【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
(1)本発明の一形態は、 燃料タンクへ燃料を供給するための給油装置である。給油装置は、上記燃料タンクに接続される燃料通路を有する通路形成部材と、上記燃料通路に配置されるとともに上記通路形成部材に固定され、上記燃料通路の一部を構成する注入口を有する注入口形成部材と、
上記注入口形成部材に開閉可能に装着され、上記注入口を開閉する開閉部材を備えた注入口開閉機構と、
を備え、
上記通路形成部材と上記注入口形成部材とは、互いに溶着する樹脂材料から形成され、上記通路形成部材と上記注入口形成部材との間が全周に沿って溶着部で溶着されることでシールされており、
上記通路形成部材は、該通路形成部材の全周に沿って環状に配置された補強部材を備え、
補強部材は、該通路形成部材より機械的強度が大きい材料から形成され、
上記補強部材および上記溶着部は、上記燃料通路の中心線から直角の同一面の周辺に配置されている構成である。
本形態において、通路形成部材は、その全周に沿って環状に補強部材が配置されている。補強部材と溶着部とは、燃料通路の中心線から直角の同一面の周辺に配置されている。しかも、補強部材は、該通路形成部材より機械的強度が大きい材料から形成されている。このため、車両の衝突などにより、通路形成部材の溶着部の付近に、車両の衝突などによる外力を受けても、補強部材は、溶着部や注入口形成部材の付近への衝撃を緩和し、シール箇所を保護する。よって、車両の衝突時に燃料タンク内の燃料が外部へ流出するのを防止する。
【0007】
(2) 他の形態において、上記補強部材は、金属材料から形成されている給油装置である。
【0008】
(3) 他の形態において、上記通路形成部材は、該通路形成部材の開口端部に形成され該通路形成部材の端部から外周側に拡径したフランジ部を有し、上記補強部材は、上記フランジ部に装着されるとともに、上記溶着部から外周側に離れた位置に配置されている給油装置である。
【0009】
(4) 他の形態において、上記通路形成部材は、上記燃料通路を形成するパイプ形状であり第1樹脂材料から形成された樹脂内層と、該樹脂内層の外面に積層され第2樹脂材料から形成された樹脂外層とを有し、
上記第1樹脂材料と上記第2樹脂材料とは、一方の層が他方の層より耐燃料透過性に優れた樹脂材料から形成され、
上記フランジ部は、上記樹脂内層または樹脂外層のいずれか一方の端部に形成されている給油装置である。
【0010】
(5) 他の形態において、上記通路形成部材は、該通路形成部材の開口端部に形成され該通路形成部材の端部から内周側に張り出した支持部を有し、上記補強部材は、上記支持部に装着されている給油装置である。
【0011】
(6) 他の形態において、さらに、上記注入口開閉機構を覆うように上記通路形成部材の上部に装着されたカバー部材を有し、
上記カバー部材は、側壁部と、上壁とにより囲まれたカップ形状であり、上記側壁部に形成された係合爪を有し、
上記係合爪が上記フランジ部に係合することで、上記カバー部材が通路形成部材に装着されている給油装置である。
(7) 他の形態において、上記補強部材は、上記溶着部に対して内周側であって該溶着部に近接して設けられている給油装置である。
【0012】
(8) 他の形態において、 上記燃料タンクに接続される燃料通路を有する通路形成部材と、
上記燃料通路に配置されるとともに上記通路形成部材に固定され、上記燃料通路の一部を構成する注入口を有する注入口形成部材と、
上記注入口形成部材に開閉可能に装着され、上記注入口を開閉する開閉部材を備えた注入口開閉機構と、
を備え、
上記通路形成部材と上記注入口形成部材とは、互いに溶着する樹脂材料から形成され、上記通路形成部材と上記注入口形成部材との間が全周に沿って溶着部で溶着されることでシールされており、
上記通路形成部材は、該通路形成部材の全周に沿って環状に配置され、上記溶着部を設けた部位より外周側でかつギャップを隔てて配置された外力緩衝部を有し、上記外力緩衝部は、外力を受けたときに上記ギャップを狭める方向に弾性変形するように構成し、上記ギャップおよび上記溶着部は、上記燃料通路の中心線から直角の同一面上に配置されている。本形態において、フランジ部の内周側の端面は、注入口形成部材の端部との間にギャップが形成されている。フランジ部に外力が加わること、延設部がギャップを小さくするように撓むこと、外力が溶着部に及ぶのを緩和する。
【0013】
(9) 他の形態において、上記通路形成部材は、該通路形成部材の開口端部に形成され該通路形成部材の端部から外周側に拡径したフランジ部を有し、上記フランジ部に上記外力緩衝部が形成されている給油装置である。
【0014】
(10) 他の形態において、上記通路形成部材は、上記燃料通路を形成するパイプ形状であり第1樹脂材料から形成された樹脂内層と、該樹脂内層の外面に積層され第2樹脂材料から形成された樹脂外層とを有し、
上記第1樹脂材料と上記第2樹脂材料とは、一方の層が他方の層より耐燃料透過性に優れた樹脂材料から形成され、
上記フランジ部は、上記樹脂内層または樹脂外層のいずれか一方の端部に形成されている給油装置である。
【0015】
(11) 他の形態において、さらに、上記注入口開閉機構を覆うように上記通路形成部材の上部に装着されたカバー部材を有し、
上記カバー部材は、側壁部と、上壁とにより囲まれたカップ形状であり、上記側壁部に形成された係合爪を有し、
上記係合爪が上記フランジ部に係合することで、カバー部材が通路形成部材に装着されている給油装置である。