特許第5983375号(P5983375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983375
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20160818BHJP
   G09G 3/02 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G02B26/10 C
   G09G3/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-269114(P2012-269114)
(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-115440(P2014-115440A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098132
【弁理士】
【氏名又は名称】守山 辰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】近岡 篤彦
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−520742(JP,A)
【文献】 特開2006−184770(JP,A)
【文献】 特表2011−508248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G09G 3/02
G03B 21/00
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる色成分のレーザ光を出射する複数のレーザ光源を備え、前記複数のレーザ光源から出射された各色成分のレーザ光を画像データに基づいて走査して画像の投影を行う画像表示装置において、
前記画像データとして、前記互いに異なる色成分における複数の色成分の混合色で水平又は垂直の基準位置を示す基準マークと、色成分毎に前記基準マークに対して水平又は垂直の方向に所定の間隔で配置した複数のバーマークとを含むテストパターンの画像データを用い、
前記画像データにおけるバーマークの配置を、前記基準マークからの距離を基準にして異なる色成分のバーマーク同士を対にしたバーマーク対について、各バーマーク対におけるバーマーク間のズレ量が前記基準マークからの距離に比例して一定量ずつ増加する配置とした、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
レーザ光の光軸を調整する基準とするバーマーク対の指定をユーザから受け付ける操作部と、
前記指定されたバーマーク対に応じてレーザ光源の変調タイミングを変化させることで、当該レーザ光源から出射されるレーザ光の光軸を調整する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記バーマーク対には識別情報を付して有り、
前記操作部は、前記バーマーク対の指定として、前記バーマーク対の識別情報の入力を受け付ける、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記複数のレーザ光源として、赤のレーザ光を出射するレーザ光源と、緑のレーザ光を出射するレーザ光源と、青のレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
前記バーマーク対の識別情報の表示色を緑とする、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色成分の異なる複数のレーザ光を合成してカラー画像を投影する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばレーザプロジェクタに代表されるように、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)のレーザ光を合成して投影面に投影することにより、投影面上にカラー画像を表示する各種の画像表示装置が実用化されている。
【0003】
また、このような投影型の画像表示装置に関し、種々の発明が提案されている。
例えば、特許文献1には、複数の光信号発生手段と、光信号発生手段毎の駆動手段と、光信号発生手段に共通に設けられた偏向手段と、偏向手段の変位角度を検出する検出手段を有し、各駆動手段が、検出手段の検出結果に基づく駆動手段毎の駆動開始信号に基づいて、各光信号発生手段を駆動する投影型ディスプレイ装置の発明が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、時間差をもってビーム走査し、時間差だけ遅延させた画像信号を変調することで、色ズレのない画像を表示するとともに、安全性の向上或いは明るい画像の表示を実現する投射型画像表示装置の発明が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献3には、光検出により、走査タイミング信号と同期信号のズレ量を検知し、当該検知したズレ量に応じて画素タイミング信号をシフトさせて光源を駆動することにより、高品質な画像を得るようにした画像表示装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3214211号公報
【特許文献2】特開2005−31529号公報
【特許文献3】特開2007−25522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各色成分のレーザ光を合成して投影面に投影する画像表示装置では、各々のレーザ光の光軸を合わせることが重要となる。これは、製造ばらつきや計時変化によって各々のレーザ光に光軸ズレ(レーザ光の相対関係のズレ)が生じると、投影面上でR、G、Bの各画素の表示位置がずれてしまい、解像感が損なわれるためである。
【0008】
そこで、従来では、光軸ズレを補正するために図6のようなテストパターンを投影し、ユーザが投影面に表示されたテストパターンを見ながら光軸を調整していた。すなわち、R、G、Bの全ての色成分のレーザ光を合成した混合色で水平又は垂直の基準位置を示す十字状の基準マークをテストパターンとして投影する。そして、基準マーク61が色成分別に分離した態様で投影面に表示された場合には、光軸ズレが生じているので、各々の基準マーク61が重なり合って混合色となるように、ユーザ指示により各光源の変調タイミングを個別に微調整することで、光軸ズレの補正を行なっていた。
しかしながら、上記のやり方では、補正のための設定に時間が掛かる、最適になっているかどうか不明である等の問題がある。
【0009】
本発明は、上記のような事情に鑑みて為されたものであり、光軸ズレの補正の簡易化を図るべく、各色成分のレーザ光の光軸のズレ量を容易に把握できるようにする技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、互いに異なる色成分のレーザ光を出射する複数のレーザ光源を備え、前記複数のレーザ光源から出射された各色成分のレーザ光を画像データに基づいて走査して画像の投影を行う画像表示装置において、前記画像データとして、前記互いに異なる色成分における複数の色成分の混合色で水平又は垂直の基準位置を示す基準マークと、色成分毎に前記基準マークに対して水平又は垂直の方向に所定の間隔で配置した複数のバーマークとを含むテストパターンの画像データを用い、前記画像データにおけるバーマークの配置を、前記基準マークからの距離を基準にして異なる色成分のバーマーク同士を対にしたバーマーク対について、各バーマーク対におけるバーマーク間のズレ量が前記基準マークからの距離に比例して一定量ずつ増加する配置とした。
【0011】
このような構成によれば、ユーザは、投影された基準マークを見ることで、光軸ズレの有無を判別できる。すなわち、基準マークが複数のレーザ光源から出射された各色成分の混合色で投影面に表示された場合には、光軸ズレが生じていないと判断でき、基準マークが色成分別に分離した態様で投影面に表示された場合には、光軸ズレが生じていると判断できる。
また、ユーザは、光軸ズレが生じている場合には、投影面に表示されたバーマーク群を見ることで、光軸ズレの程度(ズレ量)を定量的に把握できる。すなわち、光軸ズレが生じている場合には、各々のバーマーク対の中でバーマーク同士が重なり合っているものを見つければ、このバーマーク対から逆算的に光軸のズレ量を求めることができる。
このように、本発明に係る画像表示装置によれば、各色成分のレーザ光の光軸のズレ量を容易に把握することが可能になり、光軸ズレの補正作業の手助けとなる。
【0012】
なお、基準マークは、水平又は垂直のいずれかの基準位置を示すものであってもよく、水平又は垂直の両方の基準位置を示すものであってもよい。
また、バーマークは、基準マークに対して水平又は垂直のいずれかの方向に所定の間隔で配置したものであってもよく、基準マークに対して水平又は垂直の両方の方向に所定の間隔で配置したものであってもよい。
【0013】
ここで、本発明に係る画像表示装置では、一構成例として、レーザ光の光軸を調整する基準とするバーマーク対の指定をユーザから受け付ける操作部と、前記指定されたバーマーク対に応じてレーザ光源の変調タイミングを変化させることで、当該レーザ光源から出射されるレーザ光の光軸を調整する制御部と、を備えた。
このような構成によれば、ユーザは、各々のバーマーク対の中でバーマーク同士が重なり合っているものを見つけて指定するだけで、光軸ズレの補正を行うことができる。
【0014】
ここで、バーマーク対に識別情報を付しておき、操作部が、バーマーク対の指定として、バーマーク対の識別情報の入力を受け付ける構成にすれば、バーマーク対の指定を簡易に行なえるようになる。
【0015】
また、複数のレーザ光源として、赤のレーザ光を出射するレーザ光源と、緑のレーザ光を出射するレーザ光源と、青のレーザ光を出射するレーザ光源を備える場合に、バーマーク対の識別情報の表示色を緑とする構成にすれば、赤や青の場合に比べ、黒の背景に表示されるバーマーク対の識別情報を人の目で認識し易くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、各色成分のレーザ光の光軸のズレ量を容易に把握することが可能になり、光軸ズレの補正作業の手助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像表示装置で用いるテストパターンの例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る画像表示装置に光軸ズレがある場合のテストパターンの投影例を示す図である。
図4】レーザ光源の変調タイミングと光軸ズレとの関係を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る画像表示装置で用いるテストパターンの他の例を示す図である。
図6】従来方式の画像表示装置で用いるテストパターンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、複数のレーザ光源から出力された異なる色成分のレーザ光を合成してカラー画像を表示する種々な画像表示装置に適用できるものであるが、以下では、本発明を適用した具体例として、レーザプロジェクタを例に説明する。
【0019】
図1には、レーザプロジェクタ1の構成例を示してある。
本例のレーザプロジェクタ1は、レーザ光源2(2a〜2c)、各種の光学素子3〜5、走査ミラー6、各種の駆動・制御ユニット7〜11を主体に構成されている。
本例のレーザプロジェクタ1では、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)の各レーザ光を合成し、この合成光をスクリーンや壁などの投影面Aに投影することによって、映像入力の信号に応じたカラー画像を投影面A上に投影表示する。また、本例のレーザプロジェクタ1では、これらの機能部に加え、ROM(Read Only Memory)12、CPU(Central Processing Unit)13、操作部14を用いてレーザ光の光軸の調整を行う。
【0020】
それぞれのレーザ光源2は、互いに色成分の異なるレーザ光を出力するレーザダイオード(LD)であり、レーザドライバ11から個別に供給される駆動電流によって互いに独立して駆動されて単色成分のレーザ光を出力する。これによって、レーザ光源2aからは青成分(B)、レーザ光源2bからは緑成分(G)、レーザ光源2cからは赤成分(R)といったように、特定の波長の単色成分レーザ光が出射される。
【0021】
ダイクロイックミラー3,4は、特定波長のレーザ光のみを反射し且つそれ以外を透過する性質のミラー素子であり、各々のレーザ光源2から出射された各色成分のレーザ光を合成する。具体的には、レーザ光源2a,2bから出射されたB,Gのレーザ光は、光路上流側のダイクロイックミラー3において合成された上で、光路下流側のダイクロイックミラー4に出射される。この出射された合成光は、ダイクロイックミラー4においてレーザ光源2cから出射されたRのレーザ光と更に合成され、目標となる最終的なカラー合成光として出射される。
このように、ダイクロイックミラー3,4は、R,G,Bの各色成分のレーザ光を合成する光学部を形成しており、この合成されたカラー光はレンズ5を介して走査ミラー6に入射される。
【0022】
走査ミラー6は、走査ミラー制御部8から駆動信号が入力される走査ミラードライバ7によって水平方向(X)及び垂直方向(Y)で走査変位され、自己に入射したカラー光を自己の振れ角に応じて反射して投影面A上に投射する。本例では、走査ミラー6として、小型化、低消費電力化、処理の高速化などで有利なMEMS(Micro Electro Mechanical System)型の走査ミラーを用いている。
【0023】
映像処理部9は、パーソナルコンピュータ等の外部又はCPU13から入力された映像信号に基づいて、所定の時間間隔で映像データを光源制御部10に送信し、これにより、光源制御部10は所定の走査位置における画素情報を得る。
光源制御部10は、画像情報に基づいて投影範囲に複数の画素からなる映像を投影するために、駆動電流波形信号によりレーザドライバ11を制御する。
【0024】
レーザドライバ11は、上記のレーザ制御部10による制御に基づいて、各レーザ光源2a〜2cを駆動して各色成分のレーザ光を出力させる。
各レーザ光源2は、レーザドライバ11から閾値電流以上の駆動電流が供給された場合にレーザ光を出力し、駆動電流が増加するに従って光量の大きいレーザ光を出力する。また、各レーザ光源2は、閾値電流未満の電流が供給された場合には、レーザ光の出力を停止する。
【0025】
ROM12は、光軸ズレの補正に用いるテストパターンの画像データを記憶する。
本例では、図2に例示するようなテストパターンの画像データを記憶する。すなわち、2色(例えば、RとG)の組み合わせについて、2色全ての色成分を合成した混合色で表示される十字状の基準マーク21と、各色成分で表示される複数のバーマーク22(22a,22b)とを含むテストパターンを用いる。
図2では、基準マーク21及びバーマーク22の色について、Rを破線で示し、Gを一点鎖線で示し、黄(RとGの混合色)を実線で示すことで、各々の色を区別しているが、実際には全て実線で表示される。
【0026】
基準マーク21は、水平及び垂直の基準位置を示す。色成分毎の複数のバーマーク22は、基準マーク21に対して水平及び垂直の方向に所定の間隔で配置される。本例では、基準マーク21の上側に水平方向のバーマーク22aを配置し、基準マーク21の左側に垂直方向のバーマーク22bを配置してある。基準マーク21の下側に水平方向のバーマーク22aを配置し、基準マーク21の右側に垂直方向のバーマーク22bを配置する、といった他の配置態様にしても構わない。
【0027】
ここで、基準マーク21からの距離を基準にして異なる色成分のバーマーク22同士を対(ペア)にして、これをバーマーク対と呼ぶこととする。そして、各々のバーマーク22の配置を、各バーマーク対におけるバーマーク22間のズレ量が基準マーク21からの距離に比例して一定量ずつ増加する配置とする。すなわち、画面中央から外側にかけて、各バーマーク対におけるバーマーク22間のズレ量が次第に大きくなるように配置してある(平行2線の相対位置関係を少しずつずらしてある)。バーマーク22間のズレ量が一定量ずつ増加する配置にするには、同色のバーマーク22を一定の間隔で配置し、且つ、その間隔をバーマーク22の色毎に異ならせればよい。なお、本例では、バーマーク22間のズレ量の増加量をバーマーク22の太さと一致させることで、光軸ズレの発生時にはいずれかのバーマーク対が重なり合うようにしてある。
【0028】
更に、水平方向のバーマーク対に、基準位置に対する水平方向の相対関係を数値化した識別情報23aを付してあり、垂直方向のバーマーク対に、基準位置に対する垂直方向の相対関係を数値化した識別情報23bを付してある。なお、これらの識別情報23(23a,23b)の表示色は、黒の背景を用いる場合に認識し易い色であるR又はG(特にG)を用いることが好ましい。また、識別情報23は、ユーザが各バーマーク対を一意に識別可能であればよく、文字や記号等を用いて表現してもよい。
【0029】
また、ROM12は、テストパターンにおける水平及び垂直の各々の識別情報23に対応付けて、補正データを記憶する。この補正データには、バーマーク対が本来有するズレ量(画像データにおけるズレ量)を無くすのに必要な光軸の補正量に対応するレーザ光源2の変調タイミングの調整量で規定してある。これは、レーザ光源2の変調タイミングを変えることで、当該レーザ光源2から出射されるレーザ光の光軸が変化することを利用したものである。なお、例えば、バーマーク対のズレ量や光軸の補正量を補正データに規定しておき、このズレ量や補正量から所定の変換式によりレーザ光源2の変調タイミングの調整量を得る、といった他の構成を採用してもよい
【0030】
ここで、図2のテストパターンは、R,G,Bのうちの2色についてのテストパターンであり、色の組み合わせ方を変えることで、各色のレーザ光の光軸ズレの補正に用いることができる。例えば、RとGの組み合わせに係るテストパターンを用いて光軸ズレを補正し、且つ、GとB(或いはRとB)の組み合わせに係るテストパターンを用いて光軸ズレを補正すれば、R,G,Bの全てについて光軸ズレの補正を行なえる。
【0031】
CPU13は、操作部14にてユーザからテストパターンの投影指示を受けた場合に、テストパターンの画像データをROM12から読み出して映像処理部9へ出力する。本例では、光軸ズレの補正の対象とする2色の指定をユーザから受け付け、その色情報をROM12から読み出した画像データに適用して得られる映像信号を映像処理部9へ出力する。これにより、ユーザに指定された2色を適用したテストパターンが投影面に表示されることになる。
【0032】
また、CPU13は、操作部14にてユーザから光軸ズレを補正する基準となるバーマーク対の指定を受け付けた場合に、当該指定されたバーマーク対に対応付けられた補正データをROM12から読み出して光源制御部10へ出力する。これにより、レーザ光源2から出射されるレーザ光の光軸が、ユーザに指定されたバーマーク対に応じた変化量で変化する。
【0033】
光軸ズレの補正の具体例について、RとGの組み合わせについて光軸ズレ補正を行うことがユーザに指定された場合を例に説明する。なお、図3には、光軸ズレがある場合のテストパターンの投影例を示してある。
まず、投影面における基準マーク21の表示について説明する。
RとGのレーザ光に光軸ズレが生じていない場合には、同一座標の画素値に基づくRのレーザ光とGのレーザ光は互いに投影面状の同じ位置に出射される。これにより、基準マーク21は、図2のように、本来の表示色である黄(RとGの混合色)で投影面に表示される。
一方、RとGのレーザ光に光軸ズレが生じている場合には、同一座標の画素値に基づくRのレーザ光とGのレーザ光であっても互いに投影面状の異なる位置に出射されてしまう。これにより、基準マーク21は、図3のように、RとGに分離した態様で投影面に表示される。
このように、光軸ズレの有無に応じて基準マーク21の表示が変化するので、ユーザは、投影面に表示された基準マーク21を見ることで、光軸ズレの有無を判別できる。
【0034】
次に、投影面におけるバーマーク22の表示について説明する。
RとGのレーザ光に水平方向の光軸ズレが生じている場合には、水平方向のバーマーク対のいずれかが重なり合うことになる。図3の例では、水平方向のバーマーク対のうち、「−3」の識別情報が付されたバーマーク対が重複して、黄(RとGの混合色)で投影面に表示されている。
また、RとGのレーザ光に垂直方向の光軸ズレが生じている場合には、垂直方向のバーマーク対のいずれかが重なり合うことになる。図3の例では、垂直方向のバーマーク対のうち、「−1」の識別情報が付されたバーマーク対が重複して、黄(RとGの混合色)で投影面に表示されている。
【0035】
このように、光軸ズレの程度に応じてバーマーク22の表示が変化するので、ユーザは、投影面に表示されたバーマーク22を見ることで、光軸ズレの程度(ズレ量)を定量的に把握できる。この場合、ユーザは、操作部14を操作して、水平方向に「−3」、垂直方向に「−1」の指定を行なえば、当該指定に該当する補正データにより、Rのレーザ光源2c及びGのレーザ光源2bに対して変調タイミングの変更が行なわれる。なお、同一方向で2ヶ所のバーマーク対が部分的に重なり合う場合には、ユーザは、重なり度合が大きい方のバーマーク対を指定すればよい。
【0036】
以上の説明は、RとGの組み合わせについてテストパターン表示及び光軸ズレの補正を行うことがユーザに指定された場合であるが、GとB(或いはRとB)の組み合わせについても同様の作業を行なえば、R,G,Bの全ての光軸を一致させることができる。
【0037】
次に、レーザ光源の変調タイミングの変更について、図4を参照して説明する。
図4(a)には、各レーザ光源2の変調タイミングを変更しない状態を示してあり、図4(b)には、各レーザ光源2の変調タイミングを変更した状態を示してある。
【0038】
ここで、領域31は、Rのレーザ光が走査される投影面の領域であり、領域32は、Gのレーザ光が走査される投影面の領域であり、領域33は、Bのレーザ光が走査される投影面の領域である。
また、R_HENは、Rのレーザ光源2cの水平走査方向の変調タイミングであり、G_HENは、Gのレーザ光源2bの水平走査方向の変調タイミングであり、B_HENは、Bのレーザ光源2aの水平走査方向の変調タイミングである。
また、R_VENは、Rのレーザ光源2cの垂直走査方向の変調タイミングであり、G_VENは、Gのレーザ光源2bの垂直走査方向の変調タイミングであり、B_VENは、Bのレーザ光源2aの垂直走査方向の変調タイミングである。
【0039】
変調タイミングを変更しない状態では、R_HEN、G_HEN、B_HENは互いに一致するが、Rの投影領域31がGの投影領域32に対して右側に変位しており、Bの投影領域33がGの投影領域32に対して左側に変位している。この場合、図4(b)に示すように、R_HENがG_HENに対して遅延し、B_HENがG_HENに対して先行するように、Rのレーザ光源2c及びBのレーザ光源2aの水平走査方向の変調タイミングを変更する。これにより、R,G,Bの各投影領域31,32,33が水平方向で一致することになる。
【0040】
また、変調タイミングを変更しない状態では、R_VEN、G_VEN、B_VENは互いに一致するが、Rの投影領域31がGの投影領域32に対して下側に変位しており、Bの投影領域33がGの投影領域32に対して上側に変位している。この場合、図4(b)に示すように、R_VENがG_VENに対して先行し、B_VENがG_VENに対して遅延するように、Rのレーザ光源2c及びBのレーザ光源2aの垂直走査方向の変調タイミングを変更する。これにより、R,G,Bの各投影領域31,32,33が垂直方向で一致することになる。
【0041】
なお、レーザ光の光軸の調整をレーザ光源2の変調タイミングの変更により行うことは一例に過ぎず、他の方法によりレーザ光の光軸の調整を行ってもよい。すなわち、例えば、レーザ光源2の配置や光路上の光学素子の配置を制御する機構を設け、レーザ光源2や光学素子の配置を調整することで、レーザ光の光軸を調整してもよい。
【0042】
図5には、テストパターンの他の例を示してある。
このテストパターンは、R,G,Bの全ての色成分を合成した混合色(白)で表示される十字状の基準マーク41と、各色成分で表示される複数のバーマーク42(42a,42b,42c,42d)とを含む。
図5では、基準マーク41及びバーマーク42の色について、Rを破線で示し、Gを一点鎖線で示し、Bを二点鎖線で示し、白(RとGとBの混合色)を実線で示すことで、各々の色を区別しているが、実際には全て実線で表示される。
【0043】
基準マーク41は、水平及び垂直の基準位置を示す。色成分毎の複数のバーマーク42は、基準マーク41に対して水平及び垂直の方向に所定の間隔で配置される。本例では、RとGの組み合わせについて、基準マーク41の上側に水平方向のバーマーク42aを配置し、基準マーク41の左側に垂直方向のバーマーク42bを配置してある。また、GとBの組み合わせについて、基準マーク41の下側に水平方向のバーマーク42cを配置し、基準マーク41の右側に垂直方向のバーマーク42dを配置してある。なお、これらの配置は一例に過ぎず、他の配置態様にしても構わない。
【0044】
更に、RとGとの組み合わせについて、水平方向のバーマーク対に、基準位置に対する水平方向の相対関係を数値化した識別情報43aを付してあり、垂直方向のバーマーク対に、基準位置に対する垂直方向の相対関係を数値化した識別情報43bを付してある。また、GとBの組み合わせについて、水平方向のバーマーク対に、基準位置に対する水平方向の相対関係を数値化した識別情報43cを付してあり、垂直方向のバーマーク対に、基準位置に対する垂直方向の相対関係を数値化した識別情報43dを付してある。
【0045】
このようなテストパターンを用いれば、ユーザは、RとGのレーザ光の光軸ズレ及びGとBのレーザ光の光軸ズレを1回のテストパターン表示で把握できるようになる。そして、RとGの組み合わせに係る水平方向及び垂直方向のバーマーク対の識別情報43a,43b、GとBの組み合わせに係る水平方向及び垂直方向のバーマーク対の識別情報43c,43dをそれぞれ指定すれば、R,G,Bの全てについて光軸ズレの補正を行なえる。
【0046】
以上のように、本例のレーザプロジェクタでは、基準マークが色成分別に分離した態様で投影面に表示された場合には、互いに重なり合っているバーマーク対を見つけ出すことで、光軸ズレの程度を定量的に把握でき、光軸の校正を簡単にやり直せるようになる。
【符号の説明】
【0047】
1:レーザプロジェクタ、 2(2a〜2c):レーザ光源、 3,4:ダイクロイックミラー、 5:レンズ、 6:走査ミラー、 7:走査ミラードライバ、 8:走査ミラー制御部、 9:映像処理部、 10:光源制御部、 11:レーザドライバ、 12:ROM、 13:CPU、 14:操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6