特許第5983444号(P5983444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983444
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】文書編集装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/22 20060101AFI20160818BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G06F17/22 664
   G06F17/30 170A
   G06F17/30 310C
   G06F17/30 320C
   G06F17/30 419B
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-19329(P2013-19329)
(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-149772(P2014-149772A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 大祐
(72)【発明者】
【氏名】大西 健司
(72)【発明者】
【氏名】左右田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】林 栄作
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−259195(JP,A)
【文献】 特開2006−065726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/20 − 17/28
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の文字と所定の文字からなる文字列のパターンを秘匿情報の候補として記憶する秘匿情報記憶手段と、
前記文字列のパターンに代わる他の文字列を前記文字列のパターンに対応させて記憶する置換情報記憶手段と、
対象文書から他のデータにリンクするリンク情報を抽出するリンク情報抽出手段と、
前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータから前記文字列のパターンを検索する検索手段と、
前記文字列のパターンが含まれる場合に、該リンク情報を該他のデータにリンクしない情報に変更するか、又は、前記検索手段により検索された前記文字列のパターンのそれぞれを、それぞれ異なる前記他の文字列に置換する変更手段と、を
ことを特徴とする文書編集装置。
【請求項2】
前記対象文書からコード画像を抽出するコード画像抽出手段と、
前記抽出したコード画像に符号化されたデータを復号する復号手段と、をさらに含み、
前記変更手段は、前記復号手段により復号されたデータに秘匿情報が含まれる場合に、該復号されたデータを符号化したコード画像を該復号されたデータを含まない情報に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記復号手段により復号されたデータがリンク情報を含む場合であって、該リンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれるときには、該復号されたデータを符号化したコード画像を、該リンク情報を含まない情報に変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の文書編集装置。
【請求項4】
前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれる場合に、該秘匿情報の秘匿を要するか否かをユーザに問い合わせる手段をさらに含み、
前記変更手段は、前記問い合わせの結果、秘匿を要する場合に、前記秘匿情報を含む前記他のデータにリンクするリンク情報を、前記秘匿情報を含む前記他のデータにリンクしない情報に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の文書編集装置。
【請求項5】
任意の文字と所定の文字からなる文字列のパターンを秘匿情報の候補として記憶する秘匿情報記憶手段と、
前記文字列のパターンに代わる他の文字列を前記文字列のパターンに対応させて記憶する置換情報記憶手段と、
対象文書から他のデータにリンクするリンク情報を抽出するリンク情報抽出手段と、
前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータから前記所定の文字列のパターンを検索する検索手段と、
前記文字列のパターンが含まれる場合に、該リンク情報を該他のデータにリンクしない情報に変更するか、又は、前記検索手段により検索された前記文字列のパターンのそれぞれを、それぞれ異なる前記他の文字列に置換する変更手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報等を秘匿するために、秘匿すべき情報を格納したデータベースを参照して、文書に含まれる語の中から秘匿対象の語を抽出することがある(特許文献1を参照)。
【0003】
文書中には秘匿すべき情報が含まれていなくとも、文書からリンクされた他のデータ内に含まれる情報によって秘匿すべき情報が判明してしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−309406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、文書からリンクされた他のデータ内に含まれる情報に基づいて秘匿すべき情報が判明してしまうことを防止できる文書編集装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、対象文書から他のデータにリンクするリンク情報を抽出するリンク情報抽出手段と、前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれる場合に、該リンク情報を該他のデータにリンクしない情報に変更する変更手段と、を含むことを特徴とする文書編集装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記対象文書からコード画像を抽出するコード画像抽出手段と、前記抽出したコード画像に符号化されたデータを復号する復号手段と、をさらに含み、前記変更手段は、前記復号手段により復号されたデータに秘匿情報が含まれる場合に、該復号されたデータを符号化したコード画像を該復号されたデータを含まない情報に変更することを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置である。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記変更手段は、前記復号手段により復号されたデータがリンク情報を含む場合であって、該リンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれるときには、該復号されたデータを符号化したコード画像を、該リンク情報を含まない情報に変更することを特徴とする請求項2に記載の文書編集装置である。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれる場合に、該秘匿情報の秘匿を要するか否かをユーザに問い合わせる手段をさらに含み、前記変更手段は、前記問い合わせの結果、秘匿を要する場合に、前記秘匿情報を含む前記他のデータにリンクするリンク情報を、前記秘匿情報を含む前記他のデータにリンクしない情報に変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の文書編集装置である。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記対象文書から秘匿情報を検索する検索手段をさらに含み、前記変更手段は、前記検索手段により検索された秘匿情報を他の情報に置換することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の文書編集装置である。
【0011】
請求項6に係る発明は、対象文書から他のデータにリンクするリンク情報を抽出するリンク情報抽出手段と、前記抽出されたリンク情報がリンクする他のデータに秘匿情報が含まれる場合に、該リンク情報を該他のデータにリンクしない情報に変更する変更手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び6に記載の発明によれば、文書からリンクされた他のデータ内に含まれる情報に基づいて秘匿すべき情報が判明してしまうことを防止できる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、コード画像に符号化されたデータに基づいて秘匿すべき情報が判明してしまうことを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、コード画像に符号化されたリンク情報によりリンクされた他のデータ内に含まれる情報に基づいて秘匿すべき情報が判明してしまうことを防止できる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、文書のリンク情報のうち秘匿すべきリンク情報をユーザが選別できる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、文書の内容から秘匿すべき情報が判明してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る文書編集装置の機能ブロック図である。
図2】秘匿情報管理テーブルの一例を示す図である。
図3】置換情報管理テーブルの一例を示す図である。
図4】文書編集装置が実行する編集処理のフローチャートである。
図5】文書編集装置が実行する編集処理のフローチャートである。
図6】文書編集装置が実行する編集処理のフローチャートである。
図7】対象文書の一例を示す図である。
図8】対象文書の編集例を説明する図である。
図9】対象文書の編集例を説明する図である。
図10】対象文書の編集例を説明する図である。
図11】対象文書の編集例を説明する図である。
図12】対象文書の編集例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0019】
[1.文書編集装置が備える機能の説明]
図1には、本実施形態に係る文書編集装置10の機能ブロック図を示した。図1に示されるように、文書編集装置10は、対象文書取得部11、リンク情報抽出部12、リンク先文書取得部13、文字認識部14、コード画像取得部15、復号部16、秘匿情報記憶部17、置換情報記憶部18、秘匿情報検索部19、情報変更部20、表示制御部21、入力受付部22を備える。
【0020】
文書編集装置10に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する入出力手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる文書編集装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して文書編集装置10に供給されることとしてもよい。
【0021】
対象文書取得部11は、編集の対象とする文書(対象文書)を取得する。例えば、対象文書取得部11は、メモリ、ハードディスク、情報記憶媒体等に格納された電子文書のうち、ユーザに指示された電子文書を対象文書として取得してもよいし、ユーザの指示に基づいてネットワークを介してダウンロードした電子文書を対象文書として取得してもよい。
【0022】
リンク情報抽出部12は、対象文書取得部11により取得された対象文書の中からリンク情報を抽出する。例えば、リンク情報抽出部12は、ハイパーリンクが設定された文字列及び、ハイパーリンクの書式で記述された文字列をリンク情報として抽出することとしてよい。また、リンク情報抽出部12は、後述する復号部16で復号化されたデータからもリンク情報を抽出することとしてよい。
【0023】
リンク先文書取得部13は、リンク情報抽出部12で抽出されたリンク情報にアクセスして、リンク情報が参照する文書(リンク先文書)を取得する。リンク先文書取得部13は、リンク先文書が電子文書(文字列データを含む情報)である場合には、リンク先文書を秘匿情報検索部19に出力し、リン先文書が文書画像(イメージデータ)である場合には、リンク先文書を文字認識部14に出力することとしてよい。
【0024】
文字認識部14は、リンク先文書取得部13により取得されたリンク先文書が文書画像である場合に、当該文書画像に文字認識処理を施して、文書画像を電子文書に変換する。そして、文字認識部14は、文字認識処理に基づき文書画像から変換された電子文書を秘匿情報検索部19に出力する。
【0025】
コード画像取得部15は、対象文書取得部11により取得された対象文書の中からコード画像を抽出する。例えば、コード画像は、1次元コード(バーコード)、2次元コード(QRコード(登録商標))等としてよい。
【0026】
復号部16は、コード画像取得部15により取得されたコード画像に符号化されたデータを復号する。ここで、復号部16で復号化されたデータ(復号化データ)は、秘匿情報検索部19に出力される。
【0027】
秘匿情報記憶部17は、個人名、会社名、住所、電話番号等の秘匿情報(語句)を特定するための情報を記憶する。例えば、秘匿情報記憶部17には、図2に示す秘匿情報管理テーブルが記憶される。図2に示される秘匿情報管理テーブルの例では、秘匿語句を識別する秘匿語句ID、語句/語句パターンが関連付けて記憶される。なお、図2に示される語句/語句パターンにおいて、[*]は任意の文字列であることを示している。
【0028】
置換情報記憶部18は、秘匿情報を公開してよい他の情報に置換する場合の置換語句の情報を記憶する。例えば、置換情報記憶部18には、図3に示す置換情報管理テーブルが記憶される。図3に示される置換情報管理テーブルの例では、秘匿語句ID、秘匿語句IDに関連付けられる語句/語句パターンを置換する置換語句が関連付けて記憶される。なお、図3に示される置換語句において、[A〜Z]は同一文書内での固有名詞をそれぞれ識別するように、[A〜Z]の中から1つの文字を割り当てることを示している。
【0029】
秘匿情報検索部19は、対象文書取得部11により取得された対象文書、リンク先文書取得部13で取得されたリンク先文書、文字認識部14で電子文書に変換されたリンク先文書、復号部16で復号化された復号化データのそれぞれから、秘匿情報記憶部17に記憶される秘匿情報(語句/語句パターン)を検索する。
【0030】
情報変更部20は、秘匿情報検索部19で検索された秘匿情報をマスクする(塗りつぶす)か、公開してよい他の情報に置換することで、対象文書の内容を変更する。例えば、情報変更部20は、秘匿情報検索部19で検索された秘匿情報の確認画面を、表示制御部21を介して表示装置30に表示し、その結果、ユーザから入力装置40により秘匿する旨の指示を、入力受付部22を介して受け付けた場合に、秘匿情報をマスクするか、他の情報に置換する情報変更処理を実行することとしてよい。なお、秘匿情報の変更処理の詳細については後述する。
【0031】
表示制御部21は、液晶ディスプレイ等の表示装置30と接続し、表示情報を表示装置30に出力する。
【0032】
入力受付部22は、マウス、キーボード等の入力装置40と接続し、ユーザが入力装置40に入力した情報を受け付ける。
【0033】
[2.文書編集装置10が実行する編集処理の説明]
次に、図4〜6に示したフローチャートを参照しながら、文書編集装置10が実行する編集処理の詳細について説明する。また、図7〜12には、文書編集装置10が実行する編集処理に応じた対象文書の編集画面例を示した。
【0034】
[2−1.対象文書に含まれるリンク情報についての処理]
図4に示されるように、文書編集装置10は、まず、ユーザから受け付けた指示等に基づいて、編集の対象とする対象文書を取得する(S101)。
【0035】
図7には、対象文書を表示した文書表示画面の一例を示した。図7に示される例では、文書表示画面に示される対象文書400には、リンクL1〜L3とコード画像C1,C2が含まれることとする。
【0036】
次に、文書編集装置10は、対象文書の中から、対象文書に含まれる全てのリンク情報(リンクL〜L)を抽出する(S102)。そして、文書編集装置10は、変数iを1に初期化して(S103)、リンク情報Liにアクセスして、リンク情報Liが参照するデータDiを取得する(S104)。ここで、文書編集装置10は、データDiが電子文書でなく画像である場合には、データDiに文字認識処理を実行して電子文書に変換することとしてよい。
【0037】
文書編集装置10は、秘匿情報管理テーブルに基づき、データDiに秘匿情報が含まれると判定される場合には(S105:Y)、秘匿情報の編集内容を確認するための確認画面を表示する(S106)。
【0038】
図8には、確認画面の一例を示した。図8は、リンクL1に対する確認画面500の一例を示しており、確認画面500には、リンクのアドレス、リンク先のデータを表示するリンク先データ表示画面501、リンクのマスク処理を指示するためのマスクボタンB1、リンクの内容の変更を指示するための内容変更ボタンB2、リンクの秘匿が不要である旨を指示するための秘匿不要ボタンB3がそれぞれ表示される。なお、図8に示した例では、リンク先データに、シークレット情報S1(秘匿情報)が含まれることとしている。
【0039】
文書編集装置10は、例えばリンクLiの確認画面のマスクボタンB1又は内容変更ボタンB2が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けた場合には(S107:Y)、S108に進む。ここで、文書編集装置10は、秘匿態様が「マスク」である場合には(S108:マスク)、リンクLiのリンクを無効化するとともに、リンクLiを含む文字列又は画像をマスク(塗りつぶし)する(S109)。
【0040】
図9には、リンクL1の確認画面でマスクボタンB1が押下された場合の編集例を示した。図9には、リンクL1を含む文字列の全体がマスク処理された例を示している。
【0041】
また、文書編集装置10は、秘匿態様が「内容変更」である場合には(S108:内容変更)、リンクLiのリンクを無効化するとともに、リンクLiを含む文字列又は画像を、リンクLiのリンク先のアドレスを含まない他の文字列又は画像に変更する(S110)。
【0042】
文書編集装置10は、S109、S110の後、又は、S105でデータDiに秘匿情報が含まれないと判定される場合(S105:N)、さらには、S107で例えばリンクLiの確認画面の秘匿不要ボタンB3が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けない場合(S107:N)には、S111に進む。ここで、文書編集装置10は、変数iがNに達していない場合には(S111:N)、変数iをインクリメント(1加算)して(S112)、S104に戻り、変数iがNに達している場合には(S111:Y)、図5に示すフローチャートに進む。
【0043】
[2−2.対象文書に含まれるコード画像についての処理]
図5に示されるように、文書編集装置10は、対象文書の中から対象文書に含まれる全てのコード画像(コード画像C〜C)を抽出する(S201)。そして、文書編集装置10は、変数iを1に初期化して(S202)、コード画像Ciを復号して、コード画像Ciの復号データEiを取得する(S203)。
【0044】
文書編集装置10は、復号データEiにリンク情報が含まれている場合には(S204:Y)、リンク情報にアクセスしてリンク先のデータを取得する(S205)。文書編集装置10は、S204で復号データEiにリンク情報が含まれていない場合(S204:N)、そしてS205の後にS206に進む。
【0045】
ここで、文書編集装置10は、秘匿情報管理テーブルに基づき、復号データEi又は復号データEiに含まれるリンク情報に基づき取得したリンク先データに秘匿情報が含まれると判定される場合には(S206:Y)、秘匿情報の編集内容を確認するための確認画面を表示する(S207)。
【0046】
図10には、確認画面の一例を示した。図10は、コード画像C1に対する確認画面の一例を示しており、コード画像C1の確認画面500には、コード画像C1の復号データE1を表示する表示画面、復号データE1に含まれるリンクEL1のリンク先のデータを表示するリンク先データ表示画面、コード画像のマスク処理を指示するためのマスクボタンB1、コード画像の内容の変更を指示するための内容変更ボタンB2、コード画像の秘匿が不要である旨を指示するための秘匿不要ボタンB3がそれぞれ表示される。なお、図10に示した例では、復号データE1のリンク先データに、シークレット情報S2(秘匿情報)が含まれることとしている。
【0047】
文書編集装置10は、例えばコード画像Ciの確認画面のマスクボタンB1又は内容変更ボタンB2が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けた場合には(S208:Y)、S209に進む。ここで、文書編集装置10は、秘匿態様が「マスク」である場合には(S209:マスク)、コード画像Ciをマスク(塗りつぶし)する(S210)。
【0048】
また、文書編集装置10は、秘匿態様が「内容変更」である場合には(S209:内容変更)、コード画像Ciを、コード画像Ciの復号データを含まない他の文字列又は画像に変更する(S211)。
【0049】
図11には、コード画像C1の確認画面で内容変更ボタンB2が押下された場合の編集例を示した。図11に示した例では、コード画像C1が、元のコード画像とは異なる新たなコード画像に変更されている。ここで、新たなコード画像で符号化されるデータは、元のコード画像で符号化されるデータとは異なるデータとする。
【0050】
文書編集装置10は、S210、S211の後、又は、S206で復号データEiに秘匿情報が含まれないと判定される場合(S205:N)、さらには、S208で例えばコード画像Ciの確認画面の秘匿不要ボタンB3が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けない場合(S208:N)には、S212に進む。ここで、文書編集装置10は、変数iがMに達していない場合には(S212:N)、変数iをインクリメント(1加算)して(S213)、S203に戻り、変数iがNに達している場合には(S212:Y)、図6に示すフローチャートに進む。
【0051】
[2−3.対象文書に含まれる文字列についての処理]
図6に示されるように、文書編集装置10は、秘匿情報管理テーブルに基づき、対象文書に含まれる全ての秘匿情報の候補語句(W〜W)を抽出する(S301)。そして、文書編集装置10は、変数iを1に初期化して(S302)、候補語句Wiの編集内容を確認するための確認画面を表示する(S303)。確認画面には、候補語句のマスク処理を指示するためのマスクボタンB1、候補語句の内容の変更を指示するための内容変更ボタンB2、候補語句の秘匿が不要である旨を指示するための秘匿不要ボタンB3がそれぞれ表示されることとしてよい。
【0052】
文書編集装置10は、例えば候補語句Wiの確認画面のマスクボタンB1又は内容変更ボタンB2が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けた場合には(S304:Y)、S305に進む。ここで、文書編集装置10は、秘匿態様が「マスク」である場合には(S305:マスク)、候補語句Wiを含む文字列をマスク(塗りつぶし)する(S306)。
【0053】
また、文書編集装置10は、秘匿態様が「内容変更」である場合には(S305:内容変更)、候補語句Wiを含む文字列を、候補語句Wiの文字列を含まない他の文字列に変更する(S307)。ここで、文書編集装置10は、例えば置換情報管理テーブルに基づいて、候補語句Wiの置換語句を検索し、検索した置換語句に候補語句Wiを変更することとしてよい。
【0054】
文書編集装置10は、S306、S307の後、又は、S304で例えば候補語句Wiの確認画面の秘匿不要ボタンB3が押下されることで、ユーザから秘匿指示を受け付けない場合(S304:N)には、S308に進む。ここで、文書編集装置10は、変数iがLに達していない場合には(S308:N)、変数iをインクリメント(1加算)して(S309)、S303に戻り、変数iがNに達している場合には(S308:Y)、処理を終了する。
【0055】
図12には、文書編集装置10による対象文書の編集例を示した。図12に示した編集例では、リンクL1を含む文字列がマスク処理され、リンクL3を含む文章単位(例えば、行や段落)がマスク処理され、コード画像C1が内容変更されているが、編集内容は一例であり、図示した例に限られないことはもちろんである。
【0056】
以上説明した文書編集装置10によれば、対象文書から、リンク先に秘匿すべき情報が含まれているリンク、符号化されたデータに秘匿すべき情報が含まれているコード画像が公開されないように、対象文書の編集を行うことができる。
【0057】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、秘匿情報の確認画面でユーザの指示を受け付けることとしているが、秘匿情報の確認画面の表示を省略してもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、文書編集装置10が、秘匿情報記憶部17、置換情報記憶部18を備えている例について説明したが、秘匿情報記憶部17、置換情報記憶部18は文書編集装置10の外部の装置に備えられ、文書編集装置10が外部の装置に備えられた秘匿情報記憶部17、置換情報記憶部18を参照するようにしてもよい。
【0059】
また、秘匿情報検索部19は、対象文書、対象文書のリンク先文書、復号データにそれぞれ含まれる語句のうち、秘匿情報記憶部17に記憶される秘匿語句と一致又は類似する語句を検索することとしてよい。
【0060】
また、文書編集装置10は、対象文書のリンク情報について、当該リンク情報によるアクセスが制限されている場合にも、当該リンク情報が秘匿情報であると判定することとしてもよい。同様に、文書編集装置10は、対象文書のコード画像について、当該コード画像を復号化した復号データが暗号化されている場合にも、当該コード画像には秘匿情報が含まれると判定することとしてもよい。
【0061】
また、文書編集装置10は、対象文書に含まれる秘匿情報を、秘匿情報ではない他の文字列に置換する場合に、当該秘匿情報の周囲に記述された文字列に基づいて、秘匿情報の置換語句を修飾する語句を設定することとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 文書編集装置、11 対象文書取得部、12 リンク情報抽出部、13 リンク先文書取得部、14 文字認識部、15 コード画像取得部、16 復号部、17 秘匿情報記憶部、18 置換情報記憶部、19 秘匿情報検索部、20 情報変更部、21 表示制御部、22 入力受付部、30 表示装置、40 入力装置、400 対象文書、500 確認画面、L1〜L3 リンク、C1,C2 コード画像、B1 マスクボタン、B2 内容変更ボタン、B3 秘匿不要ボタン、S1,S2 シークレット情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12