(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のネットワーク機器をそれぞれ使用する場合において、それぞれの言語でネットサービスや各種情報を表示すると、問題が生じ得る。
【0006】
すなわち、複数の部屋にそれぞれネットワーク機器が配置されるマルチルームオーディオシステム等の場合、それぞれのグループでソース機器(信号の送信側)とシンク機器(信号の受信側)が存在し、ソース機器に対して設定された言語で各種情報が表示されることになる。この場合、ソース機器が変更されてしまうと、同時に設定言語も変更されてしまうため、意図しない言語で各種情報が表示されてしまう。例えば、2つのソース機器が存在し、第1のソース機器の言語が日本語に設定され、第2のソース機器の言語がドイツ語に設定されているものとする。そして、ユーザのスマートフォンには、第2のソース機器からドイツ語の情報が送信されている場合において、ソース機器が第2のソース機器から第1のソース機器に切り替わると、このユーザのスマートフォンにはドイツ語ではなく第1のソース機器の設定言語である日本語が送信されることとなり、ユーザは困惑することになる。
【0007】
本発明の目的は、多言語が設定され得るネットワーク機器がネットワークに接続されているシステムにおいて、ソース機器が変更されても所望の言語で情報を送受できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、言語情報処理システムであって、複数のネットワーク機器
、及び前記ネットワーク機器を制御するコントローラを備え、前記複数のネットワーク機器の各々は、処理部と、記憶部と、通信インタフェースとを備え、前記複数のネットワーク機器の各々の前記記憶部は、
情報を表示するための設定言語を規定する設定言語情報を記憶し、前記コントローラは、前記ネットワーク機器のいずれかに接続された場合にシステム言語を規定するシステム言語情報を
接続された前記ネットワーク機器に送信し、前記コントローラが接続されたネットワーク機器の前記処理部は、前記通信インタフェースを介して他のネットワーク機器に前記システム言語情報を送信し、前記複数のネットワーク機器の各々の前記記憶部は、前記設定言語情報とは別に前記システム言語情報を共有情報として記憶し、前記複数のネットワーク機器の各々の前記処理部は、前記設定言語で情報を
表示するとともに、前記コントローラに対しては前記システム言語で情報を
送信することを特徴とする。
【0009】
本発明では、ネットワーク機器のいずれかがソース機器として機能する場合において、ソース機器が変更されたとしても各ネットワーク機器は固有の設定言語情報とは別に共有のシステム言語情報を保持しているため、このシステム言語を用いてコントローラに対して情報を送信することができる。従って、コントローラを操作するユーザは、所望の言語をシステム言語として設定すれば、変更後のソース機器の設定言語がいかなる言語であったとしても、当該所望の言語で情報を送受できる。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記複数のネットワーク機器はグループ化され、前記コントローラが接続されたネットワーク機器の前記処理部は、前記通信インタフェースを介して同一グループに属する他のネットワーク機器に前記システム言語情報を送信し、同一グループに属するネットワーク機器の各々の前記記憶部は、前記設定言語情報とは別に前記システム言語情報を共有情報として記憶し、同一グループに属するネットワーク機器の各々の前記処理部は、前記設定言語で情報を
表示するとともに、前記コントローラに対しては前記システム言語で情報を
送信することを特徴とする。
【0011】
本実施形態では、同一グループに属するネットワーク機器の各々の記憶部に、システム言語情報が共有情報として記憶される。すなわち、同一グループでシステム言語が共通化される。このため、同一グループ内でソース機器が変更されたとしても、共通化されたシステム言語を用いてコントローラに対して情報を送信することができる。
【0012】
本発明の他の実施形態では、前記コントローラは、少なくとも第1コントローラ及び第2コントローラを含み、前記第1コントローラは、前記ネットワーク機器のうちの第1ネットワーク機器に接続された場合に第1システム言語を規定する第1システム言語情報を送信し、前記第2コントローラは、前記ネットワーク機器のうちの第2ネットワーク機器に接続された場合に第2システム言語を規定する第2システム言語情報を送信し、前記第1コントローラが接続された第1ネットワーク機器の前記処理部は、前記通信インタフェースを介して他のネットワーク機器に前記第1システム言語情報を送信し、前記第2コントローラが接続された第2ネットワーク機器の前記処理部は、前記通信インタフェースを介して他のネットワーク機器に前記第2システム言語情報を送信し、ネットワーク機器の各々の前記記憶部は、前記設定言語情報とは別に前記第1システム言語情報及び前記第2システム言語情報を共有情報として記憶し、ネットワーク機器の各々の前記処理部は、前記設定言語で情報を
表示するとともに、前記第1コントローラに対しては前記第1システム言語で情報を
送信し、前記第2コントローラに対しては前記第2システム言語で情報を
送信することを特徴とする。
【0013】
本実施形態では、ネットワーク機器の処理部により、第1コントローラに対しては第1システム言語で情報が出力される。また、ネットワーク機器の処理部により、第2コントローラに対しては第2システム言語で情報が出力される。これにより、例えば、日本語ユーザが使用するコントローラには、日本語で情報を表示させ、英語ユーザが使用するコントローラには、英語で情報を表示させることができる。従って、ユーザに所望の言語で情報を確認させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のネットワーク機器がネットワークに接続されているシステムにおいて、ソース機器が変更されたとしても所望の言語で情報を送受することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1に、本実施形態におけるシステム構成図を示す。ネットワーク機器である増幅器付スピーカー10、12、14(以下、単に「スピーカー」という)、AVレシーバ18がルータ16を介して相互に接続される。ここで、ネットワーク機器とは、通信回線を介して相互に接続してネットワークシステムを構成し、データを送受し得る機器を意味し、通信回線は有線、無線を問わない。また、ネットワーク機器の典型例はコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話等の情報機器であるが、通信回線を介して相互に接続し得るAV機器あるいは音響機器も含まれる。本実施形態では、ネットワーク機器として、音響機器であるスピーカー10、12、14、AV機器であるAVレシーバ18を例示する。
【0018】
スピーカー10,12,14は、インターネット上のサービスサーバにアクセスして音楽データ等をストリーミング再生する。スピーカー10、12、14は、異なった構成であってもよいが、ここでは同一の構成であるとして、スピーカー10について説明する。スピーカー10は、CPU101(処理部)、メモリ102(記憶部)、通信インタフェース(I/F)103、及び音声信号処理部104を備える。スピーカー10は、液晶ディスプレイ等の表示部を有しておらず、単独では情報の表示機能を有していない。スピーカー10は、例えばスマートフォン等にネットサービスのエラーメッセージやカテゴリ、ニュース等を表示する。
【0019】
メモリ102は、プログラムメモリ及びワーキングメモリを含む。プログラムメモリには、CPU101で実行されるプログラムが記憶される。ワーキングメモリには、設定言語を規定する設定言語情報、システム言語を規定するシステム言語情報等が記憶される。
【0020】
CPU101は、プログラムメモリに記憶されたプログラムに従い、言語設定等の処理を行う。
【0021】
通信I/F103は、各種データを送受するためのものである。なお、CPU101は、通信I/F103を介して、各種データの送受を行うが、説明の簡単のため、以下では、「CPU101は、データを送信する」というように、「通信I/F103を介して」の文言を省略している。
【0022】
音声信号処理部104は、入力された音声信号に対し復調、増幅等の所定の処理を施す。音声信号処理部104は、復調回路、増幅回路、ドライバ回路を含む。
【0023】
AVレシーバ18は、各種のAV機器との間で映像信号や音声信号を送受する。AVレシーバ18は、スピーカー10、12、14同様、CPU181、メモリ182、通信インタフェース183、及び音声信号処理部184を備える。加えて、AVレシーバ18は、映像信号を復調する映像信号処理部185を備える。AVレシーバ18は、ルータ16を介してネットワークに接続される。
【0024】
BD(Blu-ray Disc(登録商標))プレーヤ22及びTV(TV受像機)24は、それぞれHDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルによりAVレシーバ18に接続される。HDMIで接続されたAVレシーバ18は、CEC(Consumer Electronics Control)により、TV24に設定されている言語がそのまま設定言語として設定される。従って、TV24が日本語に設定されている場合、AVレシーバ18の言語もこれに応じて日本語に設定される。すなわち、AVレシーバ18のメモリ182には、設定言語情報として、日本語が記憶される。そして、AVレシーバ18のCPU181は、設定言語情報に基づいて、設定言語である日本語の設定情報(ここでは、OSD画面)をTV24に出力する。
【0025】
PC(パーソナルコンピュータ)20は、ルータ16を介してネットワークに接続される。ここで、ネットワーク機器のメモリには、PC20から機器を設定するためのウェブブラウザ用のウェブセットアップ画面(例えば、HTMLデータ)が記憶されている。ユーザは、PC20のウェブブラウザからネットワーク機器にアクセスし、PC20にウェブセットアップ画面を表示させることができる。そして、ユーザは、ウェブセットアップ画面を用いて、言語の設定等を行うことができる。例えば、図に示すように、ユーザは、PC20から、スピーカー10,12,14の設定言語を英語に設定する。このとき、例えば、スピーカー10のメモリ102には、設定言語情報として、英語が記憶される。そして、スピーカー10のCPU101は、設定言語情報に基づいて、設定言語である英語の設定情報(ここでは、ウェブセットアップ画面)をPC20に出力する。
【0026】
スピーカー10,12,14、AVレシーバ18、BDプレーヤ22、TV24は、それぞれ別の部屋に配置され、マルチルームオーディオシステムを構成する。
【0027】
さらに、これらのネットワーク機器を制御するコントローラとして、スマートフォン26、28が設けられる。スマートフォン26は第1コントローラとして機能し、スマートフォン28は第2コントローラとして機能する。スマートフォン26、28には、リモートコントロールアプリがインストールされており、ユーザはリモートコントロールアプリを操作することでネットワーク機器を制御できる。ネットワーク機器及びスマートフォン26,28は、それぞれ多言語に対応している。本実施形態では、例えばスマートフォン26のユーザがドイツ語に精通しているため、スマートフォン26のアプリはドイツ語に設定されているものとする。また、スマートフォン28のユーザが日本語に精通しているため、スマートフォン28のアプリは日本語に設定されているものとする。
【0028】
ネットワーク機器が単独で使用されるのであれば、それぞれのユーザが設定した言語で各種情報が表示されるので問題ない。しかし、複数のネットワーク機器がネットワークに接続され、それぞれが多言語で設定可能である場合、ユーザが所望する言語と異なる言語で各種情報が表示され得る。例えば、スマートフォン28のユーザにとっては、ソース機器がAVレシーバ18であれば、AVレシーバ18の設定言語は日本語であるため、スマートフォン28の画面に日本語で情報が表示され、問題ない。しかし、ソース機器がAVレシーバ18からスピーカー14に変更された場合、スピーカー14の設定言語は英語であるため、スマートフォン28の画面に英語で情報が表示され、スマートフォン28のユーザに違和感が生じ得る。また、スマートフォン26のユーザにとっては、ソース機器がスピーカー10であっても、AVレシーバ18であっても、ドイツ語以外の設定言語であるため、スマートフォン26の画面にドイツ語とは異なる言語で情報が表示され違和感が生じる。
【0029】
このように、ネットワーク機器は、それぞれ異なる設定言語が設定され得る状況であるため、どの機器をソース機器として選択するかで表示言語が変化してしまう。勿論、ソース機器が変更される毎に、その都度ソース機器の設定言語を再設定し直すことも考えられる。しかし、その都度、PC20に表示されるウェブセットアップ画面やTV24に表示されるOSD画面等から設定言語を設定し直すのは煩雑であって効率的ではない。また、どの機器がソース機器として機能しているのかユーザが不明の場合には、ユーザがソース機器の設定言語を設定し直すのは困難である。
【0030】
そこで、本実施形態では、このような事態を防止すべく、コントローラであるスマートフォン26,28がルータ16を介してネットワークに接続された場合に、スマートフォン26,28から操作に用いる言語情報としてシステム言語情報を送信する。ネットワーク機器は、スマートフォン26,28から送信されたシステム言語情報を共有のシステム言語情報として設定する。そして、ネットワーク機器は、スマートフォン26,28に対して各種情報を送信するときには、設定されたシステム言語で情報を送信する。
【0031】
図2に、
図1に示すシステムにおいて、スマートフォン26が新たに接続された場合を示す。
【0032】
スマートフォン26は、ルータ16を介してネットワークに接続されると、接続時に、自機器のシステム言語情報、この場合にはドイツ語をシステム言語情報として送信する。ネットワーク機器が複数のグループから構成され、スマートフォン26、スピーカー10,14及びAVレシーバ18が同一グループに属する場合、スマートフォン26は、同一グループ内のスピーカー10,14、及びAVレシーバ18にシステム言語情報を送信する。スピーカー10,14,およびAVレシーバ18の各々のCPU101、141、181は、システム言語情報を各々のメモリ103、143、183に記憶する。
【0033】
ここで、同一グループ内のネットワーク機器同士でいずれかの機器を親機器として設定している場合、スマートフォン26は、システム言語情報を親機器に送信する。親機器のCPUが受信したシステム言語情報を他の子機器に通信インタフェース及びルータ16を介して配信することで、システム言語情報をグループ内の共有情報として保持しておくのが好適である。例えば、AVレシーバ18が親機器として設定された場合、スマートフォン26は、システム言語情報を親機器であるAVレシーバ18に送信する。AVレシーバ18のCPU181は、スマートフォン26が送信したシステム言語情報を受信する。CPU181は、メモリ182にシステム言語情報を記憶するとともに、システム言語情報をグループ内の共有情報としてスピーカー10,14に配信する。スピーカー10,14の各々のCPU101、141は、AVレシーバ18からのシステム言語情報を受信して各々のメモリ102、142に記憶する。親機器の設定は、ネットワーク機器のCPU同士がコミュニケーションしてCPU性能等に基づいて行ってもよく、予めいずれかの機器を親機器として設定してもよい。あるいは、ユーザがスマートフォン26を操作してソース機器を親機器として設定してもよい。
【0034】
従って、スピーカー10,14及びAVレシーバ18のそれぞれのメモリ102、142、182には、機器固有の設定言語情報の他に、スマートフォン26から送信されたシステム言語情報が記憶されることになる。例えば、AVレシーバ18にHDMIケーブルを介してTV24が接続されると、AVレシーバ18のメモリ182には、TVの設定言語である日本語が設定言語情報として記憶される。AVレシーバ18のCPU181は、TV24には日本語で情報を表示する。すなわち、CPU181は、設定言語である日本語の設定情報(ここでは、OSD画面)をTV24に出力する。他方、AVレシーバ18のメモリ182には、スマートフォン26から配信されたシステム言語情報としてドイツ語が記憶される。AVレシーバ18のCPU181は、スマートフォン26に情報を送信する場合には、システム言語であるドイツ語で情報を送信する。すなわち、AVレシーバ18のCPU181は、情報を2つの言語で処理することになり、TV24に対して日本語、スマートフォン26に対してドイツ語で情報を表示する。
【0035】
より詳細には、AVレシーバ18のCPU181は、接続されている表示装置であるTV24に情報を出力する場合、メモリ182にアクセスして記憶されている設定言語情報を参照し、設定言語で各種設定情報を出力する。また、接続されている表示装置以外のシステムの他の機器(コントローラを含む)に情報を出力する場合、CPU181は、メモリ182にアクセスしてシステム言語情報が記憶されているか否かを判断する。CPU181は、システム言語情報がメモリ182に記憶されていないと判断すれば、設定言語で機器に情報を出力する。CPU181は、メモリ182にシステム言語情報が記憶されていると判断すれば、システム言語で機器に情報を出力する。
【0036】
スピーカー10についても同様である。スピーカー10のメモリ102には、PC20により設定された英語が記憶されている。スピーカー10のCPU101は、PC20には、英語で情報を表示する。すなわち、CPU101は、設定言語である英語の設定情報(ここでは、ウェブセットアップ画面)をPC20に出力する。他方、スピーカー10のメモリ102には、スマートフォン26から配信されたシステム言語としてドイツ語が記憶される。スピーカー10のCPU101は、スマートフォン26に情報を送信する場合には、システム言語であるドイツ語で情報を送信する。これにより、ネットサービスでの曲目表示、アカウントの管理、エラー表示等は、PC20との設定言語である英語で送信するが、スマートフォン26に送信すべき情報、例えばオーディオ管理や同期システムの管理の情報等についてはシステム言語としてのドイツ語で送信する。一般には、ネットワーク機器固有の設定に関する情報については設定言語で送信し、それ以外の情報に関してはシステム言語で送信する。
【0037】
本実施形態において、スピーカー10,14及びAVレシーバ18のシステム言語はドイツ語に共通化されているので、たとえソース機器が変更されてもスマートフォン26との関係では各種情報はドイツ語で処理される。ソース機器がAVレシーバ18からスピーカー10に変更されても、スピーカー10のシステム言語はドイツ語に共通化されているため、スマートフォン26に送信される情報は依然としてドイツ語のままである。この場合、AVレシーバ18の設定言語は日本語であり、スピーカー10の設定言語は英語である点に留意されたい。つまり、TV20等の表示装置との接続で設定された言語は
図1のままであるが、システムを制御するコントローラとしてのスマートフォン26での表示はドイツ語に統一されている点に留意されたい。
【0038】
システム言語情報の形式は任意であるが、グループ内で共有されることを考慮すると、その形式をXMLデータとし、XMLデータの中にシステム言語情報を記述する等が好適である。XMLデータの一例を以下に示す。
<Controller deviceid=>
<IpAddress>
<Name>
<Language>
<Version>
<Year>
<Archives>
<Accounts>
<Connected deviceid=>
上記において、<name>はコントローラの名称を示し、例えばスマートフォンと記述する。<Language>は、スマートフォン26の指定するシステム言語を示し、例えばge(ドイツ語)と記述する。また、<connected deviceid>は、スマートフォン26が接続した機器を示す。
【0039】
図3に、
図2に示すシステムにおいて、スマートフォン28が新たに接続された場合を示す。
【0040】
スマートフォン28は、ルータ16を介してネットワークに接続されると、接続時に、自機器のシステム言語、この場合には日本語をシステム言語情報として送信する。スマートフォン28、スピーカー10,14及びAVレシーバ18が同一グループに属する場合、スマートフォン28は、同一グループ内のスピーカー10,14、及びAVレシーバ18にシステム言語情報を送信する。
【0041】
スマートフォン26の場合と同様に、同一グループ内のネットワーク機器同士でいずれかの機器を親機器として設定している場合、スマートフォン28は、システム言語情報を親機器に送信する。親機器のCPUがシステム言語情報を他の子機器に配信することで、システム言語情報をグループ内の共有情報として保持しておくのが好適である。スピーカー10,14及びAVレシーバ18のそれぞれのメモリ102、142、182には、固有の設定言語の他に、スマートフォン28から送信されたシステム言語が新たに記憶される。スピーカー10,14及びAVレシーバ18のメモリには、
図2で説明したように、システム言語としてドイツ語が記憶されている。ここで、スマートフォン28から新たにシステム言語情報が配信されると、スピーカー10,14及びAVレシーバ18のそれぞれのCPU101、141、181は、前に記憶されたシステム言語情報に上書きしてメモリ102、142、182に記憶する。AVレシーバ18を例にとると、AVレシーバ18にHDMIケーブルを介してTV24が接続されると、AVレシーバ18のメモリ182には、TVの設定言語である日本語が設定言語情報として記憶される。AVレシーバ18のCPU181は、TV24には、日本語で情報を表示する。すなわち、CPU181は、設定言語である日本語の設定情報(ここでは、OSD画面)をTV24に出力する。また、AVレシーバ18のメモリ182には、スマートフォン28から配信された新たなシステム言語として日本語が記憶される。AVレシーバ18のCPU181は、スマートフォン28に情報を送信する場合には、システム言語である日本語で情報を送信する。
【0042】
スピーカー10についても同様である。スピーカー10のメモリ102には、PC20より設定された英語が記憶されている。スピーカー10のCPU101は、PC20には、英語で情報を表示する。すなわち、CPU101は、設定言語である英語の設定情報(ここでは、ウェブセットアップ画面)をPC20に出力する。他方、スピーカー10のメモリ102には、スマートフォン28から配信されたシステム言語として日本語が記憶される。スピーカー10のCPU101は、スマートフォン28に情報を送信する場合には、システム言語である日本語で情報を送信する。
【0043】
図3の場合も、
図2と同様に、スピーカー10,14及びAVレシーバ18のシステム言語は日本語に共通化されているので、ソース機器が変更されてもスマートフォン28との関係では各種情報は日本語で送受される。ソース機器がAVレシーバ18からスピーカー10に変更されても、スピーカー10のシステム言語は日本語に共有化されているため依然として日本語のままである。この場合も、AVレシーバ18の設定言語は日本語であり、スピーカー10の設定言語も英語である。つまり、TV20等との接続において設定された言語は
図1のままであるが、システムを制御するコントローラとしてのスマートフォン28での表示は日本語に統一される。
【0044】
このように、本実施形態では、各ネットワーク機器の設定言語とは別に、コントローラとしてのスマートフォン26,28はシステム言語情報を配信し、それぞれのネットワーク機器は、このシステム言語情報を共有する。このため、各ネットワーク機器のCPUは、設定言語とは別にスマートフォン26,28に対して所望の言語で情報を表示することができる。AVレシーバ18、TV24、BDプレーヤ22が同じ部屋に配置されており、その部屋でユーザがスマートフォン26を操作してシステム言語情報としてドイツ語を設定すると、TV24には各種設定情報が日本語で表示されるとともに、スマートフォン26にはドイツ語で情報が表示される。
【0045】
本実施形態において、システム言語情報が配信された場合、既にシステム言語情報が存在する場合には上書きして各ネットワーク機器のメモリに記憶されるが、両者を並存させてもよい。すなわち、各ネットワーク機器のメモリには、スマートフォン26から配信されたシステム言語情報を記憶するとともに、スマートフォン28から配信されたシステム言語情報をこれとは別に記憶する。具体的には、スマートフォンとシステム言語情報とを対応付け、
スマートフォン26:システム言語情報A(ドイツ語)
スマートフォン28:システム言語情報B(日本語)
としてメモリに記憶する。この場合、異なるユーザがスマートフォン26、28を同時に使用してネットワークに接続した場合でも、スマートフォン26にはドイツ語が表示され、スマートフォン28には日本語が表示される。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0047】
例えば、本実施形態では、コントローラとしてスマートフォンを例示したが、これに限定されるものではなく、任意の情報端末をコントローラとして用いることはでき、その数についても限定されない。コントローラが4つの場合、各ネットワーク機器のメモリに記憶される言語テーブルは、例えば以下の如くである。
設定言語:日本語
コントローラ1:システム言語=日本語
コントローラ2:システム言語=英語
コントローラ3:システム言語=ドイツ語
コントローラ4:システム言語=スペイン語
これらの言語テーブルは、コントローラがネットワークから遮断された場合、自動的に各ネットワーク機器から削除される。具体的には、コントローラとソース機器との接続が遮断された場合、ソース機器のCPUは、メモリからそのコントローラから配信されたシステム言語を削除するとともに、同一グループ内の他のネットワーク機器に対しても削除を指示する。ソース機器とは別にグループ内で親機器が存在する場合、親機器のCPUが共有情報としてのシステム言語の配信、変更、削除をその他の子機器に対して指示すればよい。
【0048】
また、本実施形態では、同一グループ内に属するネットワーク機器でシステム言語情報を共有化しているが、ネットワーク機器とは別個にネットワークに接続されたデータベースを設け、データベースにシステム言語情報を登録しておくことも可能である。ソース機器のCPUは、データベースにアクセスしてスマートフォンに対応するシステム言語を検索し、得られたシステム言語でスマートフォンとの情報の送受を行えばよい。但し、ネットワーク機器とは別個にデータベース若しくはサーバを備える必要がある。従って、このようなデータベース若しくはサーバを有しないマルチルームオーディオシステム等では、本実施形態のようにネットワーク機器の各々の記憶部に共有情報としてシステム言語情報を記憶しておくのが好適である。