特許第5983934号(P5983934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983934
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】パワートレインマウントの締結構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/04 20060101AFI20160823BHJP
   B60K 5/04 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   B60K17/04 K
   B60K5/04 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-233647(P2012-233647)
(22)【出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2014-83944(P2014-83944A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅士
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−069471(JP,U)
【文献】 特開2011−031844(JP,A)
【文献】 特開平03−182837(JP,A)
【文献】 特開平02−060830(JP,A)
【文献】 米国特許第04703828(US,A)
【文献】 米国特許第03430901(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00239735(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/04
B60K 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体、もしくはパワートレインのいずれか一方にマウント部材を取り付け、前記車体、もしくは前記パワートレインのいずれか他方にマウントブラケットを取り付け、前記マウント部材は、外筒部と、この外筒部内に配置される内筒部と、前記外筒部の内周に前記内筒部の外周を支持する弾性部材と、を有し、前記マウントブラケットは、前記内筒部を固定する締結部を有し、前記内筒部と前記締結部とを固定用ねじ部材で締結したパワートレインマウントの締結構造において、前記内筒部の前記マウントブラケットと締結する側の端部に、前記締結部の締結面と直交し、かつ、互いに平行な一対の平面部を設け、前記締結部の締結面に、この締結面に平行し、かつ、密接して配置される回り止め板を設け、この回り止め板に、前記締結部に対して前記回り止め板が前記固定用ねじ部材の締結方向へ回転することを規制する爪部を設け、前記固定用ねじ部材の締結時に、前記内筒部の一対の平面部と接触し、前記締結部に対して前記内筒部が回転して締結されることを規制する位置規制部を、前記回り止め板に設けたことを特徴とするパワートレインマウントの締結構造。
【請求項2】
前記回り止め板の位置規制部は前記内筒部の一対の平面部と平行な一対の縦壁部を備え、この縦壁部は前記平面部を挟んで保持するとともに、前記平面部と密着することを特徴とする請求項1のパワートレインマウントの締結構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はパワートレインマウントの締結構造に係り、特に、マウント部材の内筒部の回転を防止し、マウントブラケットヘの応力集中を緩和したパワートレインマウントの締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンを横置きに搭載する車両において、エンジン及びトランスミッションからなるパワートレインを車体にパワートレインマウントで支持する構造には、車体、もしくはパワートレインのいずれか一方にマウント部材を取り付け、いずれか他方にマウントブラケットを取り付け、マウント部材とマウントブラケットとを固定用ねじ部材で締結する構造がある。
前記パワートレインの右側・左側・後側の3点をパワートレインマウントにより車体に支持する場合、右側、あるいは左側を支持するパワートレインマウントのマウント部材の内筒部の軸方向を車両幅方向に指向させて配置することは、パワートレインのレイアウトが容易になること(ブラケット形状の簡素化)や、パワートレインの揺動を軽減できるなどの利点がある。
前記左側のパワートレインマウントの軸方向を車両幅方向に設定する際には、マウント部材の内筒部の軸方向を車両幅方向に指向させて例えば車体に取り付ける一方、マウントブラケットをパワートレインに取り付け、マウント部材の内筒部の軸方向一側にマウントブラケットを対向配置して、マウントブラケット側から固定用ねじ部材を内筒部のねじ部に締結することで固定する。
前記のように、マウント部材の内筒部に形成したねじ部に固定用ねじ部材を締結してマウントブラケットを固定する場合、固定用ねじ部材の締結時に内筒部が回転して捩じれ、外筒部に対して内筒部を弾性的に支持する弾性部材に捩じれが発生するため、弾性部材の耐久性を低下させる恐れがある。
【0003】
従来は、上記の問題を解決するために、図12に示すようなパワートレインマウント101の締結構造が開示されている。(実開平6−69471)
図12に示すパワートレインマウント101の締結構造は、マウント部材102の外筒部103内に内筒部104を弾性部材105で支持し、マウントブラケット106に内筒部104を固定する締結部107を備え、内筒部104の前記締結部107と締結する側の端部に平行な一対の平面部108、109を設け、マウントブラケット106の締結部107に平行な一対のリブ110、111を設け、内筒部104の平面部108、109とマウントブラケット106のリブ110、111とを遊びを設けて対向するように配置することで、内筒部104の回転を防ぐ構造である。
この構造によれば、固定用ねじ部材での締結時に内筒部が回転した場合、平面部がマウントブラケットのリブに接触することで内筒部の回転が阻止され、外筒部に内筒部を支持する弾性部材の捩じれの発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−69471
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、マウント部材からマウントブラケットに大荷重がかかる際に、マウントブラケットのリブを設けた部分に大きな応力が集中するため、その対策としてマウントブラケット自体の厚さを増やし剛性を上げるか、高強度部材を使用してマウントブラケットを形成する必要があった。
また、応力の集中を防ぐようマウント部材の内筒部の平面部とマウントブラケットのリブとの遊びを大きく取るため、結果的に固定ねじの締結時に内筒部の捩じれ角度が大きくなり、弾性部材の耐久性の低下が懸念された。
【0006】
この発明は、パワートレインマウントのマウント部材をマウントブラケットに締結する時に、固定用ねじ部材の回転力でマウント部材の弾性部材が捩じれた状態で締結されてしまうことを防止し、パワートレインマウントの防振性能の低下防止、マウントブラケットの耐久性向上、マウントブラケットの軽量化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、車体、もしくはパワートレインのいずれか一方にマウント部材を取り付け、前記車体、もしくは前記パワートレインのいずれか他方にマウントブラケットを取り付け、前記マウント部材は、外筒部と、この外筒部内に配置される内筒部と、前記外筒部の内周に前記内筒部の外周を支持する弾性部材と、を有し、前記マウントブラケットは、前記内筒部を固定する締結部を有し、前記内筒部と前記締結部とを固定用ねじ部材で締結したパワートレインマウントの締結構造において、前記内筒部の前記マウントブラケットと締結する側の端部に、前記締結部の締結面と直交し、かつ、互いに平行な一対の平面部を設け、前記締結部の締結面に、この締結面に平行し、かつ、密接して配置される回り止め板を設け、この回り止め板に、前記締結部に対して前記回り止め板が前記固定用ねじ部材の締結方向へ回転することを規制する爪部を設け、前記固定用ねじ部材の締結時に、前記内筒部の一対の平面部と接触し、前記締結部に対して前記内筒部が回転して締結されることを規制する位置規制部を、前記回り止め板に設けたことを特徴とする。

【発明の効果】
【0008】
この発明は、マウント部材とマウントブラケットとの締結時におけるマウント部材の内筒部の回転防止を、マウントブラケットとは別体の回り止め板を取付けることで行うことにより、マウントブラケット自体に回り止め形状を素材で作り込まなくてよいため、マウントブラケットを軽量にすることができる。
この発明は、マウントブラケットとは別体の回り止め板の位置規制部が内筒部の平面部に接触して回り止めをするため、パワートレイン揺動時に位置規制部の接触面に応力が発生しても、別体の回り止め板が変形することで応力を吸収し、マウント部材の内筒部及びマウントブラケットに余計な応力がかかることはなく、マウント部材及びマウントブラケットの耐久性が向上する。
この発明は、マウント部材の内筒部が捩じれた状態で組付けられることが無くなるので、パワートレインマウントの防振性能、耐久性能を良い状態で維持でき、パワートレインマウントに設計どおりの性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はマウントブラケットの平面図である。(実施例)
図2図2図1のA−A線による断面図である。(実施例)
図3図3はマウントブラケットの斜視図である。(実施例)
図4図4はマウント部材とマウントブラケットとを締結した状態の平面図である。(変形例)
図5図5はマウント部材とマウントブラケットとを締結した状態の側面図である。(変形例)
図6図6はマウント部材とマウントブラケットとを締結した状態の斜視図である。(変形例)
図7図7はパワートレインマウントでパワートレインを車体に支持した状態の平面図である。(実施例)
図8図8はパワートレインマウントでパワートレインを車体に支持した状態の斜視図である。(実施例)
図9図9はマウントブラケットの平面図である。(変形例)
図10図10図9のB−B線による断面図である。(変形例)
図11図11はマウントブラケットの斜視図である。(変形例)
図12図12はマウントブラケットの平面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1図8は、この発明の実施例を示すものである。図7図8において、車両1は、車体を構成するサイドフレーム2、エプロンパネル3に、横置きのエンジン4及びトランスミッション5からなるパワートレイン6の左側を、パワートレインマウント7により支持している。なお、パワートレイン6は、パワートレイン6の左側だけでなく、右側及び後側をそれぞれパワートレインマウント7により車体に支持している。
前記パワートレインマウント7は、車体を構成するサイドフレーム2、エプロンパネル3にマウント部材8を取り付け、パワートレイン6にマウントブラケット9を取り付け、マウント部材8とマウントブラケット9とを固定用ねじ部材10で締結している。
【0012】
前記マウント部材8は、図4図6に示すように、円筒形状の外筒部11と、外筒部11よりも小径の円筒形状で外筒部11内に配置される内筒部12と、外筒部11の内周に内筒部12の外周を支持する弾性部材13とを有している。外筒部11は、外周に3つの取付ブラケット14〜16を固定している。取付ブラケット14〜16は、固定部17〜19を備えている。内筒部12は、軸方向一側にねじ部20を備え、弾性部材13により外筒部11内に弾性的に支持されている。
マウント部材8は、図7図8に示すように、内筒部12のねじ部20をパワートレイン6側に向け、内筒部12の軸方向を車両幅方向に指向させた状態で、2つの取付ブラケット14、15の固定部17、18を取付用ねじ部材21、22でサイドフレーム2に取り付け、残りの1つの取付ブラケット16の固定部19を取付用ねじ部材23でエプロンパネル3に取り付ける。
【0013】
前記マウントブラケット9は、図1図3に示すように、略四角板形状の基板部24の1つの対角線方向一側に内筒部12を固定する立ち壁状の締結部25を備え、締結部25の両側から対角線方向他側に向けて次第に高さが低くなるように延びる一対の立ち壁状の支持部26、27を備えている。締結部25は、締結面28に貫通する挿通孔29を備えている。基板部24には、1つの対角線方向他側で一対の支持部26、27の内側に固定部30を備え、他の対角線方向両側で支持部26、27の外側にそれぞれ固定部31、32を備えている。
マウントブラケット9は、図7図8に示すように、パワートレイン6を車両1へ組み付ける際に、締結部25がサイドフレーム2側のマウント部材8の内筒部12に対向するように、3つの固定部30〜32を取付用ねじ部材33〜35でパワートレイン側ブラケット36に取り付ける。パワートレイン側ブラケット36は、パワートレイン6を構成するトランスミッション5に固定されている。
【0014】
パワートレインマウント7は、図7図8に示すように、マウント部材8の内筒部12のねじ孔20にマウントブラケット9の締結部25の締結面28を対向させ、締結部25の挿通孔29に挿通した固定用ねじ部材10を内筒部12のねじ部20にねじ込み、マウント部材8とマウントブラケット9とを締結する。
【0015】
このパワートレインマウント7は、図1図3に示すように、マウント部材8の内筒部12のマウントブラケット9と締結する側の端部に、マウントブラケット9の締結部25の締結面28と直交し、かつ、互いに平行な一対の平面部37、38を設けている。
また、パワートレインマウント7は、マウントブラケット9の締結部25の締結面28に、この締結面28に平行し、かつ、密接して配置される回り止め板39を設けている。回り止め板39は、締結面28に密接する本体部40を備えている。本体部40は、上下方向に延びる一対の平行な側部分41、42と、側部分41、42の上端を連結する上部分43と、側部分41、42の下端を連結する下部分44とによって、内部に孔部45を有する略四角枠板形状に形成される。
回り止め板39は、本体部40の上部分43に係合部46を設け、本体部40の下部分44に爪部47を設けている。係合部46は、本体部40に対してマウントブラケット9側に延びるように設けられ、締結部25の上部の突部48に緩く係合する係合孔49を備えている。爪部47は、本体部40に対してマウントブラケット9側に延びるように設けられ、締結部25の下部の溝部50に密接して係合する。これらの係合部46、及び、爪部47の係合によって、回り止め板39はマウントブラケット9に対して回転を規制される。
この回り止め板39は、本体部40の一対の側部分41、41の孔部45内に、内筒部12を挟むように位置規制部51、52を設けている。位置規制部51、52は、マウント部材8とマウントブラケット9とを固定用ねじ部材10で締結する時に、内筒部12の平面部37、38と接触し、締結部25に対して内筒部12が回転して締結されることを規制する。
この実施例の位置規制部51、52は、本体部40に対して内筒部12側に延びるように設けられ、内筒部12の一対の平面部37、38と平行な一対の縦壁部53、54を備えている。この縦壁部53、54は、一対の平面部37、38を挟んで保持するとともに、一対の平面部37、38と密着する。
【0016】
パワートレインマウント7は、図7図8に示すように、パワートレイン6を車両1へ組み付ける際に、先ず、回り止め板39の係合部46をマウントブラケット9の締結部25の突部48に緩く係合し、回り止め板39の爪部47を締結部25の溝部50に密接して係合することで、マウントブラケット9の締結部25の締結面28に回り止め板39の本体部40を密接して配置する。
次に、サイドフレーム2、エプロンパネル3に取り付けたマウント部材8の内筒部12のねじ孔20に対して回り止め板39を配置した締結部25の締結面28を対向させ、内筒部12のマウントブラケット9側の端部を回り止め板39の孔部45内に挿入して、位置規制部51、52である一対の縦壁部53、54で一対の平面部37、38を挟んで保持するとともに、一対の縦壁部53、54を一対の平面部37、38と密着させる(図1図2参照)。
回り止め板39の一対の縦壁部53、54の間に内筒部12の一対の平面部37、38を密着保持させた状態で、締結部25の挿通孔29に固定用ねじ部材10を挿通して内筒部12のねじ部20にねじ込み、マウント部材8とマウントブラケット9とを締結する。これにより、マウント部材8の内筒部12は、一対の平面部37、38を回り止め板39の一対の縦壁部53、54に密着保持されているため、固定用ねじ部材10の締結時の回転を規制される。
【0017】
このように、パワートレインマウント7の締結構造は、マウント部材8とマウントブラケット9との締結時におけるマウント部材8の内筒部12の回転防止を、マウントブラケット9とは別体の回り止め板39を取付けることで行うことにより、マウントブラケット9自体に回り止め形状を素材で作り込まなくてよいため、マウントブラケット9を軽量にすることがする。
また、このパワートレインマウント7の締結構造は、マウントブラケット9とは別体の回り止め板39の位置規制部51、52が内筒部12の平面部38、39に接触して回り止めをするため、パワートレイン6の揺動時に位置規制部51、52の平面部37、38が接触する面に応力が発生しても、別体の回り止め板39が変形することで応力を吸収し、マウント部材8の内筒部12及びマウントブラケット9に余計な応力がかかることはなく、マウント部材8及びマウントブラケット9の耐久性が向上する。
さらに、このパワートレインマウント7の締結構造は、マウント部材8の内筒部12が捩じれた状態で組付けられることが無くなるので、パワートレインマウント7の防振性能、耐久性能を良い状態で維持でき、パワートレインマウント7に設計どおりの性能を発揮させることができる。
【0018】
また、このパワートレインマウント7の締結構造は、回り止め板39の位置規制部51、52として内筒部12の一対の平面部37、38と平行な一対の縦壁部53、54を備え、この縦壁部53、54で平面部37、38を挟んで保持するとともに、縦壁部53、54を平面部37、38と密着している。
マウント部材8の内筒部12が鋳鉄製の場合、平面部37、38は通常、切削加工によって寸法精度を満足するように仕上られる。そのため、平面部37、38は、表面が未処理(地肌)の加工面として内筒部12に残る。加工面は表面未処理のため、錆の発生が懸念される。
このパワートレインマウント7の締結構造は、内筒部12の平面部37、38を縦壁部53、54で密接して覆うことにより、平面部37、38の露出を抑え、平面部37、38の表面の錆発生を低減させることができる。
さらに、このパワートレインマウント7の締結構造は、マウント部材8をマウントブラケット9に締結する際に、縦壁部53、54が内筒部12を導入するガイドとなり、組付け作業性が向上する。
【0019】
この発明は、上述実施例に限定されることなくも、種々応用改変が可能である。
例えば、上述実施例のパワートレインマウント7の締結構造において、回り止め板40は、本体部40の側部分41、42に、位置規制部51、52として内筒部12の一対の平面部37、38と平行な一対の縦壁部53、54を備えているが、本体部40の側部分41、42を位置規制部51、52とすることもできる。
例えば、図9図11に示すパワートレインマウント7の締結構造は、位置規制部51、52の変形例を示すものである。変形例の位置規制部51、52は、本体部40の一対の側部分41、42に、内筒部12の一対の平面部37、38と平行な一対の当接部55、56を一体的に備えている。この当接部55、56は、一対の平面部37、38を挟んで保持するとともに、一対の平面部37、38と密着する。
このように、変形例のパワートレインマウント7の締結構造は、本体部41の一対の側部分41、42に、内筒部12の一対の平面部37、38と平行な一対の当接部55、56を一体的に備えることで、前述実施例のように一対の縦壁部53、54を形成する必要がなく、回り止め板39の加工工数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
この発明は、マウント部材の弾性部材が捩じれた状態で締結されてしまうことを防止し、パワートレインマウントの防振性能の低下防止、マウントブラケットの耐久性向上、マウントブラケットの軽量化を図ることができるものであり、エンジンに限らず、振動する重量物を支持するマウントに適用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 車両
2 サイドフレーム
3 エプロンパネル
6 パワートレイン
7 パワートレインマウント
8 マウント部材
9 マウントブラケット
10 固定用ねじ部材
11 外筒部
12 内筒部
13 弾性部材
20 ねじ部
24 基板部
25 締結部
28 締結面
29 挿通孔
36 パワートレイン側ブラケット
37、38 平面部
39 回り止め板
40 本体部
47 爪部
50 溝部
51、52 位置規制部
53、54 縦壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12