(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
映像を表示することに用いられ、ユーザーが、第1の視野角範囲で前記映像を観察する場合に、第1の観察映像を観察でき、前記ユーザーが、第2の視野角範囲で前記映像を観察する場合に、第2の観察映像を観察できる液晶ディスプレイと、
前記液晶ディスプレイの出光方向に設けられ、前記第1の観察映像を構成する光線を前記第2の視野角範囲に回折させることによって、前記第1の観察映像を第3の観察映像に変換させると同時に、前記第2の観察映像を第4の観察映像に変換させることに用いられる回折光学素子(Diffractive Optical Element;DOE)とを含み、
前記回折光学素子は、少なくとも1つの格子を含み、前記少なくとも1つの格子はブレーズ回折格子であり、前記少なくとも1つの格子の方向は、前記少なくとも1つの格子のピークまたはトラフの連結線によって定義され、
前記液晶ディスプレイは、複数の液晶分子を含む液晶層を含み、前記液晶分子の少なくとも1つが、プレチルト角を有し、
前記少なくとも1つの格子の方向は、前記液晶層のねじれ角を二等分する二等分線に垂直であり、前記ねじれ角の二等分線を基準とした45度の許容範囲を有する、表示装置。
前記液晶ディスプレイが、ねじれネマティック(Twisted Nematic;TN)液晶ディスプレイ、又は超ねじれネマティック(Super Twisted Nematic;STN)液晶ディスプレイである、請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記と他の目的、特徴、長所をより分かりやすくするように、特に好ましい実施例を挙げ、添付図面に合わせて、以下のように詳しく説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例による表示装置100の構造を示す模式図である
図2を参照する。表示装置100は、ディスプレイ110と、回折光学素子(Diffractive Optical Element;DOE)120とを含む。ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及び電子ペーパーディスプレイ又は映像を表示するためのほかのディスプレイであってもよく、回折光学素子120は、ディスプレイ110の出光面に置かれ、ディスプレイ110が出射した光線を回折させることに用いられる、格子(例えば、位相格子)が設置されたフィルムであってもよい。
【0015】
本実施例において、光線の出射方向は、球座標系における天頂角θと方位角ψで表される。例えば、回折光学素子120の表面をX−Y平面とし、Z軸正方向が、回折光学素子120から表示装置100の外に延びるため、表示装置100の視野角は、(θ,ψ)で表されてもよい。右視野角と左視野角を例として、それぞれは、(α,0)と(β,180)で表されてもよく、そのうち、0度≦α、β≦90度。それに類似して、上視野角と下視野角のそれぞれは、(γ,90)と(δ,270)で表されてもよく、そのうち、0度≦γ、δ≦90度。
【0016】
なお、本実施例における格子方向は、格子構造におけるピーク(トラフ)連結線の方向で定義される。広義で言えば、入射光が格子に正射している場合に、回折が生じて、この回折方向に垂直な方位も、格子方向と定義されてもよい。
【0017】
ユーザーが側視野角でディスプレイ110を観察することを示す模式
図3aと、ユーザーが側視野角で表示装置100を観察することを示す模式
図3bを同時に参照する。本実施例において、ディスプレイ110は、液晶ディスプレイである。ディスプレイ110の正視野角を仮に0度とし、斜視野角の最大範囲を仮に90度とすると、映像品質が正視野角に対して変わることが発生するディスプレイ110の視野角範囲は、天頂角θが90〜10度である範囲にある。それは、ユーザーが10度を超えた側視野角でディスプレイ110を観察する場合に、ディスプレイ110の映像に、コントラストの低下、グレースケール反転、ガンマ曲線変異、又は色かぶりなどの問題が見つけられることを表す。もちろん、正視野角の映像を比較の基準とするとは限らず、例えば、当初の設計において映像が最も好ましい角度を比較基準としてもよい。
【0018】
以下の説明において、左視野角30度の映像品質を改善することだけを例として説明する。例えば、ユーザーが正視野角(視野角0度)で、ある特定の範囲(例えば、図式における車)を観察して取得した観察映像をI
1(正視野角映像I
1ともいう)とし、左視野角30度の側視野角で、上記特定の範囲を観察して取得した観察映像をI
2(側視野角映像I
2ともいう)とし、光源が液晶層を透過することによる位相遅延(phase retardation)が異なるため、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2において、同じ位置にある画素の色相(hue)、彩度(saturation)又は輝度(brightness)が明らかに異なって、ディスプレイ110の視野角均一性の劣化を引き起こしてしまう。そのため、本実施例は、回折光学素子120を利用して、正視野角映像I
1を構成する光線を左視野角30度に回折させることによって、正視野角映像I
1の部分成分を利用して側視野角映像I
2を補償する。
【0019】
本実施例において、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2において、同じ位置にある画素の輝度の差が元の輝度(正視野角映像I
1の画素の色座標)の3%を超えた場合に、明らかに異なると認めることは注意すべきである。また、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2において、同じ位置にある画素の色座標の差が(正視野角映像I
1の画素の輝度)0.001を超えた場合も、明らかに異なると認める。しかしながら、本発明のほかの実施例において、これらの閾値は、ユーザーの条件によって、変更されてもよい。なお、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2のガンマ曲線のそれぞれに対応するガンマ値(gamma value)の差が0.1を超えた場合に、ガンマ曲線に変異が生じたと認める。
【0020】
図3bに示すように、ユーザーが左視野角30度で表示装置100を観察する場合に、観察した観察映像I
4(側視野角映像I
4ともいう)は、側視野角映像I
2の回折されていない分量に正視野角映像I
1の左視野角30度における分量をプラスした結果に等しく、即ち、I
4=JI
2+kI
1、ただし、J、kが1未満の正数である。それと同時に、正視野角映像I
1を構成する光線が側視野角に回折されたため、正視野角映像I
1は、輝度が小さい正視野角映像I
3に変換された。
【0021】
側視野角映像I
4にとって、正視野角映像I
1の側視野角における分量(即ち、kI
1)が十分に強いため、側視野角の回折されていない映像JI
2の側視野角映像I
4に対する貢献が相対的に小さくなる場合に、正視野角映像I
3と側視野角映像I
4の映像差異を減少させ、側視野角映像I
4の映像品質を向上させることができる。上記映像差異とは、映像I
3とI
4において、同じ位置にある2つの画素の色相、彩度及び輝度の差異を指し、映像差異が小さくなることは、表示装置の視野角均一性が向上したことを表すことは注意すべきである。
【0022】
本実施例における正視野角は視野角0度に限らないことを提出する値打ちがある。0度付近の視野角範囲において、ユーザーがよい映像を観察できるため、上記正視野角は、0±10度の視野角範囲と定義されてもよく、そのため、補償された視野角が側視野角30度だけに限らない。
【0023】
回折機構において、格子周期が決まった場合に、入射光の波長が短いほど、その回折角は小さい。そのため、可視光範囲(波長が450ナノメートル(nm)/550ナノメートル/650ナノメートルである青色光/緑色光/赤色光を代表とする)における映像回折計算を考慮する場合に、波長が450ナノメートルである場合によって推算を行うと、代表的な境界状況を取得できる。
【0024】
本実施例において、波長が450ナノメートルである光について言えば、回折光学素子120における格子周期が1.3マイクロメートル(um)以下に設計された場合に、右視野角10度の光(仮に、映像品質のよい光が0±10度の範囲にあるとすると、右の視野角10度は1つの境界である)は、左視野角の少なくとも10度以上に回折して、効果的な補償を行うことができる。左視野角10度以下に回折すると、映像品質の好ましい範囲にあるため、意義が大きくない。一般的に、格子の1次回折効率が高く、2次回折効率が低いが、やはり貢献があるため、1次回折角が小さい角度に設計された場合に、2次回折によって、大きい視野角を補償でき、又は、多周期格子を設計することも、大視野角の映像品質が好ましくない問題を解決する方法になる。
【0025】
正視野角における映像品質が好ましい光線(例えば、正視野角範囲における光線)が大きい視野角範囲に回折できるようにするために、本発明のほかの実施例において、2次回折、3次回折などによって、複数の側視野角範囲に対して補償を行うこともできることが上記で提出された。例えば、一般的に、ユーザーが側視野角からディスプレイを観察する場合に、天頂角θ80度が、およそ限界であり、回折光学素子120における格子周期が0.15マイクロメートルに設計された場合に、波長が450ナノメートルである正視野角光線の2次回折を少なくとも80度の視野角範囲に達させることができ、この時、1次回折が、およそθ=71度である。又、本発明は、側視野角のみに対して補償を行うことに限らない。本発明のほかの実施例において、その映像品質問題を解決するように、正視野角の光線を上の視野角、下の視野角、又は斜方向における視野角に回折させてもよい。ただ、その場合に、格子の方向は改善しようとする方位角ψによって変更する必要がある。又、複数の方位角ψの視野角範囲に対して改善を行う必要があると、格子方向は多方向に設計されてもよい。例えば、回折光学素子としては、単層構造(単層において多方向格子が設計される)又は多層構造(多層と単層構造の重ね合わせ)であってもよい。
【0026】
屋外看板などに応用され、下視野角映像を特に重視し、上視野角映像を重視しない表示装置に対して、下視野角のカラーを改善するほかに、正視野角の輝度をできるだけ側視野角に移して使用することもできる。その場合に、表示装置自身が、視野角が均一であるシステムではないが、特別な用途について言えば、大変大きい効果がある。
【0027】
上記の説明によって、本実施例における回折光学素子120の格子周期が、0.15〜1.3マイクロメートルにあり、そうすると、各側視野角の映像品質問題の改善に対応できることを了解できる。又、一般的に、よい映像の光の範囲が、約0±10度であり、30度以上の範囲が、はっきりしている映像品質劣化の範囲であり、観察者の大部分の側視野角範囲が、約60度内にあるため、正視光の1次回折が、天頂角θ30〜60度の範囲にあり、他の周辺視野角に対して、2次回折又は0±10度の範囲にある光回折によって補償することは望ましく、その場合、格子周期が0.26〜0.78マイクロメートルであることが好ましい。大きい角度(>60度)を問題にしない映像補償は、視野角10度における映像の1次回折が天頂角θ30〜60度の範囲にあることだけを希望すると、格子周期が0.29〜1.13マイクロメートルであることが好ましい。一般的に、回折光学素子120が対称的な構造に設計されることは最もよくある状況であり、つまり、回折光学素子120は対称的な回折を行うことができる素子であり、即ち、同時に2つの対称的な視野角範囲に対して、例えば、左視野角30度と右視野角30度である側視野角に対して、補償を行うことができる。ただし、単一の方位角に対する補償を行うように、回折光学素子120は、非対称的な構造に設計されてもよく、ブレーズ格子(blaze grating)を利用した回折光学素子が一例である。なお、異なる方向における回折効率は、格子の構造によって設計されてもよい。
【0028】
従来の視野角補償膜を加えたTNディスプレイの左(右)視野角とコントラストとの曲線関係を示す図である
図4aと、表示装置100(視野角補償膜を加えたTNディスプレイ)の視野角とコントラストとの曲線関係を示す図である
図4bを同時に参照し、そのうち、表示装置100の光学回折素子の格子の「主な」方向が、方位角ψが90〜270度である方向にある(X−Y平面から見る)。
図4aによって、従来のディスプレイのコントラストは、左視野角25度において、正視野角のコントラストの半分に低下し、即ち、従来のディスプレイのコントラストの半値全幅が25度であることを見出せる。本実施例における表示装置100を逆から見れば、
図4bによって、コントラストは、左視野角35度において、正視野角のコントラストの半分であり、即ち、表示装置100のコントラストの半値全幅が35度であることを見出せる。表示装置100のコントラストの半値全幅が従来の表示装置の半値全幅より大きいため、表示装置100の側視野角におけるコントラストが、大幅に改善できる。また、従来のディスプレイのコントラストが、左、右視野角60度以上である場合、コントラストが実際に10未満であることが生じるため、左、右視野角25度に対して、補償を行うこともできる。
【実施例2】
【0029】
本発明の実施例による表示装置200の構造を示す模式図である
図5aを参照する。表示装置200は表示装置100に似ており、異なるところは、表示装置200の回折光学素子220に格子が設けられ、その方向が回折光学素子120の格子の方向と異なることにある。本実施例において、回折光学素子220の主な格子方向が、0〜180度であり、ディスプレイ210の下視野角及び/又は上視野角映像を補償する。一般的に、ユーザーの大部分は、下視野角から表示装置を観察しない。しなしながら、例えば、大型屋外看板、売り場展示棚における展示機、タブレットパソコン(Tablet personal computer)のような用途が特別な表示装置に対して、ユーザーは、常に、下視野角で表示装置を観察する。TN液晶ディスプレイを例として、下視野角において、厳しいグレースケール反転現象が生じる。
【0030】
ユーザーが下視野角で表示装置200を観察することを示す模式図である
図5bを参照し、そのうち、正視野角を0度とし、上視野角と下視野角の(θ,ψ)のそれぞれを(γ,90)と(δ,270)とし、ただし、0度≦γ、δ≦90度(ここで、図面の説明に合わせるため、天頂角0度≦θ≦180度を改めて定義し、θ≧0度の場合に、上視野角となり、θ≦0度の場合に、下視野角となる)である。広視野角補償膜を加えたTNディスプレイを例として、その下視野角は、グレースケール反転が生じ始める角度が−25度(下視野角25度)であり、コントラストが10以下に低下する視野角が−75度(下視野角75度)以上の視野角(即ち、よりマイナスの角度)である。そのため、本実施の回折光学素子220は、視野角−25度又は−75度における映像に対して補償を行い、又は、同時に1次回折と高次回折あるいは多周期格子を利用して下視野角25度又は75度における映像に対して、補償を行うものに設計されてもよい。
【0031】
なお、本発明のほかの実施例において、下視野角15度以上の視野角に対して、補償を行うことができる。その原因は、下視野角のコントラストの半値全幅が15度であることにある。
図5cを参照する。又、上視野角のコントラストの半値全幅が10度であるため、上視野角10度以上の視野角に対しても、補償を行うことができる。
【0032】
視野角補償膜を加えた従来のTNディスプレイの上下視野角とコントラストとの曲線関係を示す図である
図5cと、表示装置200(視野角補償膜を加えたTNディスプレイ)の視野角とコントラストとの曲線関係を示す図である
図5dを同時に参照する。
図5cと
図5dによって、表示装置200のコントラストの半値全幅が従来のディスプレイのコントラストの半値全幅より広いことを見出せる。
【0033】
なお、TNディスプレイにおいて、上視野角35度で、グレースケール反転も生じ始め、上視野角65度以上におけるコントラストも10以下に低下するため、回折光学素子20は、垂直視野角−25度、−75度、+35度、+65度に対して補償を行う格子を含んでよいことを提出する値打ちがある。各視野角に対して回折を行うこれらの格子は、複数枚のフィルムに個別に形成するように設計されてもよいし、同時に一枚のフィルムに形成するように設計されてもよい。
【0034】
視野角補償膜を加えた従来のTNディスプレイの下視野角における各天頂角θの液晶透過輝度とグレースケールとの曲線関係を示す図(即ち、各天頂角θのガンマ曲線)である
図6aと、視野角補償膜を加えたTN表示装置200の下視野角における各天頂角θのガンマ曲線を示す
図6bを同時に参照する。
図6aによって、従来のディスプレイのグレースケール反転程度が厳しくて、且つ、ガンマ曲線変異がかなり大きくて(そのうち、一部分の変異は大視野角におけるグレースケール透過率が低いことによるものである)、特に天頂角θが大きいほど、変異が大きいことを見せる。本実施例における表示装置200を逆から見れば、
図6bによって、表示装置200において、グレースケール反転現象がなくなり、且つ、ガンマ曲線変異もかなり改善されたことを見出せる。
【0035】
上記の実施例から見出せるように、実は、TNの左右視野角と上下視野角は、解決する問題及び角度が異なるため、多方向多周期の格子を設計する場合に、分けて設計することを考慮できる。なお、多方向格子によって、多方位角における側視野角映像品質を改善できるほか、バックライトモジュール光源が完全的な視準光源ではないため、斜視光源は、格子方向に垂直ではない方向に対しても、貢献がある。
【0036】
図6c〜
図6eを参照し、
図6cが、従来の表示装置の斜下視野角315度における赤色のガンマ曲線を示し、
図6dが従来の表示装置の斜下視野角315度における赤色の色度座標xの値とグレースケール値との曲線関係を示し、
図6eが従来の表示装置の斜下視野角315度における赤色の色度座標yの値とグレースケール値との曲線関係を示す。
図6c〜
図6eによって、斜下視野角315度における映像品質は、正視野角における映像品質に比べて、かなり差があることを見出せる。
【0037】
図6f〜
図6hを更に参照し、
図6fが表示装置200の斜下視野角315度における赤色のガンマ曲線を示し、
図6gが表示装置200の斜下視野角315度における赤色の色度座標xの値とグレースケール値との曲線関係を示し、
図6hが表示装置200の斜下視野角315度における赤色の色度座標yの値とグレースケール値との曲線関係を示す。
図6f〜
図6hから見出せるように、表示装置200の斜下視野角315度における映像品質と正視野角における映像品質は、
図6c〜
図6eに比べて、かなり改善されており、それは、バックライトモジュール光源が完全的な視準光源ではないため、斜視光源が、格子方向に垂直ではない方向に対しても、貢献があるからである。
【0038】
なお、表示装置200の回折光学素子220が、例えば、お互いに垂直な格子(例えば、0度と90度)のような多方向の格子を有すると、回折光学素子220は、右上視野角(方位角ψが0度〜90度にある)45度、左上視野角(方位角ψが90度〜180度にある)135度、左下視野角(方位角ψが180度〜270度にある)、右下視野角(方位角ψが270度〜360度にある)において、即ち、格子方向に垂直ではない範囲において、優れた補償効果がある。
【実施例3】
【0039】
本発明の実施例による表示装置300の構造を示す模式図である
図7aと、回折光学素子320の格子方向と液晶ねじれ角との関係を示す模式図である
図7bとを同時に参照する。表示装置300は、ディスプレイ310と、回折光学素子320とを含み、そのうち、表示装置300が表示装置100に似ているが、ディスプレイ310がTN又はSTN液晶ディスプレイであり、且つ、その液晶ねじれ角が90度に限られない。回折光学素子320は、その方向が液晶のねじれ角(最下層液晶分子のヘッド端から、中間層液晶を介して、連続的に上層液晶分子の末端にねじられる)を二等分する二等分線に垂直である格子322を含む。例えば、本実施例において、ディスプレイ310のバックライトに近い配向板における配向方向(ここで、配向方向は、摩擦(rubbing)配向を代表とする)が315度であり、他側の配向板におけるrubbing方向が45であるため、液晶ヘッドは、最下層液晶分子のヘッド端315度から、中間層液晶を介して、連続的に上層液晶分子の末端225度にねじられたので、液晶ねじれ角Aの二等分線Lが270度の方向にアラインメントし、格子方向D
graが、方位角ψが0度又は180度である方向であり、または、ψが0度〜180度である方向と称する。
【0040】
又、例えば、本発明のほかの実施例において、ディスプレイ310のバックライトに近い配向板における配向方向が270度にあり、他側の配向板における配向方向が0度にある場合に、液晶ねじれ角の二等分線が225度にアラインメントしているため、格子322の方向は、ψが135度〜315度である方向である。
【0041】
なお、格子方向D
graは±45度の許容範囲Bを有してもよく、例えば、格子方向D
graは、
0度又は180度である場合に、実は、315度〜45度又は135度〜225度に設計されてもよい。
【0042】
液晶ディスプレイのユーザーは、液晶分子のプレチルト角によって品質が好ましくない映像を観察することになり、本実施例における回折光学素子320の格子方向は、液晶ねじれ角によって決まり、そうすれば、映像品質が好ましくない視野角方向に対して改善を行うことができる。
【0043】
TN又はSTN液晶ディプレイに対して、偏光板の偏光方向がそれぞれ0度と90度である場合に、ユーザーは、左視野角又は右視野角において、厳しいグレースケール反転現象を発現してしまい(A角は180度〜270度にあるか270度〜360度にあるかによって)、左右視野角が明らかに非対称になり、TN液晶ディスプレイが0度と90度の偏光方向を有する偏光板を採用できないようになったことについて説明する値打ちがある。しかしながら、本実施例において、回折光学素子320の格子方向が液晶ねじれ角によって調整されるため、液晶ディスプレイ310が0度と90度の偏光方向を有する偏光板を採用しても、ユーザーが左視野角と右視野角で見る視野角の不対称現象を大幅に改善できることによって、左右視野角の対称性を人の目に受けさせ、TN又はSTN液晶ディスプレイが0度と90度の偏光方向の偏光板を採用でき、偏光板又は補償膜のコストを節約する効果を達成できるようになった。
【実施例4】
【0044】
本発明の実施例による表示装置400の構造を示す模式図である
図8を参照する。表示装置400は、表示装置100に似ているが、表示装置400の回折光学素子420が液晶ディスプレイ410の上偏光板411に設けられている。
図8に示すように、液晶ディスプレイ410は、上偏光板411と、カラーフィルター412と、液晶層413と、薄膜トランジスタ配列414と、下偏光板415と、バックライトモジュール416と、を含む。偏光板411には、回折光学素子420が設けられている。本実施例において、回折光学素子420は、複数の格子(多方向及び/又は多周期)が設けられたフィルムであり、接着剤による接着方法で、偏光板411に設けられている。本発明のほかの実施例において、機構係合又はほかの方法で、回折光学素子420を偏光板411に設けてもよい。
【0045】
普通の偏光板の多くは、ポリビニルアルコール(Poly Vinyl Alcohol;PVA)を最も常用の材料とする偏光層を有し、回折光学素子420がこの偏光層の外に設置されるだけでよいことは注意する値打ちがある。
【実施例5】
【0046】
本発明の実施例による表示装置500の構造を示す模式図である
図9を参照する。表示装置500は、ディスプレイ510と、回折光学素子520と、を含む。ディスプレイ510はTN液晶ディスプレイであり、且つ、液晶パネル512と、バックライトモジュール514とを含む。表示装置500は、表示装置100に似ているが、異なるところが、ディスプレイ510のバックライトモジュール514が視準光源を提供できることにある。
【0047】
表示装置500において、正視野角の光線は側視野角に回折されて、側視野角の光線を補償するが、側視野角の光線がそれによって、正視野角の光線を妨害して、正視野角映像品質の劣化を引き起こす可能性もある。そのため、本実施例における表示装置500には、視準光源を提供でき、且つ、表示装置500の側視野角に対して、如何なる光線も貢献しないバックライトモジュールが採用されたため、ディスプレイ510には、ほとんど側視野角光線がないため、正視野角映像が妨害を受けなくなると同時に、側視野角映像の品質も側視野角光線の弱化によって、より良くなった。
【0048】
なお、回折光学素子520がお互いに平行していない格子(例えば、0度と90度)を有すると、回折光学素子520は、右上視野角(方位角ψが0度〜90度にある)45度、左上視野角(方位角ψが90度〜180度にある)135度、左下視野角(方位角ψが180度〜270度にある)、斜右下視野角(方位角ψが270度〜360度にある)において、即ち、格子方向に垂直ではない範囲において、優れた補償効果があることは提出する値打ちがある。
【実施例6】
【0049】
本発明の実施例による表示装置600の構造を示す模式図である
図10aを参照する。表示装置600は、ディスプレイ610と、回折光学素子620と、を含む。ディスプレイ610は、TN液晶ディスプレイであり、且つ、液晶パネル612とバックライトモジュール614と、を含む。表示装置600は、表示装置500に似ているが、ディスプレイ610のバックライトモジュール614が提供した光線の視準性が比較的悪い。
【0050】
表示装置500において、ディスプレイ510のバックライトモジュール514が視準光源であるため、ディスプレイ510には、ほとんど側視野角光線がない。しかしながら、光線を十分に視準化しようとすると、高いコストを費やす必要がある。そのため、本実施例には、バックライトモジュール614が採用されており、バックライトモジュール614が提供した光線がバックライトモジュール514に比べて、視準性が低いが、表示装置600の視野角均一性が、普通の光源の場合より、かなり改善された。
【0051】
現在、普通のバックライトモジュールの光線分布状況は、
図10bと
図10cに示し、そのうち、
図10bが、上下視野角光線を集中するためのプリズムレンズを1枚だけ含む従来のバックライトモジュールに対応し、
図10cが、上下視野角光線及び左右視野角光線を集中するためのプリズムレンズを2枚含む別の従来のバックライトモジュールに対応する。
図10bと
図10cから見出せるように、2枚のプリズムレンズを含むバックライトモジュールの光線視準性は、1枚のプリズムレンズを含むバックライトモジュールの光線視準性より良いが、両者が大きい角度において、まだ、一定の程度の光線が存在している。
【0052】
バックライトモジュール614の各視野角における光線の強度を示す
図11aを参照し、そのうち、正視野角が0度であり、左視野角と右視野角のそれぞれが、+90度と−90度である。上記の実施例において、格子周期が0.15〜1.3マイクロメートルにあることを了解できる。限界条件を取って、回折光学素子620における格子周期を仮に1.3マイクロメートルとする場合に、正視野角の1次回折によって、側視野角25度を補償でき、2次回折によって、側視野角85度を補償できる。しかしながら、25度又は58度以上のある側視野角に対応する光線が正視野角に回折されて、正視野角の映像品質に影響を与える可能性があるため、25度以下(0〜25度)のバックライトだけを液晶パネル612に提供する場合に、正視野角の映像品質を向上させることができ、58度以下(0〜58度)のバックライトを液晶パネル612に提供する場合に、2次回折によって主視野角範囲に回折された光線がなくなったため、正視野角の映像品質が上記より良くないが、改善が見られる。本実施例において、バックライトモジュール614は、25度以下(0〜25度)の光線だけを液晶パネル612に提供するため(本実施例において、垂直方向の視準光源だけを提供し、水平方向については、特別に提供しない)、25度以上の側視野角において、光線が正視野角に回折されることがほとんどない。
図11aに示すバックライトモジュール光形は25度以上において、ほんの少しの光線があるが、元の光形に比べて、大幅に映像品質を改善でき、即ち、バックライトの存在が望まれていない方向において、バックライトの輝度が元より低いなら、正視野角の映像品質を改善できることは注意する値打ちがある。
【0053】
本実施例において、従来のバックライトモジュールに、例えば、視差バリア(Barrier)光学膜のような光線遮蔽装置を設けて、斜方向視野角の光線を遮蔽することによって、バックライトモジュールの出光角度を上記実施例に必要な出光角度条件に達成させたが、本発明のほかの実施例において、必要なバックライトモジュールをほかの方法によって製造してもよいことは提出する値打ちがある。例えば、光線反射板のような光線転移装置をバックモジュールに設けることによって、光線を出光が必要な角度範囲に転移する。
【0054】
表示装置600の左(右)視野角とコントラストとの曲線関係を示す
図11bを参照する。
図11bから見出せるように、表示装置600の正視野角のコントラストが約1150であるが、コントラストの半値全幅が約40〜45度である。そのため、
図4bに比べると、本発明のバックライトモジュール614が完全的な視準光線ではなくても、表示装置600のコントラスト及び視野角が表示装置100のコントラスト及び視野角より、かなり向上した結果を了解できる。
【0055】
注意すべきなのは、上記では、視準性が比較的悪い光源について映像品質を改善する条件をおおざっぱに説明しただけであり、正視野角について言えば、格子周期が決まった場合に、1次と2次回折角のそれぞれがκ及びξであると、実際に、斜視野角がκである映像の1次回折が正視野角に回折せず、斜視野角がξである映像の2次回折が正視野角に回折せず、κ角度及びξ角度より大きい斜視野角の映像の1/2次回折が正視野角に回折し、上記の説明のように、κ(ξ)角以下の視準光を提供しさえすれば、正視野角の映像品質を改善できる。
【0056】
上記の説明によって了解できるように、実は、ある側視野角の回折が正視野角の映像品質に影響を与える場合に、バックライトモジュールは、この角度値以下の光線をパネルに提供することによって、正視光学の悪化を低下させることができる。つまり、主視野角範囲の光線について言えば、バックライトモジュールの提供した光線が主視野角範囲(0±10度)に対応し、且つ、多次回折角度(例えば、1次回折角度、2次回折角度、3次回折角度など)を有する場合に、このバックライトモジュールは、N次回折角度以上の光線を提供せず、そのうち、Nが正整数である。しかしながら、ほかの視野角範囲の光線について言えば、バックライトモジュールは、そのN次回折が主視野角範囲に回折する光線を提供しない。
【0057】
一般的に、1次回折と2次回折の回折効率は、ほかの高次回折効率より、かなり大きい。回折光学素子の格子周期が0.9マイクロメートルを超えた場合に、ある側視角度の光線があり、その2次回折が正視野角の映像品質に影響を与え、折光学素子の格子周期が0.45マイクロメートルを超えた場合に、ある側視角度の光線があり、その1次回折が正視野角の映像品質に影響を与える。そのため、ある側視野角の1次又は2次回折が正視野角の映像品質に影響を与える場合に、バックライトモジュールは、その1次回折角度未満(その角度を含まない)の光線だけをパネルに提供すると、正視野角範囲における光学品質を大幅に向上させることができ、又は、バックライトモジュールは、パネルに提供するその1次回折角度以上(その角度を含む)の光線を減少させると、正視野角範囲における光学品質を向上させることができ、又は、バックライトモジュールは、パネルに提供するその1次回折角度範囲(又は、2次回折角度範囲)における光線を減少させたり解除したりすると、正視野角範囲における光学品質を向上させることができ、そのうち、減少させたり解除したりする角度範囲が、主視野角の範囲によって決まり、例えば、本実施例において、主視野角の範囲が0±10度であり、バックライトモジュールが減少させたり解除したりする1次回折角度範囲がおよそ1次回折角度値±10度に等しく、もちろん、バックライトが主視野角に回折される角度を詳しく計算してもよく、それらの方向におけるバックライトを減少させたり解除したりする。又、1次回折の影響によってバックライトの設計を改善する場合に、正視野角の光学品質に対する改善が最も大きい。
【0058】
上記の状況は、正視野角(天頂角θが0度である)を改善目標として、バックライトモジュールの光形のデザインを考慮することであり、ほかの視野角(例えば、あるディスプレイにおいて、正視野角に対して、最適化を行わず、ほかの視野角に対して、最適化を行う)を考慮すると、上記の状況によって、バックライトモジュールのデザインを類推し、主視野角の映像品質を向上させることができることは提出する値打ちがある。又、改善目標が単一の視野角ではなく、主視野角範囲である場合に(例えば、天頂角が0±10度である正視野角範囲の場合に)、ある視野角の回折光、特にその1次又は2次回折がこの主視野角範囲にある場合に、主視野角範囲における映像品質を向上させるために、バックライトのこれらの視野角における輝度を解除したり、低下させたりすべきである。
【0059】
なお、現在のバックライトモジュールの多くは、多方向の均一な光線を提供するので、現在のバックライトモジュールがある角度以下の光線だけを提供できるようにするために、視差バリア光学膜によって、光の出射方向を制限し、又は、バックライトモジュールの構造設計によって、ほかの角度(バックライト
モジュールの光線を必要としない角度)の光線を必要な角度に反射させ、バックライトの利用率を向上させることができることは提出する値打ちがある。
【実施例7】
【0060】
本発明の実施例による表示装置700の構造を示す模式図である
図12aを参照する。表示装置700は、ディスプレイ710と、回折光学素子720と、を含む。ディスプレイ710は、TN液晶ディスプレイであり、且つ、液晶パネル712と、バックモジュール714と、を含む。表示装置700は、表示装置600に似ており、異なるところが、表示装置700の回折光学素子720に、格子が設けられており、その格子方向が回折光学素子620の格子方向と異なることにある。本実施例において、回折光学素子720の主な格子方向が0〜180度であって、ディスプレイ710の下視野角映像を補償する。
【0061】
実施例6の説明から了解できるように、バックライトモジュールの出光方向を制限し、又は、バックライトモジュールのある視野角(その回折光は主視野角の光学品質に影響を与える)における輝度を低下させることによって、主視野角のコントラストを向上させることができる。同様に、上下視野角のコントラストもこの方法によって改善できる。なお、
図6aから見出せるように、下視野角の大視野角の輝度が中間調のグレースケールにおいて、明らかに低くて、つまり、光利用率が実際に高くないため、この部分の光をほかの視野角(例えば、正視野角)に移して利用できれば、省エネルギーの効果を取得でき、且つ、全体的な光学品質を向上させることができ、これは、前記方法を採用するもう1つの目的とする。
【0062】
図12b、
図12c、及び
図12dを同時に参照し、
図12bが表示装置700の下視野角のガンマ曲線を示し、
図12cが表示装置700の上下視野角のコントラスト曲線を示し、
図12dが各種の表示装置のコントラストを示す。
図12b、
図12c、及び
図12dによって、表示装置700のグレースケール反転現象がなくなっただけでなく、斜視野角と正視野角のガンマ曲線もよりお互いに近づくようになったことを見出せる。表示装置200に比べて、表示装置700の映像品質はより良く、中心コントラスト値もかなり向上し、且つ、半値全幅が±40度に向上した。
【0063】
次いで、表示装置700の上視野角映像品質を考慮する。
図12eと
図12fを同時に参照し、
図12eが視野角補償膜を加えた従来のTNディスプレイの上視野角におけるガンマ曲線を示し、
図12fが表示装置700の上視野角のガンマ曲線を示す。
図12eから見出せるように、上記のコントラスト、グレースケール反転の問題のほか、大視野角の中間調のグレースケールにおいて透過輝度が高いため、ガンマ曲線の変異が発生し、つまり、ディスプレイと回折光学素子をセットにする場合に、人の目には、それらの方向において、実はそんなに高い輝度を必要としないため、それらの方向におけるバックモジュールの光強度を低下させたり解除したりすると、光学品質を改善できるだけでなく、その部分の光線を映像品質がよいほかの視野角(例えば、正視野角)に移すと、更に、省エネルギーや輝度向上の効果を達成できる。
図12fに示すように、表示装置700のガンマ曲線はお互いにとても近づいている。
【0064】
各種の表示装置の上視野角60度映像の白色の明るい状態における色かぶり状況を示す
図12gを参照する。
図12gから見出せるように、表示装置のバックライトモジュールの光線の視準性が高いほど、その色かぶり状況が少なくなり、つまり、側視と正視の色度点がお互いに近づくようになる。
【0065】
本発明の実施例による表示装置800の構造を示す模式図である
図13を参照する。表示装置800は、ディスプレイ810と、回折光学素子820と、を含む。ディスプレイ810はTN液晶ディスプレイであり、且つ、液晶パネル812と、バックライトモジュール814と、を含む。表示装置800は、表示装置600に似ており、即ち、ディスプレイ810のバックライトモジュール814も視準性が比較的悪い光線を提供し、異なるところは、本実施例におけるバックライトモジュール814の提供した光線が表示装置800の主視野角とサブ視野角の輝度によって決まることにある。第1の視野角、第2の視野角、第3の視野角…第nの視野角を考慮すると、そのうち、全視野角の各視野角の間に格子を加えた相互回折影響を含んでよい。第1の視野角(主視野角)において、バックライトモジュールの光強度を仮にB
1とし、液晶モジュールの透過率を仮にT
1%とし、格子を加える前の輝度を仮にW
1とし、格子を加えた後の輝度を仮にL
1とし、格子を加えたため各視野角に回折した総回折効率を仮にD
1−total%とし、第nの視野角から第1の視野角に回折した回折効率を仮にD
n−1%とする。又、第2の視野角(サブ視野角)において、バックライトモジュールの光強度を仮にB
2とし、液晶モジュールの透過率を仮にT
2%とし、格子を加える前の輝度を仮にW
2とし、格子を加えた後の輝度を仮にL
2とし、格子を加えたため各視野角に回折した総回折効率を仮にD
2−total%とし、第nの視野角から第1の視野角に回折した回折効率を仮にD
n−2%とする。そのうち、第nの視野角において格子を加える前の輝度をWnとし、格子を加えた後、主視野角及びサブ視野角の輝度は以下の関係を満たす。
【0066】
【数1】
【0067】
【数2】
【0068】
ただし、
【0069】
【数3】
【0070】
(1)例えば、正視野角を主視野角とする場合に、ある側視野角(サブ視野角)の輝度が正視野角の輝度の0.3倍より小さいと(W
2<0.3*W
1)、ほかの視野角のその視野角に対する回折分量がその自身の輝度より大きい可能性があることを表し、バックライトモジュールがその側視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して使用してもよい。又、例えば、(2)正視野角を主視野角とする場合に、ある側視野角(サブ視野角)の輝度が正視野角の輝度の1.1倍より大きいと(W
2>1.1*W
1)、正視野角のその側視野角に対する回折貢献が不足である可能性があることを表し、バックライトモジュールがその側視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して使用してもよい。(3)例えば、正視野角を主視野角とする場合に、ある側視野角(サブ視野角)の液晶層透過率が正視野角の液晶層透過率の0.7倍より小さいと(T
2<0.7*T
1)、その視野角のバックライト利用率が低いことを表し、バックライトモジュールがその側視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して使用してもよい。(4)例えば、正視野角を主視野角とする場合に、ある側視野角(サブ視野角)の液晶層透過率が正視野角の液晶層透過率の1.1倍より大きいと(T
2>1.1*T
1)、正視野角のその側視野角に対する回折貢献が不足である可能性があることを表し、バックライトモジュールがその側視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して使用してもよい。(5)上記において、主視野角は正視野角に限定されず、元にディスプレイに対して最適化した視野角であってもよい。(6)式(i)を参照して、0.3*[A]<[B]の場合に、主視野角に対して、ほかの視野角の主視野角に対する貢献が大きすぎ、特に、ほかの視野角の映像品質が好ましくない場合に、主視野角の映像品質を大幅に低下させることを表し、その場合、主視野角方向に対して、視準性バックライトの設計がかなり重要になり、バックライトモジュールがそのサブ視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して用いるようにすることができる。(7)式(ii)を参照して、[C]>2*[D]の場合に、サブ視野角に対して、ほかの視野角(特に主視野角又は映像品質が好ましい視野角)のサブ視野角に対する回折貢献が小さすぎて、サブ視野角の映像品質に対する改善に限界があることを表し、サブ視野角の映像品質を改善するために、バックライトモジュールによってそのサブ視野角に対応する光線を解除したり低下させたりして、正視野角に移して使用してもよい。(8)上記において、グレースケールに対する制限がなく、設計者が改良しようとするグレースケールによって決まる。(9)上記の条件に合致するバックライトスケジュールにおいて、それらの視野角方向におけるバックライトスケジュール構造のバックライトの輝度の完全的な解除を利用し、又は、上記の2つの公式を参照して、残したいバックライト強度比を設計する。注意すべきなのは、光線転移装置は、バックライトモジュールのサブ視野角光線を主視野角に転移することに限らず、サブ視野角光線を元の出光視野角から転移できれば、映像品質を改善できる。
【0071】
上記の説明から了解できるように、本実施例における表示装置700は、バックライトモジュール光線を、光線転移装置によって、利用率が低い角度から、利用率が高い角度に移すことで、省エネルギーの目的を達成できる。
【0072】
本発明は、複数の実施例によって、上記のように開示されたが、それは本発明を限定するものではなく、本発明の技術分野において、当業者なら誰でも、本発明の精神と範囲から逸脱しない範囲内で、多種の変更や修飾を加えることができるため、本発明の保護範囲は、後の請求の範囲に規定されたものに準ずる。