(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃材テープが排出経路内を通過するときに前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能な切断ユニットが、前記排出経路から取り外されたときに生じる前記排出経路の隙間を埋める
代用経路部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
テープ切断装置が故障してしまったり、テープ切断装置をメンテナンスしたりする場合、テープ切断装置を供給機構から取り外す必要がある。テープ切断装置は、廃材テープが排出される排出経路の途中に配置されているため、テープ切断装置が取り外されると、その部分に排出経路の隙間が生じてしまう。
【0008】
排出経路に隙間が生じている状態で、基板の生産を継続してしまうと、この隙間から廃材テープが排出経路の外部に出て行ってしまうといった問題がある。この場合、排出経路の外部に出て行ってしまった廃材テープが他の機構に絡まってしまったりする場合がある。従って、テープ切断装置を取り外す必要がある場合、実装装置の稼動を停止せざるを得ず、実装装置による基板の生産がストップしてしまうといった問題があった。
【0009】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、切断ユニットを排出経路から取り外さなければならないような場合に、排出経路を確保することができる排出機構などの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術に係る排出機構は、排出経路と、切断ユニットと、代用経路部材とを具備する。
前記排出経路は、電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃材テープが通過される。
前記切断ユニットは、前記排出経路内を通過する前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能とされる。
前記代用経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに生じる前記排出経路の隙間を埋める。
【0011】
本技術では、切断ユニットが排出経路から取り外されたときに生じる隙間を、代用経路部材によって埋めることができる。従って、切断ユニットを排出経路から取り外さなければならないような場合にも、排出経路を確保することができる。結果として、切断ユニットが排出経路から取り外されたときに、キャリアテープからの電子部品の供給を継続することができ、基板の生産を継続することができる。
【0012】
上記排出機構において、前記代用経路部材は、排出経路部材であってもよい。
前記排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットと隣接する位置で前記排出経路の他の一部を形成する。また、排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、全体又は全体の一部が前記排出経路の隙間の方向に向けて移動され、一部が前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める。
【0013】
本技術では、排出経路部材の全体又は全体の一部を、排出経路の隙間の方向に向けて移動させることで、排出経路の隙間を埋めることができる。
【0014】
上記排出機構において、前記排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットよりも前記排出経路の下流側の位置で前記排出経路の他の一部を形成する下流側経路部材であってもよい。
【0015】
上記排出機構において、前記下流側経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、前記下流側経路部材の全体が、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記下流側経路部材の一部が前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋めてもよい。
【0016】
この技術では、下流側経路部材の全体を排出経路の隙間の方向に向けて移動させることで、排出経路の隙間を埋めることができる。この技術では、代用経路部材を特別に設ける必要がないので、コストを削減することができる。
【0017】
上記排出機構において、前記下流側経路部材は、下流側経路部材本体と、移動部材とを有していてもよい。前記移動部材は、前記下流側経路部材本体に対して移動可能に設けられ、前記切断ユニットが前記排出機構本体から取り外されたときに、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める。
【0018】
この技術では、移動部材を排出経路の隙間の方向に向けて移動させることで、簡単に排出経路の隙間を埋めることができる。
【0019】
上記排出機構において、前記移動部材は、前記下流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられてもよい。
【0020】
上記排出機構において、前記移動部材は、前記下流側経路部材本体の内周側の位置に、前記下流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられてもよい。
【0021】
これにより、廃材テープが経路内に詰まってしまうことを防止することができる。
【0022】
上記排出機構において、前記排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットよりも前記排出経路の上流側の位置で前記排出経路の他の一部を形成する上流側経路部材であってもよい。
【0023】
上記排出機構において、前記上流側経路部材は、上流側経路部材本体と、移動部材とを有していてもよい。前記移動部材は、前記上流側経路部材本体に対して移動可能に設けられ、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める。
【0024】
この技術では、移動部材を排出経路の隙間の方向に向けて移動させることで、簡単に排出経路の隙間を埋めることができる。
【0025】
上記排出機構において、前記移動部材は、前記上流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられてもよい。
【0026】
上記排出機構において、前記移動部材は、前記上流側経路部材本体の外周側の位置に、前記上流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられてもよい。
【0027】
これにより、廃材テープが経路内に詰まってしまうことを防止することができる。
【0028】
本技術に係る代用経路部材は、電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃材テープが排出経路内を通過するときに前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能な切断ユニットが、前記排出経路から取り外されたときに生じる前記排出経路の隙間を埋める。
【0029】
本技術に係る部品供給機構は、供給機構本体と、排出機構とを具備する。
前記供給機構本体は、キャリアテープ内に収納された電子部品を供給する。
前記排出機構は、排出経路と、切断ユニットと、代用経路部材とを有する。
前記排出経路は、電子部品が取り出された後の前記キャリアテープである廃材テープが通過する。
前記切断ユニットは、前記排出経路内を通過する前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能とされる。
前記代用経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに生じる前記排出経路の隙間を埋める。
【0030】
本技術に係る基板の製造方法は、キャリアテープ内に収納された、基板上に実装するための電子部品を供給することを含む。
供給によって前記電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃材テープが排出経路内を通過するときに前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能な切断ユニットが、前記排出経路から取り外される。
前記切断ユニットが前記排出経路から取り外しされたときに生じる前記排出経路の隙間を代用経路部材によって埋めることで、前記基板の製造が継続される。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本技術によれば、切断ユニットを排出経路から取り外さなければならないような場合に、排出経路を確保することができる排出機構などの技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
<第1実施形態>
[実装装置100の全体構成及び各部の構成]
図1は、実装装置100を示す正面図であり、
図2は、実装装置100を示す上面図である。
図1及び
図2に示すように、実装装置100は、フレーム構造体10と、搬送機構15と、実装ヘッド20と、ヘッド移動機構30と、部品供給機構40を備える。また、実装装置100は、制御部、記憶部などを備えている(図示せず)。
【0035】
フレーム構造体10は、底部に設けられたベース11と、ベース11に固定された4本の縦フレーム12と、縦フレーム12の上部にX軸方向に沿って架け渡された2本の横フレーム13とを有する。
【0036】
搬送機構15は、実装装置100の内部にX軸方向に沿って設けられ、基板1をX軸方向に向けて搬送する。搬送機構15は、X軸方向に沿って配設されたガイド16と、ガイド16の内面側に設けられたコンベアベルトなどを含む。
【0037】
ヘッド移動機構30は、実装ヘッド20を水平方向(XY方向)に移動させるための機構である。ヘッド移動機構30は、フレーム構造体10の2本の横フレーム13に対して、Y軸方向に沿って架け渡されたY軸フレーム31と、Y軸フレーム31の下側の位置にY軸フレーム31に対してY軸方向に移動可能に取り付けられたY軸移動体32とを含む。
【0038】
また、ヘッド移動機構30は、Y軸移動体32の側面に取り付けられたX軸フレーム33と、このX軸フレーム33の側面の位置に、X軸フレーム33に対してX軸方向にスライド可能に取り付けられたX軸移動体34とを有する。
【0039】
実装ヘッド20は、X軸移動体34の側面に取り付けられる。実装ヘッド20は、ヘッド筐体21と、ヘッド筐体21に取り付けられた基軸22とを含む。また、実装ヘッド20は、基軸22に対して回転可能に取り付けられたターレット23と、ターレット23の周方向に沿って等間隔でターレット23に取り付けられた複数の吸着ノズル24とを有する。
【0040】
複数の吸着ノズル24は、それぞれ、部品供給機構40から供給される電子部品2を吸着し、吸着した電子部品2を基板1上に装着する。吸着ノズル24は、所定のタイミングで上下方向に移動されたり、所定のタイミングでZ軸回りに回転されたりする。吸着ノズル24は、エアコンプレッサに接続されており、吸着ノズル24は、このエアコンプレッサの負圧及び正圧の切り換えに応じて、電子部品2を吸着したり、脱離したりすることができる。
【0041】
図1及び
図2では、実装ヘッド20の一例として、ターレット回転型の実装ヘッド20を例に挙げて説明しが、実装ヘッド20の形態については特に制限はない。
【0042】
部品供給機構40は、実装ヘッド20に電子部品2を供給するための機構である。部品供給機構40は、例えば、搬送機構15を挟んで実装装置100の前後方向の両側に設けられる。部品供給機構40は、実装装置100の前方側及び後方側のうち、一方に設けられていてもよい。部品供給機構40は、X軸方向に沿って配列された複数のテープカセット50を含む。テープカセット50は、部品供給機構40に対して着脱可能とされる。
【0043】
テープカセット50は、複数の電子部品が収納されたキャリアテープ90を内部に収納している。テープカセット50は、キャリアテープ90(
図6参照)をステップ送りで送り出すことで、キャリアテープ90の内部に収納された電子部品2を実装ヘッド20の吸着ノズル24に対して供給する。テープカセット50の端部(実装装置100の中央側)の上面には供給窓55が形成されており、この供給窓55を介して、実装ヘッド20の吸着ノズル24に電子部品2が供給される。
【0044】
部品供給機構40は、実装装置100に対して固定されている形態であってもよく、実装装置100に対して着脱可能な形態(つまり、交換台車)であっても構わない。部品供給機構40の構成についての詳細は、後述する。
【0045】
制御部は、記憶部に記憶された各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、実装装置100の各部を統括的に制御する。記憶部は、制御部の処理に必要な各種のプログラムが記憶された不揮発性のメモリと、制御部の作業領域として用いられる揮発性のメモリとを有する。
【0046】
[部品供給機構40等の構成]
図3は、部品供給機構40の一例を示す斜視図である。なお、
図3で示す例では、部品供給機構40が実装装置100に対して着脱可能である場合の一例(つまり、交換台車)が示されている。また、
図3に示す例では、部品供給機構40にテープカセット50が装着されていないときの様子が示されている。
【0047】
図4は、部品供給機構40の模式的な側方断面図である。
図4では、テープカセット50が部品供給機構40に装着されているときの様子が示されている。
図5は、部品供給機構40が有する切断ユニット60の側方拡大図である。
図6は、キャリアテープ90の構成を示す斜視図である。
【0048】
「キャリアテープ90の構成」
まず、
図6を参照してキャリアテープ90の構成について説明する。
図6に示すように、キャリアテープ90は、抵抗、コンデンサ、インダクタ、ICチップ(IC:Integrated Circuit)等の同一タイプの電子部品2を内部に収納している。キャリアテープ90は、キャリアテープ本体91と、キャリアテープ本体91を覆うカバーテープ94とを有する。このキャリアテープ90は、巻回された状態でテープカセット50のリール52(
図4参照)に保持される。
【0049】
キャリアテープ本体91には、キャリアテープ90の長さ方向に沿って、電子部品2を収納するための複数の溝92が形成されている。また、キャリアテープ本体91の一方の側部側には、この側部に沿って、上下方向に貫通する係合孔93が形成されている。この係合孔93は、テープカセット50のスプロケット53の歯(
図4参照)に係合される。
【0050】
カバーテープ94は、キャリアテープ本体91の上面に貼り付けられており、或る一定の力以上の力が加えられたときに、キャリアテープ本体91の上面から剥がすことができるように構成されている。
【0051】
「カセットテープの構成」
次に、
図4を参照して、テープカセット50の構成について説明する。
図4に示すように、テープカセット50は、キャリアテープ90内に収納された電子部品2を実装ヘッド20の吸着ノズル24に供給するためのテープカセット本体51と、巻回された状態のキャリアテープ90を回転可能に保持するリール52とを含む。
【0052】
テープカセット本体51の内部には、キャリアテープ90をステップ送りで送り出す送り出し機構が配置される。この送り出し機構は、スプロケット53やスプロケット53を回転させるためのモータなどを含む。スプロケット53は、その外周に複数の歯を有しており、この歯に対して、キャリアテープ本体91の係合孔93が係合される。
【0053】
スプロケット53が回転されると、スプロケット53の回転に応じて、キャリアテープ90がテープカセット50の前方側(
図4左側)に向けて送り出されていく。スプロケット53の上端部近傍には、電子部品2を供給するための供給窓55が形成されている(
図2参照)。吸着ノズル24は、供給窓55の上方に位置するときに上下方向に移動されることで、供給窓55の位置に供給された電子部品2を吸着する。
【0054】
電子部品2が吸着ノズル24によって取り出されたキャリアテープ90は、空の状態となり、その空の状態のキャリアテープ90は、廃材テープ95として、テープカセット50の前方側に送り出されていく。
【0055】
テープカセット本体51の内部には、キャリアテープ本体91からカバーテープを引き剥がす剥離機構や、引き剥がされたカバーテープをテープカセット50の後方側(
図4右側)に向けて引き取る引き取り機構なども設けられている(いずれも図示せず)。
【0056】
「部品供給機構40の構成」
次に、部品供給機構40の構成について説明する。
図3を参照して、部品供給機構40は、供給機構本体41と、下方から供給機構本体41を移動可能に支持するローラ機構42とを有する。また、部品供給機構40は、供給機構本体41の上側の位置に設けられたカセット取り付け部43と、供給機構本体41の前方側(
図3左側)に設けられた排出機構44と、供給機構本体41の下側の位置に設けられたダストボックス45とを含む。
【0057】
カセット取り付け部43は、テープカセット50が着脱可能なように構成されている。カセット取り付け部43は、供給機構本体41の上部に設けられたカセット取り付け部43aと、供給機構本体41の上部の後方側(
図3右側)に設けられたリール取り付け部43bとを有する。カセット取り付け部43aには、テープカセット50のテープカセット本体51が取り付けられ、リール取り付け部43bには、テープカセット50のリール52が取り付けられる(
図4参照)。
【0058】
図3及び
図4を参照して、排出機構44は、電子部品2が取り出された後の空のキャリアテープ90である廃材テープ95が通過する排出経路44aを有する。この排出経路44aは、テープカセット50の前端部側から送り出された廃材テープ95を、ダストボックス45まで導く。
【0059】
排出経路44aの途中には、切断ユニット60が設けられる。この切断ユニット60は、排出経路44a内を通過する廃材テープ95を切断する切断部61と、切断部61の周囲を囲む矩形の筒体62とを有する。切断ユニット60は、排出経路44aの一部を形成し、供給機構本体41に対して着脱可能(つまり、排出経路44aに対して着脱可能)とされる。
【0060】
切断ユニット60は、例えば、ネジ止め等の方法により、供給機構本体41に対して取り付けられており、ネジを外すことで、供給機構本体41から取り外すことができる。例えば、切断ユニット60が故障してしまったり、切断ユニット60をメンテナンスする必要性が生じたりした場合を想定する。この場合、ユーザは、切断ユニット60を供給機構本体41(排出経路44a)から取り外して、切断ユニット60を修理したり、切断ユニット60をメンテナンスしたりする。
【0061】
図5に示すように、切断ユニット60の切断部61は、固定刃63と、固定刃63との間で廃材テープ95を挟み込んで廃材テープ95をカットする可動刃64と、可動刃64を駆動させるための駆動源65(例えば、エアシリンダ)とを含む。固定刃63は、ベース板66の下側に固定されており、駆動源65も支持部材を介してベース板66の下側に固定されている。
【0062】
ベース板66の下側の位置には、Y軸方向に沿ってガイド67が延設されており、ガイド67の下側には、ガイド67に沿って移動可能なスライド部材68が取り付けられている。可動刃64は、取り付け部材69を介して、スライド部材68の下側の位置に取り付けられている。これにより、可動刃64は、Y軸方向に沿って移動可能とされる。
【0063】
ベース板66には、廃材テープ95を通過させるための開口66aが設けられており、開口66aを通過した廃材部材は、固定刃63と、可動刃64との間に導かれる。固定刃63と可動刃64との間に導かれた廃材テープ95は、可動刃64の駆動により2つの刃によって挟まれて切断される。可動刃64は、所定の周期で可動されるが、この周期は、単位時間当たりに廃材テープ95が送り出される量に応じて適宜設定される。
【0064】
ここでの説明では、切断部61の一例として刃が用いられる形態について説明した。しかし、切断部61は、これに限られない。切断部61は、例えば、2つのローラによって廃材テープ95を挟み込んで、ローラの回転により廃材テープ95を引きちぎる形態であっても構わない。
【0065】
再び
図3及び
図4を参照して、排出経路44aにおいて、切断ユニット60よりも上流側(廃材テープ95が流れる方向の上流側)の位置には、切断ユニット60と隣接する位置で排出経路44aの他の一部を形成するシュータ80(上流側経路部材)が設けられる。このシュータ80は、テープカセット50によってテープカセット50の前方側に向けて送り出された廃材テープ95を切断ユニット60まで導く。シュータ80は、その上部が湾曲するようにして形成されている。
【0066】
排出経路44aにおいて、切断ユニット60よりも下流側(廃材テープ95が流れる方向の下流側)の位置には、切断ユニット60と隣接する位置で排出経路44aの他の一部を形成するダクト70(下流側経路部材)が設けられる。このダクト70は、切断ユニット60によって切断された廃材テープ95をダストボックス45に導く。ダクト70は、下端部側において前方側の部分が、後方側に向けて折り曲げられるようにして形成されている。これにより、廃材テープ95がダストボックス45によって回収され易くなっている。
【0067】
上記したように、本実施形態では、切断ユニット60は、供給機構本体41(排出経路44a)に対して着脱可能とされている。ユーザが切断ユニット60を修理したり、切断ユニット60をメンテナンスしたりするために、切断ユニット60を供給機構本体41(排出経路44a)から取り外したとする。この場合、切断ユニット60が取り付けられていた部分において、排出経路44aの隙間が生じてしまう。
【0068】
排出経路44aに隙間が生じている状態で、基板1の生産を継続してしまうと、この隙間から廃材テープ95が排出経路44aの外部に出て行ってしまう。この場合、排出経路44aの外部に出て行ってしまった廃材テープ95が他の機構に絡まってしまったりする場合がある。従って、何ら対策を講じないと、実装装置100の稼動を停止せざるを得ず、実装装置100による基板1の生産がストップしてしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、切断ユニット60が排出経路44aから取り外されたときに、ダクト70の全体が、排出経路44aの隙間の方向(つまり、上方)に向けて移動される。これにより、ダクト70の一部が代用経路部材として排出経路44aの隙間を埋めることが可能とされている。
【0070】
図7は、部品供給機構40を示す斜視図であり、切断ユニット60が供給機構本体41から取り外されたときのダクト70の位置を示す図である。
図8は、部品供給機構40の模式的な側方断面図であり、切断ユニット60が供給機構本体41から取り外されたときのダクト70の位置を示す図である。
【0071】
図3及び
図4と、
図7及び
図8とから分かるように、ダクト70は、切断ユニット60が供給機構本体41に取り付けられているときの位置(第1の位置)と、切断ユニット60が供給機構本体41から取り外されたときの位置(第2の位置)とが異なっている。すなわち、切断ユニット60が取り外された場合、ダクト70は、切断ユニット60が取り付けられていたときよりも上方に移動される。
【0072】
ダクト70は、上方に移動された第2の位置で供給機構本体41に対して固定可能とされている。例えば、ダクト70は、上方に移動された状態で、ネジ止め等により供給機構本体41に対して固定される。
【0073】
本実施形態では、ダクト70全体を移動させることで、排出経路44aの隙間を埋めることができる。これにより、切断ユニット60を排出経路44aから取り外さなければならないような場合にも、排出経路44aを確保することができる。結果として、切断ユニット60が排出経路44aから取り外されたときに、キャリアテープ90からの電子部品2の供給を継続することができ、基板1の生産を継続することができる。また、本実施形態では、ダクト70全体を移動させることで、排出経路44aの隙間を埋めることとしているため、別体の代用経路部材を特別に設ける必要がない。従って、コストを削減することができる。
【0074】
また、
図8に示すように、ダクト70の上端部の内周のサイズは、シュータ80の下端部の外周のサイズよりも若干大きく構成されている。ダクト70は、ダクト70が上方に移動されたときに、シュータ80の下端部がダクト70の上端部の内部に入り込むように構成されている。
【0075】
図9には、ダクト70の上端部の外周のサイズが、シュータ80の下端部の内周のサイズよりも小さく形成された場合の一例が示されている。
図9に示すように、ダクト70の上端部の外周のサイズが、シュータ80の下端部の内周のサイズよりも小さく形成された場合、ダクト70の外周と、シュータ80の内周との間の隙間に廃材テープ95が入り込んでしまう場合がある。これにより、排出経路44a内で廃材テープ95が詰まってしまう場合がある。
【0076】
一方で、本実施形態では、ダクト70の上端部の内周のサイズが、シュータ80の下端部の外周のサイズよりも大きく構成されているため、排出経路44a内で廃材テープ95が詰まってしまうことを防止することができる。
【0077】
切断ユニット60の修理やメンテナンスが終了した場合、ダクト70は、下方に下げられて第1の位置に戻される。そして、切断ユニット60が再び供給機構本体41(排出経路44a)に取り付けられる。
【0078】
部品供給機構40は、ダクト70を上下方向に沿って移動させるためのガイド機構などを有していてもよい。また、部品供給機構40は、ダクト70がガイドに沿って第1の位置及び第2の位置で適切な高さまで移動されたときに、その高さ位置でダクト70が固定されるような機構を有していてもよい。このような機構は、例えば、ラッチ機構などにより実現することができる。
【0079】
<第2実施形態>
次に、本技術の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ダクト70の構成が上記第1実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。なお、第2実施形態以降の説明では、上述の第1実施形態と同様の構成及び機能を有する部材については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0080】
図10Aは、本技術の第2実施形態に係る排出機構44を示す模式的な側面図であり、切断ユニット60が取り付けられているときの排出経路44aを示す図である。
図10Bは、排出機構44を示す模式的な側面図であり、切断ユニット60が取り外されたときの排出経路44aを示す図である。
【0081】
図10Aに示すように、第2実施形態に係るダクト70’は、切断ユニット60が排出経路44aに取り付けられているときに、切断ユニット60よりも下流側の位置で排出経路44aの他の一部を形成する。また、
図10Bに示すように、ダクト70’は、切断ユニット60が排出経路44aから取り外されたときに、全体の一部(移動部材72)が排出経路44aの隙間の方向(つまり、上方)に向けて移動され、一部(移動部材72)が代用経路部材として排出経路44aの隙間を埋める。
【0082】
ダクト70’は、ダクト本体71(下流側経路部材本体)と、ダクト本体71の内周側の位置に、ダクト本体71に対してスライド可能に設けられた移動部材72とを含む。移動部材72は、筒状の形状を有しており、移動部材72の高さは、切断ユニット60の高さよりも少し大きい程度の大きさとされる。
【0083】
移動部材72の上端部の内周のサイズは、シュータ80の下端部の外周のサイズよりも若干大きく形成されている。移動部材72は、移動部材72が上方に移動されたときに、シュータ80の下端部が移動部材72の上端部の内部に入り込むように構成されている。
【0084】
図11には、移動部材72の上端部の外周のサイズが、シュータ80の下端部の内周のサイズよりも小さく形成された場合の一例が示されている。
図11に示すように、移動部材72の上端部の外周のサイズが、シュータ80の下端部の内周のサイズよりも小さく形成された場合、移動部材72の外周と、シュータ80の内周との間の隙間に廃材テープ95が入り込んでしまう場合がある。これにより、排出経路44a内で廃材テープ95が詰まってしまう場合がある。
【0085】
一方で、本実施形態では、移動部材72の上端部の内周のサイズが、シュータ80の下端部の外周のサイズよりも大きく構成されているため、排出経路44a内で廃材テープ95が詰まってしまうことを防止することができる。
【0086】
また、
図11には、移動部材72が、ダクト本体71の外周側の位置に設けられた場合の一例が示されている。この場合、ダクト本体71の外周と、移動部材72の内周との間に廃材テープ95が詰まってしまう場合がある。
【0087】
一方で、本実施形態では、上述のように、移動部材72がダクト本体71の内周側の位置に設けられているため、排出経路44a内で廃材テープ95が詰まってしまうことを防止することができる。
【0088】
<第3実施形態>
次に、本技術の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、シュータ80の構成が上述の各実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。
【0089】
図12Aは、本技術の第3実施形態に係る排出機構44を示す模式的な側面図であり、切断ユニット60が取り付けられているときの排出経路44aを示す図である。
図12Bは、排出機構44を示す模式的な側面図であり、切断ユニット60が取り外されたときの排出経路44aを示す図である。
【0090】
図12Aに示すように、第3実施形態に係るシュータ80’は、切断ユニット60が排出経路44aに取り付けられているときに、切断ユニット60よりも上流側の位置で排出経路44aの他の一部を形成する。また、
図12Bに示すように、シュータ80’は、切断ユニット60が排出経路44aから取り外されたときに、全体の一部(移動部材82)が排出経路44aの隙間の方向(つまり、下方)に向けて移動され、一部(移動部材82)が代用経路部材として排出経路44aの隙間を埋める。
【0091】
シュータ80’は、シュータ本体81(上流側経路部材本体)と、シュータ本体81の外周側の位置に、シュータ本体81に対してスライド可能に設けられた移動部材82とを含む。移動部材82は、筒状の形状を有しており、移動部材82の高さは、切断ユニット60の高さよりも少し大きい程度の大きさとされる。
【0092】
移動部材82の下端部の外周のサイズは、ダクト70の上端部の内周のサイズよりも若干小さく形成されている。移動部材82は、移動部材82が下方に移動されたときに、移動部材82の下端部がダクト70の上端部の内部に入り込むように構成されている。
【0093】
ここで、移動部材82が、シュータ本体81の内周側の位置に設けられている場合、廃材テープ95が排出経路44a内で詰まってしまう場合がある(
図11参照)。同様に、移動部材82の下端部の内周のサイズが、ダクト70の上端部の外周のサイズよりも大きく形成されている場合、廃材テープ95が排出経路44a内で詰まってしまう場合がある(
図11参照)。
【0094】
一方で、本実施形態では、移動部材82が、シュータ本体81の外周側の位置に設けられているので、廃材テープ95が排出経路44a内で詰まってしまうことを防止することができる。また、本実施形態では、移動部材82の下端部の外周のサイズがダクト70の上端部の内周のサイズよりも小さく形成されているため、廃材テープ95が排出経路44a内で詰まってしまうことを防止することができる。
<各種変形例>
【0095】
ダクト70又はシュータ80の一部を蛇腹状に形成することも可能である。この場合、切断ユニット60が排出経路44aから取り外されたときに、ダクト70又はシュータ80の一部が排出経路44aの隙間の方向に向けて移動され、一部が代用経路部材として排出経路44aの隙間を埋める。なお、ダクト70又はシュータ80の一部を蛇腹状に形成した場合、廃材テープ95が蛇腹部分に引っかかって廃材テープ95が排出経路44a内に詰まってしまう可能性がある。従って、この場合、蛇腹の目の粗さを適切に調整する必要がある。
【0096】
上述の説明では、ダクト70又はシュータ80を代用経路部材として用いる場合について説明した。一方、代用経路部材は、ダクト70又はシュータ80とは別体で構成されていてもよい。
図13は、代用経路部材がダクト70又はシュータ80とは別体で特別に設けられる場合の一例を示す図である。
図13に示すように、代用経路部材99は、筒状の形状を有している。この代用経路部材99は、切断ユニット60が取り外された後、切断ユニット60が取り外されることによって生じた排出経路44aの隙間にはめ込まれる。
【0097】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃材テープが通過する排出経路と、
前記排出経路内を通過する前記廃材テープを切断する切断部を有し、前記排出経路の一部を形成し、前記排出経路に対して着脱可能な切断ユニットと、
前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに生じる前記排出経路の隙間を埋める代用経路部材と
を具備する排出機構。
(2) 上記(1)に記載の排出機構であって、
前記代用経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットと隣接する位置で前記排出経路の他の一部を形成し、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、全体又は全体の一部が前記排出経路の隙間の方向に向けて移動され、一部が前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める排出経路部材である
排出機構。
(3) 上記(2)に記載の排出機構であって、
前記排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットよりも前記排出経路の下流側の位置で前記排出経路の他の一部を形成する下流側経路部材である
排出機構。
(4) 上記(3)に記載の排出機構であって、
前記下流側経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、前記下流側経路部材の全体が、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記下流側経路部材の一部が前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める
排出機構。
(5) 上記(3)に記載の排出機構であって、
前記下流側経路部材は、
下流側経路部材本体と、
前記下流側経路部材本体に対して移動可能に設けられ、前記切断ユニットが前記排出機構本体から取り外されたときに、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める移動部材と
を有する排出機構。
(6) 上記(5)に記載の排出機構であって、
前記移動部材は、前記下流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられる
排出機構。
(7) 上記(6)に記載の排出機構であって、
前記移動部材は、前記下流側経路部材本体の内周側の位置に、前記下流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられる
排出機構。
(8) 上記(2)に記載の排出機構であって、
前記排出経路部材は、前記切断ユニットが前記排出経路に取り付けられているときに、前記切断ユニットよりも前記排出経路の上流側の位置で前記排出経路の他の一部を形成する上流側経路部材である
排出機構。
(9) 上記(8)に記載の排出機構であって、
前記上流側経路部材は、
上流側経路部材本体と、
前記上流側経路部材本体に対して移動可能に設けられ、前記切断ユニットが前記排出経路から取り外されたときに、前記排出経路の隙間の方向に向けて移動されて、前記代用経路部材として前記排出経路の隙間を埋める移動部材と
を有する排出機構。
(10) 上記(9)に記載の排出機構であって、
前記移動部材は、前記上流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられる
排出機構。
(11) 上記(10)に記載の排出機構であって、
前記移動部材は、前記上流側経路部材本体の外周側の位置に、前記上流側経路部材本体に対してスライド可能に設けられる
排出機構。