(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ジアルキルマグネシウム化合物は、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、およびブチルオクチルマグネシウムのようなジアルキルマグネシウムを含む群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
前記液体アルコールは、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、アルコキシ基を含有する脂肪族アルコール、およびこれらの混合物を含む群から選択され、
前記脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、およびドデカノールを含む群から選択され、
前記脂環式アルコールは、シクロヘキサノールおよびメチルシクロヘキサノールを含む群から選択され、
前記芳香族アルコールは、ベンジルアルコールおよびメチルベンジルアルコールを含む群から選択され、
前記アルコキシ基を含有する脂肪族アルコールは、エチルグリコールおよびブチルグリコールを含む群から選択される、
請求項1に記載のプロセス。
使用される前記内部電子供与体は、フタル酸エステル、安息香酸エステル、ジエーテル、コハク酸エステル、マロン酸エステル、炭酸塩、およびこれらの組合わせを含む群から選択され、
a.前記フタル酸エステルは、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、およびフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを含む群から選択され、
b.前記安息香酸エステルは、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸フェニル、安息香酸シクロヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、p−エトキシ安息香酸エチル、およびp−イソプロポキシ安息香酸エチルを含む群から選択され、
c.前記コハク酸エステルは、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、およびコハク酸ジイソブチルを含む群から選択され、
d.前記マロン酸エステルは、マロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、プロピルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、およびブチルマロン酸ジエチルを含む群から選択され、
e.前記ジエーテルは、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、および2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパンを含む群から選択され、
f.前記炭酸塩は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ−2−イソノニル、アニス酸メチル、およびアニス酸エチルを含む群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
前記不活性溶媒は、塩素化された芳香族溶媒、塩素化されていない芳香族溶媒、塩素化された脂肪族溶媒、および塩素化されていない脂肪族溶媒を含む群から選択される、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のプロセス。
前記不活性溶媒は、ベンゼン、デカン、ケロシン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、o−クロロトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、およびシクロヘキサンを含む群から選択される、請求項17に記載のプロセス。
【背景技術】
【0002】
チーグラー・ナッタ(ZN)触媒系は、オレフィンを重合するためのその能力により、よく知られている。これらは一般に、主にマグネシウムである支持体から成り、これをベースとして、内部供与体として知られている有機化合物とともに、チタニウム成分が加えられている。この触媒が共触媒および/または外部供与体と組み合わされると、完成したZN触媒系を構成する。
【0003】
通常チーグラー・ナッタ触媒系は、遷移金属ハロゲン化物から成る。普通、遷移金属ハロゲン化物は、通常は二塩化マグネシウムである金属化合物上に支持された、ハロゲン化チタンである。遷移金属とともに、内部電子供与体として知られている有機成分もあり、これは、触媒合成および重合の間、特有な役割を演じる。MgCl
2が活性形態にあるMgCl
2キャリアは、様々な方法論によって生成され得る。複数の方法のうちの1つは、有機溶液からMgCl
2を沈殿させることである。そこではマグネシウムが溶解性の化合物として存在する。溶解性のマグネシウム化合物は、Mg金属から出発し、これを、ヨウ素の存在中で適切なアルコールにより処理するか、または、マグネシウムアルキルから出発して、これをアルコールで処理するかのどちらかで実現することができる。このステップに続くのは、塩素化試薬による、Mgアルキルまたはアルコキシ化合物の塩素化である。マグネシウムキャリアはまた、'既成の'MgCl
2の形態で沈殿されることができる。この場合MgCl
2は、最初に、ある適切な供与体化合物中に溶解されなければならず、次に、炭化水素溶媒中にて沈殿されなければならない。単純に塩素ガスまたは塩酸でこれを処理することによって溶解性のマグネシウムアルキル化合物を塩素化することにより、MgCl
2支持体材料は沈殿されることもできる。キャリアの所望の仕様がひとたび得られると、通常、これに続くチタン化の手順によって、最終的な触媒合成に至る。
【0004】
Montedison & Mitsuiの米国特許第4277589号明細書は、出発原料としてマグネシウムエタノール付加物に基づき、ハロゲン化剤中での60℃における電子供与体の付加がこれに続く、固体触媒のプロセスを記載する。生じた固体の成分が単離され、次いでより高温においてチタニウム化合物で処理され、その後ろ過される。上述のステップは、炭化水素溶媒中でその後3回繰り返される。マグネシウムエタノール錯体は、エタノールの錯体形成において2から6の範囲にわたって変動する。使用されたハロゲン化試薬はアルミニウムアルキルをベースとする。
【0005】
Montedisonの米国特許第4473660号明細書、米国特許第4156063号明細書、米国特許第4174299号明細書、米国特許第4226741号明細書、米国特許第4315836号明細書、および米国特許第4331561号明細書は、固体の触媒を与えるために、塩化マグネシウムエタノール付加物が、アルミニウムアルキル、その後、供与体、続いてチタニウム成分による処理を用いてハロゲン化されたプロセスを記載する。重合に対する電子供与体の変化も開示される。
【0006】
Borealisの米国特許第7659223B2号明細書は、液体/液体の2相系(エマルション)に基づくオレフィン触媒を調製するプロセスを記載する。そこでは、固体の触媒粒子を得るために個別のキャリア材料が必要ではない。触媒粒子は予め定められたサイズ範囲を有する。より高級なアルコールのマグネシウム錯体を可溶化させること、および、in situでの内部供与体の生成と、続くチタニウム、乳化剤および、乱流最小化剤(turbulence minimizing agent)の添加を介して触媒粒子が形成される。アルキルアルミニウムの添加もまた行われる。これは、より高温で作用する触媒に対して追加的な安定性を提供する。生成された触媒は優れたモホロジー、良好な粒子サイズ分布、および、より高温での最大活性度を有する。内部供与体のin situ生成の1つの欠点は、内部供与体の組成における変動である。
【0007】
米国特許第7608555号明細書は、制御された様式で触媒を合成するプロセスを記載する。これは、所望の化学組成およびモホロジーに対する制御につながる。これもまたエマルションの方法論に基づいているが、ここでの分散相は、例えばパーフルオロ化された有機溶媒である分散相としての媒体に対して混合せず不活性であるように選ばれる。利点は実際のところ触媒モホロジーと化学組成の制御であるが、これは、触媒合成のステップの数を増大させ、内部供与体のin situでの生成は、内部供与体の組成における変動につながる。
【0008】
米国特許第6420499号明細書は、触媒が、三塩化アルコキシチタンのような有害な副生成物を生成することなく合成される、または、大量のチタン化試薬並びに洗浄溶媒を必要とするプロセスを記載する。多数のステップから合成された生じる触媒は、良好な活性度を有する。マグネシウム、ハロゲン、およびアルコキシを含んだチタニウムの無いマグネシウム化合物が使用される。これはin situで内部供与体を生成するために有機塩化物で処理され、続いてチタン化される。このプロセスには乳化剤の使用は関与しないが、内部供与体のin situでの生成は、内部供与体の組成における変動という欠点を持つ。
【0009】
米国特許第6849700号明細書は、マグネシウムアルコキシド、カルボン酸ハロゲン化物、および四ハロゲン化チタンが、溶解された反応生成物として得られ、その後芳香族炭化水素中で沈殿され、沈殿された反応混合物に対して脂肪族炭化水素を添加するか、または、脂肪族および芳香族炭化水素の混合物によって溶解された反応生成物を沈殿および沈降させるかのどちらかによって沈降されるようなプロセスを記載する。ここでの欠点はまた、中間体および最終生成物の洗浄に多数のステップが関与することである。
【0010】
米国特許第6706655号明細書は、オレフィン重合触媒成分の調製方法を開示する。そこでは、新たな重合触媒成分が形成される。このプロセスにおいては、マグネシウムジアルキルまたは二ハロゲン化物またはアルキルアルコキシドがアルコールと反応される。反応生成物は、不飽和ジカルボン酸二ハロゲン化物および四ハロゲン化チタンと反応される。エチレングリコールのような多価アルコールの場合、触媒は良好な活性度およびモホロジーを示す。このプロセスは、複数の新たなタイプの内部供与体のin situでの生成という欠点を持ち、多数のステップが関与する。
【0011】
米国特許第7026265号明細書は、マグネシウム二ハロゲン化物、四ハロゲン化チタン、およびカルボン酸エステルから成るオレフィン重合触媒の調製プロセスを開示する。そこでは、その構成要素の前駆体が溶液中で反応され、溶液から成分が沈殿される。この沈殿は、制御された様式で形成されたカルボン酸の1または複数のオリゴエステルの共沈によって補われている。この新たな方法論は、改良されたポリマモホロジーおよび生成物の組成の一貫性につながる。
【0012】
Mitsui Chemicalsの米国特許第7220696号明細書は、ハロゲン化マグネシウムの固体の付加物をアルコールおよび内部電子供与体と反応させることによって触媒系を合成するプロセスを開示する。触媒系は2またはそれ以上のエーテル結合を有する内部電子供与体と再び反応され、最後に、不活性炭化水素溶媒中で懸濁する間に、複数の部分に分けて一度または何回もチタニウム化合物により処理される。触媒合成の最初から最後の段階に進むのには、多数のステップが関与する。
【0013】
米国特許第4990479号明細書は、高い立体規則性および狭いMWDを有するポリマを生成するために、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物とともに、マグネシウム、チタニウム、およびハロゲン、およびフタル酸エステルをベースとする内部供与体を含んだ触媒系を開示する。有機ケイ素化合物は、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、またはそれらの誘導体を含む。この触媒合成は、無水フタル酸、続いてチタニウム成分が加えられる溶解性付加物を形成するために、ハロゲン化マグネシウムと、より高級なアルコールの使用を含む。従って、in situでの内部供与体生成のプロセスがある。さらに、これは、最後にチタニウム成分でこれを再び処理する前に、フタル酸エステルをベースとする有機化合物と接触される。TiCl
4での2つの処理ステップで全ての副生成物を洗い去り、最後の炭化水素での洗浄の後では、触媒は、主にアモルファスのMgCl
2を有する組成を示す。主な欠点は、触媒合成に多数のステップが関与することである。
【0014】
Mitsuiの米国特許第5844046号明細書は、広いMWDを実現するために外部供与体の使用に焦点を当てているが、固体の触媒成分の調製も記載する。この触媒合成は、無水フタル酸、続いてチタニウム成分が加えられる溶解性付加物を形成するために、ハロゲン化マグネシウムと、より高級なアルコールの使用を含む。さらに、これは、フタル酸エステルをベースとする内部供与体と反応され、続いて、熱した条件下で固体成分がろ過され、これはチタニウム成分によって再び処理される。最終生成物は炭化水素で洗浄される。アモルファスのMgCl
2が、チタン化を経た溶解性の塩化マグネシウムアルコール付加物の沈殿によって生成される。ここでも、内部供与体の組成に変動を与えるin situでの内部供与体生成ステップがある。
【0015】
Mitsuiの欧州特許第0125911B1号明細書は、内部供与体としてのフタル酸ジイソブチルと共に2−エチル−ヘキサノール(EHA)でMgCl
2を溶解すること、および、その後エチルアルミニウムセスキクロリドを用いてこれを沈殿することでアモルファスMgCl
2の形成に至ることを含む触媒合成プロセスを開示する。固体部分はチタニウム成分によって2回処理され、その後炭化水素で洗浄される。このタイプの触媒合成は、触媒副生成物に対する廃棄物処理システム、および、TiCl
4に対する再循環システム、および、洗浄用炭化水素の再循環システムを必要とする。
【0016】
BASFの米国特許第6034023号明細書は、アルミニウム酸化物/シリカ支持体、チタニウム化合物(TiCl
4)、マグネシウム化合物、ハロゲン、およびカルボン酸エステルを含む触媒を開示する。マグネシウムジアルキルが不活性溶媒中で支持体と接触され、その後、アモルファスのMgCl
2を形成するために、強い塩素化剤によって処理される。チタニウム化合物およびフタル酸エステルをベースとする内部供与体による処理がこれに続く。洗浄を目的として、トルエン中のTiCl
4を用いることにより、触媒の化学的活性化が実行される。このプロセスには、多数のステップ、および、洗浄の間にもチタニウム成分の使用が関与する。
【0017】
米国特許第5658840号明細書および米国特許第5296431号明細書は、どちらも同様な触媒合成プロセスを記載する。そこでは、マグネシウムジアルキルが不活性溶媒中で支持体と接触され、その後、アモルファスのMgCl
2を形成するために、強い塩素化剤によって処理される。チタニウム化合物が加えられる前に、ジアルキルマグネシウムの還元能力を低減するために、エタノールが加えられる。チタニウム化合物およびフタル酸エステルをベースとする内部供与体による処理がこれに続く。
【0018】
米国特許第5296431号明細書は、生じた触媒を重合の前にブチルリチウムで処理することが微粒子の生成を向上させることを開示する。
【0019】
米国特許第5658840号明細書は、高い生産性および立体特異性を有する、自由に流れて貯蔵可能な触媒を得るために、第1のろ過の利用によって触媒から不活性溶媒を除去し、その後、100℃よりもは高くない温度における圧力差を適用する別のステップを開示する。
【0020】
米国特許第6107231号明細書も、上記の特許と同様な、触媒を合成する方法論を開示する。ここでもまた、ジアルキルマグネシウムが球状のモホロジーを有するシリカである支持体に最初に接触され、その後、HClガスを用いて塩素化されて、アモルファスMgCl
2の形成に至る。チタニウム化合物およびフタル酸エステルをベースとする内部供与体による処理がこれに続く。洗浄を目的として、様々な極性を有する様々な溶媒系中のTiCl
4を用いて、触媒の化学的活性化が実行される。この特許の教示は、化学的活性化の間に芳香族溶媒を利用することは、低減されたキシレンおよび塩素含有量を有するポリマを生成するような触媒系を与えるという事実にある。これらのタイプのプロセスは、通常、重合の間に高微粒子を与える。これが主な欠点である。ここで、上記の全ての特許においては、チタニウム成分とともに内部供与体が加えられる。
【0021】
米国特許第4946816号明細書、米国特許第4866022号明細書、米国特許第4988656号明細書、米国特許第5013702号明細書、および米国特許第5124297号明細書は、カルボン酸マグネシウムまたはアルキル炭酸マグネシウムから溶解性のマグネシウム化合物を形成することを含む、触媒を生成する共通のプロセスを記載している。その後、遷移金属ハロゲン化物および有機シランの存在下でマグネシウムを沈殿することに続いて、テトラヒドロフランを含んだ混合された溶液を使用して、固体の成分を再沈殿する。最後に、良好なモホロジーを有する触媒を生成するために、再沈殿された粒子を遷移金属化合物および内部電子供与体化合物と反応させる。これらのプロセスは、触媒の生成において、あまりにも多くのステップを有するという欠点を持つ。
【0022】
ABB Lummusの米国特許第7232785号明細書は、多数のステップが関与する触媒合成プロセスを記載する。この発明は、シリカキャリアに基づいた、非常に高い重合活性度を有するチーグラー・ナッタPP触媒を記載する。触媒調製においてはシリカ支持体が使用され、これがその後炭化水素に溶解する有機マグネシウム化合物(エーテルおよびヘプタン中のジアルキルマグネシウム)によって処理される。固体の触媒中の有機マグネシウム化合物は、HClを用いてさらにMgCl
2へと変換される。エタノールによる処理の後に、チタニウム化合物、続いてフタル酸エステルをベースとする内部供与体が加えられる。ろ過、洗浄、および芳香族溶媒中のチタニウム化合物を用いた化学的活性化がこれに続く。ここで、全く異なるMgCl
2の生成プロセスが続く。
【0023】
Samsungの米国特許第5459116号明細書は、水酸基およびエステル基を有する内部電子供与体が添加される溶解性の錯体を形成するために、より高級なアルコールによる無水塩化マグネシウムの処理を含む触媒合成プロセスを開示する。得られた溶液は、その後チタニウム化合物で処理され、次いで不純物を除去するために洗浄される。新たな内部供与体の添加は、溶解性の有機マグネシウム化合物とともに行われることもできる。そのような触媒合成プロセスは、多数のステップが関与するという欠点を有する。
【0024】
米国特許第6034025号明細書は、四塩化チタンによってさらに処理される溶解性の有機マグネシウム化合物を形成するために、より低級なアルコールの混合物とともに、内部電子供与体としての環状エーテルにより無水塩化マグネシウムが処理される触媒合成プロセスを記載する。上澄みの分離後に、トルエン中でのチタン化が2回行われ、続いて洗浄される。アルコールの混合物中の変動は、より低級なアルコールから、より高級なアルコールへの組合わせにおよぶ。これらのプロセスは、触媒の生成において、多数のステップを有しがちである。
【0025】
しかしながら、上述の問題を克服するためには、オレフィンの重合用の触媒を合成することを目的として、触媒系が優れた重合活性度および立体規則性を示しながら、より少ない数のステップが関与する、単純で経済的なプロセスが必要である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明には、様々な変更および代替的形態が可能であるが、その特定の実施形態が、以下に詳細に記載されるであろう。しかしながらこれは、開示される具体的な形態に本発明を限定することが意図されるものではなく、それどころか、添付の請求項によって定義されるような本発明の範囲内に含まれる全ての変更、均等物、代替物にも本発明が及ぶことが理解されるべきである。
【0032】
本発明は、触媒系の合成のための単純なプロセスを記載する。このプロセスには、優れた活性度および立体規則性を有するオレフィンの重合に対して、より少ないステップが関与する。
【0033】
本発明のさらなる目的は、所望の化学組成、モホロジー、および表面特性を有する触媒成分を生成する、改良された方法を提供することである。このプロセスは、溶解性のマグネシウム成分をチタニウムに接触させること、および、任意の段階における内部電子供与体の添加を含む、触媒を生成するプロセスの間の操作を伴う。本発明のプロセスは、ステップの数がより少なくてより単純であり、経済的であり、且つ環境に優しい。さらに、このプロセスは、オレフィンを重合することに対する触媒としての基礎的な所望される特徴を維持しながら、触媒系の活性度を高める。
【0034】
本発明のさらなる目的は、本発明のプロセスによって生成される触媒成分を用いて、オレフィンを重合する、および/または共重合するプロセスを提供することである。
【0035】
本発明の触媒成分を調製するプロセスは、以下を有する。
(i)マグネシウムをベースとする成分を、マグネシウム化合物を可溶化する能力を有する化合物に接触させる。
(ii)この可溶化されたマグネシウム化合物をチタニウム成分と反応させる。
(iii)内部電子供与体を、ステップ(i)の後か、またはステップ(ii)としてのどちらかで接触させる。
(iv)上記の触媒成分を、不活性溶媒中のチタニウム成分によって活性化する。
(v)沈降およびデカンテーション、溶媒による続く洗浄によって、固体の触媒系を回収する。
【0036】
従って本発明は、チーグラー・ナッタ触媒系に対するプロ触媒としての使用に向けた固体のチタニウム触媒成分の調製プロセスを提供する。このプロセスは以下を有する。
a.反応混合物を形成するために、R'R"Mgで表されるジアルキルマグネシウム化合物を、マグネシウム可溶化化合物に接触させる。ここでR'およびR"のそれぞれは、C
1−C
20の炭素原子を有する炭化水素基である。ジアルキルマグネシウム化合物をマグネシウム可溶化化合物と接触させることは、反応混合物中にマグネシウムアルコキシドを有する第1反応混合物の形成をもたらす。
b.反応混合物中のマグネシウムアルコキシドを変換して第2反応混合物を形成するために、Ti(OR''')
pX
4−pで表されるチタニウム化合物を添加する。ここでXはハロゲン原子であり、R'''は炭化水素基であり、pは4よりも小さいかまたは4に等しい値を有する整数である。
c.触媒成分を得るために、ステップ(a)の後か、または、ステップ(b)の後のどちらかにおいて、少なくとも1つの内部電子供与体を添加する。
d.チタニウム化合物および不活性溶媒を有する溶液を用いて触媒成分を活性化する。そして、固体のチタニウム触媒成分を回収する。
【0037】
本発明の一実施形態においては、固体のチタニウム触媒成分の調製プロセスは、後期供与体添加を含み、このステップは以下を有する。
a.マグネシウムアルコキシドを有する第1反応混合物を形成するために、R'R"Mgで表されるジアルキルマグネシウム化合物を、ROHで表されるマグネシウム可溶化液体アルコールと接触させる。ジアルキルマグネシウム化合物を液体アルコールと接触させることは、次の反応をもたらす。
R'R"Mg+2ROH→Mg(OR)
2+R'H+R"H
ここでR、R'、およびR"のそれぞれは、C
1−C
20の炭素原子を有する炭化水素基である。
b.マグネシウム二ハロゲン化物を有する第2反応混合物を得るために、Ti(OR''')
pX
4−pで表されるチタニウム化合物を第1反応混合物に対して添加する。ここでXはハロゲン原子であり、R'''は炭化水素基であり、pは4よりも小さいかまたは4に等しい値を有する整数である。
c.触媒成分を得るために、第2混合物に対して少なくとも1つの内部電子供与体を添加する。
d.チタニウム化合物および不活性溶媒を有する溶液を用いて触媒成分を活性化する。そして、固体のチタニウム触媒成分を回収する。
【0038】
上記のようなプロセスでは、ステップ(a)は以下を有する。
i.第3反応混合物を得るために、2から8℃の範囲内に維持された温度において、ジアルキルマグネシウム化合物を液体アルコールに接触させる。
ii.マグネシウムアルコキシドを有する第1反応混合物を形成するために、第3反応混合物の温度を、50から70℃の範囲内の値まで徐々に上昇させ、その温度を約15から45分の期間にわたって維持する。
【0039】
上記のようなプロセスでは、ステップ(b)は以下を有する。
i.第1反応混合物を不活性溶媒で希釈する。そしてこれを−35から−10℃の範囲内の温度まで冷却する。
ii.溶液を得るためにチタニウム化合物を溶媒中に溶解し、溶液を冷却する。
iii.第2反応混合物を得るために、こうしてステップ(ii)において上記のように得られた溶液を、ステップ(i)の希釈された反応混合物と、−35から−10℃の範囲内の温度において徐々に混合する。
【0040】
上記のようなプロセスでは、ステップ(c)は以下を有する。
i.第2反応混合物の温度を、25から50℃の範囲内の値まで徐々に上昇させる。
ii.内部電子供与体源を添加する。
iii.触媒成分を形成するために、100から130℃の範囲内の値まで徐々に温度を上昇させ、約10から20分の期間にわたって、この温度を維持する。
iv.こうして形成された触媒成分を回収する。
【0041】
上記のようなプロセスでは、ステップ(d)は以下を有する。
i.チタニウム化合物および不活性溶媒を有する溶液によって触媒成分を処理し、これを、100から120℃の範囲内の温度値に約10から20分維持する。
ii.任意で、上述のステップを予め定められた回数繰り返す。
【0042】
本発明の別の実施形態においては、固体のチタニウム触媒成分の調製プロセスは早期供与体添加を含み、そのステップは以下を有する。
A.マグネシウムアルコキシドを有する第1反応混合物を形成するために、R'R"Mgで表されるジアルキルマグネシウム化合物を、ROHで表される液体アルコールと接触させる。ジアルキルマグネシウム化合物を液体アルコールと接触させることは、次の反応をもたらす。
R'R"Mg+2ROH→Mg(OR)
2+R'H+R"H
ここでR、R'、およびR"のそれぞれは炭化水素基である。
B.第2反応混合物を得るために、第1反応混合物に対して少なくとも1つの内部電子供与体を添加する。
C.触媒成分を得るために、Ti(OR''')
pX
4−pで表されるチタニウム化合物を、ステップ(B)の第2反応混合物に対して添加する。ここでXはハロゲン原子であり、R'''は炭化水素基であり、pは4よりも小さいかまたは4に等しい値を有する整数である。
D.チタニウム化合物および不活性溶媒を有する溶液を用いて触媒成分を活性化する。そして固体のチタニウム触媒成分を回収する。
【0043】
上記のようなプロセスでは、ステップ(A)は以下を有する。
i.第3反応混合物を得るために、2から8℃の範囲内に維持された温度において、ジアルキルマグネシウム化合物を液体アルコールに接触させる。
ii.マグネシウムアルコキシドを有する第1反応混合物を形成するために、第3反応混合物の温度を、50から70℃の範囲内の値まで徐々に上昇させ、その温度を約15から45分の期間にわたって維持する。
【0044】
上記のようなプロセスでは、ステップ(B)は以下を有する。
i.第1反応混合物を不活性溶媒で希釈する。そしてこれを−35から−10℃の範囲内の温度まで冷却する。
ii.第2反応混合物を得るために、第1反応混合物に対して内部電子供与体源を添加する。
【0045】
上記のようなプロセスでは、ステップ(C)は以下を有する。
i.溶液を得るためにチタニウム化合物を溶媒中に溶解し、溶液を冷却する。
ii.触媒成分を得るために、ステップ(i)の溶液を、−35から−10℃の範囲内の温度において第2反応混合物と徐々に混合する。
【0046】
上記のようなプロセスでは、ステップ(D)は以下を有する。
i.チタニウム化合物および不活性溶媒を有する溶液によって触媒成分を処理し、これを、100から120℃の範囲内の温度値に約10から20分維持する。
ii.任意で、ステップ(i)を予め定められた回数繰り返す。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態において不活性溶媒は、塩素化された芳香族溶媒、塩素化されていない芳香族溶媒、塩素化された脂肪族溶媒、および塩素化されていない脂肪族溶媒を含む群から選択される。
【0048】
本発明のさらなる一実施形態において不活性溶媒は、ベンゼン、デカン、ケロシン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、o−クロロトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、およびシクロヘキサンを含む群から選択される。
【0049】
本発明の一実施形態においては、チーグラー・ナッタ触媒系に対するプロ触媒として使用される固体のチタニウム触媒成分は、15から20wt%のマグネシウム部分、1.0から6.0wt%のチタニウム部分、および5.0から20wt%の内部供与体の組合わせを有する。上記固体のチタニウム触媒成分は、1から100μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、1から10μmの範囲内のD10、5から25μmの範囲内のD50、および15から50μmの範囲内のD90という3点の粒子サイズ分布によって特徴付けられる。
【0050】
本発明はまたチーグラー・ナッタ触媒系を提供する。触媒系は、少なくとも1つの有機アルミニウム化合物と、少なくとも1つの外部電子供与体と、15から20wt%のマグネシウム部分、1.0から6.0wt%のチタニウム部分、および5.0から20wt%の内部供与体の組合わせを有する固体のチタニウム触媒成分との組合わせを有する。上記固体のチタニウム触媒成分は、1から100μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、1から10μmの範囲内のD10、5から25μmの範囲内のD50、および15から50μmの範囲内のD90という3点の粒子サイズ分布によって特徴付けられる。
【0051】
本発明のさらなる一実施形態においては、外部電子供与体と内部供与体とは同じものであるか、または異なるものである。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態においては、(固体のチタニウム触媒成分からの)チタニウム:(有機アルミニウム化合物からの)アルミニウム:外部供与体の間の比率は、1:5−1000:0−250の範囲内にあり、好ましくは、1:25−500:25−100の範囲内にある。
【0053】
本発明はまた、オレフィンを重合する、および/または共重合する方法を提供する。上記の方法は、C2からC20の炭素原子を有するオレフィンを重合条件下でチーグラー・ナッタ触媒系と接触させるステップを有する。上記の触媒系は、少なくとも1つの有機アルミニウム化合物と、少なくとも1つの外部電子供与体と、15から20wt%のマグネシウム部分、1.0から6.0wt%のチタニウム部分、および5.0から20wt%の内部供与体の組合わせを有する固体のチタニウム触媒成分との組合わせを有する。上記固体のチタニウム触媒成分は、1から100μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、1から10μmの範囲内のD10、5から25μmの範囲内のD50、および15から50μmの範囲内のD90という3点の粒子サイズ分布によって特徴付けられる。
【0054】
一実施形態においては、プロセスは、マグネシウム、チタニウム、ハロゲン、および、有機成分中の可溶化されたマグネシウム化合物を出発原料として用いて任意の段階で加えられることのできる内部電子供与体を有する固体の触媒成分を提供する。
【0055】
マグネシウム成分は、ジアルキルマグネシウムによって表される群から選択される。ここでアルキル基は、同じであっても異なっていてもどちらでもよいC
1−C
20のものであることができ、例えば、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、およびブチルオクチルマグネシウムのようなジアルキルマグネシウムである。これらのマグネシウム化合物は、液体状態でも固体状態でもよい。
【0056】
本発明に従うと、マグネシウム化合物を可溶化するために使用される化合物は、液体アルコール(ROH)、アルデヒド(RCHO)、アミン(RNH
2)、カルボン酸(RCOOH)、またはこれらの混合物に属する群から選択される。ここでRはC
1−C
20のヒドロカルビル基であることができる。一実施形態においては、マグネシウム化合物を可溶化する能力を持った有機化合物は、好ましくは、これらに限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、およびドデカノールのような脂肪族アルコール、シクロヘキサノールおよびメチルシクロヘキサノールのような脂環式アルコール、ベンジルアルコールおよびメチルベンジルアルコールのような芳香族アルコール、エチルグリコール、ブチルグリコールのようなアルコキシ基を含んだ脂肪族アルコールを含む液体アルコール(ROH);これらに限定されるものではないが、例えばカプリンアルデヒドおよび2−エチルヘキシルアルデヒドを含むアルデヒド(RCHO);これらに限定されるものではないが、例えばヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、および2−エチルヘキシルアミンを含むアミン(RNH
2);これらに限定されるものではないが、例えばカプリル酸および2−エチルヘキサン酸を含むカルボン酸(RCOOH)、またはこれらの混合物である。ここでRはC
1−C
20の炭化水素基であることができる。有機化合物は好ましくはアルコールであり、特に好ましくは2−エチルヘキサノールである。これらの有機化合物は、単体で、またはこれらの混合物の形態で使用されてよい。
【0057】
上述の触媒成分の調製において使用される液体のチタニウム化合物は、Ti(OR)
pX
4−pとして表される四価のチタニウム化合物を含む。ここで、XはClまたはBrまたはIから選択されるハロゲンであることができ、Rは炭化水素基であり、pは0から4で変化する整数である。チタニウム化合物の具体例は、これらに限定されるものではないが、四塩化チタン、四臭化チタン、四よう化チタンのような四ハロゲン化チタン;三塩化メトキシチタン、三塩化エトキシチタン、三塩化ブトキシチタンのようなアルコキシチタン三ハロゲン化物、三塩化フェノキシチタンのようなアリールオキシチタン三ハロゲン化物;二塩化ジエトキシチタンのようなジアルコキシチタン二ハロゲン化物;塩化トリエトキシチタンのようなトリアルコキシチタン一ハロゲン化物;テトラブトキシチタン、テトラエトキシチタンのようなテトラアルコキシチタン、およびこれらの混合物を含み、四塩化チタンが好ましい。これらのチタニウム化合物は、単体で、またはこれらの混合物の形態で使用されてよい。
【0058】
可溶化されたマグネシウム化合物をチタニウム化合物に接触させるために本発明において使用される溶媒は、その性質として塩素化されたまたは塩素化されていない芳香族または脂肪族であって、非限定的な例は、ベンゼン、デカン、ケロシン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、o−クロロトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、シクロヘキサン等を含む。
【0059】
本発明に従って使用される内部供与体は、フタル酸エステル、安息香酸エステル、ジエーテル、コハク酸エステル、マロン酸エステル、炭酸塩、およびこれらの組合わせから選択される。これらに限定されるものではないが、具体例として、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸フェニル、安息香酸シクロヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、p−エトキシ安息香酸エチル、p−イソプロポキシ安息香酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、マロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、プロピルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ−2−イソノニル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、および、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパンのようなジエーテル化合物を含む。
【0060】
さらに本発明は、可溶化されたマグネシウム成分を液体チタニウム化合物および内部電子供与体と炭化水素溶媒の存在中で接触させることによって固体の触媒成分を調製するプロセスを記載する。内部電子供与体は任意の段階で加えられることができる。一実施形態においては、プロセスの第1ステップは、好ましくはジアルキルマグネシウムであるマグネシウム化合物と、好ましくはアルコール、特により高級なアルコールである有機化合物との反応を含む。より高級なアルコールを用いることの利点は、マグネシウム成分の安定化を向上させること、および、それ故にMgCl
2の形成の間にMgCl
2の格子中の無秩序さに影響を及ぼすことである。生じた粒子サイズおよびモホロジーもまた、密接に関連している。マグネシウム化合物を、同様なアルコールまたは複数のアルコールの混合物と接触させることも可能である。しかしながらアルコールの量は、使用されるマグネシウム化合物の量、また、生じる錯体が可溶化された形態にあるべきであることに依存する。
【0061】
好ましい実施形態に従うと、マグネシウム化合物は、上記のアルコールROHと、Mg/ROHのモル比が1:5から1:0.5の間、好ましくは約1:4から1:1の間で反応される。例えば、もしもアルコールの使用量が少な過ぎると、液相中のマグネシウム化合物が均質性を持たない。これに対してアルコールの使用量が多過ぎると、経済的に不利となる。本発明の別の実施形態においては、アルコール中でのマグネシウム成分の均質溶液の形成が望ましい。これを実現するために、マグネシウムおよびアルコール化合物は、好ましくは約0℃から約20℃の間、より好ましくは約2℃から約10℃の間の温度で接触される。通常、接触の時間は約0.5から2時間である。
【0062】
本発明は、可溶化されたマグネシウム成分を、液体のチタニウム化合物および任意の段階で加えられることのできる内部電子供与体と炭化水素溶媒の存在下で接触させることによって、固体の触媒成分を調製するプロセスを記載する。一実施形態において液体のチタニウム化合物は、マグネシウム化合物が可溶化されている溶液と接触される。別の実施形態においては、マグネシウム成分を含む溶液が、液体のチタニウム化合物と接触される。液体のチタニウム化合物は、ハロゲン化剤として作用すると共に、触媒の表面上で分散され、支持されるので、アモルファスMgCl
2の形成に役立つと信じられている。さらに溶液からのアルコールの除去は、特に所望される表面特性および粒子形状を有する固体成分の沈殿をもたらす。より重要なことは、粒子の形状が均一なことである。
【0063】
一実施形態においてチタニウム化合物は、通常、マグネシウムの1モルに対して、約少なくとも1から200モル、好ましくは3から200モル、より好ましくは5モルから100モルに及ぶ量で加えられる。さらに、液体チタニウム化合物が可溶化されたマグネシウム成分と接触される前に、マグネシウム成分は、溶液の粘度を低減する溶媒によって希釈される。好ましい実施形態においては、溶媒としては、その性質として塩素化された、または塩素化されていない芳香族または脂肪族であって、非限定的な例として、ベンゼン、デカン、ケロシン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、o−クロロトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、シクロヘキサン等、様々な炭化水素が使用されることができる。好ましくはクロロベンゼンである。
【0064】
一実施形態においては、液体チタニウム化合物が、可溶化され希釈されたマグネシウム成分と接触される前に、好ましくは約−50℃から約0℃の間、より好ましくは約−30℃から約−10℃の間の温度まで、マグネシウム成分が冷却される。
【0065】
一実施形態においては、液体チタニウム化合物は、ニート(neat)な状態で接触されてよく、または、溶媒中に溶解されてもよい。溶媒としては、これらに限定するものではないが、ベンゼン、デカン、ケロシン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、o−クロロトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、シクロヘキサン等を含み、好ましくは40から60容量パーセント有するクロロベンゼンである。液体チタニウム化合物は、好ましくは約−50℃から約0℃の間、より好ましくは約−30℃から約−10℃の間の温度まで、可溶化されたマグネシウム成分と共に冷却されてよい。
【0066】
本発明の一実施形態に従うと、チタニウムとマグネシウム成分とを接触させる手順は、所望の温度において、ゆっくりとした滴下による添加であり、両方の成分間の反応を活性化するために、続いて加熱が成される。好ましい実施形態においては、この反応系は、好ましくは約30℃から約80℃、より好ましくは約40℃から約60℃である、反応を実行するのに効果的な温度まで徐々に加熱される。加熱は、0.1から10.0℃/分の速度で、または1から5.0℃/分の速度で成される。生成物は、マグネシウム、チタニウム、アルコール、およびハロゲン成分を含んだ、溶媒中の固体成分である。
【0067】
本発明は、可溶化されたマグネシウム成分を、液体チタニウム化合物および内部電子供与体と炭化水素溶媒の存在下で接触させることにより、固体の触媒成分を調製するプロセスを記載する。一実施形態において内部電子供与体は、好ましくは約−30℃から約120℃の間、より好ましくは約−25℃から約95℃の間の温度において、マグネシウム、チタニウム、アルコール、およびハロゲンを有する固体の成分を単離することまたは回収することをせずに同じ反応混合物に対して加えられるか、または、可溶化されたマグネシウム成分に対して加えられるかのどちらかであり、好ましくは可溶化されたマグネシウム成分に対して加えられる。
【0068】
"内部電子供与体"は、触媒組成物の形成の間に加えられる化合物であり、そこではルイス塩基として作用する、すなわち、触媒組成物中に存在する金属に対して電子対を供与する。あらゆる特定の理論に束縛されるものではないが、文献中においては、内部電子供与体は、in situで生成されるマグネシウム二ハロゲン化物の一次晶子を安定化すると述べられている。この他に、より良好なルイス塩基である内部供与体はまた、マグネシウム二ハロゲン化物母材上においてより高い酸性度の配位サイトに優先的な配位を有する。これは結局チタニウムの配位を回避することになり、それ故に、不活性サイトの形成を防ぐ。これらはまた、低活性サイトの活性度を増大させる。これは、全体として触媒立体選択性を高める。当技術分野において一般に使用される全ての内部電子供与体化合物が、本発明において使用され得る。本発明の別の実施形態においては、内部電子供与体は、マグネシウムの1モルに対して、0から1モル、好ましくは0.01から0.5モルの量で使用される。少なくとも約25℃から約150℃、好ましくは約25℃から約110℃の温度において、固体成分の内部電子供与体との接触の時間は、少なくとも10分から60分までである。
【0069】
チタニウム成分を接触させる手順は、要望に応じて1回、2回、3回、またはそれ以上の回数繰り返されてよい。一実施形態においては、混合物から回収される生じた固体材料は、約25℃から約150℃、好ましくは約25℃から約110℃の温度において、少なくとも10分から60分まで、溶媒中の液体チタニウム成分の混合物と1回または複数回接触されることができる。
【0070】
マグネシウム、チタニウム、ハロゲン、アルコール、および内部電子供与体を含んだ生じた固体の成分は、ろ過またはデカンテーションのどちらかによって反応混合物から分離されることができ、未反応のチタニウム成分およびその他複数の副生成物を除去するために、最終的には不活性溶媒によって洗浄されることができる。通常、生じた固体材料は、1回または複数回、不活性溶媒によって洗浄される。不活性溶媒は、通常は炭化水素であり、非限定的であるが、イソペンタン、イソオクタン、ヘキサン、ペンタン、またはイソヘキサン等の脂肪族炭化水素を含む。一実施形態においては、生じた固体の混合物は、不活性炭化水素をベースとする溶媒、好ましくはヘキサンにより、約25℃から約70℃、好ましくは約25℃から約60℃の温度で、1回または複数回洗浄される。次に固体の触媒は分離されることができ、さらに格納のため、または使用のために乾燥されることができる、または、炭化水素、特に、鉱油のような重たい炭化水素中でスラリー状にされることができる。
【0071】
一実施形態においては、触媒組成物は、約5.0wt%から20wt%の内部電子供与体を含み、チタニウムは約1.0wt%から6.0wt%であり、マグネシウムは約15wt%から20wt%である。BET法によって測定された、生じた固体の触媒成分の表面積は、好ましくは80から400m
2/gの間、より好ましくは200から300m
2/gの間である。BET法によって測定された微細孔容量は、0.1から0.5の間、好ましくは0.2から0.4ml/gの間である。
【0072】
一実施形態においては、重合プロセスの方法が提供され、そこでは、重合条件下において触媒系がオレフィンと接触される。触媒系は、触媒成分、有機アルミニウム化合物、および外部電子供与体を含む。オレフィンはC2−C20を含む。(触媒組成物からの)チタニウム:(有機アルミニウム化合物からの)アルミニウム:外部供与体の比率は、1:5−1000:0−250であることができ、好ましくは1:25−500:25−100の範囲内である。
【0073】
本発明は触媒系を提供する。触媒系は、触媒成分、有機アルミニウム化合物、および外部電子供与体を含む。一実施形態においては、有機アルミニウム化合物は、非限定的なものとして、好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、およびジエチルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアルミニウムハロゲン化物;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、およびエチルアルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセスキハライド;水素化ジエチルアルミニウムおよび水素化ジブチルアルミニウムのような水素化ジアルキルアルミニウム;エチルアルミニウム二水素化物およびプロピルアルミニウム二水素化物のような部分的に水素化されたアルキルアルミニウム、および、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、テトラエチルアルミノキサン、およびテトライソブチルアルミノキサンのようなアルミノキサン、ジエチルアルミニウムエトキシドのようなアルキルアルミニウムを含む。
【0074】
チタニウムに対するアルミニウムのモル比は、約5:1から約1000:1、または、約10:1から約700:1、または、約25:1から約500:1である。
【0075】
本発明は触媒系を提供する。触媒系は触媒成分、有機アルミニウム化合物、および外部電子供与体を含む。外部電子供与体は、有機ケイ素化合物、ジエーテル、およびアルコキシ安息香酸塩である。オレフィン重合用の外部電子供与体は、共触媒の一部分として触媒系に加えられた場合、活性サイトの立体特異性を保ち、非立体特異的なサイトを立体特異的なサイトに変換し、非立体特異的なサイトを汚染し、また、触媒活性度に関する高い性能を維持しながら、分子量分布も制御する。外部電子供与体は、通常は有機ケイ素化合物であり、これらに限定されるものではないが、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビス−o−トリルジメトキシシラン、ビス−m−トリルジメトキシシラン、ビス−p−トリルジメトキシシラン、ビス−p−トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、および、メチルトリアリルオキシシラン、シクロプロピルトリメトキシシラン、シクロブチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,3−ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,5−ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンテニルトリメトキシシラン、3−シクロペンテニルトリメトキシシラン、2,4−シクロペンタジエニルトリメトキシシラン、インデニルトリメトキシシラン、およびフルオレニルトリメトキシシラン;ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビス(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(3−tert−ブチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,5−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロブチルジエトキシシラン、シクロプロピルシクロブチルジエトキシシラン、ジシクロペンテニルジメトキシシラン、ジ(3−シクロペンテニル)ジメトキシシラン、ビス(2,5−ジメチル−3−シクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ−(2,4−シクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ビス(2,5−ジメチル−2,4−シクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ビス(1−メチル−1−シクロペンチルエチル)ジメトキシシラン、シクロペンチルシクロペンテニルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロペンタジエニルジメトキシシラン、ジインデニルジメトキシシラン、ビス(1,3−ジメチル−2−インデニル)ジメトキシシラン、シクロペンタジエニルインデニルジメトキシシラン、ジフルオレニルジメトキシシラン、シクロペンチルフルオレニルジメトキシシラン、およびインデニルフルオレニルジメトキシシランのようなジアルコキシシラン;トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンテニルメトキシシラン、トリシクロペンタジエニルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシラン、ビス(2,5−ジメチルシクロペンチル)シクロペンチルメトキシシラン、ジシクロペンチルシクロペンテニルメトキシシラン、ジシクロペンチルシクロペンタジエニルメトキシシラン、ジインデニルシクロペンチルメトキシシラン、およびエチレンビス−シクロペンチルジメトキシシランのようなモノアルコキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン、n−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサンジアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシランを含む。
【0076】
一実施形態においては、外部電子供与体は、有機ケイ素化合物以外には、これらに限定されるものではないが、アミン、ジエーテル、エステル、カルボン酸塩、ケトン、アミド、ホスフィン、カルバミン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、スルホン、および/またはスルホキシドを含む。
【0077】
外部電子供与体は、上記の外部供与体に対する有機アルミニウム化合物のモル比が、約0.1から500、好ましくは1から300を与えるような量において使用される。
【0078】
本発明においては、オレフィンの重合は、上述の触媒系が存在する中で実行される。所望されるポリマ生成物を生成するために、重合条件下において、触媒系がオレフィンに接触される。重合プロセスは、不活性な炭化水素溶媒を希釈剤として用いたスラリー重合として、または、反応媒体として液体モノマを用い、1または複数の流動層反応器または機械的に撹拌された床反応器中で気相において動作するバルク重合として実行されることができる。一実施形態においては、重合がそのように実行される。別の実施形態においては、少なくとも2つの重合区間を用いて共重合が実行される。
【0079】
本発明の触媒は、上記のように定義されたオレフィンCH
2=CHRの重合に使用されることができる。上記オレフィンの例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンを含む。具体的に上記の触媒は、以下の生成物のようなものを生成するために使用されることができる。高密度ポリエチレン(HDPE、0.940g/cm
3より高い密度を有する)であって、エチレンのホモポリマおよびエチレンとα−オレフィンとのコポリマを含み、3個から12個の炭素原子を有する;鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、0.940g/cm
3より低い密度を有する)、および、エチレンと1または複数のα−オレフィンとのコポリマから成る超低密度ポリエチレン(VLDPEおよびULDPE、0.920g/cm
3より低く、0.880g/cm
3までも低い密度を有する)であって、3個から12個の炭素原子を有し、エチレンに由来するユニットのモル含有量が80%より高い;エチレンとプロピレンとのエラストマ性のコポリマ、およびエチレンとプロピレン、並びに小さな比率のジオレフィンとのエラストマ性のターポリマであって、エチレンに由来するユニットの重量含有量は約30から70%の間;イソタクチックなポリプロピレン、および、プロピレンおよびエチレンおよび/またはその他のα−オレフィンの結晶性のコポリマであって、プロピレンに由来するユニットの含有量は重量で85%より高い(ランダムコポリマ);プロピレンおよび、プロピレンとエチレンとの混合物の逐次重合によって生成されるインパクトプロピレンポリマであって、エチレンの含有量は重量で40%まで;プロピレンと1−ブテンとのコポリマであって、1−ブテンに由来するユニットを、重量で10から40パーセントのような大きな量含む。本発明の触媒を用いて生成されたプロピレンポリマが非常に広い分子量分布(MWD)を示し、非常に高いイソタクチック指数を有することは、特に重要である。
【0080】
重合は20から120℃、好ましくは40から80℃の温度で実行される。重合が気相中で実行される場合、動作圧力は通常5から100bar、好ましくは10から50barの範囲内である。バルク重合での動作圧力は、通常10から150bar、好ましくは15から50barの範囲内である。スラリー重合での動作圧力は、通常1から10bar、好ましくは2から7barの範囲内である。ポリマの分子量を制御するために、水素が使用されてよい。
【0081】
本発明においては、オレフィンの重合は、上述の触媒系の存在中で実行される。記載される触媒系は、重合用反応器に直接加えられることができる。またはプレ重合されることができる。すなわち、重合反応器に加えられる前に、触媒が、より低い変換程度で重合される。プレ重合は、オレフィン、好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンによって実行されることができる。ここで、変換は、触媒1グラム当たり0.2から500グラムのポリマの範囲内で制御される。
【0082】
本発明においては、記載される触媒系の存在中でのオレフィンの重合が、約0.2%から約15%のキシレン溶解(XS)を有するポリオレフィンの形成につながる。別の実施形態においては、ポリオレフィンが、約2%から約8%のキシレン溶解(XS)を有する。ここでXSは、一般的に立体規則性指数を測定するための、熱したキシレン中に溶解させられるポリマの重量パーセントを指し、高いイソタクチック性のポリマが低いXS%値、すなわちより高い結晶化度を有し、これに対して低いイソタクチック性のポリマが高いXS%値を有するようなものである。
【0083】
本発明は、(1グラムの触媒当りに生成されるポリマのキログラムとして測定された)触媒有効性が少なくとも約30である触媒系を提供する。別の実施形態においては、記載される触媒系の触媒有効性は、少なくとも約60である。
【0084】
本発明に従うと、オレフィンを重合することに使用される場合、触媒系は、ASTM標準D1238に従って測定された約0.1から約100のメルトフローインデックス(MFI)を有するポリオレフィンを提供する。一実施形態においては、約5から約30のMFIを有するポリオレフィンが生成される。
【0085】
本発明に従うと、オレフィンを重合することに使用される場合、触媒系は、少なくとも約0.3cc/gのバルク密度(BD)を有するポリオレフィンを提供する。
【0086】
以下の実施例は、本発明の説明に役立つものであるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
【0087】
実施例1−15
溶解性マグネシウム付加物の合成
5℃に維持された250mlのガラス反応器中に、20.6mlのBOMAGがゆっくり撹拌しながら加えられ、20分間温度が維持された。6.0mlの2−エチルヘキサノール(EHA)がゆっくりと、〜60分の間隔にわたって加えられた。非常に発熱性の反応が観測された。EHAの添加の間、温度は5℃±3℃に維持された。系は、さらに10分間、5℃に保たれた。さらに、温度は60℃まで30分間上昇された。生じた溶液は、その性質として粘度が高く透明であった。
【0088】
触媒成分の調製
早期供与体添加:−20℃まで冷却されたマグネシウム付加物の溶液に対して、15mlのクロロベンゼンおよび1mlのDIBPが添加された。−25℃まで冷却された別の250mlの反応器中において、30mlのTiCl
4および15mlのクロロベンゼンが反応器に加えられ、撹拌された。系が−25℃に達した後、マグネシウム付加物およびDIBPの溶液が、TiCl
4/クロロベンゼン混合物に対して1時間にわたって滴下して加えられた。反応温度は−25℃に維持された。得られた溶液は、きれいなオレンジ色であった。添加が完了した後、温度は−25℃に維持され、その後40℃まで徐々に上げられた。その後、温度は110℃まで上げられ、そこで1時間保たれた。沈降およびデカンテーション後に、30mlのTiCl
4および30mlのクロロベンゼンによって、懸濁された固体は再び処理され、温度が110℃に到達した後、混合物は、15分間撹拌状態を維持された。上記のステップが再び繰り返された。反応が完了した後、固体はデカンテーションされ、ヘプタン、続いてヘキサンによってそれぞれ95℃および70℃で十分に洗浄され、自由に流れるまで、熱い窒素下でさらに乾燥された。
【0089】
後期供与体添加:−20℃まで冷却されたマグネシウム付加物の溶液に対して、15mlのクロロベンゼンが添加された。−25℃まで冷却された別の250mlの反応器中において、30mlのTiCl
4および15mlのクロロベンゼンが反応器に加えられ、撹拌された。系が−25℃に達した後、マグネシウム付加物の溶液が、TiCl
4/クロロベンゼン混合物に対して1時間にわたって滴下して加えられた。反応温度は−25℃に維持された。得られた溶液は、きれいなオレンジ色であった。添加が完了した後、温度は−25℃に維持され、その後40℃まで徐々に上げられた。1mlのDIBPが添加され、その後10分間維持され、その間に溶液は黄色く濁った。その後、温度は110℃まで上げられ、そこで1時間保たれた。沈降およびデカンテーション後に、30mlのTiCl
4および30mlのクロロベンゼンによって、懸濁された固体は再び処理され、温度が110℃に到達した後、混合物は、15分間撹拌状態を維持された。上記のステップが再び繰り返された。反応が完了した後、固体はデカンテーションされ、ヘプタン、続いてヘキサンによってそれぞれ95℃および70℃で十分に洗浄され、自由に流れるまで、熱い窒素下でさらに乾燥された。上記の手順によって合成された固体の触媒組成物が表1中に一覧にされている。
【表1】
【0090】
表1は、供与体添加の方法論によらずに、特にチタニウムの取り込みに関して触媒組成物が安定したままであることを示す。
【0091】
触媒の粒子サイズ分布に対する供与体添加の効果が表2中に一覧にされている。
【表2】
【0092】
表2は、早期供与体添加の場合の(粒子サイズ分布の広がりを示す)距離が、後期供与体添加に対してはるかに小さいことを示す。その結果、触媒粒子がより狭いPSD/より高い均一性を有する。
【0093】
プロピレンのバルク重合
液体プロピレンを用いて、撹拌された反応器中で重合が実行された。反応器の調整後、必要な量のトリエチルアルミニウム、外部供与体が充填され、5分間接触することを許された。0.6barの水素および1000mlのプロピレンが反応器中に充填され、温度が70℃に設定された。所望の時間の後に重合は停止され、最終的なポリマが反応器から回収され、さらに分析された。触媒の性能およびポリマ特性が表3中に一覧にされている。
【表3】
*n−ヘキサン中でのスラリー重合
【0094】
表3は、全ての触媒が、プロピレン重合に対して活性であり、良好な水素応答および外部供与体応答を有することが見出されることを示す。
【0095】
ランダム共重合に対する触媒の性能、およびポリマ特性が、表4中に一覧にされている。
【表4】
【0096】
表4は、早期供与体添加の方法論が使用された場合の触媒が、粘性の無い、8wt%も高い良好なコモノマの取り込みを提供することが見出されたことを示す。
【0097】
インパクトコポリマを合成することに対する触媒の性能、およびポリマの特性が、表5中に一覧にされている。
【表5】
【0098】
表5は、早期供与体添加の方法論が使用された場合の触媒が、粘性の無い、14wt%も高い良好なコモノマの取り込みを提供することが見出されたことを示す。