特許第5984178号(P5984178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984178
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】運転訓練シミュレータ
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/00 20060101AFI20160823BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20160823BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20160823BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20160823BHJP
【FI】
   G21C17/00 R
   G09B9/00 B
   G05B23/02 G
   G06F3/048
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-142787(P2012-142787)
(22)【出願日】2012年6月26日
(65)【公開番号】特開2014-6178(P2014-6178A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100156524
【弁理士】
【氏名又は名称】猪野木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 均
【審査官】 林 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−338854(JP,A)
【文献】 特開2011−075672(JP,A)
【文献】 特開平05−249882(JP,A)
【文献】 特開昭61−029797(JP,A)
【文献】 特開平03−071203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 17/00−17/14
G05B 23/02
G06F 3/048
G09B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力プラントの運転訓練シミュレータのシナリオを設定する訓練シナリオ設定部と、
シミュレーションの実行を操作するシミュレーション実行操作部と、
シミュレーションの実行を制御するシミュレーション実行制御部と、
第1のタイムステップで原子カプラント全体のパラメータを計算するプラントモデルシステム機器モデル計算部と、
前記第1のタイムステップより大きい第2のタイムステップで過酷事故に対して原子力プラントの主要パラメータのみを計算する過酷事故対応主要プラントモデル計算部と、
前記プラントモデルシステム機器モデル計算部や前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部によるシミュレーション結果の表示を制御する表示制御部と、
前記シミュレーション結果を表示し運転操作を模擬する操作・監視部と、
前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部が目標タイムステップにおける計算を実行してから前記プラントモデルシステム機器モデル計算部が前記目標タイムステップにおける計算を実行するまで前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部に計算を待機させることにより前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部の計算を同期させるシミュレーション同期制御部と、
前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部の相互のパラメータ授受を目標タイムステップ毎に行うモデルパラメータ通信制御部を備えることを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項2】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記シミュレーション同期制御部は、前記シミュレーション実行制御部から目標タイムステップと、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部からプラントモデルシステム機器モデル計算部タイムステップ計算状況信号と、前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部から過酷事故対応主要プラントモデル計算部タイムステップ計算状況信号とを受けて、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部のタイムステップ計算状況を監視することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項3】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記シミュレーション同期制御部は、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部とのタイムステップを同期させるように、プラントモデルシステム機器モデル計算実行/待機指令を前記プラントモデルシステム機器モデル計算部に出力し、過酷事故対応主要プラントモデル計算実行/待機指令を前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部に出力することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項4】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記プラントモデルシステム機器モデル計算部は、原子カプラントの炉心が健全な場合には全体のプラントパラメータを模擬し、事象が過酷事故に進展した場合には、前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部で計算された主要プラントパラメータを元に周辺のプラントパラメータを計算することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項5】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記プラントモデルシステム機器モデル計算部は、前記訓練シナリオ設定部からの異常事象設定などの訓練シナリオデータを受け、また、前記監視・操作部から機器操作信号を受けて、訓練シナリオや運転操作をプラント挙動計算に反映して、前記シミュレーション実行制御部から受けた前記目標タイムステップのシミュレーション時刻までプラント挙動を計算し、プラントパラメータを前記モデルパラメータ通信制御部に出力することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項6】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部は、前記訓練シナリオ設定部からの異常事象設定などの訓練シナリオデータを、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部及び前記モデルパラメータ通信制御部を経由して受け、また、前記監視・操作部から機器操作信号を受けて、訓練シナリオや運転操作をプラント挙動計算に反映して、前記シミュレーション実行制御部から受けた目標タイムステップのシミュレーション時刻までプラント挙動を計算することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【請求項7】
請求項記載の運転訓練シミュレータにおいて、
前記モデルパラメータ通信制御部は、前記訓練シナリオ設定部からの異常事象設定などの訓練シナリオデータや周辺機器の動作状態であるプラントパラメータデータを前記プラントモデルシステム機器モデル計算部から受け、プラントパラメータデータとして前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部に出力することを特徴とする運転訓練シミュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラントの運転員等を訓練する運転訓練シミュレータに係り、特に、過酷事故に対応可能な運転訓練シミュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントの運転員は、プラントの運転状態を監視し、必要な対応操作を判断し、異常事象の発生を防止するように操作する。また、異常事象が発生した場合でも、異常原因あるいは異常兆候に対する必要な対応操作を判断し、異常進展を予測して、異常事象を緩和するように、あるいは異常の進展・拡大を防止するように対応操作を実施する。
【0003】
運転訓練は、運転訓練シミュレータを用いて、これらの判断や対応操作を適切に実施できるように、通常の運転操作の訓練や異常時対応の訓練を実施するものであり、運転訓練シミュレータはその原子カプラントにおいて発生が予想される異常事象を模擬できるように設計されている。
【0004】
従来の、過酷事故を模擬した運転訓練シミュレータとして、炉心損傷前後でプラントモデル計算部を切り替えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−338854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、炉心損傷までの緩慢な過渡事象を精度よくシミュレーションする炉心健全時プラントモデル計算部やシステム機器モデル計算部と、長時間に及ぶ過酷事故時の事象進展を高速でシミュレーションする過酷事故対応主要プラントモデル計算部では、シミュレーションのタイムステップ管理方法(積分方法)が異なることが多い。例えば、シミュレーションする炉心健全時プラントモデル計算部やシステム機器モデル計算部は固定タイムステップで計算され、過酷事故対応主要プラントモデル計算部は可変タイムステップで計算される場合が多い。
【0007】
このようなタイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムをプラントシミュレーションの部分として切り替えて使用する場合、過酷事故対応主要プラントモデル計算部で指定したタイムステップ分の計算を先に実行し、その後にシステム機器モデル計算部で周辺パラメータの計算を実行するので、タイプステップ(あるいはパラメータの時刻)のズレ(差)が生じ、プラントパラメータ計算が発散するなど、異常終了する恐れがあった。
【0008】
また、過酷事故シナリオの運転訓練では、長時間(例えば60時間)の事象進展となるシナリオがあるが、スナップショットなどであらかじめ採取しておいたシミュレーション途中データヘシミュレーション時刻をスキップさせる方法は、過酷事故時の種々の対応操作と操作タイミング、及びそのプラント挙動へ及ぼす影響を体感しづらいという問題があり、このため、この長時間の訓練シナリオを連続したシミュレーションで実行し適切な時間(例えば1〜2時間)で訓練を完了するには、シミュレーション速度を数十倍で実行させる必要が生じる。
【0009】
しかし、プラントパラメータ計算が異常終了しないようにタイプステップを短くすると、シミュレーション速度大きくすることができず(例えば1倍速程度に制限されて)、長時間(例えば60時間)の事象進展となる過酷事故に対しては、適切な時間(例えば1〜2時間)で運転訓練を完了することができないという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを組み合わせてシミュレーションさせる場合でも、異常終了することなく、高速でシミュレーションを実行可能な運転訓練シミュレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、原子力プラントの運転訓練シミュレータのシナリオを設定する訓練シナリオ設定部と、シミュレーションの実行を操作するシミュレーション実行操作部と、シミュレーションの実行を制御するシミュレーション実行制御部と、第1のタイムステップで原子カプラント全体のパラメータを計算するプラントモデルシステム機器モデル計算部と、前記第1のタイムステップより大きい第2のタイムステップで過酷事故に対して原子力プラントの主要パラメータのみを計算する過酷事故対応主要プラントモデル計算部と、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部や前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部によるシミュレーション結果の表示を制御する表示制御部と、前記シミュレーション結果を表示し運転操作を模擬する操作・監視部と、前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部が目標タイムステップにおける計算を実行してから前記プラントモデルシステム機器モデル計算部が前記目標タイムステップにおける計算を実行するまで前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部に計算を待機させることにより前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部の計算を同期させるシミュレーション同期制御部と、前記プラントモデルシステム機器モデル計算部と前記過酷事故対応主要プラントモデル計算部の相互のパラメータ授受を目標タイムステップ毎に行うモデルパラメータ通信制御部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを組み合わせてシミュレーションさせる場合でも、異常終了することなく、高速でシミュレーションを実行可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを組み合わせてシミュレーションさせる場合でも、異常終了することなく、高速でシミュレーションを実行可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図3を用いて、本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの構成を示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの動作を示すフローチャートである。図3は、本発明の一実施形態による運転訓練シミュレータの動作を示すタイムチャートである。
【0015】
図1に示す構成において、本実施形態の特徴的な構成は、シミュレーション同期制御部114と、モデルパラメータ通信制御部115とにある。プラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105とは、並列で計算させるとともに、シミュレーション同期制御部114がそれぞれのタイムステップを同期させる。また、モデルパラメータ通信制御部115は、プラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105の相互のパラメータ授受を行う。
【0016】
以下、これらの特徴的な構成を含め、図1に示した本実施形態による運転訓練シミュレータの全体的な構成及び動作について説明する。
【0017】
訓練シナリオ設定部101は、運転訓練の異常事象シナリオを設定する部分であり、機器故障などの訓練シナリオデータ201をプラントモデルシステム機器モデル計算部113に出力する。
【0018】
シミュレーション実行操作部102は、運転訓練シミュレータの実行停止などを操作する部分であり、実行指令202をシミュレーション実行制御部103に出力する。
【0019】
シミュレーション実行制御部103は、シミュレーション実行操作部102から実行指令202と、プラントモデルシステム機器モデル計算部113からプラントモデルシステム機器モデル計算部タイムステップ計算状況信号215と、また、過酷事故対応主要プラン+トモデル計算部105から過酷事故対応主要プラントモデル計算部タイムステップ計算状況信号216とを受けて、目標タイムステップ計算完了後、続けて事象進展を計算すべき次の目標タイムステップ203をシミュレーション同期制御部114,プラントモデルシステム機器モデル計算部113,過酷事故対応主要プラントモデル計算部105に出力する。
【0020】
シミュレーション同期制御部114は、プラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105のタイムステップの同期制御を行う部分である。シミュレーション同期制御部114は、シミュレーション実行制御部103から目標タイムステップ203と、プラントモデルシステム機器モデル計算部113からプラントモデルシステム機器モデル計算部タイムステップ計算状況信号215と、また、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105から過酷事故対応主要プラントモデル計算部タイムステップ計算状況信号216とを受けて、プラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105のタイムステップ計算状況を監視しながら、タイムステップを同期させるように、プラントモデルシステム機器モデル計算実行/待機指令217をプラントモデルシステム機器モデル計算部113に出力し、過酷事故対応主要プラントモデル計算実行/待機指令218を過酷事故対応主要プラントモデル計算部105に出力する。目標タイムステップ203までの計算毎に、計算速度が小さいほうに合わせて計算を待機させることにより、全体のシミュレーション速度を制限することなく、シミュレーション同期が可能である。
【0021】
なお、プラントモデルシステム機器モデル計算部113の計算は、例えば、2〜3時間程度で終了する運転訓練事象を扱うプラント挙動計算モデルであり、一回当たりのシミュレーション時間計算幅であるのタイムステップが小さいため、計算速度は大きくないが、プラント挙動を精度良く計算する特徴を有している。一方、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105は、例えば、60時間程度の長時間の過酷事故を扱うプラント挙動計算モデルであり、比較的大きいタイムステップでの計算であるため、計算速度は高速で、過酷事故時のプラント挙動傾向を計算する特徴を有している。例えば、タイムステップが、プラントモデルシステム機器モデル計算部113では1秒程度、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105では5秒程度であるとし、目標タイムステップが10秒であるとすると、シミュレーション同期制御部114は、図3のように、目標タイムステップ10秒毎に、計算速度が小さいほうに合わせて、計算を待機させる。(なお、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105のタイムステップは、扱う訓練シナリオによっては、1〜20秒程度と変わることもある。)
このように、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを、タイムステップの間の適切な間隔で同期制御することで、タイプステップ(あるいはパラメータの時刻)のズレ(差)を抑制するとともに、タイムステップの間の適切な間隔で相互のパラメータ授受を行うことで、モデル間のパラメータのミスマッチを小さくして、プラントパラメータ計算が異常終了しないようにすることが可能である。ここで、同期制御や相互のパラメータ授受を行うタイムステップの間の適切な間隔は、計算速度が遅い方のシミュレーションプログラムのシミュレーション速度を基準に行うので、高速でシミュレーションを実行可能となる。
【0022】
プラントモデルシステム機器モデル計算部113は、原子カプラントの炉心が健全な場合には全体のプラントパラメータを模擬し、事象が過酷事故に進展した場合には、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105で計算された主要プラントパラメータ220を元に周辺のプラントパラメータを計算する。訓練シナリオ設定部101からの異常事象設定などの訓練シナリオデータ201を受け、また、監視・操作部112から機器操作信号207を受けて、訓練シナリオや運転操作をプラント挙動計算に反映して、シミュレーション実行制御部103から受けた目標タイムステップ203のシミュレーション時刻までプラント挙動を計算し、プラントパラメータ219をモデルパラメータ通信制御部115に出力する。また、シミュレーション同期制御部114からのプラントモデルシステム機器モデル計算実行/待機指令217を受けて、プラントモデルシステム機器モデル計算を実行あるいは待機させる。さらに、目標タイムステップ203までの小タイムステップ計算状況をプラントモデルシステム機器モデル計算部タイムステップ計算状況信号215として、シミュレーション実行制御部103及びシミュレーション同期制御部114に出力する。
【0023】
過酷事故対応主要プラントモデル計算部105は、原子力プラントの炉心が損傷した場合などの過酷事故時の主要なプラントパラメータを模擬する部分である。訓練シナリオ設定部101からの異常事象設定などの訓練シナリオデータ201を、プラントモデルシステム機器モデル計算部113及びモデルパラメータ通信制御部115を経由して受け、また、監視・操作部112から機器操作信号207を受けて、訓練シナリオや運転操作をプラント挙動計算に反映して、シミュレーション実行制御部103から受けた目標タイムステップ203のシミュレーション時刻までプラント挙動を計算し、プラントパラメータ222をモデルパラメータ通信制御部115に出力する。また、シミュレーション同期制御部114からの過酷事故対応主要プラントモデル計算実行/待機指令218を受けて、過酷事故対応主要プラントモデル計算を実行あるいは待機させる。さらに、目標タイムステップ203までの小タイムステップ計算状況を過酷事故対応主要プラントモデル計算部タイムステップ計算状況信号216として、シミュレーション実行制御部103及びシミュレーション同期制御部114に出力する。
【0024】
モデルパラメータ通信制御部115は、プラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105の相互のパラメータ授受を行う。訓練シナリオ設定部101からの異常事象設定などの訓練シナリオデータ201や周辺機器の動作状態であるプラントパラメータデータ219をプラントモデルシステム機器モデル計算部113から受け、プラントパラメータデータ221として過酷事故対応主要プラントモデル計算部105に出力する。また、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105からプラントパラメータデータ222を受け、プラントパラメータデータ220としてプラントモデルシステム機器モデル計算部113に出力する。さらに、プラントモデルシステム機器モデル計算部113からのプラントパラメータデータ219と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105からのプラントパラメータデータ222を受けて、主要なプラントパラメータ毎に、プラントモデルシステム機器モデル計算部113の計算結果を採用するか、あるいは過酷事故対応主要プラントモデル計算部105の計算結果を採用するかを判断して、全体のプラントパラメータデータ205として表示制御部111に出力する。
【0025】
表示制御部111は、モデルパラメータ通信制御部115からプラントパラメータデータ205を受け、監視・操作部112に状態表示データ206を出力する。
【0026】
監視・操作部112は、表示制御部111から状態表示データ206を受け、指示計や警報装置にプラント状態を表示させるとともに、運転員の機器操作に基づき、機器操作信号207をプラントモデルシステム機器モデル計算部113、及び過酷事故対応主要プラントモデル計算部105に出力する。
【0027】
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態による運転訓練シミュレータの動作について説明する。
【0028】
ステップS300において、訓練シナリオ設定部101は、運転訓練の異常事象シナリオを設定し、機器故障などの訓練シナリオデータをプラントモデルシステム機器モデル計算部113に出力する。
【0029】
次に、ステップS310において、シミュレーション実行操作部102は、運転訓練シミュレータの実行指令をシミュレーション実行制御部103に出力する。
【0030】
次に、ステップS320において、シミュレーション実行制御部103は、目標タイムステップ計算完了後、続けて事象進展を計算すべき次の目標タイムステップをシミュレーション同期制御部114に出力する。
【0031】
次に、ステップS330において、シミュレーション同期制御部114は、所定時間(目標タイムステップ)が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過すると、ステップS340に進む。
【0032】
次に、ステップS340において、シミュレーション同期制御部114は、所定時間(目標タイムステップ)経過した時点で、プラントモデルシステム機器モデル計算部113の計算状況と、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105の計算状況を確認し、計算速度の早い方のモデル計算を待機させる。
【0033】
次に、ステップS350において、シミュレーション同期制御部114は、計算速度の遅い方の計算が終了し、プラントモデルシステム機器モデル計算部113の計算と、過酷事故対応主要プラントモデル計算部105の計算の同期が取れたか否かを判断する。同期が取れると、ステップS360に進む。
【0034】
次に、ステップS360において、表示制御部111は、モデルパラメータ通信制御部115からプラントパラメータデータを受け、監視・操作部112に状態表示データを出力する。
【0035】
次に、ステップS370において、監視・操作部112は、指示系や警報装置にプラント状態を表示させる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の運転訓練シミュレータでは、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なるプラントモデルシステム機器モデル計算部113と過酷事故対応主要プラントモデル計算部105を、目標タイムステップ毎の適切な間隔で同期制御することで、タイプステップ(あるいはパラメータの時刻)のズレ(差)を抑制するため、プラントパラメータ計算が異常終了しないようにすることが可能である。
【0037】
また、目標タイムステップの間の適切な間隔で相互のパラメータ授受を行うことで、モデル間のパラメータのミスマッチを小さくして、プラントパラメータ計算が異常終了しないようにすることが可能である。
【0038】
さらに、シミュレーション速度の小さい方の計算部の計算タイミングに合わせてシミュレーションを実行することで、シミュレーション速度を制限せずにシミュレーション同期が可能である。
【0039】
以上説明したように、本発明では、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを組み合わせてシミュレーションを実行する場合でも、プラントパラメータ計算が異常終了しないようにすることが可能である。
【0040】
従って、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なる複数のシミュレーションプログラムを組み合わせてシミュレーションさせる場合でも、異常終了することなく、高速でシミュレーションを実行可能となる。
【0041】
なお、本発明は、タイムステップ管理方法(積分方法)が異なるシミュレーションシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
101…訓練シナリオ設定部
102…シミュレーション実行操作部
103…シミュレーション実行制御部
105…過酷事故対応主要プラントモデル計算部
111…表示制御部
112…監視・操作部
113…プラントモデルシステム機器モデル計算部
114…シミュレーション同期制御部
115…モデルパラメータ通信制御部
201…訓練シナリオデータ
202…実行指令
203…目標タイムステップ
206…状態表示データ
207…機器操作信号
215…プラントモデルシステム機器モデル計算部タイムステップ計算状況信号
216…過酷事故対応主要プラントモデル計算部タイムステップ計算状況信号
217…プラントモデルシステム機器モデル計算実行/待機指令
218…過酷事故対応主要プラントモデル計算実行/待機指令
205,219,220,221,222…プラントパラメータデータ
図1
図2
図3