特許第5984043号(P5984043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5984043テンプレート処理プログラム及びテンプレート処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984043
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】テンプレート処理プログラム及びテンプレート処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/24 20060101AFI20160823BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   G06F17/24 680
   B41J21/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-79823(P2012-79823)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210780(P2013-210780A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(72)【発明者】
【氏名】河合 美奈
【審査官】 長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0313209(US,A1)
【文献】 国際公開第2004/027624(WO,A1)
【文献】 特開2007−172618(JP,A)
【文献】 特開2002−247646(JP,A)
【文献】 特開2009−093243(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0327934(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0111791(US,A1)
【文献】 特開2000−318251(JP,A)
【文献】 デジタル派必見! 映像や音楽をキレイに保存するためのオールマイティラベル作成ソフト ラベルマイティ4登場!,CLICK,日本,日経BP社,2003年12月 8日,第10巻第12号,p.58-59
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/20−28
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字オブジェクトが所定の配列で割り付けられて構成されたテンプレートを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置と、前記テンプレートについて互いに異なる種類の言語を用いた複数の言語版が用意され記憶されているサーバと、に情報送受信可能に接続され、かつ、操作者が操作可能な操作手段、所望の表示を行う表示手段、演算手段、及び記憶手段を備えた操作端末の前記演算手段に対し、
前記表示手段に、複数の言語種類を同時選択可能とするように並べて表示する表示手順と、
前記表示手段に表示された複数の言語種類に対して、前記操作手段を介した、操作者による少なくとも1つの言語種類の選択を受け付ける言語選択受け付け手順と、
前記サーバに記憶されている前記複数の言語版のテンプレートのうち、前記言語選択受け付け手順で受け付けた前記言語種類の前記言語版を含む、少なくとも1つのテンプレートを、前記サーバよりダウンロードするダウンロード手順と、
前記ダウンロード手順でダウンロードした前記テンプレートに関して、前記テンプレートの複数言語版を各言語ごとのシートにする手順であって、当該言語の言語名を表記するタブを備えたシートにするシート化手順と、
前記シート化手順で生成された各言語版の各シートを1つのファイルに合成した合成ファイルを生成する合成ファイル生成手順と、
前記合成ファイル生成手順で生成した前記合成ファイルを、前記記憶手段に対し読み出し可能に格納する格納手順と、
を実行させるためのテンプレート処理プログラム。
【請求項2】
請求項1記載のテンプレート処理プログラムにおいて、
前記合成ファイル生成手順では、
前記ダウンロード手順でダウンロードされた前記テンプレートに関し、少なくとも1つの言語版が既に前記記憶手段に格納されていた場合には、前記ダウンロードされたときに含まれていた言語版と前記記憶手段に格納されていた言語版とを合わせた前記複数の言語版を、同一言語版の重複を回避しつつ1つのファイルに合成する
ことを特徴とするテンプレート処理プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のテンプレート処理プログラムにおいて、
前記合成ファイル生成手順では、
合成対象となる前記複数の言語版のシートを、所定の規則性に沿って並べ替えつつ前記1つのファイルへの合成を行う
ことを特徴とするテンプレート処理プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のテンプレート処理プログラムにおいて、
前記演算手段に対し、さらに
前記操作手段を介した、操作者による1つの機種名の選択を受け付ける機種選択受け付け手順と、
前記操作手段を介した、操作者による1つのテンプレートカテゴリの選択を受け付けるカテゴリ選択受け付け手順と、
を実行させ、
前記ダウンロード手順では、
前記サーバに記憶されている前記複数のテンプレートのうち、前記機種選択受け付け手順で受け付けた機種名に対応し、かつ前記カテゴリ選択受け付け手順で受け付けたカテゴリに属し、かつ前記言語選択受け付け手順で受け付けた前記言語種類の前記言語版を含む、少なくとも1つのテンプレートを、前記サーバよりダウンロードする
ことを特徴とするテンプレート処理プログラム。
【請求項5】
印字オブジェクトが所定の配列で割り付けられて構成されたテンプレートを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置と、前記テンプレートについて互いに異なる言語を用いた複数の言語版が用意され記憶されているサーバと、に情報送受信可能に接続され、かつ、操作者が操作可能な操作手段、所望の表示を行う表示手段、及び記憶手段を備えた操作端末が実行する、テンプレート処理方法であって、
前記表示手段に、複数の言語種類を同時選択可能とするように並べて表示する表示手順と、
前記表示手段に表示された複数の言語種類に対して、前記操作手段を介した、操作者による少なくとも1つの言語種類の選択を受け付ける言語選択受け付け手順と、
前記サーバに記憶されている前記複数の言語版のテンプレートのうち、前記言語選択受け付け手順で受け付けた前記言語種類の前記言語版を含む、少なくとも1つのテンプレートを、前記サーバよりダウンロードするダウンロード手順と、
前記ダウンロード手順でダウンロードした前記テンプレートに関して、前記テンプレートの複数言語版を各言語ごとのシートにする手順であって、当該言語の言語名を表記するタブを備えたシートにするシート化手順と、
前記シート化手順で生成された各言語版の各シートを1つのファイルに合成した合成ファイルを生成する合成ファイル生成手順と、
前記合成ファイル生成手順で生成した前記合成ファイルを、前記記憶手段に対し読み出し可能に格納する格納手順と、
を有することを特徴とするテンプレート処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字ラベル作成装置を操作可能な操作端末において実行される、テンプレート処理プログラム及びテンプレート処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパソコン等の操作端末からの操作により、所望の印字ラベルを作成する印字ラベル作成システムが、既に知られている(特許文献1参照)。このシステムでは、操作者が操作端末(コンピュータ装置)を操作して作成したい印字ラベル(粘着材付ラベル)の印字内容を特定すると、対応する印字データが操作端末から印字ラベル作成装置(テープ印字装置)へと送信される。そして、印字ラベル作成装置に備えられた印字手段(サーマルヘッド)によって当該印字データに対応した印字が被印字媒体(ラミネートフィルム)に対し実行され、印字ラベルが作成される。
【0003】
上記のように操作端末を印字ラベル作成装置に接続して印字ラベルを作成するとき、印字ラベルに印字するテキストや図像等の印字オブジェクトをすべてマニュアルで設定するのは、非常に煩雑である。そこで、この従来技術では、通常、複数の印字オブジェクト配置枠が所定の態様で割り付けられた、いわゆるテンプレートが複数種類用意されている。操作者は、自らが意図する印字態様に適したテンプレートを選択し、当該テンプレートにおける印字オブジェクト配置枠に対し、所望のテキスト等を割り当てることにより、容易に所望の印字ラベルを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−99261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、市場の国際化に対応し、例えば印字ラベル作成装置のメーカにより、1つの上記テンプレートについて、互いに異なる種類の言語を用いた複数の言語版(日本語版、英語版、フランス語版、等)が用意される場合がある。各テンプレートのこれら複数の言語版は、例えばサーバに予め用意され、記憶されている。しかしながら、通常、上記複数の言語版は、同一内容のテンプレートであってもそれぞれ別個のファイルとなっていることが多い。この結果、操作者が1つのテンプレートの2種類以上の言語版を取得したい場合には、各言語ごとにサーバからダウンロードする必要があり、またダウンロード後にも別々のファイルとなっていることから、非常に面倒であった。
【0006】
本発明の目的は、操作者が1つのテンプレートの2種類以上の言語版を取得する場合の、利便性を向上できるテンプレート処理プログラム及びテンプレート処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、印字オブジェクトが所定の配列で割り付けられて構成されたテンプレートを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置と、前記テンプレートについて互いに異なる種類の言語を用いた複数の言語版が用意され記憶されているサーバと、に情報送受信可能に接続され、かつ、操作者が操作可能な操作手段、所望の表示を行う表示手段、演算手段、及び記憶手段を備えた操作端末の前記演算手段に対し、前記表示手段に、複数の言語種類を同時選択可能とするように並べて表示する表示手順と、前記表示手段に表示された複数の言語種類に対して、前記操作手段を介した、操作者による少なくとも1つの言語種類の選択を受け付ける言語選択受け付け手順と、前記サーバに記憶されている前記複数の言語版のテンプレートのうち、前記言語選択受け付け手順で受け付けた前記言語種類の前記言語版を含む、少なくとも1つのテンプレートを、前記サーバよりダウンロードするダウンロード手順と、前記ダウンロード手順でダウンロードした前記テンプレートに関して、前記テンプレートの複数言語版を各言語ごとのシートにする手順であって、当該言語の言語名を表記するタブを備えたシートにするシート化手順と、前記シート化手順で生成された各言語版の各シートを1つのファイルに合成した合成ファイルを生成する合成ファイル生成手順と、前記合成ファイル生成手順で生成した前記合成ファイルを、前記記憶手段に対し読み出し可能に格納する格納手順と、を実行させる。
【0008】
印字ラベル作成装置において印字ラベルが作成されるとき、印字ラベルに印字するテキスト等の内容をすべてマニュアルで設定するのは、非常に煩雑である。そこで、通常、複数の上記テキスト等の印字オブジェクトが所定の態様で割り付けられた、いわゆるテンプレートが用いられる。操作者は、自らが意図する印字態様に適したテンプレートを選択して使用することにより、容易に所望の印字ラベルを作成することができる。
【0009】
本願発明では、サーバからダウンロードするテンプレートについて、同一内容のテンプレートであれば複数の言語版を1つのファイルに合成可能とした。すなわち、本願発明のテンプレート処理プログラムが操作端末の演算手段で実行されると、まず、言語選択受け付け手順で、操作者による言語種類の選択が受け付けられる。
【0010】
その後、ダウンロード手順で、上記のように予めサーバに記憶されている複数の言語版のテンプレートのうち、上記言語選択受け付け手順で受け付けた言語種類の言語版を含む、少なくとも1つのテンプレートが、ダウンロードされる。そして、合成ファイル生成手順で、上記ダウンロードしたテンプレートの、互いに異なる種類の言語による複数の言語版を含む、1つの合成ファイルが生成される。生成された合成ファイルは、格納手順で、操作端末の記憶手段に格納される。
【0011】
以上のようにして、本願発明によれば、サーバからダウンロードされたテンプレートに含まれる複数種類の言語版が合成された1つの合成ファイルが生成され、各テンプレートは、その合成ファイルの形で(言い換えれば複数言語版が1つのファイルとなって)格納される。この結果、操作者が1つのテンプレートの2種類以上の言語版を取得したい場合であっても、サーバから一括してダウンロードすることができる。また当該ダウンロード後においても、複数種類の言語版が1つのファイル中に一括して含まれていることから、テンプレートの読み出し時やその他の取り扱い時においても、別々のファイルとなっている従来に比べて利便性が高い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作者が1つのテンプレートの2種類以上の言語版を取得する場合の、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ情報処理システムの概略を表すシステム構成図である。
図2】コンテンツ情報処理システムの詳細機能を表す機能ブロック図である。
図3】テンプレートのインストール時における操作端末の表示部の表示例を表す図である。
図4】ドイツ語版、英語版、フランス語版を含む同一内容の合成ファイルに基づく操作端末の表示部の表示例を表す図である。
図5】操作端末のCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
図6図5のステップS11のマージ処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図7】EEPROMに格納された合成ファイルをツリー構造で表す概念図である。
図8】別言語版を追加でダウンロードし合成ファイルを生成する変形例において、テンプレートのインストール時における操作端末の表示部の表示例を表す図である。
図9】ドイツ語版、英語版、フランス語版を含む合成ファイルに新たにスペイン語版を追加した合成ファイルに基づく、操作端末の表示部の表示例を表す説明図である。
図10】EEPROMに格納された合成ファイルをツリー構造で表す概念図である。
図11】操作端末のCPUによって実行される制御手順のうち、マージ処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<システム概略構成>
本実施形態のテンプレート処理方法を実行する、コンテンツ情報処理システム全体の構成を図1及び図2により説明する。
【0016】
図1において、コンテンツ情報処理システム1は、コンテンツサーバSVと、例えば汎用パーソナルコンピュータで構成される操作端末2と、例えばUSB等のインターフェースを介して操作端末2に接続されたラベルプリンタ3(印字ラベル作成装置)とを有している。そして、コンテンツサーバSV、操作端末2、及びラベルプリンタ3は、ネットワークNWを介して互いに接続されている。なお、本実施形態では、コンテンツとして、ラベルプリンタ3での印字ラベルLの作成に用いられるテンプレートT(詳細は後述)が、コンテンツサーバSVから操作端末2を介してラベルプリンタ3に提供される場合を例にとって説明する。ラベルプリンタ3は、操作端末2との間で各種の情報と指示信号を送受し、操作端末2での操作に基づき所望の文字や図形などの印字を備えた印字ラベルLを作成する。
【0017】
操作端末2は、図2に示すように、CPU12(演算手段)と、例えばRAMやROM等からなるメモリ13と、EEPROM16(記憶手段)と、操作者である操作者からの指示や情報が入力される操作部14(操作手段)と、各種情報やメッセージを表示する表示部17(表示手段)と、ネットワークNWを介してラベルプリンタ3との情報信号の授受の制御を行う通信制御部15と、を備えている。
【0018】
コンテンツサーバSVは、図2に示すように、CPU120と、例えばRAMやROM等からなるメモリ130と、ネットワークNWを介して操作端末2及びラベルプリンタ3との情報信号の授受の制御を行う通信制御部150と、ハードディスク装置からなり各種情報を記憶する大容量記憶装置160と、を備えている。
【0019】
CPU120及びCPU12は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。CPU12は、上記信号処理により、ラベルプリンタ3との間で、ネットワークNWを通じて各種の指示信号・情報信号の送受を行う。CPU120は、上記信号処理により、操作端末2との間で、ネットワークNWを通じて各種の指示信号・情報信号の送受を行う。
【0020】
ラベルプリンタ3は、図2に示すように、被印字媒体としてのテープ(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)203を巻回したテープロール204を着脱可能な(又はテープロール204を備えたカートリッジを着脱可能な)テープロールホルダ部210と、このテープロール204から繰り出されたテープ203に所望の印字を行う印字ヘッド205と、印字が終了したテープ203を所定の長さに切断して印字ラベルL(図1参照)とするカッタ207と、印字ヘッド205に対向して設けられ、制御回路202により制御されてテープロール204からのテープ203を搬送する搬送装置209と、を有する。また制御回路202は、通信制御部208を介しネットワークNWによって操作端末2の通信制御部15及びコンテンツサーバSVの通信制御部150と接続されており、操作端末2及びコンテンツサーバSVと情報の送受が可能となっている。
【0021】
<テンプレート>
操作端末2からラベルプリンタ3を操作して印字ラベルLが作成されるとき、印字ラベルLに印字するテキスト等の内容をすべてマニュアルで設定するのは、非常に煩雑である。そこで、本実施形態では、複数の上記テキスト等の印字オブジェクトの配置枠が所定の態様(配列)で割り付けられた、いわゆるテンプレートT(後述の図4等を参照)が用意される。操作者は、自らが意図する印字態様に適したテンプレートを選択して使用することにより、容易に所望の印字ラベルを作成することができる。
【0022】
本実施形態では、コンテンツサーバSVの大容量記憶装置160に、予め作成されアップロードされた、複数種類のテンプレートTが記憶されている。各テンプレートTは、操作端末2の操作部14における適宜の操作者の操作(後述)により、大容量記憶装置ラベルイメージメモリ220から読み出されてネットワークNWを介し操作端末2へダウンロードされ、インストールされる(なお、ラベルプリンタ3の制御回路202内の適宜のメモリに直接インストールされるようにしてもよい)。
【0023】
<テンプレートの言語版の詳細及び問題点>
ここで、近年の市場の国際化に対応し、例えばラベルプリンタ3のメーカにより、1つの上記テンプレートTについて、互いに異なる種類の言語を用いた複数の言語版(日本語版、英語版、フランス語版、等)が用意される場合がある。各テンプレートTのこれら複数の言語版は、例えばコンテンツサーバSVに予め用意されている。すなわち、コンテンツサーバSVの例えば大容量記憶装置160には、予め、全テンプレートTについての複数の言語版が用意され、記憶されている。しかしながら、通常、上記複数の言語版は、同一内容のテンプレートTであってもそれぞれ別個のファイル(このような、テンプレートを含むファイルを以下適宜、「テンプレートファイル」という)となっていることが多い。この結果、操作者が1つのテンプレートTの2種類以上の言語版を取得したい場合には、各言語ごとにコンテンツサーバSVからダウンロードする必要があり、またダウンロード後にも別々のテンプレートファイルとなっていることから、非常に面倒であった。
【0024】
<本実施形態の特徴>
本実施形態の特徴は、上記に対応し、操作者が、同一内容のテンプレートTの2種類以上の言語版を一括してダウンロードし、かつそれら複数の言語版を1つのテンプレートファイルに合成可能としたことにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0025】
図3に、本実施形態において、上記テンプレートTのインストールを行う際に、操作端末2の表示部17に表示される入力操作画面17Aを示す。この入力操作画面17Aには、ラベルプリンタ3の機器識別情報(この例では機種名)を選択可能に表示する機器表示ボックス17aと、「転送」ボタン17bと、「閉じる」ボタン17cと、テンプレートTのカテゴリグループ(詳細は後述)をリスト表示する一覧ボックス17dと、「リスト更新」ボタン17eと、各テンプレートTに対応したプレビュー画像P及び説明文Wが表示される表示欄17fと、が設けられている。
【0026】
また、本実施形態の最大の特徴として、同一内容のテンプレートTの2種類以上の言語版を選択するための、複数種類の言語を選択可能に表示する言語表示ボックス17gが設けられている。言語表示ボックス17gには、複数種類の言語(この例では英語、ドイツ語、フランス語、日本語、スペイン語、…等)が、複数言語を同時選択可能に表示される。
【0027】
操作者は、操作部14を適宜に操作し、上記機器表示ボックス17aで適宜のラベル作成装置3の機種(この例では「PT−2730」)を選択した後、上記言語表示ボックス17g表示された言語のうち複数を選択する。この例では、言語表示ボックス17gにおいて、操作者が上記テンプレートTの複数言語版を希望する言語として、英語、ドイツ語、フランス語の3つの言語がチェックボックスの入力により選択されている。
【0028】
上記の選択により、当該選択された機種及び言語に対応したテンプレートTがコンテンツサーバSVにおいて検索され、検索結果が上記一覧ボックス17dに表示される。本実施形態では、テンプレートTは、たとえば用途別に複数のカテゴリグループにグループ化されており、各カテゴリグループに複数のテンプレートTが対応付けられている。この例では、「Doctor’s Office」「Eco」「Files」…等の複数のカテゴリグループ名が(例えばアルファベット順に)、バージョン名やサイズと共に上記一覧ボックス17dにおいてリスト表示される。
【0029】
操作者は、操作部14を適宜に操作し、上記のようにして一覧ボックス17dに表示されたカテゴリグループ(テンプレートカテゴリ)のいずれかを選択する。この例では、一覧ボックス17dで「Doctor’s Office」のカテゴリグループ名がチェックボックスの入力により選択されている。この選択後に上記「転送ボタン」17bが操作されることで、コンテンツサーバSVから、当該選択されたカテゴリグループの全テンプレートTの、上記選択された複数の言語版(この例ではドイツ語、英語、及びフランス語)が一括してダウンロードされる。上述したように、その際、同一内容のテンプレートTの、上記ドイツ語版、英語版、フランス語版は、もともとそれぞれが別ファイルとしてダウンロードされた後、1つのテンプレートファイルに合成される(以下適宜「合成ファイル」という)。
【0030】
図4(a)に、上記のようにして「ドイツ語」「英語」「フランス語」の3つが選択され、かつカテゴリグループ「Doctor’s Office」が選択されたときに、操作端末2の上記表示部17に表示される、テンプレート表示画面の例を示す。
【0031】
図4(a)に示すテンプレート表示画面17Bでは、所定内容の(この例では「診察室」の内容)の印字Rがドイツ語表記されたドイツ語版のテンプレートT1を含む第1シートD1と、同じ「診察室」の内容の印字Rが英語表記された英語版のテンプレートT2を含む第2シートD2と、同じ「診察室」の内容の印字Rがフランス語表記されたフランス語版のテンプレートT3を含む第3シートD3と、が1つのテンプレートファイルに合成される形で組み込まれている。
【0032】
各シートD1,D2,D3はそれぞれ下端部にタブFT1,FT2,FT3を備えており、操作者が操作部14を介してタブFT1〜FT3のいずれかを選択することで,対応するシートD1〜D3のいずれかが前面に表示される(相互に表示切り替えが可能である)。図4(a)は、タブFT1が選択されることで上記ドイツ語表記の印字Rを含む第1シートD1が表示された状態を示している。図4(b)は、上記タブFT2が選択されることで上記英語表記の印字Rを含む第2シートD2が表示された状態を示している。図4(c)は、タブFT3が選択されることで上記フランス語表記の印字Rを含む第3シートD3が表示された状態を示している。
【0033】
このとき、上記各シートD1〜D3の重なり順序(言い換えればタブFT1〜FT3の左右配列順序)は、この例では、所定の規則性としての言語のアルファベット順に沿って並べられている。すなわち最初の文字が「D」であるドイツ語表記のシートD1のタブFT1が最も左側に位置し、最初の文字が「E」である英語表記のシートD2のタブFT2がその次に位置し、最初の文字が「F」であるフランス語表記のシートD3のタブFT3が最も右側に位置している。
【0034】
なお、上記各シートD1〜D3の重なり順序(言い換えればタブFT1〜FT3の左右配列順序)に適用する順序として、例えばテンプレートTの長さ順、あるいはテンプレートTの作成時経列順等、他の所定の規則性を用いて並べ替えても良い。
【0035】
なお、テンプレート表示画面17Bの上側には、上記カテゴリグループに含まれる複数のテンプレートTから適宜の操作により選択された、当該テンプレートTを含むテンプレートファイルのファイル名を表すファイルタイトルバーTBと、前述の機種名を表示する機種名表示欄Aと、テンプレートTを用いたラベル作成をラベルプリンタ3に対し指示するための印刷ボタンBと、テンプレートTを用いたテキスト入力時における各種設定を行うための設定欄Cと、等が設けられている。図4(a)〜図4(c)のタイトルバーTBに示すように、この例では、上記操作部14での適宜の操作によって、カテゴリグループ「Doctor’s Office」に含まれる1つの内容のテンプレートファイル(ファイル名「examinationroom1」)が選択され、表示されている。
【0036】
<制御手順>
上述した手法による本実施形態のテンプレート処理方法を実行するために、操作端末2のCPU12が、メモリ13の上記ROMに記憶されたテンプレート処理プログラムにより実行する制御手順を、図5に示す。
【0037】
まず、ステップS1において、CPU12は、既にメモリ13内に記憶されているラベルプリンタ3の複数の機種名(たとえばインストール済みのプリンタドライバに対応した機種名)を、上記表示部17の入力操作画面17Aの機器表示ボックス17aに表示(この例ではプルダウン表示)する。
【0038】
その後、ステップS2において、CPU12は、操作者の操作部14での適宜の操作により、機器表示ボックス17aからラベルプリンタ3の1つの機種名の選択がなされたか否かを判定する。選択されなければステップS2の判定が満たされず(S2:NO)、ステップS1に戻って同様の手順を繰り返す。1つの機種が選択された場合はステップS2の判定が満たされて(S2:YES)、ステップS3に移行する。このステップS2が各請求項記載の機種選択受付手順に相当する。なお、機種選択の必要がない場合か、別途の手段で自動的に機種が決定される場合には、上記ステップS1とこのステップS2とを省略してもよい。
【0039】
その後、ステップS3で、CPU12は、入力操作画面17Aの上記言語表示ボックス17gに、複数の異なる言語(たとえば、英語、ドイツ語、フランス語、日本語、スペイン語、…等)を表示する。
【0040】
そして、ステップS4で、CPU12は、ステップS3で表示した複数の異なる言語のうち、いずれか少なくとも1つの言語が選択されたかどうかを判定する。いずれの言語も選択されなければステップS4の判定が満たされず(S4:NO)、ステップS3に戻って同様の手順が繰り返される。少なくとも1つの言語が選択された場合はステップS4の判定が満たされて(S4:YES)、ステップS5に移行する。このステップS4が各請求項記載の言語選択受付手順に相当する。
【0041】
その後、ステップS5で、CPU12は、ステップS2で選択されたラベルプリンタ3の機種名とステップS4で選択された言語とを、コンテンツサーバSVへ送信する。これにより、コンテンツサーバSVのCPU120は、大容量記憶装置160に予め記憶されている複数のテンプレートTのうち、上記受け付けた機種名に対応するとともに上記受け付けた言語種類の言語版を含むテンプレートTを検索する。そして、コンテンツサーバSVのCPU120は、上記検索結果に対応したテンプレートリスト(上記受け付けた機種名に対応するとともに上記受け付けた言語種類の言語版を含むテンプレートファイルのリスト)を生成し、操作端末2へ送信する。
【0042】
そして、ステップS6では、CPU12は、上記コンテンツサーバSVのCPU120で生成された上記テンプレートリストを通信制御部15を介し受信したか否かを判定する。上記テンプレートリストが受信されるまではステップS6の判定が満たされず(S6:NO)、判定が満たされるまでループ待機する。テンプレートリストが受信された場合はステップS6の判定が満たされ(S6:YES)、ステップS7に移行する。
【0043】
ステップS7では、CPU12は、上記ステップS6でリスト形式で受信された全テンプレートファイルを、上記カテゴリグループに分類した形で、表示部17の上記入力操作画面17Aの一覧ボックス17dに(例えばカテゴリグループ名のアルファベット順に)一覧表示する(前述の図3参照)。
【0044】
その後、ステップS8で、CPU12は、上記ステップS7で一覧ボックス17dに一覧表示されたカテゴリグループのうち、いずれかのチェックボックスにチェックが入ったか(すなわちカテゴリ選択が行われたか)否かを判定する。チェックが入っていなければステップS8の判定が満たされず(S8:NO)、ステップS8に戻ってチェックボックスの判定が繰り返される。いずれかのチェックボックスにチェックが入っていればステップS8の判定が満たされ(S8:YES)、ステップS9に移行する。このステップS8が各請求項記載のカテゴリ選択受付手順に相当する。
【0045】
ステップS9では、CPU12は、ステップS8で操作者によって選択されたカテゴリグループの全テンプレートファイルのインストールの指示があったかどうか(具体的には入力操作画面17Aの「転送」ボタン17bが押されたか否か。図3参照)を判定する。インストールの指示がなければステップS9の判定が満たされず(S9:NO)、判定が満たされるまでループ待機する。インストールの指示がなされた場合はステップS9の判定が満たされて(S9:YES)、ステップS10に移行する。
【0046】
ステップS10では、CPU12は、上記のようにして選択されたカテゴリグループの全テンプレートファイルをコンテンツサーバSVからダウンロードし、メモリ13に記憶する。このステップS10が各請求項記載のダウンロード手順として機能する。
【0047】
ステップS11では、CPU12は、ステップS10でダウンロードした全テンプレートTについて、互いに異なる種類の言語による複数の言語版を含む1つの上記合成ファイルを生成する、いわゆるマージ処理(詳細は後述)を実行する。その後、このフローを終了する。
【0048】
<マージ処理>
上記ステップS11のマージ処理の詳細手順を図6に示す。
【0049】
図6において、まず、ステップS21で、CPU12は、前述のステップS10でダウンロードされた全カテゴリグループのうち、処理対象とする1つのカテゴリグループを選択し、そのカテゴリグループに含まれる全テンプレートファイル(この時点では各言語版ごとに別ファイルとなっている)を上記メモリ13から読み出す。
【0050】
その後、ステップS22で、CPU12は、上記ステップS21で読み出された全テンプレートファイルのうち、処理対象とする同一内容の複数のテンプレートファイルを1種類選択し、その1種類のテンプレートファイルの複数言語版それぞれを抽出する。図4(a)〜(c)を用いて前述した例に沿うと、カテゴリグループ「Doctor’s Office」の中の「examinetionroom1.lbx」で表されるドイツ語版テンプレートファイル、英語版テンプレートファイル、及びフランス語版テンプレートファイルを抽出して取得する。
【0051】
そして、ステップS23では、CPU12は、上記ステップS22で読み出した同一内容のテンプレートファイルの複数言語版を、各言語ごとに1つのシートとする。これにより、上記の例に沿うと、ドイツ語版のテンプレートT1を備えたシートD1(図4(a)参照)、英語版のテンプレートT2を備えたシートD2(図4(b)参照)、及び、フランス語版のテンプレートT3を備えたシートD3(図4(c)参照)がそれぞれ生成される(まだ各シートD1,D2,D3は1つの合成ファイルに合成はされていない)。
【0052】
その後、ステップS24で、CPU12は、上記ステップS23でそれぞれシート化された各言語版の各シートを合成して、1つのテンプレートファイル(上記合成ファイル)とする。これにより、別ファイルとしてそれぞれダウンロードされた同一内容のテンプレートTの複数種類の言語版が、それぞれシートとして組み込まれて合成された、1つの上記合成ファイルが生成される。
【0053】
そして、ステップS25では、CPU12は、上記ステップS24で生成された1つの合成ファイルに含まれる複数のシート(それぞれ同一内容のテンプレートTの別言語版を含む)を、所定の規則性に沿って並べ替える。前述図4(a)〜(c)の例では、すでに述べたように、シートD1のタブFT1が最も左側、シートD2のタブFT2が真ん中、シートD3のタブFT3が最も右側、となるように、言語名のアルファベット順に並べ替えられる。なお、このステップS25、及び、上記ステップS23、及び上記ステップS24、が各請求項記載の合成ファイル生成手順に相当する。
【0054】
その後、ステップS26で、CPU12は、上記ステップS22〜ステップS26の各処理が、ステップS21で読み出した、処理対象とする1つのカテゴリグループ中の全テンプレートファイルについて終了したか否かを判定する。全ファイルについて終了していなければステップS26の判定が満たされず(S26:NO)、ステップS22に戻って同様の手順が繰り返される。全ファイルについて終了していればステップS26の判定が満たされて(S26:YES)、ステップS27に移行する。
【0055】
ステップS27では、CPU12は、上記ステップS21〜ステップS26の各処理が、前述のステップS10でダウンロードされた全カテゴリグループについて終了したか否かを判定する。全カテゴリグループ終了していなければステップS27の判定が満たされず(S27:NO)、ステップS21に戻って同じ手順が繰り返される。全カテゴリグループ終了していればステップS27の判定が満たされて(S27:YES)、ステップS28に移行する。
【0056】
ステップS28では、CPU12は、上記ステップS21〜ステップS27の各手順において、同一内容の複数言語版ごとにそれぞれ新たに1つの合成ファイルとなった、全テンプレートファイルを、EEPROM16へ読み出し可能に格納する。なお、このステップS28が各請求項記載の格納手順に相当する。
【0057】
図7に、上記図6のマージ処理により、EEPROM16に格納された全ての合成ファイルを、ツリー構造にして概念的に示す。この図7の例では、上記図4(a)〜(c)で示した上記テンプレートT1,T2,T3が1つの合成ファイル中に組み込まれた場合を例にとって示している。
【0058】
図7において、前述したように、カテゴリグループ「Doctor’s Office」には、上記図4(a)〜(c)に示した上記1つの合成ファイル「examinetionroom1.lbx」が含まれ、その中に上記第1シートD1のドイツ語版テンプレートT1と、上記第2シートD2の英語版テンプレートT2と、上記第3シートD3のフランス語版テンプレートT3と、が含まれている。
【0059】
なお、破線で示すように、カテゴリグループ「Doctor’s Office」には、上記合成ファイル「examinetionroom1.lbx」のほかにも、合成ファイル「examinetionroom2.lbx」「examinetionroom3.lbx」「examinetionroom4.lbx」「conferenceroom.lbx」「waitingroom.lbx」等が含まれ、これら各合成ファイルも、それぞれ上記同様の「ドイツ語版テンプレート」「英語版テンプレート」「フランス語版テンプレート」が各言語版のシートの形で含まれている。
【0060】
また、二点鎖線で示すように、例えば入力操作画面17Aの一覧ボックス17dで、上記図3の上記カテゴリグループ「Doctor’s Office」のほかに別のカテゴリグループ(この例では「Eco」「Files」)も併せて選択された場合には、これらも含めた形でツリー構造が形成され、EEPROM16に格納される。
【0061】
カテゴリグループ「Eco」には、合成ファイル「pleaseturnoffthelight.lbx」「on.lbx」「off.lbx」「cansonly.lbx」「flammable.lbx」「recyclebin.lbx」「batteries.lbx」「rubbishbin.lbx」等が含まれ、これら各合成ファイルも、それぞれ上記同様の「ドイツ語版テンプレート」「英語版テンプレート」「フランス語版テンプレート」が各言語版のシートの形で含まれている。
【0062】
カテゴリグループ「files」には、合成ファイル「completed.lbx」「pending.lbx」「personal.lbx」「prospects.lbx」等が含まれ、これら各合成ファイルも、それぞれ上記同様の「ドイツ語版テンプレート」「英語版テンプレート」「フランス語版テンプレート」が各言語版のシートの形で含まれている。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、操作者による機種名の選択及び言語種類の選択が受け付けられると(ステップS2及びステップS4)、コンテンツサーバSVの大容量記憶装置160から、上記機種名に対応し選択された言語版を含む全テンプレートTがダウンロードされる。その後、ダウンロードされたテンプレートTのうち同一内容であるものごとに合成され、1つの合成ファイルが生成される(マージ処理)。各合成ファイルは、互いに異なる複数の言語版それぞれのテンプレートTを含んでいる。
【0064】
以上の結果、本実施形態においては、操作者が1つのテンプレートTの2種類以上の言語版を取得したい場合であっても、コンテンツサーバSVから一括してダウンロードすることができる。また当該ダウンロード後においても、複数種類の言語版が1つのテンプレートファイル(合成ファイル)中に一括して含まれていることから、テンプレートTの読み出し時やその他の取り扱い時においても、別々のファイルとなっている従来に比べて利便性が高くなる。
【0065】
また、本実施形態では特に、合成対象となる共通内容のテンプレートTの複数の言語版を、所定の規則性に沿って並べ替えつつ1つの合成ファイルへの合成を行う(ステップS24、ステップS25参照)。この結果、同一内容のテンプレートTの複数種類の言語版がまとめられている1つの合成ファイルにおいて、各言語版をわかりやすい順序で整理して表示したり格納することができる(図4(a)〜(c)及び図7参照)。
【0066】
また、本実施形態では特に、操作者によりカテゴリグループの選択が行われ(図3の一覧ボックス17d参照)、その選択されたカテゴリグループに含まれる全テンプレートファイルがダウンロードされる(図5のステップS9、ステップS10参照)。これにより、操作者がカテゴリを指定せずダウンロードする場合に比べ、コンテンツサーバSVから操作端末2へのデータ送信量を少なくすることができる。また、操作者が処理を希望しないカテゴリグループを処理対象から除外することで、無駄なダウンロード処理を回避することもできる。以上の結果、処理に要する時間の短縮化を図れるとともに、操作端末2において処理に要するメモリ容量を少なくすることもできる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下にその変形例について説明する。
【0068】
(1)別言語版を追加でダウンロードして合成する場合
上述したように、上記実施形態では、操作者が操作部14を介して、いくつかの言語種類を指定してコンテンツサーバSVからダウンロードを行うと、前述のマージ処理により1つの合成ファイルがEEPROM16に格納される。本変形例は、このように既に合成ファイルが生成されて格納された状態で、その後さらに、操作者が同一内容のテンプレートTについて、別の言語種類を追加で指定してダウンロードを行いたい場合に対応した例である。このような場合、本変形例では、後からのダウンロードにより得られた新たな言語版のテンプレートファイルを、既にEEPROM16に格納済みのテンプレートファイル(複数種類の言語版を各シートの形で含む)と合体させ、新たに1つの合成ファイルとする。以下、その内容を詳細に説明する。
【0069】
本変形例における上記操作端末2の表示部17に表示される入力操作画面17Aの例を、図8に示す。図8は、上記実施形態の図3に対応する図である。この例では、上記実施形態の例に沿い、カテゴリグループ「Doctor’s Office」に、ドイツ語版、英語版、フランス語版の各テンプレートT1,T2,T3を含む1つのテンプレートファイル「examinationroom1」が既に生成され格納されている場合を例にとって説明する。
【0070】
上記の状態で、操作者が、上記テンプレートファイル「examinationroom1」のスペイン語版をダウンロードしたい場合を想定する。操作者は、前述と同様に上記機器表示ボックス17aで「PT−2730」を選択した後、上記言語表示ボックス17g表示された言語のうち、スペイン語のチェックボックスに入力を行う。その後、操作者は、前述のコンテンツサーバSVでの検索結果に基づき表示が行われる一覧ボックス17dにおいて、上記同様、カテゴリグループ「Doctor’s Office」のチェックボックスに入力を行う。そして、上記「転送」ボタン17bを押すことにより、コンテンツサーバSVから、選択されたカテゴリグループ「Doctor’s Office」の全テンプレートTの、上記選択されたスペイン語版がダウンロードされる。この時点では、スペイン語版は単独で1つのテンプレートファイルとなっており、その独立したテンプレートファイルの形でダウンロードされる。なお、本変形例では、この際、既にダウンロードされて合成ファイルに組み込まれている、ドイツ語版、英語版、フランス語版のいずれかを操作者が誤って選択した場合(ドイツ語、英語、フランス語のいずれかのチェックボックスに誤ってチェックを入れた場合)であっても、その誤って選択された重複する言語版のテンプレートファイルについては、ダウンロードが行われた後、合成ファイルには組み込まれない(重複合成を回避する)ように設定されている(後述の図11のステップS220参照)。そして本変形例では、上述したように、そのスペイン語版のテンプレートを含む独立したテンプレートファイルは、前述のドイツ語版、英語版、フランス語版のテンプレートT1,T2、T3の各シートD1,D2,D3を含む上記テンプレートファイル「examinationroom1」に合体される。
【0071】
上記合体の様子を、図9を用いて説明する。図9(a)は、前述のようにして既に生成された合成ファイルに基づき、操作端末2の上記表示部17に表示されるテンプレート表示画面17Bの例であり、上記図4(a)と同等の図である。図9(a)する合体前の状態では、前述したように、「診察室」の内容のドイツ語表記の印字Rを備えたドイツ語版のテンプレートT1を含む第1シートD1と、同一内容が英語表記された英語版のテンプレートT2を含む第2シートD2と、同一内容がフランス語表記されたフランス語版のテンプレートT3を含む第3シートD3と、が1つのテンプレートファイルとなっている。
【0072】
このような状態で、上述の操作者の操作により上記合体が行われると、図9(b)に示すように、「診察室」の内容のスペイン語表記の印字Rを備えたスペイン語版のテンプレートT4を含む第4シートD4が加わる。すなわち、上記テンプレートT1を含む第1シートD1と、上記テンプレートT2を含む第2シートD2と、上記テンプレートT3を含む第3シートD3と、上記テンプレートT4を含む第4シートD4とが、1つのテンプレートファイルとして合成される。このとき、前述と同様、各シートD1,D2,D3,D4はそれぞれ下端部にタブFT1,FT2,FT3,FT4を備えており、相互に表示切り替えが可能である。図9(b)は、タブFT4が選択されることで上記スペイン語表記の印字Rを含む第4シートD4が表示された状態を示している。
【0073】
このとき、上記各シートD1〜D4の重なり順序(言い換えればタブFT1〜FT4の左右配列順序)は、この例では、前述と同様、言語のアルファベット順に沿って並べられている。すなわち最初の文字が「D」であるドイツ語表記のシートD1のタブFT1が最も左側に位置し、最初の文字が「E」でその次が「n」である英語表記のシートD2のタブFT2がその次に位置し、最初の文字が「E」でその次が「s」であるスペイン語表記のシートD4のタブFT4がその次に位置し、最初の文字が「F」であるフランス語表記のシートD3のタブFT3が最も右側に位置している。この結果、図9(a)と図9(b)とを比較してわかるように、スペイン語版のテンプレートT4を含む第4シートD4が、英語版のテンプレートT2を含む第2シートD2とフランス語版のテンプレートT3を含む第3シートD3との間に割り込むような態様で、合成及び表示が行われている。
【0074】
図10に、本変形例での上記マージ処理によりEEPROM16に格納された全ての合成ファイルを、図7と同様のツリー構造にして概念的に示す。図10に示すように、本変形例では、カテゴリグループ「Doctor’s Office」に上記1つの合成ファイル「examinetionroom1.lbx」が含まれ、その中に上記第1シートD1のドイツ語版テンプレートT1と、上記第2シートD2の英語版テンプレートT2と、上記第3シートD3のフランス語版テンプレートT3と、上記第4シートD4のスペイン語版テンプレートT4と、が含まれている。その他のテンプレートファイルやカテゴリグループについても同様である。
【0075】
本変形例における操作端末2のCPU12により実行される制御手順のうち、上記マージ処理の詳細手順を図11に示す。図11は上記図6に相当する図である。
【0076】
図11に示すフローでは、上記図6のフローのステップS22とステップS23との間に、ステップS220、ステップS221、ステップS222が新たに設けられる。
【0077】
図11において、上記図6と同様のステップS21及びステップS22の後、新たに設けたステップS220に移る。ステップS220では、CPU12は、同一名称のテンプレートファイル(合成ファイル)がEEPROM16内に既に格納されているかどうかを判定する。同一名称のファイルが格納されていなければステップS220の判定が満たされず(S220:NO)、上記図6と同様のステップS23に移り、以降上記図6と同様のマージ処理が実行される。一方、同一名称のテンプレートファイル(合成ファイル)が格納されていればステップS220の判定が満たされ(S220:YES)、新たに設けたステップS221に移行する。
【0078】
ステップS221では、CPU12は、上記ステップS22で抽出した1種類のテンプレートファイルの複数言語版のうち、上記EEPROM16内に格納されていない各言語版のテンプレートTを各言語別にシート化する。これにより、上記図8及び図9に示した例において、上記図8の説明で触れたように、既にダウンロードされて合成ファイルに組み込まれている、操作者が誤ってスペイン語のみならずドイツ語、英語、フランス語のいずれかのチェックボックスに誤ってチェックを入れ、それらスペイン語版、ドイツ語版、英語版、フランス語版の各テンプレートファイルがそれぞれダウンロードされた場合であっても、スペイン語版のテンプレートファイルのみがシート化される。
【0079】
その後、ステップS222では、CPU12は、ステップS221でシート化したテンプレートTを格納済みのシートと合体(合成)して新たな1つの合成ファイルとする。上述の例では、ドイツ語版のテンプレートT1を含む第1シートD1、英語版のテンプレートT2を含む第2シートD2、及びフランス語版のテンプレートT3を含む第3シートD3からなる合成ファイル(図9(a)参照)に対して、スペイン語版のテンプレートT4を含む第4シートD4が加わる。この結果、上記テンプレートT1を含む第1シートD1と、上記テンプレートT2を含む第2シートD2と、上記テンプレートT3を含む第3シートD3と、上記テンプレートT4を含む第4シートD4とが、1つのテンプレートファイルとして合成される(図9(b)参照)。その後、図6と同様の図25に移ることで、前述のように、これら第1〜第4シートD1〜D4が所定の順序で並べ替えられる。なお、本変形例では、ステップS221、ステップS222、ステップS223、ステップS24、及び、ステップS25が、各請求項記載の合成ファイル生成手順に相当する。
【0080】
上記以外の手順は、図6と同様であるので説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、本変形例においては、コンテンツサーバSVに記憶されている複数のテンプレートTのうち、機種名「PT−2730」に対応し、受け付けた1つのテンプレートカテゴリ「Doctor’s Office」に属し、かつスペイン語版を含むテンプレートファイルがコンテンツサーバSVよりダウンロードされて合成が行われる。この結果、ドイツ語版、英語版、フランス語版、スペイン語版のテンプレートT1,T2,T3,T4を含む新たな1つの合成ファイルを生成することができる。これにより、テンプレートの複数言語版を複数回に分けてダウンロードした場合であっても、同一内容のテンプレートについては複数種類の言語版が1つのファイルとして確実にまとめられ、そのまとめられた状態が維持される。この結果、さらに操作者の利便性を向上することができる。
【0082】
(2)その他
以上においては、テンプレートTが上記カテゴリグループに分けられグループ化されている場合を例にとって説明したが、これに限られない。グループ化が行われていない場合には、上記図3図8に示す一覧ボックス17dに、カテゴリグループ名に代えてテンプレート名がリスト表示され、テンプレートを直接操作者が選択することで、上記同様の処理を行うようにしてもよい。
【0083】
また、以上においては、ラベルプリンタ3で、テープロール204から繰り出された被印字媒体としてのテープ203に印字を行ってこれを切断し印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られず、基材テープと、当該基材テープとは別のカバーフィルム(被印字媒体)に印字を行い、それらを貼り合わせたテープを用いて印字ラベルLを作成する方式としてもよい。
【0084】
また、上記の例では、コンテンツの一例として、ラベル作成時に用いるテンプレートを例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、その他のラベル作成に関連して使用される画像や、OSやアプリケーションや各種ドライバ等のソフトウェア、などを本発明の処理対象としてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0085】
また、図5図6図11に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0086】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0087】
1 コンテンツ情報処理システム
2 操作端末
3 ラベルプリンタ(印字ラベル作成装置)
14 操作部(操作手段)
16 EEPROM(記憶手段)
17 表示部(表示手段)
120 CPU(演算手段)
SV コンテンツサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11