(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984102
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】救命具兼用非常持出椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 13/00 20060101AFI20160823BHJP
A47C 4/54 20060101ALI20160823BHJP
A47C 27/08 20060101ALI20160823BHJP
A45C 9/00 20060101ALI20160823BHJP
B63C 9/08 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
A47C13/00 A
A47C4/54
A47C27/08 D
A45C9/00 P
A45C9/00 Q
B63C9/08 B
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-203507(P2012-203507)
(22)【出願日】2012年8月28日
(65)【公開番号】特開2014-42796(P2014-42796A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年8月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512239491
【氏名又は名称】笠井 美彩子
(72)【発明者】
【氏名】笠井 美彩子
【審査官】
角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−144865(JP,U)
【文献】
特開2007−159681(JP,A)
【文献】
実開昭52−104703(JP,U)
【文献】
特開2001−087085(JP,A)
【文献】
特開2008−114063(JP,A)
【文献】
実開昭58−126054(JP,U)
【文献】
実公昭47−004766(JP,Y1)
【文献】
特開平10−146238(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3002746(JP,U)
【文献】
実開昭61−168128(JP,U)
【文献】
実開昭58−031230(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/54
13/00
27/08
A45C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を入れると円筒状になるチューブで形成された胴部の上面に座面を被せてあり、その上からすっぽり胴部カバーを被せてあり、胴部の側面に、胴部カバーの開口部を通じて引き出される肩ひもを取り付けてあり、底部に底部カバーを取り付けてあるところの救命具兼用非常持出椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常持出品入れであり、椅子としての使用も可能な、救命具兼用非常持出椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、背負い袋の形状のものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために次のような問題点があった。
(イ)持ち出しがし易いように、玄関の近くに置く場合、普段の生活の中では邪魔になる。
(ロ)押入れなどの物入れの中に入れておく場合、避難が必要な規模の災害が起きた時は、建物が被害を受けている可能性が高く、保管場所までたどり着けないことが想定される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
チューブで形成された背負い袋に空気を入れ
て筒状にし
てあり、上
面には座面を、底部には底部カバーを被せ
てあり、更に
これらの上からすっぽり胴部カバーを被せ
てあり、胴部カバーの裾
域を底部カバーの内側に入れ
てある。避難時は、胴部カバーを防災頭巾として被り、
胴部を背負い袋
として背負って避難する。
以上を特徴とする救命具兼用非常持出椅子である。
【発明の効果】
【0005】
椅子としても使用できるため、玄関の近くに置いておきやすい。
胴部カバーの側面に開口部を設け、肩ひもを引き出すと、懐中電灯を掛けることができる。普段の生活の中では常夜灯として使用できる。
玄関の近くを保管場所にすることで、建物が被害を受けた時でも、探して持ち出すことができる可能性が高くなる。
チューブの中に空気が入っているので、水に流されたときは、浮きとして使用できる。
救助を求めている人に遭遇した時には、裏面にロープの入っている座面を投げて、助けることができる。
避難先では、背負い袋を横にすると、出し入れのし易い物入れとして使用できる。
座面は座椅子として単独での使用も可能である。
胴部カバーは、着脱機能を利用して平面にもできる。敷物などとしての使用もできる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明
を椅子
として利用する状態
を示す斜視図
【
図2】本発明
を分解
して主要な構成要素即ち(a)胴部カバー・(b)座面・(c)
胴部に収納袋をかぶせた背負い袋・(d)底部カバー
の各々を分かり易く見せた斜視図
【
図3】本発明の
一部である胴部カバーを防災頭巾として使用する状態
を示す斜視図
【
図4】本発明の
一部である座面を裏返した状態
を示す斜視図
【
図5】本発明
を背負い袋
として利用する状態を示す斜視図
【
図6】
図5における背負い袋
において、被せてある収納袋を取り去って内部を見せた状態を示す斜視図
【
図7】本発明の
一部である底部カバー内に収納されている収納袋を
取り出し
て見せた状態
を示す斜視図
【
図8】本発明の
使用例において、胴部カバーを防災頭巾として被り、背負い袋を背負った状態
を示す斜視図
【
図9】本発明
を利用して、水に流されている人を
救助しようとしている状態
を示す斜視図
【
図10】本発明の
一部である背負い袋を横
置きにして、物入れとして使用する状態
を示す斜視図
【
図11】本発明の
一部である胴部カバーを展開した状態
を示す平面図
【
図12】本発明の
一部である座面を座椅子として単独で
利用する状態
を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)チューブで形成された胴部(3)に空気を入れ、筒状にする。上部には座面(2)を、底部には底部カバー(4)を被せる。
(ロ)胴部カバー(1)を胴部(3)の上に被せ、裾を底部カバー(4)の内側に入れる。
(ハ)胴部カバー(1)の側面に開口部(8)を設け、肩ひも(5)を引き出すと、懐中電灯(6)を掛けることができる。普段の生活の中では常夜灯として使用できる。
本発明は以上のような構成である。
本発明を防災ずきんとして使用するときは、胴部カバー(1)を取り外し、接続されている胴部カバー(1)の一方の面の着脱機能(7)を上面まで開き、内側に折り込む。胴部カバー(1)の着脱機能(7)を開き、開口部(8)を設ける。開口部(8)に腕を通し、防災ずきんとして被る。
本発明を背負い袋として使用するときは、底部カバー(4)内に収納されている収納袋(17)を引き出し、胴部(3)の肩ひも(5)の着脱機能(13)を外し、開口部(18)から通し、再び着脱機能(13)を胴部(3)に取り付ける。
座面(2)の蝶番(11)を折りたたみ、座面を立ち上げる。胴部(3)の上面のひも(20)で持ち出し品(21)を括ることができる。
胴部カバー(1)を防災ずきん(19)として被り、収納袋(17)でカバーされた胴部(3)を背負い袋として背負って避難する。
本発明を救命具として使用するときは、肩ひも(5)の着脱機能(13)を外し、ガードレール(22)の支柱(23)に交差させて固定する。収納袋(17)を下げて、胴部(3)のロープ接続部(14)に、座面(2)の裏面のロープ(10)を接続し、座面(2)を救命具として、救助を求めている人(24)に投げて救助する。
本発明を物入れとして使用するときは、胴部(3)を横に倒し、側面を底面にすることで、出し入れがし易い物入れとなる。
本発明を敷物などとして使用するときは、胴部カバーの着脱機能を利用して平面にする。
【符号の説明】
【0008】
1 胴部カバー
2 座面
3 胴部
4 底部カバー
5 肩ひも
6 懐中電灯
7 着脱機能
8 開口部
9 ひも
10 ロープ
11 蝶番
12 開口部
13 着脱機能
14 ロープ接続部
15 チューブ
16 仕切り
17 収納袋
18 肩ひも(5)を通すための開口部
19 防災ずきんとして使用時の胴部カバー(1)
20 ひも
21 持ち出し品
22 ガードレール
23 支柱
24 救助を求めている人
25 背もたれ