特許第5984098号(P5984098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5984098
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/04 20060101AFI20160823BHJP
   F16L 33/22 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   F16L19/04
   F16L33/22
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-50725(P2015-50725)
(22)【出願日】2015年3月13日
【審査請求日】2015年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】内野 正
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−122279(JP,A)
【文献】 特開2005−188655(JP,A)
【文献】 実開平4−111985(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 17/00−19/14
F16L 29/00−35/00
F16B 23/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体の流通する流路を有したボディと、該ボディの端部に進退自在に螺合され、該端部に対して前記流体の流通するチューブを接続する締付部材と、前記締付部材の端部と前記ボディとの間に設けられ、前記締付部材による前記チューブの締め付け時に該締付部材に対して外部に露呈する確認用リングとを備えた管継手において、
前記確認用リングは、中央に孔部を有した円環状の平坦部と、
前記平坦部の外縁部から該平坦部に対して傾斜して延在した傾斜部と、
前記傾斜部の外縁部に設けられ、該傾斜部よりさらに外側へと突出し、前記締付部材の締め付け動作によって前記ボディとの間で挟持されることで変形して前記傾斜部の外縁部に対して径方向外側へ突出する少なくとも1つ以上の突起部と、
を備え、
前記突起部は、前記締め付け動作前において前記締付部材の軸線と略平行に延在し、該締付部材の外周側に設けられることを特徴とする管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、流体を導入・導出するチューブを接続するための管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、シリンダ等の流体圧機器に流体チューブを接続するために管継手に関し、前記流体チューブの接続状態を外部から確認可能な管継手を提案している(特許文献1参照)。
【0003】
この管継手は、内部に流体通路を有したボディと、該ボディの端部に螺合されチューブを接続する締付キャップと、該ボディのストッパ部と前記締付キャップの端部との間に設けられるインジケータリングとを含み、前記インジケータリングが、平坦部と、該平坦部に対して傾斜し締付キャップの外周面より小径に形成される傾斜部とを有している。
【0004】
そして、締付キャップを螺回させチューブを接続する際、該締付キャップの移動作用下に傾斜部が押圧され変形することで、前記締付キャップの外周面に対して半径外方向に突出し、インジケータリングの外縁部によって前記チューブの接続状態を確認可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5360619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、ボディに対するチューブの接続状態をより一層容易且つ確実に確認することが可能な管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明は、内部に流体の流通する流路を有したボディと、ボディの端部に進退自在に螺合され、端部に対して流体の流通するチューブを接続する締付部材と、締付部材の端部とボディとの間に設けられ、締付部材によるチューブの締め付け時に締付部材に対して外部に露呈する確認用リングとを備えた管継手において、
確認用リングは、中央に孔部を有した円環状の平坦部と、
前記平坦部の外縁部から該平坦部に対して傾斜して延在した傾斜部と、
前記傾斜部の外縁部に設けられ、該傾斜部よりさらに外側へと突出し、締付部材の締め付け動作によってボディとの間で挟持されることで変形して傾斜部の外縁部に対して径方向外側へ突出する少なくとも1つ以上の突起部と、
を備え、
前記突起部は、前記締め付け動作前において前記締付部材の軸線と略平行に延在し、該締付部材の外周側に設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、管継手において、内部に流路を有したボディと、ボディの端部に進退自在に設けられチューブを接続するための締付部材との間に、締付部材による締め付け時に該締付部材に対して外部に露呈する確認用リングを設けている。そして、チューブをボディへと接続する際、ボディの端部に進退自在に設けられた締付部材が、確認用リング側に向かって移動して押圧することで確認用リングを変形させ、確認用リングの外縁部が締付部材に対して外部に露呈し、さらに突起部が外縁部の外側へと突出する。
【0009】
従って、ボディに対する締付部材の締め付け状態を、確認用リングの外縁部からさらに外側へと突出した突起部で確認することにより一層容易且つ確実に視認することができるため、締付部材によるチューブの接続状態が確実か否かを容易且つ確実に確認することが可能となり、それに伴ってチューブとボディとの間から流体が漏出することをより一層確実に阻止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0012】
すなわち、管継手において、内部に流路を有したボディと、ボディの端部に進退自在に設けられチューブを接続するための締付部材との間に、締付部材による締め付け時に締付部材に対して外部に露呈する確認用リングを設け、チューブをボディへと接続する際、ボディの端部に進退自在に設けられた締付部材が、確認用リング側に向かって移動して押圧することで変形させ、確認用リングの外縁部が締付部材に対して外部に露呈し、さらに突起部が外縁部の外側へ突出することで、突起部を確認することによってボディに対する締付部材の締め付け状態をより一層容易且つ確実に視認することができ、締付部材によるチューブの接続状態を容易且つ確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る管継手の用いられた開閉弁を示す一部省略断面図である。
図2図1に示す開閉弁の正面図である。
図3図1に示す開閉弁の一部断面平面図である。
図4図1の開閉弁を構成するインジケータリングの外観斜視図である。
図5図4の開閉弁における管継手の締め付け前の状態を示す一部断面平面図である。
図6図6Aは、本発明の第2の実施の形態に係る管継手の全体正面図であり、図6Bは、図6Aの管継手を一端部側から見た正面図である。
図7図7Aは、図6Aの管継手において締付キャップを締め付ける前の状態を示す拡大正面図であり、図7Bは、図7Aの管継手を一端部側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る管継手について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係る管継手の用いられた開閉弁を示す。
【0015】
この開閉弁10は、図1図3に示されるように、圧力流体の流通する流路を有したボディ12と、該ボディ12の内部に設けられる弁機構14とを有し、前記ボディ12の一端部及び他端部に形成された第1及び第2ポート16、18にそれぞれ管継手として機能する継手機構20が設けられる。
【0016】
そして、ボディ12の内部において、第1ポート16が第1流路22と接続され、第2ポート18が第2流路24と接続されると共に、該第1流路22と第2流路24との境界部位には隔離壁26が形成され、その端部には弁機構14の弁体28が着座自在な弁座部30が設けられる。
【0017】
また、第1及び第2ポート16、18の外周側には、円筒状のガイド部32が形成されると共に、該ガイド部32のさらに外周側には接続部34が形成される。この接続部34は、その外周面にねじ36の刻設された円筒状に形成され、ガイド部32と接続部34との間にチューブ38が挿入されると共に、前記接続部34の外周側には継手機構20を構成する締付キャップ40が螺合される。
【0018】
締付キャップ40は、例えば、筒状に形成され、接続部34へ螺合される大径部42と、チューブ38の挿通されるチューブ孔44を有した小径部46とからなり、該大径部42の内周面にはねじの形成された雌ねじ部が形成される。
【0019】
そして、締付キャップ40は、その内部にチューブ38が挿通された状態でボディ12の接続部34へと螺合させ前記ボディ12側(矢印A1方向)へと移動させることで、該締付キャップ40の小径部46、ガイド部32及び接続部34の間にチューブ38の端部が挟持され保持される。
【0020】
また、締付キャップ40の端部とボディ12との間にはインジケータリング(確認用リング)48が設けられる。
【0021】
インジケータリング48は、図1図4に示されるように、例えば、弾性変形可能な樹脂製材料から半径方向に所定幅を有し、且つ、略一定厚さの円環状に形成される。また、インジケータリング48は、図4に示されるように、略中央部に設けられた円環状の平坦部50と、該平坦部50の外縁部から該平坦部50に対して所定角度だけ傾斜して延在した傾斜部52と、該傾斜部52の外縁部からさらに外側へと突出した一対の突起部54a、54bとを備える。
【0022】
平坦部50は略平面状に形成され、その中央部に形成された孔部56を介してボディ12の接続部34の外周側へ挿通され保持される。
【0023】
傾斜部52には、例えば、平坦部50に対して約120°で傾斜し、その外縁部から径方向内側に向かって延在し、且つ、周方向に沿って互いに等間隔離間した複数のスリット58が設けられている。
【0024】
突起部54a、54bは、傾斜部52の外縁部に対してインジケータリング48の軸方向(矢印A方向)に沿って所定長さだけ突出するように断面矩形状に形成され、例えば、前記インジケータリング48の中心に対して対称となる位置に設けられる。なお、突起部54a、54bは、一対設けられる場合に限定されるものではなく、少なくとも1つ以上設けられていれば、その数量は特に限定されるものではなく必要に応じた数量で適宜設定すればよい。
【0025】
そして、インジケータリング48は、ボディ12の接続部34に対して孔部56を介して挿入され、ねじ36とボディ12の外壁部60との間の装着部62に配置され、その平坦部50が前記外壁部60に当接し、突起部54a、54bがボディ12の外壁部60から離間する方向(矢印A2方向)に延在した状態で配置される。
【0026】
本発明の第1の実施の形態に係る管継手(継手機構20)の用いられた開閉弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にボディ12に対してチューブ38を接続する場合について説明する。なお、ここでは、ボディ12の第1及び第2ポート16、18に対してチューブ38、締付キャップ40の装着されていない状態を準備状態とする。
【0027】
先ず、上述した準備状態において、図示しない作業者がインジケータリング48を把持し、その孔部56を介してボディ12の接続部34へ挿入する。この際、インジケータリング48は、その平坦部50がボディ12の外壁部60側(矢印A1方向)、突起部54a、54bが前記ボディ12から離間する方向(矢印A2方向)へ突出した状態として挿入していく。
【0028】
そして、図5に示されるように、インジケータリング48を、ねじ36と外壁部60との間の装着部62へと挿入した後、平坦部50を外壁部60に当接させる。
【0029】
次に、チューブ38の端部を、ボディ12のガイド部32と接続部34との間まで挿入した後、前記チューブ38をチューブ孔44に挿通させた状態で締付キャップ40を接続部34に対して螺合させボディ12側(矢印A1方向)に向かって移動させる。
【0030】
この際、インジケータリング48は、その傾斜部52と締付キャップ40の端部とが当接していないため、前記傾斜部52が平坦部50に対して傾斜したままの状態であり、突起部54a、54bも軸方向(矢印A2方向)に沿って延在した状態にある。そのため、作業者がボディ12の側方からインジケータリング48の突起部54a、54bを誤って視認してチューブ38が接続状態にあると認識してしまうことがない。
【0031】
そして、さらに締付キャップ40を螺回させ移動させることによって該締付キャップ40の端部がインジケータリング48の傾斜部52へと当接し、該傾斜部52を外壁部60側(矢印A1方向)に向かって徐々に押圧していく。
【0032】
これにより、傾斜部52は、平坦部50との接合部位を支点として徐々に該傾斜部52に対する傾斜角度が大きくなるように変形し、インジケータリング48の外径が徐々に大きくなっていく。その結果、インジケータリング48の傾斜部52が、締付キャップ40の外周面に対して徐々に突出するように変形すると共に、その外縁部に設けられた突起部54a、54bが徐々に起き上がるように傾斜していく。
【0033】
最後に、図3に示されるように、締付キャップ40の端部によって傾斜部52が平坦部50と略同一平面となるまで押圧されることで変形し、前記インジケータリング48の外縁部が締付キャップ40の外周面に対して突出すると同時に突起部54a、54bがボディ12から離間する方向(矢印A2方向)に向かって所定角度だけ傾斜した状態で径方向外側へと突出した状態となる。
【0034】
これにより、図1図3に示されるように、締付キャップ40がボディ12に対して完全に螺合され、チューブ38が前記ボディ12の接続部34に対して確実に接続され、該チューブ38と第1ポート16及び第1流路22とが連通した締結状態となり、前記チューブ38と第2ポート18及び第2流路24とが連通した締結状態となる。
【0035】
すなわち、インジケータリング48の突起部54a、54bが、締付キャップ40の外周面よりさらに外側へと突出し、且つ、ボディ12の外壁部60から離間する方向(矢印A2方向)へと傾斜するように突出することで、作業者は、ボディ12の側方からインジケータリング48を目視することで締付キャップ40が完全に締め付けられ、チューブ38がボディ12に対して確実に接続されていることを容易に確認できる。また、突起部54a、54bの目視が難しい場合でも、作業者が突起部54a、54bに手で触れることで接続状態を確認することも可能である。
【0036】
次に、上述したようにボディ12に対して継手機構20によってチューブ38の接続された開閉弁10の動作について簡単に説明する。
【0037】
先ず、図1に示されるように、ボディ12に設けられた一方の流体供給ポート64aへ圧力流体を供給することで、弁機構14を構成する弁体28が弁座部30から離間する方向へと移動した弁開状態となり、第1ポート16からの圧力流体が第1ポート16、第1及び第2流路22、24を通じて第2ポート18へと流通してチューブ38を通じて他の流体圧機器へと供給される。
【0038】
一方、弁閉状態とする場合には、ボディ12における他方の流体供給ポート64bへ圧力流体を供給することで、弁機構14を構成する弁体28が弁座部30側に向かって移動して着座した弁閉状態となり、第1ポート16と第2ポート18との連通状態が遮断される。
【0039】
以上のように、第1の実施の形態では、継手機構20の用いられた開閉弁10において、ボディ12の接続部34に対してチューブ38を接続する際、該ボディ12の装着部62に円環状のインジケータリング48を設け、前記接続部34に螺合させた締付キャップ40を移動させ、その端部で前記インジケータリング48の傾斜部52を押圧して変形させることで、該傾斜部52のさらに外周側に設けられた一対の突起部54a、54bを前記締付キャップ40の外周側へと突出させることができると共に、前記ボディ12の外壁部60から離間させる方向(矢印A2方向)へと傾斜させ突出させることができる。
【0040】
その結果、ボディ12に対する締付キャップ40の締め付け状態を、該締付キャップ40に対する突起部54a、54bの突出によって容易且つ確実に視認でき、しかも、前記突起部54a、54bに手で触れることでも容易且つ確実に確認できる。そのため、従来の管継手と比較し、締付キャップ40によるチューブ38の接続状態をより一層容易且つ確実に確認することが可能となり、前記チューブ38とボディ12との間を通じた流体の漏出をより一層確実に阻止することができる。
【0041】
次に、第2の実施の形態に係る管継手100を図6A図7Bに示す。
【0042】
この管継手100は、図6Aに示されるように、断面L字状に形成されたボディ102と、該ボディ102の一端部に螺合され第1チューブ104を接続する第1締付キャップ106と、前記ボディ102の他端部に螺合され第2チューブ108を接続する第2締付キャップ110と、前記ボディ102と前記第1及び第2締付キャップ106、110との間にそれぞれ挟持される一組のインジケータリング(確認用リング)112とを備える。
【0043】
なお、第1チューブ104と第2チューブ108とは、例えば、樹脂製材料から異なる直径で形成され、前記第1及び第2チューブ104、108の接続されるボディ102の一端部と他端部との直径が異なるように形成される。
【0044】
このボディ102は、その一端部に形成された接続部(図示せず)に第1締付キャップ106が螺合されることで第1チューブ104が接続され、他端部に形成された接続部に第2締付キャップ110が螺合されることで第2チューブ108が接続されるように形成される。
【0045】
そして、第1締付キャップ106の端部とボディ102のストッパ壁114aとの間にインジケータリング112が設けられると共に、第2締付キャップ110の端部とボディ102のストッパ壁114bとの間にも同様にインジケータリング112が設けられる。このストッパ壁114a、114bは、径方向外側に所定高さだけ突出した環状に形成される。このインジケータリング112は、傾斜部52の外縁部に単一の突起部116が形成され、第1締付キャップ106による締め付け前において該第1締付キャップ106の軸線と略平行となるように形成される(図7A及び図7B参照)。
【0046】
次に、ボディ102の一端部に対して第1締付キャップ106を用いて第1チューブ104を接続する場合について説明する。
【0047】
先ず、図7Aに示されるボディ102の一端部に形成された接続部に第1締付キャップ106が螺合され、該第1締付キャップ106に挿通された第1チューブ104が前記接続部内へと挿入された状態では、インジケータリング112の突起部116は前記第1締付キャップ106の外周面と略平行な状態にあり、ストッパ壁114aよりも内周側にあるため、図7Bに示されるように、作業者がボディ102の側方から誤って突起部116を視認して第1チューブ104が接続状態にあると認識してしまうことがない。
【0048】
そして、作業者が第1締付キャップ106を螺回させボディ102側に向かって移動させることで、前記第1締付キャップ106の端部によってインジケータリング112の傾斜部52がストッパ壁114a側(矢印A1方向)に向かって徐々に押圧される。これにより、傾斜部52は、平坦部50との接合部位を支点として徐々に該傾斜部52に対する傾斜角度が大きくなるように変形しインジケータリング112の外径が徐々に大きくなっていくと同時に、その外縁部に設けられた突起部116が徐々に起き上がるように傾斜していく。
【0049】
最後に、図6Aに示されるように、第1締付キャップ106の端部によって押圧された傾斜部52が平坦部50と略同一平面となるまで変形し、突起部116がストッパ壁114aから離間する方向(矢印A2方向)に向かって所定角度だけ傾斜した状態で径方向外側へと突出した状態となる(図6A及び図6B参照)。
【0050】
これにより、第1締付キャップ106がボディ102に対して完全に螺合され、第1チューブ104が前記ボディ102の接続部に対して確実に接続され、該第1チューブ104と流体通路とが連通した締結状態となる。
【0051】
すなわち、インジケータリング112の突起部116が、第1締付キャップ106の外周面よりさらに外側へと突出し、且つ、ストッパ壁114aから離間する方向(矢印A2方向)へと傾斜するように突出することで、作業者は、ボディ102の一端部側からインジケータリング112を目視して第1締付キャップ106が完全に締め付けられ、第1チューブ104がボディ102に対して確実に接続されていることを容易に確認できる。
【0052】
また、突起部116の目視が難しい場合でも、作業者がストッパ壁114a、から離間し、且つ、該ストッパ壁114aよりも径方向外側へ突出した突起部116へと手で触れることで接続状態を確認することが可能である。
【0053】
以上のように、第2の実施の形態においては、ボディ102の一端部側と他端部側とに異なる直径の第1及び第2チューブ104、108の接続される管継手100において、例えば、インジケータリング112の外径が第1及び第2締付キャップ106、110の端部が当接するボディ102のストッパ壁114a、114bよりも小さい場合でも、外縁部に突起部116を有したインジケータリング112を用いることで、第1チューブ104が接続された際に前記突起部116を前記ストッパ壁114aよりも外側へと突出させることができるため、前記第1チューブ104の接続状態を容易且つ確実に確認することができる。
【0054】
なお、本発明に係る管継手は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0055】
10…開閉弁 12、102…ボディ
14…弁機構 16…第1ポート
18…第2ポート 20…継手機構
34…接続部 38…チューブ
40…締付キャップ 48、112…インジケータリング
52…傾斜部 54a、54b、116…突起部
60…外壁部 100…管継手
104…第1チューブ 106…第1締付キャップ
108…第2チューブ 110…第2締付キャップ
114a、114b…ストッパ壁
【要約】
【課題】管継手において、ボディに対するチューブの接続状態をより一層容易且つ確実に確認する。
【解決手段】管継手として機能する継手機構20には、締付キャップ40の端部とボディ12の外壁部60との間にインジケータリング48が設けられ、該インジケータリング48は、ボディ12に当接する平坦部50と、該平坦部50の外周側に形成された傾斜部52と、該傾斜部52の外縁部に形成された突起部54a、54bとからなる。この突起部54a、54bは締付キャップ40によるチューブ38の接続前状態において、該締付キャップ40の外周面に沿って平行に形成される。そして、チューブ38を接続する際、締付キャップ40の端部によって傾斜部52が押圧され平坦部50と略同一平面となるように変形し、同時に、突起部54a、54bが前記ボディ12から離間する方向に向かって傾斜した状態で該傾斜部52の外周側へと突出する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7