(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アーススイッチは、配線を接続するための端子を有するスイッチ本体と、前記スイッチ本体から突出するとともに前記アーススイッチを切換操作するための操作部とを有し、
前記端子が前記上壁及び前記側壁により覆われ、かつ、前記操作部が側壁から側方に突出するように、前記アーススイッチは、前記側壁を貫通している、請求項1に記載の建設機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、アーススイッチ及びリレーが接続された回路の短絡等を防止するため、建設機械の内部に浸入する雨水等からアーススイッチ及びリレーを保護することが必要である。
【0009】
特許文献1では、リレー(バッテリリレー)がボックス内に保持されている状態が示されているが、アーススイッチを保護するための構成が明らかではない。
【0010】
そこで、アーススイッチを覆うカバーをさらに設けることが考えられる。
【0011】
しかし、このようにリレーを覆うボックスと、アーススイッチを覆うカバーと、アーススイッチを取り付けるためのスイッチ取付部とを個別に設ける場合、これらを設けるためのコストは大きなものとなる。
【0012】
本発明の目的は、コストを抑えながらアーススイッチ及びリレーの保護とアーススイッチの取り付けとを実現することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、バッテリと、前記バッテリに接続されたアーススイッチ及びリレーを備えた建設機械であって、前記リレーを保持するための保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記保持部材により保持された前記リレーを上から覆う上壁を含むカバーとを備え、前記アーススイッチは、前記カバーによって上から覆われた状態で、かつ、前記アーススイッチが操作可能な状態で前記カバーに取り付けられ
、前記カバーは、前記リレー及び前記アーススイッチを側方から覆う側壁を含み、前記アーススイッチは、側方から見る視点において前記リレーと重なる位置に配置されるように前記側壁に取り付けられ、前記建設機械は、前記カバーを保護するためのガードと、前記ガードに形成された吸気口を通じてガード内に外気を取り入れるために前記ガードの側方に設けられたファンとをさらに備え、前記リレー及び前記アーススイッチは、前記ガードと前記ファンとの間に設けられ、前記側壁は、前記ガードと前記リレー及び前記アーススイッチとの間に設けられているとともに前記吸気口から前記ファンに向けた外気の流れと直交する方向に対して傾斜する傾斜壁を含む、建設機械を提供する。
【0014】
本発明によれば、リレーを雨水等から保護するためのカバーが、アーススイッチを保護するための部材及びアーススイッチを取り付けるための部材として兼用され、さらに保持部材に取り付けられている。
【0015】
そのため、リレーを保護するための部材と、アーススイッチを保護するための部材と、アーススイッチを取り付けるための部材とを別々に設ける場合と比較して、部品点数を低減することができる。
【0016】
したがって、本発明によれば、コストを抑えながらアーススイッチ及びリレーの保護とアーススイッチの取り付けとを実現することができる。
【0017】
建設機械の内部には冷却系統(後述するファン等)による気流が生じることによりリレー及びアーススイッチに対して側方から雨水等が接触する場合
がある。
【0018】
そこで、
本発明において、前記カバーは、前記リレー及び前記アーススイッチを側方から覆う側壁を含み、前記アーススイッチは、側方から見る視点において前記リレーと重なる位置に配置されるように前記側壁に取り付けられている
。
【0019】
本発明によれば、カバーに側壁が設けられているため、リレー及びアーススイッチに対して側方から雨水等が接触するのを抑制することができる。
【0020】
また、この側壁を利用して、アーススイッチが側方から見る視点においてリレーと重なる位置に配置されているため、アーススイッチとリレーとを上下に並べて配置する場合と比較して、保持部材及びカバーを上下方向にコンパクトに構成することができる。
ここで、本発明における建設機械は、カバーを保護するためのガードと、ガードに形成された吸気口を通じてガード内に外気を取り入れるためにガードの側方に設けられたファンとをさらに備え、前記リレー及び前記アーススイッチが前記ガードと前記ファンとの間に設けられ、側壁が前記ガードと前記リレー及び前記アーススイッチとの間に設けられているため、次の利点がある。リレー及びアーススイッチとガードとの間に側壁が設けられているため、ガードの吸気口を通じて吹き込む雨水等からリレー及びアーススイッチを保護することができる。
ここで、吸気口からファンに向けた外気の流れと直交する方向と平行して側壁を設けることもできる。しかし、この場合には、側壁によって外気の流通抵抗が大きくなり、外気を効果的に取り入れることができない。
そこで、本発明において、前記側壁は、前記吸気口から前記ファンに向けた外気の流れと直交する方向に対して傾斜する傾斜壁を含んでいる。
本発明によれば、傾斜壁によって外気の流通抵抗を緩和することができるため、上述のようにガードの吸気口を通じて吹き込む雨水等からリレー及びアーススイッチを保護しながら、外気を効果的に取り入れることができる。
【0021】
前記建設機械において、前記アーススイッチは、配線を接続するための端子を有するスイッチ本体と、前記スイッチ本体から突出するとともに前記アーススイッチを切換操作するための操作部とを有し、前記端子が前記上壁及び前記側壁により覆われ、かつ、前記操作部が側壁から側方に突出するように、前記アーススイッチは、前記側壁を貫通していることが好ましい。
【0022】
この態様によれば、アーススイッチが側壁を貫通することにより、端子を上方及び側方から保護しつつ操作部が操作可能な状態でアーススイッチを側壁に取り付けることができる。これにより、アーススイッチの保護と操作性との両立を図ることができる。
【0023】
ここで、リレー及びアーススイッチには複数の配線が接続されるため、リレー及びアーススイッチが側壁によって覆われていると、リレー及びアーススイッチの周囲にこれらをメンテナンスするためのスペースを確保することが困難である。
【0024】
そこで、前記保持部材は、前記カバーが前記保持部材から取り外し可能となるように、前記カバーを取り付けるためのカバー取付部を有することが好ましい。
【0025】
この態様によれば、カバーをカバー取付部から取り外すことにより、アーススイッチとリレーとを分離することができるため、両者をメンテナンスするためのスペースを確保することができる。
【0026】
前記建設機械において、前記アーススイッチは、平面視で前記アーススイッチが前記リレーよりも前記バッテリの近くに配置された状態で前記カバーに取り付けられていることが好ましい。
【0027】
この態様によれば、アーススイッチをリレーよりもバッテリに近づけて配置することができるので、アーススイッチとバッテリとを接続する配線を短縮することができる。
【0028】
また、本発明は、バッテリと、前記バッテリに接続されたアーススイッチ及びリレーを備えた建設機械であって、前記リレーを保持するための保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記保持部材により保持された前記リレーを上から覆う上壁を含むカバーとを備え、前記アーススイッチは、前記カバーによって上から覆われた状態で、かつ、前記アーススイッチが操作可能な状態で前記カバーに取り付けられ、前記保持部材は、前記カバーが前記保持部材から取り外し可能となるように、前記カバーを取り付けるためのカバー取付部と、前記リレー及び前記アーススイッチを側方から覆う被覆壁とを有し、前記カバーは、前記リレー及び前記アーススイッチを側方から覆う側壁を含み、前記カバーが前記カバー取付部に取り付けられた状態で、前記被覆壁及び前記側壁は、前記リレー及び前記アーススイッチの周囲を全周に亘り取り囲む
、建設機械を提供する。
本発明によれば、リレーを雨水等から保護するためのカバーが、アーススイッチを保護するための部材及びアーススイッチを取り付けるための部材として兼用され、さらに保持部材に取り付けられている。
そのため、リレーを保護するための部材と、アーススイッチを保護するための部材と、アーススイッチを取り付けるための部材とを別々に設ける場合と比較して、部品点数を低減することができる。
したがって、本発明によれば、コストを抑えながらアーススイッチ及びリレーの保護とアーススイッチの取り付けとを実現することができる。
【0029】
また、本発明によれば、カバーの側壁及び保持部材の被覆壁によってリレー及びアーススイッチを側方から確実に保護することができる。
【0030】
しかも、カバーを保持部材から取り外すことにより、リレー及びアーススイッチのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0031】
したがって、リレー及びアーススイッチの保護とメンテナンス性の向上との両立を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、コストを抑えながらアーススイッチ及びリレーの保護とアーススイッチの取り付けとを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0035】
図1は、本発明の実施形態に係る建設機械の一例としての油圧ショベル1を示す左側面図である。
【0036】
油圧ショベル1は、クローラ2aを有する自走式の下部走行体2と、旋回軸を中心として旋回可能となるように下部走行体2上に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して変位可能に取り付けられた作業アタッチメント4とを備えている。以下、油圧ショベル1のオペレータから見た方向を用いて説明する。なお、旋回軸は、上下方向と平行する軸である。
【0037】
作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対して上げ下げ可能に取り付けられたブーム5と、ブーム5の先端部に対して回動可能に取り付けられたアーム6と、アーム6の先端部に対して回動可能に取り付けられたバケット7とを備えている。
【0038】
また、作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対してブーム5を上げ下げするブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10とを備えている。
【0039】
図1及び
図2を参照して、上部旋回体3は、下部走行体2上に旋回軸を中心として旋回可能に設けられたアッパーフレーム11と、アッパーフレーム11上に設けられたバッテリ12A、12B、冷却器13、エンジン14、制御手段15、カバー16、及びガード17とを備えている。
【0040】
アッパーフレーム11は、下部走行体2に取り付けられた底板18と、底板18上に立設された左右一対の縦板19と、右側の縦板19の右側で底板18に固定された右サイドフレーム20と、左側の縦板19の左側で底板18に固定された左サイドフレーム21とを備えている。
【0041】
一対の縦板19は、左右方向に互いに対向するとともに前後方向に延びる。両縦板19は、当該両縦板19の前部同士の間で作業アタッチメント4(ブーム5)の基端部を支持する。
【0042】
左サイドフレーム21は、前後方向に延びる縦梁29と、左右方向に延びて縦梁29と底板18とを連結する複数の横梁30と、縦梁29の後部と底板18の後部とを連結する支持板31と、支持板31の後端部と縦梁29と底板18とを連結する後梁32とを備えている。左サイドフレーム21の要部の構成は、後述する。
【0043】
バッテリ12A、12Bは、支持板31上で左右に並んで配置されている。冷却器13は、支持板31上において右側のバッテリ12Aの右側に配置されている。エンジン14は、両縦板19に亘って左右方向に延び、当該両縦板19上に支持されている。制御手段15及びカバー16は、支持板31上においてバッテリ12A、12Bの後ろに配置されている。ガード17は、バッテリ12A、12B、冷却器13、エンジン14、制御手段15、及びカバー16を上方及び側方から覆うようにアッパーフレーム11上に取り付けられている。また、ガード17は、制御手段15及びカバー16の左側に設けられているとともにカバー16を保護するための左側壁を有し、この左側壁には、冷却器13に向けて外気を取り入れるための吸気口17aが設けられている。吸気口17aは、後述するカバー16の後端から冷却器13の前端までの範囲を含む前後範囲E1に亘って設けられている。
【0044】
バッテリ12A、12Bは、支持板31によって下から支持されている。
【0045】
冷却器13は、図外のファンを有し、吸気口17aから取り込んだ外気を利用してエンジン14の冷却水等を冷却する。
【0046】
以下、
図3〜
図6を参照して、制御手段15及びカバー16の構成について説明する。
【0047】
制御手段15は、バッテリ12A、12Bと電装品(例えば、エンジン14のスタータモータ14a及びグロープラグ14b:
図2参照)との間の接続状態と切断状態とを制御するためのものである。
【0048】
具体的に、制御手段15は、バッテリ12Bに対してバッテリケーブルC2を介して接続されたアーススイッチ22と、バッテリ12Aに対してリレーケーブルC4を介して接続されたバッテリリレー23と、バッテリリレー23に対してハーネスHを介して接続されたスタータリレー24及びグローリレー25と、ハーネスHに接続されたヒューズ26とを備えている。なお、
図3〜
図6では、図の簡略化のために、ハーネスHの幹となる経路のみを示し、この経路から分岐する電線の図示を省略している。
【0049】
アーススイッチ22は、金属製の支持板31上に設けられたアース部位31a(
図4参照)とバッテリ12A、12Bとが接続された状態と、アース部位31aとバッテリ12A、12Bとが遮断された状態との間で切換可能である。具体的に、アーススイッチ22は、アースケーブルC1を介してアース部位31aに接続され、バッテリ12Aは、中継ケーブルC3を介してバッテリ12Bに接続されている。
【0050】
また、アーススイッチ22は、
図3に示すように、アースケーブルC1及びバッテリケーブルC2にそれぞれ接続される一対の端子(符号省略)を有するスイッチ本体22aと、スイッチ本体22aから突出するとともにアーススイッチ22を切換操作するための操作部22bとを備えている。
【0051】
図3〜
図6を参照して、バッテリリレー23は、複数の電装品(例えば、エンジン14のスタータモータ14a及びグロープラグ14b:
図2参照)とバッテリ12A、12Bとが接続された状態と、複数の電装品とバッテリ12A、12Bとが遮断された状態とを一括して切換可能なものである。具体的に、バッテリリレー23は、バッテリ12A、12Bから分岐して複数の電装品のそれぞれに接続される回路において、分岐部分よりもバッテリ12A、12B側の部分に設けられている。なお、バッテリリレー23は、ケーブルC5を介してエンジン14のスタータモータ14aに接続されている(
図2参照)。
【0052】
スタータリレー24は、スタータモータ14aとバッテリリレー23とが接続された状
態と、スタータモータ14aとバッテリリレー23とが遮断された状態との間で切換可能である。具体的に、スタータリレー24は、ハーネスHの図略の電線を介してバッテリリレー23に接続されているとともに、ハーネスHの電線H1(
図2参照)を介してスタータモータ14aに接続されている。
【0053】
グローリレー25は、エンジン14のグロープラグ14b(
図2参照)とバッテリリレー23とが接続された状態と、グロープラグ14bとバッテリリレー23とが遮断された状態との間で切換可能である。具体的に、グローリレー25は、ハーネスHの図略の電線を介してバッテリリレー23に接続されているとともに、ハーネスHの電線H2(
図2参照)を介してグロープラグ14bに接続されている。
【0054】
上述した制御手段15は、支持板31上に設けられた左サイドフレーム21の支持柱33及び延長板34(保持部材)によって保持され、支持柱33及び延長板34に取り付けられたカバー16によって覆われている。まず、
図3及び
図4を参照して、支持柱33、延長板34及びカバー16の構成について説明する。
【0055】
支持柱33は、当該支持柱33の下端部が後梁32の前面に対してボルトB3によって固定されていることにより、左サイドフレーム21の支持板31上に立設されている。また、支持柱33は、後梁32の前面に沿って配置されたウェブ(被覆壁)33aと、ウェブ33aの左右方向の両端部からそれぞれ前向きに延びる右フランジ(被覆壁)33b及び左フランジ33cとを備えている。
【0056】
延長板34は、右フランジ33bから前向きに延びる延長部(被覆壁)34aと、延長部34aの前端部から左向きに延びる屈曲部34bとを備えている。
【0057】
カバー16は、支持柱33及び延長板34に対して取り外し可能に取り付けられたカバー本体27と、カバー本体27と支持柱33との間に設けられたシール部材28とを備えている。
【0058】
カバー本体27は、支持柱33のウェブ33aと前後方向に対向する対向壁(側壁)27aと、対向壁27aの左端部から後ろ向きに傾斜する傾斜壁(側壁)27bと、傾斜壁27bの後端部から後ろに延びる外側壁(側壁)27cと、対向壁27a、傾斜壁27b及び外側壁27cの上端部に設けられた上壁27dと、上壁27dの後端部から上に延びる取付部27eとを備えている。
【0059】
対向壁27aは、左右方向に平行する。傾斜壁27bは、後ろに向かうに従い左側に傾斜する。つまり、傾斜壁27bは、ガード17とアーススイッチ22及びリレー23〜25との間に設けられているとともにガード17の吸気口17a(
図2参照)から冷却器13に向けた外気の流れ(左から右に向かう流れ)と直交する方向(前後方向)に対して傾斜している。また、外側壁27cは、前後方向に平行する。
【0060】
カバー本体27が支持柱33及び延長板34に取り付けられた状態で、対向壁27a、傾斜壁27b、及び外側壁27cの上端部は、延長板34の延長部34aの上端部と同じ高さ位置に配置されている。上壁27dは、対向壁27a、傾斜壁27b、外側壁27c、及び延長部34aの上端部によって形成される開口部を上から塞ぐ。また、カバー本体27が支持柱33及び延長板34に取り付けられた状態で、対向壁27a、傾斜壁27b、及び外側壁27cの下端部は、延長部34aの下端部とほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0061】
また、対向壁27aに形成された図外の貫通穴に挿入されたボルトB1が延長板34の屈曲部34bに設けられたナット(カバー取付部)N1に螺合することにより、カバー本体27が延長板34に対し取り外し可能に取り付けられる。また、取付部27eに形成された図外の貫通穴に挿入されたボルトB2が支持柱33のウェブ33aに設けられたナット(カバー取付部:
図6参照)N2に螺合することにより、カバー本体27が支持柱33に取り外し可能に取り付けられる。
【0062】
このようにカバー16が支持柱33及び延長板34に対して前側から取り付けられる際に、シール部材28は、外側壁27cの後端面と支持柱33のウェブ33aの前面との間で挟持される。これにより、外側壁27cとウェブ33aとの間を通じた雨水等の浸入が抑制される。
【0063】
また、カバー16が支持柱33及び延長板34に取り付けられることにより、カバー16、支持柱33、及び延長板34の間には、収納室S1が形成される。収納室S1は、支持柱33、延長板34、及びカバー16によって、上下方向に平行する軸を中心とする周方向の全周に亘り取り囲まれるとともに上方から覆われた室である。この収納室S1内に制御手段15が設けられている。以下、
図3、
図5及び
図6を参照して、収納室S1内における制御手段15の取付状態を説明する。
【0064】
アーススイッチ22は、スイッチ本体22aが収納室S1内に配置され、かつ、操作部22bがカバー16の対向壁27aから前方に突出するように、対向壁27aを貫通している。この状態で、アーススイッチ22は、対向壁27aに対しボルトB6によって取り付けられている。
【0065】
バッテリリレー23は、収納室S1内に配置された状態で、支持柱33のウェブ33aの前面に対してボルトB4によって取り付けられている。この状態で、バッテリリレー23は、アーススイッチ22よりも後ろ(バッテリ12A、12Bから遠い位置)に配置される。
【0066】
また、アーススイッチ22は、側方から見る視点においてバッテリリレー23と重なる位置に配置されるように、対向壁27aに取り付けられている。具体的に、バッテリリレー23の下端部は、アーススイッチ22の下端部よりも上に配置され、バッテリリレー23の上端部は、アーススイッチ22の上端部よりも上に配置されている。
【0067】
スタータリレー24及びグローリレー25は、ブラケット24aに固定されている。ブラケット24aは、支持柱33のウェブ33aの前面に対してボルトB5によって取り付けられている。この状態で、スタータリレー24は、グローリレー25よりも下に配置され、かつ、スタータリレー24及びグローリレー25は、アーススイッチ22及びバッテリリレー23よりも上に配置されている。
【0068】
ヒューズ26は、延長板34の延長部34aに取り付けられている。
【0069】
なお、ハーネスHの幹となる経路は、結束バンド等によって延長部34aに沿って配索されている。
【0070】
このように、カバー16、支持柱33、及び延長板34は、制御手段15の周囲を全周に亘り取り囲む。
【0071】
また、
図4に示すように、カバー16及び延長板34の下端部と支持板31の上面との間には、間隙が形成されている。この間隙を通じて、収納室S1からその外側にケーブルC1、C2、C4、C5及びハーネスHが導出されている。
【0072】
以上説明したように、リレー23〜25を雨水等から保護するためのカバー16が、アーススイッチ22を保護するための部材及びアーススイッチ22を取り付けるための部材として兼用され、さらに保持部材(支持柱33及び延長板34)に取り付けられている。
【0073】
そのため、リレー23〜25を保護するための部材と、アーススイッチ22を保護するための部材と、アーススイッチ22を取り付けるための部材とを別々に設ける場合と比較して、部品点数を低減することができる。
【0074】
したがって、コストを抑えながらアーススイッチ22及びリレー23〜25の保護とアーススイッチ22の取り付けとを実現することができる。
【0075】
また、前記実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
【0076】
前記実施形態によれば、カバー16に側壁(対向壁27a、傾斜壁27b、外側壁27c)が設けられているため、リレー23〜25及びアーススイッチ22に対して側方から雨水等が接触するのを抑制することができる。
【0077】
また、この側壁を利用して、アーススイッチ22が側方から見る視点においてリレー23〜25と重なる位置に配置されているため、アーススイッチ22とリレー23〜25とを上下に並べて配置する場合と比較して、保持部材(支持柱33及び延長板34)及びカバー16を上下方向にコンパクトに構成することができる。
【0078】
前記実施形態によれば、アーススイッチ22が対向壁27aを貫通することによりスイッチ本体22aの端子を上方及び側方から保護しつつ操作部22bが操作可能な状態でアーススイッチ22を対向壁27aに取り付けることができる。これにより、アーススイッチ22の保護と操作性との両立を図ることができる。
【0079】
前記実施形態によれば、アーススイッチ22及びリレー23〜25がガード17の左側壁と冷却器13との間に設けられているとともに、傾斜壁27b及び外側壁27cが冷却器13とガード17の左側壁との間に設けられている。そのため、ガード17の吸気口17aを通じて吹き込む雨水等からリレー23〜25及びアーススイッチ22を保護することができる。
【0080】
また、傾斜壁27bによって外気の流通抵抗を緩和することができるため、上述のようにガード17の吸気口17aを通じて吹き込む雨水等からリレー23〜25及びアーススイッチ22を保護しながら、外気を効果的に取り入れることができる。
【0081】
前記実施形態によれば、カバー16、支持柱33、及び延長板34によってリレー23〜25及びアーススイッチ22の周囲を全周に亘り覆うことができる。
【0082】
しかも、カバー16をカバー取付部(ナットN1、N2)から取り外すことにより、アーススイッチ22とリレー23〜25とを分離することができる。そのため、複数の電線(ケーブルC1、C2、C4、C5及びハーネスH)が接続されるとともにカバー16によって側方から覆われるリレー23〜25及びアーススイッチ22の間に両者をメンテナンスするためのスペースを確保することができる。
【0083】
したがって、リレー23〜25及びアーススイッチ22の保護とメンテナンス性の向上との両立を図ることができる。
【0084】
前記実施形態によれば、アーススイッチ22をリレー23〜25よりもバッテリ12A、12Bに近づけて配置することができるので、アーススイッチ22とバッテリ12A、12Bとを接続する配線を短縮することができる。
【0085】
なお、前記実施形態では支持柱33に直接リレー23〜25が保持されているが、支持柱33にカバーに相当するボックスが保持されているとともにボックス内にリレー23〜25を収納することもできる。
【0086】
また、前記実施形態では3つのリレー23〜25がカバー16によって覆われているが、少なくとも1つリレーがカバー16によって覆われていればよい。
【0087】
さらに、前記実施形態ではカバー16が側壁(対向壁27a、傾斜壁27b、外側壁27c)を有しているが、カバーは、少なくともリレー及びアーススイッチを上から覆う上壁を有していればよい。具体的に、
図7は、側壁を有しないカバーが設けられた他の実施形態を示す。
【0088】
この実施形態に係る油圧ショベルは、左サイドフレーム21上に立設された保持部材36と、保持部材36に対してボルトB7によって取り付けられているとともにバッテリリレー23を上から覆うカバー36とを備えている。
【0089】
カバー36の下面には、取付部36aを介してアーススイッチ22が取り付けられている。取付部36aは、アーススイッチ22の操作部22bが側方(
図7では前方)に向いた状態で、かつ、アーススイッチ22がカバー36によって上から覆われた状態で、カバー36の下面にアーススイッチ22の本体部22aを取り付けるためのものである。
【0090】
このように、アーススイッチ22の操作部22bがカバー36の側方に開放されているため、アーススイッチ22をカバー36の側方から操作することができる。また、アーススイッチ22及びバッテリリレー23がカバー36によって上から覆われているため、雨水等からアーススイッチ22及びバッテリリレー23を保護することができる。
【0091】
また、
図7に示す実施形態では、アーススイッチ22の全体がカバー36により上から覆われているため、アーススイッチ22の全体を雨水等から保護することができる。