特許第5983314号(P5983314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000002
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000003
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000004
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000005
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000006
  • 特許5983314-情報処理装置及びプログラム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983314
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20160818BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G06F13/00 354A
   H04N1/00 107Z
   H04N1/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-239352(P2012-239352)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-89601(P2014-89601A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 啓
【審査官】 小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−094736(JP,A)
【文献】 特開2007−104034(JP,A)
【文献】 特表2009−531908(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0114601(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0087778(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0305700(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/113427(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0003283(KR,A)
【文献】 中国特許出願公開第101411158(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物理インタフェースと、
複数のネットワークの各々の通信機器に関する識別情報と、ネットワーク設定情報と、を関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の前記物理インタフェースを介して取得された前記識別情報と、前記第1の物理インタフェースに設定された第1の前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた第2の前記ネットワーク設定情報を前記第1の物理インタフェースに設定し、前記第2のネットワーク設定情報が設定されていた第2の前記物理インタフェースに、前記第1のネットワーク設定情報を設定する通信制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通信機器は、DHCPサーバであり、
前記記憶手段には、各ネットワークに接続された前記DHCPサーバの識別情報と、前記ネットワーク設定情報と、が関連付けられており、
前記通信制御手段は、前記第1の物理インタフェースを介して取得された前記DHCPサーバの識別情報と、前記第1の物理インタフェースに設定された前記第1のネットワーク設定情報に関連付けられた前記DHCPサーバの識別情報と、が異なる場合、前記取得されたDHCPサーバの識別情報に関連付けられた前記第2のネットワーク設定情報を前記第1の物理インタフェースに設定し、前記第2の物理インタフェースに、前記第1のネットワーク設定情報を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のネットワークの各々には、複数の前記DHCPサーバが接続されており、
前記記憶手段には、前記複数のDHCPサーバの各々の識別情報と、前記ネットワーク設定情報と、が関連付けられており、
前記通信制御手段は、前記第1の物理インタフェースを介して取得された前記DHCPサーバの識別情報と、前記第1の物理インタフェースに設定された前記第1のネットワーク設定情報に関連付けられた前記複数のDHCPサーバの識別情報と、が異なる場合、前記取得されたDHCPサーバの識別情報に関連付けられた前記第2のネットワーク設定情報を前記第1の物理インタフェースに設定し、前記第2の物理インタフェースに、前記第1のネットワーク設定情報を設定する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通信機器は、ルータであり、
前記記憶手段には、各ネットワークに接続された前記ルータに関する識別情報と、前記ネットワーク設定情報と、が関連付けられており、
前記通信制御手段は、前記第1の物理インタフェースを介して取得された前記ルータに関する識別情報と、前記第1の物理インタフェースに設定された前記第1のネットワーク設定情報に関連付けられた前記ルータに関する識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた前記第2のネットワーク設定情報を前記第1の物理インタフェースに設定し、前記第2の物理インタフェースに、前記第1のネットワーク設定情報を設定する
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のネットワークの各々の通信機器に関する識別情報と、ネットワーク設定情報と、を関連付けて記憶する記憶手段の記憶内容を取得する手段、
第1の物理インタフェースを介して取得された前記識別情報と、前記第1の物理インタフェースに設定された第1の前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた第2の前記ネットワーク設定情報を前記第1の物理インタフェースに設定し、前記第2のネットワーク設定情報が設定されていた第2の物理インタフェースに、前記第1のネットワーク設定情報を設定する通信制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のNIC(ネットワークインタフェースカード)を備えた通信装置において、一のNICに設定されたネットワーク設定情報を流用して、他のNICに設定すべきネットワーク設定情報を決定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−118664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、情報処理装置に接続された複数のネットワークに適合するそれぞれのネットワーク設定情報を用いて通信を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の情報処理装置は、複数のネットワークの何れかと通信する物理インタフェースと、各ネットワークに接続された通信機器に関する識別情報と、各ネットワークに対応するネットワーク設定情報と、を関連付けて記憶する記憶手段と、前記物理インタフェースを介して取得された前記識別情報と、前記物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた前記ネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する通信制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の情報処理装置は、前記情報処理装置は、複数の前記物理インタフェースを含み、前記複数の物理インタフェースの各々には、前記記憶手段に記憶されたネットワーク設定情報の何れかが設定され、前記通信制御手段は、前記複数の物理インタフェースの少なくとも一つを介して取得された前記識別情報と、当該物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記複数の物理インタフェースの各々と、前記記憶手段に記憶されたネットワーク設定情報と、の関係を制御する、ことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の情報処理装置は、前記通信制御手段は、前記物理インタフェースを介して取得された前記識別情報が、当該物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と異なり、かつ、他の前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と一致する場合、当該他のネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する、ことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の情報処理装置は、前記情報処理装置は、複数の前記物理インタフェースを含み、前記複数の物理インタフェースの各々には、前記記憶手段に記憶されたネットワーク設定情報の何れかが設定され、前記通信制御手段は、前記複数の物理インタフェースの各々について、当該物理インタフェースを介して取得される前記識別情報と、当該物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記複数の物理インタフェースの各々と、前記記憶手段に記憶されたネットワーク設定情報と、の関係を制御する、ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の情報処理装置は、前記通信機器は、DHCPサーバであり、前記記憶手段には、各ネットワークに接続された前記DHCPサーバの識別情報と、各ネットワークに対応するネットワーク設定情報と、が関連付けられており、前記通信制御手段は、前記物理インタフェースを介して取得された前記DHCPサーバの識別情報と、前記物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記DHCPサーバの識別情報と、が異なる場合、前記取得されたDHCPサーバの識別情報に関連付けられた前記ネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する、ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に記載の情報処理装置は、前記複数のネットワークの各々には、複数の前記DHCPサーバが接続されており、前記記憶手段には、前記複数のDHCPサーバの各々の識別情報と、前記ネットワーク設定情報と、が関連付けられており、前記通信制御手段は、前記物理インタフェースを介して取得された前記DHCPサーバの識別情報と、前記物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記複数のDHCPサーバの識別情報と、が異なる場合、前記取得されたDHCPサーバの識別情報に関連付けられた前記ネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する、ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に記載の情報処理装置は、前記通信機器は、ルータであり、前記通信制御手段は、前記物理インタフェースを介して取得された前記ルータに関する識別情報と、前記物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記ルータに関する識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた前記ネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に記載のプログラムは、複数のネットワークの各々に接続された通信機器に関する識別情報と、各ネットワークに対応するネットワーク設定情報と、を関連付けて記憶する記憶手段の記憶内容を取得する手段、前記物理インタフェースを介して取得された前記識別情報と、前記物理インタフェースに設定された前記ネットワーク設定情報に関連付けられた前記識別情報と、が異なる場合、前記取得された識別情報に関連付けられた前記ネットワーク設定情報に基づいて、前記物理インタフェースの通信を制御する通信制御手段、としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び8に記載の発明によれば、情報処理装置に接続された複数のネットワークに適合するネットワーク設定情報を用いて通信を行う。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、複数の物理インタフェースの各々とネットワーク設定情報との関連付けを制御する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、物理インタフェースを介して取得した識別情報と一致する識別情報が関連付けられたネットワーク設定情報を用いて通信を行う。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、複数の物理インタフェースの各々を介して取得された通信機器に関する識別情報に応じて、複数の物理インタフェースの各々とネットワーク設定情報との関連付けを制御する。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、DHCPサーバの識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、複数のDHCPサーバの識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、ルータに関する識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図2】画像形成装置にIPアドレスが割り当てられるまでのシーケンス図である。
図3】画像形成装置の機能ブロック図である。
図4】設定情報記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
図5】画像形成装置が実行する処理を示すフロー図である。
図6】変形例(4)におけるハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。本実施形態では、本発明に係る情報処理装置を画像形成装置に適用した場合を例に挙げて説明するが、情報処理装置は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータによって実現されるようにすればよい。
【0022】
[1.画像形成装置のハードウェア構成]
図1は、本発明に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部12、記憶部14、画像読取部16、画像形成部18、及び通信部20を含んで構成される。画像形成装置10は、図1に示す構成の他にも、操作部、表示部、及び電源スイッチ等を含んで構成されるようにしてもよい。
【0023】
制御部12は、CPUを含んで構成される。制御部12は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行して画像形成装置10の各部を制御する。
【0024】
記憶部14は、ハードディスクやRAM等の各種メモリにより構成される。記憶部14は、例えば、制御部12により実行されるプログラムを記憶する記憶媒体である。他にも例えば、記憶部14は、制御部12の作業メモリとしても用いられる。なお、記憶部14としては、種々のメモリが適用可能である。例えば、半導体メモリ等の記憶装置によって、記憶部14が実現されるようにしてもよい。
【0025】
なお、本実施形態において記憶部14に記憶されることとして説明するプログラムや各種データは、通信部20を介して外部装置から取得されるようにしてもよいし、外部記憶媒体から取得されるようにしてもよい。
【0026】
画像読取部16は、スキャナ等により構成される。画像読取部16は、用紙等の走査対象物を光学的走査することにより、走査対象物の画像を生成する。画像形成部18は、プリンタ等により構成される。画像形成部18は、画像読取部16又は通信部20から取得される画像データに基づいて記録媒体(例えば、用紙やフィルム)に画像を形成する。
【0027】
通信部20は、NIC等により構成され、画像形成装置10に接続される外部装置と有線又は無線データ通信を行う。本実施形態では、通信部20は、複数の物理インタフェースを含む。ここでは、通信部20が2つの物理インタフェース(第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24)を含む場合を例に挙げて説明するが、通信部20に含まれる物理インタフェースの数は、任意の数でよい。
【0028】
第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24は、それぞれ所定形状のコネクタ(ケーブル34,44の差込口)を含み、複数のネットワーク(第1ネットワーク30及び第2ネットワーク40)の何れかと通信する。なお、本実施形態では、2つのネットワークの各々と画像形成装置10とが接続される場合を説明するが、画像形成装置10に接続されるネットワークの数は複数であればよく、3つ以上であってもよい。
【0029】
第1ネットワーク30及び第2ネットワーク40は、インターネット、イントラネット、又はNGN(Next Generation Network)等である。第1ネットワーク30及び第2ネットワーク40は、互いに独立したネットワークであり、相互に接続されていない。第1ネットワーク30及び第2ネットワーク40の各々は、第1ネットワーク30又は第2ネットワーク40と信号を送受信することにより、通信を行う。
【0030】
図1に示すように、第1ネットワーク30は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ32を含み、第2ネットワーク40は、DHCPサーバ42を含む。DHCPサーバ32,42は、コンピュータからの要求に応じて、IPアドレスを割り当てる。
【0031】
図2は、画像形成装置10にIPアドレスが割り当てられるまでのシーケンス図である。ここでは、第1物理インタフェース22のコネクタにケーブル34が挿入された場合の処理の流れについて説明する。図2に示すように、第1物理インタフェース22のコネクタにケーブル34が挿入されると、画像形成装置10は、ブロードキャストを行い、画像形成装置10と同じセグメントの第1ネットワーク30全体に対して(ブロードキャストアドレスに対して)、ディスカバーメッセージを送信する。ディスカバーメッセージは、第1物理インタフェース22のMACアドレス等を含む。
【0032】
一方、DHCPサーバ32は、ディスカバーメッセージを受信すると、画像形成装置10に対してオファーメッセージを送信する。オファーメッセージは、画像形成装置10が使用可能なIPアドレス(他のコンピュータにリースされていないIPアドレス)の情報、DHCPサーバ32のIPアドレス、及びベンダ固有情報等を含む。DHCPサーバ32は、画像形成装置10に対してリース可能なIPアドレスを提示することになる。
【0033】
画像形成装置10は、オファーメッセージを受信すると、オファーメッセージに含まれるIPアドレスを取得する。なお、画像形成装置10が、複数のオファーメッセージを受信した場合には、最も早くに受信したオファーメッセージに含まれるIPアドレスが取得される。画像形成装置10は、上記取得したIPアドレスを含むリクエストメッセージを、DHCPサーバ32に送信する。
【0034】
DHCPサーバ32は、リクエストメッセージを受信すると、当該内容に従って画像形成装置10にIPアドレスを割り当てる。DHCPサーバ32は、画像形成装置10に割り当てたIPアドレスを、他のコンピュータが使用できないように制限する。そして、DHCPサーバ32は、IPアドレスが正式に割り当てられたことを示すアクトメッセージを、画像形成装置10に送信する。画像形成装置10は、アクトメッセージを受信すると、当該内容に従って、IPアドレスの設定処理を実行し、以降の通信を制御する。
【0035】
なお、第2物理インタフェース24のコネクタにケーブル44が挿入された場合の処理の流れも、上記と同様である。「第1物理インタフェース22」の記載を「第2物理インタフェース24」と読み替え、「第1ネットワーク30」の記載を「第2ネットワーク40」と読み替え、「DHCPサーバ32」の記載を「DHCPサーバ42」と読み替えればよい。また、第1物理インタフェース22のコネクタにケーブル44が挿入される場合、及び、第2物理インタフェース24のコネクタにケーブル34が挿入される場合も、上記と同様のシーケンスが実行されることになる。
【0036】
ここでは、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24は、互いに対応する種類のNIC(例えば、同じ通信規格を有するNIC)であり、同一形状のコネクタ(差込口)を有するものとする。したがって、ケーブル34及びケーブル44は、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の何れにも挿入されることになる。
【0037】
ユーザが画像形成装置10からケーブル34,44を外して、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24に挿入し直した場合には、元々挿入されていたコネクタとは異なるコネクタにケーブル34,44が挿入されてしまうことがある。例えば、第1物理インタフェース22に第1ネットワーク30用の設定がなされているにもかかわらず、第1物理インタフェース22のコネクタにケーブル44が挿入されてしまうことがある。同様に、第2物理インタフェース24に第2ネットワーク40用の設定がなされているにもかかわらず、第2物理インタフェース22のコネクタにケーブル34が挿入されてしまうことがある。
【0038】
本実施形態においては、このような誤接続が発生した場合に、現在接続されているネットワークに応じたネットワーク設定情報を、物理インタフェースに自動的に割り当てる構成になっている。以降、当該構成について詳細に説明する。
【0039】
[2.画像形成装置において実現される機能]
図3は、画像形成装置10の機能ブロック図である。図3に示すように、画像形成装置10は、設定情報記憶部50と、通信内容取得部52と、識別情報判定部54と、通信制御部56と、を含む。図3に示す各機能は、記憶部14に記憶されたプログラムが、制御部12により実行されることによって実現される。また、本実施形態においては、図3に示す各機能のうち、通信内容取得部52、識別情報判定部54、及び通信制御部56は、制御部12を主として実現され、設定情報記憶部50は、記憶部14を主として実現される。
【0040】
[2−1.設定情報記憶部]
設定情報記憶部50は、各ネットワーク(例えば、第1ネットワーク30又は第2ネットワーク40)に接続された通信機器(例えば、DHCPサーバ32,42)に関する識別情報と、各ネットワークに対応するネットワーク設定情報と、を関連付けて記憶する。本実施形態においては、DHCPサーバ32,42の識別子(例えば、サーバの名称やMACアドレス、ベンダ固有情報等)が、上記識別情報に相当する。
【0041】
図4は、設定情報記憶部50の記憶内容の一例を示す図である。図4に示すように、ここでは、DHCPサーバ32の識別子と、DHCPサーバ32が接続された第1ネットワーク30用のネットワーク設定情報と、が関連付けられて記憶されており、DHCPサーバ42の識別子と、DHCPサーバ42が接続された第2ネットワーク40用のネットワーク設定情報と、が関連付けられて記憶されている。設定情報記憶部50に格納されるDHCPサーバ32,42の識別子は、過去の通信において取得されたものであってもよいし、ユーザにより入力されたものであってもよい。
【0042】
ネットワーク設定情報は、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に設定される情報であり、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24がすべき通信内容(通信方法)を定義する情報である。例えば、ネットワーク設定情報は、DHCP設定の有無を示す情報、IPv4を利用するか否かを示す情報(IPv4のオンオフを示す情報)、IPv6を利用するか否かを示す情報(IPv6のオンオフを示す情報)等である。ネットワーク設定情報に含まれる各パラメータ等は、予めユーザにより設定されている。
【0043】
他にも例えば、第1ネットワーク30又は第2ネットワーク40がNGNである場合には、SIP(Session Initiation Protocol)FAX情報やNGN用のホームゲートウェイ(NGNにおけるブロードバンドルータに対応する機器)のIPアドレス等が、ネットワーク設定情報に含まれているようにしてもよい。SIPFAX情報とは、SIPFAXで使用される通信プロトコルである、T.38プロトコルの設定情報であり、例えば、T.38プロトコルの通信で使用されるポート番号である。他にも例えば、NGN用のホームゲートウェイ(NGNにおけるブロードバンドルータに相当する)のIPアドレスが、第1ネットワーク30に固有の設定情報に相当するようにしてもよい。
【0044】
画像形成装置10に含まれる複数の物理インタフェース(ここでは、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24)の各々には、設定情報記憶部50に記憶されたネットワーク設定情報の何れかが設定される。第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、後述する第1論理インタフェース58又は第2論理インタフェース60と、が関連付けられる(接続される)ことが、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々にネットワーク設定情報が設定されることに相当する。
【0045】
第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24は、自身に設定されたネットワーク設定情報に基づいて通信を行うことになる。例えば、ネットワーク設定情報にDHCP設定がなされている場合、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24にケーブル34,44が挿入されたことが検知されると、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24は、ブロードキャストでディスカバーメッセージを送信することになる。
【0046】
[2−2.通信内容取得部]
通信内容取得部52は、画像形成装置10と他のコンピュータとの通信内容(パケット)を取得する。ここでは、通信内容取得部52は、DHCPサーバ32,42が送信した情報(オファーメッセージ等)を取得する。通信内容取得部52が取得する通信内容には、DHCPサーバ32,42の識別子が含まれているものとする。DHCPサーバ32,42の識別子は、オファーメッセージに含まれており、例えば、DHCPサーバ32,42の名称やMACアドレス等が識別子に相当する。
【0047】
[2−3.識別情報判定部]
識別情報判定部54は、通信内容取得部52の取得結果に基づいて、各物理インタフェース(ここでは、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24)を介して取得された識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、各物理インタフェースに設定されているネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が一致するか否か(異なるか否か)を判定する。
【0048】
識別情報判定部54は、DHCPサーバ32,42の識別子と、設定情報記憶部50に記憶された識別子と、を比較して両者が同じであるか否か(両者が異なるか否か)を判定する。例えば、識別情報判定部54は、通信内容取得部52が取得した識別子と、設定情報記憶部50に記憶された識別子と、の文字列比較により、両者が一致するか否か(両者が異なるか否か)を判定することになる。
【0049】
[2−4.通信制御部]
通信制御部56は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得された識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が異なる場合、取得された識別情報に関連付けられたネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御する。
【0050】
通信制御部56は、識別情報判定部54により識別情報が一致しないと判定された場合(識別情報が異なると判定された場合)、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に現在設定されているネットワーク設定情報に代えて、上記取得されたDHCPサーバ32,42の識別子に関連付けられたネットワーク設定情報を、物理インタフェースに設定する。即ち、通信制御部56は、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に設定されるネットワーク設定情報を変更することになる。
【0051】
ここでは、通信制御部56は、複数の論理インタフェース部(例えば、第1論理インタフェース58及び第2論理インタフェース60)を含む。
【0052】
第1論理インタフェース58は、第1ネットワーク30用のネットワーク設定情報を設定するための論理インタフェースであり、第1ネットワーク30に接続されたDHCPサーバ32の識別子が関連付けられたネットワーク設定情報を取得する。第1論理インタフェース58は、当該ネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御することになる。
【0053】
一方、第2論理インタフェース60は、第2ネットワーク40用のネットワーク設定情報を設定するための論理インタフェースであり、第2ネットワーク40に接続されたDHCPサーバ42の識別子が関連付けられたネットワーク設定情報を取得する。第2論理インタフェース60は、当該ネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御することになる。
【0054】
本実施形態では、通信制御部56は、複数の物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24)の少なくとも一つを介して取得された識別情報(例えば、DHCPサーバ32,34の識別子)と、当該物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が異なる場合、複数の物理インタフェースの各々と、記憶手段(例えば、設定情報記憶部50)に記憶されたネットワーク設定情報と、の関係を制御する。
【0055】
第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、ネットワーク設定情報と、の関係とは、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、第1論理インタフェース58及び第2論理インタフェース60の各々と、の関連付け(マッピング)のことである。上記関係を制御するとは、物理インタフェースと論理インタフェースとの組み合わせを切り替える(変更する)ことである。
【0056】
例えば、第1物理インタフェース22と第1論理インタフェース58とが関連付けられ、かつ、第2物理インタフェース24と第2論理インタフェース60とが関連付けられていた場合、通信制御部56は、第1物理インタフェース22に第2論理インタフェース60を関連付け、かつ、第2物理インタフェース24に第1論理インタフェース58を関連付けるように制御する。
【0057】
また例えば、第1物理インタフェース22と第2論理インタフェース60とが関連付けられ、かつ、第2物理インタフェース24と第1論理インタフェース58とが関連付けられていた場合、通信制御部56は、第1物理インタフェース22に第1論理インタフェース58を関連付け、かつ、第2物理インタフェース24に第2論理インタフェース60を関連付けるように制御する。
【0058】
[3.画像形成装置において実行される処理]
図5は、画像形成装置10が実行する処理を示すフロー図である。制御部12は、記憶部14に記憶されたプログラムに従って、図5に示す処理を実行する。図5に示す処理が実行されることによって、図3に示す各機能が画像形成装置10において実現される。なお、ここでは、画像形成装置10の電源スイッチがオンになった場合に、以下の処理が実行される場合を説明する。また、本処理が実行されるにあたり、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々には、ケーブル34,44の何れかが挿入されているものとする。
【0059】
図5に示すように、まず、制御部12は、記憶部14に記憶されたデフォルトの設定に基づいて、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24に、ネットワーク設定情報を割り当てる(S1)。S1においては、制御部12は、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、各ネットワーク設定情報と、の関連付けを決定する。即ち、制御部12は、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の何れかと、を接続する。なお、デフォルトの設定は、予め記憶部14に記憶されているものとする。例えば、電源スイッチが前回オフにされた場合の関連付けが、デフォルトの設定に相当する。
【0060】
制御部12は、デフォルトの設定に基づいて、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々を介して、DHCPサーバ32又はDHCPサーバ42の何れかに対してディスカバーメッセージを送信する(S2)。S2にディスカバーメッセージは、ブロードキャストで送信されることになる。
【0061】
制御部12は、DHCPサーバ32又はDHCPサーバ42からの応答を受信する(S3)。ここでは、制御部12は、DHCPサーバ32のオファーメッセージと、DHCPサーバ42からのオファーメッセージと、を取得することになる。これらオファーメッセージに、DHCPサーバ32,42の識別子が含まれている。
【0062】
制御部12は、S3で取得したオファーメッセージに含まれる識別子と、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24の各々に設定されているネットワーク設定情報に関連付けられた識別子と、が一致するか否かを判定する(S4)。S4においては、制御部12は、DHCPサーバ32,42の識別子の文字列比較を行う。
【0063】
一致しないと判定された場合(S4;N)、制御部12は、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24のネットワーク設定情報を切り替える(S5)。S5においては、制御部12は、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々と、第1論理インタフェース58及び第2論理インタフェース60の各々と、の組み合わせを、デフォルトの設定から変更することになる。
【0064】
一致すると判定された場合(S4;Y)、S5の処理は実行されず、本処理は終了する。この場合、第1物理インタフェース22及び第2物理インタフェース24の各々には、デフォルトの設定に適合したネットワークに接続されているので、ネットワーク設定情報の変更処理は実行されないことになる。
【0065】
上記説明した画像形成装置10は、画像形成装置10に接続されたネットワークに適合するネットワーク設定情報を用いて通信を行う。また、画像形成装置10は、複数の物理インタフェースの各々とネットワーク設定情報との関連付けを制御する。また、画像形成装置10は、DHCPサーバ32,42の識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【0066】
[4.変形例]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0067】
(1)例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24が取得したDHCPサーバ32,42の識別子と、設定情報記憶部50に記憶されている識別子のうち、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に関連付けられている識別子以外の識別子と比較することによって、物理インタフェースと論理インタフェースのマッピングの精度を高めるようにしてもよい。
【0068】
変形例(1)の識別情報判定部54は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得された識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、当該物理インタフェースに設定されているネットワーク設定情報以外のネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が一致するか否かを判定する。
【0069】
通信制御部56は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得された識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)が、当該物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と異なり、かつ、他のネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と一致する場合、当該他のネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御する。即ち、通信制御部56は、設定情報記憶部50に記憶されたネットワーク設定情報のうち、識別情報判定部54により一致すると判定された識別子に関連付けられたネットワーク設定情報を、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に設定することになる。
【0070】
変形例(1)によれば、物理インタフェースを介して取得した識別情報と一致する識別情報が関連付けられたネットワーク設定情報を用いて通信を行う。
【0071】
(2)また例えば、実施形態のS4においては、第1物理インタフェース22と第2物理インタフェース24の何れかについて識別子が一致するか否かを判定する場合を説明したが、第1物理インタフェース22と第2物理インタフェース24の両方について、識別子が一致するか否かを判定することによって、マッピングの精度を高めるようにしてもよい。
【0072】
変形例(2)の識別情報判定部54は、複数の物理インタフェースの各々(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)について、当該物理インタフェースを介して取得される識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、当該物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が一致するか否かを判定する。
【0073】
通信制御部56は、複数の物理インタフェースの各々(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)について、当該物理インタフェースを介して取得される識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、当該物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた識別情報と、が異なる場合、複数の物理インタフェースの各々と、記憶手段(例えば、設定情報記憶部50)に記憶されたネットワーク設定情報と、の関係を制御する。即ち、通信制御部56は、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24の両方について、識別子が一致しないと判定された場合に、物理インタフェースと論理インタフェースのマッピングを変更することになる。
【0074】
変形例(2)によれば、複数の物理インタフェースの各々を介して取得された通信機器に関する識別情報に応じて、複数の物理インタフェースの各々とネットワーク設定情報との関連付けを制御する。
【0075】
(3)また例えば、各ネットワークに複数のDHCPサーバが接続されている場合、画像形成装置10がディスカバーメッセージを送ると、これら複数のDHCPサーバの各々から応答を受信することがある。このため、設定情報記憶部50に、複数のDHCPサーバの各々の識別子を記憶しておくようにしてもよい。
【0076】
変形例(3)の設定情報記憶部50は、複数のDHCPサーバの各々の識別情報と、ネットワーク設定情報と、が関連付けられている。これら識別情報の各々は、第1ネットワーク30又は第2ネットワーク40と画像形成装置10とが過去に接続された場合に取得された識別情報である。
【0077】
識別情報判定部54は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得されたDHCPサーバの識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)が、当該物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられた複数の識別情報の何れかに一致するか否かを判定する。識別情報判定部54は、設定情報記憶部50に記憶された複数の識別情報の各々を比較対象とする。
【0078】
通信制御部56は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得されたDHCPサーバの識別情報(例えば、DHCPサーバ32,42の識別子)と、物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられたDHCPサーバの識別情報と、が異なる場合、上記取得されたDHCPサーバの識別情報に関連付けられたネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御する。即ち、通信制御部56は、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24に現在設定されているネットワーク設定情報に関連付けられた複数の識別子の全てと一致しないと判定された場合に、物理インタフェースと論理インタフェースのマッピングを変更することになる。
【0079】
変形例(3)によれば、複数のDHCPサーバの識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【0080】
(4)また例えば、DHCP識別子以外の情報が、通信機器の識別情報に相当するようにしてもよい。例えば、NGNにおいてはDHCPサーバが存在せず、ルータから得られる情報に基づいてIPアドレスが取得されることがある。このため、当該ルータから得られる情報が、通信機器の識別情報に相当するようにしてもよい。
【0081】
図6は、変形例(4)におけるハードウェア構成図である。図6に示すように、第1ネットワーク30には、ルータ36が接続されており、第2ネットワーク40には、ルータ46が接続されている。ルータ36,46は、画像形成装置10からの要求に応じて、ステートレスアドレスのプレフィックスを送信する。ステートレスアドレスのプレフィックスは、ルータ36,46毎に異なる。
【0082】
画像形成装置10は、ルータ36又はルータ46から得られるステートレスアドレスのプレフィックスと、自身のMACアドレス(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24のMACアドレス)と、に基づいて、IPv6形式のIPアドレスを取得する。例えば、IPv6形式のIPアドレスが128ビット長である場合、上位の64ビットは、ステートレスアドレスのプレフィックス(ルータ36,46の識別情報)が用いられ、下位の64ビットは、画像形成装置10のMACアドレス(画像形成装置10の識別子)が用いられる。
【0083】
変形例(4)の設定情報記憶部50は、識別情報として、ルータ36,44に関する識別情報(例えば、ステートレスアドレスのプレフィックス)を記憶する。また、ここでは、ネットワーク設定情報として、ステートレスアドレス自動設定の有無を示す情報、即ち、DHCPを利用せず画像形成装置10自身がIPアドレスを生成するか否かを示す情報が含まれるものとする。
【0084】
識別情報判定部54は、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24を介して得られるルータ36,44のステートレスアドレスのプリフィックスと、設定情報記憶部50に記憶されたステートレスアドレスのプレフィックスと、を比較して両者が一致するか否か(異なるか否か)を判定する。
【0085】
通信制御部56は、物理インタフェース(例えば、第1物理インタフェース22又は第2物理インタフェース24)を介して取得されたルータ36,46に関する識別情報(例えば、ステートレスアドレスのプレフィックス)と、物理インタフェースに設定されたネットワーク設定情報に関連付けられたルータに関する識別情報と、が異なる場合、上記取得されたルータの識別情報に関連付けられたネットワーク設定情報に基づいて、物理インタフェースの通信を制御する。当該制御方法自体は、実施形態や他の変形例と同様である。
【0086】
変形例(4)によれば、ルータ36,46に関する識別情報に基づいて、設定すべきネットワーク設定情報を特定する。
【0087】
(5)また、画像形成装置10に接続されるネットワークがNGNである場合、ベンダ情報(Vendor-Identifying Vendor Specific Information)がDHCPサーバの識別子として用いられるようにしてもよい。当該ベンダ情報は、NGNの提供者を識別するベンダ識別子と、各提供者による設定情報を示すベンダ定義情報と、を含む。
【0088】
また例えば、上記変形例を組み合わせるようにしてもよい。また、画像形成装置10に含まれる物理インタフェースは1つであってもよい。また例えば、本発明に係る情報処理装置は、画像形成装置以外のコンピュータに適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成装置、12 制御部、14 記憶部、16 画像読取部、18 画像形成部、20 通信部、22 第1物理インタフェース、24 第2物理インタフェース、30 第1ネットワーク、32,42 DHCPサーバ、34,44 ケーブル、36,46 ルータ、40 第2ネットワーク、50 設定情報記憶部、52 通信内容取得部、54 識別情報判定部、56 通信制御部、58 第1論理インタフェース、60 第2論理インタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6