(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、
図1〜
図8を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0015】
[画像形成装置の構成]
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略断面図である。
図2は、画像形成装置1の廃トナー搬送路9及びトナー回収容器7を示す斜視図である。
図3は、画像形成装置1のスクリュー軸97の端部の要部拡大図である。
【0016】
画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の機能を備え、電子写真方式により用紙上にモノクロ画像を形成する。また、画像形成装置1は、
図1に示すように、画像形成装置本体10と、トナー回収容器7と、を備えている。画像形成装置1は、外部機器、例えば、パーソナルコンピュータ120(
図4参照)と接続可能であり、その外部機器から画像データを取得する。
【0017】
画像形成装置本体10は、原稿搬送部2と、原稿読み取り部3と、画像形成部4と、給紙カセット部5と、排紙トレイ6と、光学センサ8と、廃トナー搬送路(搬送路)9と、制御部100と、を備えている。なお、画像形成装置本体10内には、給紙カセット部5から画像形成部4を介して排紙トレイ6に至る用紙の搬送経路Sが形成され、搬送経路Sには、所定位置に設けられた各種ローラ、ガイド板、搬送ベルト及び後述する転写ベルト48などが設けられている。
【0018】
原稿搬送部2は、原稿の連続的な読み取りを行うため原稿読み取り部3に原稿を搬送するものであり、原稿給紙トレイ21と、原稿排紙トレイ22と、を有している。原稿搬送部2は、原稿給紙トレイ21にセットされた原稿を原稿読み取り部3の所定の読み取り位置に搬送する。また、原稿搬送部2は、原稿読み取り部3が所定の読み取り位置に搬送された原稿の読み取りを行った後、この原稿を原稿排紙トレイ22に搬送する。
【0019】
原稿読み取り部3は、原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の情報をアナログ電気信号に変換し、さらに、該アナログ電気信号をデジタル信号に変換する。そして、原稿読み取り部3は、変換したデジタル信号を画像データとして後述する制御部100に出力する。
【0020】
画像形成部4は、ドラム状の感光体(像担持体)41と、感光体41の周囲に設けられた帯電部42、画像書込部43、現像部44、転写部45、分離部46、感光体クリーニング部(クリーニング部)47、転写ベルト48及び転写ベルトクリーニング部49と、を有する。また、画像形成部4は、定着部11と、排紙ローラ12とを有する。そして、感光体41、帯電部42、画像書込部43、現像部44、転写部45、分離部46、感光体クリーニング部47、転写ベルト48及び転写ベルトクリーニング部49は画像形成機能部を構成する。画像形成部4内では、用紙の搬送経路Sの上流側から画像形成機能部、定着部11、及び、排紙ローラ12が、この順で配置されている。
【0021】
帯電部42は、感光体41の表面を帯電させる。画像書込部43は、感光体の表面に静電潜像を形成する。現像部44は、感光体41の表面に帯電したトナーを供給し、静電潜像に基づいてトナー画像を形成する。
【0022】
転写ベルト48は、感光体41上のトナー画像を用紙に転写する転写位置に、用紙を搬送する。転写部45は、転写ベルト48を介して感光体41に対向し、転写ベルト48に所定の電圧を印加する。分離部46は、転写ベルト48に所定の電圧を印加し、用紙が感光体41に巻き付くことを防止する。
【0023】
感光体クリーニング部47は、感光体41に付着したトナーを除去するクリーニングブレードを有している。転写ベルトクリーニング部49は、転写ベルト48に付着したトナーを除去するクリーニングブレードを有している。なお、以下の説明において、感光体クリーニング部47及び転写ベルトクリーニング部49が感光体41及び転写ベルト48から除去したトナーを廃トナーと称する場合がある。
【0024】
給紙カセット部5は、各種用紙に対応した給紙カセット51を複数有し、各給紙カセット51に収納された所定の用紙を搬送経路Sに沿って、一枚ずつ、画像形成部4に給紙する。
【0025】
廃トナー搬送路9は、第1搬送路91、第2搬送路92及び第3搬送路93からなる。
図2に示すように、第1搬送路91、第2搬送路92及び第3搬送路93は、それぞれ筒状の第1搬送路形成部94、第2搬送路形成部95及び第3搬送路形成部96によって形成される。
【0026】
第1搬送路91は、感光体クリーニング部47と第3搬送路93とを連結し、感光体クリーニング部47が除去した廃トナーを第3搬送路93に搬送する。第2搬送路92は、転写ベルトクリーニング部49と第3搬送路93とを連結し、転写ベルトクリーニング部49が除去した廃トナーを第3搬送路93に搬送する。
【0027】
第3搬送路93は、一端部がトナー回収容器7の後述する流入口76に接続されており、搬送された廃トナーをトナー回収容器7に搬送する。
図2に示すように、第3搬送路93には、らせん状に形成されたスクリュー97aを有するスクリュー軸(搬送部)97が設けられている。スクリュー軸97の両端部は、棒状の軸部97b(
図3参照)を形成している。スクリュー軸97は、軸回転機構104(
図4参照)によって中心軸線を中心に回転する。スクリュー軸97が回転することによって、第3搬送路93は廃トナーをトナー回収容器7に効率的に搬送する。
【0028】
図3に示すように、スクリュー軸97の第3搬送路93の一端部側と反対側の端部における軸部97bは、画像形成装置本体10内に固定され且つリング状に形成された軸受け部14に、回転可能に支持されている。また、スクリュー軸97の同端部における軸部97bは、導電性樹脂98に当接している。
【0029】
導電性樹脂98は、印加電圧調整部(印加部)109(
図4参照)を介して図示しない電源に接続されている給電板ばね99に支持されている。給電板ばね99は、導電性樹脂98がスクリュー軸97の軸部97bに当接するように、導電性樹脂98を付勢している。
【0030】
電源から印加される電圧は、印加電圧調整部109、給電板ばね99及び導電性樹脂98を介して、スクリュー軸97に印加される。スクリュー軸97によって搬送される廃トナーは、スクリュー軸97に接触して、スクリュー軸97に印加された印加電圧によって帯電する。
【0031】
制御部100は、画像形成装置1の動作全体を制御する。例えば、制御部100は、
図1では図示を省略する操作表示部105(
図4参照)に各種の情報を表示する表示処理をユーザの指示に応じて、又は、所定のタイミングで実行する。
【0032】
図2に示すように、光学センサ8は、投光部81と受光部82とを有している。投光部81は、例えば、LED(Light Emitting Diode)で構成され、所定量の光を受光部に向けて投光する。受光部82は、例えば、フォトセンサで構成され、投光部81が投光した光を受光する。投光部81と受光部82は、トナー回収容器7の後述する突出部71を挟んで、上下方向に対向している。
【0033】
投光部81は所定光量の光を常に受光部82に向けて投光する。投光部81からの光がトナー回収容器7に回収された廃トナーによって遮られて、受光部82によって受光されないと、受光部82は、トナー回収容器7に回収されたトナーが所定量を超えたことを示す検知信号を制御部100に出力する。検知信号を受信した制御部100は、操作表示部105(
図4参照)にトナー回収容器7に回収されたトナーが所定量を超えたことを示し、トナー回収容器7の交換を促すメッセージを表示する。
【0034】
[画像形成装置の制御系の構成]
次に、画像形成装置1の制御系について、
図4を参照して説明する。
図4は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。
【0035】
図4に示すように、制御部100は、システムバス107を介して、通信部108、原稿搬送部2、操作表示部105、原稿読み取り部3、画像処理部106、画像形成部4、給紙カセット部5に接続されている。また、制御部100は、システムバス107を介して、軸回転機構104、光学センサ8、印加電圧調整部109に接続されている。
【0036】
制御部100は、CPU(中央演算処理装置)101と、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103とを有している。制御部100は、接続されている各部から信号などを受信する。また、制御部100は、接続されている各部へ信号などを発信して動作を制御する。
【0037】
通信部108は、外部の情報処理装置であるPC(パーソナルコンピュータ)120から送信されるジョブ情報を、通信回線を介して受け取る。そして、受け取ったジョブ情報を、システムバス107を介して制御部100に送る。ジョブ情報には、形成する画像の画像データと、その画像データに対応付けられた使用する用紙の情報などが設定されている。
【0038】
なお、本例では、外部装置としてパーソナルコンピュータを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
【0039】
画像処理部106は、受信した画像データに対してアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮等の処理を行う。また、画像処理部106は、画像率を算出する。画像率とは、用紙の画像形成面に対する画像の占有率のことである。用紙に連続して画像を形成する場合は、画像処理部106は各用紙についての画像率を算出する。そして、制御部100は、画像処理部106に算出させた画像率をRAM103に記憶する。
なお、ROM102に画像処理プログラムを記憶させておき、CPU101が画像処理プログラムを読み出すことで、CPU101を画像処理部として機能させてもよい。
【0040】
軸回転機構104は、制御部100に制御されて、スクリュー軸97を回転させる。
また、印加電圧調整部109は、制御部100に制御されて、電源から印加電圧調整部109、給電板ばね99及び導電性樹脂98を介してスクリュー軸97に印加される印加電圧を調整する。スクリュー軸97に印加される印加電圧は、印加電圧によって、トナー回収容器7と廃トナーとの間の電位差が所定量以上にならないような極性及び電位で廃トナーが帯電するように、予め設定されている。この場合の所定量は、廃トナーの電位とトナー回収容器7の電位との差によって廃トナーがトナー回収容器7に静電吸着されてトナー回収容器7が汚れることが発生しない範囲内で設定されている。本実施形態の印加電圧は、廃トナーの極性及び電位がトナー回収容器7の極性及び電位と等しくなるように、予め設定されている。
【0041】
操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)や有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや画像形成装置1に関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて入力信号を制御部100に送る。
【0042】
[トナー回収容器の構成]
次に、トナー回収容器7の詳細な構成について、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るトナー回収容器7を示す斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係るトナー回収容器7を示す側面図である。
【0043】
トナー回収容器7は、樹脂材料によって中空の略箱状に形成されている。トナー回収容器7は、画像形成装置本体10内に着脱可能に取り付けられる。また、トナー回収容器7は、画像形成装置本体10のフレームの一部を構成するフレーム部13に載置されている。
【0044】
トナー回収容器7は、廃トナーを収容する収容体72と、収容体72の一部を突出させて形成した突出部71と、を有している。
収容体72は、樹脂材によって中空の直方体状に形成されている。収容体72は、略矩形板状の底壁部73(
図6参照)と、底壁部73に対向する略矩形板状の上壁部74と、底壁部73と上壁部74の外縁を連結する枠状の側壁部75と、を有している。底壁部73、上壁部74及び側壁部75は、収容体72の外壁を構成している。
【0045】
上壁部74には、上壁部74を貫通する流入口76が形成されている。感光体クリーニング部47及び転写ベルトクリーニング部49によって感光体41及び転写ベルト48から除去された廃トナーは、廃トナー搬送路9及び流入口76を介して、収容体72内に流入する。
また、上壁部74には、凹みを有する把持部77が形成されている。このため、作業者は、トナー回収容器7を画像形成装置本体10に対して着脱するときに、把持部77によって、トナー回収容器7を確実に把持できる。
【0046】
側壁部75は、それぞれ対向する位置に設けられた略矩形板状の第1側壁部75a、第2側壁部75bと、第3側壁部75c、第4側壁部75dと、からなる。
第3側壁部75cは、第3側壁部本体75eと、凹部75fと、連結部75g(
図6参照)を有している。第3側壁部本体75eは、長方形の平板状に形成され、第3側壁部75cの一端側に位置している。凹部75fは、第3側壁部75cの他端部を凹ませることで形成されている。連結部75gは、第3側壁部本体75eと凹部75fとを連結している。
【0047】
凹部75fの略中央部には、突出部71が形成されている。突出部71は、内部に廃トナーが堆積する空間を有している。また、突出部71は、上壁部74と平行であって、上下方向に対向する略矩形板状の面を有する上面部71a及び下面部71bを有している。
【0048】
突出部71の上面部71a及び下面部71bの略中央部は、光学センサ8の投光部81からの光を透過する光透過部71d,71e(
図6参照)を構成している。トナー回収容器7が画像形成装置本体10内に取り付けられると、光学センサ8の投光部81は、光透過部71dの上方に位置し、受光部82は、光透過部71eの下方に位置する。
【0049】
トナー回収容器7に回収された廃トナーが所定量を超えると、突出部71の内部に廃トナーが付着して堆積し、光透過部71eの内壁を覆う。これによって、投光部81からの光が遮られるので、受光部82は、トナー回収容器7に回収されたトナーが所定量を超えたことを示す検知信号を制御部100に出力する。
【0050】
トナー回収容器7は、画像形成装置本体10に取り付けの際に底壁部73がフレーム部13上を摺動することによる摩擦帯電などによって、帯電している。本実施形態では、帯電しているトナー回収容器7の帯電特性、すなわち極性及び電位を特定することによって、印加電圧調整部109がスクリュー軸97に印加する印加電圧を、特定した極性及び電位で廃トナーが帯電するような印加電圧に予め設定する。
【0051】
[画像形成装置の動作]
上記のように構成された画像形成装置1の動作について説明する。まず、外部機器から取得した画像データや原稿読み取り部3が生成した画像データに基づいて、用紙に画像を形成するときの動作について説明する。
【0052】
まず、画像形成部4の帯電部42が感光体41に所定の電圧を印加して、感光体41の表面を一様にマイナス極性に帯電させる。帯電時の感光体41の表面の電位は、例えば、−600Vに設定される。
【0053】
次いで、画像書込部43が、制御部100から所定の画像処理が施された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、レーザービームを照射し、感光体41上に静電潜像を形成する。感光体41の表面上のレーザービームが照射された部分、すなわち静電潜像の形成位置の電位は、例えば、−80Vに設定される。
【0054】
次いで、現像部44が、感光体41上に形成された静電潜像を反転現像して感光体41上にトナー像を生成する。具体的には、現像部44内で、攪拌スクリューによって攪拌されてマイナス極性に帯電したトナーが現像部44の現像ローラに供給される。このときのトナーの電位は、例えば、−400Vに設定される。そして、トナーは、現像ローラの回転により感光体41上の現像領域に近接した位置へと搬送される。現像領域に搬送されたトナーは、トナーの電位よりも電位が高い感光体41上の静電潜像の形成位置へ吸着される。その結果、感光体41上の静電潜像がトナー像として現像される。
【0055】
上述の現像部44における動作と並行して、給紙カセット部5が画像形成に用いられる用紙を搬送経路Sに沿って画像形成部4に給紙する。画像形成部4に給紙された用紙は、感光体41上に形成されたトナー像に同期するように、転写ベルト48によって感光体41に向かって給紙される。
【0056】
転写部45は、用紙を搬送する転写ベルト48の裏面側から、帯電しているトナーの極性の逆極性、本実施形態ではプラスの電圧を印加する。これによって、感光体41上に形成されたトナー像のトナーが用紙の表面に吸着されて、トナー像が用紙に転写される。
【0057】
分離部46は、トナー像が転写された用紙を除電することで、用紙を感光体41から分離させる。その後、トナー像が転写された用紙は、定着部11に搬送される。
【0058】
定着部11は、用紙を加熱して、転写されたトナー像のトナーを溶融させるとともに、用紙を加圧して、トナー像を用紙に定着させる。そして、用紙は、排紙ローラ12によって搬送されて、排紙トレイ6上に載置される。
【0059】
感光体クリーニング部47は、感光体41に当接しているクリーニングブレードによって、用紙が分離された感光体41上に残留しているトナーを除去する。除去されたトナー、すなわち廃トナーは、廃トナー搬送路9の第1搬送路91に流入する。
【0060】
転写ベルトクリーニング部49は、転写ベルト48に当接しているクリーニングブレードによって、転写ベルト48に付着したトナーを除去する。除去されたトナー、すなわち廃トナーは、廃トナー搬送路9の第2搬送路92に流入する。
なお、第1搬送路91及び第2搬送路92に流入した廃トナーは、転写部45が転写時にプラス極性の電圧を印加するので、プラス極性に帯電している。
【0061】
第1搬送路91及び第2搬送路92に流入した廃トナーは、第3搬送路93に流入する。軸回転機構104は、制御部100に駆動を制御されて、スクリュー軸97を回転させる。また、印加電圧調整部109は、制御部100に制御されて、予め設定されている印加電圧をスクリュー軸97に印加する。なお、本実施形態では、印加電圧調整部109は、用紙に画像を形成するときの動作時において、予め設定されている印加電圧をスクリュー軸97に常時印加している。
【0062】
スクリュー軸97によって搬送される廃トナーは、スクリュー軸97に接触して、スクリュー軸97に印加された印加電圧によって、トナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電する。そして、廃トナーは、流入口76を介して、トナー回収容器7内に収容される。
【0063】
次に、ブレード当接安定処理を実行するときの画像形成装置1の動作について説明する。ブレード当接安定処理とは、感光体クリーニング部47のクリーニングブレードと感光体41との当接状態を安定させて感光体41のダメージを低減させるために、画像率の低い画像形成動作後に、クリーニング帯を感光体41の表面に形成する処理である。したがって、ブレード当接安定処理は、画像率が低い、本実施形態では画像率が3.5%以下の画像を形成した後に実行される。
【0064】
クリーニング帯とは感光体クリーニング部47のブレードと感光体41との間に潤滑剤を供給するために、潤滑剤を含有するトナーで形成した矩形状のパターンである。なお、画像を連続して形成する場合は、クリーニング帯は、連続して搬送される用紙間に形成される。
【0065】
まず、画像形成部4の帯電部42が感光体41に所定の電圧を印加して、感光体41の表面を一様にマイナス極性に帯電させる。帯電時の感光体41の表面の電位は、例えば、−600Vに設定される。
【0066】
次いで、画像書込部43が、制御部100から取得したクリーニング帯のパターン画像データに基づいて、レーザービームを照射し、感光体41上に静電潜像を形成する。静電潜像が形成された部位の電位は、例えば、−80Vに設定される。
【0067】
次いで、現像部44は、マイナス極性に帯電したトナーを用いて、感光体41上に形成された静電潜像を反転現像して感光体41上にクリーニング帯のトナー像を生成する。なお、現像部44の具体的な動作については、上述した画像データに基づいて、用紙に画像を形成するときの動作と同様のため、説明を省略する。なお、濃度調整処理の実行時は、用紙の搬送の必要がないので、給紙カセット部5は動作しない。
【0068】
次いで、転写部45は、転写ベルト48の裏面側から、帯電しているトナーの極性と同極性、本実施形態ではマイナス、の電圧を印加する。これによって、感光体41上に形成されたクリーニング帯のトナー像のトナーが転写ベルト48の表面に移動することを妨げる。このため、クリーニング帯のトナー像のトナーの多くは、感光体41上に残留する。
【0069】
感光体クリーニング部47は、クリーニングブレードによって、感光体41上に残留したクリーニング帯のトナー像のトナーを除去する。除去されたトナー、すなわち廃トナーは、廃トナー搬送路9の第1搬送路91に流入する。
【0070】
また、転写ベルトクリーニング部49は、転写ベルト48に当接しているクリーニングブレードによって、転写ベルト48に付着したトナーを除去する。除去されたトナー、すなわち廃トナーは、廃トナー搬送路9の第2搬送路92に流入する。
なお、第1搬送路91及び第2搬送路92に流入した廃トナーは、転写部45が転写時にマイナス極性の電圧を印加するので、マイナス極性に帯電している。
【0071】
第1搬送路91及び第2搬送路92に流入した廃トナーは、第3搬送路93に流入する。回転機構は、制御部100に駆動を制御されて、スクリュー軸97を回転させる。また、印加電圧調整部109は、制御部100に制御されて、予め設定されている印加電圧をスクリュー軸97に印加する。なお、本実施形態では、印加電圧調整部109は、ブレード当接安定処理を実行時において、予め設定されている印加電圧をスクリュー軸に常時印加している。
【0072】
スクリュー軸97によって搬送される廃トナーは、スクリュー軸97に接触して、スクリュー軸97に印加された印加電圧によって、トナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電する。そして、廃トナーは、流入口76を介して、トナー回収容器7内に収容される。そして、廃トナーは、流入口76を介して、トナー回収容器7内に収容される。
【0073】
本実施形態では、廃トナーがプラス極性に帯電しているか、マイナス極性に帯電しているかに関わらず、印加電圧調整部109によって廃トナーをトナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電させることができる。このため、廃トナーとトナー回収容器7との間の電位差が原因でトナー回収容器7の光透過部71d,71eに廃トナーが吸着されることを防止できる。したがって、光学センサ8は、回収された廃トナーが所定量に達したことを正確に検知することができる。
【0074】
また、第3搬送路93に設けられたスクリュー軸97に印加電圧を印加して、廃トナーをトナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電させる。このため、廃トナーを、トナー回収容器7に搬送する際にトナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電させることができる。また、トナー回収容器7の近傍に配置されているスクリュー軸97に印加することにより、トナー回収容器7に廃トナーを収容する直前に廃トナーをトナー回収容器7の極性及び電位と等しい極性及び電位で帯電させることができる。したがって、廃トナーの極性及び電位がトナー回収容器7の極性及び電位と等しい状態が保たれたまま、廃トナーをトナー回収容器7に収容することができる。
【0075】
<変形例>
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明した。しかしな
がら、上記実施形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定され
ることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実
施が可能である。
【0076】
例えば、ブレード当接安定処理を実行してマイナス極性に帯電した廃トナーと、トナー回収容器7との間にトナー回収容器7の光透過部71d,71eにトナーが吸着される程の電位差がない場合、スクリュー軸97へ電圧を印加することを省略してもよい。すなわち、印加電圧調整部109は、画像率が3.5%以下の画像を形成するとき、及び、ブレード当接安定処理を実行しているとき、スクリュー軸97へ電圧を印加しない。なお、以下、ブレード当接安定処理を実行してマイナス極性に帯電した廃トナーをパターン廃トナーと称する場合がある。また、用紙に画像を形成することによって生じるプラス極性に帯電した廃トナーを転写残トナーと称する場合がある。
これによって、電力の消費を抑制することができる。なお、この場合、画像率が3.5%以下の画像を形成するとき生じた転写残トナーもトナー回収容器7に回収されるが、転写残トナーの量はごくわずかであるため、トナー回収容器7の光透過部71d,71eが転写残廃トナーで覆われることはない。このため、光学センサ8が検知信号を誤って出力してしまうことはない。
【0077】
また、画像率の上昇に伴ってトナー回収容器7に回収される転写残トナーが徐々に増加することに鑑み、画像率が0%〜3.5%の間の画像を形成する時において、印加電圧調整部109は、スクリュー軸97に電圧を徐々に印加してもよい。この場合、印加電圧調整部109は、画像率が3.5%に達したときに予め設定した印加電圧に達するように制御する。なお、
図7は、スクリュー軸97に電圧が印加されることによって流れる印加電流と画像率との関係を示している。本実施形態では、スクリュー軸97に予め設定した印加電圧が印加されると−200μA(マイクロアンペア)の印加電流が流れる。
【0078】
また、同様の場合に、制御部100は、用紙に画像を形成する度に、例えば直近の画像形成動作1000回分における画像率の平均を算出し、平均値が3.5%以下のとき、スクリュー軸97へ電圧を印加しないように印加電圧調整部109を制御してもよい。1回の画像形成やブレード当接安定処理によって廃トナー搬送路9に流入する廃トナーは少量であり、廃トナー搬送路9には複数回の画像形成やブレード安定処理によって生じた廃トナーが搬送されている。このため、画像率が比較的高い画像形成動作の間に画像率が3.5%以下の画像形成動作をするときにスクリュー軸97への電圧の印加を停止すると、搬送中の転写残トナーを十分に帯電できない場合がある。すなわち、転写残トナーをトナー回収容器7と等しい電極及び電位で帯電できない場合がある。このため、制御部100は、画像率の平均値に基づいて印加電圧調整部109を制御することで、突発的に画像率が3.5%以下の画像を形成するときでも、廃トナーをトナー回収容器7と等しい電極及び電位で確実に帯電させることができる。
【0079】
また、制御部100は、画像率に基づく印加電圧調整部109による印加電圧の調整を所定時間経過後に開始してもよい。例えば、感光体41上のトナーが感光体クリーニング部47に除去されてからトナー回収容器7に流入するまでに数十秒の搬送時間がかかるとき、画像率に基づく印加電圧調整部109による印加電圧の調整を搬送時間経過後に開始する。すなわち、
図8に示すように、画像率の平均値が3.5%超えたとき、直近の画像形成における感光体41上のトナーが感光体クリーニング部47に除去されてから搬送時間tが経過したとき、印加電圧調整部109がスクリュー軸に予め設定された印加電圧を印加する。なお、搬送時間tは、シミュレーションや実験によって予め測定する。また、転写ベルト48上のトナーが転写ベルトクリーニング部49に除去されてからトナー回収容器7に流入するまでの時間を搬送時間tとして、画像率に基づく印加電圧調整部109による印加電圧の調整を搬送時間経過t後に開始してもよい。
【0080】
また、本実施形態では、第3搬送路93に設けられたスクリュー軸97に印加電圧調整部109が電圧を印加する態様を説明したが、これに代えて、第3搬送路形成部96に電圧を印加してもよい。この場合、第3搬送路形成部96を、印加電圧調整部109を介して電源に接続された導電性部材、例えばアルミパイプで形成する。
【0081】
また、本実施形態では、印加電圧調整部109がスクリュー軸97に印加する印加電圧を、予め設定した態様を説明したが、画像形成装置本体10に電位計を設けて、制御部100は、電位計が計測したトナー回収容器7の電極及び電位に基づいて、印加電圧調整部109がスクリュー軸に印加する印加電圧を決定してもよい。