(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
地雷原処理とは、ロケット弾により爆索などを、地雷原が存在する場所に展開し、これを起爆することで地雷信管の作動、誘爆、または破壊により、通路を切り開くことをいう。
地雷原処理装置とは、上述した地雷原処理に使用する装置をいい、わが国では地雷原処理に、地雷原爆破装置、地雷原処理車、地雷原処理用ロケット弾が使用されている。
【0003】
図1は、特許文献1に開示された地雷原処理装置2である。
図2は、従来の地雷原処理の訓練の説明図である。
図1に示すように、特許文献1の地雷原処理装置2は、爆索や爆薬ブロック等の爆薬部4が連結された連結索6が、ロケット弾7の末端部に連結されたものである。そして、ロケット弾7は、地雷原8に向けて発射され、爆薬部4を牽引、展張、起爆することにより、地雷原8を啓開し、通路を開通するのに用いられる。
【0004】
しかし、実際に地雷原処理を行うためには、作業員が地雷原処理作業の訓練を積む必要がある。そこで従来は、
図2に示すように、連結索6と同等の質量・長さをもつ訓練索10に連結索6を置き換えた訓練器材12を使用し、訓練索10が地面に展張された場所を処理済みの地雷原(以下、地雷原処理範囲14)という想定にして、実際の地雷原処理の手順と同じ操作で訓練を行っていた。
【0005】
一方、発煙する弾丸として、発煙弾16が従来から使用されている。発煙弾16は、発煙剤18を填実した弾薬であり、煙幕展張や信号などの戦闘部隊の間接支援に使用されることを目的として作られている。また発煙弾16は、発煙剤18の散布方式によって、炸裂式と弾底放出式とに分類される。このような発煙弾16は、非特許文献1に開示されている。
【0006】
図3は、非特許文献1に開示された発煙弾16である。(A)は炸裂式発煙弾16aであり、(B)は弾底放出式発煙弾16bである。
炸裂式発煙弾16aは、弾殻20を炸薬の力で裂いて発煙剤18を散布するもので、弾丸の中央に炸薬を内蔵する炸薬筒24を信管26によって起爆させるものである。
弾底放出式発煙弾16bは、弾底栓28を放出薬30の燃焼ガス圧によって外し発煙剤18を填実した発煙缶32を弾底から空中放出するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来は
図2に示すように、特許文献1の地雷原処理装置2の連結索6の代わりに、地雷原処理の訓練用機材の訓練索10を代用して訓練を行っていた。しかし、訓練索10はロープ等の爆発しない素材で出来ているため、地面に展張された後にも爆破しない。そのため、地雷原処理を行う訓練の際に、訓練の参加者に対して地雷原8を処理したという想定が伝わりづらかった。また、展張した訓練索10より遠方にいる参加者は、訓練索10が展張された場所を把握することが難しかった。
【0010】
図4は、従来の発煙弾16の使用説明図である。(A)は飛翔時を示し、(B)は着弾時を示す。
非特許文献1に開示された発煙弾16は、火薬で爆発することにより煙を放出するため、一度しか使用することができない。また、非特許文献1の発煙弾16は、
図3に示すように、構造が複雑であるため、高価である。そのため、繰り返し行われる訓練に使用するには、訓練コストがかかり、実用的ではなかった。
また、
図4(A)(B)に示すように、非特許文献1の発煙弾16は発煙せずに飛翔し、着弾時に衝突することによって発煙する。そのため、実際の地雷処理で確認する必要のある場所が地雷原処理範囲14であるにも関わらず、非特許文献1の発煙弾16ではその弾着位置しか確認できなかった。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、安価で、構造が単純であり、着弾位置だけでなく訓練索が展張された位置と弾道とを確認できる発煙機能付き飛翔体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、飛行可能な飛翔体と、
先端が飛翔体に連結された前索と、末端が地上に固定された後索と、前索の末端と後索の先端とを連結し可撓性がある爆索部想定索と、
飛翔体または爆索部想定索に取り付けられ飛翔体の飛行中と着地後に煙を空中に放出する発煙装置とを備える、ことを特徴とする発煙機能付き飛翔体が提供される。
【0013】
また、爆索部想定索は、一端が閉じ他端が開口した中空のホースであり、
該ホースは内側と外側を連通する貫通穴をホースの壁面の長さ方向に間隔を隔てて有し、
発煙装置は、ホースの開口した他端に連結されその中空内に煙を放出する。
【0014】
また、別の実施形態の発煙装置は、爆索部想定索は、可撓性のある訓練索と、一端が閉じ他端が開口し訓練索に脱着可能な中空のチューブとを有し、
チューブは、内側と外側を連通する貫通穴をチューブの壁面の長さ方向に間隔を隔てて有し、
発煙装置は、チューブの開口した他端に連結されその中空内に煙を放出する。
【0016】
また、発煙装置は、飛翔体に取り付けられる。
【0017】
また、発煙装置は、発煙装置内に引き紐を引き抜くことで着火される発煙剤を有し、
引き紐の末端は地上に固定されており、
飛翔体が射出して引き紐が発煙装置から引き抜かれることにより発煙剤が着火され煙が放出される。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明の発煙機能付き飛翔体によれば、飛翔体や爆索部想定索に取り付けられた発煙装置が飛翔体の飛行中と着地後に煙を発煙装置から空中に放出するので、着弾位置だけでなく爆索部想定索が展張された位置と弾道も確認することができる。そのため、展張された爆索部想定索より遠方にいる参加者も、爆索部想定索が展張された場所を容易に把握することができる。また、着地後にも着弾位置と地雷原処理範囲から煙が放出されるため、地雷原処理を行う訓練の際に、訓練の参加者に対して地雷原を処理したという想定が伝わりやすい。
【0019】
また、発煙装置が飛翔体や爆索部想定索から独立し、飛翔体や爆索部想定索に取り付けられる構造となっているため、状況に応じて飛翔体や爆索部想定索から脱着が可能である。そして、構造が単純なうえ、発煙装置が飛翔体から独立しているため、訓練時に飛翔体もしくは爆索部想定索と発煙装置のいずれかが壊れても、発煙装置を脱着して取り替えることができる。そのため、訓練を繰り返し行っても訓練コストを削減でき、実用的である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図5は、本発明の第1実施形態の発煙機能付き飛翔体40である。
図6は、本発明の第1実施形態の発煙機能付き飛翔体40の利用説明図である。(A)は、飛翔体46の発射前を示し、(B)は、飛翔体46の飛行中を示す。また、(C)は、飛翔体46の着弾後を示す。
本発明の第1実施形態の発煙機能付き飛翔体40は、飛翔体46と、前索48a、後索48c、及び爆索部想定索48bと、飛翔体46または爆索部想定索48bに取り付けられた発煙装置42とを備える。
また、発煙装置42は引き紐44を有する。
【0023】
飛翔体46はロケットモータが好ましいが、飛行可能なものであればその他の推進手段を使用してもよい。
また、飛翔体46には、飛翔体46の機軸を回る方向に間隔をおいて設けられ機軸と平行に備えられた複数本のアーム46aを備えることが好ましい。
複数本のアーム46aは、飛翔体46の円周面の周囲に設けられても良いし、飛翔体46の後部に設けられていても良い。
【0024】
また、飛翔体46は、投射装置54によって投射されて飛行する。投射装置54は、飛翔体46の機体に取り付けられたスライド器具46bが噛み合うレール54aを備え、飛翔体46の投射時にはそのレール54a上を飛翔体46が滑ることにより、投射すべき軌跡上に飛翔体46を投射することが好ましい。しかし、投射装置54の構造はこれに限らない。
また、投射装置54は、地上に直に設置するが、飛翔体46を投射できる構造であれば、車輌に取り付けられていてもよい。
【0025】
前索48aは、先端が飛翔体46に連結されており、末端が爆索部想定索48bの先端に連結されている。すなわち、前索48aは、爆索部想定索48bの先端と飛翔体46の後端もしくはアーム46aの後端を連結する。また、前索48aは、たとえば、ロープ、ワイヤー、チェーン、紐等が好ましい。
【0026】
後索48cは、末端が地上に固定されており、先端が爆索部想定索48bの末端と連結している。すなわち、後索48cは、爆索部想定索48bの末端と飛翔体46の投射装置54やその付近の地面等の地上を連結する。もしくは、爆索部想定索48bの末端に発煙装置42が取り付けられている場合には、発煙装置42の後端と飛翔体46の投射装置54やその付近の地面等の地上を連結してもよい。また、後索48cは、たとえば、ロープ、ワイヤー、チェーン、紐、ゴム等が好ましい。
【0027】
本発明の爆索部想定索48bは、前索48aの末端と後索48cの先端とを連結し可撓性がある索である。また、本発明の爆索部想定索48bは、爆索や爆薬ブロック等の爆薬部が連結された連結索と同等の質量・長さをもつ訓練用の索である。
また、本発明の第1実施形態の爆索部想定索48bは、一端が閉じ他端が開口した中空56bのホース56であり、ホース56は内側と外側を連通する貫通穴56aをホース56の壁面の長さ方向に間隔を隔てて有している。
ホース56の材質は、ビニール、可撓性のあるプラスチック、ポリエステル、またはカンバス地などの布等が好ましい。また、貫通穴56aはホース56の円周面に長軸周りに複数開いていることが好ましい。
【0028】
発煙装置42は、脱着可能に飛翔体46に取り付けられ、飛翔体46の飛行中と着地後に煙を空中に放出する。また、発煙装置42は、発煙装置42内に引き紐44を引き抜くことで着火される発煙薬剤を有し、引き紐44の末端は地上に固定されており、飛翔体46が射出して引き紐44が発煙装置42から引き抜かれることにより発煙薬剤が着火され煙が放出される。
発煙装置42に使用する発煙薬剤は、長時間燃え続ける赤リンを使用したものが好ましい。しかし、安全性を保つことができれば、その他のリン系発煙剤でもよい。また、発煙薬剤はそれに限らず、染料加熱剤系発煙剤や六塩化エタン亜鉛系発煙剤でもよい。もしくは、それらを組み合わせて使用しても良い。
引き紐44の末端は、飛翔体46の投射装置54やその付近の地面等の地上に固定される。
なお、発煙装置42の発煙の開始は、引き紐44が引き抜かれる構成に限らず、時限スイッチを使用しても良い。また、遠隔操作で発煙を開始させても良い。
【0029】
発煙装置42は、飛翔体46に取り付けられる先端発煙装置58と、爆索部想定索48bに取り付けられる索発煙装置60とがある。
図7と
図8は、本発明の第1実施形態の先端発煙装置58の説明図である。(A)は取り付け説明図であり、(B)は、取り付け完了図である。
先端発煙装置58は、飛翔体46の機軸上に取り付けられていることが好ましい。しかし、これに限らず、飛翔体46の飛翔に支障がなければ、機軸から離れた場所に取り付けられていても良い。
【0030】
図7の先端発煙装置58の取り付け方法は、先端をボルト46cで固定している飛翔体46に対して、使用される。固定に用いるボルトを、長いボルト58aに換え、先端発煙装置58ごと飛翔体46に固定する。
この構成により、
図7の先端発煙装置58は、飛翔の途中で外れるおそれなく、確実に飛翔体46に固定される。
【0031】
図8の先端発煙装置58の取り付け方法は、先端発煙装置58の飛翔体46側に3本以上の固定爪58bを有する。固定爪58bのうち少なくとも1本は、先端発煙装置58に対するその取り付け位置が移動可能である。1本の固定爪58bを移動させる方法は、固定爪58bの根元がレール58cに沿ってスライドし、機軸に向かって縮む方向に付勢されたバネを備えていることが好ましい。しかし、それに限らず移動可能な固定爪58bをボルト等で先端発煙装置58に固定しても良い。
図8の先端発煙装置58は、この構成により、外径の異なる飛翔体46に固定することができる。
【0032】
訓練の参加者は、先端発煙装置58の構成により、飛翔体46の弾道と着弾位置を遠くからでも視認することができる。
【0033】
図9は、本発明の第1実施形態の索発煙装置60の説明図である。(A)は取り付け説明図であり、(B)は、取り付け完了図である。(C)は、発煙装置42の引き紐44の説明図である。
第1実施形態の索発煙装置60の発煙装置42は、ホース56の開口した他端に連結され、その中空56b内に煙を放出する。すなわち、発煙装置42から煙を放出する排煙口60aが、開口した爆索部想定索48b(ホース56)の他端に連結し、爆索部想定索48b(ホース56)の中空56b内に煙を放出する。爆索部想定索48bと発煙装置42との連結は、ネジ60bによって勘合させることが好ましい。しかし、それに限らず、発煙装置42の煙を爆索部想定索48bの他端から漏らさずに中空56b内に放出できる構造であれば、そのほかの構成でもよい。
【0034】
この構成により、本発明の発煙装置42は、飛翔体46の投射直後、すなわち飛翔体46の飛行中と着地後に煙を放出することができる。
また、本発明の第1実施形態は、発煙装置42から放出された煙を、ホース56の壁面に開いた貫通穴56aから放出するので、着弾位置だけでなく弾道と訓練索48が展張された位置も確認することができる。そのため、飛翔体46の弾着後に索発煙装置60から発煙し貫通穴56aから放出される煙により、遠くからでも訓練索48が地面に展張された処理済みの地雷原と想定する場所(以下、地雷原処理範囲62)を訓練者が明確に視認することができる。
【0035】
図10は、本発明の第2実施形態の発煙機能付き飛翔体40である。
先端発煙装置58は、第1実施形態と同じ構成である。
本発明の第2実施形態の爆索部想定索48bは、可撓性のある訓練索49と、一端が閉じ他端が開口し該訓練索49に脱着可能な中空のチューブ60cとを有する。
チューブ60cは、内側と外側を連通する貫通穴60dをチューブ60cの壁面の長さ方向に間隔を隔てて有する。そして、発煙装置42は、チューブ60cの開口した他端に連結されその中空60f内に煙を放出する。
訓練索49は、ロープ、ワイヤー、チェーン、紐等が好ましい。
チューブ60cの材質は、ビニール、可撓性のあるプラスチック、ポリエステル、またはカンバス地などの布等が好ましい。また、貫通穴60dはホース56の円周面に長軸周りに複数開いていることが好ましい。チューブ60cは1本でも、複数本でもよい。
また、チューブ60cは、長軸方向に間隔を隔てて爆索部想定索48bに連結されるための連結バンド60eを有する。連結バンド60eは、結束バンド等、丈夫で径を調節できるものが好ましい。しかし、これに限らず、一端がチューブ60cに固定された紐やワンタッチバックルでもよい。また、連結バンド60eの一端が爆索部想定索48bに固定されていても良い。
【0036】
第2実施形態の発煙装置42は、爆索部想定索48bの先端に取り付けられることが好ましい。それにより、引き伸ばされたチューブ60cから順に煙が通され、支障なくチューブ60cに煙を充満させることができる。しかし、これに限らず、第2実施形態の発煙装置42は爆索部想定索48bの後端に取り付けられていても良い。また、爆索部想定索48bの中央に発煙装置42を取り付け、前方と後方の両方にチューブ60cを伸ばしても良い。
【0037】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0038】
第2実施形態の索発煙装置60は、この構成により、従来使用していた
図2の訓練器材に取り付けて使用することができる。そのため、第2実施形態の発煙機能付き飛翔体40は、訓練コストを安くすることができる。また、索発煙装置60を様々なタイプの訓練器材に取り付けることができるため、従来から使用していた様々なタイプの訓練器材を有効に使用することができる。
【0039】
また、第2実施形態の発煙機能付き飛翔体は、発煙装置42から放出された煙を、チューブ60cの壁面に開いた貫通穴60dから放出するので、着弾位置だけでなく弾道と訓練索48が展張された位置も確認することができる。そのため、飛翔体46の弾着後に索発煙装置60から発煙し貫通穴60dから放出される煙により、遠くからでも地雷原処理範囲62を訓練者が明確に視認することができる。
【0040】
図11は、本発明の第3実施形態の発煙機能付き飛翔体40である。
先端発煙装置58は、第1実施形態と同じ構成である。
本発明の第3実施形態の爆索部想定索48bは、可撓性のある訓練索49である。また、本発明の第3実施形態の索発煙装置60は、複数備えられており、爆索部想定索48bの長さ方向に間隔を隔てて固定される。
索発煙装置60は、長軸方向に間隔を隔てて爆索部想定索48bに連結されるための連結バンド60eを有する。連結バンド60eは、結束バンド等の丈夫なものが好ましい。しかし、これに限らず、一端が索発煙装置60に固定された紐やワンタッチバックルでもよい。また、連結バンド60eの一端が爆索部想定索48bに固定されていても良い。
また、各索発煙装置60は、それぞれ引き紐44を有し、各引き紐44の末端は、飛翔体46の投射装置54やその付近の地面等の地上に固定される。
訓練索49は、ロープ、ワイヤー、チェーン、紐等が好ましい。
【0041】
第3実施形態の索発煙装置60は、この構成により、爆索部想定索48bが展張するに伴い、爆索部想定索48bの先端から順に引き紐44が引き抜かれて発煙する。それにより、飛翔体46の弾着後に各索発煙装置60から発煙する煙により、訓練者が遠くからでも地雷原処理範囲62を明確に視認することができる。
【0042】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0043】
第3実施形態の索発煙装置60は、この構成により、従来使用していた
図2の訓練器材に取り付けて使用することができ、訓練コストを安くすることができる。また、様々なタイプの飛翔体46や爆索部想定索48bに取り付けることができるため、従来から使用していた様々なタイプの訓練器材を有効に使用することができる。
【0044】
なお、上述した本発明の発煙機能付き飛翔体40は、説明するにあたり地雷原処理の訓練で用いられる訓練用飛翔体を実施形態として説明したが、本発明の発煙機能付き飛翔体40の使用用途はこれに限らない。本発明の発煙機能付き飛翔体40は、広範囲に煙幕を作る場合に使用してもよい。
また、例えば救難活動の際に、広範囲にいる大勢の人を安全区域に誘導し、もしくは危険区域に近づかないように誘導する必要がある場合に、安全区域と危険区域の境界に索を展張して境界の位置を知らせるために使用してもよい。
【0045】
上述した本発明の発煙機能付き飛翔体40によれば、飛翔体46や爆索部想定索48bに取り付けられた発煙装置42が飛翔体46の飛行中と着地後に煙を発煙装置42から空中に放出するので、着弾位置だけでなく爆索部想定索48bが展張された位置と弾道も確認することができる。そのため、展張された爆索部想定索48bより遠方にいる参加者も、爆索部想定索48bが展張された場所を容易に把握することができる。また、着地後にも着弾位置と地雷原処理範囲62から煙が放出されるため、地雷原処理を行う訓練の際に、訓練の参加者に対して地雷原を処理したという想定が伝わりやすい。
【0046】
また、発煙装置42が飛翔体46や爆索部想定索48bから独立し、飛翔体46や爆索部想定索48bに取り付けられる構造となっているため、状況に応じて飛翔体46や爆索部想定索48bから脱着が可能である。そして、構造が単純なうえ、発煙装置42が飛翔体46から独立しているため、訓練時に飛翔体46もしくは爆索部想定索48bと発煙装置42のいずれかが壊れても、発煙装置42を脱着して取り替えることができる。そのため、訓練を繰り返し行っても訓練コストを削減でき、実用的である。
【0047】
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。