特許第5983990号(P5983990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983990
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/10 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
   F24H1/10 303Z
   F24H1/10 303F
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-101037(P2012-101037)
(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公開番号】特開2013-228156(P2013-228156A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】米多 恵梨
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴喜
(72)【発明者】
【氏名】跡部 嘉史
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆志
【審査官】 鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−294020(JP,A)
【文献】 特開2008−275226(JP,A)
【文献】 特開2004−293807(JP,A)
【文献】 特開2003−294232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも湯水循環ポンプを含む複数の機器を備えた給湯装置において、前記湯水循環ポンプを含む複数の電気回路への電源供給を停止する電源遮断手段を備え、前記機器に所定の異常が生じた場合には前記電源遮断手段によって前記複数の電気回路への電源供給を停止する安全動作が実行され、
前記安全動作の実行中であって前記湯水循環ポンプを駆動するべき条件が成立した場合には、前記電源遮断手段による電源供給の停止を断続的に解除して前記湯水循環ポンプを含む複数の電気回路に対して間欠的に電源供給を行うことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記湯水循環ポンプを駆動するべき条件は、凍結予防運転を行うべき条件であることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
複数の機器には送風機を含み、
電源遮断手段によって、湯水循環ポンプと送風機への通電が停止される回路構成を有し、送風機に異常が生じた場合に前記安全動作が実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
【請求項4】
所定の省電力運転開始条件を満たした場合には、電源遮断手段によって前記複数の電気回路への電源供給を停止して省電力モードに移行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置に関するものであり、特に配管内の湯水の凍結を防止できる凍結防止機能を備えた給湯装置として好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般家庭においては、一般給湯運転の他、浴槽内の湯水を加熱する追い焚き運転が実施できる多機能給湯装置が広く普及している。この種の給湯装置は、制御装置をはじめ、燃焼に供する送風機や、流水を形成する湯水循環ポンプ、並びに、湯水や燃料の流通を規制する電動式の弁等の機器を多く備えた構成とされている(例えば、特許文献1)。すなわち、このような給湯装置は、商用電源に接続されて主電源が投入された状態においては、運転が行われていない「運転待機状態」であっても、前記電装品によって一定の電力(待機電力)が消費される。
【0003】
ところで、最近の市場では、無駄な電力消費を抑制できる「省エネルギー機能」を備えた電気製品が人気を博している。それに伴い、最近では、給湯装置においても、「省エネルギー機能」が搭載された装置が一般化してきている。例えば、特許文献2には、電源から電装品への通電を遮断可能な電源遮断回路を備え、運転待機中に、当該給湯装置内の電装機器への通電を遮断できる機能を備えた給湯装置が開示されている。これにより、待機電力の消費量の大幅な削減が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−47356号公報
【特許文献2】特許第3536702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した給湯装置を構成する機器に何らかの故障が生じる場合があり、この状態で当該機器に対して通電を続けると、機器が発熱する場合がある。
例えば、送風機は、直流モータを使用する場合が多いが、直流モータの電源回路(スイッチング回路)が故障した場合、当該電源回路に通電を続けると電源回路の基板が発熱する場合がある。
そのため、送風機が異常を来たした場合には、安全動作に移行させ、送風機に対して通電が行われない様にしてしまうことが望ましい。
ここで、前記した「省エネルギー機能」を備えた給湯装置では、電源遮断回路を備えているから、当該電源遮断回路によって送風機に対して通電が行われないようにしてしまうことが考えられる。すなわち、前記した電源遮断回路によって安全動作を実行させる回路構成とすれば、部品点数を増加させることなく、「省エネルギー機能」と安全動作の実行とを行わしめることができる。
【0006】
しかしながら、前記した電源遮断回路は、本来、「省エネルギー機能」を発揮させるために搭載された回路であるから、ただ単に、電源遮断回路を利用して安全動作を行わしめると不具合が生じる。
【0007】
すなわち、従来技術で開示された電源遮断回路は、「省エネルギー機能」を発揮させるために搭載された回路であるから、電源遮断回路を機能させて電源回路を遮断させてしまうと、給湯装置を構成する機器に対して広範に影響が及び、多くの機器が機能停止状態に陥ってしまう。
より具体的に説明すると、電源遮断回路が機能すると、送風機だけでなく、湯水循環ポンプについても起動できなくなってしまう。
そのため、例えば寒冷地において、凍結予防運転を行うべき条件となっても、湯水循環ポンプを起動させることができず、凍結予防運転を実行することができない。
【0008】
すなわち、送風機が故障している場合は、当然に湯水の加熱のための燃焼運転を行うべきではなく、給湯装置の機能を停止させてメンテナンスを行うべきである。
しかしながら、重篤な故障を防止するために、湯水循環ポンプを起動させて凍結防止運転を行うべき場合がある。
すなわち、送風機が故障してる場合は、燃焼を開始させるべきではないが、環境温度が極度に低下している場合は、給湯装置内に残留する水が凍結し、配管やホースが破損する場合がある。その結果、給湯装置内に水漏れが生じ、多くの機器を破損してしまう場合がある。
このような事情により、単に送風機が故障し、送風機の回路基板を交換するだけで、元通りに使用することができたはずのものが、凍結予防運転を行わなかったために、多くの機器を損傷してしまい、給湯装置の全面取り替えを余儀なくされる場合がある。
【0009】
その一方で、電源遮断回路を解除して、湯水循環ポンプに通電を行うと、故障している送風機にも通電されることとなり、安全上の懸念が生じるものであった。
【0010】
したがって、従来技術で開示された電源遮断回路を使用して安全動作を実行中、配管内の湯水の凍結を防止するべく、「凍結防止運転」を強行すれば、電装機器等の異常発熱を引き起こす可能性があり、逆に、安全動作を継続すると、配管内の湯水の凍結を招いてしまうという問題があった。
【0011】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、電源遮断手段を利用して「安全動作」と「凍結防止運転」の双方を安全且つ有効的に実施可能な給湯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するべく提供される請求項1に記載の発明は、少なくとも湯水循環ポンプを含む複数の機器を備えた給湯装置において、前記湯水循環ポンプを含む複数の電気回路への電源供給を停止する電源遮断手段を備え、前記機器に所定の異常が生じた場合には前記電源遮断手段によって前記複数の電気回路への電源供給を停止する安全動作が実行され、前記安全動作の実行中であって前記湯水循環ポンプを駆動するべき条件が成立した場合には、前記電源遮断手段による電源供給の停止を断続的に解除して前記湯水循環ポンプを含む複数の電気回路に対して間欠的に電源供給を行うことを特徴とする給湯装置である。
【0013】
ここで前記した「断続的」の文言と、「間欠的」の文言は、言葉の重複を防ぐために使い分けたに過ぎず、実質的な意味は同一である。
本発明の給湯装置では、機器に所定の異常が生じた場合には、電源遮断手段によって安全動作が実行され、湯水循環ポンプとその他の機器に対する電源供給が遮断される。そのため、機器に異常が生じても安全性は確保される。
その一方で、安全動作の実行中であって前記湯水循環ポンプを駆動するべき条件が成立した場合には、電源遮断手段による電源供給の停止を断続的に解除して、湯水循環ポンプを含む複数の電気回路に対して間欠的に電源供給を行う。そのため通電されている間は湯水循環ポンプが運転される。またこの間は、故障が生じた機器にも電源が供給されるが、電源供給は間欠的であるから、機器が過度に発熱することは無い。そのため、安全動作を実行すべきときに電気回路に電源供給が行われるが、安全性は確保される。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記湯水循環ポンプを駆動するべき条件は、凍結予防運転を行うべき条件であることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置である。
【0015】
かかる構成によれば、凍結防止運転におけるポンプの駆動が、電源断続モード移行への条件の1つとなるため、寒冷地仕様の給湯装置により好適である。
【0016】
請求項3に記載の発明は、複数の機器には送風機を含み、電源遮断手段によって、湯水循環ポンプと送風機への通電が停止される回路構成を有し、送風機に異常が生じた場合に前記安全動作が実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置である。
【0017】
一般的に、送風機は給湯装置の中では大電力を消費する機器の一つであり、異常時に発熱する場合がある。
そのため、本発明の給湯装置では、送風機に異常が生じた場合には、安全動作を実行させるため、安全性が高い。
【0018】
請求項4に記載の発明は、所定の省電力運転開始条件を満たした場合には、電源遮断手段によって前記複数の電気回路への電源供給を停止して省電力モードに移行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置である。
【0019】
かかる構成によれば、本来、待機電力の消費量の削減を図る省電力モードを、安全性を確保する手段としても併用しているため、機能を合理的に使用することができる。これにともなって、かかる機能を採用する場合、プログラムのバージョンアップで完成させることができるため、製造コストの増加を招くことが殆どない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の給湯装置は、湯水循環ポンプとその他の機器への電源供給を間欠的に行うことにより、安全性の確保と、凍結防止等のその他の機能の双方を有効的に実施させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る給湯装置を示す作動原理図である。
図2】制御装置を概念的に示すブロック図である。
図3】制御基板を概念的に示すブロック図である。
図4】電源遮断回路の構成を概念的に示す回路図である。
図5図1の給湯装置の動作を示すフローチャートである。
図6】電源遮断回路と風呂ポンプのオン/オフのタイミングを示すタイムチャート及び電源遮断回路の制御状態に応じて経時的に変化する送風機駆動回路(電源IC)の温度変化を示すグラフである。(電源遮断回路と風呂ポンプのオン/オフ状態を完全に同期した場合)
図7】電源遮断回路と風呂ポンプのオン/オフのタイミングを示すタイムチャートである。(電源遮断回路と風呂ポンプのオンするタイミングのみを同期させた場合)
図8】電源遮断回路の変形例を概念的に示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態に係る給湯装置1について説明する。
本実施形態の給湯装置1は、基本的な構造に関しては、公知のそれと同様である。すなわち、本実施形態の給湯装置1は、一般給湯運転や風呂落とし込み運転、並びに、追い焚き運転等を実施する「通常運転モード」に加えて、湯水の凍結を防止する凍結防止運転、及び、待機電力の消費量を削減する省エネルギー機能及び安全動作実行機能とが備えられている。そして、本実施形態の給湯装置1では、不測の事態が発生した場合において、凍結防止運転と安全動作の双方を有効的に機能させることができる「電源断続モード」が備えられている。
【0023】
まず、本実施形態の給湯装置1の基本的な構造について説明する。
給湯装置1は、図1に示すように、大別して、給湯系統と追い焚き系統を備えた装置であり、燃料ガスを燃料として燃焼する燃焼部7と、その燃焼部7に内蔵された給湯用熱交換部10及び追い焚き用熱交換部11と、給湯流水系統20と、追い焚き流水系統21と、制御装置2を有している。
【0024】
燃焼部7は、複数のバーナ12を内蔵している。そして、燃焼部7は、バーナ12の燃料ガスの流れ方向上流側に電磁弁14が設けられており、各系統毎に燃料ガスの供給を断続することができる構成とされている。また、缶体8の下部(バーナ12よりも空気の流れ方向上流側)には、公知のDCモータを具備した送風機16が取り付けられている。なお、本実施形態では、送風機16の吸気側に、外気温度を検知する図示しない温度検知手段(温度サーミスタ)が設けられている。
【0025】
また、缶体8の外側であって、電磁弁14の燃料ガスの流れ方向上流側には、ガス比例弁15が設けられており、各バーナ12に供給される燃料ガスの量が制御できる構成とされている。
【0026】
給湯流水系統20は、図示しない給水源から供給される湯水をカラン等に導く流路を形成するものであり、給水源から給湯用熱交換部10に湯水を導く低温給水流路25と、給湯用熱交換部10を通過した湯水をカラン等に導く高温給湯流路26と、給湯用熱交換部10をバイパスするバイパス流路27を備えている。また、高温給湯流路26は、湯水を後述する追い焚き流水系統21に導く落とし込み用流路29が接続されている。なお、給湯流水系統20には、符号を省略するが、バイパス流量調整弁等の各種液体用弁が設けられている。
【0027】
追い焚き流水系統21は、浴槽5を含む循環回路19を形成するものであり、浴槽5側から追い焚き用熱交換部11に湯水を戻す風呂戻り流路30と、追い焚き用熱交換部11側から浴槽5側に湯水を送り出す風呂往き流路31を備えている。また、風呂戻り流路30の中途には、公知のDCモータを具備した風呂ポンプ32及び水流センサ34が設けられている。
【0028】
制御装置2は、商用電源からの電力を各電装品(送風機16や風呂ポンプ32、並びに各種弁等)に供給し、さらに通常運転モードに加えて、その他各種モード(特殊運転モード、安全動作並びに、電源断続モード)を実行する際に、各電装品の動作を制御する部分である。すなわち、制御装置2には、図2に示すように、電源基板3と制御基板4とで構成されている。
【0029】
電源基板3は、整流回路及び定電圧回路を含み、交流電源たる商用電源38と接続され、交流電源から直流電源に変換して出力するものであり、その構成は公知のそれと同様である。本実施形態では、15ボルトの機器駆動用直流電源と、5ボルトの回路制御用直流電源として機能する。
【0030】
制御基板4は、電源基板3から直流電源が供給され、各電装品の動作制御するべく、各電装品と電気的に接続されている。すなわち、本実施形態では、制御基板4は、図3に示すように、電源基板3と電気的に接続される機器駆動用電流入力端子33と、制御用電流入力端子35を持つ。また制御基板4には、各電装品を制御するマイコン36と、電源遮断回路(電源遮断手段)6とが備えられている。そして、機器駆動用電流入力端子33は、後述する電源遮断回路6を介して、風呂ポンプ32と送風機16とに接続され、制御用電流入力端子35は、マイコン36に接続されて、それぞれの電源経路(図3の実線)が構成されている。
【0031】
より具体的には、機器駆動用電流入力端子33と、風呂ポンプ32及び送風機16とを繋ぐ電源経路には、電源遮断回路6があり、電源遮断回路6の出力側が分岐されて風呂ポンプ32、送風機16及びその他の機器45が並列接続されている。すなわち、電源遮断回路6の出力端子37から風呂ポンプ32、送風機16及びその他の機器45に給電される。
そして、電源遮断回路6を経由して風呂ポンプ32と送風機16及びその他の機器45に同時に電力を供給できる構成とされている。
【0032】
また、本実施形態における風呂ポンプ32及び送風機16には、入力された直流電流をモータの固定子コイルに順次送電するための公知のスイッチング回路(モータ駆動回路と称される)40、41が設けられている。
すなわち、風呂ポンプ32及び送風機16では、供給された直流電流が、まずスイッチング回路40、41に入力され、その後、DCモータに出力される。また同様に、その他の各電装機器も、いずれかの機器駆動用電流入力端子33、制御用電流入力端子35を介して、電源経路が構成されている。
なお、マイコン36は、従来公知のCPUと、ROMと、RAM等を備えた集積回路であり、各電装品等との間に各電装品等を制御する信号経路(図3の破線)が設けられている。
【0033】
電源遮断回路6は、機器駆動用電流入力端子33から供給される電力の遮断が可能であり、マイコン36からの制御信号に応じて、出力端子37に接続された風呂ポンプ32及び送風機16等に対する通電をオン・オフすることができる。すなわち、電源遮断回路6は、通電を断絶するための回路であり、電源遮断回路6がオフの状態のときに、出力端子37以下が「通電」状態となり、電源遮断回路6がオンの状態のときに、出力端子37以下が「遮断」状態となる。
【0034】
具体的には、電源遮断回路6は、図4に示すように、トランジスタを用いた回路構成とされている。すなわち、電源遮断回路6は、PNP形のトランジスタTrのエミッタ端子に機器駆動用電流入力端子33が接続されると共に、そのトランジスタTrのコレクタ端子に風呂ポンプ32と送風機16が接続され、さらに、トランジスタTrのベース端子にマイコン36からの制御信号が入力されるような構成にされている。なお、図4に示す符号45は、トランジスタTr駆動用のICであり、符号Rは抵抗である。
【0035】
そして、この電源遮断回路6は、給湯装置1が「運転状態」にある場合は、マイコン36からの制御信号により、IC45を介して、トランジスタTrのベース端子に電圧「Lo」が入力され、トランジスタTrが「オン状態(通電状態)」とされる。逆に、給湯装置1がいずれの運転も行わない「待機状態」に移行してその状態が所定時間継続した場合は、マイコン36からの制御信号により、IC45を介して、トランジスタTrのベース端子に電圧「Hi」が入力され、トランジスタTrが「オフ状態(遮断状態)」とされる。このように、電源遮断回路6は、給湯装置1の動作状態に応じた制御信号がマイコン36から入力されることで、風呂ポンプ32へ供給される電力と、送風機16に供給される電力を、同時に遮断したり、再び通電したりすることができる。
【0036】
また、電源遮断回路6は、一種の否定回路であり、前記した様に、電源遮断回路6がオフの状態のときに、出力端子37以下が「通電」状態となり、電源遮断回路6がオンの状態のときに、出力端子37以下が「遮断」状態となるが、以下の説明では、混乱を避けるために、出力端子37の出力状態を基準として説明する。すなわち、以下の説明においては、出力端子37が通電状態であるのか、通電遮断状態であるのかだけを説明する。すなわち、以下の説明において、「通電状態」とは出力端子37から電流が供給され得る状態を言い、「遮断状態」とは、出力端子37から電流が供給されない状態を言うこととする
【0037】
本実施形態の給湯装置1では、電源遮断回路6は、通常、「通電状態」であり、各機器に対して電力を供給できる状態である。
そして、本実施形態の給湯装置1では、安全動作が実行される場合と、省エネモードに入った場合に、「遮断状態」となる。
ただし、省エネモードの場合に、給湯装置1の遠隔操作用リモコン(図示しない)の何らかのスイッチが手動で操作された場合には、「通電状態」に切り替わる。
また、本実施形態では、安全動作が実行されている状態であって、凍結予防運転を実行すべき条件が揃った場合には、「通電状態」と「遮断状態」とが交互に切り替わる。すなわち、安全動作が実行されている状態であって、凍結予防運転を実行すべき条件が揃った場合には、電源遮断回路6による電源供給の停止を断続的に解除して、「通電状態」と「遮断状態」とを交互に繰り返し、電気回路に対して間欠的に電源供給を行う。
【0038】
次に、通常運転モード及び特殊運転モードにおける動作について説明する。
まず、通常運転モードについて説明する。
なお、以下に説明する通常運転モードは、一般給湯運転、風呂落とし込み運転、並びに、追い焚き運転である。
【0039】
一般給湯運転は、カラン等が操作されて出湯要求が発生した場合に、給湯用熱交換部10を通過する湯水を加熱する動作である。すなわち、一般給湯運転は、出湯要求を条件に、燃焼部7における給湯側(図1の右側)のバーナ12を燃焼し、その燃焼によって生成された燃焼ガスで給湯用熱交換部10を加熱して、所望の温度の湯をカラン等から出湯する。
【0040】
風呂落とし込み運転は、出湯要求の発生条件が、一般給湯運転と異なる(リモコン等を介した要求)だけであり、前記一般給湯運転とほぼ同様の動作が実施されるため、説明を省略する。
追い焚き運転は、浴槽5内の湯水を設定温度まで再加熱する動作である、すなわち、追い焚き運転は、浴槽湯水の自動保温運転中に浴槽5内の湯水の温度が所定温度以下であったり、リモコン等による追い焚き運転の要求があれば、追い焚き用熱交換部11を介して、浴槽5内の湯水を設定温度に至るまで加熱する。より具体的には、追い焚き運転の要求があれば、風呂ポンプ32が駆動され、水流センサ34で循環回路19内における水流が確認されたことを条件に、燃焼部7における風呂側のバーナ12が燃焼される。そして、その燃焼によって生成された燃焼ガスで追い焚き用熱交換部11が加熱されて、浴槽5内の湯水が加熱される。なお、風呂ポンプ32を駆動したにも関わらず、水流センサ34で循環回路19内における水流が確認されなければ、燃焼部7は燃焼動作を行うことができないため(追い焚き熱交換部11の空焚き防止のため)、この場合、追い焚き運転が強制的に停止される。
【0041】
続いて、特殊運転モードについて説明する。
なお、以下に説明する特殊運転モードは、上記したように、凍結防止運転と省エネルギー機能(省電力モード)である。
【0042】
特殊運転モードの凍結防止運転(以下、通常の凍結防止運転ともいう)は、所定の条件が満足されると、循環回路19内に水流を形成し湯水の凍結を防止する動作である。具体的には、凍結防止運転は、循環回路19内に所定期間(例えば、30分間)水流が形成されていない状況で、給湯装置1に取り付けられた図示しない温度検知手段が、一定温度よりも低い温度(例えば氷点下よりも僅かに高い温度)を検知したことを条件(以下、凍結防止運転実施条件という)に開始される動作である。
【0043】
そして、凍結防止運転実施条件が満たされると、まず、浴槽5内の湯水の存在の有無が確認される。すなわち、風呂ポンプ32を駆動し、循環回路19内に水流を発生させる。そして、水流センサ34によって、水流が検知されれば、マイコン36が浴槽5内に湯水が存在すると認識して、一定時間(例えば、5分程度)の間、風呂ポンプ32を断続運転する。このとき、燃焼部7の燃焼動作は行わず、電源遮断回路6は通電状態を維持したまま、マイコン36から発せられる制御信号によって、風呂ポンプ32のDCモータを断続動作させる。一方、風呂ポンプ32を駆動したにも関わらず、水流センサ34によって、水流が検知されなければ、マイコン36は浴槽5内に湯水が存在しないと認識するため、風呂ポンプ32の駆動を強制停止して、凍結防止運転を終了する。
【0044】
特殊運転モードの省エネルギー機能は、特定の電装品における待機電力の消費量を抑制する動作である。具体的には、省エネルギー機能は、電源遮断回路6を介して電力が供給される風呂ポンプ32及び送風機16等の待機電力の消費量を抑制できるものであり、それらの機器の動作を伴ういずれの運転も行われていないことを条件に実施される。より詳細には、省エネルギー機能は、通常運転モードに関わる動作のいずれも実施されていない「待機状態」であることを、マイコン36が認識したことを条件に実施される。すなわち、本実施形態では、この「待機状態」に移行し、いずれの運転要求もないまま所定時間経過すると、電源遮断回路6は、「遮断状態」にされる。これにより、風呂ポンプ32及び送風機16等への機器駆動用電流入力端子33からの電力供給が遮断されるため、それらの機器における待機電力の消費量が削減される。
なお、給湯装置1が通常運転モードのいずれかの運転が開始される場合は、省エネルギー機能は解除され、電源遮断回路6は、「通電状態」となって風呂ポンプ32及び送風機16への電力の供給が再開される。
【0045】
次に、安全動作について説明する。
本実施形態では、機器に異常が発生した場合は、安全動作が実行される。
安全動作が実行される条件としては、例えば、送風機16の異常、バーナ12の火炎の異常や不完全燃焼の発生、機器各部の異常高温、各ポンプの異常、各センサーの異常、各弁の異常等があげられる。
【0046】
ここでは、「送風機16の異常」に注目し、その故障判定について付言しておく。
送風機16は、DCモータの回転数を検知する図示しないホール素子等を有し、燃焼量に応じた送風量に制御するべく、回転数制御が行われる。しかしながら、送風機16に何らかの不具合、例えばスイッチング回路41の電源ICや回転フィンの破損等が生じていれば、所望の回転数に制御できない(回転数が著しく低くなる等)場合がある。
そこで、本実施形態では、送風機16の回転数を常時監視し、マイコン36において、その検知した回転数と、予め記憶された燃焼量に応じた回転数とを比較することで、送風機16の故障判定を行っている。なお、マイコン36では、こうして得られた故障情報等を記憶されるが、修理や交換時に人為的に消去することが可能である。
【0047】
こうして、送風機16の故障が検出されると、安全動作が実行される。
安全動作が実行されると、電源遮断回路6は、「遮断状態」となり、各送風機16その他に供給される電力供給が停止される。
ただし、リモコンに供給される15ボルトのリモコン用直流電源は、電源遮断回路6によって、遮断されることがないから、マイコン36等には電力が供給される。そして、安全動作が実行されると、リモコン等の表示面に所定の表示が現れる。また、それと同時にあるいは替えて、音声等による報知が行われる場合もある。
【0048】
次に、特徴的機能たる「電源断続モード」について説明する。
ここで、先にも説明したように、従来においては、2以上の電装品に対して1つの電源遮断回路6を介して電力が供給されている場合に、安全動作が実行されている状況においては、「凍結防止運転」を有効的に実施することが困難であった。すなわち、その2つの電装品が風呂ポンプ32と送風機16であって、送風機16が何らかの原因で故障した状況下であり、このような場合には、安全運転が実行されて電源遮断回路6は、「遮断状態」となり、風呂ポンプ32に給電することができない。
そして、この状況の中、凍結防止運転を実行するには、電源遮断回路6を「通電状態」にする必要があるが、この「通電状態」にすることによって、風呂ポンプ32だけでなく、送風機16に対しても電力が供給されてしまう。このため、凍結防止運転が実施されると、故障状態の送風機16に電流が流れ、スイッチング回路41が発熱してしまう場合があった。そこで、このような不具合を解消するべく、凍結防止運転を行わない制御を付加することが勘案されるが、凍結防止運転を行わなければ、配管内の湯水が凍結してしまい、配管が破裂してしまうおそれがあるため、凍結防止運転を実施不能にする制御は現実的ではなかった。
【0049】
そこで、本実施形態の給湯装置1は、送風機16が故障した状況下で、凍結防止運転を行う場合において、前記した「安全動作」に替えて、「電源断続モード」に移行する機能が備えられている。すなわち、この「電源断続モード」は、電源遮断回路6を断続し、通電状態と遮断状態を所定のタイミングで切り換える機能である。
以下、「電源断続モード」の凍結防止運転について、図5のフローチャートに従って説明する。
【0050】
すなわち、図5のフローチャートのステップ1において、安全動作が実行中であるか否かが判断される。
ステップ1で安全動作が実行中であることが確認されると、ステップ2に移行して、凍結防止運転実施条件が成立したか否かが確認される。すなわち、前記したように、循環回路19内に所定期間水流が形成されていない状況で、給湯装置1に取り付けられた図示しない温度検知手段が、一定温度よりも低い温度(例えば氷点下よりも僅かに高い温度)を検知したか否かが確認される。
【0051】
そして、ステップ2で、凍結防止運転実施条件の成立が確認されると、ステップ3に移行して、電源断続モードにモードが変更される。ここで、「電源断続モード」は、電源遮断回路6を断続し、通電状態と遮断状態を所定のタイミングで切り換えるモードであるから、電源遮断回路6が通電状態となる期間がある。
【0052】
すなわち、ステップ2以降は、一定時間(例えば、17分)、電源遮断回路6の通電状態を断続させる。つまり、一定時間(例えば、17分)の間は、電源遮断回路6を断続し、通電状態と遮断状態が所定のタイミングで切り換えられる。
【0053】
例えば、電源遮断回路6を断続し、通電状態1分間、遮断状態を3分間実施し、これを17分間に渡って繰り返す。
これにより、風呂ポンプ32及び送風機16への電力供給が断続する。すなわち、風呂ポンプ32及び送風機16には、1分の間、電力が供給可能な通電状態が継続し、
その後、3分の間、電力の供給が停止した遮断状態が継続し、さらにその後、再び1分の間、通電状態が継続されるという一連のサイクルが、前記一定時間が経過するまで実施される。
このように、電源断続モードでは、4分サイクルでその内の1分だけ通電状態となる。
【0054】
そして、ステップ4に移行して「電源断続モード」の元で風呂ポンプ32を駆動する。すなわち、前記した様に、電源断続モードでは、4分サイクルでその内の1分だけ通電状態となるので、通電された1分の間だけ風呂ポンプ32が駆動する。そして、水流センサ34がオン信号を生成したか否かが確認される(ステップ5)。すなわち、ステップ5では、浴槽5内に湯水が存在するか否かが確認される。そして、ステップ5で水流センサ34のオン信号が確認されると、浴槽内に湯水が存在すると判断して、ステップ6に移行し、凍結防止運転が実行される。すなわち、電源断続モードの元で、凍結防止運転が実施される。
【0055】
凍結防止運転が実施されると、前記したように、一定時間の間、風呂ポンプ32を断続運転する。ここで、前記したように、「電源断続モード」では、4分サイクルでその内の1分だけ通電状態となるので、風呂ポンプ32が駆動するのは、風呂ポンプ32が起動状態であって且つ電源遮断回路6が通電状態の場合に限られるから、風呂ポンプ32の一回の駆動時間は短いものとなる。そのため「電源断続モード」の元での凍結防止運転は、通常の場合に比べて長時間に渡って実行されることが望ましい。
【0056】
あるいは、電源遮断回路6の通電状態と遮断状態との切替えタイミングと、凍結防止運転における風呂ポンプ32のオン・オフのタイミングとを同期させてもよい。すなわち、凍結防止運転においては、風呂ポンプ32は、所定の間隔で、駆動(オン)状態と停止(オフ)状態が交互に切り換えられる。例えば、風呂ポンプ32の駆動と停止のそれぞれの時間としては、電源遮断回路6のオンとオフの時間とほぼ同一の時間となるように設定することができる。すなわち、駆動状態を1分間とし、停止状態を3分間とする設定である。これにより、図6に示すように、電源遮断回路6が通電状態のタイミングと、風呂ポンプ32の駆動のタイミングをほぼ一致させることができ、また、電源遮断回路6が遮断状態のタイミングと、風呂ポンプ32の停止のタイミングをほぼ一致させることができる。
なお、本発明では、電源遮断回路6の通電状態と遮断状態の時間と、風呂ポンプ32の駆動と停止の時間を、同一の時間に設定することなく、図7(a)、(b)に示すように、相互に異なる時間にした設定であっても構わない。
そして、ステップ6で一定時間、電源断続モードの元での凍結防止運転が実施されると、ステップ7に移行し、凍結防止運転を終了すると共に電源断続モードを終了し、ステップ8に移行して安全動作に戻す。
なお、ステップ2で凍結防止運転実施条件が成立しなかった場合や、ステップ5で水流センサ34がオン信号を生成したことが確認されず風呂ポンプ32の駆動が停止(ステップ12)された場合においては、再びステップ1からの動作が実行される。
【0057】
一方、ステップ1で安全動作の実行が確認されなかった場合、ステップ9に移行し、いずれかの電装品の異常の有無が確認され、故障状態の電装品が確認されれば、安全動作を実行して、ステップ1からの動作が実行され、故障状態の電装品が確認されなければ、正常時の待機状態に移行する。
【0058】
このように、本実施形態では、電源断続モードに移行して、凍結防止運転が実施されると、風呂ポンプ32を断続運転するだけでなく、その風呂ポンプ32に供給する電力も断続されるため、凍結防止運転を継続した上で、送風機16に供給される電力を断続することができる。これにより、送風機16が故障した状況下で、凍結防止運転が実施された場合であっても、送風機16のスイッチング回路41が、昇温し続けることはない。すなわち、送風機16のスイッチング回路41は、電源遮断回路6が通電状態のときだけ通電し、電源遮断回路6が遮断状態になれば通電されなくなるため、凍結防止運転の実施の最中であっても、図6に示すように、当該スイッチング回路41の温度が降下し得る環境を形成することができる。
したがって、本実施形態では、省エネルギー機能を発揮するべく、風呂ポンプ32と送風機16の双方に供給される電力を同時に遮断する電源遮断回路6を備えた構成であっても、凍結防止運転を好適に実施させることができる。すなわち、本実施形態では、「電源断続モード」によって、「凍結防止運転」と「安全動作」の双方を安全且つ有効に実施することができる。
【0059】
上記実施形態では、電源遮断回路6として、トランジスタTrを採用した遮断回路を示したが、本発明はこれに限定されず、リレー回路を用いた遮断回路であっても構わない。すなわち、図8に示すように、電源遮断回路50は、機器駆動用電流入力端子33から電力が供給される電源経路上であって、機器駆動用電流入力端子33と風呂ポンプ32や送風機16等との間に設けられたリレー接点51と、このリレー接点51を駆動する図示しないリレー駆動回路とで構成されている。これにより、電源遮断回路50は、マイコン36からの制御信号が入力されると、リレー駆動回路の動力によって、リレー接点51が開閉し、電力の通電状態と遮断状態の切り替えを行う。すなわち、電源遮断回路50は、上記したトランジスタTrを用いた遮断回路と同様、風呂ポンプ32へ供給される電力と、送風機16に供給される電力を、同時に遮断したり、再び通電したりすることができる。
【0060】
上記実施形態では、送風機16の回転数を基準に、送風機16の故障判定を行う構成を示したが、本発明はこれに限定されず、送風機16に通電される回転数に応じた電流値を基準として、故障判定を行う構成であっても構わない。
【0061】
上記実施形態では、1ファン型の給湯装置1に電源断続モードを備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、給湯系統と風呂・追い焚き系統のそれぞれに1つのファンが設けられた2ファン型の給湯装置に電源断続モードを備えた構成であっても構わない。
【0062】
上記実施形態では、外気温度を検出する温度検知手段を、送風機16の吸気側に設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、給湯装置1のケーシング等の外側に取り付けた構成であっても構わない。要するに、外気温度が検知できる場所であればいかなる場所に取り付けても構わない。
また、本発明では、凍結防止運転を実施する条件の1つとして、外気温度に替えて、給湯流水系統20の水の温度、又は、循環回路19内の湯水の温度を採用しても構わない。
【0063】
また、上記実施形態では、制御基板4に設けた電源遮断回路6、50を介して、各電装品への電源供給を遮断する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、電源基板にそのような機能を付加することで、同様の作用効果を発揮させる構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0064】
1 給湯装置
2 制御装置
4 制御基板
6、50 電源遮断回路
16 送風機
19 循環回路
32 風呂ポンプ(湯水循環ポンプ)
33 機器駆動用電流入力端子
41 スイッチング回路
51 リレー接点
Tr トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8