特許第5984184号(P5984184)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984184
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】液晶表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20160823BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   G02F1/13357
   G02F1/1333
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-257151(P2012-257151)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-106268(P2014-106268A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/074784(WO,A1)
【文献】 特開2009−070751(JP,A)
【文献】 特開平09−326205(JP,A)
【文献】 特開2005−157012(JP,A)
【文献】 特開2011−233419(JP,A)
【文献】 特開2007−025109(JP,A)
【文献】 特開2008−41295(JP,A)
【文献】 特開2011−138682(JP,A)
【文献】 特開昭62−052532(JP,A)
【文献】 特開平07−159779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1335−1/13363
G02F1/1333
F21V8/00
F21S2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1光透過板および第2光透過板と、前記第1光透過板と前記第2光透過板との間に液晶が封入されて形成された液晶層と、から構成され、RGB3原色に対応する画素が設けられた液晶セルと、
前記RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路と、
前記光導波路に対して前記RGB3原色の光を発生する光源と、
を備えた液晶表示装置であって、
前記光導波路は、前記第1光透過板の、前記第2光透過板とは反対側の面に、前記液晶セルのRGB各画素の行または列に対応するように、前記第1光透過板と一体となった構造で形成され
前記光導波路は、底面上に複数の直角三角形形状パターンを含み、
前記複数の直角三角形形状パターンは、前記光源から前記光導波路に向かう方向に沿って配置され、
前記直角三角形形状パターンの垂直方向の辺は、前記直角三角形形状パターンの斜辺で前記光源からの光が前記光導波路の上面に直接照射されるように、前記光源と対向している
液晶表示装置。
【請求項2】
前記光導波路は、入射光の偏光状態が変化しないゼロ/ゼロ複屈折ポリマで構成されている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源は、半導体レーザである
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光源は、LEDまたはCCFLであり、
前記光源と前記光導波路との間に、偏光板が挿入されている
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1光透過板は、基板と、前記基板の、前記第2光透過板とは反対側の面に設けられた偏光板とから構成され、
前記光導波路は、前記偏光板の、前記第2光透過板とは反対側の面に形成されている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記光導波路は、フレキシブルな基板上に形成され、
前記フレキシブルな基板が、偏光板と一体となっている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記偏光板には、前記液晶セルとの位置合わせ用のマークが設けられている
請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1光透過板は、基板であり、
前記光導波路は、前記基板の、前記第2光透過板とは反対側の面に形成されている
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記光導波路は、フレキシブルな基板上に形成されている
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記フレキシブルな基板には、前記液晶セルとの位置合わせ用のマークが設けられている
請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
1つの前記光源から、複数の前記光導波路に光が分割して伝播されている
請求項1から請求項10までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記光導波路は、前記液晶セルの表示エリア外で交差している
請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第2光透過板と前記液晶層との間に、カラーフィルタが設けられている
請求項1から請求項12までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックライトユニットから発せられた白色光が液晶セルに入射し、カラーフィルタにより、ある波長域の光が吸収されて着色される液晶表示装置が知られている。以下、図6を参照しながら、この液晶表示装置について説明する。
【0003】
図6は、従来の一般的な液晶表示装置100を示す模式断面図である。図6において、液晶表示装置100は、バックライトユニット110と液晶セル120とから構成されている。バックライトユニット110は、白色光を発生する光源111と、光源111からの白色光を導光し、表面から光を取り出す導光板112とから構成されている。
【0004】
ここで、光源111としては、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)やCCFL(冷陰極蛍光管:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が用いられる。
【0005】
液晶セル120は、バックライトユニット110側に配置された第1基板121と、第1基板121に対向して設けられた第2基板122と、第1基板121と第2基板122との間に液晶が例えば注入され、封止されて形成された液晶層123とから構成されている。第1基板121および第2基板122は、それぞれ例えばガラス製である。
【0006】
第1基板121の裏面(バックライトユニット110側の面)には、所定の振動方向の光のみを通過させる第1偏光板124が設けられ、第1基板121の表面には、液晶セル120のRGB各画素のスイッチング素子として機能するTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)125が形成されている。
【0007】
第2基板122の第1基板121側の面には、液晶層123を通過した光にRGB(赤、緑、青)の色を付加するカラーフィルタ126が設けられ、第2基板122の第1基板121側と反対側の面には、所定の振動方向の光のみを通過させる第2偏光板127が設けられている。
【0008】
また、バックライトユニットとして、液晶セルのRGB各画素の行または列に対応するように光導波路を形成し、それぞれの光導波路毎にRGB3原色の光源を配置した液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、図7を参照しながら、この液晶表示装置について説明する。
【0009】
図7は、特許文献1に記載された液晶表示装置200を示す模式断面図である。図7において、液晶表示装置200は、バックライトユニット210と液晶セル220とから構成されている。バックライトユニット210は、基板211と、基板211上に形成されたLEDアレイ212と、LEDアレイ212を覆うレンチキュラーレンズ213とから構成されている。
【0010】
液晶セル220は、図6に示した従来の一般的な液晶表示装置100における液晶セル120から、カラーフィルタ126が除かれた構成を有している。その他の構成は、液晶セル120と同様なので、説明を省略する。
【0011】
なお、液晶表示装置200において、すべての光導波路(画素の行または列)に光源を配置するのではなく、1つの光源から複数の行または列に光を分波する方法も提案されている。さらに、液晶セル220のRGB各画素の行または列に対応するように蛍光材を塗布し、光源からの光により、所定の色を発色する方法も提案されている。
【0012】
また、光源として半導体レーザを用い、かつ入射光の偏光状態が変化しないゼロ/ゼロ複屈折ポリマを導光板として用いることにより、上述した液晶セルの第1基板側の第1偏光板を不要とし、光の利用効率を高めるバックライトユニットが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9−258225号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Takahiro Kurashima,Akihiro Tagaya,Yasuhiro Koike,”A Polarized Laser Backlight Using a Polymer Free of Orientational and Photoelastic Birefringence”,SID Symposium Digest of Technical Papers Volume 42,Issue 1,pages 882-885,June 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来の一般的な液晶表示装置100では、バックライトユニット110からの白色光のうち、約50%が第1偏光板124で吸収され、さらに、第1偏光板124を透過した光のうち、約2/3がカラーフィルタ126で吸収されるので、光の利用効率が低いという問題がある。
【0016】
なお、DBEF(反射型偏光性フィルム:DUAL BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM)等の光学フィルムを用いることで、光の利用効率を高める方法も提案されているが、S波からP波への変換効率が100%ではなく、改善の余地がある。また、DBEFは、多層膜で形成されているので、コストアップの要因になる。
【0017】
また、液晶表示装置100の厚みおよび重量を決定する最大の要因となるバックライトユニット110が、導光板112や反射板(図示せず)、各種光学フィルム等(図示せず)から構成されているので、液晶表示装置100が厚くなるとともに、重くなるという問題もある。
【0018】
さらに、従来の一般的な液晶表示装置100では、バックライトユニット110と液晶セル120とが別々に製造された後、互いに組み合わされるので、バックライトユニット110と液晶セル120との間に数mm程度の隙間を生じ、液晶表示装置100が厚くなるという問題もある。
【0019】
また、特許文献1に記載された液晶表示装置200において、液晶セル120のRGB各画素の行または列に対応するように蛍光材を塗布し、光源からの光により、所定の色を発色する場合には、蛍光材の波長変換効率が十分でなく、また、蛍光があらゆる方向に伝播するので、光の利用効率が低いという問題がある。
【0020】
さらに、特許文献1に記載された液晶表示装置200では、バックライトユニット210と液晶セル220とが別々に製造された後、互いに組み合わされるので、バックライトユニット210と液晶セル220との間に数mm程度の隙間を生じ、液晶表示装置200が厚くなるという問題もある。
【0021】
また、上述した非特許文献1に記載されたバックライトユニットでは、液晶セルの第1基板側の第1偏光板を不要とすることができるので、バックライトからの光を、ほぼ100%液晶セルに入射させることができるものの、カラーフィルタを用いる必要があるので、光の利用効率の改善は不十分であり、光の利用効率が低いという問題がある。
【0022】
さらに、非特許文献1に記載されたバックライトユニットでは、液晶表示装置の厚みおよび重量を決定する最大の要因となるところ、バックライトユニットが、導光板や反射板、各種光学フィルム等から構成されているので、液晶表示装置が厚くなるとともに、重くなるという問題もある。
【0023】
さらに、上述した液晶表示装置またはバックライトユニットでは、導光板や光導波路が形成された基板を曲げることができず、フレキシブルな液晶表示装置を実現することができないという問題がある。
【0024】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、光の利用効率が高く、かつ薄型化および軽量化を実現することができるとともに、フレキシブルな液晶表示装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明に係る液晶表示装置は、互いに対向する第1光透過板および第2光透過板と、第1光透過板と第2光透過板との間に液晶が封入されて形成された液晶層と、から構成され、RGB3原色に対応する画素が設けられた液晶セルと、RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路と、光導波路に対してRGB3原色の光を発生する光源と、を備えた液晶表示装置であって、光導波路は、第1光透過板の、第2光透過板とは反対側の面に、液晶セルのRGB各画素の行または列に対応するように、第1光透過板と一体となった構造で形成され、光導波路は、底面上に複数の直角三角形形状パターンを含み、複数の直角三角形形状パターンは、光源から光導波路に向かう方向に沿って配置され、直角三角形形状パターンの垂直方向の辺は、直角三角形形状パターンの斜辺で光源からの光が光導波路の上面に直接照射されるように、光源と対向しているものである。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係る液晶表示装置およびその製造方法によれば、RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路は、第1光透過板の、第2光透過板とは反対側の面に、液晶セルのRGB各画素の行または列に対応するように、第1光透過板と一体となった構造で形成されている。
そのため、光の利用効率が高く、かつ薄型化および軽量化を実現することができるとともに、フレキシブルな液晶表示装置およびその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を示す模式断面図である。
図2】(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の光導波路を示す正面図および側断面図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を示す別の模式断面図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を示す模式断面図である。
図5】この発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を示す別の模式断面図である。
図6】従来の一般的な液晶表示装置を示す模式断面図である。
図7】特許文献1に記載された液晶表示装置を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明に係る液晶表示装置およびその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0030】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1を示す模式断面図である。また、図2(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1の光導波路21を示す正面図および側断面図である。
【0031】
図1、2において、液晶表示装置1は、互いに対向する第1光透過板11および第2光透過板12と、第1光透過板11と第2光透過板12との間に液晶が封入されて形成された液晶層13とから構成され、RGB3原色に対応する画素が設けられた液晶セル10と、RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路21と、光導波路21に対してRGB3原色の光を発生する光源22とを備えている。
【0032】
第1光透過板11は、例えばガラス製の第1基板31と、第1基板31の、第2光透過板12とは反対側の面に設けられた第1偏光板32とから構成されている。第1光透過板11の第2光透過板12側には、液晶セル10のRGB各画素のスイッチング素子として機能するTFT33が形成されている。
【0033】
第2光透過板12は、例えばガラス製の第2基板34と、第1基板31の第1光透過板11と反対側の面に設けられた第2偏光板35とから構成されている。第2光透過板12の第1光透過板11側には、カラーフィルタ36が設けられている。
【0034】
光導波路21は、第1偏光板32の、第2光透過板12とは反対側の面(第1偏光板32の裏面)に、液晶セル10のRGB各画素の行または列に対応するように、すなわち、液晶セル10のRGB各画素と光導波路21を伝播する色とが一致するように直接形成されている。また、光源22としては、LEDやCCFLが用いられる。つまり、バックライトと液晶セル10とが一体となった構成を有している。
【0035】
ここで、光導波路21は、第1偏光板32の裏面に、フォトリソグラフィまたはインクジェット法等により形成される。具体的には、第1偏光板32の裏面に、高屈折率の材料を用いて、光が通るパターンをフォトリソグラフィにより形成するか、光が通る部分をインクジェット法により形成し、その上に低屈折率の材料を全面に塗布して形成される。これにより、光導波路21をフレキシブルに構成することができる。
【0036】
また、1つの光源22から、複数の光導波路21に光が分割して伝播されている。また、光導波路21は、液晶セル10の表示エリア外で立体交差している。これにより、表示エリアに影響を与えることなく、液晶表示装置1を薄型化および軽量化することができる。
【0037】
また、光導波路21は、光源22からの光を上方に出射させるための構造を有している(図2(b)参照)。また、光導波路21には、光源22からの光を上方に出射させるために、光散乱物質が混合されていてもよい。これにより、光源22からの光を、効率的に利用することができる。
【0038】
なお、上述した特許文献1に記載された液晶表示装置200では、カラーフィルタが設けられていない(図7参照)。ここで、液晶セル220と光導波路とが分離されているので、液晶セル220の画素の行または列と、光導波路との位置合わせは困難であり、位置ずれが生じた場合には、サブピクセル間の色が混色する。さらに、液晶セル220の画素の行または列と、光導波路との位置がぴったり合っていたとしても、光導波路から出た光が拡散するので、サブピクセル間の色が混色する。
【0039】
これに対して、この実施の形態1に係る液晶表示装置1では、第2光透過板12の第1光透過板11側には、カラーフィルタ36が設けられている。カラーフィルタ36を設けることにより、散乱した光が遮断されるので、サブピクセル間の色の混色を防止することができる。なお、カラーフィルタ36を設けた場合であっても、光導波路21は、液晶セル10のRGB各画素と対応したRGB3原色の各色をそれぞれ伝播するので、カラーフィルタ36で光が吸収されることがなく、高い光の利用効率を維持することができる。
【0040】
以上のように、実施の形態1によれば、RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路は、第1光透過板の、第2光透過板とは反対側の面に、液晶セルのRGB各画素の行または列に対応するように形成されている。
そのため、光の利用効率が高く、かつ薄型化および軽量化を実現することができるとともに、フレキシブルな液晶表示装置およびその製造方法を得ることができる。
【0041】
また、上記実施の形態1では、図1において、カラーフィルタ36が設けられているが、導光板を図2(b)のような構造とすることで、光をまっすぐ上方に取り出すことができるので、カラーフィルタを不要とすることができる。この場合には、液晶表示装置1のコストを低減することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態1では、第1偏光板32の裏面に、液晶セル10のRGB各画素の行または列に対応するように、光導波路21を直接形成すると説明した。しかしながら、図3に示されるようなインセル型の液晶表示装置1Aにおいては、光導波路21は、第1基板31の裏面に直接形成される。
【0043】
図3において、第1光透過板11Aは、第1基板31と、第1基板31の第2光透過板12側の面に設けられた第1偏光板32とから構成されている。その他の構成は、液晶セル120と同様なので、説明を省略する。この場合であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、光導波路は、フィルム基板上(図示せず)に形成され、このフィルム基板と偏光板(図示せず)とが一体となったものが、第1基板31の、第2光透過板12とは反対側の面に貼り付けられてもよい。このとき、偏光板に、液晶セル10との位置合わせ用のマークを設けることにより、光導波路が液晶セル10のRGB各画素の行または列に対応するように、フィルム基板を液晶セル10に容易に貼り付けることができる。
【0045】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、高屈折率の材料および低屈折率の材料を用いて、第1偏光板32の裏面に光導波路21を形成する場合を例に挙げて説明した。この上記実施の形態2では、ゼロ/ゼロ複屈折ポリマを用いることにより、光の利用効率をさらに向上させることについて説明する。
【0046】
図4は、この発明の実施の形態2に係る液晶表示装置1Bを示す模式断面図である。図4において、液晶表示装置1Bは、RGB3原色に対応する画素が設けられた液晶セル10Bと、RGB3原色の各色をそれぞれ伝播する光導波路21Bと、光導波路21Bに対してRGB3原色の光を発生する光源(図示せず)とを備えている。
【0047】
液晶セル10Bは、図1に示した液晶表示装置1における液晶セル10から、第1偏光板32が除かれた構成を有している。液晶セル10Bのその他の構成は、液晶セル10と同様なので、説明を省略する。
【0048】
光導波路21Bは、第1基板31の、第2光透過板12とは反対側の面(第1基板31の裏面)に、入射光の偏光状態が変化しないゼロ/ゼロ複屈折ポリマを用いて、液晶セル10BのRGB各画素の行または列に対応するように直接形成されている。
【0049】
また、光源としては、偏光光源である半導体レーザや、LEDまたはCCFLが用いられる。なお、光源としてLEDやCCFLが用いられる場合には、光源と光導波路21Bとの間に、偏光板が挿入される。
【0050】
ゼロ/ゼロ複屈折ポリマは、インジェクションによっても、曲げ応力等によっても、位相差を生じない(詳細については、非特許文献1参照)。そのため、偏光光源である半導体レーザを用いた場合であっても、偏光状態を変化させることなく、光を取り出すことができる。したがって、図1に示した第1偏光板32を不要にすることができるとともに、位相差フィルム等を不要にすることができる。
【0051】
以上のように、実施の形態2によれば、ゼロ/ゼロ複屈折ポリマを用いて光導波路を構成し、光導波路から出射する偏光の振動方向と液晶セルの液晶の配向方向を適切に設計することにより、液晶セルの第1光透過板側の第1偏光板を不要とすることができるので、第1偏光板で光が吸収されることがなく、光の利用効率を向上させることができる。理想的には、液晶セルへの入射効率を100%にすることができ、消費電力を低減することができるとともに、光源の数を減らすことができ、コストダウンにも繋げることができる。
【0052】
さらに、偏光板を不要とすることにより、液晶表示装置をさらに薄型化および軽量化することができるとともに、コストダウンも同時に実現できる。
【0053】
なお、上記実施の形態2では、第1基板31の裏面に、液晶セル10BのRGB各画素の行または列に対応するように、光導波路21Bを直接形成すると説明した。しかしながら、これに限定されない。
【0054】
光導波路は、フィルム基板上(図示せず)に形成され、このフィルム基板が、第1基板31の、第2光透過板12とは反対側の面に貼り付けられてもよい。このとき、偏光板に、液晶セル10Bとの位置合わせ用のマークを設けることにより、光導波路が液晶セル10BのRGB各画素の行または列に対応するように、フィルム基板を液晶セル10Bに容易に貼り付けることができる。
【0055】
また、上記実施の形態2では、図4において、カラーフィルタ36が設けられているが、導光板を図2(b)のような構造とすることで、光をまっすぐ上方に取り出すことができるので、図5に示されるように、カラーフィルタを不要とすることができる。この場合には、液晶表示装置1Cのコストをより低減することができる。
【符号の説明】
【0056】
1、1A、1B、1C 液晶表示装置、10、10A、10B、10C 液晶セル、11、11A、11B 第1光透過板、12、12C 第2光透過板、13 液晶層、21、21B 光導波路、22 光源、31 第1基板、32 第1偏光板、33 TFT、34 第2基板、35 第2偏光板、36 カラーフィルタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7