特許第5983602号(P5983602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5983602通話連動システム、宅内制御装置、通話連動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983602
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】通話連動システム、宅内制御装置、通話連動方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-511878(P2013-511878)
(86)(22)【出願日】2012年2月9日
(86)【国際出願番号】JP2012000862
(87)【国際公開番号】WO2012147248
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2011-99134(P2011-99134)
(32)【優先日】2011年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】西川 由明
(72)【発明者】
【氏名】大芝 崇
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−085667(JP,A)
【文献】 特開2011−010123(JP,A)
【文献】 特開2006−140973(JP,A)
【文献】 特開2008−276387(JP,A)
【文献】 特開2004−015272(JP,A)
【文献】 特開2006−352389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00−3/00,3/16−3/20,3/38−3/58,7/00−7/16,11/00−11/10
H04L12/00−12/26,12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、
前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、
を具備する複数の宅内制御装置と、
前記宅内制御装置から通知される前記サービスの開始要求に基づいて、前記通話と連動させて前記サービスを提供する情報提供サーバと、
を有する通話連動システム。
【請求項2】
前記連動手段は、
前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の開始を検出して通話情報を抽出する通話情報抽出手段と、
前記通話情報を保管する記憶手段と、
前記情報表示端末より送信されたサービス開始要求を抽出するサービス開始要求抽出手段と、
前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する通話情報・サービス開始要求連動手段と、
を備え、
前記情報提供サーバは、
前記通話情報・サービス開始要求連動手段から前記通話情報及び前記サービス開始要求を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された前記通話情報に基づいて特定される通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できるかどうかを判定するサービス管理手段と、
前記サービス管理手段で前記サービスを提供できると判定された場合に前記サービスの開始を示すサービス開始応答を送信するサービスデータ中継手段と、
を具備する、
請求項1に記載の通話連動システム。
【請求項3】
前記通話情報抽出手段が抽出する前記通話情報は、前記呼制御情報を送信した電話機を識別する第1の識別情報と、接続先の電話機を識別する第2の識別情報と、通話中であるかどうかを示す通話状態情報とを含み、
前記サービス開始要求出手段が抽出する前記サービス開始要求は、サービスの種類を示す情報と前記情報表示端末に対応付けられた電話機を識別する識別情報とを含み、
前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に含まれる識別情報と同一の識別情報を含み、かつ、前記通話状態情報で示される内容が通話中である通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する、
請求項2に記載の通話連動システム。
【請求項4】
前記サービス管理手段は、前記受信手段で受信された前記通話情報に基づいて同一の通話を行っている2つの電話機を特定し、前記特定された2つの電話機にそれぞれ対応付けられた情報表示端末が送信したサービス開始要求が前記受信手段で受信された場合に、前記通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できると判定する、
請求項2または3のいずれか1項に記載の通話連動システム。
【請求項5】
前記通話情報抽出手段は、前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の終了を検出して、通話が終了したことを示す通話情報を更に抽出し、
前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報を前記情報提供サーバに送信し、
前記受信手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報を受信し、
前記サービス管理手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報に基づいて特定される通話に連動して提供されているサービスを終了する処理を行い、
前記サービスデータ中継手段は、前記サービスの終了を示すサービス終了通知を送信する、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通話連動システム。
【請求項6】
電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、
前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、
を具備する宅内制御装置。
【請求項7】
前記連動手段は、
前記データ中継手段が中継する前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の開始を検出して通話情報を抽出する通話情報抽出手段と、
前記通話情報を保管する記憶手段と、
前記情報表示端末より前記データ中継手段が受信したサービス開始要求を抽出するサービス開始要求抽出手段と、
前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する通話情報・サービス開始要求連動手段と、
を有する請求項6に記載の宅内制御装置。
【請求項8】
前記通話情報抽出手段が抽出する前記通話情報は、前記呼制御情報を送信した電話機を識別する第1の識別情報と、接続先の電話機を識別する第2の識別情報と、通話中であるかどうかを示す通話状態情報とを含み、
前記サービス開始要求出手段が抽出する前記サービス開始要求は、サービスの種類を示す情報と前記情報表示端末に対応付けられた電話機を識別する識別情報とを含み、
前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に含まれる識別情報と同一の識別情報を含み、かつ、前記通話状態情報で示される内容が通話中である通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する、
請求項7に記載の宅内制御装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記サービス開始要求を更に保管し、
前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に対応する通話情報が前記記憶手段に保管されていなかった場合に、通話開始待ちであることを示す通話開始待ち応答を前記サービス開始要求送信元の情報表示端末に行う、
請求項7または8のいずれか1項に記載の宅内制御装置。
【請求項10】
電話機から送信された呼制御情報を参照して通話の開始を検出する検出ステップと、
前記通話の開始を示す通話情報を抽出する第1抽出ステップと、
前記抽出された通話情報を保管する記憶ステップと、
情報表示端末から送信されたサービス開始要求を抽出する第2抽出ステップと、
前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶ステップで保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を情報提供サーバに送信するサービス開始要求送信ステップと、
を有する通話連動方法。
【請求項11】
宅内制御装置より送信される通話情報及びサービス開始要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された前記通話情報に基づいて特定される通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できるかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記サービスが提供可能であると判定された場合に前記サービスの開始を示すサービス開始応答を送信するサービス開始応答送信ステップと、
を有する通話連動方法。
【請求項12】
前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に前記通話情報に含まれる前記第2の識別情報を含めて前記情報提供サーバに送信する、請求項8に記載の宅内制御装置。
【請求項13】
前記通話情報及び前記サービス開始要求にそれぞれ含まれる識別情報は、前記電話機の電話番号、SIP−URI、IPアドレス、MACアドレス、のいずれかであることを特徴とする、請求項7に記載の宅内制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅内ネットワークと宅外ネットワークとを接続するホームゲートウェイ等の宅内制御装置を用いて、通話と連動した情報提供サービスを提供する通話連動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが固定電話機や携帯電話機等の電話機を用いて行う音声コミュニケーションである通話に連動して、通話しているユーザ同士が、PC(Personal Computer)や携帯端末等の情報表示端末を用いて画像や動画等の情報を提供し合う通話連動型情報提供サービスが検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、通話が確立されるたびに、宅内制御装置から情報提供サーバへ電話番号等の通話情報が通知され、当該通話情報に基づき、情報提供サーバが情報提供サービス開始処理を行うサービス提供システムが開示されている。情報提供サーバは、通知された通話情報に基づき、電話機に予め対応付けられた2つの情報表示端末を特定し、前記情報表示端末のペアを記憶し、前記情報表示端末からの接続を待ち受ける処理を行う。
【0004】
また特許文献2には、動画や静止画を共有するためのデータ通信と音声通話との連携を実現するためのデータ交換システムが開示されている。当該データ交換システムでは、ホームゲートウェイがNGN(Next Generation Network)などの閉域通信網とインターネットなどの広域通信網との2種類の通信網を用いて音声通話とデータ通信を行う。当該ホームゲートウェイが、IP(Internet Protocol)アドレスなどの宛先情報を1の通信網を介して交換し合う構成とすることで、1つの通信相手につき複数の通信網毎に宛先情報を管理する必要が無く、複数の通信網での通信をシームレスに利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−187320号公報
【特許文献2】特開2010−154086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のサービス提供システムは、ユーザが通話連動サービスを利用するかどうかに関わらず、宅内制御装置と情報提供サーバ間で通信が行われている。従って、ユーザが通話だけを利用し、通話連動サービスを利用しない場合であっても、宅内制御装置と情報提供サーバ間の通信によるネットワーク負荷と、情報提供サーバでの通話連動サービス開始処理による処理負荷とが発生する。そのため、システム全体として負荷が高くなってしまう。
【0007】
また、特許文献2のデータ交換システムは、送信側のホームゲートウェイが画像等を一旦サーバにアップロードし、受信側のホームゲートウェイに対して当該サーバにログインするためのログイン情報の交換やIPアドレス等の設定のための宛先情報の交換を行う。従って、データ交換を開始するまでにかかる時間が増え、直ちにサービスを開始できないという問題があった。
【0008】
本発明は上記課題を鑑み、ユーザが通話だけを利用し、通話連動サービスを利用しない場合には、前記ネットワーク負荷と、前記処理負荷とを発生させない、負荷が低い通話連動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通話連動システムは、電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、を具備する複数の宅内制御装置と、前記宅内制御装置から通知される前記サービスの開始要求に基づいて、前記通話と連動させて前記サービスを提供する情報提供サーバと、を有する。
【0010】
また、本発明の宅内制御装置は、電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、を具備する。
【0011】
また、本発明の通話連動方法は、電話機から送信された呼制御情報を参照して通話の開始を検出する検出ステップと、前記通話の開始を示す通話情報を抽出する第1抽出ステップと、前記抽出された通話情報を保管する記憶ステップと、情報表示端末から送信されたサービス開始要求を抽出する第2抽出ステップと、前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶ステップで保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を情報提供サーバに送信するサービス開始要求送信ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが通話だけを利用し、通話連動サービスを利用しない場合には、前記ネットワーク負荷と、前記処理負荷とを発生させない、負荷が低い通話連動システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1にかかる通話連動システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態2にかかる通話連動システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態2にかかる通話情報抽出部で抽出される通話情報の一例を示す図である。
図4】実施の形態2にかかるサービス開始要求抽出部で抽出されるサービス開始要求の一例を示す図である。
図5】実施の形態2にかかる通話連動システムにおける情報提供サービス開始の動作を示すシーケンス図である。
図6】実施の形態2にかかる通話連動システムにおける情報提供サービス終了の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明実施の形態1の通話連動システムの構成を示す図である。当該データ交換システムは、大別すると、ユーザaの宅内ネットワークと、サーバの存在する宅外ネットワークと、ユーザbの宅内ネットワークと、から構成される。ユーザaの宅内ネットワークとユーザbの宅内ネットワークは宅外ネットワークを介して接続されている。
【0016】
各ユーザの宅内ネットワークは、電話機と情報表示端末と宅内制御装置とを有する。
【0017】
電話機は他電話機との通信を確立するための呼制御情報や音声データを宅内制御装置との間で送受信する。
【0018】
情報表示端末は、サービスの開始を要求するサービス開始要求を始めとして、情報提供サーバが提供する通話連動型サービスの開始や終了に必要となる情報の送受信を行う。また、要求する通話連動型サービスに応じて画像や音声といったデータの送受信も合わせて行う。これらの通信データは、情報表示端末から情報提供サーバに直接送信されるのではなく、宅内制御装置を介して行われる。
【0019】
宅内制御装置は、宅内ネットワークに配置される通信データの中継や宅内ネットワークに存在する各種機器の管理を行う。宅内制御装置a300は、データ中継部a1と通話・サービス連動部a2とを備える。
【0020】
データ中継部a1は、通話を行う電話機と呼制御サーバ間の呼制御情報を含む通信データの中継や、サービスを利用する情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データの中継を行う。
【0021】
通話・サービス連動部a2は、電話機が行う通話と情報表示端末が要求するサービスとを連動させる処理を行う。具体的には、情報表示端末よりデータ中継部a1でサービス開始要求が受信されると、通話・サービス連動部a2は、当該サービス開始要求で要求されているサービスと通話を連動させることが可能かを判定する。当該判定は、サービス開始要求内で指定される電話機に関して、当該電話機がデータ中継部a1を介して送受信する呼制御情報を参照することにより当該電話機が通話中であるかどうかを判定することで行われる。換言すると、サービス開始要求内で指定される電話機が通話中である場合には、通話・サービス連動部a2は、当該通話にサービスを連動させることが可能であると判定する。
【0022】
通話・サービス連動部a2は、通話にサービスを連動させることが可能であると判定した場合は、情報提供サーバdに対してサービスの開始要求を通知する。このとき、通話・サービス連動部a2から情報提供サーバdに送信される情報には、情報表示端末が要求するサービスの種類を示す情報や、上記の通話を特定するための情報などが含まれる。ここで、通話を特定するための情報は、サービスと連動させる当該通話を行っている電話機aとbとを特定するための識別情報とすることができる。このような識別情報としては、例えば電話機aとbの電話番号を用いることができる。
【0023】
情報提供サーバdは、宅内制御装置の通話・サービス連動部a2より通知されるサービスの開始要求に基づいて、情報サービスの提供を行う。
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、宅内制御装置は電話機より呼制御情報を受け取ったり情報表示端末よりサービス開始要求を受け取ったりしても、直ちに情報提供サーバに送信することはない。宅内制御装置は、情報表示端末よりサービス開始要求を受け取ると当該サービス開始要求で指定されるサービスと呼制御情報から特定される電話機が行っている通話とを連動させることが可能かどうかの判定を行う。そして、宅内制御装置は、サービスと通話を連動させることが可能と判定した場合に、情報提供サーバにサービスの開始要求を通知する。
【0025】
従って、通話とサービスを連動させない場合にもかかわらず、宅内制御装置と情報提供サーバ間で不要な通信が行われることや、情報提供サーバで不要な設定処理が発生することを防ぐことができる。
【0026】
(実施の形態2)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図2は、本発明実施の形態2の通話連動システムの構成を示す図である。当該データ交換システムは、実施の形態1と同様、ユーザaの宅内ネットワークと、サーバの存在する宅外ネットワークと、とユーザbの宅内ネットワークと、から構成される。ユーザaの宅内ネットワークとユーザbの宅内ネットワークは宅外ネットワークを介して接続されている。
【0028】
各ユーザの宅内ネットワークは、電話機と情報表示端末と宅内制御装置とを有する。電話機及び情報表示端末は、それぞれ宅内制御装置を介して宅外ネットワーク上のサーバと通信を行う。なお、ユーザaとユーザbの宅内ネットワークは同様の構成とする。
【0029】
次に、宅内制御装置aについて詳細に説明する。宅内制御装置aは、データ中継部a10と、通話情報抽出部a11と、サービス開始要求抽出部a12と、記憶部a13と、通話情報・サービス開始要求連動部a14と、を具備する。換言すると、本実施の形態2において、実施の形態1の通話・サービス連動部a2は、通話情報抽出部a11と、サービス開始要求抽出部a12と、記憶部a13と、通話情報・サービス開始要求連動部a14と、を備える。なお、宅内制御装置bは宅内制御装置aと同様の構成とする。
【0030】
データ中継部a10は、電話機aと呼制御サーバc間で通信する情報と、情報表示端末aとサービスデータ中継部d10間で通信する情報とをそれぞれ中継する。
【0031】
通話情報抽出部a11は、データ中継部a10が電話機aより受信した呼制御情報を参照することで通話開始を検出し、呼制御情報の中から通話情報を抽出する。ここで、通話情報とは、図3のように、発信者番号と着信者番号と通話状態情報とを含む情報である。ここで通話状態情報とは、通話中か非通話中かの通話状態を示す情報である。通話情報抽出部a11は、抽出した通話情報を通話情報・サービス開始要求連動部a14に出力する。
【0032】
サービス開始要求抽出部a12は、データ中継部a10が受信したサービス開始要求を検出し、データ中継部a10が中継する通信データの中から当該サービス開始要求を抽出する。サービス開始要求とは、ユーザが情報提供サービスを利用開始するために情報表示端末を用いて宅内制御装置に送信する情報である。図4のようにサービス開始要求には、サービス名、番号1と番号2を含む情報が記載される。情報表示端末aは、サービス開始要求を生成する際に、サービス開始要求のサービス名には要求するサービスの種類を示すサービス名を、番号1には自端末に予め対応付けされている電話機aの電話番号を、番号2には空白をそれぞれ記載する。サービス開始要求抽出部a12は、抽出したサービス開始要求を通話情報・サービス開始要求連動部a14に出力する。
【0033】
通話情報・サービス開始要求連動部a14は、通話情報抽出部a11から通話情報が入力されるか、サービス開始要求抽出部a12からサービス開始要求が入力されると、当該通話情報またはサービス開始要求を記憶部a13に保管する。
【0034】
通話情報・サービス開始要求連動部a14は、通話情報またはサービス開始要求を記憶部a13に保管した直後に、記憶部a13に保管されている通話情報とサービス開始要求の内容を参照する。
【0035】
このとき、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、当該サービス開始要求に対応する通話情報が記憶部a13に記憶されているかどうかを判定する。具体的には、サービス開始要求に含まれている番号1と等しい発信者番号か着信者番号を持つ通話情報があり、かつ、前記通話情報の通話状態が通話中である状態かどうかを、通話情報・サービス開始要求連動部a14は判定する。当該状態である場合は、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、サービス開始要求の番号2に通話情報の発信者番号か着信者番号のうち番号1と異なる番号を記入する。通話情報・サービス開始要求連動部a14は、上記記入を行った後に、サービス開始要求及び通話情報を情報提供サーバdの通話情報・サービス開始要求受信部d12へ送信する。
【0036】
一方、記憶部a13に保管されている通話情報とサービス開始要求の内容を参照したときに、サービス開始要求に対応する通話情報の通話状態が非通話中である場合も考えられる。その場合には、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、当該通話情報を直ちに情報提供サーバdの通話情報・サービス開始要求受信部d12へ送信する。
【0037】
記憶部a13は、通話情報・サービス開始要求連動部a14により、通話情報及びサービス開始要求を保管させられ、また参照される。
【0038】
次に、宅外ネットワークについて説明する。宅外ネットワークには、呼制御サーバcと情報提供サーバdとが存在する。
【0039】
呼制御サーバcは、宅内制御装置内のデータ中継部を介して電話機より送信される呼制御情報を受信し、当該呼制御情報に基づいてセッションを確立する。
【0040】
情報提供サーバdは、サービスデータ中継部d10と、サービス管理部d11と、通話情報・サービス開始要求受信部d12と、を備える。
【0041】
サービスデータ中継部d10は、データ中継部a10やデータ中継部b10とサービス管理部d11間で通信する情報を中継する。
【0042】
通話情報・サービス開始要求受信部d12は、通話情報・サービス開始要求連動部a14と通話情報・サービス開始要求連動部b14からそれぞれ送信された通話情報及びサービス開始要求を受信する。通話情報・サービス開始要求受信部d12は、受信した通話情報及びサービス開始要求をサービス管理部d11に出力する。
【0043】
サービス管理部d11は、通話情報・サービス開始要求受信部d12から入力されたサービス開始要求に含まれる発着番号と通話情報に含まれる通話状態情報に基づき、情報提供サービスの開始や終了を管理する。
【0044】
具体的には、サービス管理部d11は、通話情報・サービス開始要求受信部d12で受信された通話情報に基づいて特定される通話に連動させてサービス開始要求で示されるサービスを提供できるかどうかを判定する。
【0045】
より具体的には、サービス管理部d11は、宅内制御装置aと宅内制御装置bの両方から通話情報とサービス開始要求が送られ、2つのサービス開始要求に含まれる番号の組合せが一致しているかを判定する。かつ、サービス管理部d11は、前記2つのサービス開始要求と共に受信された2つの通話情報に含まれる通話状態情報が2つとも通話中を示しているかも判定する。
【0046】
サービス管理部d11は、上記判定の結果、宅内制御装置aと宅内制御装置bの両方から送られたサービス開始要求に含まれる番号の組み合わせが一致し、かつ、通話情報に含まれる通話状態情報が共に通話中を示している場合は、サービス開始要求で示されるサービスを提供できると判定する。サービス管理部d11は、前記番号1と番号2に対応付けられた情報提供サービスの開始を示すサービス開始応答をサービスデータ中継部d10に出力する。
【0047】
換言すると、サービス管理部d11は、通話情報・サービス開始要求受信部d12で受信された通話情報に基づいて同一の通話を行っている2つの電話機を特定する。次に、サービス管理部d11は、特定された2つの電話機にそれぞれ対応付けられた情報表示端末が送信したサービス開始要求が通話情報・サービス開始要求受信部d12で受信された場合に、前記通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できると判定する。
【0048】
サービスデータ中継部d10は、サービス管理部d11から入力されたサービス開始応答を前記2つのサービス開始要求の送信元である情報表示端末aと情報表示端末bに対して宅内制御装置aと宅内制御装置bを介して送信する。
【0049】
また、サービス管理部d11は、情報提供サービスを行っている宅内制御装置aと宅内制御装置bのどちらか一方から通話が終了したことを示す通話情報が送られた場合には、当該通話情報に基づいて特定される通話に連動して提供されているサービスの終了処理を行う。つまり、通話状態が非通話中である通話情報が送られた場合に、サービス管理部d11は、当該サービスの終了処理を行う。具体的には、サービス管理部d11は、現在行っている情報提供サービスを終了することを示す情報提供サービス終了通知をサービスデータ中継部d10に出力する。
【0050】
サービスデータ中継部d10は、サービス管理部d11から入力された情報提供サービス終了通知を情報表示端末aと情報表示端末bに対して宅内制御装置aと宅内制御装置bを介して送信する。
【0051】
次に、図5図6のシーケンス図を参照して本実施の形態の通話連動サービスの動作について詳細に説明する。
【0052】
まず、図5を参照して本発明の情報提供サービスを開始する際の動作について説明する。
【0053】
第1に、電話機aと電話機bの間で通話が確立される(図5のステップS101-1からS101-8とS102)。その際、宅内制御装置aは電話機aと呼制御サーバc間の通信を中継する(ステップS101-1とS101-2、S101-7とS101-8)。また、宅内制御装置bは電話機bと呼制御サーバc間の通信を中継する(ステップS101-3からS101-6)。
【0054】
具体的には、電話機aは、通話を開始するにあたって宅内制御装置aに対して、通話を開始するための呼制御情報である通話開始要求を送る(S101−1)。宅内制御装置aはデータ中継部a10で当該通話開始要求を受け、呼制御サーバcに対して当該通話開始要求を中継する(S101−2)。呼制御サーバcは、受け取った通話開始要求に基づいて、宅内制御装置bのデータ中継部b10に対して通話開始要求を送信する(S101−3)。データ中継部b10は、呼制御サーバcより受け取った通話開始要求を電話機bへ中継する(S101−4)。
【0055】
通話開始要求を受け取った電話機bは、宅内制御装置bに通話開始応答を返信する(S101−5)。宅内制御装置bは当該通話開始応答をデータ中継部b10で受け、呼制御サーバcに対して当該通話開始応答を中継する(S101−6)。呼制御サーバcは、受け取った通話開始応答に基づいて、宅内制御装置aのデータ中継部a10に対して通話開始応答を送信する(S101−7)。データ中継部a10は、呼制御サーバcより受け取った通話開始応答を電話機aへ中継する(S101−8)。
【0056】
上記S101−1〜S101−8の手順により電話機aと電話機bの間で接続が確立され、通話が開始される(S102)。
【0057】
次に、宅内制御装置aの通話情報抽出部a11は、通話情報をデータ中継部a10から抽出する(ステップS103-a)。このとき、通話情報の発信者番号として電話機aの電話番号が、着信者番号として電話機bの電話番号が、通話状態情報として通話中を示す情報がそれぞれ抽出される。
【0058】
通話情報抽出部a11で抽出された上記通話情報は、通話情報・サービス開始要求連動部a14に入力され、通話情報・サービス開始要求連動部a14により記憶部a13に保管される(ステップS104-a)。
【0059】
さらに、情報表示端末aがサービス開始要求を宅内制御装置aに送信する(ステップS105-a)。
【0060】
宅内制御装置aは、データ中継部a10で当該サービス開始要求を受信する。サービス開始要求抽出部a12は、データ中継部a10が中継する通信データの中から当該サービス開始要求を抽出する(ステップS106-a)。
【0061】
サービス開始要求抽出部a12で抽出されたサービス開始要求は、通話情報・サービス開始要求連動部a14に出力され、通話情報・サービス開始要求連動部a14により記憶部a13に保管される(ステップS107-a)。
【0062】
通話情報・サービス開始要求連動部a14は、記憶部a13にサービス開始要求を保管した直後に、記憶部a13に保管されている通話情報とサービス開始要求の内容を参照し、当該サービス開始要求に対応する通話情報が保管されているかどうかを判定する(ステップS108-a)。具体的には、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、サービス開始要求抽出部a12より入力されたサービス開始要求に含まれる識別番号と等しい発信者番号を持ち、かつ通話状態が通話中である通話情報が記憶部a13に保管されているかどうかを判定する。
【0063】
このとき、S104−aにより、サービス開始要求に含まれている番号1と等しい発信者番号を持ち、かつ前記通話情報の通話状態が通話中である通話情報が記憶部a13に保管されている。従って、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、サービス開始要求の番号2に、通話情報内の着信者番号を記入し、サービス開始要求と通話状態情報を情報提供サーバdの通話情報・サービス開始要求受信部d12に送信する(ステップS109-a)。
【0064】
また上記ステップS103-aからS109-aまでの動作について符号をaからbに代えて、ユーザb側の電話機b、情報表示端末b、宅内制御装置bがそれぞれ行う(ステップS103−bからS109−b)。
【0065】
通話情報・サービス開始要求受信部d12で受信されたサービス開始要求と通話情報は、サービス管理部d11に直ちに入力される。
【0066】
サービス管理部d11は、サービス開始要求に基づいて、サービス開始要求で示される情報提供サービスが提供可能かどうかを判定する。ここでは、宅内制御装置aと宅内制御装置bより受信したサービス開始要求の番号1と番号2の組合せが一致し、かつ前記2つのサービス開始要求と共に受信された2つの通話情報に含まれる通話状態情報が2つとも通話中を示している。従って、サービス管理部d11は、サービス開始要求で示されるサービスを提供できると判定し、前記2つのサービス開始要求の送信元情報表示端末である情報表示端末aと情報表示端末bに対して情報提供サービスを開始する(ステップS110)。
【0067】
サービス管理部d11がサービス提供を開始すると、サービス管理部d11で生成されたサービス開始応答がサービスデータ中継部d10を通じて、情報表示端末aと情報表示端末bにそれぞれ送信され(ステップS111-aとS111-b)、サービスが開始される(ステップS112)。宅内制御装置を介して、サービス開始応答を情報提供サーバより受け取った情報表示端末a、bは画像データの送受信等、サービス開始応答で許可されたサービスを情報提供サーバ経由で行う。
【0068】
なお、図5では、ステップS105-aからS107-a及びS105-bからS107-bの一連の動作が、ステップS101-1からS104-a及びS104-bの一連の動作の後にある場合が示されている。つまり、サービス開始要求が発生してからサービス開始要求を保管するまでのサービス開始要求に関する一連の動作が、通話開始要求が発生してから通話情報を保管するまでの通話情報に関する一連の動作の後にある場合が示されている。しかし、サービス開始要求に関する一連の動作と通話情報に関する一連の動作の順番はこれに限るものではなく、それぞれの一連の動作内での順番が図5に示す通りであれば、2つの一連の動作は任意の順番で行われて良い。
【0069】
この動作の順番の入れ替えはユーザaとユーザbの両方で行われても良いし、片方で行われても良い。
【0070】
また、通話が確立される前に、宅内制御装置がサービス開始要求を検出した場合、宅内制御装置が情報表示端末に対して、一時的な応答を行っても良い。
【0071】
なお、上記説明では、通話連動サービスを開始するために通話状態情報を用いたが、通話状態情報は無くても良い。
【0072】
上記説明では、通話連動サービスを開始するために、情報提供サーバdが宅内制御装置aと宅内制御装置bからサービス開始要求と通話情報を受信する動作を示した。しかし、情報提供サーバdは、宅内制御装置aか宅内制御装置bのどちらか一方からサービス開始要求と通話情報を受取った時点で通話連動サービスを開始しても良い。宅内制御装置aからのみサービス開始要求と通話情報を受取った場合は、ステップS111-bはサービス開始応答ではなく、サービス開始通知となるように動作する。
【0073】
次に、図6のシーケンス図を参照して情報提供サービスを終了する際の動作について説明する。
【0074】
電話機aと電話機bは、通話を終了するためのメッセージを交換し(ステップS201-1からS201-8)、通話を終了する(ステップS202)。
【0075】
通話が終了すると、宅内制御装置aの通話情報抽出部a11は、通話が終了したことを示す通話情報を抽出する(ステップS203-a)。当該抽出された通話情報には、発信者番号として電話機aの電話番号が、着信者番号として電話機bの電話番号が、通話状態情報として非通話中を示す情報がそれぞれ含まれている。
【0076】
通話情報抽出部a11で抽出された上記通話が終了したことを示す通話情報は、通話情報・サービス開始要求連動部a14に出力されて記憶部a13に保管される(ステップS204−a)。
【0077】
通話情報・サービス開始要求連動部a14は、通話情報を保管した際に通話情報の通話状態情報を参照する(ステップS208-a)。
【0078】
前記通話情報の通話状態が非通話中であるので、通話情報・サービス開始要求連動部a14は、前記通話情報を情報提供サーバdの通話情報・サービス開始要求受信部d12に送信する(ステップS209−a)。
【0079】
通話情報を受信した通話情報・サービス開始要求受信部d12はサービス管理部d11に通話情報を出力する。サービス管理部d11は、通話情報の通話状態が非通話中であることを確認し、通話情報の発信者番号と着信者番号の組に対応付けられた情報提供サービスを停止する(ステップS210)。
【0080】
サービス管理部d11は、情報提供サービスを終了すると、情報提供サービスを提供していた情報表示端末aと情報表示端末bに対して、サービスデータ中継部d10を介してサービス終了通知を送信する(ステップS211-aとS211-b)。
【0081】
なお、図6では、宅内制御装置aが通話情報を抽出し、通話情報をサービス提供サーバに送信する動作について説明したが、これに限るものではない。同様の動作を、上記の符号aを符号bに代えて宅内制御装置bが行っても良いし、宅内制御装置aと宅内制御装置bの両方で行っても良い。
【0082】
宅内制御装置aと宅内制御装置bが両方とも通話情報を抽出し、通話情報をサービス提供サーバに送信する場合は、前記ステップS210において、サービス管理部d11は宅内制御装置aと宅内制御装置bから通話情報が送信されるのを待つ。サービス管理部d11は、宅内制御装置aと宅内制御装置bからそれぞれ送信された2つの通話情報に含まれる通話状態が非通話中を示しており、かつ2つの通話情報の発信者番号と着信者番号が一致する場合に、前記発信者番号と着信者番号の組に対応付けられた情報提供サービスを終了するように動作する。
【0083】
なお、上記説明では、通話情報の発信者番号と着信者番号、サービス開始要求の番号1と番号2、として電話番号を用いてきたが、これに限るものではない。電話機を一意に識別できる情報であれば他の形態をとることが可能である。電話機を一意に識別できる情報としては、電話番号以外に、SIP−URI(Session Initiation Protocol−Uniform Resource Identifier)、IPアドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、またはそれらと一意に対応付けられた名前を用いることができる。
【0084】
以上説明したように、本発明の通話連動システムによれば、通話が確立されており、かつサービス開始要求が宅内制御装置で検出された場合のみ、宅内制御装置が情報提供サーバに対して、サービス開始要求を送信する。従って、ユーザが通話連動サービスを必要としない場合に、宅内制御装置と情報提供サーバ間での通信と、情報提供サーバが電話機に対応付けられた情報表示端末の識別をするための情報処理とが発生しない。そのため、ネットワーク負荷と情報提供サーバにおける処理負荷を軽減することが可能となる。
【0085】
また、本発明の通話連動システムによれば、情報提供サーバは、複数の情報表示端末より各々の宅内制御装置を介して受け取ったサービス開始要求を比較することで、現在行われている通話に連動したサービスを提供できるかどうかを判断する機能を有する。従って、本発明の通話連動システムによれば、情報提供サーバは、通話に連動するサービスとして会議室を作成し、当該会議室とユーザを一時的に関連付ける管理をすることが可能となる。また、上記構成では、通話を行っている電話機に対応付けられている各々の情報表示端末より送信されたサービス開始要求が情報提供サーバで受信され、会議室が作成された時点で、ログインに相当する操作が完了している。そのため、サービス開始応答メッセージを受取った情報表示端末は即時にデータを送信することができる。
【0086】
なお、上記説明したデータ中継部、通話情報抽出部、サービス開始要求抽出部、通話情報・サービス開始要求連動部でそれぞれ行われる処理はCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることで実現される構成であっても良い。
【0087】
また、情報提供サーバにおけるサービス管理部が行う処理についてもCPUにプログラムを実行させることで実現される構成であっても良い。
【0088】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又はマイクロ波回線等の無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。プログラムは、例えばインターネットによって伝達することもできる。
【0089】
以上説明したように、本発明によれば、宅内制御装置を用いて、通話と連動した情報提供サービスを提供する通話連動システムや通話連動システムを実現するためのプログラムといった用途に適用できる。
【0090】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。換言すれば、本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、本発明は次の形態を取ることが可能である。
【0091】
(1)電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、を具備する複数の宅内制御装置と、前記宅内制御装置から通知される前記サービスの開始要求に基づいて、前記通話と連動させて前記サービスを提供する情報提供サーバと、を有する通話連動システム。
(2)前記連動手段は、前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の開始を検出して通話情報を抽出する通話情報抽出手段と、前記通話情報を保管する記憶手段と、前記情報表示端末より送信されたサービス開始要求を抽出するサービス開始要求抽出手段と、前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する通話情報・サービス開始要求連動手段と、を備え、前記情報提供サーバは、前記通話情報・サービス開始要求連動手段から前記通話情報及び前記サービス開始要求を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された前記通話情報に基づいて特定される通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できるかどうかを判定するサービス管理手段と、前記サービス管理手段で前記サービスを提供できると判定された場合に前記サービスの開始を示すサービス開始応答を送信するサービスデータ中継手段と、を具備する、(1)に記載の通話連動システム。
(3)前記通話情報抽出手段が抽出する通話情報は、前記呼制御情報を送信した電話機を識別する第1の識別情報と、接続先の電話機を識別する第2の識別情報と、通話中であるかどうかを示す通話状態情報とを含み、前記サービス開始要求検出手段が抽出する前記サービス開始要求は、サービスの種類を示す情報と前記情報表示端末に対応付けられた電話機を識別する識別情報とを含み、前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に含まれる識別情報と同一の識別情報を含み、かつ、前記通話状態情報で示される内容が通話中である通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する、(2)に記載の通話連動システム。
(4)前記サービス管理手段は、前記受信手段で受信された前記通話情報に基づいて同一の通話を行っている2つの電話機を特定し、前記特定された2つの電話機にそれぞれ対応付けられた情報表示端末が送信したサービス開始要求が前記受信手段で受信された場合に、前記通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できると判定する、(2)または(3)のいずれか1項に記載の通話連動システム。
(5)前記通話情報抽出手段は、前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の終了を検出して、通話が終了したことを示す通話情報を更に抽出し、前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報を前記情報提供サーバに送信し、前記受信手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報を受信し、前記サービス管理手段は、前記通話が終了したことを示す通話情報に基づいて特定される通話に連動して提供されているサービスを終了する処理を行い、前記サービスデータ中継手段は、前記サービスの終了を示すサービス終了通知を送信する、(2)乃至(4)のいずれか1項に記載の通話連動システム。
(6)電話機と呼制御サーバ間の通信データ及び情報表示端末と情報提供サーバ間の通信データをそれぞれ中継するデータ中継手段と、前記電話機が行う通話と前記情報表示端末が開始を要求するサービスとを連動させることが可能かを判定し、可能と判定した場合に前記通話を特定する情報を含めた前記サービスの開始要求を前記情報提供サーバに通知する連動手段と、を具備する宅内制御装置。
(7)前記連動手段は、前記データ中継手段が中継する前記電話機より送信された呼制御情報を参照し、通話の開始を検出して通話情報を抽出する通話情報抽出手段と、前記通話情報を保管する記憶手段と、前記情報表示端末より前記データ中継手段が受信したサービス開始要求を抽出するサービス開始要求抽出手段と、前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する通話情報・サービス開始要求連動手段と、 を有する(6)に記載の宅内制御装置。
(8)前記通話情報抽出手段が抽出する前記通話情報は、前記呼制御情報を送信した電話機を識別する第1の識別情報と、接続先の電話機を識別する第2の識別情報と、通話中であるかどうかを示す通話状態情報とを含み、前記サービス開始要求検出手段が抽出する前記サービス開始要求は、サービスの種類を示す情報と前記情報表示端末に対応付けられた電話機を識別する識別情報とを含み、前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に含まれる識別情報と同一の識別情報を含み、かつ、前記通話状態情報で示される内容が通話中である通話情報が前記記憶手段に保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を前記情報提供サーバに送信する、(7)に記載の宅内制御装置。
(9)前記記憶手段は、前記サービス開始要求を更に保管し、前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に対応する通話情報が前記記憶手段に保管されていなかった場合に、通話開始待ちであることを示す通話開始待ち応答を前記サービス開始要求送信元の情報表示端末に行う、(7)または(8)のいずれか1項に記載の宅内制御装置。
(10)電話機から送信された呼制御情報を参照して通話の開始を検出する検出ステップと、前記通話の開始を示す通話情報を抽出する第1抽出ステップと、前記抽出された通話情報を保管する記憶ステップと、情報表示端末から送信されたサービス開始要求を抽出する第2抽出ステップと、前記抽出されたサービス開始要求に対応する前記通話情報が前記記憶ステップで保管されている場合に、前記通話情報及び前記サービス開始要求を情報提供サーバに送信するサービス開始要求送信ステップと、を有する通話連動方法。
(11)宅内制御装置より送信される通話情報及びサービス開始要求を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信された前記通話情報に基づいて特定される通話に連動させて前記サービス開始要求で示されるサービスを提供できるかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記サービスが提供可能であると判定された場合に前記サービスの開始を示すサービス開始応答を送信するサービス開始応答送信ステップと、を有する通話連動方法。
(12)前記通話情報・サービス開始要求連動手段は、前記サービス開始要求に前記通話情報に含まれる前記第2の識別情報を含めて前記情報提供サーバに送信する、(8)に記載の宅内制御装置。
(13)前記通話情報及び前記サービス開始要求にそれぞれ含まれる識別情報は、前記電話機の電話番号、SIP−URI、IPアドレス、MACアドレス、のいずれかであることを特徴とする、(7)に記載の宅内制御装置。
【0092】
この出願は、2011年4月27日に出願された日本出願特願2011−099134を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明にかかる技術は、通話連動システム、宅内制御装置、通話連動方法などに利用できる。
【符号の説明】
【0094】
a100、b100 電話機
a200、b200 情報表示端末
a300、b300 宅内制御装置
a1、b1 データ中継部
a2、b2 通話・サービス連動部
a10、b10 データ中継部
a11、b11 通話情報抽出部
a12、b12 サービス開始要求抽出部
a13、b13 記憶部
a14、b14 通話情報・サービス開始要求連動部
400 呼制御サーバ
500 情報提供サーバ
d10 サービスデータ中継部
d11 サービス管理部
d12 通話情報・サービス開始要求受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6