(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乗場に設けられた三方枠の前端に支持され、前記固定部に連結され、前記固設部分に固定された前記固定部が前記昇降路の側へ移動することを抑制する三方枠係止具を備えた請求項1から9のいずれか1項に記載のエプロン取付治具。
前記乗場に設けられた三方枠の内側の面に支持され、前記固定部を上方から押さえ、前記固設部分に固定された前記固定部が前記昇降路の側へ移動することを抑制する突っ張り棒を備えた請求項1から9のいずれか1項に記載のエプロン取付治具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す正面図である。
図1は、エレベータの乗場出入口を乗場側から見た状態を示している。
図1において、紙面手前側は前方、紙面奥側は後方である。
【0011】
乗場は、乗場床1を備えている。乗場には、三方枠2が設けられている。三方枠2は、上枠2a及び2つの縦枠2bを備えている。乗場出入口は、正面から見て乗場床1と三方枠2に囲まれている。乗場は、乗場出入口を介して昇降路に通じている。昇降路の内部には、かご3が設けられている。かご3の下部には、かご敷居4が設けられている。
【0012】
かご3には、エプロン5が取り外し可能に取り付けられる。エプロン5は、かご敷居4の下方に取り付けられる。エプロン5は、板状に形成されている。エプロン5の上端部には、取付孔6が形成されている。取付孔6は、エプロン5を前後方向に貫通して形成されている。取付孔6は、左右方向において、エプロン5の中央付近、左端付近及び右端付近の3箇所に形成されている。
【0013】
エプロン取付治具は、乗場において乗場床1の側に設置されている。エプロン取付治具は、2箇所に設置されている。2つのエプロン取付治具は、乗場出入口の左端付近及び右端付近に1つずつ設置されている。エプロン取付治具は、乗場の固設部分に固定可能である固定部を備えている。エプロン取付治具は、固定部として固定台7を備えている。固定台7は、垂直部7a及び水平部7bを備えている。
【0014】
固定台7の垂直部7aには、長孔8が形成されている。長孔8は、上下方向に長く形成されている。長孔8は、垂直部7aを前後方向に貫通して形成されている。長孔8には、前方から第1調整ボルト9が取り付けられている。第1調整ボルト9は、長孔8に沿って上下方向に移動可能に設けられている。第1調整ボルト9は、長孔8が形成されている範囲で、垂直部7aに対して固定可能に設けられている。つまり、第1調整ボルト9は、垂直部7aに対して上下方向の位置を調整可能に設けられている。
【0015】
固定台7の水平部7bには、図示しない固定台取付孔が形成されている。固定台取付孔は、水平部7bを上下方向に貫通して形成されている。固定台取付孔には、上方から第2調整ボルト10が取り付けられている。エプロン取付治具は、把持部11を備えている。把持部11は、例えば、棒状部材を屈曲して形成された取っ手等である。
【0016】
図2は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図2は、
図1のA−A断面を示している。
図2において、右側は前方、左側は後方である。
【0017】
かご敷居4は、かご3の前端部に位置している。かご敷居4は、左右方向に長く形成されている。かご敷居4には、かご敷居溝12が形成されている。かご敷居溝12は、左右方向に長く形成されている。かご敷居溝12は、かご敷居4の長手方向に沿って形成されている。かご敷居4の上には、かごドア13が設けられている。かごドア13は、左右に移動可能にかご敷居溝12に支持されている。つまり、かごドア13は、かご敷居溝12に沿って移動可能である。
【0018】
乗場には、乗場敷居14が設けられている。乗場敷居14は、乗場の固設部分である。乗場敷居14は、乗場床1の後方に位置している。乗場敷居14は、左右方向に長く形成されている。乗場敷居14には、乗場敷居溝15が形成されている。乗場敷居溝15は、左右方向に長く形成されている。乗場敷居溝15は、乗場敷居14の長手方向に沿って形成されている。乗場敷居14の上には、乗場ドア16が設けられている。乗場ドア16は、左右に移動可能に乗場敷居溝15に支持されている。つまり、乗場ドア16は、乗場敷居溝15に沿って移動可能である。
【0019】
固定台7は、乗場敷居14の上に位置している。固定台7は、敷居溝嵌合部17を備えている。敷居溝嵌合部17は、前後方向において、乗場敷居溝15と重なる位置に設けられている。敷居溝嵌合部17は、水平部7bの下に設けられている。
【0020】
エプロン取付治具は、エプロン5を支持する支持部を備えている。支持部は、可動部、前方支持部及び下端支持部を備えている。エプロン取付治具は、可動部として移動台18を備えている。移動台18は、固定台7の垂直部7aの後側に位置している。エプロン取付治具は、前方支持部として支持腕19を備えている。エプロン取付治具は、下端支持部としてストッパー20を備えている。支持腕19及びストッパー20は、移動台18の後側に位置している。水平部7b、垂直部7a、移動台18、支持腕19及びストッパー20は、左右方向における長さが同程度に形成されている。
【0021】
図3は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す側面図である。
図3は、
図2のB−B断面を示している。
図3において、左側は前方、右側は後方である。
【0022】
かご3には、エプロン固定部21が設けられている。エプロン固定部21は、かご敷居4の下に設けられている。エプロン固定部21は、前面の上下方向における中央部が開放されて形成されている。エプロン固定部21は、前面の上部、上面、後面、下面及び前面の下部を備えた中空の部材である。エプロン固定部21の前面の上部及び前面の下部は、前後方向における位置が同じである。このため、左右方向から見たエプロン固定部21の断面は、C形状を呈している。エプロン固定部21の前面には、図示しないエプロン固定部取付孔が形成されている。エプロン固定部取付孔は、エプロン固定部21の前面を前後方向に貫通して形成されている。エプロン固定部取付孔は、左右方向において、取付孔6に対応した位置に形成されている。
【0023】
エプロン5は、下端部が後方に屈曲されて形成されている。エプロン5は、例えば、金属材料で形成されている。エプロン5は、取付孔6及びエプロン固定部取付孔を介して、ネジ等によりエプロン固定部21の前面に取り付けられる。
【0024】
昇降路の乗場側の内壁には、乗場敷居取付台22が設けられている。乗場敷居取付台22は、後面の上下方向における中央部が開放されて形成されている。乗場敷居取付台22は、後面の上部、上面、前面、下面及び後面の下部を備えた中空の部材である。乗場敷居取付台22の後面の上部及び後面の下部は、前後方向における位置が同じである。このため、左右方向から見た乗場敷居取付台22の断面は、C形状を呈している。乗場敷居取付台22は、乗場敷居14を下方から支持している。
【0025】
乗場敷居取付台22には、乗場側エプロン23が取り付けられている。乗場側エプロン23は、板状に形成されている。乗場側エプロン23は、乗場敷居取付台22の後面から下方に延びるように設けられている。乗場側エプロン23は、乗場敷居取付台22の後面の上部にネジ等により固定されている。
【0026】
エプロン取付治具は、固定台7の水平部7bが乗場敷居14と接するように設置されている。水平部7bは、前後方向の長さが乗場敷居14と同程度に形成されている。水平部7bの後端部は、垂直部7aの下端部に連続している。垂直部7aは、水平部7bに対して垂直に形成されている。このため、左右方向から見たエプロン取付治具の断面は、L字状を呈している。
【0027】
敷居溝嵌合部17は、乗場敷居溝15に嵌め込まれている。第2調整ボルト10は、上方から水平部7bの固定台取付孔及び敷居溝嵌合部17の順に挿入されている。固定台7は、第2調整ボルト10及び敷居溝嵌合部17により乗場敷居溝15に固定されている。
【0028】
移動台18は、前面、上面、後面及び下面を備えた中空の部材である。移動台18の前面には、図示しない移動台取付孔が形成されている。移動台取付孔は、移動台18の前面を前後方向に貫通して形成されている。第1調整ボルト9は、前方から垂直部7aの長孔8及び移動台取付孔の順に挿入されている。移動台18は、第1調整ボルト9を介して垂直部7aの後側に取り付けられている。移動台18は、長孔8に沿って移動される第1調整ボルト9とともに上下方向に移動可能である。移動台18は、第1調整ボルト9により垂直部7aに対して固定可能である。つまり、移動台18は、垂直部7aに対して上下方向の位置を調整可能に設けられている。
【0029】
移動台18の上面には、把持部11が設けられている。移動台18の内部の後側には、磁石24が設けられている。移動台18の後面には、支持腕19の上端部が固定されている。支持腕19は、移動台18が移動されることで上下方向の位置を調整される。
【0030】
支持腕19は、板状に形成されている。支持腕19は、上下方向に長く形成されている。支持腕19は、下端部が後方に屈曲されて形成されている。支持腕19は、左右方向から見たエプロン5の形状に沿って形成されている。支持腕19は、昇降路の内側に配置される。支持腕19は、移動台18の後面から乗場床1よりも下方に延びるように設けられている。
【0031】
支持腕19の下端部には、ストッパー20が設けられている。ストッパー20は、左右方向から見て上向きの折返し部20aを備えている。ストッパー20は、折返し部20aが支持腕19の後方に位置するように形成されている。
【0032】
エプロン取付治具は、エプロン5の着脱作業の際に、エプロン5を支持する。支持腕19は、前方からエプロン5の前面を支持する。ストッパー20は、下方からエプロン5の下端を支持する。ストッパー20は、エプロン5の下端が後方へ移動することを抑制する。さらに、エプロン5が磁石に付く材料で形成されている場合、磁石24は、エプロン5を前方に引き寄せる。エプロン取付治具は、前後方向において、エプロン5の後面がエプロン固定部21の前面に相当する位置に届くようにエプロン5を支持する。
【0033】
図4は、本実施の形態における敷居溝嵌合部17の詳細図である。
図4の(a)において、左側は前方、右側は後方である。
図4の(b)は、(a)における矢印Xの示す方向から見た矢視図である。
図4の(c)は、(b)における矢印Yの示す方向から見た矢視図である。
【0034】
敷居溝嵌合部17は、係止ゴム25を備えている。係止ゴム25は、例えば、弾性を有する硬質ゴムで形成されている。係止ゴム25は、左右方向に長く形成されている。係止ゴム25には、底面から上下方向における中央まで至る係止ゴム溝26が形成されている。係止ゴム溝26は、左右方向の全域にわたって形成されている。係止ゴム25の上には、受部27が設けられている。敷居溝嵌合部17には、ネジ穴28が形成されている。ネジ穴28は、受部27を上下方向に貫通して形成されている。ネジ穴28は、上下方向から見て係止ゴム溝26と重なる位置に形成されている。ネジ穴28は、係止ゴム溝26に通じている。係止ゴム溝26は、前後方向の幅がネジ穴28の径よりも小さく形成されている。ネジ穴28は、第2調整ボルト10が取り付け可能な大きさに形成されている。
【0035】
敷居溝嵌合部17は、乗場ドア16が開かれた状態で乗場敷居溝15に嵌め込まれる。第2調整ボルト10は、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15に嵌め込まれた状態で、ネジ穴28に挿入される。第2調整ボルト10が締め込まれると、係止ゴム25は、係止ゴム溝26の内側から第2調整ボルト10により押し広げられる。つまり、係止ゴム25は、敷居溝嵌合部17の内側で弾性変形して水平方向に拡がる。変形した係止ゴム25は、乗場敷居溝15の壁面に押し付けられる。その結果、係止ゴム25と乗場敷居溝15の壁面との間に摩擦力が発生する。敷居溝嵌合部17は、当該摩擦力により乗場敷居溝15に固定される。固定台7は、敷居溝嵌合部17により乗場敷居14に固定される。
【0036】
本実施の形態では、エプロン取付治具は、固定台7及び支持部を備えている。固定台7は、乗場敷居溝15に固定可能である。支持部は、固定台7に支持されている。支持部は、固定台7が乗場敷居溝15に固定された状態で、乗場出入口を通って昇降路の内側に配置される。支持部は、乗場床1よりも下方に延びるように設けられる。支持部は、エプロン5の前面及び下端を支持する。本実施の形態によれば、エプロン5を着脱する際に、作業者が手でエプロン5を支持する必要がない。このため、例えば、作業者が一人でエプロン5の交換作業を行うことが可能となる。その結果、エプロン5の着脱作業における作業性を向上することができる。
【0037】
本実施の形態では、エプロン取付治具の支持部は、支持腕19及びストッパー20を備えている。支持腕19は、エプロン5の形状に沿って形成されている。支持腕19は、エプロン5の前面を支持する。ストッパー20は、支持腕19の下端部に設けられている。ストッパー20は、左右方向から見て上向きの折返し部20aを備えている。ストッパー20は、エプロン5の下端を支持する。折返し部20aは、エプロン5が後方へ移動することを抑制する。本実施の形態によれば、支持腕19の形状により、エプロン5がより安定的に支持される。また、ストッパー20の形状により、エプロン5が後方に落下することを防止できる。その結果、エプロン5の着脱作業における作業性をさらに向上することができる。
【0038】
本実施の形態では、エプロン取付治具の支持部は、移動台18を備えている。移動台18は、上部に把持部11を備えている。移動台18の後側には、支持腕19が固定されている。移動台18の前側は、第1調整ボルト9により固定台7に取り付けられている。移動台18は、第1調整ボルト9を介して固定台7に対する上下方向の位置を一定範囲内で調整可能に支持されている。本実施の形態によれば、作業者は、把持部11を持って移動台18を移動させることで、支持腕19の上下方向の位置を調整できる。このため、例えば、エプロン5をエプロン固定部21に取り付ける際の位置合わせを容易に行うことができる。その結果、エプロン5の着脱作業における作業性をさらに向上することができる。
【0039】
本実施の形態では、移動台18は、中空に形成されている。移動台18の内部の後側には、磁石24が設けられている。本実施の形態によれば、エプロン5が磁石に付く材料で形成されている場合、エプロン5は、磁石24の磁力により前方に引き寄せられる。このため、エプロン5が後方へ移動することをさらに抑制できる。その結果、エプロン5が後方に落下することを防止することができる。
【0040】
本実施の形態では、固定台7は、敷居溝嵌合部17を備えている。敷居溝嵌合部17は、乗場敷居溝15に固定可能に形成されている。本実施の形態によれば、既設の乗場敷居溝15を利用してエプロン取付治具を固定することができる。このため、エプロン取付治具を設置する際に乗場に手を加える必要がない。その結果、エプロン取付治具を容易に設置することができる。
【0041】
本実施の形態では、敷居溝嵌合部17は、係止ゴム25を備えている。係止ゴム25は、敷居溝嵌合部17の内側で弾性変形して水平方向に拡がることで乗場敷居溝15に固定される。本実施の形態によれば、敷居溝嵌合部17は、係止ゴム25が乗場敷居溝15の壁面に押し付けられることで固定される。このため、敷居溝嵌合部17は、前後方向だけでなく乗場敷居溝15に沿った方向の移動も抑制される。その結果、エプロン取付治具をより安定的に設置することができる。
【0042】
敷居溝嵌合部17は、機械的な構造に形成されてもよい。敷居溝嵌合部17は、例えば、第2調整ボルト10の回転に伴って前後方向に伸縮する突っ張り棒等であってもよい。この場合も、敷居溝嵌合部17は、敷居溝嵌合部17の内側で変形して水平方向に拡がることで乗場敷居溝15に固定される。その結果、乗場敷居溝15を利用してエプロン取付治具を固定することができる。
【0043】
本実施の形態では、エプロン取付治具は2箇所に設置されている。しかし、乗場出入口の開口幅に応じて、3箇所以上にエプロン取付治具を設置してもよい。
【0044】
実施の形態2.
図5は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す正面図である。
図5は、エレベータの乗場出入口を乗場側から見た状態を示している。
図5において、紙面手前側は前方、紙面奥側は後方である。以下、実施の形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施の形態において、エプロン取付治具は、三方枠係止具29を備えている。三方枠係止具29は、左右方向に長く形成されている。三方枠係止具29は、左右方向において、2つの縦枠2bの間の距離よりも長く形成されている。三方枠係止具29は、乗場出入口を左右に横切るように設けられている。三方枠係止具29は、2つのエプロン取付治具の水平部7bの上面に架け渡されるように設けられている。三方枠係止具29には、上方から連結ボルト30が取り付けられている。連結ボルト30は、上下方向において水平部7bと重なる位置に取り付けられている。
【0046】
図6は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図6は、
図5のC−C断面を示している。
図6において、右側は前方、左側は後方である。
【0047】
水平部7bは、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15に固定された状態で、前端が縦枠2bよりも前側に位置するように形成されている。水平部7bの前端付近には、図示しない係止具連結孔が形成されている。係止具連結孔は、水平部7bを上下方向に貫通して形成されている。
【0048】
三方枠係止具29には、複数の連結用長孔31が形成されている。複数の連結用長孔31は、左右方向に並んで形成されている。連結用長孔31は、前後方向に長く形成されている。連結用長孔31は、三方枠係止具29を上下方向に貫通して形成されている。連結ボルト30は、上方から水平部7bの連結用長孔31及び係止具連結孔の順に挿入されている。三方枠係止具29は、連結用長孔31の長手方向の長さの範囲で、水平部7bに対して前後方向に移動可能である。つまり、三方枠係止具29は、水平部7bに対して前後方向の位置を調整可能に設けられている。三方枠係止具29は、後端が縦枠2bの前端に接する位置で連結ボルト30により水平部7bに対して固定される。三方枠係止具29は、後方へ向かう力を受ける際に、縦枠2bにより後端を支持される。
【0049】
本実施の形態では、エプロン取付治具は、三方枠係止具29を備えている。三方枠係止具29は、固定台7の水平部7bに連結されている。三方枠係止具29は、後方へ向かう力を受ける際に、三方枠2の縦枠2bの前端に支持される。本実施の形態によれば、三方枠係止具29は、乗場敷居14に固定された固定台7が昇降路の側へ移動することを抑制する。このため、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15から外れることを防止できる。その結果、エプロン取付治具が昇降路の内部に落下することを防止できる。
【0050】
本実施の形態では、三方枠係止具29は、複数の連結用長孔31を備えている。このため、乗場出入口の開口幅に合わせて、三方枠係止具29に対して水平部7bを連結する位置を左右に調整することができる。その結果、三方枠係止具29は、乗場出入口の開口幅に関わらず使用することができる。
【0051】
実施の形態3.
図7は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図7において、右側は前方、左側は後方である。以下、実施の形態2と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施の形態において、ストッパー20は、支持腕19よりも左右方向に長く形成されている。ストッパー20は、左右方向において、乗場出入口の開口幅と同程度の長さに形成されている。ストッパー20は、左右方向において、エプロン5の幅と同程度の長さに形成されている。ストッパー20は、かご敷居4及び乗場敷居14の長手方向に対して平行に設けられている。ストッパー20は、2つの支持腕19に連結されている。
【0053】
本実施の形態によれば、ストッパー20は、エプロン5の下端のほぼ全体を下方から支持する。このため、エプロンをより安定的に支持することができる。
【0054】
ストッパー20に連結される支持腕19は、3つ以上としてもよい。この場合、エプロン取付治具の耐荷重を向上することができる。その結果、エプロン5をより安定的に支持することができる。
【0055】
実施の形態4.
図8は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図8において、右側は前方、左側は後方である。以下、実施の形態3と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施の形態において、ストッパー20は、支持腕19よりも左右方向に長く形成されている。ストッパー20は、1つの支持腕19に連結されている。支持腕19は、ストッパー20の左右方向における中央に連結されている。複数の連結用長孔31は、三方枠係止具29の左右方向における中央周辺に形成されている。
【0057】
本実施の形態によれば、ストッパー20は、エプロン5の下端のほぼ全体を下方から支持する。ストッパー20は、1つの支持腕19により支持される。このため、左右方向に長く形成されたストッパー20を1つの固定台7で支持できる。その結果、より簡単な構成で、エプロン5を安定的に支持することができる。
【0058】
実施の形態5.
図9は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す正面図である。
図9は、エレベータの乗場出入口を乗場側から見た状態を示している。
図9において、紙面手前側は前方、紙面奥側は後方である。以下、実施の形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施の形態において、エプロン取付治具は、突っ張り棒32を備えている。突っ張り棒32は、長手方向が左右方向に平行となるように設けられている。突っ張り棒32は、乗場出入口を左右に横切るように設けられている。突っ張り棒32は、長手方向が縦枠2b対して垂直となるように設けられている。突っ張り棒32は、両端に三方枠押圧部33を備えている。三方枠押圧部33は、縦枠2bの下端付近の内側の側面に押し付けられている。突っ張り棒32は、2つの固定台押圧部34を備えている。固定台押圧部34は、突っ張り棒32の長手方向に対して垂直な面に接するように形成されている。固定台押圧部34は、水平部7bの上面に押し付けられている。
【0060】
図10は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図10は、
図9のD−D断面を示している。
図10において、右側は前方、左側は後方である。以下、実施の形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
水平部7bは、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15に固定された状態で、前端が乗場敷居14の前端よりも前側に位置するように形成されている。突っ張り棒32は、固定台押圧部34が水平部7bの乗場敷居14よりも前側の部分と重なるように配置されている。水平部7bの乗場敷居14よりも前側の部分は、突っ張り棒32の掛り代として用いられている。
【0062】
図11は、
図10における突っ張り棒32の詳細図である。
図11には、突っ張り棒32のE−E断面図も併せて示されている。
【0063】
突っ張り棒32は、第1棒部材32a及び第2棒部材32bを備えている。第1棒部材32aは、第2棒部材32bよりも太く形成されている。第1棒部材32aは、中空に形成されている。第2棒部材32bは、第1棒部材32aよりも長く形成されている。第2棒部材32bの一端側は、第1棒部材32aの内部に挿入されている。つまり、突っ張り棒32は、E−E断面図でも示されるように、入れ子構造を有している。当該入れ子構造において、第2棒部材32bが第1棒部材32aの内部に挿入される長さは調整可能である。つまり、突っ張り棒32は、長手方向に伸縮自在に形成されている。突っ張り棒32の伸縮機構は、例えば、バネ又はネジ構造等により実現される。
【0064】
一方の固定台押圧部34は、第1棒部材32aに設けられている。他方の固定台押圧部34は、第2棒部材32bに設けられている。固定台押圧部34は、第1棒部材32a又は第2棒部材32bに対して長手方向に移動可能である。つまり、固定台押圧部34は、突っ張り棒32の長手方向における位置を調整可能に設けられている。固定台押圧部34の位置調整機構は、例えば、自在ブッシュ構造等により実現される。
【0065】
本実施の形態では、エプロン取付治具は、突っ張り棒32を備えている。突っ張り棒32は、三方枠2の縦枠2bの内側の側面に支持される。突っ張り棒32は、水平部7bの上面を上方から押さえる。本実施の形態によれば、突っ張り棒32は、乗場敷居14に固定された固定台7が昇降路の側へ移動することを抑制する。このため、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15から外れることを防止できる。その結果、エプロン取付治具が昇降路の内部に落下することを防止できる。
【0066】
本実施の形態では、突っ張り棒32は、長手方向に伸縮自在に形成されている。このため、2つの縦枠2bの間の距離に合わせて、突っ張り棒32の長さを調整することができる。その結果、突っ張り棒32は、2つの縦枠2bの間の距離に関わらず設置することができる。
【0067】
実施の形態6.
図12は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す正面図である。
図12は、エレベータの乗場出入口を乗場側から見た状態を示している。
図12において、紙面手前側は前方、紙面奥側は後方である。以下、実施の形態5と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施の形態において、突っ張り棒32は、長手方向が上下方向に平行となるように設けられている。突っ張り棒32は、乗場出入口を上下に横切るように設けられている。突っ張り棒32は、長手方向が上枠2a及び乗場床1に対して垂直となるように設けられている。突っ張り棒32は、第2棒部材32bが上側になる向きで設けられている。第2棒部材32bに設けられた三方枠押圧部33は、上枠2aの下面に押し付けられている。第1棒部材32aに設けられた三方枠押圧部33は、固定台7の水平部7bの上面に押し付けられている。突っ張り棒32は、左右方向において垂直部7aよりも縦枠2bに近い位置に設けられている。突っ張り棒32は、2つの固定台7のそれぞれに対応して設けられている。
【0069】
図13は、本実施の形態におけるエプロン取付治具が設置された状態を示す平面図である。
図13は、
図12のF−F断面を示している。
図13において、右側は前方、左側は後方である。以下、実施の形態5と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
水平部7bは、敷居溝嵌合部17が乗場敷居溝15に固定された状態で、前端が乗場敷居14の前端よりも前側に位置するように形成されている。さらに、水平部7bは、乗場敷居14の前端より前側の部分が縦枠2bの側に延長されて形成されている。つまり、水平部7bは、上下方向から見てL字状に形成されている。突っ張り棒32は、水平部7bの縦枠2bの側に延長された部分の上面に押し付けられている。水平部7bの延長された部分は、突っ張り棒32の掛り代として用いられている。
【0071】
本実施の形態によれば、突っ張り棒32を乗場出入口の開口面の左端付近及び右端付近に寄せて設置することができる。このため、例えば、エプロン5の着脱作業の際に、突っ張り棒32が作業者の動きを妨げることがない。その結果、エプロン5の着脱作業における作業性をさらに向上することができる。