ここで、ネジ止め穴2408が、本発明にいう第2結合部の一例に相当する。
【0051】
一般に、蓋部材は現像装置への取り付け時に姿勢がずれた状態で取り付けられてしまうことが多い部材であり、間隔維持部材と蓋部材との結合が強すぎると、姿勢がずれた状態で取り付けられた蓋部材の影響を間隔維持部材が強く受け、間隔維持部材の姿勢も、本来あるべき姿勢からずれやすくなる。なお、このような取り付け時における蓋部材の姿勢のずれは、取り付け時における蓋部材それ自体の姿勢のずれに起因して生じる以外に、蓋部材が位置決めされる現像装置の側面壁(たとえば
図5の側面壁2400参照)の取り付け時における姿勢のずれに起因しても生じるものである。
【0052】
このように間隔維持部材の姿勢が、本来あるべき姿勢からずれると、感光体と現像ドラムとの間の距離が、本来あるべき距離からずれて所望の画像濃度が実現できないといった問題が生じるおそれがある。
図5の現像装置24Kでは、こうした問題を回避するため、間隔維持部材と蓋部材との結合が、従来の間隔維持部材と蓋部材との結合よりも弱まるように蓋部材の形状に工夫が凝らされている。以下では、この工夫について説明するが、その前に、この工夫の意義を明確化するために、従来の蓋部材の形状について説明する。
【0053】
図13は、従来の蓋部材243’の外側の形状を表した図、
図14は、
図13の従来の蓋部材243’の内側の形状を、
図12に示す間隔維持部材240aとともに表した図である。
【0054】
図14に示すように、従来の蓋部材243には、
図10に示す入力ギア軸部2431aが貫通する入力ギア軸部用貫通孔2431bや、
図10の蓋部材位置決め部材2439が差し込まれる位置決め溝2431cが設けられている。入力ギア軸部用貫通孔2431bに対する
図10の入力ギア軸部2431aの貫通と、位置決め溝2431cに対する
図10の蓋部材位置決め部材の差し込みにより、蓋部材243は、
図10に示す側面壁2400に対して位置決めされる。
【0055】
ここで、
図13に示すように従来の蓋部材243’には、
図10に示す突出部2435aが貫通するネジ通し穴2435bが設けられている。ネジ通し穴2435bの孔径は、
図12に示す間隔維持部材240aのネジ止め穴2408の孔径と同程度であり、
図14に示すようにネジ通し穴2435bとネジ止め穴2408とが孔の位置を合わせた状態で、
図10に示す突出部2435aがこれら2つの孔を
図14の右手前方向から貫通し、
図6に示す間隔維持部材固定ネジ2402と結合する。これにより、間隔維持部材240aは、蓋部材243を間に挟んだ状態で、
図10に示す突出部2435aに固定されることとなる。
【0056】
また、従来の蓋部材243’には、
図7の軸部材2411が貫通するための軸部材用貫通孔2403’が設けられている。ここで、この軸部材用貫通孔2403’の孔径は、
図14の間隔維持部材240aの筒状部2406の筒状の外径と同程度であり、
図14に示すように、筒状部2406の筒状部の全周面を軸部材用貫通孔2403’の内壁面に当接させた状態で、筒状部2406が軸部材用貫通孔2403’にぴったりはまり込むようになっている。従来では、この軸部材用貫通孔2403’に対する筒状部2406のはまり込みにより、間隔維持部材240aが従来の蓋部材243’に対して強固に結合して位置決めされる。
【0057】
また、従来の蓋部材243’には、位置決め用のピン2404(
図7も参照)が設けられている。
図12において上述したように、位置決め用のピン2404は、
図12の間隔維持部材240aの位置決め用凹部2407に収容されることで、蓋部材243上での間隔維持部材240aの位置決めを補助する働きをする。
【0058】
以上説明したように、従来の蓋部材243’では、軸部材用貫通孔2403’に対し間隔維持部材240aの筒状部2406がはまり込んで強固に結合している。このため、間隔維持部材240aは従来の蓋部材243’の姿勢の影響を受けやすく、取り付け時において蓋部材の姿勢のずれが発生すると、感光体と現像ドラムとの間の距離が、本来あるべき距離からずれて所望の画像濃度が実現できないという上述の問題が生じる。
【0059】
また、従来の蓋部材243’では、
図13に示すネジ通し穴2435b周辺の面が平坦で間隔維持部材240aにぴったり接するようになっている(なお
図14も参照)。この点でも、従来の蓋部材243’では、間隔維持部材240aがこの従来の蓋部材243’の姿勢の影響を受けやすくなっている。
【0060】
図15は、従来の蓋部材243’を
図8の状態の現像装置24Kの端部に取り付けたときの様子を、
図8の突出部2435aの延びる方向と
図8の上下方向とを含む面内で模式的に表した図である。
【0061】
図15に示すように、従来の蓋部材243’では、ネジ通し穴2435b周辺の面は、位置決め用のピン2404を除いてほぼ平坦であり、突出部2435bの先端は、この面上に位置している。この状態で、間隔維持部材240aが、上述したように突出部2435bにネジ止めされると、間隔維持部材240aの
図12の右手前側を向いた面の多くの部分が、従来の蓋部材243’の、ネジ通し穴2435b周辺の面に接するようになる。このように間隔維持部材240aと従来の蓋部材243’との接触面積が広い場合には、間隔維持部材240aがこの従来の蓋部材243’の姿勢の影響を受けやすく、感光体と現像ドラムとの間の距離が、本来あるべき距離からずれて所望の画像濃度が実現できないという上述の問題が生じることとなる。
【0062】
次に、以上説明した、従来の蓋部材243’の形状とその問題点を踏まえて、
図5の現像装置24Kで用いられている蓋部材243の形状について説明する。
【0063】
図16は、
図5の現像装置24Kで用いられている蓋部材243の外側の形状を表した図、
図17は、
図16の蓋部材243の内側の形状を、
図12に示す間隔維持部材240aとともに表した図である。
【0064】
図17に示すように、蓋部材243には、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と同様に、
図10に示す入力ギア軸部2431aが貫通する入力ギア軸部用貫通孔2431bや、
図10の蓋部材位置決め部材2439が差し込まれる位置決め溝2431cが設けられている。そして、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と同様に、入力ギア軸部用貫通孔2431bに対する
図10の入力ギア軸部2431aの貫通と、位置決め溝2431cに対する
図10の蓋部材位置決め部材の差し込みにより、蓋部材243は、
図10に示す側面壁2400(
図5も参照)に対して位置決めされる。
【0065】
また、
図16に示すように、蓋部材243には、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と同様に、
図10に示す突出部2435aが貫通するネジ通し穴2435bが設けられており、ネジ通し穴2435bの孔径は、
図12に示す間隔維持部材240aのネジ止め穴2408の孔径と同程度である。そして、
図17に示すようにネジ通し穴2435bとネジ止め穴2408とが孔の位置を合わせた状態で、
図10に示す突出部2435aがこれら2つの孔を
図17の右手前方向から貫通し、
図6に示す間隔維持部材固定ネジ2402と結合する。これにより、間隔維持部材240aは、蓋部材243を間に挟んだ状態でネジ通し穴2435bに固定されることとなる。
【0066】
ここで、
図16に示す蓋部材243にも、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と同様に、
図7の軸部材2411が貫通するための軸部材用貫通孔2403が設けられている。ただし、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’とは異なり、この軸部材用貫通孔2403’の孔径は、
図17の間隔維持部材240aの筒状部2406の筒の外径よりも大きいものとなっている。このため、
図17に示すように、筒状部2406の筒状部が軸部材用貫通孔2403に収容された状態では、筒状部2406の筒状部の外周面は、軸部材用貫通孔2403の内壁と全く接触しないか、あるいは、接触するにしても外周面のうちのせいぜい一部のみが軸部材用貫通孔2403の内壁と接触するだけであって、
図14の従来の蓋部材243’のように筒状部2406が軸部材用貫通孔2403にぴったりはまり込むという状態は実現しない。この結果、
図16および
図17に示す蓋部材243では、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と比べると間隔維持部材240aとの結合が弱く、間隔維持部材240aは、
図16および
図17に示す蓋部材243の姿勢のずれの影響を受けにくくなっている。このため、
図5の現像装置24Kでは、
図2の感光体21Kと現像ドラム241Kとの間の距離が、本来あるべき距離に維持されることとなる。
【0067】
ここで、
図16に示す蓋部材243には、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’と同様に、
図12の間隔維持部材240aの位置決め用凹部2407に収容される位置決め用のピン2404(
図7も参照)が設けられている。
図16に示すように、蓋部材243では、ピン2404およびネジ通し穴2435bの周囲の領域2435cが凹んでおり、これにより、蓋部材243と間隔維持部材240aとの接触面積は、
図13および
図14に示す従来の蓋部材243’ と間隔維持部材240aとの接触面積と比べて小さくなっている。この工夫により、蓋部材243は、間隔維持部材240aの姿勢のずれの影響を、より一層受けにくくなっており、
図2の感光体21Kと現像ドラム241Kとの間の距離のさらなる安定化が図られている。
【0069】
以上の説明においては、タンデム型のカラーの片面出力プリンタを例として説明したが、本発明の画像形成装置は、タンデム型のカラーの両面出力プリンタに適用されてもよく、また、モノクロの片面出力あるいは両面出力プリンタに適用されてもよい。さらには、プリンタ以外にコピー機やファックス機に適用されてもよい。