(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプ機能を有する冷媒回路装置を備えた自動販売機として次のようなものが知られている。すなわち、主経路と、高圧冷媒導入経路と、放熱経路と、戻経路を有する冷媒回路装置を有する自動販売機である。
【0003】
主経路は、庫内熱交換器、圧縮機、庫外凝縮器及び膨張機構が冷媒配管で順次接続されて環状に構成されている。庫内熱交換器は、対象となる室の内部に配設されている。圧縮機は、庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。庫外凝縮器は、圧縮機で圧縮した冷媒を導入して凝縮させるものである。膨張機構は、庫外凝縮器で凝縮した冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0004】
このような主経路においては、圧縮機で圧縮された冷媒が庫外凝縮器で凝縮し、凝縮した冷媒が膨張機構で断熱膨張され、庫内熱交換器で蒸発する。この庫内熱交換器で蒸発した冷媒は、圧縮機により吸引されて再び圧縮されて循環することになる。これにより庫内熱交換器が配設された室の内部空気は冷却されることになる。
【0005】
高圧冷媒導入経路は、圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、主経路を構成する庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させるものである。これにより該庫内熱交換器が配設された室の内部空気は加熱されることになる。
【0006】
放熱経路は、庫内熱交換器で凝縮した冷媒を導入して、主経路を構成する庫外凝縮器、あるいは他の庫内熱交換器に供給するものである。これにより庫外凝縮器及び他の庫内熱交換器では、通過する冷媒が周囲空気と熱交換を行って蒸発することになる。
【0007】
戻経路は、庫外凝縮器で蒸発した冷媒を導入して、主経路に戻すものである。これにより戻経路を通過した冷媒は、主経路に至り、その後に圧縮機に送出されることになる。
【0008】
このような構成を有する冷媒回路装置においては、該当する室の内部空気の冷却のみを行なう場合(冷却単独運転を行なう場合)には、主経路のみに冷媒を循環させればよい。その一方、一の室の内部空気を冷却して他の室の内部空気を加熱する場合(冷却加熱運転を行なうヒートポンプ運転の場合)には、圧縮機で圧縮した冷媒を高圧冷媒導入経路、放熱経路、戻経路及び主経路の順に循環させればよい。この場合、庫外凝縮器で冷媒が蒸発する際に発生するドレン水を、ドレン構造に集め、主経路の庫外凝縮器の凝縮熱で蒸発させ、ドレン水の処理を行っている。(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記ヒートポンプ回路構成は、冷却運転用冷媒回路構成と、ヒートポンプ加熱用冷媒回路構成を必要としている。両者を同時に運転することにより、ヒートポンプ加熱用回路の蒸発器で発生するドレン水を皿状のドレン構造に一旦貯留し、冷却運転用回路の凝縮器を併設して、冷媒が凝縮する際に生じる潜熱を利用してドレン水を蒸発処理するものである。このように二つの冷媒回路構成を必要とするばかりか、ドレン構造も要するため、全体の構成が大きくなりコストアップの要因やスペース上の配置に制約を有するという課題がある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みて、ひとつの冷媒回路構成で、庫外凝縮器と加熱側熱交換器を一体化し、加熱側熱交換器を上方に配置して、凝縮工程と蒸発工程が非同期でもドレン水を効率よく処理でき、消費電力量の低減化を図ることができる冷媒回路装置を有した自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入して凝縮させる
庫外凝縮器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、自身に設けられた導入電磁弁が開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させて該室の内部雰囲気を加熱させる高圧冷媒導入経路と、 前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を導入して加熱側熱交換器に供給する放熱経路と、前記加熱側熱交換器を通過した冷媒を導入し、前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路と、 前記主経路における庫内熱交換器の上流側にそれぞれ設けられ、前記庫外凝縮器及び前記加熱側熱交換器のいずれかを通過した冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、前記放熱経路は、前記庫内熱交換器から前記加熱側熱交換器に至る放熱配管の途中に配設され、前記放熱配管を通過する冷媒を断熱膨張させる膨張機構とで構成した冷媒回路装置を有する自動販売機において、
前記庫外凝縮器のフィンは水平部分を有し、当該フィンの表面には凹凸を設けた保水構造とし、前記加熱側熱交換器を前記庫外凝縮器の上方へ配置したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、
対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入して凝縮させる庫外凝縮器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、自身に設けられた導入電磁弁が開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させて該室の内部雰囲気を加熱させる高圧冷媒導入経路と、前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を導入して加熱側熱交換器に供給する放熱経路と、前記加熱側熱交換器を通過した冷媒を導入し、前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路と、前記主経路における庫内熱交換器の上流側にそれぞれ設けられ、前記庫外凝縮器及び前記加熱側熱交換器のいずれかを通過した冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、前記放熱経路は、前記庫内熱交換器から前記加熱側熱交換器に至る放熱配管の途中に配設され、前記放熱配管を通過する冷媒を断熱膨張させる膨張機構とで構成した冷媒回路装置を有する自動販売機において、
前記加熱側熱交換器を前記庫外凝縮器の上方へ配置し、前記加熱側熱交換器の蒸発工程と前記庫外凝縮器の凝縮工程の運転に応じて、庫外送風ファンを選択的に駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のヒートポンプ機能を有する冷媒回路装置を有する自動販売機によれば、加熱側熱交換器を庫外凝縮器の上方へ配置することにより、加熱側熱交換器で発生したドレン水を下方の庫外凝縮器の廃熱で蒸発することができる。また、ヒートポンプ運転での蒸発工程と冷却運転の凝縮工程が非同期でも、ドレン水を処理でき、皿状のドレン構造が不要となる。
【0016】
また、加熱側熱交換器を庫外凝縮器の上方へ配置することにより、蒸発と凝縮の工程で、水を介した冷熱交換をすることができ、冷凍サイクルの効率の向上を図ることができる。
庫外凝縮器のフィンは、概ね水平部分を有し、表面は凹凸を設け、保水構造としたことにより、水の降下時間を保つことができ、上記効果を促進することができる。また、加熱側熱交換器の蒸発工程と庫外凝縮器の凝縮工程の運転に応じて、庫外送風ファンを選択的に駆動させることにより、一層の上記効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
【0020】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット1には、その内部に例えば2つの断熱仕切板2によって仕切られた3つの独立した商品収容庫3が左右に並んだ態様で設けてある。この商品収容庫3は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのもので、断熱構造を有している。
【0021】
図2は、
図1に示した自動販売機の内部構造を示すものであり、右側の商品収容庫3の断面側面図である。尚、ここでは左側の商品収容庫3(以下、適宜左庫3cとも称する)の内部構造について示すが、中央の商品収容庫3(以下、適宜中庫3bとも称する)及び右側の商品収容庫3(以下、適宜右庫3aとも称する)の内部構造も左庫3cと略同じような構成であり、右庫3a、中庫3bは冷却専用庫、左庫3cを冷却/加熱兼用庫としている。尚、本明細書における右側とは、自動販売機を正面から見た場合の右方を示し、左側とは、自動販売機を正面から見た場合の左方を示す。
【0022】
かかる
図2に示すように、本体キャビネット1の前面には、外扉4及び内扉5が設けてある。外扉4は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉5は、商品収容庫3の前面を開閉するためのものである。この内扉5は、上下に分割してあり、上側の扉5aは商品を補充する際に開閉するものである。
【0023】
上記商品収容庫3には、商品収納ラック6、搬出機構7及び搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群の最下位にある商品を1つずつ搬出するためのものである。搬出シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉4に設けられた商品取出口4aに導くためのものである。
【0024】
図3は、
図1及び
図2に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。ここで例示する冷媒回路装置は、主経路20、高圧冷媒導入経路30、放熱経路40及び戻経路50からなる冷媒回路10を備えて構成してある。冷媒回路10は、内部に冷媒(例えばR134a)が封入されている。
【0025】
主経路20は、圧縮機21、庫外凝縮器22及び庫内熱交換器24を冷媒配管25にて順次接続して構成してある。
【0026】
圧縮機21は、
図2にも示すように機械室9に配設してある。機械室9は、本体キャビネット1の内部であって商品収容庫3と区画され、かつ商品収容庫3の下方側の室である。この圧縮機21は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。
【0027】
庫外凝縮器22は、
図2にも示すように圧縮機21と同様に機械室9に配設してある。この庫外凝縮器22は、圧縮機21で圧縮された冷媒が通過する場合には、該冷媒を凝縮させるものである。
【0028】
この庫外凝縮器22と圧縮機21とを接続する冷媒配管25には、三方弁261が設けてある。かかる三方弁261については後述する。
【0029】
庫内熱交換器24は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、各商品収容庫3の内部低域であって、背面ダクトD(
図2参照)の前面側に配設してある。これら庫内熱交換器24と庫外凝縮器22とを接続する冷媒配管25は、その途中の第1分岐点P1で3つに分岐して、右庫3aに配設された庫内熱交換器24(以下、右庫内熱交換器24aとも称する)の入口側に、中庫3bに配設された庫内熱交換器24(以下、中庫内熱交換器24bとも称する)の入口側に、左庫3cの内部に配設された庫内熱交換器24(以下、左庫内熱交換器24cとも称する)の入口側にそれぞれ接続してある。
【0030】
また、この冷媒配管25においては、第1分岐点P1から右庫内熱交換器24a、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cのそれぞれに至る途中に膨張機構231,232,233が設けてある。膨張機構231,232,233は、例えばキャピラリーチューブや電子膨張弁等により構成してあり、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0031】
逆止弁28は、庫外凝縮器22の出口部と第1分岐点P1の入口部との間に接続され、冷却運転時に冷媒が庫外凝縮器22へ逆流することを阻止するためのものである。
【0032】
逆止弁29は、加熱側熱交換器42の出口部と第1分岐点P1の入口部との間に接続され、冷却加熱運転時に冷媒が加熱側熱交換器42へ逆流することを阻止するためのものである。
【0033】
上記庫内熱交換器24の出口側に接続された冷媒配管25は、途中の第一合流点P2で合流し、アキュムレータ27を介して圧縮機21に接続している。ここでアキュムレータ27は、通過する冷媒が気液二相状態である場合に、液相冷媒を貯留して気相冷媒を通過させる気液分離手段である。尚、左庫内熱交換器24cの出口側から第1合流点P2に至る冷媒配管25の途中には出口側低圧電磁弁263が配設してある。かかる出口側低圧電磁弁263は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0034】
高圧冷媒導入経路30は、三方弁261に連結され、その途中で分岐して、左庫内熱交換器24cの入口側の冷媒配管25に合流する高圧冷媒導入配管31により構成された経路である。この高圧冷媒導入経路30は、圧縮機21で圧縮された冷媒(高圧冷媒)を導入する経路である。
【0035】
上記高圧媒導入配管31においては、分岐箇所の下流側に高圧導入電磁弁264が設けてある。高圧導入電磁弁264は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0036】
ここで三方弁261は、圧縮機21で圧縮した冷媒を庫外凝縮器22へ送出する第1送出状態と、圧縮機21で圧縮した冷媒を高圧冷媒導入経路30へ送出する第2送出状態との間で択一的に切り換え可能な切換電磁弁である。かかる三方弁261の切換動作は、コントローラから与えられる指令に応じて行なわれる。
【0037】
左庫内熱交換器24cは、高圧冷媒導入経路30を通じて圧縮機21で圧縮された冷媒が供給された場合には、通過する冷媒を凝縮させて対象となる商品収容庫3(左庫3c)の内部空気を加熱するものである。
【0038】
放熱経路40には膨張機構43が配設してある。膨張機構43は、キャピラリーチューブと電子膨張弁により構成してあり、放熱配管41を通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるとともに、電磁弁の開度を調整し冷媒流量を制御する開閉手段を有している。
【0039】
そして放熱経路40は、左庫内熱交換器24cの出口側に接続された冷媒配管25の途中で分岐され、本発明により追加装備された膨張機構43を介して第2分岐点P3で合流し、庫外凝縮器22に隣接する態様で配設された加熱側熱交換器42の入口側に接続された放熱配管41により構成された経路である。この放熱経路40は、左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒を加熱側熱交換器42に供給するためのものである。
【0040】
加熱側熱交換器42は、自身を通過する冷媒と周囲空気との間で熱交換させて、該冷媒を放熱させるものである。すなわち、放熱経路40は、左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒を膨脹機構43に導入した上で、加熱側熱交換器42に送出するものである。
【0041】
戻経路50は、加熱側熱交換器42の出口側に接続され、かつ主経路20を構成する冷媒配管25、すなわち庫外凝縮器22と第1分岐点P1との間の冷媒配管25の第2分岐点P3に接続する戻配管51により構成されたものである。この戻経路50は、加熱側熱交換器42で放熱した冷媒を導入し、主経路20の庫内熱交換器24の上流側に戻すためのものである。
【0042】
以上のような構成を有する冷媒回路10においては、上記構成のほか、バイパス経路60を備え、バイパス経路60には、バイパス配管61、バイパス電磁弁265が設けてある。
【0043】
バイパス経路60は、加熱側熱交換器42の下流側に配設された第2分岐点P3から分岐し、バイパス配管61と、バイパス電磁弁265で構成されている。
【0044】
バイパス電磁弁265は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0045】
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
【0046】
まず、CCC運転(すべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行なう場合について説明する。この場合、コントローラは、三方弁261を第一送出状態にさせ、高圧導入電磁弁264、膨脹機構43、バイパス電磁弁265に閉指令を与え、膨張機構231、232、233及び出口側低圧電磁弁263に対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、各経路を循環する。
【0047】
次に、HCC運転(左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却するヒートポンプ運転)を行なう場合について説明する。この場合、コントローラは、三方弁261を第2送出状態にさせ、バイパス電磁弁265、膨張機構233及び出口側低圧電磁弁263に対して閉指令を与え、膨張機構231,232、高圧導入電磁弁264、膨脹機構43に対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、
図4に示すように循環する。
【0048】
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、第2送出状態にある三方弁261を経由して高圧冷媒導入配管31を通過して左庫内熱交換器24cに至る。左庫内熱交換器24cに至った冷媒は、該左庫内熱交換器24cを通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファン(F1:
図2参照)の駆動により、左庫3cの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
【0049】
左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒は、放熱経路40を構成する放熱配管41に配設された後述するように作用する膨張機構43を通過して加熱側熱交換器42に至り、該加熱側熱交換器42で周囲空気に放熱する。加熱側熱交換器42で放熱した冷媒は、戻配管51を通過して主経路20に流入し、開成する膨張機構231,232を通過する。そしてそれぞれ断熱膨張して右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bに至り、これら右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bでそれぞれ蒸発して各商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファン(F1:
図2参照)の駆動により各商品収容庫3の内部を循環し、これにより各商品収容庫3(右庫3a及び中庫3b)に収容された商品は冷却される。右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bで蒸発した冷媒は、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
【0050】
ここで、本発明の実施の形態である冷媒回路装置を構成する冷媒回路10の庫外凝縮器22と加熱側熱交換器42は
図5(b)に示すように一体的に構成され、庫外凝縮器22は加熱側熱交換器42の下部に位置するため、加熱側熱交換器42で発生した水滴は下部の庫外凝縮器22に滴下し、かつそれら熱交換器のフィンに保水構造があるために、一体型の熱交換器の外に水分が出てこなくてドレン構造が不要になる。また、庫外凝縮器22と加熱側熱交換器42での結露水を積極的に媒体として用いた冷熱交換ができ、蒸発工程と凝縮工程が同時に行われなくても冷凍サイクルの効率を向上させることができる。
【0051】
また、冷却室(右庫3a、中庫3b)の商品が所望の設定温度に達して冷却運転(右庫3a、中庫3bの内部空気を冷却する運転)を停止し、かつ加熱室の商品を所望の設定温度まで加熱する加熱単独運転(左庫3cのみの内部空気を加熱する運転)について説明する。この場合、コントローラは、三方弁261を第2送出状態にさせ、出口側低圧電磁弁263の他、膨張機構231、232、233の全てに対して閉指令を与え、高圧導入電磁弁264、バイパス電磁弁265に対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、
図6に示すように循環する。
【0052】
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、第2送出状態にある三方弁261を経由して高圧冷媒導入配管31を通過して左庫内熱交換器24cに至る。左庫内熱交換器24cに至った冷媒は、該左庫内熱交換器24cを通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファン(F1:
図2参照)の駆動により、左庫3cの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
【0053】
左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒は、放熱経路40を構成する放熱配管41を通過して加熱側熱交換器42に至り、該加熱側熱交換器42で放熱する。加熱側熱交換器42で放熱した冷媒は、戻配管51を通過して第2分岐点P3より、バイパス経路60を構成するバイパス配管61を経由して、圧縮機21に吸引される。ここで放熱配管41を通過して加熱側熱交換器42に至るまでに、膨張機構43を経由するため、冷媒は気液二相の低圧冷媒状態となっており、圧縮機入口に設けたアキュムレータ27において気液分離されて低圧気相冷媒が圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
【0054】
なお、HCC運転と同じように、加熱側熱交換器42の蒸発過程で発生した水分は、フィンの保水構造で、保水され、容易に滴下しなくて、ドレン皿のようなドレン構造は不要となる。
【0055】
図7は庫外凝縮器22と加熱側熱交換器42のフィン70の形状を示す。(a)では、保水時間を長くとるために、水平部分71を配置した。(b)で、水平部分では、水滴がその表面張力で水平底部にのみ残るように、傾斜を持った隔壁72を配置することで、水滴がフィンと風の熱伝達の阻害するのを、最小限に抑えることが可能である構造を示す。(c)では、水平部分を持つだけでなく、表面そのものに凹凸73を持ち、水を溜めやすい構造を示す。
【0056】
図8(a)では、上部の加熱側熱交換器42と下部の庫外凝縮器22が共に保水構造のフィンを備えている場合を示している。なお、下部の庫外凝縮器22での凝縮工程での冷熱変換がより効果的であり、上部の加熱側熱交換器42の蒸発工程では、なるべく結露水を溜めない方が空気との熱交換効率が向上することから、
図8(b)に示すように、加熱側熱交換器42の表面では水平面を持たない、凹凸がないフィン形状として、下部の庫外凝縮器22のみ本構造を配置することにより、さらに熱交換効率が向上する。
【0057】
また、結露水を蓄えることを考慮すると、ファンF2の配置は
図9のように、上下で分割することが望ましい。すなわち、上部の加熱側熱交換器42の蒸発工程が動作しているときは上部のみのファンが回転し、下部に滴下して庫外凝縮器22に蓄えられた水分はそのまま保持される。下部の庫外凝縮器22の凝縮工程では、下部のファンのみ、または上下両方のファンが動作して、熱交換を促進させる。このように運転に合わせて動作させるファンF2の組み合わせを選択することで、さらに熱交換効率は向上する。
【0058】
以上説明したように本実施の形態である冷媒回路装置によれば、加熱側熱交換器を庫外凝縮器の上方へ配置することにより、加熱側熱交換器で発生したドレン水を下方の庫外凝縮器の廃熱で蒸発することができる。また、ヒートポンプ運転での蒸発工程と冷却運転の凝縮工程が非同期でも、フィンの保水構造により、滴下時間が長くなり、皿状のドレン構造が不要となる。
【0059】
また、加熱側熱交換器を庫外凝縮器の上方へ配置することにより、蒸発と凝縮の工程で、水を介した冷熱交換をすることができ、冷凍サイクルの効率の向上を図ることができる。熱交換器のフィンは、概ね水平部分を有し、表面は凹凸を設け、保水構造としたことにより、水の降下時間を保つことができ、上記効果を促進することができる。また、ファンを加熱側熱交換器と庫外凝縮器にそれぞれ配置することにより、加熱側熱交換器の蒸発工程と庫外凝縮器の凝縮工程の運転に応じて、庫外送風ファンを選択的に駆動させることにより、一層の上記効果を促進できる。