(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スパウト部材をカバー部材に対して上下真っ直ぐ押し下げられるように、カバー部材に上下方向に延びる突出部または溝が形成され、スパウト部材に上下方向に延びる溝または突出部が形成されている、請求項1または2記載の二液吐出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のように内容物同士を混合した状態で吐出させても、その混合状態は決して均一ではなくムラが出る。また、複雑な通路を有しているため、内容物が残って固まりやすい。また、特許文献2はノズルの通路を開放することができるため、使用後に通路内に残った内容物を洗浄できるが、通路を閉じて使用するときに内容物が漏れやすい。また、ノズルの通路は各エアゾール容器から供給される2つの導入孔と吐出孔とを結びT字状を呈している。すなわち、通路は各導入孔から吐出方向に向かい蓋板と当る。蓋板
で90度方向を変えて中心に向かい、中心付近で壁に当る。さらにこの壁で90度方向を変えて吐出孔に連通する。そのため内容物はノズルの通路内で衝突による反作用力を受けるため通路内に堆積しやすく、通路を開放できたとしても充分に洗浄できない。特許文献3の装置も通路は狭く構成されているため、内容物が残って固まりやすい。
本発明は、内容物の通路が簡易で、その通路の洗浄がしやすい二液吐出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の二液吐出装置は、2本のエアゾール容器
に装着され、各エアゾール容器内の内容物を同時に吐出する
ための二液吐出装置であって、各々のエアゾール容器
に装着
される筒状のカバー部材と、そのカバー部材の中心孔に上下移動自在に配置され、かつ、各々のエアゾール容器のステムに装着される2つのステム装着部および2種類の内容物を吐出する1つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記ステム装着部からノズルの吐出孔まで連通する吐出通路が、それぞれのステム装着部と連通し、鉛直方向に延びる2つの部材内通路と、その2つの部材内通路と吐出孔とを連通し、扁平な空間を有するノズル内通路とからなり、前記ノズル内通路の両側部の間で2つの部材内通路は連通しており、前記吐出孔の形状がノズル内通路と実質的に同じ扁平な断面形状を有し、前記ノズル内通路と吐出孔とが直線状に連通していることを特徴としている。
【0006】
本発明の二液吐出装置の第2の態様は、2つのバルブ機構を備えたエアゾール容器に装着される二液吐出装置であって、前記エアゾール容器に装着される筒状のカバー部材と、そのカバー部材の中心孔に上下移動自在に配置され、かつ、各々のバルブ機構のステムに
装着される2つのステム装着部および2種類の内容物を吐出する1つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記ステム装着部からノズル吐出孔まで連通する吐出通路が、それぞれのステム装着部と連通
し、鉛直方向に延びる2つの部材内通路と、その2つの部材内通路と吐出孔とを連通し、扁平な空間を有するノズル内通路とからなり、
前記ノズル内通路の両側部の間で2つの部材内通路は連通しており、前記吐出孔の形状がノズル内通路と実質的に同じ扁平な断面形状を有し、前記ノズル内通路と吐出孔とが直線状に連通していることを特徴としている。
【0007】
本発明の二液吐出装置の第1または第2の態様であって、ノズル内通路に、2つの部材内通路から供給される内容物を区分けする仕切り
が設け
られているものが好ましい。また、その仕切りがノズル内通路の基端から開口側に向かってノズル内通路の中心に設けられており、その仕切りの断面積が開口側に向かって縮小するように構成されているものが好ましい。
また、前記スパウト部材の上面にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えている、あるいは、前記スパウト部材の側面にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えているものが好ましい。
また、スパウト部材に、スパウト部材を取り外すための摘み部を備えているものが好ましい。
さらに、スパウト部材をカバー部材に対して上下真っ直ぐに押し下げられるように、カバー部材に上下方向に延びる突出部または溝が形成され、スパウト部材に上下方向に延びる溝または突出部が形成されているものが好ましい。その場合、その突出部と溝がカバー部材の中心孔の短辺側に設けられているものが好ましい。
【0008】
本発明の二液吐出装置の第3の態様は、2本のエアゾール容器を装着し、各エアゾール容器内の内容物を同時に吐出するものであって、各々のエアゾール容器を装着するカバー部材と、各々のエアゾール容器のステムに装着される2つのステム装着部および各々の内
容物を吐出する2つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記2つのノズルが平行に延びており、前記2つのノズルの間にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の二液吐出装置の第4の態様は、2つのバルブ機構を備えたエアゾール容器に装着される二液吐出装置であって、前記エアゾール容器に装着されるカバー部材と、各々のバルブ機構のステムに装着される2つのステム装着部および各々の内容物を吐出する2つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記2つのノズルが平行に延びており、前記2つのノズルの間にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明の二液吐出装置の第3または第4の態様であって、操作部を押し下げたときに2つのノズルがそれぞれのノズルが対向するノズル側に傾くものが好ましい。また、前記ノズルの吐出孔が対向するノズル側に開口しているものが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の二液吐出装置は、各々のエアゾール容器を装着する筒状のカバー部材と、そのカバー部材の中心孔に上下移動自在に配置され、かつ、各々のエアゾール容器のステムに装着されるステム装着部および2つの内容物を吐出する一つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記ステム装着部からノズルの吐出孔まで連通する吐出通路が、それぞれのステム装着部と連通
し、鉛直方向に延びる2つの部材内通路と、その2つの部材内通路と吐出孔とを連通し、扁平な空間を有するノズル内通路とからなり、
前記ノズル内通路の両側部の間で2つの部材内通路は連通しており、前記吐出孔の形状がノズル内通路と実質的に同じ扁平な断面形状を有し、前記ノズル内通路と吐出孔とが直線状に連通しているため、ノズル内通路に供給された内容物は圧力降下が少なくスムーズに吐出孔から吐出される。特に内容物がフォームの場合は吐出通路内に残りにくく、吐出通路の洗浄が容易である。また、吐出される内容物の形状は、扁平な形状となるため、掌等で均一に混合しやすい。特に扁平な矩形状の場合、混合しやすい。
【0012】
本発明の二液吐出装置の第2の態様も、ステム装着部からノズルの吐出孔まで連通する吐出通路が、それぞれのステム装着部と連通
し、鉛直方向に延びる2つの部材内通路と、その2つの部材内通路と吐出孔とを連通し、扁平な空間を有するノズル内通路とからなり、
前記ノズル内通路の両側部の間で2つの部材内通路は連通しており、前記吐出孔の形状がノズル内通路と実質的に同じ扁平な断面形状を有し、前記ノズル内通路と吐出孔とが直線状に連通しているため、ノズル内通路に供給された内容物は圧力降下が少なくスムーズに吐出孔から吐出される。そして、吐出される内容物の形状が扁平な形状であり、掌等で均一に混合しやすい。
【0013】
このような二液吐出装置の第1または第2の態様であって、ノズル内通路に、2つの部材内通路から供給される内容物を区分けする仕切り
が設け
られている場合、それぞれの内容物を独立して吐出させることができる。この場合、2種類の内容物は2列に並んだ扁平な形状で吐出されるため、2液の吐出量を目視で確認しやすい。
このような仕切りが、ノズル内通路の基端から開口側に向かってノズル内通路の中心に設けられており、その仕切りの断面積は、開口側に向かって縮小するように構成されている場合、2種類の内容物を詰まらせたり、滞留させることなく吐出させることができる。
【0014】
本発明の二液吐出装置の第1または第2の態様であって、スパウト部材の上面にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えている場合、または、スパウト部材の側面にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えている場合、その吐出操作が簡単にできる。
また、スパウト部材にスパウト部材を取り外すための摘み部を備えている場合、スパウト部材の取り外しが容易であり、洗浄しやすい。
さらに、スパウト部材をカバー部材に対して上下真っ直ぐに押し下げられるように、カバー部材に上下方向に延びる突出部または溝が形成され、スパウト部材に上下方向に延びる溝または突出部が形成されている場合、スパウト部材の押し下げを一層正確に行うことができる。
【0015】
本発明の二液吐出装置の第3の態様は、各々のエアゾール容器を装着するカバー部材と、各々のエアゾール容器のステムに装着される2つのステム装着部および各々の内容物を吐出する2つのノズルを有するスパウト部材とを備え、前記2つのノズルが平行に延びており、前記2つのノズルの間にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えているため、ノズルにより指で押す位置が規制され、確実に2本のエアゾール容器を同時に開放させることができる。また、2本のノズルに3本の指で挟むようにしてスパウト部材を引き抜けるため、スパウト部材を取り外しやすい。さらに通路が簡単な構造であるため洗浄が容易である。
【0016】
本発明の二液吐出装置の第4の態様も、2つのノズルが平行に延びており、2つのノズルの間にスパウト部材を下方に押圧するための操作部を備えているため、ノズルにより指で押す位置が規制され、確実に2本のエアゾール容器を同時に開放させることができる。また、2本のノズルに3本の指で挟むようにしてスパウト部材を引き抜けるため、スパウト部材を取り外しやすい。さらに通路が簡単な構造であるため洗浄が容易である。
【0017】
このような二液吐出装置の第3または第4の態様であって、操作部を押し下げたときにそれぞれのノズルが対向するノズル側に傾く場合、吐出される2つの内容物は隣接して手のひらやブラシなどに取ることができ、混合しやすい。また、ノズルの吐出孔が対向するノズル側に開口している場合も、吐出される2つの内容物は隣接して手のひらやブラシなどに取ることができ、混合しやすい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1の二液吐出製品10は、2本のエアゾール容器11と、それらを連結する二液吐出装置12とからなる。
2本のエアゾール容器11は、
図2aに示すように、容器本体13と、その開口部に取り付けられたエアゾールバルブ14とからなり、エアゾールバルブ14のマウンティングカップ14aが容器本体13の上端を覆うようにして固定された従来公知のものである。このマウンティングカップ14aと容器本体13とによって形成されるエアゾール容器11の環状の凹部11aは、二液吐出装置12との係止部として働く。ただし、エアゾール容器11としては、従来公知である他の形態のものを用いても良い。
【0020】
二液吐出装置12は、2本のエアゾール容器11を装着する
図2bの筒状のカバー部材16と、その中心孔に配置され、カバー部材16に対して上下動自在に配置される
図2cのスパウト部材17とからなる。
カバー部材16は、
図3a〜cに示すように、エアゾール容器の凹部11aと連結する円筒状の2つの缶装着部21と、それらの缶装着部21を連結する連結部22aと、2つの缶装着部21を挟む側壁22bと、その側壁22bの両端と連結し、前記缶装着部21の外側半円が上方に立ち上がった断面円弧状のガード壁23とからなる。側壁22bとガード壁23の内周によって、長方形とその両短辺に短辺を径とする半円が付いた形状の中心孔25(斜線部)が形成される。側壁22bとガード壁23によって前後方向に凹部26a、bが形成される。前側の凹部26aの方が大きくなっており、凹部26aは後述するスパウト部材の突出部(ノズル)を配置するために形成されており、後側の凹部26bは操作時に指等を入れてスパウト部材の天面の操作部を操作するために形成されている。
【0021】
スパウト部材17は、
図4a〜cに示すように、両端が半円柱となった略直方体の本体17aからなり、それぞれエアゾール容器11のエアゾールバルブ14のステム14c(
図2b参照)に装着され、上記カバー部材16の中心孔25内に上下移動自在に挿入される。本体17aは、下端に設けられた2個のステム装着部26と、略直方体の前方の側面上部に突出して形成された筒状のノズル27とからなり、内部に2つのステム装着部26からノズル27の吐出孔27aまで連通する吐出通路を有する。吐出通路は、それぞれのステム装着部26と連通し、鉛直方向にのびる2本の部材内通路28と、それぞれの部材内通路28から吐出孔27aとを連通し、水平方向にのびるノズル内通路27bとからなる。ノズル内通路27bは扁平な空間を有し、吐出孔27aはその扁平な空間の開口からなる。つまり、扁平な空間の断面形状と吐出孔27aとは実質的に同じ形状を呈する。ノズル27は、吐出孔(開口)27aが扁平な矩形状を呈している。吐出孔の高さは1〜8mm、特に2〜5mmが好ましく、高さと幅の比は、1/5〜1/40、特に1/10〜1/30が好ましい。また、ノズルの先端は、吐出孔から手のひらなどに吐出物を取り出しやすくするために、カバー部材16よりも前方に伸ばすことが好ましい。部材内通路28は、ステム装着部26から上方に立ち上がり、扁平なノズル27のノズル内通路27bの空間に対して垂直に連結している。なお、ノズル内通路27bは
図5a、b、cで示すように、仕切り29a、b、cで左右に区切られていても良い。この場合、各々の内容物は独立して吐出孔27aから吐出される。
また、スパウト部材17の天面は2つのステム装着部間の中心位置が凹んでおり、指で直接押し下げ操作する操作部17bを形成している。この操作部17bを押し下げることで2つのステムを同時にかつ同じ距離を押し下げることができ、2種類の内容物を等量に吐出することができる。スパウト部材17の裏面には、想像線で示すように凹部から構成される摘み部17cが設けられている。この摘み部17cに指等を挿入し、ノズルと摘むようにスパウト部材17を抜き取ることができる。なお摘み部17cは指先を引っ掛けることができるような突起などの凸部でもよい。
【0022】
本発明では、2つの部材内通路28の合流点を設けることなく、ノズル内通路27bに到達させている。特に、この実施形態では、ノズル内通路27bの両端(両側部)に部材
内通路28が扁平な空間の下面から連通されており、そのノズル内通路27bの連通位置と吐出孔27aとは直線状に連通している。これは、内容物を混合させるべく、吐出通路に特定の合流点を設けると内容物の流れを阻害することになり、特定の合流点近辺での内容物の残留を防止するためである。そのため、ノズル内通路27bを部材内通路28の断面積(または内径)より充分に広く、扁平な空間形状とすることにより、ノズル内通路に導入された2つの平面的な内容物が平行に吐出孔方向に移動し、2つの内容物が混ざり合うことによる流れの抵抗をできるだけ小さくしている。また、このようにノズル内通路27bを広く設けることにより、スパウト部材の洗浄も容易になる。さらに、ノズル27が扁平で矩形状の吐出孔27aを備えているため、2種類の内容物を平らな状態で吐出させることができる。平らに吐出された内容物は掌等で混ぜやすく、使用にムラが起こりにくい。特に、泡状の内容物は通常球状に吐出されるが、2つの球状の泡を均等に混ぜるのは困難であり、泡状の内容物を平面状にしかも並べて吐出することにより、2種類の内容物を均等に混ぜることができる。
このような二液吐出製品のエアゾール容器に充填される内容物としては、2液式の染毛剤、2液式のパーマ剤などが挙げられる。
【0023】
図5a、b、cには、ノズル内通路27bにそれぞれの内容物の流れを規制する仕切りを備えた他のスパウト部材17を示す。
図5aのノズル内通路27bには、2つの部材内通路28から供給される内容物を区分けする仕切り29aが設けられている。この仕切り29aの形状は、ノズル27の基端27c(部材内通路28の端部)から開口部(吐出孔27a)まで一直線に延びる板状あるいは棒状のものである。また、ノズル内通路の側壁27dが、部材内通路28の軸線と吐出孔27aとが側壁27dと平行な直線(吐出孔27aと垂直な直線)で結ばれないように配置されている。つまり、部材内通路28からノズル内通路に供給された内容物が吐出孔27aに直線的に向かわないようにクランク部29eが設けられている。このように内容物を独立して吐出できるようにしても、それぞれの内容物は吐出孔27aから2列並んだ扁平な形状として吐出されるため、それらの混合は容易である。そして、部材内通路28から吐出孔27aまでにクランク部が設けられているため、内容物の勢いを弱めることができ、内容物の飛び散りを防止できる。
【0024】
図5bのノズル内通路27bにもそれぞれの内容物を独立して吐出するための仕切り29bが設けられており、その形状はノズル27の基端27cから開口部(吐出孔27a)に向かって断面積が縮小するように延びるものである。あるいは、仕切り29bは、2つの内容物の流路の中心が開口部近辺(ノズル内通路の外)でクロスするように二等辺三角形状(あるいは等脚台形状)となっている。つまり、それぞれの部材内通路28から吐出孔27aに向かってその空間が広がるように構成されている。これにより、内容物の滞留を防止することができる。
図5cのノズル内通路27bには、ノズル内通路27bの基端27c近辺で内容物の合流を規制し、吐出孔27a近辺(ノズル内通路内)で合流を許す等脚台形状の仕切り29cが設けられている。仕切り29cの形状は、基端27cから開口部(吐出孔27a)に向かって断面積が縮小するように延びるが、吐出孔27aまで延びないものである。これにより、内容物の滞留を防止することができる。また、ノズルの先端の吐出孔27aがカバー部材12よりも前方に位置するように延長している。これにより、吐出物を手のひらなどに吐出しやすくなる。この場合も、
図4のノズル内通路27bと同様に、それぞれの吐出通路を移動する内容物のベクトル同士が交差しないよう平行と構成されている。
【0025】
図6の二液吐出製品30は、2本のエアゾール容器11と、それらを連結する二液吐出装置31とからなる。エアゾール容器11は、
図1のエアゾール容器11と実質的に同じものである。
【0026】
二液吐出装置31は、
図6bに示すように2本のエアゾール容器を嵌着するカバー部材32と、そのカバー部材32に対して略上下するように連結するスパウト部材33とからなる。カバー部材32とスパウト部材33とは連結していないときでもヒンジ34によって一体となっている。しかし、それぞれ別部品としてもよい。
【0027】
カバー部材32は、2本のエアゾール容器を嵌着する嵌着部36と、その嵌着部の外周を囲む外壁部37aおよびその嵌着部を連結する連結部37bとからなる。外壁部37aの上部が上方向に向かって内側にテーパーあるいは滑らかに凹状に湾曲しているガイド部38となっている。このガイド部38は、後述するスパウト部材33の下端39aと摺動するように構成されている。
スパウト部材33は、上面を有した筒状の本体39と、その上面に設けられ、上方に向かって延びる筒状で扁平なノズル40と、そのノズルの両側部の基端から下方に延び、かつ、ノズル40内のノズル内通路40bと連通する2本の部材内通路41と、本体の一方の側面の下端に設けられた操作部42と、本体の他方の側面の下端に設けられたヒンジ34とからなる。
【0028】
本体39は、上面と側面とが湾曲して連結しており、上から見て略楕円状の外形を有している。部材内通路41は、下端がエアゾール容器11のステムと係合するステム装着部41aとなっている。また、2つの部材内通路41の上端から吐出孔40aまでのノズル内通路は扁平な空間を有し、その扁平な空間の開口がそのまま吐出孔40aとなる。これにより、部材内通路41から導入される内容物はノズル内通路の扁平な空間内で拡がるため吐出孔40aから飛び出したりしない。操作部42は、本体39から突出した部位であり、操作部42を本体39に向けて押圧することにより、ヒンジ34を支点としたてこの原理により、本体の下端39aがガイド部38と摺動し、スパウト部材33(ガイド部)が操作部42側に傾く。これにより、ステム装着部41aがエアゾール容器のステムを下方に押圧する。
【0029】
このノズル40も、扁平な開口を有した吐出孔40aを備えているため、2つの内容物を平らな状態で吐出させることができ、掌等で簡単に混ぜることができる。また、このものも部材内通路41内にて合流せず(押し出される内容物のベクトルの向きが平行である)、直接ノズル内通路の扁平な空間に連通しているため、内容物の詰まりが起こりにくく、また、部材内通路41の洗浄も簡単にできる。
【0030】
図7の二液吐出製品50は、2つの内容物がそれぞれ独立して2つの吐出孔から吐出されるものであり、2本のエアゾール容器11と、それらを連結する二液吐出装置51とからなる。エアゾール容器11は、
図1のエアゾール容器11と実質的に同じものである。
【0031】
二液吐出装置51は、2本のエアゾール容器11を装着するカバー部材52と、その中心孔に配置され、カバー部材52に対して上下動自在に配置されるスパウト部材53とからなる。
カバー部材52は、2本のエアゾール容器を嵌着する嵌着部54と、その嵌着部を囲む外壁部55aおよびその嵌着部を連結する連結部55bとからなる。外壁部の相対する長壁の中央上部には後述するノズルと係合するノズル係合部56が形成されており、外壁部の相対する半円壁の上部内面にはスパウト部材53をガイドするガイド突起57がエアゾール容器の軸と平行に設けられている。ノズル係合部56は、外壁部に形成された凹段部56aと、その底の中央から上方に延びるように形成された突出部56bとからなる。
【0032】
スパウト部材53は、
図7c、
図8aに示すように、平行に鉛直方向に延びる2つのノズル61と、それらのノズルの基端を連結するように形成された平面状の操作部62とからなり、ノズル61の上(先)端の吐出孔61aとノズル61の下端のステム装着部61
bとは吐出通路64によって連通されている。ノズル61の側部外周には、前記ガイド突起57と係合する凹み部63が形成されている。このスパウト部材61の吐出通路64は、軸がずれるように鉛直方向平行に設けられた部材内通路65とノズル内通路66とからなり、部材内通路65の上部側面とノズル内通路66の下部側面とがクランク部65a(折れ部)を介して連通している。これにより、内容物の勢いを弱め、内容物の飛び散りを防止している。この実施の形態ではノズル内通路が部材内通路よりも操作部側(内側)に設けられており、吐出物を手のひらなどに取りやすく混ぜやすい。また、ノズル内通路66の下面66aは部材内通路65から離れる方向に下方に傾斜しており、この傾斜による空間が液だまり部66bを構成する。この液たまり部66bにより、吐出後に吐出製品を正立状態に置いたときにノズル内通路66に残った吐出物が部材内通路65側に流れ落ちるのを防止する。さらに、ノズル内通路66は、吐出孔61aに向かって拡径するように構成されている。
また、
図8bのノズル部材53のようにノズル内通路66を部材内通路65よりも内径を大きくすることにより、内容物の飛び散りを一層防止することができる。
【0033】
この二液吐出装置51は、使用しないとき、
図7dに示すようにスパウト部材53を取り外し、カバー部材52に連結させることができる。つまり、ノズルの吐出孔61aが下を向くようにして、ノズル61をノズル係合部56の凹部56aに挿入し、かつ、ノズルの吐出孔61aに突出部56bが挿入されるように、スパウト部材53とカバー部材52とを連結できる。例えば、スパウト部材53を洗浄し、乾燥させる間、これらを連結させることにより、スパウト部材53の紛失を防止できる。このノズル係合部56は、凹部56aのみから構成してもよい。この場合も2本のノズルでカバー部材52を挟むようにしているため、連結することができる。また、ノズル係合部56を設けなくてもよい。
【0034】
図7eにスパウト部材53の他の形態を示す。このスパウト部材53は、それぞれのノズル61の上面が対向するノズル側に向かって傾斜しており、その上面に吐出孔61aが形成されている。つまり、それぞれの吐出孔61aは、対向するノズル側に向かって開口している。そのため、それぞれの吐出孔61aから吐出される2つの内容物は隣接し、手のひらやブラシなど取ることができ、混合しやすい。
【0035】
図9の二液吐出製品70は、二液吐出装置71が、2つの内容物がそれぞれ独立して2つの吐出孔から吐出し、一つの部材から構成されるものである。エアゾール容器11は、
図1のエアゾール容器11と実質的に同じものである。
二液吐出装置71は、エアゾール容器を嵌着する2つの嵌着部75と、それらを連結する連結部76と、それぞれの嵌着部の外周から上方に立ち上がる側壁77と、それぞれの側壁の上端にヒンジ78を介して連結されたノズル79とからなり、ノズル79、嵌着部75、連結部76、嵌着部75、ノズル79の順で一直線に並べられるものである。両ノズル79の外側の外周には、連結フランジ80が設けられており、その一方の上面、他方の下面には係合爪81が形成されている。ノズルの上端には吐出孔79aが形成されており、ノズルの下端にはステム装着部79bが形成されており、それらは通路によって連通している。この通路にも
図8aと同様にクランク部が設けられている。
【0036】
つまり、嵌着部75にエアゾール容器を嵌着させ、嵌着部75に対してノズル79を折り返して、ノズルの下端のステム装着部79bをエアゾール容器のステムに装着し、ノズルの連結フランジ80同士を重ね、係合爪81同士を係合させることにより二液吐出製品70は製造される。このとき、ノズル係合爪80の係合部の上面が操作部となる。この二液吐出装置71は、嵌着部75、連結部76、側壁77によって本願請求項のカバー部材を構成し、2つのノズル部79および連結フランジ80が操作部を構成する。操作部を指で押し下げるとノズルが中心方向に傾きながら吐出され、内容物を手のひらに取りやすく、また混ぜやすくなる。
【0037】
図10に示す二液吐出製品85は、2本のエアゾール容器86と、それらを連結する二液吐出装置87とからなる。エアゾール容器86は、
図1のエアゾール容器11と実質的に同じものである。
【0038】
二液吐出装置87は、2本のエアゾール容器を装着する筒状のカバー部材91(
図10c、d参照)と、その中心孔91aに配置され、カバー部材91に対して上下自在に配置されるスパウト部材92(
図10e、f参照)とからなる。
カバー部材91は、2つの半円を長辺で結んだ形状の中心孔91aの半円部分の内面に上下方向に延びる突条93が半円の中心に向かって4つ形成されたものである。缶装着部21、連結部22a、側壁22b、ガード壁23を含む他の構成は、
図3のカバー部材16と実質的に同じである。この突条93は、スパウト部材92の溝と係合するものであれば、突起等であってもよい。
スパウト部材92は、断面が2つの半円を長辺で結んだ形状となった略直方体の本体92aの半円柱部分の外面に上記突条93を受け入れる溝94が半円柱の中心に向かってそれぞれ2つずつ、合計4つ形成されたものである。本体92aのステム装着部26、ノズル27を含む他の構成は、
図5cのスパウト部材17と実質的に同じものであり、ノズル27内の仕切り29cは、ノズル内通路の基端27c(部材内通路28の端部)から開口側に向かってその断面積が縮小するように、かつ、2つの内容物の合流をノズル内通路の開口近辺で許すように、ノズル内通路の途中(開口より内側)まで延びている。あるいは、仕切り29cが等脚台形状となるように構成されている。そして、それぞれの吐出通路を移動する内容物のベクトル同士が交差しないよう平行に構成されている。
【0039】
このように構成されているため、スパウト部材92の操作部17bを指で押し下げると、スパウト部材92はカバー部材91に対して上下真っ直ぐに押し下げられ、2つのエアゾール容器86を同時に開くことができる。特に、カバー部材91の中心孔91aの半円部分にその半円の中心に向かって突条93を設け、スパウト部材92の半円柱部分にその半円柱の中心に向かって溝94を設けているため、押し下げたときにスパウト部材92がカバー部材91内で前後方向(凹部26a、b方向)にぐらつくのを防止する。さらに、そのような突条93、溝94を2個(複数個)備えているため、スパウト部材のぐらつきを一層防止できる。その結果、2つのエアゾール容器81にかかる力も均等になり、エアゾールバルブのステム等の損傷も防止できる。
本実施形態では、カバー部材91に突条93を設け、スパウト部材92に溝94を設けたが、それぞれ逆に設けても良く、同様の効果が得られる。
【0040】
図11〜
図15の二液吐出装置は、それぞれ
図10の二液吐出装置87の上部に操作レバーを連結させたものである。
図11a、bの二液吐出装置95は、2本のエアゾール容器を装着する筒状のカバー部材91と、その中心孔91aに配置され、カバー部材91に対して上下自在に配置されるスパウト部材92と、そのスパウト部材92を覆うようにカバー部材91に連結される操作レバー96とからなる。カバー部材91は、
図11b、cに示すように、カバー部材の凹部26aの両凹壁の上部に、後述する操作レバー96の係止部97bの係合突起97dとクリップ嵌合できるように係合凹部26dが形成されており、他の構成は、
図10のカバー部材91と実質的に同じものである。このカバー部材91に操作レバー96を連結することにより、カバー部材の凹部26aおよび操作レバー96との間でスパウト部材92のノズル27を通す窓が形成される。
【0041】
操作レバー96は、
図11d、eに示すように、カバー部材91の係合凹部26dに係合される板状の係合部97と、スパウト部材92の上面(操作部17b)を押圧する板状の押圧部98と、係合部97と押圧部98とを連結するヒンジ部99とからなる。この操
作レバー96は、カバー部材91に対して前方にある水平方向の軸(ヒンジ部99)を中心に回動する。
係合部97は、板状の橋掛け部97aと、その両側端から下方に延びる係止部97bと、その両側端から上方に延びる摘み部97cとからなる。係止部97bには外方に突出する係合突起97dが形成されている。
板状の押圧部98には、下面に前後方向に延び、下方に突出した3本の突条98aが形成されている。この突条98aは、左右対称に並ぶように配置されている。この突条98aは、スパウト部材92を左右対称に押圧できるように配置されていれば、その数は特に限定されない。また、押圧部98の後部から後方に延びる押部98bが形成されている。押部の98bの幅は人差し指や親指の幅よりも若干広くなる程度であり、使用者が吐出装置を操作するときに押す位置を2本のステムの中間付近に限定し、スパウト部材が垂直下方に移動できるように操作力を伝達する。
ヒンジ部99は、係合部97の後部と、押圧部98の前部とを繋ぐように形成された樹脂ヒンジである。
【0042】
このように構成されているため、二液吐出装置95の押部98bを下方に押圧することにより、ヒンジ部99を軸に押圧部98が下方向に回動し、スパウト部材92が突条98aを介して左右対称に真っ直ぐ下方に押圧される。つまり、操作レバー96は、使用者が押す位置を限定し、スパウト部材92を左右に傾かせることなく押圧させるためのものである。また、係合部97の左右の摘み部97cを互いが離れるようにして摘むことにより、係止部97bの係止突起97bをカバー部材の係合凹部26dから離れるように橋掛け部97aの平面軸を軸に内側方向に回動させることができる。これにより操作部材96をカバー部材91から容易に取り外すことができ、洗浄等のためスパウト部材92も容易に取り外すことができる。
【0043】
図12a、bの二液吐出装置100は、筒状のカバー部材91と、スパウト部材92と、操作レバー101とからなる。この二液吐出装置100は、
図12b、cに示すように、操作レバー101が、係合部97と、ヒンジ部99とからなり、
図11の操作レバー96と異なり、摘み部を備えておらず、操作レバー101のレバー部98bがカバー部材92の後方より突出しないように構成されている。つまり、二液吐出装置100の外形は、ノズル27を除いて実質的にカバー部材91の外形となるように構成されている。そのため、コンパクトで持ち運びや、包装等がしやすい。他の構成は、
図11の二液吐出装置95と実質的に同じものである。
図12dに示すように、カバー部材91の上部を覆う有底円筒状のキャップ103を設けてもよい。このキャップ103を設けることにより、搬送時等において、カバー部材92および操作レバー101を保護すると共に、操作レバー101の誤作動を防止する。なお、キャップに突出するノズル27を保護するためのヒサシ部を設けても良い。
【0044】
図13a、bの二液吐出装置105は、カバー部材91と、スパウト部材92と、操作レバー106とからなる。カバー部材91は、
図13bに示すように、前側の凹部26aの両凹壁の上部に、後述する回動軸を受け入れる軸受け26eが形成されており、他の構成は、
図10のカバー部材91と実質的に同じものである。また、スパウト部材92は、
図10のスパウト部材92と実質的に同じものである。
操作レバー106は、
図13d〜eに示すように、カバー部材91の前側の凹部26aの軸受け26eに連結される回動軸107と、押圧部108と、回動軸107と押圧部108とを連結する連結部109とからなる。この操作レバー106は、カバー部材91に対して前方にある回動軸107を中心に回動する。押圧部108は、板状のものであり、下面に前後方向に延び、下方に突出した2本の突条108aを有し、押圧部108の後部から後方に延び、かつ、上面から上方に突出する押部108bを有する。
このように構成されているため、
図11の二液吐出装置95と同様に、押部108bを
下方に押圧することにより、回動軸107を軸に押圧部108が下方向に回動し、スパウト部材92を左右対称に押圧することができる。
【0045】
図14a、bの二液吐出装置110は、カバー部材91と、スパウト部材92と、操作レバー111とからなる。カバー部材91は、カバー部材の後側の凹部26bの両凹壁の上部に、後述する回動軸を受け入れるように軸受け26gが形成されており、他の構成は、
図10のカバー部材91と実質的に同じものである。
操作レバー111は、
図14d〜eに示すように、カバー部材91の後側の凹部26bの軸受け26gに係合される回動軸112と、押圧部113と、回動軸112と押圧部113とを連結する連結部114とからなる。この操作レバー111は、カバー部材91の後側の軸受けに連結される回動軸112を中心に回動する。押圧部113は、板状のものであり、下面に前後方向に延び、下方に突出した2本の突条113aを有し、押圧部113の前部から前方に延び、かつ、上面から上方に突出する押部113bを有する。
このように構成されているため、押部113bを下方に押圧することにより、回動軸112を軸に押圧部113が下方向に回動し、スパウト部材92を左右対称に真っ直ぐ下方に押圧することができる。
【0046】
図15a、bの二液吐出装置115は、作動防止機構を備えたカバー部材116と、スパウト部材92と、操作レバー111とからなる。スパウト部材92および操作レバー111とは、
図14の二液吐出装置110のスパウト部材92および操作レバー111と実質的に同じものである。
カバー部材116は、カバー部材本体117と、そのカバー部材本体の上部に取り外し可能に連結されるロック片118とからなる。
【0047】
カバー部本体117は、
図15c、dに示すように、エアゾール容器を嵌着する2つの嵌着部(図示せず)と、それらを連結する連結部(図示せず)と、その2つの嵌着部を囲む外壁117aと、その外壁の両側の上面から上方に突出する断面円弧状の係止壁117bとを有する。嵌着部、連結部は、
図3の嵌着部21および連結部22aと実質的に同じものである。外壁117aは、相対する半円を長辺で連結した形状を有する中心孔を有する筒状体である。
ロック片118は、前方を除いて外壁117aを覆うように連結される、略C字状のものであり、両側脚部118aと、それらを繋ぐ橋部118bとからなる。ロック片118は、外壁117aの上面に対して前後方向にスライドが可能となるように構成されている。そして、そのとき、側脚部118aは前記係止壁117bを覆うようにしてスライドする。また、ロック片118は、カバー本体117の前方(
図15e参照)からも、後方から(
図15d参照)もスライド可能となっている。
【0048】
この二液吐出装置115は、操作レバー111の作動を許す作動状態と(
図15a参照)、操作レバー111の作動を妨げる作動防止状態(
図15e、f参照)とを呈する。
図15e、fにおいて、斜線図は、操作レバー111を示す。
図15aの作動状態の二液吐出装置115は、上述したようにロック片118をカバー部本体117の後方から前方に向けてスライドさせたものである。
図15e、fの作動防止状態の二液吐出装置115は、ロック片118をカバー部本体117aの前方から後方に向けてスライドさせたものである。この状態では、ロック片118の橋部118bがスパウト部材92のノズル27の上面と、操作レバー111の押圧部113の間に配置される。これにより、押圧部113を下方に押圧しても橋部118bによりその押圧部113の下方への移動が妨げられる。
このように二液吐出装置115は、ロック片118の連結位置によって作動状態と、作動防止状態とを呈する。他の構成は、
図14の二液吐出装置110と実質的に同じものであり、スパウト部材92を左右対称に押すためのものである。
【0049】
図16の二液吐出装置120は、筒状のカバー部材91と、スパウト部材92と、そのスパウト部材92を覆うようにカバー部材91に連結される操作レバー121とからなる。カバー部材91は、
図16c、dに示すように、カバー部材の凹部26bの両凹壁の上部に後述する操作レバー121の回動軸と連結する軸受け26gが形成されており、さらに、内面に操作レバー121を支持する内壁26hが形成されており、他の構成は、
図10のカバー部材91と実質的に同じものである。また、スパウト部材92も、
図10のスパウト部材92と実質的に同じものである。
操作レバー121は、カバー部材91の上端を覆うものであり、内壁26hの上面に支持され、後部が開口した略C字状の支持板121aと、その支持板121aの中央に設けられる押部121bと、支持板121aと押部121bとを連結するヒンジ部121cと、支持板121aの後側の端部に設けられる水平軸121dとからなる。ヒンジ部121cは、支持板121aの前部の内縁に後方に向かって設けられている。つまり、押部121cは、カバー部材91の前方にある水平方向の軸(ヒンジ部121c)を中心に上下に回動する。一方、操作レバー121は、水平軸121dをカバー部材91の後方の凹部26bの軸受けに連結することによりカバー部材91に連結される。そして、その水平軸121dを軸に回動自在となっている。つまり、操作レバー121は、カバー部材91の後方にある水平軸121dを中心に上下に回動する。
このように構成されているため、操作レバー121を上方向に回動させることにより、カバー部材91の中心孔91aを開放することができる。そのため、スパウト部材92の取り外しが可能となり、スパウト部材92の洗浄等が可能となる。一方、二液吐出装置120を作動させるときは、操作レバー121をカバー部材91の内壁26gに支持させ、押部121cを下方に押圧することにより、スパウト部材92を左右対称に押し下げることができる。
【0050】
これまでの実施形態では、2つのエアゾール容器を備えた二液吐出製品を開示している。
図17に示す二液吐出製品130は、2つのバルブ機構を備えた1つのエアゾール容器131と、そのエアゾール容器に連結される二液吐出装置132とからなる。
エアゾール容器131は、
図18に示すように、容器本体136と、その開口部に取り付けられたバルブアッセンブリ137とからなる。
バルブアッセンブリ137は、2つの独立したエアゾールバルブ14と、それらのエアゾールバルブ14を支持するバルブホルダー138と、エアゾールバルブおよびバルブホルダーを覆うようにして容器本体に取り付けられるマウンテンカバー139とからなる。マウンテンカバー139の先端を容器本体に向かってカシメてエアゾール容器131の環状の凹部131aが形成される。また、バルブアッセンブリ137のバルブホルダー138の下部外周と容器本体136の内面との間には、O−リング(環状シール材)140が設けられている。エアゾールバルブ14は、
図1のエアゾールバルブと実質的に同じものである。
ここでは、2つのエアゾールバルブ14を備えたエアゾール容器131を開示しているが、例えば、特許文献3に示すように、一つのエアゾールバルブに2つのバルブ機能を備えたエアゾール容器を用いても良い。
【0051】
二液吐出装置132は、エアゾール容器11のバルブアッセンブリ137に連結されるカバー部材141と、その中心孔に配置され、カバー部材141に対して上下動自在に配置されるスパウト部材142とからなる。
カバー部材141は、エアゾール容器の凹部131aと連結する円筒状の缶装着部146と、その缶装着部の外周に設けられ、エアゾール容器131の上部を覆う円筒状の保護部147と、缶装着部146の内周に設けられ、スパウト部材142の上下動を許す円筒状のガイド部148と、缶装着部146と保護部147とガイド部148を連結する連結
部149とからなる。
【0052】
スパウト部材142は、
図17cに示すように、ノズル内通路27aが仕切り155を備え、2つの内容物を独立して吐出できるように構成されている以外は、実質的に
図1のスパウト部材17と同じものである。つまり、外形の両端が半円柱となった略直方体であり、それぞれエアゾール容器131のエアゾールバルブ14のステム14cに装着され、カバー部材141のガイド部138に上下移動自在に挿入される。そして、この構成は、2個のステム装着部26(
図17b参照)と、側面上部に前方に突出して形成された筒状のノズル27(
図17a、c、d参照)とを有し、かつ、それぞれのステム装着部26と連通する2本の部材内通路28(
図17b参照)と、それぞれの部材内通路28から吐出孔27aとを連通するノズル内通路27b(
図17a、b参照)とからなる吐出通路を有する。
【0053】
図1のスパウト部材17、
図5a〜cのスパウト部材17を、
図17のスパウト部材142の代わりに用いても良い。
また、
図1、
図6、
図7、
図9、および
図10の二液吐出製品の2本のエアゾール容器11を、
図18のような2つのバルブ機構を備えたエアゾール容器131に代えてもよい。この場合、それぞれ2つある缶装着部36、54、75をエアゾール容器96と装着できる1つの缶装着部と設計することにより達成される。