【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例である簡体字・正字変換装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1において、簡体字・正字変換装置100は、入力手段1、検索条件受付手段2、格納手段3、簡体字−正字変換手段4、画面表示手段5及び出力手段6を備える。簡体字−正字変換手段4、画面表示手段5及び出力手段6は、通信手段10によってそれぞれが接続される。
【0022】
入力手段1は、簡体字情報入力がされるようになっている。この簡体字情報入力としては、手書き文字情報、ピンイン情報及び特殊文字番号情報が入力されるようになっている。以下、手書き文字情報、ピンイン情報及び特殊文字番号情報を簡体字情報と総称する。
【0023】
入力手段1としては、例えば、パーソナルコンピュータに接続されるキーボードやマウスのような入力インターフェース等が用いられる。以下、パーソナルコンピュータをPCと略称し、インターフェースをI/Fと略称する。
【0024】
手書き文字情報は、例えば、マウス等の入力I/Fによる直接描画動作により描画形成されて入力される文字、即ち手書き文字の情報を含んでいる。
【0025】
ピンイン情報は、簡体字のピンインの読みがローマ字表記法にて記載されるアルファベット文字の情報を含む。例えば、“ri”、“ben”である。このピンイン情報は、上記キーボード等の入力I/Fによって入力される。
【0026】
特殊文字番号情報は、予め定められている“E697A5”や“65E5”というように英数字で表現されるUnicodeや外国人登録特殊文字番号等の情報を含む。
【0027】
また、簡体字情報としては、検索する文字の部首、読み、番号、画数を入力することもできる。ここで、番号とは、簡体字に予め割り当てられて登録されている数値を示す。
【0028】
尚、上記簡体字情報を入力できるものであれば、別の入力I/Fを用いてもよい。
【0029】
上記入力された簡体字情報は、検索を行う簡体字の検索条件となる。検索条件受付手段2は、入力手段1より入力された手書き文字を含む入力された簡体字情報の検索条件を受け付け、この検索条件の文字の形、部首、読み、画数、コード、番号のいずれかに対応した検索キーに変換する。このように、検索条件受付手段2によって簡体字情報が持つ、検索に用いるための検索キーが設定される。
【0030】
格納手段3は、簡体字30及びこの簡体字に対応して日本国法務省が公表する、外国人居住者が住民票に登録可能な正字を対応づけて収録する簡体字−正字テーブル31を格納する。
【0031】
簡体字一正字変換手段4は、簡体字から正字への交換をおこなう。具体的には、上記入力された手書き文字を含む入力された簡体字情報が持つ検索キーから複数の簡体字候補を検索し、検索された複数の簡体字候補から選択された簡体字を特定し、簡体字−正字テーブルを参照して、選択されて特定された簡体字にそれぞれ対応する複数の正字を正字候補として検索し、この正字候補から選択された1つの正字を特定することで行う。
【0032】
なお、入力された簡体字情報が持つ検索キーから複数の簡体字候補の検索は、格納手段3に格納された簡体字を検索することで行う。
【0033】
検索された複数の簡体字候補からの簡体字の選択や検索された正字候補の選択は、例えば、マウス等の入力I/Fによって行われる。
【0034】
また、簡体字一正字変換手段4は、上記簡体字候補、正字候補の画面表示指示を行う。
【0035】
画面表示手段5は、1つの画面上に、手書き文字による簡体字情報を含む簡体字情報を表示する簡体字情報画面部51、検索された複数の簡体字候補を表示し、かつ選択されることで特定した簡体字を表示する簡体字表示画面部52、検索された正字候補を表示する正字候補表示画面部53及び選択されて特定された正字を表示する正字表示画面部54を表示する。
【0036】
出力手段6によって、上記特定された1つの正字が出力される。この出力は、例えば、入力I/FによってPCのクリップボード領域に出力されることで行われる。
【0037】
図2は、
図1の簡体字・正字変換装置100に用いられるハードウェア構成の概略図である。
図2において、ハードウェア構成は、一般的なものであり、CPU91、入力装置92(
図1の入力手段1に該当する。)、画面表示装置(
図1の画面表示手段5に該当する。)、ネットワークインターフェース94、外部記憶装置95(
図1の格納手段3に該当する。)、出力装置96(
図1の出力手段6に該当する。)、RAM97及びROM98がバス99(
図1の通信手段10に該当する。)を介して接続される。
【0038】
図2において、CPU91は、データの入出力、データの送受信等を行うため、バス99を介して接続された各種機器を制御する。バス99を介して、バス99に接続された機器間相互のアドレス信号、制御信号および各種のデータの転送が行われる。
【0039】
図3は、本発明の実施例である簡体字・正字変換装置100で用いる簡体字−正字テーブル31を表で示す図である。簡体字−正字テーブル31は、
図3に示すように、簡体字32に対応する形で、正字33及び住基統一文字コード34が併記されている。
【0040】
簡体字32は、文字コード(簡体字コード)と、この文字コードに対応する例示字体が記載される。
【0041】
正字33は、文字コード(正字コード)と、この文字コードに対応する字体、備考が記載される。この備考には、字体についての常用漢字か補助漢字か当の情報が記載される。
【0042】
住基統一文字コード34は、正字33に対して、字形が一致する住基統一文字コード、正字のコードが一致する住基統一文字コード、その他特定の箇所の字形が一致する住基統一文字コード等、それぞれの条件に該当する住基統一文字コードが併記される。
【0043】
これら、簡体字コード、正字コード及び住基統一文字コードは、“3400”や“4E94”というように英数字コードで表現される。
【0044】
図4は、本発明の実施例である簡体字・正字変換装置における画面表示手段5の表示例を示す図である。
【0045】
簡体字情報画面部51には、属性入力エリア55と手書き入力エリア56がある。属性入力エリア55はテキスト入力エリアで構成される。
【0046】
属性入力エリア55は、国籍選択エリア71、読み入力エリア72、部首情報入力エリア73、画数範囲入力エリア74及び文字番号入力エリア75を有する。読み入力エリア72に検索するピンイン情報を、若しくは部首情報入力エリア73に検索する特殊文字番号情報の簡体字情報や文字の部首、読み、番号、画数が使用者によってキーボード等の入力I/Fを介して入力される。これら入力される情報が検索条件受付手段2によって検索キーとして変換される。
【0047】
国籍選択エリア71の選択により、読み入力エリア72に入力する言語を国籍毎に入力できるようになる。なお、本実施例の読み入力エリア72は4つあるが、一つの画面上で表示できる範囲において少なくしても多くしてもよい。
【0048】
手書き入力エリア56には、使用者のマウス等による入力I/Fによる描画作業によって、簡体字の手書き文字入力を行うことができる。なお、使用者がマウス等による入力I/Fにより全消去ボタン57を押すことにより、入力した手書き文字を削除することができる。また、手書き入力属性選択エリア76によって、入力する手書き文字の字体を太字、標準、細字と選択することができる。
【0049】
また、上記入力した検索条件である手書き文字を含む簡体字情報は、使用者が手書検索ボタン58又は属性検索ボタン59を押すことにより、簡体字−正字変換手段4によって複数の簡体字候補が検索される。
【0050】
この際、使用者が絞込検索ボタン60を押すことで、簡体字−正字変換手段4によって上記した文字の形、部首、読み、画数、コード、番号のいずれかを組み合せた検索キーによる簡体字候補の検索、入力された手書き文字を含む2つ以上の簡体字情報によって簡体字候補を絞っての検索が行われる。使用者が条件消去ボタン61を押すと、属性入力エリア55に入力した情報が消去される。
【0051】
簡体字表示画面部52は検索された複数の簡体字候補を表示する。使用者がマウス等の入力I/Fによって表示された複数の簡体字候補からいくつか選択する。この使用者の選択により、簡体字−正字変換手段4が簡体字を特定する。これら特定された簡体字は、白抜き文字として表示される。また、この特定された簡体字について、表示領域77においてUnicodeが表示される。なお、検索結果の複数の簡体字候補は、手書き検索結果件数入力エリア79への入力により、手書き入力による検索結果の表示数が設定できる。
【0052】
正字候補表示画面部53には、特定された簡体字に対応する複数の正字候補が表示される。なお、図示しないが使用者のマウス等のI/Fのクリック作業により一つの正字が選択される。この選択により、簡体字−正字変換手段4が一つの正字を特定する。この特定された正字は白抜き文字として表示される。
【0053】
正字表示画面部54には、選択されて特定された正字を表示する。また、この特定された正字は、表示領域78においてUnicodeが表示される。
【0054】
正字優先順位表示部65には、正字表示画面部54に表示されている正字の優先順位が表示される。尚、正字表示画面部54には、検索結果の表示時に、優先順位が1位の正字情報を自動表示するようになっている。
【0055】
使用者が確定ボタン61を押すことにより、出力手段6が上記特定された一つの正字をクリップボードにコピーされる等して出力する。
【0056】
使用者が戻るボタン63により、簡体字・正字変換装置100の検索画面の前画面に戻ることができる。また、使用者が字形比較ボタン64をおすことにより、手書き入力文字の字形比較機能を動作することができる。
【0057】
図5は、
図4の本発明の実施例である簡体字・正字変換装置における手書き文字入力の検索による正字出力の例を示す図である。この例は、手書き入力エリア56にて、使用者がマウス等の入力I/Fにより手書き入力をして、手書検索ボタン58をクリック動作により押すことで正字出力を行う例である。
【0058】
この例の場合、検索条件受付手段2は、入力された手書き文字の検索条件を受け付け、対応した検索キーに変換する。次に、この検索キーによりから格納手段3に格納されている簡体字から複数の簡体字候補を検索する。次に、簡体字表示画面部52は検索された複数の簡体字候補52Aを表示する。これら表示された複数の簡体字候補から、使用者はマウス等のI/Fによって簡体字を選択する。この選択によって簡体字が特定される。
【0059】
次に、簡体字−正字変換手段4が、簡体字−正字テーブルを参照して、特定された簡体字にそれぞれ対応する複数の正字を正字候補として検索する。次に、正字候補表示画面部53に、特定された簡体字に対応する複数の正字候補が表示される。
【0060】
使用者は、この正字候補から1つの正字を選択する。この選択によって、簡体字−正字変換手段により正字が特定される。これにより、正字表示画面部54に、特定された正字が表示される。使用者は、確定ボタンをクリックすることにより、出力手段6が特定された正字のクリップボード領域のコピーを行う。以上により、正字出力が完了する。
【0061】
図6は、
図4の本発明の実施例である簡体字・正字変換装置における手書き文字入力とピンイン入力を組合せた絞込検索による正字出力の例を示す図である。この例は、手書き入力エリア56にて、使用者がマウス等の入力I/Fにより手書き入力をし、更に、属性入力エリア55の読み入力エリア72にて、使用者がキーボード等の入力I/Fにより文字(この例の場合はピンインである“ma”)の簡体字情報の入力をして、絞込検索ボタン58をクリック動作により押すことで正字出力を行う例である。
【0062】
この例の場合、検索条件受付手段2は、入力された手書き文字及び読み入力エリア72による簡体字情報の検索条件を受け付け、それぞれ対応した検索キーに変換する。次に、これら検索キーをアンド条件として、即ち絞り込み検索の条件として格納手段3に格納されている簡体字から複数の簡体字候補を検索する。次に、簡体字表示画面部52は検索された複数の簡体字候補52Aを表示する。これら表示された複数の簡体字候補から、使用者はマウス等のI/Fによって簡体字を選択する。この選択によって簡体字が特定される。
【0063】
次に、簡体字−正字変換手段4が、簡体字−正字テーブルを参照して、特定された簡体字にそれぞれ対応する複数の正字を正字候補として検索する。次に、正字候補表示画面部53に、特定された簡体字に対応する複数の正字候補が表示される。
【0064】
使用者は、この正字候補から1つの正字を選択する。この選択によって、簡体字−正字変換手段により正字が特定される。これにより、正字表示画面部54に、特定された正字が表示される。使用者は、確定ボタンをクリックすることにより、出力手段6が特定された正字のクリップボード領域のコピーを行う。以上により、正字出力が完了する。
【0065】
なお、この
図6に示す絞込検索の例では、検索される簡体字候補が絞り込みにより減少することになり、簡体字表示画面部52に表示される複数の簡体字候補52Aの文字数は
図5に示すような検索と比較して減少する。従って、使用者は、この絞込検索をおこなうことによって、簡体字の選択が簡便となる。
【0066】
以上のように、本発明の実施例である簡体字・正字変換装置100は、漢字情報の検索条件を入力する簡体字情報画面部51、簡体字候補の検索結果を表示する簡体字表示画面部52、簡体字候補に対応する正字候補を表示する正字候補表示画面部53そして特定された一つの正字を表示する正字表示画面部54を1つの画面上に表示している。
【0067】
このようにすることで、簡体字情報の検索条件を入力する画面と検索される簡体字候補とこの簡体字候補から選択した簡体字に対応する正字候補と正字候補から選択された正字が一つの画面上に表示されるので、使用者は、検索された複数の簡体字候補から簡体字の選択と、表示された正字候補から一つ正字の選択の2つの選択動作を一つの画面上で行うことができるので、使用者にとって、正字化作業に対して有効であり、短時間で正字化作業を実施することができ、もって自治体にとって作業負担を減らすことができる。
【0068】
図7は、本発明の実施例である簡体字・正字変換の手順を示すフローチャート図である。次に、本実施例の簡体字・正字変換装置による簡体字・正字変換方法について
図7を用いて以下に説明する。
【0069】
まず、簡体字情報の入力を行う(S1)。この際、入力された簡体字情報が簡体字情報画面部51に表示される(S11)。
【0070】
入力された簡体字情報の検索条件の受付をする(S2)。
【0071】
検索条件の文字の形、部首、読み、画数、コード、番号、いずれかに対応した検索キーに変換する(S3)。
【0072】
変換された検索キーから複数の漢字候補を検索する(S4)。この際、検索された簡体字候補が簡体字表示画面部52表示される(S41)。
【0073】
検索された複数の簡体字候補から選択された簡体字を特定する(S5)。この際、特定された幾つかの簡体字が簡体字表示画面部52表示される(S51)。
【0074】
特定された簡体字にそれぞれ対応する複数の正字を正字候補として検索する(S6)。この際、検索された正字候補が正字候補表示画面部53に表示される(S61)。
【0075】
検索された正字候補から選択された一つの正字候補を特定する(S7)。この際、特定された一つの正字が正字表示画面部54に表示される。
【0076】
特定した一つの正字を出力する(S8)。
【0077】
本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、上記した文字の形、部首、読み、画数、コード、番号のいずれかを組み合せた検索キーによって簡体字候補を検索するようにしてもよい。
【0078】
本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、また、上記簡体字−正字変換手段が、入力された手書き文字を含む2つ以上の簡体字情報によって簡体字候補を絞って検索するようにしてもよい。
【0079】
本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、また、画面上に表示した確定ボタンにタッチすると、正字表示画面部に表示された正字がクリップボードにコピーされるようにしてもよい。
【0080】
本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、上述したように構成されているので、正字化作業に対して有効で、短時間で正字化作業を実施することができ、もって自治体にとって作業負担を減らすことができる。
【0081】
なお、上記した本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、前記簡体字一正字変換手段が、入力された手書き文字を含む入力された簡体字情報が持つ検索キーから複数の簡体字候補を検索し、検索された複数の簡体字候補から選択されたいくつかの簡体字を特定し、簡体字−正字テーブルを参照して、選択されて特定されたいくつかの簡体字にそれぞれ対応する複数の正字を正字候補として検索し、該正字候補から選択された1つの正字を特定し、前記画面表示手段が、1つの画面上に、手書き文字による簡体字情報を含む簡体字情報を表示する簡体字情報画面部、検索された複数の簡体字候補を表示し、かつ選択されることで特定したいくつかの簡体字を表示する簡体字表示画面部、検索された正字候補を表示する正字候補表示画面部及び選択されて特定された正字を表示する正字表示画面部を表示するようにしてもよい。
【0082】
また、本発明の実施例の簡体字・正字変換装置及び簡体字・正字変換方法は、Webサーバ側よりネットワーク等の通信手段を介してローカル側のユーザー側の端末の画面表示手段によって提供してもよい。