(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984334
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】一体化された撮像装置を有する焼灼装置を用いる電気手術処置を実施するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20160823BHJP
A61B 18/18 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/18
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-12862(P2011-12862)
(22)【出願日】2011年1月25日
(65)【公開番号】特開2011-156356(P2011-156356A)
(43)【公開日】2011年8月18日
【審査請求日】2013年9月10日
【審判番号】不服2015-8323(P2015-8323/J1)
【審判請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】12/696,966
(32)【優先日】2010年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン,キム
(72)【発明者】
【氏名】カイル,アール.リック
(72)【発明者】
【氏名】マニ,エヌ.プラカシュ
【合議体】
【審判長】
内藤 真徳
【審判官】
土田 嘉一
【審判官】
関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−504910(JP,A)
【文献】
特表2005−534352(JP,A)
【文献】
特表2005−523059(JP,A)
【文献】
特開平11−299803(JP,A)
【文献】
特表2003−524499(JP,A)
【文献】
特許第3689135(JP,B2)
【文献】
特開2005−152654(JP,A)
【文献】
特開平9−94238(JP,A)
【文献】
特開2008−6227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からのエネルギーを患者の組織に送るように構成された放射部分を有するアンテナアセンブリと、
前記組織に対応する撮像データを生成するように構成された撮像装置と、
を備え、
前記放射部分が外部導体およびその内部に延在する内部導体を備え、前記内部導体が前記外部導体内に配置されており、前記内部導体が前記外部導体から前記組織内に選択的に展開するように構成されており、
管腔が前記放射部分の内部導体内に同軸上に画定されており、前記撮像装置が、前記管腔内で近位および遠位に移動し得るように、かつ前記放射部分の長手軸の周りを回転し得るように、前記撮像装置は前記管腔内に摺動可能に配置されている、焼灼装置。
【請求項2】
前記撮像装置が、超音波変換器、CAT走査装置、MRI装置およびPET走査装置からなる群から選択される、請求項1に記載の焼灼装置。
【請求項3】
前記撮像装置が、前記放射部分を囲む組織の3次元画像データを生成するために前記放射部分に対して移動することができる、請求項1に記載の焼灼装置。
【請求項4】
前記撮像装置が、前記撮像データを、前記撮像データに基づいて表示を生成するように構成された処理装置に伝送するように構成されている、請求項1に記載の焼灼装置。
【請求項5】
前記撮像装置が、前記撮像データを前記処理装置に無線伝送するように構成されている、請求項4に記載の焼灼装置。
【請求項6】
前記アンテナアセンブリが直線状プローブ形態を含む、請求項1に記載の焼灼装置。
【請求項7】
前記アンテナアセンブリが、曲線経路に沿って曲線方向に展開して焼灼領域を画定するように構成されたループ状プローブ形態を含む、請求項1に記載の焼灼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギーを用いる装置、システムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、一体化された撮像装置を備える焼灼システムを用いて電気手術処置を行うためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌などの疾患の治療では、ある種の癌細胞が高温(健康な細胞に通常有害である温度よりも僅かに低い温度)で変性することが分かっている。一般に温熱療法として知られているこの種の治療は典型的には、電磁放射を利用して、隣接する健康な細胞を低温(不可逆的な細胞破壊が生じない温度)に維持しながら、異常細胞を41℃超の温度まで加熱する。電磁放射を利用して組織を加熱する他の処置も組織の焼灼および凝固を含む。そのようなマイクロ波焼灼処置、例えば、月経過多のために行われるようなマイクロ波焼灼処置は典型的に、標的組織を焼灼しかつ凝固させて組織を変性または死滅させるために行われる。電磁放射療法を利用する多くの処置および多種の装置が当該技術分野で知られている。そのようなマイクロ波療法は典型的に、組織ならびに、前立腺、心臓、肝臓、肺、腎臓および乳房などの器官の治療で使用される。
【0003】
非侵襲的処置では一般に、マイクロ波エネルギーの使用によって皮膚下の組織(例えば、腫瘍)を治療する。マイクロ波エネルギーは、非侵襲的に皮膚を貫通して下層組織に到達することができる。しかし、この非侵襲的処置によって、望ましくない健康な組織の加熱が生じる場合がある。従って、マイクロ波エネルギーの非侵襲的使用にはかなりの制御が必要である。
【0004】
現在、いくつかの型のマイクロ波プローブ、例えば、単極、双極および螺旋マイクロ波プローブが使用されている。一つの型は単極アンテナプローブであり、プローブの端部で露出されている単一の細長いマイクロ波導体からなる。単極アンテナプローブは典型的に、誘電性スリーブに囲まれている。一般に使用される第2の型のマイクロ波プローブは双極アンテナであり、誘電性接合部によって内部導体の一部が分離されている内部導体および外部導体を有する同軸構造体からなる。内部導体は、第1の双極放射部分に対応する部分に連結されていてもよく、外部導体の一部は、第2の双極放射部分に連結されていてもよい。双極放射部分は、放射部分の一部が誘電性接合部の近位に配置され、残りの部分が誘電性接合部の遠位に配置されるように構成されていてもよい。単極および双極アンテナプローブでは、マイクロ波エネルギーは一般に、導体の軸から垂直に放射される。
【0005】
典型的なマイクロ波アンテナは、長く薄い内部導体を有し、この内部導体は、プローブの軸に沿って延在し、かつ誘電性材料で囲まれており、さらに誘電性材料を囲む外部導体で囲まれているため、結果的に、外部導体もプローブの軸に沿って延在している。有効な外向きのエネルギー放射または加熱を与えるプローブの別の変形では、外部導体の一部または複数の部分は選択的に除去することができる。この種の構造は典型的に「漏洩導波管」または「漏洩同軸」アンテナと呼ばれている。マイクロ波プローブの別の変形は、均一な渦巻き型、例えば螺旋状に形成された先端部を有して有効な放射のために必要な形態を提供することを含む。この変形を使用して、特定の方向、例えば、軸に垂直な方向、順方向(すなわち、アンテナの遠位端方向)、あるいはそれらを組み合わせた方向にエネルギーを方向づけることができる。
【0006】
マイクロ波アンテナプローブを正常な身体開口部を介して治療点に直接挿入するか経皮的に挿入し得る侵襲的処置および装置が開発されている。そのような侵襲的処置および装置は、治療中の組織をより良好に温度制御する可能性を秘めている。悪性細胞を変性させるのに必要な温度と健康な細胞に有害な温度との差が小さいため、加熱を治療される組織のみに限定するためには、公知の加熱パターンおよび予測可能な温度制御は重要である。例えば、約41.5℃の限界温度での温熱治療は一般に大部分の悪性細胞腫瘍にはほとんど効果がない。しかし、43℃〜45℃付近の範囲を超える僅かに高い温度では、大部分の種類の正常な細胞に対する熱損傷は日常的に観察される。従って、健康な組織ではこれらの温度を超えないように細心の注意を払わなければならない。
【0007】
組織焼灼の場合、約500mHz〜約10gHzの範囲の高周波電流を標的組織部位に照射して特定の大きさおよび形状を有し得る焼灼体積を創出する。焼灼装置(例えば、マイクロ波アンテナ)を標的組織部位に対して正確に配置できるように、標的組織部位はそこへのエネルギー照射前に観察される。典型的には、CT、MRI、PETまたは他の断層撮影あるいはX線装置などの撮像装置の使用によって得られた走査データによって観察は容易になる。しかし、組織焼灼などの電気手術処置の前、間または後にそのような走査技術を用いて得られた画像は患者の体外で得られるため、歪みおよび2次元撮像の限界のために品質に欠ける場合が多い。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、焼灼装置は、電源からのエネルギーを患者の組織に送るように構成された、放射部分を有するアンテナアセンブリを備える。放射部分は、外部導体および内部導体を有する。内部導体は、外部導体内に配置されている。焼灼装置は、内部導体に作動可能に連結された撮像装置も備える。撮像装置は、アンテナアセンブリの放射部分に近接する組織に対応する撮像データを生成するように構成されている。
【0009】
本開示の別の実施形態によれば、マイクロ波焼灼システムは、電源からのエネルギーを患者の組織に送るように構成されたアンテナアセンブリと、組織を貫通するように構成された遠位端を有するイントロデューサとを備える。イントロデューサは、少なくとも部分的にその長さに沿ってその中に同軸上に配置された管腔を有する。管腔は、アンテナアセンブリをその中に受け入れるように構成されている。当該システムは、イントロデューサに近接する組織に対応する撮像データを処理装置に提供するように構成された、イントロデューサ上に配置された撮像装置も備える。処理装置は、撮像データに基づいて画像を生成するように構成されている。
【0010】
本開示の別の実施形態によれば、電気手術処置を行う方法は、撮像装置を備える焼灼装置を患者の所望の組織部位に近接して配置するステップと、所望の組織部位を撮像して対応する撮像データを生成するステップとを含む。また、当該方法は、撮像データに基づいて所望の組織部位の表示を生成するステップと、表示に基づいて、焼灼装置を所望の組織部位に近接して再配置するステップとを含む。当該方法は、所望の組織部位に照射するようにエネルギー源からのエネルギーを焼灼装置に供給するステップも含む。
【0011】
ここで、図面を参照して本開示の様々な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係るマイクロ波焼灼装置の斜視図である。
【
図2A】本開示の様々な実施形態に係る、発電機に接続された
図1のマイクロ波焼灼装置の概略図である。
【
図2B】本開示の様々な実施形態に係る、発電機に接続された
図1のマイクロ波焼灼装置の概略図である。
【
図3A】本開示の様々な実施形態に係る
図1のマイクロ波焼灼装置の拡大側面図である。
【
図3B】本開示の様々な実施形態に係る
図1のマイクロ波焼灼装置の拡大側面図である。
【
図4A】
図1のマイクロ波焼灼装置と共に使用されるイントロデューサの斜視図である。
【
図4B】
図1のマイクロ波焼灼装置と共に使用されるイントロデューサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本開示の特定の実施形態について説明する。以下の説明では、不要な詳説によって本開示を曖昧にするのを避けるために周知の機能または構成については詳細に説明しない。以下の説明では、「近位の」という用語は、使用者に近い構造部分を指し、「遠位の」という用語は、使用者から遠い構造部分を指す。
【0014】
一般に、本開示は、所望の撮像部位に向けて超音波周波数範囲内の音波を発生させた後、所望の撮像部位からのそのような音波のエコーを受信することによって画像データを生成するように構成された超音波振動子などの一体化された撮像装置を有する焼灼装置の使用に関する。焼灼処置の前、間および/または後に標的組織を三次元で放射状に視覚化できるため、使用者は、標的組織内に焼灼装置を正確に配置し、かつさらに焼灼の進行を監視することができる。
【0015】
図では、本開示に係る焼灼装置(例えば、マイクロ波焼灼装置)は、符号10で示されている。本明細書ではマイクロ波焼灼装置について説明するが、本開示は、他の種類の焼灼装置およびイントロデューサなどの他の器具に接続して使用し得ることが想定される。そのような焼灼装置は、アンテナおよび/または電極を備えていてもよい。
【0016】
最初に
図1を参照すると、焼灼装置10は、アンテナ12およびハンドル部分13を備える。アンテナ12は、長手軸X−Xを画定する、内部導体16および外部導体20を有するシャフトすなわち給電路14を備える。外部導体20は、例えば、組織を穿孔および/または貫通するように構成された挿入構造(例えば、針)であってもよい。送電コード21が示されており、送電コード21は焼灼装置10を好適な電気手術用発電機22(
図2Aおよび
図2Bを参照)に接続する。さらに、本開示の様々な実施形態に係る作動要素7が、
図1に示されている。作動要素7は、内部導体16に作動可能に連結されており、内部導体16を外部導体20に対して移動させるために、少なくとも部分的にハンドル部分13の長さに沿って配置されたトラック9に沿って移動させることができる。より具体的には、トラック9に沿って作動要素7を遠位に作動させると、内部導体16が外部導体20から展開または延出し、作動要素7をトラック9に沿って近位に作動させると、内部導体16が外部導体20内に後退する。
【0017】
図2Aに示すように、内部導体16は、遠位先端部17を備え、外部導体20から延出することができる。開示されている焼灼装置10に接続して、外部導体20にほぼ一直線状に展開するように構成された内部導体(例えば、
図2A)、および曲線経路に沿って曲線方向に展開して焼灼領域29を画定するように構成された内部導体(例えば、
図2B)を含むいくつかの種類の内部導体16が使用されてもよい。
図2Aおよび
図2Bの図示された実施形態では、給電路14の近位端は、送電コード21を介してアンテナ12を発電機22に電気的に接続する結合器18を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、遠位先端部17によって、最小の抵抗でアンテナ12を組織に挿入することができる。アンテナ12が既存の開口部に挿入される場合は、遠位先端部17は、円形または平坦であってもよい。
【0019】
図2Cに示すように、給電路14は、同軸ケーブルの形態であってもよい。給電路14の部分は、内部導体16を囲む外部導体20で形成されていてもよい。内部導体16および/または外部導体20はそれぞれ、例えば、銅、金または同様の伝導率を有する他の導電性金属などの、半剛性または柔軟性であってもよい好適な導電性金属製であってもよい。あるいは、内部導体16および外部導体20のそれぞれの部分は、伝導率を向上させるため、あるいはエネルギー損失を抑えるために、他の材料、例えば、他の導電性材料でさらにめっきされ得るステンレス鋼製であってもよい。
【0020】
引き続き
図2Cを参照すると、内部導体16の長さの少なくとも一部を囲む誘電性材料28、ならびに誘電性材料28および/または内部導体16の長さの少なくとも一部を囲む外部導体20を備えるアンテナ12の給電路14が示されている。すなわち、内部導体16と外部導体20とを絶縁するために、誘電性材料28がその間に配置されており、任意の好適な誘電性材料で構成されている。
【0021】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、アンテナ12は、
図3Aに示すように直線状プローブの形態の放射部分12または
図3Bに示すようなループ状プローブの形態の放射部分12を有して具現化することができる。いずれの場合も、放射部分12は、その中に同軸上に、かつ少なくとも部分的にその長さに沿って画定された管腔26を含む。管腔26内には、所望の焼灼領域を撮像するように構成された撮像装置30が配置されている。導線31は、撮像装置30を処理装置24に電気的に接続し、処理装置24は、表示装置上に表示するために撮像装置30によって生成されたデータを処理するように構成されている(例えば、
図2A、
図2Bを参照)。添付の図には全体が示されていないが、導線31は、処理装置24に接続されており、そこからハンドルアセンブリ13および管腔26を通って延在して撮像装置30に接続する。処理装置24は、メモリ(図示せず)に作動可能に連結されたプロセッサを備えていてもよく、メモリは、処理装置24に、撮像装置30から受信した撮像データに基づいて画像を生成させる、プロセッサによってプログラム可能な命令として実行可能な好適な画像処理ソフトウェアを格納する。処理装置24は、独立型装置であってもよく、あるいは、発電機22内に組み込まれていてもよい。撮像装置30は、例えば、音波を発生および受信して放射部分12を囲む組織領域に対応する撮像データを生成するように構成された超音波振動子であってもよい。他の実施形態では、撮像装置30は、例えば、CAT走査装置、PET走査装置、X線装置、MRI装置、あるいは所望の焼灼領域に対応する撮像データを生成するために利用される他の断層撮影またはX線装置であってもよい。
【0022】
撮像装置30は、(例えば、接着剤、ファスナーなどによって)管腔26内に固定して取り付けられていてもよく、あるいは、内部導体16の全長に沿って周囲組織の360°の撮像および/または放射状の撮像を容易にするために、撮像装置30が管腔26内で近位および遠位に移動し得、かつ/または放射部分12の長手軸X−Xの周りを回転し得るように、管腔26内に摺動可能に配置されていてもよい。撮像装置30のこの形態によって、所望の組織部位の3次元撮像が可能となる。また、この目的を考慮して、使用者が焼灼装置10を360°回転させて所望の組織部位の3次元撮像を達成してもよい。
【0023】
図4Aおよび
図4Bに示す別の実施形態では、焼灼領域すなわち腫瘍「T」に対する放射部分12の配置を容易にするために、撮像装置30は、イントロデューサ50と共に使用されてもよい。イントロデューサ50は、近位ハブ54から遠位端58まで延在するシャフト52、および近位ハブ54から遠位に遠位端58まで、シャフト52の長さの少なくとも一部を通ってシャフト52内に同軸上に配置された管腔56を含む。遠位端58は、最小の抵抗でイントロデューサ50を組織内に挿入できるように先細りであってもよい。
図4Aおよび
図4Bに示すように、シャフト52は、シャフト52の遠位部分58が組織の焼灼領域、例えば、腫瘍「T」に隣接するかその内部に配置されるまで患者「P」の組織に挿入される。イントロデューサ50を焼灼領域に対して適切に配置できるようにシャフト52の遠位部分58を囲む領域を撮像するために、撮像装置30は利用される。より具体的には、焼灼領域に関する撮像データは、外科医が見るために処理装置24によって受信および処理される。使用者は、生成された撮像データに基づいて、必要であれば、その焼灼前に腫瘍「T」に対してシャフト52の遠位部分58を正確に配置できるように、患者「P」の体内でイントロデューサ50を操作または再配置してもよい。
図4Aの回転矢印「A」によって示されるように、撮像装置30を360°回転させて焼灼領域を完全に撮像し得るように、イントロデューサ50は、シャフト52の長手軸の周りを回転させてもよい。
【0024】
イントロデューサ50が所望どおりに配置されたら、シャフト52の位置および向きを患者「P」の体内に維持しながら、焼灼装置10を管腔56内に挿入することができる。装置10の放射部分12が腫瘍「T」に隣接するか内部にあるように、焼灼装置10を管腔56内で遠位に前進させる。放射部分12の長さは、ハンドル部分13の近位端と近位ハブ54がロック嵌合(lock−fit)式に互いに接するように(明確には図示せず)、シャフト52内に嵌合するように構成されていてもよい。使用者が焼灼の進行および/または完全性を監視することができるように、焼灼処置の間および/または後に焼灼領域を撮像してもよい。
【0025】
図4Aおよび4Bの図示された実施形態では、撮像装置30が、撮像データを患者「P」の体内から処理装置24に無線伝送するように構成し得ることを示すために、撮像装置30は導線31を含めずに示されている。従って、撮像装置30を処理装置24に接続している導線(例えば、導線31)は、本明細書に開示されている実施形態のいずれかの適切かつ意図された実施を達成するために必要でない場合もある。
【0026】
使用時、撮像装置30に非常に近接した発電機22によって生成されるエネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)は、撮像処理中に撮像装置30によって生成される画像データへの干渉を引き起こす場合がある。この場合、撮像装置30および発電機22は、特定の実施形態では、互いに対する相互排除を自動的に行うように構成されていてもよい。より具体的には、発電機22は、撮像装置30(例えば、無線)によって生成された撮像信号および/または撮像処理が現在撮像装置30によって行われているか否かをリアルタイムで連続的に示す処理装置24によって生成された撮像信号を連続的に受信および処理する。生成された信号に基づいて、発電機22は撮像処理中にエネルギー出力を終了し、撮像処理が撮像装置30によって行われていない間はエネルギー出力を続ける。このようにして、撮像処理および電気手術処置(例えば、マイクロ波焼灼)を、非常に近接して、かつ発電機22の出力からの干渉によって引き起こされる撮像プロセスに対する悪影響(例えば、画像の歪み)を生じさせずに、基本的に同じ処理または手術中に行なうことができる。
【0027】
当業者であれば、撮像装置30および/または処理装置24が出力としての撮像信号を生成するように構成された好適な回路(例えば、プロセッサ、メモリ、AD変換器など)を備え、かつさらに発電機22が入力としての撮像信号を受信および処理するように構成された好適な回路を備えることを認識しているであろう。いくつかの実施形態では、処理装置24および/または焼灼装置10は、撮像装置30を起動または停止させ、かつ/または撮像処理の起動、停止および/または終了を示す発電機22に対する信号を生成するように構成されたボタン、スイッチ、アクチュエータなどを備えていてもよい。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態を図面に示し、かつ/またはそれらについて本明細書中に説明してきたが、本開示はそれらに限定されることを意図するものではなく、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に対象範囲は広く、本明細書は同様に解釈されることを意図するものである。従って、上記説明は限定するものとして解釈されるのではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。例えば、上記開示されている実施形態のいずれかは、撮像装置50が論理ローを生成して撮像処理が現在実行されていることおよびその逆を示し、論理ハイは撮像処理が現在実行されていないことを示し得るように構成され得ることを理解されたい。当業者であれば、本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および精神を逸脱しない他の変形を想定するであろう。