特許第5984157号(P5984157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5984157周辺装置を制御して動作を切り替える動作検出装置、システム、方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984157
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】周辺装置を制御して動作を切り替える動作検出装置、システム、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20160823BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20160823BHJP
   G05B 13/02 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   H05B37/02 F
   F24F11/02 104A
   G05B13/02 B
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-236410(P2014-236410)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-118934(P2015-118934A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年1月5日
(31)【優先権主張番号】1322359.9
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン ゲロー
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−037091(JP,A)
【文献】 特開2002−341051(JP,A)
【文献】 特開2010−218845(JP,A)
【文献】 特開2013−084386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F24F 11/02
G05B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替特性を有する周辺装置を制御して動作を切り替える動作検出装置であって、
動作の検出に応答して検出信号(DS)を供給する動作検出手段と、
供給された複数の検出信号(DS)の間の期間(D)を格納するメモリと、
切替信号(SW)を周辺装置に出力して、周辺装置を作動期間(SP)の間、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替える信号生成手段と、
前記信号生成手段を制御するコントローラと
を備え、
前記コントローラは、少なくとも周辺装置の切替特性(SC)と、メモリに格納されている検出信号(DS)の間の前記期間(D)とを読み込んで、エネルギーを節約するために前記周辺装置を切り替えることが有益ではない時間間隔を考慮し、前記周辺装置を前記第2の動作モードとする作動期間(SP)を計算により決定するように構成される、動作検出装置。
【請求項2】
前記コントローラは、作動期間(SP)が、動作検出手段の検出範囲内にいる人が動きを止めた状態でいる既定の最大停止時間よりも長くなるよう、または当該最大停止時間と同じになるように、作動期間(SP)を決定するように構成される、請求項1に記載の動作検出装置。
【請求項3】
既定の時間間隔の間に前記動作検出手段によって供給される、連続する2つの検出信号(DS)の間の期間(D)を決定するタイマーをさらに備える、請求項1または2に記載の動作検出装置。
【請求項4】
前記タイマーによって決定された期間(D)をフィルタリングして、動作検出手段の検出範囲内にいる人が動きを止めた状態でいる既定の最大停止時間よりも長い期間(D)のみを出力するフィルタをさらに備える、請求項3に記載の動作検出装置。
【請求項5】
既定の時間間隔内にフィルタによって出力される連続する2つの検出信号(DS)の間の前記決定された期間(D)の間、発生を判断する判断手段をさらに備える、請求項4に記載の動作検出装置。
【請求項6】
前記メモリは、判断された各発生について、発生のベクトルおよび当該発生に割り当てられた前記期間(D)を保存するように構成される、請求項5に記載の動作検出装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記メモリに保存されている、測定された前記期間(D)ごとに計数された発生回数(occ)を含むベクトルと、前記周辺装置の切替特性(SC)とに基づいて、作動期間(SP)を決定するように構成される、請求項6に記載の動作検出装置。
【請求項8】
前記切替特性(SC)は、少なくとも償却時間と、当該償却時間に割り当てられた動作モードとを含み、
前記コントローラは、前記周辺装置を前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替えるため、前記作動期間(SP)を計算するように構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の動作検出装置。
【請求項9】
前記コントローラは、作動期間(SP)を最小の時間パラメータtpminに設定するよう構成され、
前記コントローラはさらに、
を用いて、最小の時間パラメータtpminを算出するように構成され、
tは時間を示し、tは時間パラメータを示し、tamortizeは償却時間を示し、occは時間tにおける発生回数を示す、請求項8に記載の動作検出装置。
【請求項10】
前記第1の動作モードで前記周辺装置の動作がオフになり、前記第2の動作モードで前記周辺装置の動作がオンになることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の動作検出装置。
【請求項11】
前記周辺装置は、照明器具または空調設備であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の動作検出装置。
【請求項12】
切替特性(SC)を有する周辺装置と、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の動作検出装置と
を備える、システム。
【請求項13】
切替特性(SC)を有する周辺装置を制御して動作を切り替える方法であって、
動作検出手段11から検出信号(DS)を受信するステップと、
複数の検出信号(DS)の間の期間(D)をメモリに保存するステップと、
メモリに格納されている検出信号(DS)の間の前記期間(D)と、周辺装置の切替特性(SC)とを読み込んで、エネルギーを節約するために前記周辺装置を切り替えることが有益ではない時間間隔を考慮し、前記周辺装置を前記第2の動作モードとする作動期間(SP)を計算により決定するステップと、
切替信号(SW)を周辺装置に出力するステップであって、周辺装置を、決定された作動期間(SP)の間、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えるステップと
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の周辺装置を制御して動作を切り替える方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作検出装置、このような動作検出装置を備えるシステム、動作検出装置を動作させる方法、当該方法を実行するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動作検出装置は、例えば、玄関や廊下、トイレ等のパブリックスペースに有る照明などの周辺装置の制御に利用されている。照明がオフの状態で、人の動きなどの動作が検出されると、照明はオンにされ、タイマーで測定される一定の時間、そのままの状態になる。動作検出装置が再びタイマーをトリガする場合は必ず、タイマーが初期値にリセットされ、少なくとも別のタイマー間隔の間、照明はオンの状態になる。タイマーが終了すると、照明は再びオフにさせる。
【0003】
したがって、照明がオンになるまでの最適なタイマー間隔は、人がまだエリア内にいる間に照明がオフにならないよう、十分長くすべきであるが、全ての人がエリアを離れた直後に周辺装置がオフになるよう、短くすべきである。エリア内であって動作検出装置の検出範囲外に人がいるとき、または、人がエリア内にいるが動いていないときに、周辺装置がオフにならないようにすべく、周辺装置は、動作検出装置が最後のトリガを受信した後の特定の時間、オンの状態に維持される。
【0004】
しかしながら、照明をオンの状態に維持する最適なタイマー間隔は、具体的に照明が点灯するエネルギーを考慮すると、時刻や日によって異なる。人がいるときに照明がオフにならないように全てのケースの設定を調整するため、タイマー間隔は、長めに設定されなければならない。このため、照明は長時間オンの状態にされることが多く、電力が無駄になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,386,210号
【特許文献2】米国特許第6,933,685号
【特許文献3】米国特許出願2013/0069542号
【特許文献4】米国特許出願2012/0310376号
【特許文献5】米国特許出願2013/0173064号
【特許文献6】国際特許出願(WO2013/058968)
【特許文献7】国際特許出願(WO2013/058969)
【特許文献8】米国特許出願2013/0103622号
【0006】
特許文献1は、特定のエリアを監視するイルミネーションコントロールで利用される動作検出方法および動作検出装置を開示する。特許文献1では、特定のエリア内の存在を検出して、プリトリガー設定に戻し、動作や音が無い所定期間に照明を消す能力を強化した3つのセンサが提供される。
【0007】
特許文献2は、少なくとも音声情報および映像情報の一方を処理して、所定の動作ルールに基づいて照明器具を起動または調整する照明のコントローラを開示する。
【0008】
特許文献3および特許文献4は、行動パターンや占有を検出することを目的とする。
【0009】
特許文献5は、ユーザの入力を分析することによって冷暖房空調設備を制御すべく、ユーザがプログラム可能であり、ユーザの行動パターンを学習するよう設計された冷暖房空調設備を開示する。
【0010】
特許文献6は、占有センサの反応エリア内の物理的なユーザの存在を検出する占有センサを有するサーモスタットを開示する。特許文献6では、サーモスタットの処理システムは、サーモスタットのアウェイステート機能を可能にする占有条件に関する十分条件が満たされたか否か判断するように構成される。
【0011】
特許文献7は、インターフェースを起動するために、少なくとも1のセンサがサーモスタットの近くのユーザの存在を検出するように構成された複数のセンサを有するサーモスタットを開示する。
【0012】
特許文献8は、インテリジェントコントローラによって制御されるデバイス、マシン、システムまたは構成の所定の操作行動を指定する1以上の制御スケジュールを監視、学習および修正するインテリジェントコントローラを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の技術は、指定されたユーザや少数のユーザの行動を分析して調整するよう構成されているが、既存の方法は、照明や他のデイバスのスイッチングがユーザの行動パターンや既定のスケジュールに単に依存するという問題がある。しかしながら、このような照明や他のデバイスのスイッチングは、切替対象のデバイスの特性またはユーザの予測行動の特性の観点から経済的ではないという問題が依然として存在する。
【0014】
例えば、光源として蛍光灯を使用する場合、オンに切り替えることにより、非常に多くの起動エネルギーを、蛍光灯を点灯させる度に消費する可能性がある。このエネルギーは、経済的な観点から、充分に長いオフ期間によって償却されるべきである。さらに、そのような蛍光灯を頻繁に切り替えることにより、蛍光灯の寿命に負の影響を及ぼす可能性がある。したがって、照明が再び必要とされる直前に照明をオフに切り替えることは好ましくなく、避けるべきである。
【0015】
残念ながら、従来の方法は、デバイスの寿命およびエネルギー消費の双方を改善するために、いつ切り替えを行うべきか、いつ切り替えを行わないべきかを判断する方法を提供していない。
【0016】
したがって、本発明の1つの特徴は、周辺装置の動作制御切替を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様により、特定の切替特性を有する周辺装置を制御して動作を切り替える動作検出装置が提案される。動作検出装置は、動作の検出に応答して検出信号を供給する動作検出装置と、検出信号の間の期間を格納するメモリとを備える。また、動作検出装置は、切替信号を周辺装置に出力して、周辺装置を作動期間の間、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替える信号生成部を備える。さらに、動作検出装置は、信号生成部を制御するコントローラを備え、当該コントローラは、少なくとも周辺装置の特定の切替特性と、メモリに格納されている検出信号の期間の選択とに基づいて、作動期間を決定するように構成される。
【0018】
本発明の動作検出装置は、メモリに保存されている検出信号の間の期間に基づいて、作動期間を決定することができる点で有利である。ここで、作動期間は、動作状態が切り替わっている期間を規定するタイマー間隔tとすることができる。このように、動作検出装置は、2つの検出信号の間の実際の期間が、オフに切り替わっている時間として十分に長いか、または短いかを適応学習することができる。2つの検出信号の間の期間を保存することにより、2つの検出信号の間の期間が長かった時点や、当該期間が短かった時点を判断することができる。さらに、これらの期間は、例えば、時刻、平日、休日などの特別な日を考慮して選択することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、動作検出装置は、時間や特定の日時の情報を決定し、この情報を期間と共に保存するように構成可能なユニットを備えることができる。
【0020】
このように、周辺装置の切り替えレートを改善することができる。例えば、2つの検出信号の間の期間が短いと学習した場合は、周辺装置のオフへの切り替えを遅らせ、2つの検出信号の間の期間が長い場合は、周辺装置をオフに切り替えることができる。また、将来の発生のために、2つの検出信号の間の期間が長いか、または短いか予測することができる。
【0021】
さらに、作動期間を決定する際に周辺装置の切替特性を考慮することができる点で有利である。このように、周辺装置をオンに切り替えるのに必要なエネルギーを償却する償却時間(amortization time)を考慮することができる。
【0022】
起動エネルギーを償却する償却時間(例えば、周辺装置がオフの時間)は、例えば、周辺装置の起動に要するエネルギー(例えば、周辺装置が起動の際に理想的な状態で動作すると仮定すると、周辺装置の起動エネルギーEwarm−upおよび電力Pwarm)によって定義することができる。したがって、償却時間tamortizeは、数式1によって算出することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
いくつかの実施形態によれば、動作検出装置は、2つの検出信号の期間が、特定の時間における償却時間と等しいか、当該償却時間よりも長いか、または当該償却時間よりも短いかを考慮する。いくつかの実施形態によれば、動作検出装置は、将来発生する検出信号の間の期間、または現時点から次の検出信号までの期間が、償却時間と等しい、償却時間よりも長い、または償却時間よりも短いと予測できるか否かを考慮することができる。例えば、予め一日または一週間に保存されたデータは、現時点における作動期間の決定を考慮することができる。もちろん、異なる時間に保存したデータを用いて、作動期間を決定することもできる。具体的には、過去のいくつかの出来事に関するデータは、当該データが保存されている間、考慮することができる。例えば、或る日の同時刻のデータ、2日間における同時刻のデータ、それ以上の日数における同時刻のデータ、1週間における同時刻のデータ、2週間における同時刻のデータ、それ以上の期間における同時刻のデータ等の過去に周期的に保存されたデータを考慮することができる。このように、検出信号の発生の統計的な異常値を平均することができる。
【0025】
有利なことに、これによって作動期間を、検出信号の既知の発生レートまたは予測される発生レートに適応させることができる。さらに、作動期間を、償却時間のような周辺装置の特性に適応させることができる。このように、エネルギーを節約すると共に周辺装置の消耗を低減可能な周辺装置の切り替え方法を提供することができる。
【0026】
一実施形態では、コントローラは、人が動きを止めた状態でいる既定の最大時間(以下、「最大停止時間」とする。)よりも作動期間が長くなるよう、または作動期間が当該既定の最大停止時間と同じになるように、作動期間を決定するように構成される。
【0027】
有利なことに、これにより、人が検出範囲の近傍にいる間、別の検出信号を発生させることなく、周辺装置の動作モードをオンに維持することができる。これは、動作検出部がエリア全体をカバーしていない場合、または、人が既定の時間(具体的には、既定の最大停止時間)動いていない場合に実現することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、既定の時間は、例えば、玄関や廊下、トイレの照明によって周辺装置が提供する特定のエリアを人が占有する時間とすることができる。また、この時間は、動作検出装置のメモリに保存することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、例えば、時刻または他の供給源(自然光等)に依存する複数の既定の最大停止時間を採用することができる。例えば、一日のうちの特定の時間において、検出範囲、すなわち、照射された範囲を横切る人々は、早く移動するときもあり、ゆっくり移動するときもあり、頻繁に動きを止めることもある。また、玄関や廊下には、自然光が当たることがあり、日中は玄関や廊下の一部のみに光が供給され、日没後は、玄関や廊下全体に光が照射されるため、人の動作に関する評価や期間に影響を及ぼすことがある。
【0030】
したがって、本発明は、動作検出装置を使用場所における個別の要求に適応させることができ、条件を変更できる点で有利である。
【0031】
他の実施形態では、連続する2つの検出信号の間の期間を既定の時間間隔で判断するタイマーが動作検出部に設置される。
【0032】
したがって、動作検出装置は、連続する検出信号の間の期間を或る時間間隔内で決定して保存することができ点で有利であり、現在においても意義がある。いくつかの実施形態では、この時間は、例えば、1時間とすることができる。このように、最後の検出信号から1時間以内の連続する2つの検出信号の間の期間は、検出信号の最新の発生レートに関する指標を提供する。既定の時間間隔は、最後の検出信号に関連するため、事後的に変更できる点で有利である。このように、最後のイベントより前の既定の時間間隔は、常に作動期間を決定する際に考慮される。このような時間間隔における検出信号の発生レートは、例えば、夜と昼で変化する可能性や時刻によって変化する可能性があるため、動作検出装置は、実際の状況に従って制御することができる。これにより、周辺装置のエネルギー消費と寿命を改善することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、既定の時間間隔は、1時間よりも長くすることができ、例えば、数時間や一日、数日、それ以上の時間とすることができる。しかしながら、既定の時間間隔は、30分や分単位の時間のように短くすることもできる。時間間隔を設定する場合、周辺装置の切替特性も考慮することができる。例えば、LED照明のように周辺装置の償却時間および/または起動時間が短い場合、連続する2つの検出信号の間の期間を測定する既定の時間間隔を短くすることは有利である。
【0034】
蛍光灯のように償却時間が長い場合、および/または冷暖房空調設備のように起動時間が長い場合、既定の時間間隔を長くすることは有利である。一般に、償却時間のタイムスケール、および/または許容可能な最大停止時間よりも長いタイムスケールに基づいて、既定の時間間隔を設定することが有利である。
【0035】
いくつかの実施形態では、動作検出装置は、タイマーによって既定の時間間隔で測定される連続する2つの検出信号の間の期間をメモリに保存するように構成できる。さらに、動作検出装置は、メモリに既に保存されているデータを削除し、または最新のデータで上書きするように構成できる。このようにして、メモリサイズを低減することができ、動作検出装置自体の電力消費を改善することができる。具体的には、新しい測定値が、例えば、循環バッファ方式で古い測定値を上書きするように、可変の測定期間を利用することができる。
【0036】
他の実施形態では、動作検出装置は、タイマーによって決定された期間をフィルタリングし、既定の最大停止時間よりも長い期間のみを出力するフィルタを備えることができ、ことができる。
【0037】
これは、人の頻繁な動作停止や動作検出部の不十分な検出範囲が原因で、検出信号が発生し、新たなトリガとして計数される場合を考慮することができる点で有利である。これらの検出信号を除去することにより、周辺装置を第1の動作モードから第2の動作モードに切り替える作動期間は、例えば、人が検出範囲に入ったとき、第1の検出信号に関連して開始する。この最初の検出信号から最大停止時間の終了までの間に受信した検出信号は、恒久的なトリガとしてみなすことができる。このように、別の検出信号を受信しない場合、人の動きが無くなった直後に周辺装置をオフに切り替えるように、作動期間を決定することができる。これにより、人が検出範囲を離れたことを適切に判断することができる。
【0038】
他の実施形態では、動作検出装置は、既定の時間間隔内にフィルタによって出力される連続する2つの信号の間の各期間の発生を判断する判断部を備えることができる。
【0039】
有利なことに、検出部が非停止時間内でない場合は、フィルタによって出力されるこれらの発生のみを考慮して、作動期間を決定することができる。したがって、例えば、検出範囲に同時に入った複数人の動作は、別個の発生とみなされない。また、1人の人による動作の停止や動作の継続は計数されない。このように、作動期間の決定を向上させることができる。
【0040】
他の実施形態では、動作検出装置のメモリは、判断された発生ごとに、発生のベクトルと当該発生に割り当てられる期間とを保存するように構成できる。例えば、各ベクトルは、測定された期間毎に、計数された発生回数を含むことができる。
【0041】
これにより、検出信号の発生に関する詳細な情報、特に、特定の時間間隔内における発生回数を考慮することが可能になる。具体的には、検出範囲の占有の分析に関する詳細な情報をメモリに保存することができる。また、ユーザが、検出範囲の占有レートを容易に評価し、提示することができる。
【0042】
他の実施形態では、コントローラが、メモリに保存されたベクトルと周辺装置の切替特性とに基づいて、作動期間を決定するように構成できる。このように、実際の状況に適した作動期間を決定することができる。したがって、より洗練され、より詳細な切替スキームを作成することができる。その結果、電力消費を低減し、周辺装置の切替特性をさらに考慮することができる。
【0043】
他の実施形態では、切替特性は、少なくとも償却時間間隔と、当該償却時間間隔に割り当てられた好適な動作モードとを含むことができ、コントローラは、周辺装置を好適な動作モードに切り替えるべきか否かを評価するように構成できる。ここで、償却時間間隔は、エネルギーを節約するために周辺装置を切り替えることが有益ではない時間間隔とすることができる。この点において、有益とは、短期間で周辺装置をオフに切り替えることは、周辺装置を動作させないため、エネルギーの節約になることを意味すると理解すべきである。しかしながら、周辺装置をオフに切り替えた直後の検出信号によって周辺装置をオンに切り替えてもよく、周辺装置をオンに切り替えることで消費されるエネルギーが、当初から周辺装置をオンの状態のままにした際に消費されるエネルギーを超えてもよい。
【0044】
周辺装置の好適な動作モードは、周辺装置によってエネルギーが消費されないオフ状態である点で有利である。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば、空調や給気の場合は、好適な動作モードを基本供給モードとすることもできる。好適な動作モードをオンモードにすることもできる。
【0045】
他の実施形態では、コントローラは、償却時間間隔内に動作検出部から別の検出信号を受信しない確率であって、所定の確率閾値(例えば、50%)と等しいまたは当該確率閾値よりも大きい確率を有する時間間隔を決定するように構成でき、作動期間を当該決定された時間間隔に設定するように構成できる。これは、時間間隔が長く、確率が50%である場合、次の検出信号を受信する前に、償却時間よりも長い時間の間に周辺装置がオフに切り替わる件数は、確率が50%でないときの件数と同じように多くなる点で有利である。これは、周辺装置が、個々のケースについて客観的に必要とされるよりも長い好適でない動作モードにされた場合でも、正味のエネルギー消費を低減できることを意味する。
【0046】
他の実施形態では、コントローラは、切り替えの時間間隔を、算出された最小の時間パラメータtpminに設定するよう構成でき、コントローラはさらに、数式2を用いて最小の時間パラメータtpminを算出するように構成できる。
【0047】
【数2】
ここで、tは時間を示し、tは時間パラメータを示し、tamortizeは償却時間を示し、occは時間tにおける発生回数を示す。
【0048】
このように、次の検出信号(すなわち、次の発生)まで少なくとも償却時間tamortize離れている確率(例えば、50%)を有する時間パラメータtpminを識別することができる。したがって、この最小の時間パラメータtpminを作動期間として設定することにより、エネルギー消費を削減することができる。確率的に多くの場合、周辺装置をオフに切り替えて、償却時間内にオンに戻すことは省略される場合がある。
【0049】
他の実施形態では、第1の動作モードで周辺装置の動作をオフにし、第2の動作モードで周辺装置の動作をオンにすることができる。2つの動作モードのみを提供することにより、コントローラを簡易な方法で設定できる点で有利である。これにより、コストを削減することができる。
【0050】
他の実施形態では、周辺装置は、蛍光灯等の照明器具や空調設備とすることができる。いくつかの実施形態では、周辺装置は、汎用の電球、LED、または他の汎用の照明器具とすることもできる。周辺装置は、例えば、水やガス等の液体を供給する他の環境制御装置を備えることができる。いくつかの実施形態では、周辺装置は、起動されて録画や動画再生を行うビデオシステムとすることができる。
【0051】
エネルギー消費を改善することは、本発明が奏する複数の効果のうちの1つに過ぎないことに留意すべきである。しかしながら、例えば、特定の環境条件を提供するために、できるだけ長い間、周辺装置を動作させることを要求する実施形態や、環境が制御されているエリアに人がアクセスする場合にのみオフに切り替える実施形態も考えられる。したがって、上述した動作モードの「オン」や「オフ」は動作モードの単なる例示であり、本発明は、これらの特定の実施形態に限定されるものではないと理解すべきである。
【0052】
さらに、本発明の動作検出装置は、オンモードおよびオフモードに他のモードを加えた複数の動作モードにおける動作モードの切り替えに応用することができる。したがって、周辺装置の切替特性に基づいて、同じ方法または同様の方法で周辺装置の動作モードを段階的または連続的に変更することもできる。
【0053】
メモリは、保存処理を行う任意のエンティティとすることができる。さらに、フィルタは、フィルタリングを行う任意のエンティティとすることができ、判断部は、判断を行う任意のエンティティとすることができ、コントローラは、制御を行う任意のエンティティとすることができる。
【0054】
各エンティティは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現することができる。当該エンティティがハードウェアで実現される場合、当該エンティティは、デバイス(例えば、コンピュータ)、プロセッサ、またはシステム(例えば、コンピュータシステム等)の一部として具体化することができる。当該エンティティがソフトウェアで実現される場合、当該エンティティは、コンピュータプログラム製品、関数、ルーチン、プログラムコード、または実行可能なオブジェクトとして具体化することができる。
【0055】
第1の態様のいずれかの実施形態は、第1の態様の別の実施形態と組み合わせることができ、第1の態様のさらに別の実施形態を実現することができる。
【0056】
本発明の第2の態様によれば、切替特性を有する周辺装置と、周辺装置を制御して動作を切り替える第1の態様の動作検出装置とを備えるシステムが提案される。
【0057】
本発明の第3の態様によれば、切替特性を有する周辺装置を制御して動作を切り替える方法が提案される。この方法は、動作検出部から検出信号を受信するステップと、複数の検出信号の間の期間をメモリに保存するステップとを含む。他のステップでは、作動期間は、メモリに保存されている検出信号の期間および周辺装置の切替特性に基づいて、決定される。他のステップでは、切替信号が周辺装置に出力され、決定された作動期間の間、周辺装置を第1の動作モードから第2の動作モードに切り替える。
【0058】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータプログラムが提案される。このコンピュータプログラムは、本発明の第3の態様である周辺装置を制御して動作を切り替える方法を実行するプログラムコードを有する。
【0059】
以下、添付した図面を参照して本発明の例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】動作検出装置の一実施形態の概略的なブロック図。
図2】動作検出装置の別の実施形態の概略的なブロック図。
図3】連続する検出信号の期間と、検出信号の発生回数との関係を示すヒストグラム。
図4】動作検出装置を動作させる方法のステップのシーケンスを示す図。
図5】本発明の実施形態を実現するコンピュータ化された装置の概略的なブロック図。
【0061】
これらの図における類似する要素または機能的に類似する要素は、別段の指示がない限り、同一の参照記号が付される。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、動作検出装置10の一実施形態の概略的なブロック図を示す。動作検出装置10は、動作検出部11と、メモリ12と、信号生成部13と、コントローラ14とを備える。
【0063】
動作検出部11は、検出範囲内の動作を検出するように構成される。図1では、動作検出部11は、当業者には周知であるため、一般に知られている特徴に関して詳述しない。
【0064】
動作検出部11は、動作を検出すると検出信号DSを送信する。本実施形態では、この検出信号DSはメモリ12に送信され、複数の検出信号DSの間の期間Dがメモリ12に保存される。そして、メモリ12は、複数の期間Dをコントローラ14に提供する。具体的には、これらの期間Dは、過去に保存された期間Dとすることができる。例えば、これらの期間Dは、1時間前や1週間前、それ以前でもよい。また、これらの期間Dは、所望される特定の時間や過去から現在までの時間とすることができる。
【0065】
信号生成部13は、切替信号SWを周辺装置20に送信するように構成される。コントローラ14は、信号生成部13を制御して、好適なタイミングで切替信号SWを送信する。これを実現するため、コントローラ14は、作動期間SPを信号生成部13に送信し、信号生成部13は、コントローラによって決定された作動期間SPが終了したときに、切替信号SWのみを送信することができる。
【0066】
この作動期間SPは、期間Dの入力と周辺装置20の切替特性SCの入力に基づいて、コントローラ14で決定される。
【0067】
周辺装置20の切替特性SCは、償却時間、すなわち、周辺装置がオフモードである時間間隔(周辺装置をオンに切り替えたときのエネルギー消費を補う時間間隔)を含むことができる。さらに、切替特性SCは、周辺装置が切り替えられる頻度に関する制限などを含むことができる。
【0068】
図2は、動作検出装置10の別の実施形態の概略的なブロック図である。重複を避けるために、既に説明したものと同一の参照番号が付されている機能手段についての説明は省略する。
【0069】
図1に示す実施形態で説明した動作検出装置10に加えて、図2に示す実施形態では、検出信号DSの間の期間Dを決定するタイマー15が提供される。タイマー15は、既定の時間、これらの期間Dを判断するように構成される。この既定の時間は、1時間または1時間未満とすることができる。しかしながら、既定の時間は、例えば、12時間や24時間、1週間、所望の時間など、1時間よりも長くすることもできる。
【0070】
さらに、図2に示す実施形態は、フィルタ16を備える。フィルタ16は、既定の最大停止時間よりも長い期間Dのみを出力するように構成することができる。この最大停止時間は、ユーザが予め設定することができ、また、コントローラ14による検出範囲内の占有行動のデータ分析によって決定することができる。フィルタ16は、フィルタ処理された期間Dをメモリ12に出力するように構成され、メモリ12は、期間Dを適切に保存することができる。このように、図1に示す実施形態とは違い、検出信号DSは、動作検出部11からメモリ12に直接的に送信されない。
【0071】
さらに、図2に示す実施形態では、フィルタ16は、当該フィルタ16に接続された判断部17に期間Dを送信する。判断部17は、既定の時間間隔内にフィルタ16が出力した連続する2つの検出信号DSの間の決定された期間Dのそれぞれの発生を判断するように構成できる。このように、判断部17は、特定の期間内の発生回数を提供することができ、これに対応する出力をコントローラ14に提供することができる。そして、コントローラ14は、この情報を用いて、より詳細に作動期間SPを判断することができる。
【0072】
タイマー15、フィルタ16および/または判断部17のうちの少なくとも1つを備える実施形態が可能であると共に、タイマー15、フィルタ16および/または判断部17のうちの少なくとも1つを省略した実施形態が可能であることは理解できるであろう。
【0073】
図3は、1の検出信号から後続の検出信号までの期間をX軸に示すヒストグラムである。Y軸は、これらの間隔における発生回数、すなわち、検出信号の数を示す。これらの間隔は、動作検出装置の特定の応用例に基づいて、例えば、秒単位、分単位または時間単位とすることができる。
【0074】
図4は、周辺装置20を制御して動作を切り替える方法に含まれる一連のステップの1の実施形態を示す。
【0075】
図4は、動作検出装置10が実行する周辺装置20を制御して動作を切り替える方法の一連のステップの一実施形態を示す。動作検出装置10は、図1に示すように実現することができる。動作検出装置10は、動作検出部11と、メモリ12と、信号生成部13と、コントローラ14とを備える。
【0076】
図4に示す方法は、以下のステップS101〜ステップS104を含む。ステップS101では、動作検出部11から検出信号DSを受信する。ステップS102では、検出信号DSの間の期間Dがメモリ12に保存される。ステップS103では、コントローラ14が、メモリ12に保存されている検出信号DSの期間Dと、周辺装置20の或る切替特性SCに基づいて、或る作動期間SPを決定する。ステップS104では、切替信号SWが、周辺装置20に出力され、決定された作動期間SPの間、周辺装置20を第1の動作モードから第2の動作モードに切り替える。
【0077】
ここで、第1の動作モードおよび第2の動作モードは、それぞれオンモードおよびオフモードとすることができる。しかしながら、動作モードは、周辺装置のオンモードおよび/またはオフモードの少なくとも一方を除いた異なる2つの動作レベルとすることもできる。
【0078】
作動期間SPは、例えば、以下のアルゴリズムによって決定することができる。ここで、ヒストグラムのタプルのリスト<interval,occurence>、昇順の間隔におけるHは、図3から得ることができるものとする。作動期間、すなわち、切替信号SWが周辺装置20に出力されるまでの時間として、時間tがアルゴリズムによって返却される。
【0079】
このアルゴリズムでは、Hは、ヒストグラムのタプルの全体を示す。h,iは、特定の間隔のHに含まれる構成要素を示す。H.firstElementは、全ての構成要素のうちの最初の構成要素、すなわち、検出信号の最小の期間および対応する発生回数を有するタプルを示す構成要素を示す。tamortizeは、アルゴリズムにおける定数として予め設定可能な周辺装置の償却時間を示す。wastefulOccurrencesは、周辺装置の無駄な切り替え、すなわち、好ましくない切り替えを生じさせる可能性がある検出信号の発生回数を示す。周辺装置がオフに切り替えられた場合、償却時間は、次の検出信号を受信する前に終了しないため、このような周辺装置の無駄な切り替えが生じる可能性がある。このため、これらの検出信号は、周辺装置をオンの状態に維持することを示す。一方、amortizedOccurrencesは、償却期間が終了した後に受信した検出信号を表すため、装置をオフに切り替えることを示す。
【0080】
【数3】
【0081】
アルゴリズムがt_defaultを返却する場合、t_defaultは、タイマー間隔tとして設定することができる。この返却された時間t_defaultは、H.lastElement.intervalと無限大の間の値とすることができる。このアルゴリズムでは、動作検出部の後続の測定期間は、タイマー間隔tの決定に使用した測定期間と同様であることを想定していることに留意すべきである。基本的に、アルゴリズムは、周辺装置のオフへの切り替えを示す発生回数が償却時間の間に発生すると予想される発生回数よりも高くなるまで、タイマー間隔を繰り返し延長することによって適切なタイマー間隔を見つけようとし、先のタイマー間隔の後の発生回数を新しいタイマー間隔の前の発生回数(shiftedOccurrences)にシフトさせる。
【0082】
終了条件における要素fにより、50%以外の確率を対象とすることができる。
【0083】
【数4】
【0084】
コンピュータ化された装置は、本明細書で記載した本発明の実施形態を実行するよう適切に設計することができる。この点において、本明細書に記載した方法は、対話型ではなく自動的であることが理解できるであろう。例示的な実施形態では、本明細書に記載した方法は、対話型システム、部分的に対話型のシステム、または非対話型システムで実行することができる。本明細書に記載した方法は、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)、ハードウェア、またはこれらの組み合わせによって実現することができる。例示的な実施形態では、本明細書に記載した方法は、適切なデジタル処理装置によって実行可能なプログラムとしてソフトウェアに実装される。他の例示的な実施形態では、図4に示す方法の少なくとも1のステップまたは全てのステップは、適切なデジタル処理装置によって実行可能なプログラムとしてソフトウェアに実装することができる。さらに、本発明の実施形態は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用のデジタルコンピュータで実現することができる。
【0085】
例えば、図5に示すシステム900は、例えば、汎用コンピュータ等のコンピュータ化されたユニット901を概略的に示す。例示的な実施形態では、ハードウェアアーキテクチャに関し、図5に示すように、ユニット901は、プロセッサ905と、メモリコントローラ915に接続されたメモリ910と、ローカルの入出力コントローラ935を介して通信可能に接続された1以上の入力装置および/または出力装置940,945,950,955(または周辺装置)とを備える。入出力コントローラ935は、分りやすくするために省略されている追加の構成要素、例えば、通信を可能にするコントローラやバッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータおよびレシーバを備えることができる。また、ローカルインタフェースは、上述した構成要素の間の適切な通信を可能にするアドレス、コントロールおよび/またはデータコネクションを備えることができる。
【0086】
プロセッサ905は、メモリ910に保存されるソフトウェアを実行するハードウェア装置である。プロセッサ905は、特注のプロセッサ、市販のプロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、コンピュータ901に関連付けられた複数のプロセッサの間の補助的なプロセッサ、(マイクロチップやチップセット形式の)半導体で構成されるマイクロプロセッサ、または一般にソフトウェア命令を実行するいずれの装置とすることができる。
【0087】
メモリ910は、揮発性の記憶素子(例えば、ROM)、不揮発性の記憶素子、またはこれらの組み合わせとすることができる。さらに、メモリ910は、電子式記憶媒体、磁気式記憶媒体、光学式記憶媒体、および/または他の種類の記憶媒体を組みこむことができる。メモリ910は、様々な構成要素がプロセッサ905によってアクセス可能であり、それぞれが離れて設置される分散型のアーキテクチャを採用することができることに留意すべきである。
【0088】
メモリ910内のソフトウェアは、1以上の個別のプログラムを有することができ、各プログラムは、論理機能を実現するための実行可能な命令の順序付きリストを含む。図5に示す例では、メモリ910内のソフトウェアは、例示的な実施形態および適切なオペレーティングシステム(OS)911に基づいて本明細書に記載した方法を含む。OS911は本質的に、本明細書(例えば、図4)に記載した方法などの他のコンピュータプログラムの実行を制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイルやデータ管理、メモリ管理、および通信制御や通信制御に関するサービスを提供する。
【0089】
本明細書に記載した方法は、ソースプログラム、実行可能なプログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、実行される一組の命令を含む他のエンティティの形式を採用することができる。ソースプログラムの形式の場合、プログラムは、メモリ910に組み込まれたコンパイラ、アセンブラ、インタープリタや、メモリ910内に組み込まれていないコンパイラ、アセンブラ、インタープリタ等によって翻訳する必要があり、OS911と関連して適切に動作する。さらに、この方法は、データおよびメソッドのクラスを記述可能なオブジェクト指向プログラミング言語、または、ルーチン、サブルーチンおよび/若しくは関数を有する手続き型プログラミング言語で記述することができる。
【0090】
または、従来型のキーボード950およびマウス955は、入出力コントローラ935に接続できる。他の入出力装置940は、(特に、ネットワークエレメントの場合に)センサ、すなわち、温度や圧力(監視される物理データ)等の物理的な状況の変化に対する測定可能な応答を生成するハードウェア装置を備えることができる。通常、センサが生成するアナログ信号は、アナログ・デジタル・コンバータによってデジタル化され、更なる処理のためにコントローラ935に送信される。センサノードは、理想的には小型でエネルギー消費が少なく、自律的で独立して動作する。
【0091】
さらに、入出力デバイス940〜955は、入力および出力の双方を通信する装置を備えることができる。さらに、システム900は、ディスプレイ930に接続されるディスプレイコントローラ925を備えることができる。さらに例示的な実施形態では、システム900は、ネットワーク965に接続されるネットワークインタフェースまたはトランシーバ960を備えることができる。
【0092】
ネットワーク965は、ユニット901と外部システムの間でデータを送受信する。ネットワーク965は、例えば、WiFi(登録商標)やWiMax(登録商標)等の無線通信プロトコルおよび無線通信技術を用いて、無線方式で実現することができる。ネットワーク965は、固定無線ネットワーク、無線LAN、無線WAN、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)、インターネット、または他の好適なネットワークシステムを含むことができ、また、信号を送受信する設備を備えることができる。
【0093】
また、ネットワーク965は、ブロードバンド接続を介して、ユニット901と外部のサーバやクライアント等との通信を可能にするIPベースのネットワークとすることができる。例示的な実施形態では、ネットワーク965は、サービスプロバイダによって管理されるマネージドIPネットワークとすることができる。さらに、ネットワーク965は、LANやWAN、インターネット等のパケット交換方式のネットワークとすることができる。
【0094】
ユニット901がPCやワークステーション、インテリジェントデバイス等である場合、メモリ910内のソフトウェアはさらに、ベーシック・インプット・アウトプットシステム(BIOS)を備えることができる。BIOSは、コンピュータ901の起動時に実行できるよう、ROMに格納される。
【0095】
ユニット901が動作中の場合、プロセッサ905は、メモリ910内に格納されているソフトウェアを実行し、メモリ910との間でデータ通信を行い、ソフトウェアに従ってコンピュータ901全体の動作を制御するように構成される。本明細書に記載する方法およびOS911は、全体的または部分的にプロセッサ905によって読み出され、通常、プロセッサ905内のバッファに格納されて実行される。(図4を参照して)本明細書に記載する方法をソフトウェアで実現する場合、当該方法は、コンピュータに関連するシステムや方法で使用し、または当該システムや方法と関連して使用するために、ストレージ920などの任意のコンピュータ読み取り可能な媒体に保存することができる。
【0096】
当業者にとって明らかなように、本発明の態様は、システム、方法またはコンピュータプログラム製品として実現することができる。したがって、本発明の態様は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等)、ソフトウェアおよびハードウェアを組み合わせた実施形態とすることができる。さらに、本発明の態様は、コンピュータ読取り可能なプログラムコードを有する1以上のコンピュータ読取り可能な媒体で具体化されるコンピュータプログラム製品とすることができる。1以上のコンピュータ読取り可能な媒体を組み合わせることもできる。コンピュータ読取り可能な媒体は、コンピュータ読取り可能な信号媒体またはコンピュータ読取り可能なストレージ媒体とすることができる。コンピュータ読取り可能なストレージ媒体は、例えば、電子的なシステム、装置若しくはデバイス、光学的なシステム、装置若しくはデバイス、電磁気的なシステム、装置若しくはデバイス、赤外線システム、赤外線装置若しくは赤外線デバイス、若しくは半導体システム、半導体装置若しくは半導体デバイス、または、これらの好適な組み合わせとすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ読取り可能なストレージ媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、1以上のワイヤを有する電気的なコネクション、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、書込み消去可能なメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、CD−ROM、光学式記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの好適な組み合わせが含まれる。本明細書では、コンピュータ読取り可能なストレージ媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスが使用でき、または命令実行システム、装置またはデバイスと関連して使用できるプログラムを収容または格納可能な有形の媒体とすることができる。
【0097】
コンピュータ読取り可能な信号媒体には、例えば、ベースバンドや搬送波等のコンピュータ読取り可能なプログラムコードが組み込まれた伝搬型のデータ信号を含むことができる。このような伝搬型の信号は、電磁気的な形態、光学的な形態またはこれらの好適な組み合わせを含む様々な形態とすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ読取り可能な媒体に組み込まれるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、無線周波数等、またはこれらの好適な組み合わせを含む、適切な媒体を用いて伝送することができるが、これらに限定されない。
【0098】
本発明の態様の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、C言語等の従来の手続き型言語、または同様のプログラミング言語を含む、1以上のプログラミング言語で記述できる。プログラムコードは、ユニット901で完全に実行可能であり、ユニット901で部分的に実行可能であり、または1のユニット901および別のユニット901で部分的に実行可能である。
【0099】
本発明の態様は、本発明の実施形態に従う方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して上述される。フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックは、1以上のコンピュータプログラム命令によって実現可能であることは理解できるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを構成する汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置に提供することができ、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能なデータ処理装置が実行可能な当該コンピュータプログラム命令により、フローチャートおよび/またはブロック図に明記された機能および動作を実現する手段を生成することができる。
【0100】
また、コンピュータプログラム命令は、一連の動作ステップを実行可能なコンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードして、コンピュータが実行する処理を提供することができ、コンピュータや他のプログラム可能な装置で実行される当該コンピュータプログラム命令により、フローチャートおよび/またはブロック図に明記された機能および動作を実現する処理を生成することができる。
【0101】
フローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態に従うシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能な手段のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点について、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、明記された論理機能を実現するための1以上の実行可能な命令を有するモジュール、セグメントまたはコードの一部を表す。代替的な実施形態では、ブロックに記載された機能は、図に示した順序以外で実行できることに留意すべきである。例えば、連続する2つのブロックは、関連する機能およびアルゴリズムの最適化に基づいて、実際にはほぼ同時に実行することができ、または、逆の順序で実行することができる。ブロック図および/またはフローチャートの各ブロックと、これらのブロックの組み合わせは、特定の機能や動作を実現する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェア若しくはコンピュータ命令の組み合わせによって実現することができる。
【0102】
より一般的には、本発明は特定の実施形態を参照して記述されているが、当業者であれば、様々な変更が可能であり、本発明の趣旨から逸脱することなく、同等の実施形態を構成可能であることは理解できるであろう。さらに、本発明の趣旨から逸脱することなく、特定の状況を本発明の教示に適用させる多くの修正例が可能である。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、添付した請求項の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことを意図するものである。
【符号の説明】
【0103】
10:動作検出装置
11:動作検出部
12:メモリ
13:信号生成部
14: コントローラ
15:タイマー
16:フィルタ
17:判断部
20:周辺装置
101:ステップ
102:ステップ
103:ステップ
104:ステップ
D:期間
DS:検出信号
SC:切替特性
SP:作動期間
SW:切替信号
図1
図2
図3
図4
図5