特許第5984301号(P5984301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984301
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】布類検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/898 20060101AFI20160823BHJP
   B65H 43/04 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   G01N21/898 A
   B65H43/04
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-244318(P2012-244318)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-112035(P2014-112035A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-237436(P2012-237436)
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 平成24年 6月23日 公開場所 トーカイ メディカルリネン工場
(73)【特許権者】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 誠
(72)【発明者】
【氏名】林田 誉生
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−242330(JP,A)
【文献】 特開平02−040542(JP,A)
【文献】 特開2004−333177(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3176803(JP,U)
【文献】 特開2004−177143(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0105624(US,A1)
【文献】 特開昭63−084463(JP,A)
【文献】 特開平08−117499(JP,A)
【文献】 特表2004−514798(JP,A)
【文献】 実開平3−22690(JP,U)
【文献】 米国特許第6137894(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡げられた布類の表面または内部の汚れ等の異常を検査する布類検査装置において、
拡げられた布類をそれぞれ搬送する送り出しコンベヤおよび受け取りコンベヤと、
前記送り出しコンベヤから前記受け取りコンベヤへ前記拡げられた布類をジャンプさせるジャンプ手段と、
前記送り出しコンベヤと前記受け取りコンベヤとの間の隙間をジャンプしている前記拡げられた布類に光源から照射されてその布類を透過した光と、その布類から反射した光とのうち、少なくともその布類を透過した光によって前記布類を撮影して画像を出力するカメラと、を具え
前記ジャンプ手段は、前記送り出しコンベヤの送り出し側端部に、前記受け取りコンベヤの受け取り側端部へ向けて設けられ、前記拡げられた布類を下から支持して、先端から前記拡げられた布類をジャンプさせるジャンプ台を有することを特徴とする布類検査装置。
【請求項2】
前記拡げられた布類に光源から照射されてその布類の表面から反射した光によって前記布類を撮影して画像を出力する、さらなるカメラを具えることを特徴とする、請求項1記載の布類検査装置。
【請求項3】
前記ジャンプ手段は、前記受け取りコンベヤの受け取り側端部に、前記ジャンプ台へ向けて設けられ、そのジャンプ台からジャンプした前記拡げられた布類を受けて前記受け取りコンベヤに引き渡す受け台を有することを特徴とする、請求項1または2記載の布類検査装置。
【請求項4】
前記受け台は、前記ジャンプ台との間に水平方向の所定間隔を空ける布類透過検査位置と、その布類透過検査位置よりも前記ジャンプ台に接近する布類落下防止位置との間で移動可能とされていることを特徴とする、請求項記載の布類検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、布類洗濯工場等においてアイロンローラ等から搬出された、拡げられた布類の表面または内部の汚れや破れ等の異常を検出する布類検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布類洗濯工場においては、病院やホテル等で使用されたシーツや布団カバー等の布類を洗濯した後、半乾きの状態で展張機により展張し、アイロンローラに送ってアイロン掛けし、折畳み機により折畳んで病院やホテル等へ再度供給している。
【0003】
従って、上記洗濯処理中の布類の表面または内部に汚れや破れ等の異常があった場合には、その布類を上述した通常の洗濯処理ラインから排除して別途処理する必要があり、このため本願出願人は、布類の表面または内部の汚れや破れ等の異常を検出する布類検査装置として従来、例えば特許文献1記載のものを提案している。
【0004】
この布類検査装置は、アイロンローラと折畳み機との間に配置された4台のベルトコンベヤを具え、それらのうちのアイロンローラに連なる1台目のベルトコンベヤに2台目のベルトコンベヤを向き合わせて、1台目のベルトコンベヤを2台目のベルトコンベヤの上向き側まで回り込ませることで、1台目のベルトコンベヤに乗った布類をそれらの間に挟んで裏返して2台目のベルトコンベヤに乗せ、この裏返した布類の表面を最初のカメラで撮影している。
【0005】
そしてこの装置では、2台目のベルトコンベヤに3台目のベルトコンベヤを向き合わせて、2台目のベルトコンベヤを3台目のベルトコンベヤの上向き側まで回り込ませることで、2台目のベルトコンベヤに乗った布類をそれらの間に挟んで表返して3台目のベルトコンベヤに乗せ、この3台目のベルトコンベヤから折り畳み機に向かう4台目のベルトコンベヤに移した表返した布類の表面を次のカメラで撮影し、それら2台のカメラで撮影した画像から布類の両表面の汚れ等を検出して、その汚れ等が検出された布類を通常の洗濯処理ラインから排除している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−177143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本願出願人が上記従来の布類検査装置についてさらに研究を進めたところ、上記従来の布類検査装置では、布類の両面を検査できるようになったものの、布類の内部の汚れや破れ等の異常の他、布類と同系色の表面の汚れ等の異常の検出が充分にはできないということが判明した。そしてこの問題の解決のためには、布類を透明な台上に通して透過光で検査をすることも考えられるが、その方法では、透明な台の汚れや傷つき等によって検査能力が低下し易いという問題があった。それゆえ近年は、さらに高い検査能力の布類検査装置の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上述の如き従来の布類検査装置の課題を解決するものであり、この発明の布類検査装置は、
拡げられた布類の表面または内部の汚れ等の異常を検査する布類検査装置において、
拡げられた布類をそれぞれ搬送する送り出しコンベヤおよび受け取りコンベヤと、
前記送り出しコンベヤから前記受け取りコンベヤへ拡げられた布類をジャンプさせるジャンプ手段と、
前記送り出しコンベヤと前記受け取りコンベヤとの間の隙間をジャンプしている拡げられた布類に光源から照射されてその布類を透過した光と、その布類から反射した光とのうち、少なくともその布類を透過した光によって前記布類を撮影して画像を出力するカメラと、
を具えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
かかる本発明の布類検査装置にあっては、ジャンプ手段が、何れも拡げられた布類を搬送する送り出しコンベヤから受け取りコンベヤへ、拡げられた布類をジャンプさせ、前記送り出しコンベヤと前記受け取りコンベヤとの間の隙間をジャンプしている拡げられた布類に光源から照射されてその布類を透過した光と、その布類から反射した光とのうち、少なくともその布類を透過した光によって前記布類をカメラが撮影して画像を出力する。
【0010】
従って、この発明の布類検査装置によれば、送り出しコンベヤと受け取りコンベヤとの間の隙間をジャンプ手段によってジャンプしている拡げられた布類に光源から照射されてその布類を透過した光と、その布類から反射した光とのうち、少なくともその布類を透過した光によってその布類を撮影したカメラが出力する画像に基づき、拡げられた布類を検査することができるので、高い検査能力で、布類の内部の汚れや破れ等の異常の他、布類と同系色の表面の汚れ等の異常の検出も充分におこなうことができ、しかも、布類を透明な台上に通して透過光で検査を行うのではないから、透明な台の汚れや傷つき等によって検査能力が低下するということもないので、その高い検査能力を長期間維持することができる。
【0011】
なお、この発明の布類検査装置においては、前記拡げられた布類に光源から照射されてその布類の表面から反射した光によって前記布類を撮影して画像を出力する、さらなるカメラを具えていると、透過光では透過してしまうような透明に近い表面の汚れ等でも、そのさらなるカメラが出力する画像に基づいて検出できることから、さらに高い検査能力を発揮することができるので好ましい。
【0012】
また、この発明の布類検査装置においては、前記ジャンプ手段は、前記送り出しコンベヤの送り出し側端部に、前記受け取りコンベヤの受け取り側端部へ向けて設けられ、前記拡げられた布類を下から支持して、先端から前記拡げられた布類をジャンプさせるジャンプ台を有している。このジャンプ台によれば、拡げられた布類を簡易且つ安価な構成で確実にジャンプさせることができる
【0013】
さらに、この発明の布類検査装置においては、前記ジャンプ手段は、前記受け取りコンベヤの受け取り側端部に、前記ジャンプ台へ向けて設けられ、そのジャンプ台からジャンプした前記拡げられた布類を受けて前記受け取りコンベヤに引き渡す受け台を有していると、受け取りコンベヤが拡げられた布類を落下させずにより確実に受け取って搬送できるので好ましい。
【0014】
そして、この発明の布類検査装置においては、前記受け台は、前記ジャンプ台との間に水平方向の所定間隔を空ける布類透過検査位置と、その布類透過検査位置よりも前記ジャンプ台に接近する布類落下防止位置との間で移動可能とされていると、油布等の、透過光による検査が不要で、且つ搬送速度が遅く、しかも柔らかい布類を搬送する場合に、ベルトコンベヤの速度が遅くてその布類がジャンプ台から充分にジャンプできずにジャンプ台と受け台との隙間から落下してしまうのを防止することができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の布類検査装置の一実施例の構成を示す側面図である。
図2】上記実施例の布類検査装置のA部を拡大して示す説明図である。
図3】(a)および(b)は、上記実施例の布類検査装置のジャンプ台および受け台の構成を示す平面図および側面図である。
図4】上記実施例の布類検査装置のジャンプ台および受け台の機能を示す説明図である。
図5】上記ジャンプ台がない場合の動作を示す説明図である。
図6】上記受け台がない場合の動作を示す説明図である。
図7】上記実施例の布類検査装置の一変形例の構成および機能を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の布類検査装置の一実施例の構成を示す側面図、また図2は、その実施例の布類検査装置のA部を拡大して示す説明図、そして図3(a)および図3(b)は、上記実施例の布類検査装置のジャンプ台および受け台の構成を示す平面図および側面図であり、図中符号1は通常のアイロンローラ、2は通常の折畳み機、3はこの実施例の布類検査装置をそれぞれ示す。
【0017】
この実施例の布類検査装置3も、布類洗濯工場等において、アイロンローラ1と折畳み機2との間に配置され、そのアイロンローラ1から搬出されて折畳み機2に搬送される洗濯処理中の布類Fの表面または内部の汚れや破れ等の異常を検出するもので、ここにおける布類検査装置3は、両側に側板を持つ概略直方体の枠状の支持フレーム4と、その支持フレーム4内の図1では左側部分に設けられて、アイロンローラ1から搬出された拡げられた布類Fを受け取って図1では右方へ搬送する送り出しコンベヤ5と、その支持フレーム4内の図1では右側部分に設けられて、送り出しコンベヤ5から送り出された拡げられた布類Fを図1では右方へ搬送し、折畳み機2からその前方に突出する搬入コンベヤ2aに引き渡す受け取りコンベヤ6と、拡げられた布類Fを上記送り出しコンベヤ5からその受け取りコンベヤ6へジャンプさせる、ジャンプ手段としてのジャンプ台7および受け台8と、を具えている。
【0018】
ここで、送り出しコンベヤ5および受け取りコンベヤ6は各々、図3(a)の平面図に示すように、互いに隙間を空けて多数横並びに配置された幅狭のコンベヤベルト9を有しており、ジャンプ台7は、図2に拡大して示すとともに図3(a),(b)の平面図および側面図に示すように、送り出しコンベヤ5の送り出し側端部(図1では右端部)に突設されており、ここにおけるジャンプ台7は、受け取りコンベヤ6の受け取り側端部(図1では左端部)へ向かってコンベヤベルト9の隙間から多数の支持部を突き出した櫛状部7aと、送り出しコンベヤ5の延在方向と直交する水平方向(図1では紙面と直交する方向)へ延在して櫛状部7aの支持部の先端同士を連結する連結部7bとを有している。
【0019】
またここで、受け台8は、これも図2に拡大して示すとともに図3(a),(b)の平面図および側面図に示すように、受け取りコンベヤ6の受け取り側端部(図1では左端部)に突設されており、ここにおける受け台8は、送り出しコンベヤ5の送り出し側端部(図1では右端部)へ向かってコンベヤベルト9の隙間から支持部を突き出すとともにその支持部の先端同士を連結部7bと同様の連結部で連結した櫛状部材を有している。そして、ジャンプ台7の先端と受け台8の先端との間には水平方向に隙間Gが設けられるとともに、上下方向にも僅かに高さの差が設けられ、ジャンプ台7の先端は、受け台8の先端よりも僅かに高く位置している。
【0020】
さらに、この実施例の布類検査装置3は、上記隙間Gの斜め上方に配置された透過光源としてのLED10と、その隙間Gの斜め下方に送り出しコンベヤ5寄りおよび受け取りコンベヤ6寄りに振り分けて配置された反射光源としてのLED11と、支持フレーム4の受け取りコンベヤ6側の側部にブラケット12を介して取り付けられた、カメラとしてのビデオカメラ13と、支持フレーム4内の中央部に配置された反射鏡14と、を具えており、ビデオカメラ13の光軸L1は、反射鏡14を介してLED11の間および隙間Gを通り、透過光源としてのLED10に向けられている。
【0021】
さらに、この実施例の布類検査装置3は、送り出しコンベヤ5上にその送り出しコンベヤ5の延在方向と直交する水平方向(図1では紙面と直交する方向)へ延在するように配置されてコンベヤベルト9の隙間から突出する支持部材で支持された暗色部としての黒板15と、拡げられた布類Fをその黒板15上で移動させるためにその黒板15の上流側に突設された櫛状部材16と、その黒板15の斜め上方に送り出しコンベヤ5寄りおよび受け取りコンベヤ6寄りに振り分けて配置された他の反射光源としてのLED17と、支持フレーム4の上部にブラケット18を介して取り付けられた、さらなるカメラとしてのビデオカメラ19と、を具えており、ビデオカメラ19の光軸L2は、LED17の間を通り、黒板15に向けられている。
【0022】
かかる構成を具えるこの実施例の布類検査装置3にあっては、ジャンプ台7が、図4の左側に示すように、拡げられた布類Fを下から支持して、先端からその拡げられた布類Fをジャンプさせ、そして受け台8が、図4の右側に示すように、そのジャンプ台7からジャンプした拡げられた布類Fを受けて受け取りコンベヤ6に引き渡すことで、送り出しコンベヤ5から受け取りコンベヤ6へ、拡げられた布類Fをジャンプさせ、その間、図2に示すように、送り出しコンベヤ5と受け取りコンベヤ6との間の隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fに透過光源10から照射されてその布類Fを透過した光と、その隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fに反射光源11から照射されてその布類Fから反射した光との両方によって、拡げられた布類Fをビデオカメラ13が撮影してその布類Fの画像を出力する。
【0023】
従って、この実施例の布類検査装置3によれば、送り出しコンベヤ5と受け取りコンベヤ6との間の隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fに透過光源10から照射されてその布類Fを透過した光と、その隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fに反射光源11から照射されてその布類Fから反射した光との両方によってその布類Fを撮影したビデオカメラ13が出力する画像に基づき、通常の画像処理装置等によって、拡げられた布類Fの図では下側の表面と内部とを検査することができるので、高い検査能力で、布類Fの内部の汚れや破れ等の異常の他、布類Fと同系色の表面の汚れ等の異常の検出も充分におこなうことができ、しかも、布類Fを透明な台上に通して透過光で検査を行うのではないから、透明な台の汚れや傷つき等によって検査能力が低下するということもないので、その高い検査能力を長期間維持することができる。
【0024】
また、この実施例の布類検査装置3によれば、送り出しコンベヤ5上の拡げられた布類Fに反射光源17から照射されてその布類Fの表面から反射した光によってその布類を撮影して画像を出力する、さらなるビデオカメラ19を具えているので、拡げられた布類Fの図では下側および上側の表面の、透過光では透過してしまうような透明に近い汚れ等でも、2台のビデオカメラ13,19がそれぞれ出力する画像に基づき、通常の画像処理装置等によって検出できることから、さらに高い検査能力を発揮することができる。
【0025】
さらに、この実施例の布類検査装置3によれば、ジャンプ手段が、送り出しコンベヤ5の送り出し側端部に、受け取りコンベヤ6の受け取り側端部へ向けて設けられ、拡げられた布類Fを下から支持して、先端からその拡げられた布類Fをジャンプさせるジャンプ台7を有していることから、拡げられた布類Fを簡易且つ安価な構成でジャンプさせることができる。
【0026】
なお、図5の左側に示すように、ジャンプ台7がない場合には、図5の右側に示すように、アイロンローラ1での仕上げ工程で静電気を帯びているシーツや、湿っているため柔らかくて重いシーツ等の布類Fは、送り出しコンベヤ5の先端部でコンベヤベルトから剥離せずに下側に巻き込まれてしまい、また、紐状になったもしくは紐状のものが付属しているシーツ等の布類Fは、送り出しコンベヤ5の先端部にその紐状の部分が引っ掛かってしまい、何れも、送り出しコンベヤ5の送り速度が遅い場合には受け取りコンベヤ6までジャンプできない場合がある。
【0027】
一方、図6に示すように、受け台8がない場合でも、ジャンプ台7の先端が受け取りコンベヤ6の受け取り側端部より充分高ければ、送り出しコンベヤ5の送り速度が遅くても上述した布類Fが受け取りコンベヤ6までジャンプできる可能性が高い。
【0028】
さらに、この実施例の布類検査装置3によれば、ジャンプ手段が、受け取りコンベヤ6の受け取り側端部に、ジャンプ台7へ向けて設けられ、そのジャンプ台7からジャンプした拡げられた布類Fを受けて受け取りコンベヤ6に引き渡す受け台8を有していることから、受け取りコンベヤ6が拡げられた布類Fを落下させずにより確実に受け取って搬送することができる。
【0029】
図7は、上記実施例の布類検査装置の一変形例の構成および機能を示す説明図であり、この変形例の布類検査装置3では、受け取りコンベヤ6の受け取り側端部が、図中矢印で示すように、送り出しコンベヤ5の送り出し側端部に対して接近および離間移動でき、これにより受け台8が、ジャンプ台7との間に水平方向の所定間隔を空ける、図4の右側に示す布類透過検査位置と、その布類透過検査位置よりもジャンプ台7に接近する、図7に示す布類落下防止位置との間で移動可能とされている。
【0030】
従って、この変形例の布類検査装置3によれば、油布等の、透過光による検査が不要で、且つ搬送速度が遅く、しかも柔らかい布類を搬送する場合に、送り出しコンベヤ5の送り速度が遅くてその布類Fがジャンプ台7から充分にジャンプできずにジャンプ台7と受け台8との隙間から落下してしまうのを防止することができる。
【0031】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば上記実施例では送り出しコンベヤ5の上方に、拡げられた布類Fに反射光源17から照射されてその布類Fの表面から反射した光によってその布類を撮影して画像を出力する、さらなるビデオカメラ19を具えているが、これに代えて、あるいは加えて、受け取りコンベヤ6の上方に、同様のビデオカメラ19を具えても良い。
【0032】
また、上記実施例ではビデオカメラ13が、隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fにその上方の透過光源10から照射されて布類Fを透過した光だけでなく、隙間Gをジャンプしている拡げられた布類Fに隙間Gの下方の反射光源11から照射されてその布類Fから反射した光によってもその布類Fを撮影しているが、これに代えて、透過光源10から照射されて布類Fを透過した光だけで布類Fを撮影するようにしても良く、さらに、透過光源10を隙間Gの下方に配置するとともにビデオカメラ13を隙間Gの上方に配置するようにしても良い。
【0033】
そして、上記実施例では送り出しコンベヤ5受け取りコンベヤ6との2台のベルトコンベヤを具えているが、本発明の布類検査装置はこれに限られず、さらに多くのコンベヤを具えていても良く、あるいは1台のベルトコンベヤの2箇所を送り出しコンベヤ5および受け取りコンベヤ6として構成しても良い。また、本発明の布類検査装置におけるジャンプ手段は、ジャンプ台を上記実施例における形状や構成のジャンプ台7から所要に応じて適宜変更しても良く、受け台8を省略することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
かくしてこの発明の布類検査装置によれば、送り出しコンベヤと受け取りコンベヤとの間の隙間をジャンプ手段によってジャンプしている拡げられた布類に光源から照射されてその布類を透過した光と、その布類から反射した光とのうち、少なくともその布類を透過した光によってその布類を撮影したカメラが出力する画像に基づき、拡げられた布類を検査することができるので、高い検査能力で、布類の内部の汚れや破れ等の異常の他、布類と同系色の表面の汚れ等の異常の検出も充分におこなうことができ、しかも、布類を透明な台上に通して透過光で検査を行うのではないから、透明な台の汚れや傷つき等によって検査能力が低下するということもないので、その高い検査能力を長期間維持することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 アイロンローラ
2 折畳み機
3 布類検査装置
4 支持フレーム
5 送り出しコンベヤ
6 受け取りコンベヤ
7 ジャンプ台
7a 櫛状部
7b 連結部
8 受け台
9 コンベヤベルト
10,11,17 LED
12,18 ブラケット
13,19 ビデオカメラ
14 反射鏡
15 黒板
16 櫛状部材
F 布類
L1,L2 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7