【実施例】
【0056】
本発明の内容を実施例と比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0057】
[被覆体を有する信号伝達部の作製]
【0058】
(実施例1)
【0059】
<エッチング工程>
市販のガラスエポキシ基板(縦×横×厚さ=30mm×30mm×0.5mm)に、接着剤を用いて市販の銅箔(厚さ20μm)を貼り付けて銅箔付き基板(導体)を得た。また、これとは別に、表1に示す組成を有するエッチング液(温度:30℃)を調製した。このエッチング液に、導体を1分間浸漬して、導体表面のエッチング処理を行った。エッチング後、導体を水洗することで、エッチング処理を行った導体を得た。このエッチング液は、過硫酸ナトリウム、及び、硫酸(98質量%)を含有している。
【0060】
【表1】
【0061】
<活性化工程>
表2に示す組成を有する活性化処理液(温度:30℃)を調製した。上述の通りエッチング処理を行った導体を、硫酸(98%)30mlを水1Lで希釈した水溶液(温度:30℃)に30秒間浸漬し、次いで表2の活性化処理液に導体を1分間浸漬して、導体表面の活性化を行った。活性化後、導体を水洗することで、活性化処理を行った導体を得た。この活性化処理液は、硫酸パラジウム、及び、硝酸アンモニウムを含有している。
【0062】
【表2】
【0063】
<パラジウムめっき工程>
表3に示す組成を有する無電解パラジウムめっき液(温度:55℃、pH:6.0)を調製した。上述のように活性化処理を行った導体を、表3の無電解パラジウムめっき液に10分間浸漬し、パラジウムめっき膜を形成した。パラジウムめっき処理後、パラジウムめっき膜が形成された導体を水洗することで、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例1の信号伝達部とした。この無電解パラジウムめっき液は、ジアンミン亜硝酸パラジウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、亜リン酸水素ナトリウム、及び、ギ酸ナトリウムを含有している。
【0064】
【表3】
【0065】
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、パラジウム層が形成された導体を得た。
【0066】
<金めっき工程>
表4に示す組成を有する無電解金めっき液(温度:80℃、pH:5.0)を調製した。上述のように得られたニッケル下地層と、パラジウム層とが順次積層された導体を、表4の金めっき液に10分間浸漬し、金めっき膜を形成した。金めっき処理後、金めっき膜が形成された導体を水洗することで、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例2の信号伝達部とした。この無電解金めっき液は、シアン化金カリウム、シアン化ナトリウム、及び、炭酸ナトリウムを含有している。
【0067】
【表4】
【0068】
(実施例3)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表5に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:55℃、pH:6.0)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例3の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、ジアンミン亜硝酸パラジウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、及び、亜リン酸水素ナトリウムを含有している。
【0069】
【表5】
【0070】
(実施例4)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表5に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:55℃、pH:6.0)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例4の信号伝達部とした。
【0071】
(実施例5)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表6に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:60℃、pH:7.0)を用いたこと、及び当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を10分間から5分間に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例5の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、テトラアンミンパラジウムジクロライド、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0072】
【表6】
【0073】
(実施例6)
パラジウムめっき工程において、表6のパラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を5分間から20分間に変えたこと以外は、実施例5と同様にして、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例6の信号伝達部とした。
【0074】
(実施例7)
【0075】
パラジウムめっき工程において、表6のパラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を5分間から40分間に変えたこと以外は、実施例5と同様にして、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例7の信号伝達部とした。
【0076】
(実施例8)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表6に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:60℃、pH:7.0)を用いたこと、及び当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を10分間から20分間に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例8の信号伝達部とした。
【0077】
(実施例9)
【0078】
<エッチング工程及び活性化工程>
実施例1と同様にして、エッチング処理を行った導体を得た。この導体を、市販の活性化処理液(上村工業株式会社製、商品名:AT−450、温度:30℃)に、1分間浸漬して活性化処理を行った。活性化後、導体を水洗することで、活性化処理を行った導体を得た。
【0079】
<ニッケルめっき工程>
表7に示す組成を有する無電解ニッケルめっき液(温度:85℃、pH:4.5)を調製した。上述のように得られた活性化処理を行った導体を、表7の無電解ニッケルめっき液に30分間浸漬して、ニッケルめっき膜を形成した。ニッケルめっき処理後、導体を水洗することで、ニッケル下地層が形成された導体を得た。この無電解ニッケルめっき液は、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、及び、塩化アンモニウムを含有している。
【0080】
【表7】
【0081】
<パラジウムめっき工程>
表6に示す組成を有する無電解パラジウムめっき液(温度:60℃、pH:7.0)を調製した。上述のように得られたニッケル下地層が形成された導体を、表6の無電解パラジウムめっき液に5分間浸漬して、パラジウムめっき膜を形成した。パラジウムめっき処理後、導体を水洗することで、ニッケル下地層と、パラジウム層とが形成された導体を得た。
【0082】
<金めっき工程>
表4に示す組成を有する無電解金めっき液(温度:80℃、pH:5.0)を調製した。上述のように得られたニッケル下地層と、パラジウム層とが順次積層された導体を、表4の金めっき液に10分間浸漬し、金めっき膜を形成した。金めっき処理後、導体を水洗することで、ニッケル下地層と、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例9の信号伝達部とした。
【0083】
(実施例10)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表8に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:65℃、pH:7.0)を用いたこと、及び当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を10分間から20分間に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、パラジウム層からなる層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例10の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、エチレンジアミン、及び、次亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0084】
【表8】
【0085】
(実施例11)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表8に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:65℃、pH:7.0)を用いたこと、及び当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を10分間から20分間に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例11の信号伝達部とした。
【0086】
(実施例12)
パラジウムめっき工程において、表3のパラジウムめっき液に変えて表9に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:65℃、pH:7.0)を用いたこと、及び当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を10分間から20分間に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例12の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、エチレンジアミン、次亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0087】
【表9】
【0088】
(実施例13)
【0089】
<エッチング工程>
実施例1と同様にして、エッチング処理を行った導体を得た。
【0090】
<錫めっき工程>
後述の表13に示す組成を有する無電解錫めっき液(温度:30℃、pH:1.5)を調製した。上述のように得られたエッチング処理を行った導体を、表13の無電解錫めっき液に30分間浸漬して、錫めっき膜を形成した。錫めっき処理後、導体を水洗することで、錫下地層が形成された導体を得た。この無電解錫めっき液は、メタンスルホン酸錫、メタンスルホン酸、チオ尿素、及び添加剤を含有している。
【0091】
<パラジウムめっき工程>
表8に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:65℃、pH:7.0)を調製した。上述のように得られた錫下地層が形成された導体を、表8の無電解パラジウムめっき液に20分間浸漬して、パラジウムめっき膜を形成した。パラジウムめっき処理後、導体を水洗することで、錫下地層と、パラジウム層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例13の信号伝達部とした。
【0092】
(実施例14)
実施例13と同様の手順で、錫下地層と、パラジウム層とが順次積層された導体を得た。
【0093】
<金めっき工程>
表4に示す組成を有する無電解金めっき液(温度:80℃、pH:5.0)を調製した。上述のように得られた錫下地層と、パラジウム層とが順次積層された導体を、表4の金めっき液に10分間浸漬し、金めっき膜を形成した。金めっき処理後、金めっき膜が形成された導体を水洗することで、錫下地層と、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例14の信号伝達部とした。
【0094】
(実施例15)
パラジウムめっき工程において、表8のパラジウムめっき液に変えて表9に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:65℃、pH:7.0)を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、錫下地層と、パラジウム層と、金層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを実施例15の信号伝達部とした。
【0095】
(比較例1)
パラジウムめっき工程において、表6のパラジウムめっき液に変えて表10に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:50℃、pH:7.5)を用いたこと、当該パラジウムめっき液に導体を浸漬する時間を5分間から10分間に変えたこと、及び金めっき処理を施さなかったこと以外は、実施例9と同様の手順で、ニッケル下地層と、パラジウム層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを比較例1の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、硫酸パラジウム、エチレンジアミン、ギ酸ナトリウム、及び、次亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0096】
【表10】
【0097】
(比較例2)
パラジウムめっき工程において、表10のパラジウムめっき液に変えて表11に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:50℃、pH:7.5)を用いたこと以外は、比較例1と同様の手順で、ニッケル下地層と、パラジウム層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを比較例2の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、硫酸パラジウム、エチレンジアミン、ギ酸ナトリウム、及び、次亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0098】
【表11】
【0099】
(比較例3)
パラジウムめっき工程において、表10のパラジウムめっき液に変えて表12に示す組成を有するパラジウムめっき液(温度:70℃、pH:5.5)を用いたこと以外は、比較例1と同様の手順で、ニッケル下地層と、パラジウム層とが順次積層された積層構造を有する被覆体を、導体上に得た。これを比較例3の信号伝達部とした。このパラジウムめっき液は、塩化パラジウム、エチレンジアミン、及び、次亜リン酸ナトリウムを含有している。
【0100】
【表12】
【0101】
なお、実施例13〜15における錫(Sn)めっきに用いた無電解錫めっき液は、以下の通りである。
【0102】
【表13】
【0103】
[被覆体を有する信号伝達部の評価]
各実施例及び各比較例で得られた信号伝達部の被覆体が有するパラジウム層について、X線回折装置を用いて結晶性を評価した。具体的には、パラジウム結晶面に帰属されるX線回折ピークが確認できたそれぞれの結晶面について、その結晶面配向率を求めた。X線回折ピークを確認できた結晶面のうち、最大の結晶面配向率を有する結晶面とその結晶面配向率を求めた。例えば、
図6のチャートは、X線源をCuKαとしたときの実施例6の信号伝達部のX線回折チャートである。
【0104】
X線回折分析の結果、導体(銅箔)の結晶面に由来する回折ピークのほか、パラジウム結晶面である(111)面及び(200)面に由来する回折ピークが確認され、そのほかのパラジウム結晶面に由来する回折ピークは実質的に確認されなかった。回折ピークを確認できた(111)面及び(200)面の回折ピーク強度の総和に対する各結晶面の回折ピーク強度の比率を百分率で示した数値を求めた結果、最大の結晶面配向率を有する結晶面は(111)面であり、その結晶面配向率は85%であった。各実施例及び各比較例における結果を表14にまとめて示す。なお、いずれのパラジウム結晶面に帰属されるX線回折ピークも実質的に確認できなかったものは、「非晶質」と評価した。
【0105】
各実施例及び各比較例で得られた信号伝達部を、被覆体の層形成方向に沿って切断して、切断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、被覆体を形成するそれぞれの層構造の厚みを求めた。また、同じ切断面において、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による分析を行い、パラジウム層におけるリン濃度を測定した。これらの結果を表14にまとめて示す。
【0106】
以下の手順で接触抵抗測定を行い、各実施例及び各比較例で得られた信号伝達部の接続信頼性を評価した。まず、接触先端部として球形先端形状(R=0.6mm)を有するニッケル下地金めっき仕上げ仕様の市販のコンタクトプローブを準備する。準備したコンタクトプローブ自体の抵抗値を、ケルビンプローブの一方を接触先端部に、もう一方をコンタクトプローブの接触先端部と反対側の端部に接続し、四端子法により測定したところ、11.0mΩであった。
【0107】
次いで、ケルビンプローブの一方を信号伝達部に、もう一方をコンタクトプローブの接触先端部と反対側の端部に接続し、冶具を用いて1Nの押込み力でコンタクトプローブの接触先端部を信号伝達部の表面に接触させた。この状態で、10mAの電流印加により直列抵抗回路として、コンタクトプローブ自身の抵抗値、接触抵抗値及び信号伝達部の抵抗値の合算値を四端子法により求めた。これとは別に、信号伝達部の抵抗値を四端子法で測定したところ、各実施例及び各比較例いずれにおいても十分に低い(0.1mΩ未満)であることを確認した。以上より、接触抵抗値を上述の合算値からコンタクトプローブ自身の抵抗値(11.0mΩ)を減じた値として求めた。
【0108】
接続信頼性評価として、接触抵抗が10.0mΩ未満のものを「S」、10.0mΩ以上20.0mΩ未満のものを「A」、20.0mΩ以上50.0mΩ未満のものを「B」、50.0mΩ以上のものを「C」評価とした。その結果を表14にまとめて示す。
【0109】
JIS C5402−11−14に準拠して、以下の手順で単一ガス流腐食試験を行い、各実施例及び各比較例で得られた信号伝達部の耐食性を評価した。まず、得られた信号伝達部を、H2Sガスを体積基準で1ppm含む汚染ガス雰囲気(温度:30℃、相対湿度:75%)に暴露した。暴露期間は10日間とした。暴露後の信号伝達部に対し、上述の手順でその接触抵抗を測定した。耐食性評価として、暴露後の接触抵抗が10.0mΩ未満のものを「S」、10.0mΩ以上20.0mΩ未満のものを「A」、20.0mΩ以上50.0mΩ未満のものを「B」、50.0mΩ以上のものを「C」評価とした。その結果を表14にまとめて示す。
【0110】
以下の手順で摩耗負荷試験及び接触抵抗測定を行い、各実施例及び各比較例で得られた信号伝達部の耐摩耗性を評価した。まず、冶具を用いて100gfの押込み力で上述のコンタクトプローブの接触先端部を信号伝達部の表面に接触させ、その後コンタクトプローブの接触先端部を信号伝達部の表面から離した。この動作サイクルを1000サイクル繰り返ことで、信号伝達部の表面に摩耗負荷を与えた。摩耗負荷後の信号伝達部に対し、上述の手順でその接触抵抗を測定した。耐摩耗性評価として、摩耗負荷後の接触抵抗が10.0mΩ未満のものを「S」、10.0mΩ以上20.0mΩ未満のものを「A」、20.0mΩ以上50.0mΩ未満のものを「B」、50.0mΩ以上のものを「C」評価とした。その結果を表14にまとめて示す。
【0111】
【表14】
【0112】
実施例1乃至8及び10乃至12における被覆体は、パラジウム層の厚みが0.05μm〜0.4μm、金層の厚みが0μm〜0.05μmと、薄い厚みを有していた。このように薄い被覆体においては製造コストを低くすることができる。また、被覆体が結晶面配向率が65%以上である結晶面を有するパラジウム層を有することで、十分に優れた耐食性及び接続信頼性を有することが確認された。
【0113】
また、実施例3乃至8及び10乃至12における被覆体は、前記パラジウム層が0.5質量%以上2.5質量%以下の濃度範囲でリンを含むことにより、十分に優れた耐食性、接続信頼性及び耐磨耗性を有することが確認された。さらに、実施例9における被覆体は、安価なニッケル下地層を備えることでパラジウム層がより薄い場合においても、十分に優れた耐食性、接続信頼性及び耐摩耗性を有することが確認された。
【0114】
また、実施例2、実施例4、8,9,11,12,14,15のように、金(Au)層を備える場合には、接触抵抗と耐食性が著しく向上した。また、パラジウム層の下地として、Ni又はSnからなる金属下地層を有する場合、すなわち、実施例9、13〜15の場合には、全体の評価値セットは、比較例の評価値セットよりも優れた値となっているが、この下地金属層は、パラジウム層と導体(Cu)とを物理的に隔離する機能を有しているため、Ni又はSnのみならず、他の金属、特に、Fe、Co、Zn、Rh、Ag、Pt、Au、Pb、及びBiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含有することとしても、その隔離機能を奏するものと考えられる。なお、金属下地層は、これらの金属元素の少なくとも1つ以上を含む合金からなることとしてもよい。なお、金属下地層は、これに隣接する上下の層(パラジウム層、導体)とは異なる材料からなる。
【0115】
なお、各層の厚みは、それぞれ±10%の誤差を含むことができる。