(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽電池モジュールを製造するための方法であって、(i)請求項1に記載の前記成分層をすべて含むアセンブリを備えるステップ、および(ii)前記太陽電池モジュールを形成させるために前記アセンブリを積層するステップ、を含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に開示されたウェーハベースの太陽電池モジュールの断面図である(正確な縮尺ではない)。
【
図2】本明細書に開示された一つの具体的な薄膜式太陽電池モジュールの断面図である(正確な縮尺ではない)。
【
図3】本明細書に開示されたまた別の薄膜式太陽電池モジュールの断面図である(正確な縮尺ではない)。
【0011】
本明細書全体を通じて、特例として他の制限がない限りにおいて、各種の用語に以下の定義を適用する。
【0012】
本明細書において使用される技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の通常の技量を有する者が一般的に理解する意味合いを有している。矛盾が生じたような場合には、ここに記載の定義も含めて、本明細書の規定が支配するであろう。
【0013】
本明細書で使用するとき、「有限量(finite amount)」という用語は、ゼロよりも大きい量を指している。
【0014】
本明細書で使用するとき、「含む(comprizes、comprising、includes、including、containing)」、「特徴とする(characterized by)」、「有する(has、having)」、またはそれらのその他各種の変形態は、非排他的に含むという範囲を示すことが意図されている。たとえば、一連の要素を含む(comprises)プロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素に限定される必要はなく、明示されていなかったり、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有であったりする、その他の要素が含まれていてもよい。
【0015】
転換句の「から実質的になる(consisting essentially of)」は、請求項の範囲を、特定の材料またはステップと、その特許請求された発明の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しないようなものに限定する。本明細書で定義される任意成分の添加剤(そのような添加剤として適切なレベルにあるもの)、および微量の不純物は、「から実質的になる(consisting essentially of)」という用語の組成から排除される訳ではない。
【0016】
組成物、プロセスもしくは構造物、または組成物、プロセスもしくは構造物の一部が、たとえば「含む(comprising)」のような「オープンエンド(open−end)」の用語を使用して本明細書に記載されている場合には、特に断りがない限り、その記述には、それらの組成物、プロセスもしくは構造物、またはそれらの組成物、プロセスもしくは構造物の一部の要素「から実質的になる(consisting essentially of)」実施態様もまた含まれる。
【0017】
冠詞の「a」および「an」は、本明細書に記載の組成物、プロセス、または構造物の各種の要素および成分に関連させて採用されていてもよい。これは単に、便宜上のため、およびその組成物、プロセスまたは構造物に一般的な意味合いを与えるためである。そのような記述には、それらの要素または成分の「一つ、または少なくとも一つ」が含まれる。さらに、本明細書で使用するとき、特定の文脈から複数形が除外されることが明らかである場合をのぞいて、単数の冠詞には、要素または成分の複数形の記述も含まれている。
【0018】
「約(about)」という用語は、量、大きさ、配合、パラメーター、およびその他の量ならびに特性が、正確でなかったり、正確である必要がなかったりして、おおよそであってもよいか、および/または、許容差、換算係数、まるめ方、測定誤差など、および当業者公知のその他の因子を反映して、場合によっては、より大きくても、あるいはより小さくてもよいということを意味している。一般的に言って、量、大きさ、配合、パラメーターまたはその他の量や特性は、明確な記載の有無に関わらず、「約」(aboutまたはapproximate)である。
【0019】
本明細書で使用するとき、「または(or)」という用語は包括的である、すなわち、「AまたはB」という句は、「A,B、またはAとBとの両方」を意味している。さらに詳しくは、「AまたはB」という条件は、以下のいずれかで満足される:Aが真であり(または存在しており)、かつBが偽である(または存在していない);Aが偽であり(または存在していない)、かつBが真である(または存在している);または、AとBの両方が真である(または存在している)。排他的な「または(or)」は、本明細書においては、たとえば「AまたはBのいずれか(either A or B)」または「AまたはBの一方(one of A or B)」の用語で示される。
【0020】
さらに、本明細書で言及される範囲には、特に明示的に異なると記述されている場合を除き、それらの両端も含まれる。さらに、量、濃度またはその他の値もしくはパラメーターが範囲として、一つもしくは複数の好ましい範囲として、または好ましい上側値と好ましい下側値として与えられた場合、各種の上側の範囲限界もしくは好ましい値と、各種の下側の範囲限界もしくは好ましい値との各種のペアから形成されるすべての範囲が、それらのペアが独立して開示されているかどうかには関係なく、具体的に開示しているものと理解されたい。ある範囲を定義した場合、本発明の範囲は、記載された特定の範囲に限定される訳ではない。
【0021】
本明細書において、「当業者に公知の(known to those of skill in the art)」、「慣用される(conventional)」という用語、またはそれらと同義の語もしくは句と共に、材料、方法、または機械部品を記述した場合、それらの用語は、本願の出願日の時点で慣用されているそれらの材料、方法、および機械部品が、その記述に包含されていることを意味している。さらに、現時点では慣用されている訳ではないが、同様の目的のために適していると当業者に認められることになるであろう材料、方法、および機械部品もまた包含されている。
【0022】
特に断らない限り、すべてのパーセント、部、比率などは、重量基準であると定義される。
【0023】
本明細書で使用するとき、「コポリマー」という用語は、2種以上のコモノマーを共重合させることによって得られる共重合単位を含むポリマーを指している。これに関連して、本明細書においては、コポリマーは、その構成成分のコモノマーに関連して、またはその構成成分のコモノマーの量に関連して、たとえば「エチレンおよび15重量%のアクリル酸を含むコポリマー」または同様の記述で、記載されていてもよい。そのような記述は、共重合単位としてのコモノマーを指していないという点で略式であると考えられるかもしれない;すなわち、それは、コポリマーのための慣用される命名法、たとえばInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)命名法には含まれないという点において;すなわち、プロダクトバイプロセス用語を使用していないという点において;あるいはその他の理由からである。しかしながら、本明細書で使用するとき、その構成成分のコモノマーに関連して、またはその構成成分のコモノマーの量に関連してコポリマーを記述するということは、そのコポリマーが、(特定される場合においては、特定の量で)特定されたコモノマーの共重合単位を含んでいるということを意味している。その当然の結果として、コポリマーは、限られた環境において明示的に示された場合を除いて、所定の量で所定のコモノマーを含む反応混合物の反応生成物ではない。
【0024】
「ジポリマー(dipolymer)」という用語は、実質的に2種のモノマーからなるポリマーを指しており、「ターポリマー(terpolymer)」という用語は、実質的に3種のモノマーからなるポリマーを指している。
【0025】
本明細書で使用するとき、「酸含有コポリマー(acid copolymer)」という用語は、α−オレフィン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含み、場合によっては、その他適切な(1種または複数の)コモノマーたとえば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルを含んでいてもよい共重合単位を含むポリマーを指している。
【0026】
本明細書で使用するとき、「アイオノマー」という用語は、金属イオンカルボキシレート、たとえば、アルカリ金属カルボキシレート、アルカリ土類金属カルボキシレート、遷移金属カルボキシレートおよび/またはそのようなカルボキシレートの混合物である、イオン性の基を含むポリマーを指している。そのようなポリマーは一般的に、本明細書において定義された酸含有コポリマーである前駆体すなわち親ポリマーのカルボン酸基を、たとえば塩基との反応によって部分的または全面的に中和することによって作製される。アルカリ金属アイオノマーの一例は、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー(またはナトリウム/亜鉛中和したアイオノマー)、たとえばエチレンとメタクリル酸とのコポリマーであって、ここでその共重合されたメタクリル酸単位のカルボン酸基の全部または一部が、亜鉛カルボキシレートおよびナトリウムカルボキシレートの形態となっている。
【0027】
本明細書において提供されるのは、(A)アイオノマー組成物を含むかまたはそれから作製された少なくとも一つの層を含む少なくとも一つのシート層と、(B)一つまたは複数の太陽電池を含む太陽電池層とを含む、太陽電池モジュールである。そのシート層は、太陽電池モジュールにおける封入材層として機能する。すなわち、本発明の太陽電池モジュールは、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物の少なくとも1層を有する封入材層を有していることを特徴とする。
【0028】
そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、前駆体の酸含有コポリマーのイオン性の、中和された誘導体であるナトリウム/亜鉛混合アイオノマーを含む。その前駆体の酸含有コポリマーには、2〜10個の炭素を有するα−オレフィンの共重合単位と、その前駆体の酸含有コポリマーの全重量を基準にして、約20〜約30重量%、または約20〜約25重量%の、3〜8個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合単位とを含んでいる。
【0029】
適切なα−オレフィンコモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなど、および2種以上のこれらのα−オレフィンの混合物が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。一実施形態では、そのα−オレフィンがエチレンである。
【0030】
適切なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸コモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、および2種以上のそれらの酸コモノマーの混合物などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。一実施形態では、そのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの2種以上の混合物から選択される。
【0031】
前駆体の酸含有コポリマーにはさらに、その他の(1種または複数の)コモノマーの共重合単位、たとえば2〜10個、または3〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体が含まれていてもよい。適切な酸誘導体としては、酸無水物、アミド、およびエステルが挙げられる。一つの実施態様においては、その前駆体の酸含有コポリマーに、不飽和カルボン酸のエステルをさらに含む。不飽和カルボン酸のエステルの例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ウンデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ベヘニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ベヘニルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルメタクリレート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、および2種以上のそれらの混合物。前駆体の酸含有コポリマーからなり得るコモノマーの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、および2種以上のそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。一実施形態では、その前駆体の酸含有コポリマーは、他のコモノマーを顕著な量で含んでいない。
【0032】
前駆体の酸含有コポリマーの混合物もまた好適であるが、ただし、それらのコポリマーの性質が、本明細書に記載された範囲内に入っている必要がある。たとえば、共重合されたカルボン酸コモノマーの量が異なっているか、またはメルトフローレートが異なっているような2種以上のジポリマーを使用してもよい。さらに、ジポリマーおよびターポリマーを含む前駆体の酸含有コポリマーの混合物も好適であろう。
【0033】
前駆体の酸含有コポリマーは連続プロセスにおいて合成してもよいが、その場合、それぞれの反応性コモノマーおよび使用するならば(1種または複数の)溶媒を、重合開始剤と共に、撹拌下の反応器の中に連続的にフィードする。重合開始剤の選択は、予想される反応器の温度範囲と重合開始剤の分解温度との組合せに基づいて行うが、この選択の基準は、当産業においてはよく理解されているところである。一般的には、エチレンと酸コモノマーとを共重合させて前駆体の酸含有コポリマーを作製する合成の間、その反応温度を、約120℃〜約300℃または約140℃〜約260℃に維持するのがよい。反応器中の圧力は、約130〜約310MPaまたは約165〜250MPaに維持するのがよい。
【0034】
その反応器は、たとえば米国特許第2,897,183号明細書に開示されているようなオートクレーブであってもよい。さらに詳しくは、米国特許第2,897,183号明細書には、強力な撹拌をするための手段を備えたタイプのオートクレーブが記載されている。それにはさらに、「実質的に一定の環境で」エチレンを重合させるための連続プロセスも記載されている。ある種のパラメーターたとえば、圧力、温度、重合開始剤濃度、およびポリマー反応生成物対未反応エチレンの比率を、その重合反応の間実質的に一定に維持することによって、この環境が維持される。そのような条件は、各種の連続撹拌タンク式反応器、とりわけたとえば、連続撹拌等温反応器および連続撹拌断熱反応器の中で達成することができる。
【0035】
エチレンコポリマー反応生成物を含む反応混合物を、激しく撹拌し、オートクレーブから連続的に抜き出す。反応混合物を反応容器から抜き出した後に、得られたエチレンコポリマー反応生成物を、揮発性の未反応モノマーおよび(存在するならば)溶媒から、慣用される手順、たとえば未重合物質および溶媒を減圧下、または高温下に蒸発させることによって分離する。
【0036】
一般的には、本明細書に記載のナトリウム/亜鉛混合アイオノマーを得るためには、その重合反応の際に、その反応器の内容物を、単一相が実質的に反応器全体にわたって存在するような条件下に維持するべきである。このことは、米国特許第5,028,674号明細書に開示されているように、反応器温度の調節、反応器圧力の調節、共溶媒の添加、またはそれらの各種組合せによって達成することができる。反応器全体にわたって単一相が実質的に維持されているかどうかは、各種の慣用される手段を用いて調べることができる。たとえば、Haschら、「High−Pressure Phase Behavior of Mixture of Poly(Ethylene−co−Methyl Acrylate) with Low−Molecular Weight Hydrocarbons」(Journal of Polymer Physics,Vol.30,1365〜1373(1992))には、単一相と多相条件との境界を求めるために使用することが可能な、曇点の測定が記載されている。
【0037】
前駆体の酸含有コポリマーが、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kgで測定して、約70〜約1000g/10分、または約100〜約500g/10分、または約150〜約300g/10分、または約200〜約300g/10分のメルトフローレート(MFR)を有しているのがよい。
【0038】
そのような前駆体の酸含有コポリマーを、中和されていない前駆体の酸含有コポリマーについて計算するかまたは測定したその前駆体の酸含有コポリマーの全カルボン酸含量を規準にして、約40%〜約90%、または約40%〜約70%、または約43%〜約60%のレベルにまでナトリウムイオン含有塩基を用いて中和した場合に、そのようにして得られたナトリウム(中和)アイオノマーは、ASTM試験法D1238に従い、190℃、2.16kgで測定して、約0.7〜約25g/10分以下、または約0.7〜約19g/10分以下、または約1〜約10g/10分、または約1.5〜約5g/10分、または約2〜約4g/10分のMRFを有しており、そして、そのようにして得られたナトリウムアイオノマーは、ASTM試験法D3418に従って、Mettler製またはTA製(たとえば、Universal V3,9Aモデル)DSC装置を使用して示差走査熱量測定(DSC)により測定したときに、検出不能であるか、または約3j/g未満、または約2j/g未満である凍結エンタルピーを有している、ということが見出された。「検出不能である(not detectable)」という用語は、DSC曲線上に観察可能な変曲点が存在しないということを意味している。別な見方では、ピーク高さが極めて小さく、そしてその半値幅が比較的に大きくて、それによって、DSC曲線からベースラインを差し引いたときに、小さな積分面積を有すブロードなピークが認識されないような場合であってもよい。一般的には、ASTM D3418に従った場合、0.2j/g未満となる凍結エンタルピーは検出できないであろう。そのような前駆体の酸含有コポリマーおよびそのようにして得られたナトリウムアイオノマーは、本願出願人の同時係属出願中の米国特許仮出願番号第61/110486号明細書(出願日:2008年10月31日)の中に開示されている。
【0039】
本明細書に記載のナトリウム/亜鉛混合アイオノマーを得るためには、その前駆体の酸含有コポリマーを、ナトリウムイオン含有塩基と亜鉛イオン含有塩基との混合物を用いて中和して、アイオノマーを得るが、ここで、その前駆体の酸含有コポリマーのカルボン酸基の水素原子の約30%〜約90%、または約40%〜約70%、または約43%〜約60%が、亜鉛カチオンおよびナトリウムカチオンの(すなわち、亜鉛対イオンおよびナトリウム対イオン)混合物によって置換される。すなわち、その酸基を、中和されていない前駆体の酸含有コポリマーについて計算するかまたは測定したその前駆体の酸含有コポリマーの全カルボン酸含量を規準にして、約30%〜約90%、または約40%〜約70%、または約43%〜約60%のレベルにまで中和する。そのようにして得られたアイオノマー中に存在する、ナトリウムカチオンと亜鉛カチオンとの混合物は、ナトリウムカチオンと亜鉛カチオンとの当量のパーセントで、ナトリウムカチオンが約5〜約95当量%、または約50〜約95当量%、または約55〜約80当量%、または約55〜約70当量%、または約60〜約70当量%含まれるようにし、そして当量パーセントのバランス量が亜鉛カチオンであるようにする。
【0040】
本明細書において使用されるナトリウム/亜鉛混合アイオノマーはさらに、前駆体の酸含有コポリマーを、最初に適切量のナトリウムイオン含有塩基たとえば水酸化ナトリウムの溶液を用いて中和し、次いで適切量の亜鉛イオン含有塩基たとえば酢酸亜鉛の溶液を用いて中和することによって調製してもよい。本明細書において使用されるナトリウム/亜鉛混合アイオノマーはさらに、前駆体の酸含有コポリマーを、最初に適切量の亜鉛イオン含有塩基たとえば酢酸亜鉛の溶液を用いて中和し、次いで適切量のナトリウムイオン含有塩基たとえば水酸化ナトリウムの溶液を用いて中和することによって調製してもよい。
【0041】
本明細書において使用されるナトリウム/亜鉛混合アイオノマーはさらに、それぞれ上述のようにして前駆体の酸含有コポリマーから誘導された、ナトリウム中和アイオノマーと亜鉛中和アイオノマーとをメルトブレンドすることによって調製してもよいが、ただし、そのようにして得られたナトリウム/亜鉛混合アイオノマーが、それら二つの前駆体の酸含有コポリマーの中に存在しているカルボン酸基の水素原子の、合計して約30%〜約90%、または約40%〜約70%、または約43%〜約60%が金属カチオンによって置換されていること、ならびに、それらの金属カチオンの内の、約5〜約95当量%、または約50〜約95当量%、または約55〜約80当量%、または約55〜約70当量%、または約60〜約70当量%がナトリウムカチオンであり、バランス量が亜鉛カチオンであることが必要である。一つの実施態様においては、そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマーが、その前駆体の酸含有コポリマー中に存在しているカルボン酸基の水素原子の約30当量%〜約90当量%、または約40当量%〜約70当量%、または約43当量%〜約60当量%がナトリウムカチオンによって置換されているナトリウム中和アイオノマーと、その前駆体の酸含有コポリマー中に存在しているカルボン酸基の水素原子の約30当量%〜約90当量%、または約40当量%〜約70当量%、または約43当量%〜約60当量%が電荷的に等価な量の亜鉛カチオンによって置換されている亜鉛中和アイオノマーと、をメルトブレンドすることによって調製される。
【0042】
本明細書に記載のナトリウム中和アイオノマー、亜鉛中和アイオノマー、またはナトリウム/亜鉛混合アイオノマーを得るためには、前駆体の酸含有コポリマーを、たとえば米国特許第3,404,134号明細書および米国特許第6,518,365号明細書に開示されているような、各種の慣用される手順で中和するのがよい。
【0043】
そのようにして得られたナトリウム/亜鉛中和アイオノマーは、ASTM試験法D1238に従い、190℃、2.16kgで測定して、約25g/10分以下、または約0.7〜約25g/10分以下、または約0.7〜約19g/10分以下、または約1〜約10g/10分、または約1.5〜約5g/10分、または約2〜約4g/10分のMRFを有している可能性がある。
【0044】
そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、当業者公知の他の添加剤をさらに含んでいてもよい。そのような添加剤としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:加工助剤、流動促進添加剤、潤滑剤、顔料、染料、難燃剤、耐衝撃性改良剤、成核剤、粘着防止剤たとえばシリカ、熱安定剤、UV吸収剤、UV安定剤、分散剤、界面活性剤、キレート化剤、カップリング剤、補強用添加剤たとえばガラス繊維、充填剤など。一般的には、組成物の光学的透明性を低下させる可能性がある添加剤、たとえば補強性添加剤および充填剤は、裏面封入材として使用されるようなシートに限定される。
【0045】
熱安定剤を使用することが可能であって、当業者には広く開示されてきた。各種公知の熱安定剤が、本発明において実用的であり得る。一般的なタイプの熱安定剤としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):フェノール性抗酸化剤、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノン、アルキル化ヒドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アミン系抗酸化剤、アリールアミン、ジアリールアミン、ポリアリールアミン、アシルアミノフェノール、オキサミド、金属不活性化剤、ホスファイト、ホスホナイト、ベンジルホスホネート、アスコルビン酸(ビタミンC)、過酸化物分解性化合物、ヒドロキシルアミン、ニトロン、チオ相乗剤、ベンゾフラノン、インドリノンなど、およびそれらの混合物。ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、有効量の各種の熱安定剤が含まれていてもよい。熱安定剤の使用は任意である。熱安定剤を使用する場合には、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマーの全重量を規準にして、少なくとも約0.05重量%で約10重量%まで、または約5重量%まで、または約1重量%までの熱安定剤が含まれていてもよい。
【0046】
UV吸収剤を使用することが可能であって、これも当業者には広く開示されてきた。各種公知のUV吸収剤が、本発明においてその有用性を見出すであろう。一般的なタイプのUV吸収剤の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフェニルトリアジン、置換および非置換の安息香酸のエステルなど、およびそれらの混合物。ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、有効量の各種のUV吸収剤が含まれていてもよい。UV吸収剤の使用は任意である。UV吸収剤を使用する場合には、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物の全重量を規準にして、少なくとも約0.05重量%で約10重量%まで、または約5重量%まで、または約1重量%までのUV吸収剤が含まれていてもよい。
【0047】
ヒンダードアミン耐光安定剤(HALS)を使用することが可能であって、これも当業者には広く開示されてきた。一般的には、ヒンダードアミン耐光安定剤は、二級、三級、アセチル化、N−ヒドロカルビルオキシ置換、ヒドロキシ置換N−ヒドロカルビルオキシ置換、またはその他の置換された環状アミンが開示されており、これらは、一般的にはアミン官能基に隣接した炭素原子の上に脂肪族置換することにより誘導される、実質的な量の立体障害によって特徴付けられる。ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、有効量の各種のヒンダードアミン耐光安定剤が含まれていてもよい。ヒンダードアミン耐光安定剤の使用は任意である。ヒンダードアミン耐光安定剤を使用する場合には、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物には、そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物の全重量を規準にして、少なくとも約0.05重量%で約10重量%まで、または約5重量%まで、または約1重量%までのヒンダードアミン耐光安定剤が含まれていてもよい。
【0048】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物にシランカップリング剤を添加して、その接着強度を改良してもよい。本発明の組成物において有用なシランカップリング剤の例としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン,γ−ビニルベンジルプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリミングするエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリミングするエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびそれらのもの2種以上の混合物。シランカップリング剤はナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物の中に、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物の全重量を基準にして、約0.01〜約5重量%、または約0.05〜約1重量%のレベルで組み入れる。
【0049】
ヘイズおよび吸湿性のレベルが低いことからもわかるように、そのようなナトリウム/亜鉛混合アイオノマーを含むポリマーシートは、従来技術のアイオノマーから形成されたシートに比較して、高い透明性および耐湿性を有している。特に、後の実施例の項で説明するように、厚みが2.28mmの、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーから作製されたポリマーシートを、厚み3mmの徐冷ガラスの2枚のシートの間に積層させると、そのようにして得られたガラス積層物は、その積層プロセスの際に使用された冷却速度とは無関係に、約5%未満または約3%未満のヘイズパーセントレベルを有する。さらに、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーから作製されたポリマーシートは、水中に、23℃で1000時間浸漬させた後での湿分による重量増加が、約5%未満または約3%未満である。
【0050】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含み、本発明の太陽電池モジュールの封入材層として機能するシートは、単一層の形態であっても、あるいは多層の形態であってもよい。「単一層(single layer)」という用語は、そのシートが、そのナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物から作製されているか、または実質的にそれからなっているということを意味している。多層の形態にある場合には、それらの副層の内の少なくとも1層が、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物から作製されているか、または実質的にそれからなっており、その一方で、他の(1層または複数層の)副層が、その他各種の適切な(1種または複数の)ポリマー材料、たとえば、本明細書において先に定義されたような酸含有コポリマー、本明細書において先に定義されたような酸含有コポリマーのアイオノマー、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアセタール)(音響グレード(acoustic grade)のポリ(ビニルアセタール)を含む)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(たとえば、線状低密度ポリエチレン)、ポリオレフィンブロックコポリマーエラストマー、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとのコポリマー(たとえば、エチレンアクリル酸メチルコポリマーおよびエチレンアクリル酸ブチルコポリマー)、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、および2種以上のそれらのものの組合せ、から作製されていてもよい。
【0051】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートはさらに、約1〜約120ミル(約0.025〜約3mm)、または約5〜約100ミル(約0.127〜約2.54mm)、または約5〜約45ミル(約0.127〜約1.14mm)、または約10〜約30ミル(約0.25〜約0.76mm)、または約10〜約20ミル(約0.25〜約0.51mm)の全厚みを有していてもよい。
【0052】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートは、一面または両面が、平滑面であっても粗面であってもよい。一実施形態では、そのシートが両面共に粗面であって、積層プロセスの際の脱気がしやすくなっている。粗面は、機械的にエンボス化させて作るか、またはそのシートを押出し加工している際に溶融破壊を起こさせ、次いで急冷して処理の間に表面粗さが維持されるようにして作ることもできる。当業者には一般的なプロセスによって、表面のパターンをシートに与えることができる。たとえば、押出し加工したままのシートを、ダイの出口のすぐ近くに位置させたダイロールの特別に製造した表面の上を通過させ、それによって、溶融ポリマーの一方の面に所望の表面特性を付与するようにしてもよい。したがって、そのようなダイロールの表面が、微細な山と谷を有していれば、その上にキャストされたポリマーシートは、そのロールと接触状態にある側に粗面を有するようになり、その粗面が、一般的には、ロールの表面の谷と山それぞれに合致する。そのようなダイロールは、たとえば、米国特許第4,035,549号明細書および米国特許出願公開第2003/0124296号明細書に開示されている。
【0053】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートは、各種適切なプロセスによって作製することができる。たとえば、シートは、浸漬被覆法、溶液キャスティング法、圧縮成形法、射出成形法、積層法、溶融押出し法、鋳造法、インフレートフィルム法、押出しコーティング法、タンデム押出しコーティング法、またはその他の当業者に公知の方法によって成形すればよい。ある種の実施態様においては、シートを、溶融押出し鋳造法、溶融共押出し鋳造法、溶融押出しコーティング法、またはタンデム溶融押出しコーティング法で成形し得る。
【0054】
「太陽電池(solar cell)」という用語は、光を電気エネルギーに変換することができる各種の物品を意味している。本発明において有用な太陽電池としては、ウェーハベースの太陽電池(たとえば、背景技術のセクションで上述したような、c−Siまたはmc−Siベースの太陽電池)および薄膜式太陽電池(たとえば、背景技術のセクションで上述したような、a−Si、μc−Si、CdTe、CIS、CIGS、吸光性色素、または有機半導体ベースの太陽電池)などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。太陽電池層の内部では、複数の太陽電池が電気的に相互接続されているかおよび/または平面上に配置され得る。さらに、その太陽電池層には、たとえばクロスリボンおよびバスバーのような電気配線がさらに含まれていてもよい。
【0055】
太陽電池層が両面タイプであってもよい。そのような実施態様においては、太陽電池層の両側に位置するすべての積層材料が、充分な透光性を有していて、太陽光または反射された太陽光がそれらの太陽電池に到達できるようになっているべきである。あるいは、その太陽電池層が、太陽に面する前面側(フロントサイドとも呼ばれ、実際に使用する時には通常、太陽に面することになる)と、太陽に面さない裏面側(バックサイドとも呼ばれ、実使用条件下では通常、太陽とは反対側に面することになる)とを有していてもよい。そのような実施態様においては、太陽電池層の太陽に面する前面側に位置する積層物層および副層の中に存在している材料はすべて、充分な透光性を有していて、太陽光がそれらの太陽電池に到達できるようになっているべきである。太陽電池層の太陽に面さない裏面側に位置する積層物層および副層の中に存在している積層材料は、透光性である必要はない。
【0056】
本明細書に開示された太陽電池モジュールは、典型的には、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含む少なくとも1枚の封入材シートを含み、それが太陽電池層に積層されている。「積層されている(laminated)」という用語は、積層された構造物の内部において、二つの層が、直接的(すなわち、その2層の間には、何の材料も存在しない)または間接的(すなわち、その2層の間に、たとえば中間層または接着剤材料のようなさらなる材料が存在している)に、結合されているということを意味している。一実施態様においては、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含む封入材シートが、太陽電池層に直接結合されている。
【0057】
太陽電池モジュールに、他のポリマー材料を含むさらなる封入材層がさらに含まれていてもよいが、そのようなものとしは以下のものが挙げられる:酸含有コポリマー、酸含有コポリマーのアイオノマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリ(ビニルアセタール)(音響グレードポリ(ビニルアセタール)を含む)、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレン(たとえば、線状低密度ポリエチレン)、ポリオレフィンブロックコポリマーエラストマー、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとのコポリマー(たとえば、エチレン−アクリル酸メチルコポリマーおよびエチレン−アクリル酸ブチルコポリマー)、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、ならびに2種以上のそれらのものの組合せ。
【0058】
ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシート以外の封入材層のそれぞれの厚みは、独立して、約1〜約120ミル(約0.025〜約3mm)、または約5〜約100ミル(約0.127〜約2.54mm)、または約5〜約45ミル(約0.127〜約1.14mm)、または約10〜約30ミル(約0.25〜約0.76mm)、または約10〜約20ミル(約0.25〜約0.51mm)の範囲であってもよい。ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートを含めた、太陽電池モジュール中に含まれている(1層または複数層の)封入材層のいずれかまたは全部が、平滑面であっても、あるいは粗面であってもよい。
【0059】
太陽電池モジュールにはさらに、太陽電池モジュールの太陽に面する側および太陽に面さない側のそれぞれに、モジュールの(1層または複数の)最外層として機能する、入射層および/またはバッキング層が含まれていてもよい。
【0060】
太陽電池モジュールの外側層、すなわち、入射層およびバッキング層は、各種適切なシートまたはフィルムからできていてもよい。適切なシートは、ガラスまたはプラスチックシート、たとえば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン(たとえば、エチレンノルボルネンポリマー)、ポリスチレン(好ましくはメタロセン触媒の存在下に製造したポリスチレン)、ポリアミド、ポリエステル、フルオロポリマー、または2種以上のそれらのものの組合せなどであってもよい。さらに、バッキング層を形成させるのに、金属シートたとえば、アルミニウム板、鋼板、めっき鋼板、またはセラミック板を使用してもよい。
【0061】
「ガラス」という用語には、窓ガラス、板ガラス、シリケートガラス、シートガラス、低鉄ガラス、強化ガラス、強化CeO不含有ガラス、およびフロートガラスだけではなく、着色ガラス、特殊用途ガラス(たとえば、太陽熱を調節するための成分を含むもの)、被覆ガラス(たとえば、金属(たとえば、太陽光を調節する目的の銀またはインジウムスズ酸化物)を用いてスパッターさせたもの)、低Eガラス、Toroglas(登録商標)ガラス(Saint−Gobain N.A.Inc.,Trumbauersville,PA)、Solexia(商標)ガラス(PPG Industries,Pittesburgh,PA)およびStarphire(登録商標)ガラス(PPG Industries)なども含まれる。そのような特殊用途ガラスは、たとえば、米国特許第4,615,989号明細書;米国特許第5,173,212号明細書;米国特許第5,264,286号明細書;米国特許第6,150,028号明細書;米国特許第6,340,646号明細書;米国特許第6,461,736号明細書、および米国特許第6,468,934明細書に開示されている。しかしながら、具体的なモジュールに選択するべきガラスのタイプが、それが意図されている用途に依存するということは、理解されたい。
【0062】
好適なフィルムには以下のようなポリマーが含まれる(これらに限定される訳ではない):ポリエステル(たとえば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ(エチレンナフタレート))、ポリカーボネート、ポリオレフィン(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、および環状ポリオレフィン)、ノルボルネンポリマー、ポリスチレン(たとえば、シンジオタクチックポリスチレン)、スチレン−アクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ポリスルホン(たとえば、ポリエーテルルホン、ポリスルホンなど)、ナイロン、ポリ(ウレタン)、アクリル樹脂、セルロースアセテート(たとえば、セルロースアセテート、セルローストリアセテートなど)、セロファン、シリコーン、ポリ(塩化ビニル)(たとえば、ポリ(塩化ビニリデン))、フルオロポリマー(たとえば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーなど)、ならびに2種以上のそれらのものの組合せ。ポリマーフィルムは、非配向性、または1軸配向性、または2軸配向性のいずれであってもよい。太陽電池モジュールの外側層(たとえば、入射層またはバッキング層)において使用できる具体的なフィルムのいくつかの例としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):ポリエステルフィルム(たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、フルオロポリマーフィルム(たとえば、E.I.du Pont de Nemours and Company(DuPont),Wilmington,DE)から入手可能なTedlar(登録商標)、Tefzel(登録商標)、およびTeflon(登録商標)フィルム。金属フィルムたとえば、アルミニウムフォイルも、バッキング層として使用してもよい。さらに、太陽電池モジュールの外側層において使用するフィルムが、たとえばフルオロポリマー/ポリエステル/フルオロポリマー多層フィルム(たとえばTedlar(登録商標)/PET/Tedlar(登録商標)またはIsovolta AG(オーストリア)またはMadico(Woburn,MA)から入手可能なTPTフィルム)のような多層フィルムの形態にあってもよい。
【0063】
太陽電池モジュールにはさらに、モジュールの中に埋め込まれた、その他の機能性フィルムまたはシートの層(たとえば、誘電体層またはバリヤー層)が含まれていてもよい。そのような機能性の層は、各種の上述のポリマーフィルム、またはさらなる機能性コーティングを用いてコーティングしたものから作製してもよい。たとえば、金属酸化物コーティングを用いてコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルム、たとえば米国特許第6,521,825号明細書および米国特許第6,818,819号明細書ならびに欧州特許第1182710号明細書に開示されているようなものを、積層物における酸素および湿分のバリヤー層として機能させてもよい。
【0064】
所望により、不織布ガラス繊維の層(スクリム)を、太陽電池層と封入材との間に入れて、積層プロセスの際の脱気を容易にさせたり、および/または封入材の補強に役立たせたりしてもよい。そのようなスクリム層の使用は、たとえば、米国特許第5,583,057号明細書;米国特許第6,075,202号明細書;米国特許第6,204,443号明細書;米国特許第6,320,115号明細書;および米国特許第6,323,416号明細書、ならびに欧州特許第0769818号明細書に開示されている。
【0065】
特殊なフィルムまたはシートを加えて、封入材層と外側層の両方の機能を果たさせてもよい。モジュールに含まれるフィルムまたはシートの層のいずれかが、予備成形された単一層または多層のフィルムもしくはシートの形態であってもよいということも考えられる。
【0066】
所望により、入射層のフィルムおよびシート、バッキング層のフィルムおよびシート、封入材層ならびに太陽電池モジュールの中に組み入れられたその他の層の片側または両方の面に、各種適切な接着性向上処理を施してもよい。この接着性向上処理は、当業者公知のいかなる形態であってもよく、たとえば、火炎処理法(たとえば、米国特許第2,632,921号明細書;米国特許第2,648,097号明細書;米国特許第2,683,894号明細書;および米国特許第2,704,382号明細書、参照)、プラズマ処理法(たとえば、米国特許第4,732,814号明細書参照)、電子ビーム処理法、酸化処理法、コロナ放電処理法、化学的処理法、クロム酸処理法、加熱空気処理法、オゾン処理法、紫外光処理法、サンドブラスト処理法、溶媒処理法、および2種以上のそれらのものの組合せなどが挙げられる。さらに、(1層または複数層の)積層物層の表面上に接着剤またはプライマーのコーティングをさらに塗布することによって、接着強度をさらに改良してもよい。たとえば、米国特許第4,865,711号明細書には、一方または両方の表面の上に析出させた炭素の薄層を有する、改良された接着性を有するフィルムまたはシートが開示されている。接着剤またはプライマーのその他の例としては、シラン、ポリ(アリルアミン)ベースのプライマー(たとえば、米国特許第5,411,845号明細書;米国特許第5,770,312号明細書;米国特許第5,690,994号明細書;および米国特許第5,698,329号明細書参照)、およびアクリルベースのプライマー(たとえば、米国特許第5,415,942号明細書参照)などが挙げられる。それらの接着剤またはプライマーのコーティングは、接着剤またはプライマーの単層の形態をとらせてよく、その厚みは、約0.0004〜約1ミル(約0.00001〜約0.03mm)、または約0.004〜約0.5ミル(約0.0001〜約0.013mm)、または約0.004〜約0.1ミル(約0.0001〜約0.003mm)である。
【0067】
その太陽電池が、ウェーハベースの自己支持式太陽電池ユニットから作製されている、一実施態様においては(
図1参照)、その太陽電池モジュール(20)には、太陽に面する前面側から太陽に面さない裏面側への位置の順に、(a)入射層(10)、(b)前面封入材層(12)、(c)一つまたは複数の電気的に相互接続された太陽電池からなる太陽電池層(14)、(d)裏面封入材層(16)、および(e)バッキング層(18)を含んでいてよく、ここでその前面封入材層と裏面封入材層(12および16)の少なくとも一方または両方が、ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートから作製されている。
【0068】
さらなる実施態様においては、その太陽電池モジュールが薄膜式太陽電池から作製されており、それには、(i)一つの実施態様(
図2における30)においては、太陽に面する前面側から太陽に面さない裏面側への位置の順に、(a)上側基材(24)およびその上の太陽に面さない側に析出された(1層または複数の)薄膜太陽電池の層(22)を含む太陽電池層(14a)、(b)ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートから形成された(裏面の)封入材層(16)、および(c)バッキング層(18)を含んでいてもよいし、あるいは(ii)他の実施態様(
図3における40)においては、(a)透光性入射層(10)、(b)ナトリウム/亜鉛混合アイオノマー組成物を含むシートから形成された(前面の)封入材層(12)、および(c)基材(26)の上のそれの太陽に面する側に析出された薄膜太陽電池の層(22)を含む太陽電池層(14b)を含んでいてもよい。
【0069】
さらに、上述の一連の太陽電池モジュールがさらに結合されて太陽電池アレイを形成して、所望の電圧および電流を発生できるようになっていてもよい。
【0070】
(たとえば、オートクレーブプロセスとして、または非オートクレーブプロセスとして)当業者に公知の各種の積層プロセスを使用して、太陽電池モジュールを製造してもよい。
【0071】
一つのプロセスの例においては、太陽電池モジュールの成分の層を所望の順で積み重ねて、予備積層アセンブリを形成させる。次いでそのアセンブリを、真空を維持できるバッグ(「真空バッグ」)の中に入れて、真空ラインまたはその他の手段によってそのバッグから空気を抜き、(たとえば、少なくとも約27〜28inHg(689〜711mmHg)に)真空を維持しながらバッグをシールし、そしてそのシールしたバッグをオートクレーブの中に入れ、その圧力を約150〜約250psi(約11.3〜約18.8バール)に上げ、約130℃〜約180℃、または約130℃〜約160℃、または約135℃〜約155℃、または約145℃〜約155℃の温度で、約10〜約50分間、または約20〜約45分間、または約20〜約40分間、または約25〜約35分間加熱する。真空バッグを真空リングに代えてもよい。一つの適切なタイプの真空バッグが、米国特許第3,311,517号明細書の中に開示されている。加熱加圧サイクルが済んだら、さらなるガスを追加することなく、オートクレーブ内の圧力を維持しながら、オートクレーブ中の空気を冷却させる。約20分間冷却してから、過剰の空気圧を放出させて、オートクレーブから積層物を取り出す。
【0072】
別な方法として、予備積層アセンブリを、オーブン中で約80℃〜約120℃、または約90℃〜約100℃で約20〜約40分間加熱し、その後で、その加熱したアセンブリを、対になったニップロールの間に通して、個々の層の間の空間にある空気を絞り出し、そのアセンブリの端部をシールしてもよい。この段階におけるアセンブリを、プリプレス(pre−press)と呼ぶ。
【0073】
次いで、そのプリプレスを空気圧オートクレーブの中に入れ、約100〜約300psi(約6.9〜約20.7バール)、または好ましくは約200psi(13.8バール)の圧力で、温度を約120℃〜約160℃、または約135℃〜約160℃にまで上げるのがよい。これらの条件を約15〜約60分間、または約20〜約50分間維持し、その後で、オートクレーブの中にさらなる空気を導入することなく、空気の冷却を行う。約20〜約40分間冷却してから、過剰の空気圧を放出させて、オートクレーブから積層された製品を取り出す。
【0074】
非オートクレーブプロセスによって、太陽電池モジュールを作製してもよい。そのような非オートクレーブプロセスは、たとえば、米国特許第3,234,062号明細書;米国特許第3,852,136号明細書;米国特許第4,341,576号明細書;米国特許第4,385,951号明細書;米国特許第4,398,979号明細書;米国特許第5,536,347号明細書;米国特許第5,853,516号明細書;米国特許第6,342,116号明細書;および米国特許第5,415,909号明細書、米国特許出願公開第2004/0182493号明細書、欧州特許第1235683B1号明細書、ならびに国際公開第91/01880号パンフレットおよび国際公開第03/057478号パンフレットに開示されている。一般的には、非オートクレーブプロセスには、予備積層アセンブリを加熱し、真空、加圧、またはその両方をかけることが含まれる。たとえば、アセンブリを、加熱オーブンとニップロールとに連続して通過させてもよい。
【0075】
これらの積層プロセスの例は、限定することを意図したものではない。実質的には、いかなる積層プロセスを使用してもよい。
【0076】
所望により、太陽電池モジュールの端部をシールして、太陽電池(一つまたは複数)の効率および寿命の低下をもたらす可能性がある、湿分と空気の侵入を低減させてもよい。それらの端部は、当業者に開示されている各種の手段によってシールすればよい。端部をシールするための適切な材料としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):ブチルゴム、ポリスルフィド、シリコーン、ポリウレタン、ポリプロピレンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ブロックコポリマーエラストマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)など。
【0077】
以下の、ある種の実施態様の実施例によって、本発明をさらに説明する。
【0078】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図したものであって、いかなる点においても、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0079】
比較例CE1〜CE19
以下の実施例のそれぞれにおいて使用されたアイオノマーは、以下のようにして製造した。最初に、アイオノマーの前駆体の酸含有コポリマー(すなわち、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー)を、断熱連続撹拌式オートクレーブの中でフリーラジカル重合させることによって作製したが、これは、実質的に米国特許第5,028,674号明細書の実施例1に記載の手順に従ったが、以下の点で異なっていた:(1)エチレン対メタクリル酸の比率および重合開始剤の流量を調節することによって、反応器条件を、温度を約200℃〜約260℃、圧力を170〜240MPaの間に維持した;(2)反応器の中にプロパンテロゲンをフィードしなかった(CE16の場合を除く);(3)反応器中のメタノールの全濃度を、エチレン、メタクリル酸、メタノールおよび重合開始剤の溶液の全フィードを基準にして(または、CE16においては、プロパンテロゲン、エチレン、メタクリル酸、メタノール、および重合開始剤の溶液の全フィードを基準にして)約2〜5モル%に維持した;(4)反応器を通過して流れる原料の滞留時間が約5秒間〜2分間になるようにして、系を定常状態に維持した。さらに、合成する具体的な酸含有コポリマーに応じて、2種のフリーラジカル開始剤、過酢酸tert−ブチルまたは過オクタン酸tert−ブチルの一つを使用した。過酢酸tert−ブチルが重合開始剤である場合(CE1−CE6、CE16、およびCE18)、無臭ミネラルスピリッツ中、50%濃度の溶液としてそれを使用した。過オクタン酸tert−ブチルが重合開始剤である場合(CE7−CE15、CE17、およびCE19)、無臭ミネラルスピリッツ中、90%濃度の混合物としてそれを使用した。次いで、溶融温度設定値200℃〜270℃での高剪断溶融混合条件下の単軸スクリュー押出機を使用するか、または米国特許第6,518,365号明細書の実施例1に記載されているような一般的な方法を使用するかのいずれかで、そのエチレンとメタクリル酸とからの前駆体コポリマーを、水酸化ナトリウム溶液を用いて部分的に中和させることによって、アイオノマーを得た。
【0080】
次いで、そのようにして得られたアイオノマーを、ASTM D3418に従った示差走査熱量測定(DSC)試験にかけたが、その温度プロファイルは次の通りであった:(a)180℃まで加熱;(b)3分間保持;(c)10℃/分の速度で25℃まで冷却;(d)3分間保持;(e)10℃/分の速度で180℃にまで加熱。アイオノマーについての凍結エンタルピーを測定したので、表2に示す。それらの結果から、以下のことがわかる:ナトリウムイオン含有塩基を使用して、開示された前駆体の酸含有コポリマーを中和することによって調製されたナトリウムアイオノマー(CE1〜CE3)のそれぞれの凍結エンタルピーは、検出不能であったが、それに対して、従来技術の前駆体の酸含有コポリマーを中和することによって調製されたそれぞれのアイオノマー(CE4〜CE19)は、3j/gよりも高い凍結エンタルピーを有している。
【0081】
さらに、それらのアイオノマーを、表1に記載の温度プロファイル設定とした、直径25mmのKillion押出機の中にフィードして、押出注型して、ポリマーシートとした。具体的には、スクリュー速度を調節することによってポリマーの押出量を調節して、最大押出量とした。公称ギャップ2mmを有する150mmスロットダイに、押出機からフィードし、そのキャストシートを、温度10℃〜15℃、回転速度1〜2rpmに保った直径200mmの研磨クロム冷却ロールの上にフィードした。公称0.76mm(30ミル)厚のシートを取り出し、切断して、300×300mm平方とした。
【0082】
そのアイオノマーシートを中間層シートとして使用して、ガラス積層物を形成させた。具体的には、焼き鈍したガラスシート(100×100×3mm)を、脱イオン水中リン酸三ナトリウム(5g/L)の溶液を用いて、50℃で5分間かけて洗浄してから、脱イオン水を用いて完全に洗い流し、乾燥させた。それぞれ独立したアイオノマーシート(それぞれ約0.76mmの厚み)の6枚の層を、相互に積み重ねて、ガラスシートの2枚のライト(lite)の間に挟み込む(中間層の厚みが180ミル(4.57mm)となる)。室内環境(約35%RH)での接触時間を最短にして、アイオノマーシートの湿分レベルが0.06重量%未満に保たれるようにした。次いで、その予備積層アセンブリを、ポリエステルテープ片を用いて何カ所かでテープ止めをして、ガラスライトに対するそれぞれの層の相対的な位置が保持できるようにした。ナイロンの布片をアセンブリの回りに巻いて、それらの層の中から空気が容易に除去されるようにした。そのアセンブリを、ナイロン製の真空バッグの中側に入れ、シールしてから、真空ポンプに接続した。真空に引いて、バッグに詰めたアセンブリの内部から空気を実質的に除去できるようにした(バッグの内部の空気圧は、絶対圧で50ミリバール未満にまで低下した)。次いで、バッグに詰めたアセンブリを対流式エアーオーブンの中で加熱して120℃とし、その条件で30分間保持した。次いで、冷却ファンを使用してアセンブリを冷却してほぼ周囲温度とし、その後、真空源を切り離して、バッグを取り出すと、完全にプリプレス化されたガラスと中間層のアセンブリが得られた。周辺部のまわりを気密シールしたのではあるが、アセンブリの数カ所が完全に接着されていなかったことが、それらの箇所で気泡が存在していることからわかった。次いで、そのアセンブリを空気圧オートクレーブに入れ、15分間で、13.8バールで周囲温度から135℃になるまで、昇温、昇圧させた。そのような条件に30分間、アセンブリを保持してから、得られた積層物を急冷して(すなわち、2.5℃/分の冷却条件Aで)、周囲圧力で室温とした。次いで、そのようにして得られた積層物について、ASTM D1003に従い、Haze−gard Plusヘイズメーター(BYK−Gardner,Columbia,MD)を使用して、ヘイズの試験を行った。その後で、同一の積層物をオーブン中で加熱して120℃とし、その温度で2〜3時間保持してから、徐冷して(すなわち、0.1℃/分の冷却条件Bで)室温としてから、ヘイズについての試験を行った。
【0083】
比較例(CE4〜CE19)からもわかるように、従来技術の前駆体の酸含有コポリマーを中和することによって調製された中間層のアイオノマーを含むガラス積層物のヘイズレベルは、その積層物を得る際の冷却速度に依存する。一般的には、冷却速度が遅い程、積層物のヘイズが上昇し、そのために、その光学的性質が低下する。しかしながら、表2に示したデータからもわかるように、ナトリウムイオン含有塩基を用いて上述のような酸含有コポリマーを中和することによって調製された中間層アイオノマーを含むガラス積層物(CE1〜CE3)は、従来技術の前駆体の酸含有コポリマー中和することによって調製された中間層アイオノマーを含むガラス積層物(CE4〜CE19)よりも、低いヘイズを示す傾向がある。さらには、CE1〜CE3におけるガラス積層物のヘイズレベルは、それらの積層物を得る際の冷却速度の影響を受けなかった。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
1重合プロセスの間、反応器全体で単一相が維持された;
2前駆体の酸含有コポリマー(それから、積層物中間層シートを形成するアイオノマーが誘導された)の中に含まれるメタクリル酸の共重合単位の重量パーセント;
3前駆体の酸含有コポリマーのメルトフローレート(MFR)は、アイオノマーのMFRに基づいて計算した;
4%中和ナトリウムは、中和された前駆体の酸含有コポリマーの中に存在しているカルボン酸基のパーセントである;
5アイオノマーのメルトフローレート(MFR)、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kgで測定;
6「n.d.」は、ASTM D3418−03に従って測定したときに、凍結エンタルピーが検出不能であるということを意味している。
【0086】
実施例E1〜E7、および比較例CE20〜CE24
CE20〜CE24において使用したアイオノマーは、先にCE1〜CE19についての開示と実質的に同じようにして調製したが、ただし、CE22およびCE23において使用されるアイオノマーの調製においては、水酸化ナトリウムの溶液に代えて、酢酸亜鉛または酸化亜鉛濃縮物の溶液を使用した。E1〜E3において使用されるアイオノマーの調製においては、CE1〜CE19において使用したのと類似のプロセスを実施したが、ただし、最初に適切量の水酸化ナトリウム溶液を注入し、次いで適切量の酢酸亜鉛溶液を注入することによって、前駆体の酸含有コポリマーを中和した。E4において使用したアイオノマーは、75重量%のCE21において使用したアイオノマーと、25重量%のCE22において使用したアイオノマーとをメルトブレンドすることによって調製した。E5において使用したアイオノマーは、50重量%のCE21において使用したアイオノマーと、50重量%のCE22において使用したアイオノマーとをメルトブレンドすることによって調製した。E6において使用したアイオノマーは、25重量%のCE21において使用したアイオノマーと、75重量%のCE22において使用したアイオノマーとをメルトブレンドすることによって調製した。E7において使用したアイオノマーは、50重量%のCE22において使用したアイオノマーと、50重量%のCE24において使用したアイオノマーとをメルトブレンドすることによって調製した。
【0087】
先に説明したのと類似の押出しプロセスを使用して、E1〜E7およびCE20〜CE24において使用したアイオノマー樹脂を成形して、公称30ミル(0.76mm)または33ミル(0.84mm)の厚みのシートとし、切断して、300×300mm平方とした。
【0088】
それぞれの例におけるアイオノマーシート(100×50×0.76mm)を秤量してから、23℃の水に1000時間浸漬させた。水から取り出してから、シートを拭って残存している表面の湿分を除去し、次いで再秤量した。水浸漬前後における重量の差を、水浸漬前のシートの重量で割り算をすることにより、湿分による重量増加パーセント(%)として計算し、表3にまとめた。
【0089】
上述のプロセスに類似の積層プロセスを使用して、第二のアイオノマーシートの組を、2枚の徐冷ガラスシート(100×100×3mm)の間に積層して、ガラス積層物を形成させ、それぞれの積層物のヘイズパーセントを、冷却条件Aまたは冷却条件Bの条件下で求めた。それらの結果を表3に示す。いくつかの例(CE21、CE22、CE24、およびE4〜E7)においては、積層プロセスが完了した後で、それらの積層物を、ここで「冷却条件C」と呼ぶプロトコールを使用してさらに加工した。このプロトコールは次の工程からなっている:1)空気オーブン中で積層物を加熱して、周囲温度から70℃にまで9分間かけて昇温させる工程、2)70℃の温度を15分間保持する工程、3)55分間かけて温度を125℃にまで昇温させる工程、4)125℃の温度を15分間保持する工程、5)7分間かけて125℃から90℃まで冷却する工程、6)90℃の温度を15分間保持する工程、および7)10時間50分かけて、90℃から25℃にまで冷却する工程。次いで、そのようにして得られた積層物についてヘイズパーセントの試験をする。それらの結果を表3に示す。
【0090】
表3に示した結果から、一般的には、亜鉛アイオノマーの積層シート(CE22およびCE23)が、ナトリウムアイオノマーの積層シート(CE20、CE21、およびCE24)よりも劣った光学的性質を示す傾向がある、ということがわかる。亜鉛カチオンを組み入れることによって、ナトリウムアイオノマーのシートの耐湿性に比較して、そのようにして得られたナトリウム/亜鉛アイオノマーシートの耐湿性が改良されている。さらに、亜鉛カチオンを組み入れても、特にナトリウム/亜鉛カチオン比が高い場合には、そのようにして得られた混合アイオノマーの光学的性質に対する影響が、(ヘイズレベルが低いことからもわかるように)まったく無いかまたは極めて僅かである。
【0091】
【表3】
1これらの例において使用したガラス積層物は、2枚のガラスシートの間に挟み込んだ0.76mm厚みのアイオノマーシートの三層を有している;
2これらの例において使用したガラス積層物は、2枚のガラスシートの間に挟み込んだ0.84mm厚みのアイオノマーシートの三層を有している;
3これらの例において使用したアイオノマーシートは、100×50×0.76mmの寸法を有している。
【0092】
実施例E7〜E26:
表4に記載された12×12インチ(305×305mm)の太陽電池モジュールを組み立てて、以下に示す積層プロセス1(実施例E7〜16)または積層プロセス2(実施例E17〜26)のいずれかによって積層する。(適用できる場合には)層1および2はそれぞれ、入射層および前面シート封入材層を構成しており、層4および5はそれぞれ、裏面シート封入材層および裏面シートを構成している。
【0093】
積層プロセス1においては、積層物の成分層を積み重ねて、予備積層アセンブリを形成させる。外側表面層としてポリマーフィルム層を含むアセンブリでは、カバーのガラスシートをそのフィルム層の上に置く。次いで、予備積層アセンブリを、Meier ICOLAM(登録商標)10/08ラミネーター(Meier ラミネーター;Meier Vakuumtechnik GmbH,Bocholt,Germany)の中に置く。その積層サイクルには、5.5分間の排気ステップ(真空、3inHg(76mmHg)と、温度145℃で5.5分間の加圧ステージ(圧力、1000ミリバール)とが含まれる。次いで、得られた積層物をラミネーターから取り出す。
【0094】
積層プロセス2においては、予備積層アセンブリを真空バッグの中に入れ、それをシールし、真空で引いて、その真空バッグから空気を除去する。そのバッグをオーブンの中に入れ、温度約90℃〜約100℃で30分間加熱して、アセンブリの中に含まれていた空気を除去する。次いで、そのアセンブリを、空気圧オートクレーブ中、圧力200psig(14.3バール)、140℃で30分間のオートクレーブ処理にかける。オートクレーブに空気をさらに導入することなく、空気を冷却する。20分間冷却した後で、空気の温度が約50℃未満に達したら、オートクレーブのガス抜きをして、積層されたアセンブリを含む真空バッグをオートクレーブから取り出す。次いで、得られた積層物を真空バッグから取り出す。
【0095】
【表4】
1.ガラス1は、PPG Corporation製のStarphire(登録商標)ガラスである。
2.アイオノマー1は、E1で使用したアイオノマーから作製した、厚み60ミル(1.5mm)のエンボス加工シートである。
3.太陽電池1は、厚み125μmのステンレス鋼基材を有する、10×10インチ(254×254mm)のa−Siベースの薄膜式太陽電池である(米国特許第6,093,581号明細書、実施例1)。
4.ガラス2は、クリア焼き鈍しをしたフロートガラス板層(厚み2.5mm)である。
5.アイオノマー2は、E1で使用したアイオノマーから作製した、厚み20ミル(0.51mm)のエンボス加工シートである。
6.太陽電池2は、10×10インチ(254×254mm)のCISベースの薄膜式太陽電池である(米国特許第6,353,042号明細書、カラム6、ライン19)。
7.太陽電池3は、10×10インチ(254×254mm)のCdTeベースの薄膜式太陽電池である(米国特許第6,353,042号明細書、カラム6、ライン49)。
8.アイオノマー4は、E2で使用したアイオノマーから作製した、厚み20ミル(0.51mm)のエンボス加工シートである。
9.アイオノマー5は、E3で使用したアイオノマーから作製した、厚み20ミル(0.51mm)のエンボス加工シートである。
10.太陽電池4は、10×10インチ(254×254mm)の多結晶EFG成長法ウェーハから作製したシリコン太陽電池である(米国特許第6,660,930号明細書、カラム7、ライン61)。
11.ACR1は、厚み20ミル(0.51mm)の、18重量%のメタクリル酸の共重合単位を含み、(ASTM D1238に従い、190℃、2.15kgで測定して)2.5g/10分のMFRを有する、エチレン/メタクリル酸含有コポリマーから誘導されたエンボス加工シートである。
12.FPFは、コロナ表面処理したTedlar(登録商標)フィルム(厚み1.5ミル(0.038mm))であって、E.I.du Pont de Nemours and Companyの製品である。
13.太陽電池5は、12×12インチ(305×305mm)のガラスシートの上に支持された膜式太陽電池である(米国特許第5,512,107号明細書;米国特許第5,948,176号明細書;米国特許第5,994,163号明細書;米国特許第6,040,521号明細書;米国特許第6,137,048号明細書;および米国特許第6,258,620号明細書)。
14.アイオノマー6は、E2で使用したアイオノマーから作製した、厚み45ミル(1.14mm)のエンボス加工シートである。
15.ガラス3は、PPG Corporation製のSolexia(商標)ソーラーコントロールガラス(厚み3mm)である。
次に、本発明の態様を示す。
1. 太陽電池層およびアイオノマーシートを含む太陽電池モジュールであって、
(A)前記太陽電池層が、単一の太陽電池または複数の電気的に相互接続された太陽電池を含み、場合によっては、太陽に面する前面側と太陽に面さない裏面側とを有し;
(B)前記アイオノマーシートには、前駆体の酸含有コポリマーの中和反応生成物であるナトリウム/亜鉛混合アイオノマー含むが;ここで、前記前駆体の酸含有コポリマーには、2〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンの共重合単位、および前記前駆体の酸含有コポリマーの全重量を規準にして約20〜約30重量%の、3〜8個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合単位を含み;ここで、前記前駆体の酸含有コポリマーは、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kgで測定して、約70〜約1000g/10分のメルトフローレートを有しており;そしてここで、前記前駆体の酸含有コポリマーは、カルボキシレート基およびナトリウムイオンから実質的になる対イオンを含むように、前記前駆体の酸含有コポリマーの中に存在しているカルボン酸基の全数を規準にして、約40%〜約90%のレベルにまで中和したときに、ナトリウムアイオノマーを形成し、前記ナトリウムアイオノマーは、ASTM D3418に従った示差走査熱量測定によって求めたときに、検出不能であるかまたは約3.0j/g未満の凍結エンタルピーを有しており;そしてここで、前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーには、カルボキシレート基および対イオンの混合物を含み;前記対イオンの混合物は、前記前駆体の酸含有コポリマー中のカルボキシレート基の当量の全数を規準にして、約5〜約95当量%のナトリウムカチオンと、それに対して相補量の約5〜95当量%の亜鉛カチオンとから実質的になる、
太陽電池モジュール。
2. 前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーが、約30〜約90重量%のレベルにまで中和されている、前駆体の酸含有コポリマーの中和反応生成物である、前記1に記載の太陽電池モジュール。
3. 前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーが、約40〜約70%のレベルにまで中和されている、前駆体の酸含有コポリマーの中和反応生成物である、前記1または2のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
4. 前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーが、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kgで測定して、約0.7〜約25g/10分以下のメルトフローレートを有している、前記1〜3のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
5. 前記アイオノマーシートが、単層シートの形態にあって、実質的に前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーからなるか、または、前記アイオノマーシートが、多層シートの形態にあって、2層以上の副層を含み、ここで前記副層の少なくとも1層が、実質的に前記ナトリウム/亜鉛混合アイオノマーからなっており、その他の(1層または複数層の)副層のそれぞれが、酸含有コポリマー、酸含有コポリマーのアイオノマー、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリオレフィンブロックコポリマーエラストマー、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとのコポリマー、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、およびそれらの2種以上の組合せ、からなる群から選択されるポリマーを含む、前記1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
6. 前記アイオノマーシートが、約1〜約120ミル(約0.025〜約3mm)の全厚みを有する、前記1〜5のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
7. 前記アイオノマーシートが、前記太陽電池層に直接積層されている、前記1〜6のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
8. 前記太陽電池層の太陽に面する前面側に積層された前面封入材層、および前記太陽電池層の太陽に面さない裏面側に積層された裏面封入材層を含み、前記前面封入材層と裏面封入材層の一方が前記アイオノマーシートであり、前記前面封入材層と裏面封入材層の他方が、酸含有コポリマー、酸含有コポリマーのアイオノマー、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリオレフィンブロックコポリマーエラストマー、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとのコポリマー、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマー材料を含むか、または、前記前面封入材層と裏面封入材層のそれぞれが、前記アイオノマーシートの1枚の層を含む、前記1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
9. 前記モジュールの最外表面層であって、前記太陽電池層の太陽に面する前面側に位置する入射層、および/または前記モジュールの最外表面層であって、前記太陽電池層の裏面の光を受けない側に位置するバッキング層をさらに含み、前記入射層が、(i)ガラスシート、(ii)ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、フルオロポリマー、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるポリマーを含むポリマーシート、ならびに(iii)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ノルボルネンポリマー、ポリスチレン、スチレン−アクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ポリスルホン、ナイロン、ポリウレタン、アクリル樹脂、セルロースアセテート、セロファン、シリコーン、ポリ(塩化ビニル)、フルオロポリマー、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるポリマーを含むポリマーフィルム、からなる群から選択され、前記バッキング層が、(i)ガラスシート、(ii)ポリマーシート、(iii)ポリマーフィルム、(iv)金属シート、および(v)セラミックプレートからなる群から選択され、そして、前記ポリマーシートが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、フルオロポリマー、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるポリマーを含み;そして前記ポリマーフィルムが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ノルボルネンポリマー、ポリスチレン、スチレン−アクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ポリスルホン、ナイロン、ポリウレタン、アクリル樹脂、セルロースアセテート、セロファン、ポリ(塩化ビニル)、フルオロポリマー、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるポリマーを含む、前記8に記載の太陽電池モジュール。
10. 前記太陽電池が、結晶質シリコンおよび多結晶シリコーンベースの太陽電池からなる群から選択されるウェーハベースの太陽電池であり、前記太陽電池モジュールが、その位置の順で、(i)入射層、(ii)前記太陽電池層の太陽に面する前面側に積層された前面の封入材層、(iii)前記太陽電池層、(iv)前記太陽電池層の太陽に面さない裏面側に積層された裏面の封入材層、および(v)バッキング層から実質的になり、前記前面および裏面の封入材層の1層がアイオノマーシートであるか、または前記前面および裏面の封入材層のそれぞれが、アイオノマーシートの1層を含む、前記1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
11. 前記太陽電池が、非晶質シリコン、微結晶シリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅、銅インジウム/ガリウムジセレニド、吸光性染料、および有機半導体ベースの太陽電池からなる群から選択される薄膜太陽電池である、前記1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
12. その位置の順で、実質的に(i)入射層、(ii)前記アイオノマーシートを含む前面封入材層、および(iii)前記太陽電池層、からなり、前記太陽電池層が、その上に前記薄膜式太陽電池が析出される基材をさらに含み、そして前記基材が、前記基材が前記モジュールの最外表面となるような位置にあり、かつ前記太陽電池層の太陽に面さない裏面側の上に位置している、前記11に記載の太陽電池モジュール。
13. その位置の順で、実質的に(i)前記太陽電池層、(ii)前記アイオノマーシートを含む裏面封入材層、および(iii)バッキング層、からなり、前記太陽電池層が、その上に前記薄膜式太陽電池が析出される上側基材をさらに含み、前記上側基材が、前記上側基材が前記太陽電池層の太陽に面する前面側の上で、前記モジュールの最外表面であるように位置している、前記11に記載の太陽電池モジュール。
14. 太陽電池モジュールを製造するための方法であって、(i)前記1〜13のいずれかに記載の前記成分層をすべて含むアセンブリを備えるステップ、および(ii)前記太陽電池モジュールを形成させるために前記アセンブリを積層するステップ、を含む方法。
15. 前記積層するステップが、前記アセンブリを加熱することによって実施され、場合によって真空または圧力をかけてもよい、前記14に記載の方法。