(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させた後に前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、所定の待機時間が経過した場合に、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する前記固体燃料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部とを備える固体燃料粉砕装置の制御方法であって、
前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を開始させる供給開始工程と、
前記供給開始工程による前記固体燃料の供給が開始されてから所定時間が経過するまでに前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第1検出工程と、
前記第1検出工程が、前記固体燃料の粉砕の開始を検出しない場合に、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を停止させることなく前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させる供給停止工程と、
前記供給停止工程により前記固体燃料の供給が停止された後に前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第2検出工程と、
前記第2検出工程が前記固体燃料の粉砕の開始を検出したことに応じて前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御する供給再開工程と、
を備えることを特徴とする固体燃料粉砕装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料供給部が、水分を多く含む石炭等の固体燃料を回転テーブルの中央部に供給する場合、回転テーブルの中央部に固体燃料が堆積し、回転テーブルが回転する際の遠心力が固体燃料に加わっても固体燃料が回転テーブルの外周部へ移動しにくくなるという問題が発生する。
この問題は、ボイラを起動する起動時に特に顕著である。それは、固体燃料粉砕部に供給される一次酸化性ガスを、バーナ部を備えるボイラの排出ガスの熱を利用して予熱する場合、ボイラを起動する際にボイラが十分に暖まっておらず、一次酸化性ガスの予熱が不十分となるからである。十分に予熱されていない一次酸化性ガスが供給される回転テーブルでは、水分を多く含む固体燃料が回転テーブルの中央部に堆積しやすい。
そして、回転テーブルの中央部に固体燃料が堆積した状態で燃料供給部から更に固体燃料が供給され、その後に回転テーブルの中央部から外周部に大量の固体燃料がまとめて移動すると、大量の微粉燃料がバーナ部に供給され、ボイラの蒸気温度および蒸気圧力が急上昇してしまうという問題が発生する。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水分を多く含む石炭等の固体燃料を粉砕する場合に、回転テーブルの中央部に堆積した大量の固体燃料がまとめて粉砕されて、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる固体燃料粉砕装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明に係る固体燃料粉砕装置は、駆動源からの駆動力により回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する
前記固体燃料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された
前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記ローラにより粉砕された
前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部と、前記ローラが前記燃料供給部により供給された
前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する検出部と、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給と、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給開始からの経過時間と前記検出部による前記固体燃料の粉砕開始の検出情報に基づき、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風状態と、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給状態を制御することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る固体燃料粉砕装置によれば、燃料供給部による固体燃料の供給開始からの経過時間と検出部による固体燃料の粉砕開始の検出情報に基づき、一次送風部によるローラへの一次酸化性ガスの送風状態と、燃料供給部による固体燃料の供給状態が制御される。
このようにすることで、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブルの中央部分に大量に堆積してしまう場合であっても、ローラへの一次酸化性ガスの送風状態と固体燃料の供給状態を適切に制御し、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる。
【0008】
本発明の第1態様の固体燃料粉砕装置は、前記制御部が、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を開始させてから所定時間経過しても前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出しない場合に、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を停止させることなく前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させ、前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出したことに応じて前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする。
【0009】
本発明の第1態様の固体燃料粉砕装置によれば、燃料供給部による固体燃料の供給が開始されてから所定時経過しても固体燃料の粉砕の開始が検出されない場合に、一次送風部によるローラへの一次酸化性ガスの送風を停止させることなく燃料供給部による固体燃料の供給を停止させる。また、その後に固体燃料の粉砕の開始が検出されたことに応じて燃料供給部による固体燃料の供給が再開される。
【0010】
このようにすることで、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブルの中央部分に大量に堆積してしまうことを防止するとともに、適切なタイミングで燃料供給部による固体燃料の供給を再開することができる。したがって、水分を多く含む固体燃料を粉砕する場合に、回転テーブルの中央部に堆積した大量の固体燃料がまとめて粉砕されて、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる。
【0011】
本発明の第2態様の固体燃料粉砕装置は、操作者による前記固体燃料の供給再開指示を受け付ける受付手段を備え、前記制御部が、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させた後に前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、前記受付手段が前記供給再開指示を受け付けた場合に、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2態様の固体燃料粉砕装置によれば、燃料供給部による固体燃料の供給が停止した後に固体燃料の粉砕が検出され、更に操作者による固体燃料の供給再開指示が受け付けられた場合に、燃料供給部による固体燃料の供給を再開させる。このようにすることで、操作者が固体燃料の粉砕の状況を目視等により確認して操作者が供給再開指示をするまでは、燃料供給部による固体燃料の供給を再開させないようにすることができる。
【0013】
本発明の第3態様の固体燃料粉砕装置は、前記制御部が、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させた後に前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、所定の待機時間が経過した場合に、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする。このようにすることで、固体燃料の供給を停止させた後に検出部が固体燃料の粉砕の開始を検出した場合であっても、ボイラ等の運転が安定するまでの所定の待機時間が経過するまでは、燃料供給部による固体燃料の供給を再開させないようにすることができる。
【0014】
本発明の第4態様の固体燃料粉砕装置は、前記駆動
部が、電動モータ
を含み、前記検出部は、前記電動モータに供給される電流の電流値が所定値を上回った場合に、前記ローラが前記燃料供給部により供給された
前記固体燃料の粉砕を開始したと検出することを特徴とする。このようにすることで、回転テーブルを回転させる電動モータに供給される電流の電流値に基づいて、固体燃料の粉砕の開始を検出することができる。
【0015】
本発明の第5態様の固体燃料粉砕装置は、前記検出部は、前記回転テーブルに対して前記ローラが所定距離以上離れた場合に、前記ローラが前記燃料供給部により供給された
前記固体燃料の粉砕を開始したと検出することを特徴とする。このようにすることで、回転テーブルに対するローラの位置に基づいて、固体燃料の粉砕の開始を検出することができる。
【0016】
本発明に係る固体燃料粉砕装置の制御方法は、駆動源からの駆動力により回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する
前記固体燃料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された
前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記ローラにより粉砕された
前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部とを備える固体燃料粉砕装置の制御方法であって、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を開始させる供給開始工程と、前記供給開始工程による前記固体燃料の供給が開始されてから所定時間が経過するまでに前記ローラが前記燃料供給部により供給された
前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第1検出工程と、前記第1検出工程が、前記固体燃料の粉砕の開始を検出しない場合に、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を停止させることなく前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させる供給停止工程と、前記供給停止工程により前記固体燃料の供給が停止された後に前記ローラが前記燃料供給部により供給された固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第2検出工程と、前記第2検出工程が前記固体燃料の粉砕の開始を検出したことに応じて前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御する供給再開工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る固体燃料粉砕装置の制御方法によれば、燃料供給部による固体燃料の供給が開始されてから所定時経過しても固体燃料の粉砕の開始が検出されない場合に、一次送風部によるローラへの一次酸化性ガスの送風を停止させることなく燃料供給部による固体燃料の供給を停止させる。また、その後に固体燃料の粉砕の開始が検出されたことに応じた燃料供給部による固体燃料の供給が再開される。
【0018】
このようにすることで、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブルの中央部分に大量に堆積してしまうことを防止するとともに、適切なタイミングで燃料供給部による固体燃料の供給を再開することができる。したがって、水分を多く含む石炭等の固体燃料を粉砕する場合に、回転テーブルの中央部に堆積した大量の固体燃料がまとめて粉砕されて、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水分を多く含む石炭等の固体燃料を粉砕する場合に、回転テーブルの中央部に堆積した大量の固体燃料がまとめて粉砕されて、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる固体燃料粉砕装置およびその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態の固体燃料粉砕装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、第1実施形態の固体燃料粉砕装置を示す構成図である。
第1実施形態の固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10と、燃料粉砕部10に固体燃料を供給する燃料供給部36と、燃料粉砕部10に送風される一次酸化性ガスを予熱する酸化性ガス予熱器40と、酸化性ガス予熱器40により予熱された酸化性ガスを一次酸化性ガスとして燃料粉砕部10に送風する一次酸化性ガスファン90を備える。また、固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10から供給される微粉燃料を燃焼させるバーナ部110を含む微粉燃料ボイラ60を備える。また、固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10、燃料供給部36、押込ファン80、一次酸化性ガスファン90などの固体燃料粉砕装置1の各部を制御する制御部50を備える。
【0022】
次に、固体燃料粉砕装置1における酸化性ガスの流れについて説明する。
固体燃料粉砕装置1の外部の酸化性ガスは、押込ファン80により流路100から流入する。押込ファン80により流路100から流入した酸化性ガスの一部は流路101から酸化性ガス予熱器40を経由して予熱され、予熱された酸化性ガスが流路109を経由してバーナ部110へ供給される。この流路109を経由してバーナ部110へ供給される酸化性ガスは、二次酸化性ガスとしてバーナ部110における微粉燃料の燃焼に用いられる。
【0023】
押込ファン80により流路100から流入した酸化性ガスの他の一部は、一次酸化性ガスファン90に流入し、一次酸化性ガスファン90により流路102aへ送風される。流路102aへ送風された酸化性ガスは、その一部が酸化性ガス予熱器40にて予熱され、予熱された酸化性ガスが流路103を経て流路102bに合流する。流路102aへ送風された酸化性ガスの他の一部は、酸化性ガス予熱器40を経ずに流路102bに送風される。流路102aと流路103が合流する位置では、酸化性ガス予熱器40により予熱された酸化性ガスと酸化性ガス予熱器40による予熱がされていない酸化性ガスとが混合し、流路102bを介して燃料粉砕部10へ送風される。
【0024】
流路102aを通過する酸化性ガスと流路103を通過する酸化性ガスは、合流位置にて混合した後に燃料粉砕部10へ流入する。燃料粉砕部10へ流入した酸化性ガス(一次酸化性ガス)は、後述するように、燃料粉砕部10にて微粉燃料と混合し、供給流路105を経て、バーナ部110に供給される。バーナ部110では、燃料粉砕部10から供給される微粉燃料の混合酸化性ガスを一次酸化性ガスとし、酸化性ガス予熱器40から供給される酸化性ガスを二次酸化性ガスとし、微粉燃料の燃焼が行われる。
【0025】
ボイラ60では、バーナ部110での微粉燃料の燃焼により発生した熱を、蒸気管(不図示)を流通する蒸気に与えることにより熱交換を行う。高温となった蒸気は蒸気タービン(不図示)を回転させる動力として用いられる。ボイラ60からは、高温の燃焼ガスが流路112を介して酸化性ガス予熱器40に供給された後、流路111を経て固体燃料粉砕装置1の外部へ排出される。高温の燃焼ガスを、流路112を介して酸化性ガス予熱器40に供給しているのは、酸化性ガスを予熱する熱源として高温の燃焼ガスを用いるためである。
【0026】
次に、
図2を用いて燃料粉砕部10を詳細に説明する。
図2は、第1実施形態の固体燃料粉砕部を示す断面図である。
燃料粉砕部10は、略円筒形状の中空のハウジング11と、ハウジング11内の下部に配置され、上下方向に延在する軸線周りに回転可能に取り付けられた回転テーブル12と、回転テーブル12の外周部12bに押圧され回転テーブル12と協働して固体燃料を粉砕するローラ(粉砕部)13と、回転テーブル12を回転させる駆動部14と、電源装置200を備える。駆動部14は電動モータと減速機を含み、電動モータの回転数を減速させる減速機が回転軸15を介して回転テーブル12の中心部12aに接続されている。また、駆動部14は、電源装置200から電源ケーブル200bを介して電力が供給され、供給された電力により電動モータが動作する。電源装置200は、駆動部14に供給する電流(電動モータに流れる電流)の電流値を検出する検出部(電流検出センサ)200aを備える。制御部50が、電源装置200に対して電流検出の指示をすると、電源装置200は検出部200aにて検出される電流値を制御部50に通知する。
【0027】
また、燃料粉砕部10は、ハウジング11内の上部に配置された分級部16と、ハウジング11の上端を貫通するように取り付けられ上部から投入される固体燃料を回転テーブル12の中央部12aに供給する固体燃料投入部17とを備える。ハウジング11の下端部は流路102bに連通しており、流路102bからハウジング11の下端部に一次酸化性ガスが流入する。ハウジング11は、床18に設置された一対の直方体形状のコンクリート製のブロック19の上面に固定されている。
【0028】
図2では、ローラ13が1つのみ示されているが、回転テーブル12の外周部12bを押圧するように、外周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ13が配置される。例えば、外周部12b上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ13が配置される。この場合、3つのローラ13が回転テーブル12の外周部12bと接する部分(押圧する部分)は、回転テーブル12の中心部12aからの距離が等距離となる。
【0029】
回転テーブル12の外側の複数箇所には、流路102bから流入する一次酸化性ガスをハウジング11内の回転テーブル12の上方の空間に流出させる酸化性ガス吹出口32が設けられている。酸化性ガス吹出口32の上方にはベーン33が設置されており、ベーン33は酸化性ガス吹出口32から吹き出した一次酸化性ガスに旋回力を与える。ベーン33により旋回力が与えられた一次酸化性ガスは、
図2中に矢印に示すような気流となって回転テーブル12上で粉砕された固体燃料をハウジング11の上方の分級部16へ導く。なお、一次酸化性ガスに混合した固体燃料の粉砕物のうち、粒径の大きいものは分級部16まで到達することなく落下して回転テーブル12に再び戻される。
【0030】
分級部16は、略円筒形状のハウジング11の円筒軸を中心に回転するブレードを備えている。分級部16に到達した固体燃料の粉砕物は、回転するブレードと一次酸化性ガスの流れにより生ずる遠心力と求心力の相対的なバランスにより、所定粒径より小さい微粉燃料のみがブレードの内部に流入し、出口34から流出する。出口34は供給流路105に連通している。
【0031】
次に、
図3を用いてローラ13とローラ支持部20の構成について説明する。ローラ13は、ローラ支持部20によってハウジング11に支持されている。ローラ支持部20は、ローラ13を取り付ける支持軸21と、支持軸21を保持する本体22と、本体22の側部に固定して取り付けられた回転軸23と、本体22の上面に上方へ延在するように取り付けられたアーム24と、本体22の下面に下方に突出するように設けられた突起部25を備える。
【0032】
ローラ13の中心には、略円筒形状をした中空のハブ26が取り付けられている。ローラ13は、ハブ26を介して、支持軸21の先端部に取り付けられる。したがって、ローラ13は、支持軸21を中心に周方向に回転可能となっている。
回転軸23は、軸線が略水平方向であり、回転テーブル12の円形形状の接線方向に延在するように配置されている。ローラ支持部20は回転軸23を中心に回動可能となっており、回転軸23を中心に回動することにより、回転テーブル12の外周部12bに対するローラ13の距離が変化する。
【0033】
ハウジング11には、アーム24の上端部を押圧する荷重付加部27が取り付けられている。荷重付加部27は、長手方向に移動可能な状態でハウジング11に取り付けられた中間ピストン28と、ハウジング11の外周に取り付けられ中間ピストン28の外側端部を押圧する油圧荷重部29を備える。中間ピストン28の内側端部は、アーム24の上端部外周側に接続されている。荷重付加部27は、油圧荷重部29によって中間ピストン28を長手方向に移動させることにより、ローラ支持部20を、回転軸23を中心に揺動させる。
【0034】
突起部25は、ローラ支持部20が回転軸23を中心に一定の位置まで揺動した場合に、ストッパ30に突き当たる。ストッパ30は、ローラ13の回転テーブル12を押圧する方向への移動量を制限する制限部材として機能する。ストッパ30は、外周面に雄ネジが刻まれたネジ部材であり、ハウジング11を貫通するように取り付けられた保持部31の内周に刻まれた雌ネジと螺合している。ストッパ30は、専用の特殊工具で手動により、回転可能となっている。これにより、回転テーブル12に最も近接する場合の、ローラ13の回転テーブル12に対する相対位置が調整可能となっている。
【0035】
次に、固体燃料粉砕装置1の動作について
図4および
図5を用いて説明する。
図4および
図5は、固体燃料粉砕装置1の制御部50の処理を示すフローチャートである。制御部50は、制御部50が備える記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、
図4および
図5のフローチャートに示す各処理を実行する。
ステップS401で、制御部50は、固体燃料粉砕装置1のウォーミングを開始する。ここで、ウォーミングとは、燃料粉砕部10に一次酸化性ガスを流入させて燃料粉砕部10のハウジング11内を暖気する処理をいう。制御部50は、押込ファン80と一次酸化性ガスファン90を動作させ、酸化性ガス予熱器40により予熱された一次酸化性ガスを燃料粉砕部10に流入させる。
【0036】
なお、ステップS401のウォーミングにおいて、ボイラ60は、軽油、重油等を燃料とした液体燃料バーナ(不図示)を用いて燃料を燃焼させることにより燃焼ガスを発生させる。そして、酸化性ガス予熱器40は、ウォーミングにおいてはボイラ60から排出される燃焼ガスを用いて酸化性ガスに熱を与えることで予熱を行う。
【0037】
ステップS402で、制御部50は、燃料粉砕部10の出口付近に設けられた温度センサの出力を検出し、検出した温度が所定温度(例えば、70℃)以上となったかどうかを判定する。制御部50は、所定温度以上となったと判定した場合はステップS403に処理を進める。
ステップS403で、制御部50は、燃料供給部36に固体燃料の燃料供給を開始するよう指示する。制御部50の指示を受けた燃料供給部36は、燃料粉砕部10の固体燃料投入部17への固体燃料の供給を開始する。
【0038】
ステップS404で、制御部50は、ローラ13が燃料供給部36から固体燃料投入部17に投入された固体燃料の粉砕を開始したかどうかを判定し、固体燃料の粉砕開始を検出したと判定した場合はステップS405に処理を進める。固体燃料の粉砕開始を検出しない場合はステップS410に処理を進める。
ステップS404で、制御部50は、駆動部14に対して電動モータに流れる電流の電流値を検出する検出部(電流検知センサ)200aの出力値を通知するように指示し、通知された電流値に基づいて固体燃料の粉砕が開始されたかどうかを判定する。ローラ13は回転テーブル12の外周部12bに押圧されている。ローラ13と回転テーブル12の間に固体燃料が入り込んで粉砕が開始すると、回転テーブル12とローラ13の押圧力が高まり、それに伴って回転テーブル12を回転させるのに要する駆動力が増加する。そして、回転テーブル12を回転させるのに要する駆動力を補うために、駆動部14は電動モータに供給する電流の電流値を高める。制御部50は、電動モータに流れる電流が所定の電流値を超えた場合に、固体燃料の粉砕が開始されたと判定する。したがって、電動モータに流れる電流の電流値に基づいて判定された固体燃料の粉砕が開始されたか否かを示す情報が、粉砕開始の検出情報となる。
【0039】
ステップS405で、制御部50は、燃料供給部36から供給される固体燃料の燃料供給量を減少させるよう燃料供給部36を制御する。制御部50から燃料供給量を減少させる指示を受けた燃料供給部36は、固体燃料投入部17に投入する固体燃料の量を減少させる。ステップS405で燃料供給量を減少させているのは、固体燃料の粉砕が開始されてから所定時間が経過するまでは、燃料供給量を減らして微粉燃料ボイラ60を少ない負荷で運転させるためである。
【0040】
ステップS406で、制御部50は、固体燃料の粉砕が開始されてから所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過したと判定した場合は燃料供給量を増加させるよう燃料供給部36を制御する(ステップS407)。
ステップS408で、制御部50は、固体燃料粉砕装置1の運転を終了させるかどうかを判定し、運転を終了させると判定した場合には、燃料供給部36による燃料供給を停止させ(ステップS409)、
図4の処理を終了させる。
【0041】
以上のステップS405からステップS409は、固体燃料の粉砕が正常に開始された場合に実行される処理である。第1実施形態で特徴的な処理は、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブル12の中央部12aに堆積して、固体燃料の粉砕開始が検出されない場合に実行されるステップS410からステップS413の処理である。以下、ステップS410からステップS413の処理について説明する。
【0042】
ステップS404にて固体燃料の粉砕開始が検出されない場合、ステップS410で、制御部50は、燃料供給が開始されてから所定時間(例えば、10分間)が経過したかどうかを判定する。制御部50は、所定時間が経過したと判定した場合はステップS411に処理を進め、所定時間が経過したと判定しない場合はステップS404の判定を再び行う。
【0043】
ステップS411では、燃料供給が開始されてから所定時間経過しても固体燃料の粉砕が開始されないことから、燃料供給部36による燃料供給を停止させるよう燃料供給部36を制御する。ステップS410にてYESと判定される場合、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブル12の中央部12aに堆積していることが予想される。従って、大量の固体燃料が中央部12aから外周部12bにまとめて移動して、大量の微粉燃料がバーナ部110に供給されるという問題が発生しないように、燃料供給部36による燃料供給を停止させる。
【0044】
なお、ステップS411で、制御部50は、燃料供給部36による燃料供給を停止させる一方で、一次酸化性ガスファン90および押込ファン80による送風は停止させない。従って、一次酸化性ガスファン90によるローラ13への一次酸化性ガスの送風は維持される。このようにすることで、燃料粉砕部10のハウジング11内には、一次酸化性ガスによる気流が形成され、中央部12aに堆積した高水分の固体燃料から、水分が徐々に蒸発することとなる。
【0045】
ステップS412で、制御部50は、中央部12aに堆積した固体燃料が回転テーブル12の遠心力により外周部12bに移動し、固体燃料の粉砕が開始されたかどうかを検出する。なお、具体的な検出方法は、ステップS404と同様であるので説明を省略する。
制御部50は、ステップS412で固体燃料の粉砕開始を検出したと判定した場合はステップS413に処理を進める。
【0046】
ステップS413で、制御部50は、固体燃料粉砕装置1の操作者から燃料供給再開指示を受け付けたかどうかを判定し、操作者からの燃料供給再開指示を受け付けたと判定した場合は、ステップS403に処理を進める。燃料供給再開指示を受け付けたかどうかは、燃料供給再開指示ボタン(不図示)を操作者が押下したかどうかを制御部50が検出することにより判定される。なお、ステップS412で固体燃料粉砕開始が検出された後に、すぐに燃料供給を開始せずに、操作者による燃料供給再開指示を受け付けているのは、操作者が固体燃料粉砕装置1の運転状況を確認した上で固体燃料粉砕装置1の運転を再開させるためである。
【0047】
ステップS413で、燃料供給再開指示がなされたと判定された場合(ステップS413でYES)、ステップS403以降の処理が実行される。ステップS403以降の処理の詳細は、前述した説明の通りである。
以上の
図4の処理によれば、固体燃料粉砕装置1のウォーミングが完了し、燃料供給が開始された後に所定時間経過しても固体燃料の粉砕開始が検出されない場合、燃料供給を停止した上で一次酸化性ガスファン90による一次酸化性ガスの送風を継続し、ハウジング11内の固体燃料の粉砕が開始されるまで燃料供給の再開を待機させることができる。
【0048】
次に、
図8および
図9を用いて、第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果と、第1実施形態の比較例の固体燃料粉砕装置の運転結果について説明する。
図8は、第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果を示す図であり、(a)は一次酸化性ガスファンの風量を示し、(b)は固体燃料粉砕部の出口温度を示し、(c)は燃料供給部からの燃料供給量を示し、(d)は蒸気温度を示す。
また、
図9は、第1実施形態の比較例の固体燃料粉砕装置の運転結果を示す図であり、(a)は一次酸化性ガスファンの風量を示し、(b)は固体燃料粉砕部の出口温度を示し、(c)は燃料供給部からの燃料供給量を示し、(d)は蒸気温度を示す。
なお、
図8および
図9の横軸はいずれも時間であり、T0〜T6は、時刻を示す。また、出口温度とは、燃料粉砕部10の出口34および出口35の近傍に設けられた温度センサ(不図示)が検出する温度を示す。また、蒸気温度とは、微粉燃料ボイラ60にて蒸気管(不図示)を流通する蒸気の温度を示す。
【0049】
図8に示すように、時刻T0で風量が増加するとともに、出口温度の上昇が始まる。時刻T0は、
図4のフローチャートにおけるステップS401(ウォーミング開始)に対応する。そして、時刻T1で、風量がさらに増加するとともに、燃料供給部36による燃料供給が開始される。時刻T1は、出口温度が所定温度以上と判定され(ステップS402でYES)、燃料供給開始(ステップS403)が実行されるタイミングに対応している。
【0050】
図8に示すように、時刻T2で燃料供給部36による燃料供給が停止される。時刻T2は、
図5のステップS410で燃料供給開始から所定時間(例えば、10分間)が経過しても固体燃料の粉砕開始が検出されず、燃料供給停止(ステップS411)が実行されるタイミングに対応している。なお、時刻T2で、燃料供給部36による燃料供給は停止されるが、一次酸化性ガスファン90による送風は維持される。ただし、時刻T2となったタイミングで、一次酸化性ガスファン90による送風の風量が減少する。
【0051】
時刻T3では、制御部50が、電動モータに流れる電流の電流値が所定値を上回ったことを検出し、固体燃料の粉砕が開始されたと判定する(ステップS412でYES)。そして、時刻T4では、固体燃料粉砕装置1の操作者からの燃料供給再開指示を受け付けたと制御部50が判定し(ステップS413でYES)、燃料供給部36による固体燃料の燃料供給を再開する(ステップS403)。
【0052】
制御部50は、時刻T5で固体燃料の粉砕開始を検出して(ステップS404でYES)燃料供給量を減少させ(ステップS405)、粉砕開始から所定時間経過したことに応じて燃料供給量を増加させる(ステップS407)。なお、制御部50は、燃料供給量の増加に伴って、一次酸化性ガスファン90が送風する風量も増加させる。
【0053】
次に、第1実施形態の比較例の固体燃料粉砕装置の運転結果について
図9を用いて説明する。
図9に示すように、時刻T0で風量が増加するとともに、出口温度の上昇が始まる。そして、時刻T1で、風量がさらに増加するとともに、燃料供給部36による燃料供給が開始される。ここまでの運転結果は、
図8に示す第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果と同様である。
【0054】
図9に示す比較例では、時刻T1にて燃料供給部36による燃料供給が開始されるが、時刻T6まで固体燃料の粉砕が開始されずに燃料供給が継続的に行われる。
図9の時刻T1から時刻T6までの経過時間は、
図8の時刻T1から時刻T2までの経過時間よりも十分に長い。つまり、
図9の比較例では、時刻T1から供給が開始された固体燃料が、回転テーブル12の中心部12aに堆積し続け、時刻T6に至るまで固体燃料が中央部12aから外周部12bに移動しない。従って、
図9の時刻T6の時点で中央部12aに堆積している固体燃料の量は、
図8の時刻T5の時点で中央部12aに堆積している固体燃料の量よりも格段に多い。
【0055】
そして、
図9に示す比較例では、時刻T6の時点から固体燃料の粉砕が開始されて微粉燃料を含む一次酸化性ガスがバーナ部110に供給される。時刻T6の時点で、回転テーブル12の外周部12b、すなわちローラ13と回転テーブル12が固体燃料を粉砕する部分には、大量の固体燃料が中央部12aから移動する。従って、
図8の第1実施形態の時刻T5の時点と比べて、
図9の比較例の時刻T6の時点で粉砕される固体燃料の量が格段に多くなる。したがって、
図9(d)に示すように、比較例においては時刻T6以降に蒸気温度が一時的に上昇している。それに対して
図8(d)に示すように、第1実施形態では、蒸気温度は一定に保たれた状態となっている。
【0056】
このように、
図8に示す第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果によれば、燃料供給部36による燃料供給を開始してから所定時間(例えば、10分間)が経過しても固体燃料の粉砕が開始されない場合には、燃料供給が一旦停止される。従って、第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果では、燃料供給部36による燃料供給を開始してから所定時間(例えば、10分間)が経過しても燃料供給が停止されない比較例と比べ、固体燃料の粉砕が開始されてから蒸気温度が急上昇してしまうという不具合を抑制することができることが示されている。
【0057】
以上説明したように、第1実施形態の固体燃料粉砕装置1によれば、燃料供給部36による固体燃料の供給が開始されてから所定時経過しても固体燃料の粉砕の開始が検出されない場合に、一次酸化性ガスファン90によるローラ13への一次酸化性ガスの送風を停止させることなく燃料供給部36による固体燃料の供給を停止させる。また、その後に固体燃料の粉砕の開始が検出されたことに応じて燃料供給部36による固体燃料の供給が再開される。
【0058】
このようにすることで、水分を多く含む固体燃料が回転テーブル12の中央部分12aに大量に堆積してしまうことを防止するとともに、適切なタイミングで燃料供給部36による固体燃料の供給を再開することができる。したがって、水分を多く含む固体燃料を粉砕する場合に、回転テーブル12の中央部12aに堆積した大量の固体燃料がまとめて粉砕されて、大量の微粉燃料がバーナ部110に供給されることを防止することができる。
【0059】
また、第1実施形態の固体燃料粉砕装置1は、燃料供給部36による固体燃料の供給が停止した後に固体燃料の粉砕が検出され、更に操作者による固体燃料の供給再開指示が受け付けられた場合に、燃料供給部36による固体燃料の供給を再開させる。このようにすることで、操作者が固体燃料の粉砕の状況を目視等により確認して操作者が供給再開指示をするまでは、燃料供給部36による固体燃料の供給を再開させないようにすることができる。
【0060】
また、第1実施形態の固体燃料粉砕装置1は、駆動部14が電動モータを含み、電動モータに供給される電流の電流値が所定値を上回った場合に、ローラ13が燃料供給部36により供給された固体燃料の粉砕を開始したと検出する。このようにすることで、回転テーブル12を回転させる電動モータに供給される電流の電流値に基づいて、固体燃料の粉砕の開始を検出することができる。
【0061】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、
図6および
図7を用いて説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、燃料供給部36による燃料供給を停止させた後に燃料供給部36による燃料供給を再開させる場合の処理が、第1実施形態とは異なる。
第1実施形態では、燃料供給部36による燃料供給が停止され(ステップS411)、固体燃料の粉砕開始が検出され(ステップS412でYES)、その後に固体燃料粉砕装置1の操作者による燃料供給再開指示を受け付けた場合に(ステップS413でYES)燃料供給部36による燃料供給を再開するものであった。
それに対して第2実施形態では、燃料供給部36による燃料供給が停止され(ステップS611)、固体燃料の粉砕開始が検出され(ステップS612でYES)、その後に待機時間が経過した場合に(ステップS613でYES)燃料供給部36による燃料供給を再開する。
【0062】
図6および
図7は、固体燃料粉砕装置1の制御部50の処理を示すフローチャートである。制御部50は、制御部50が備える記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、
図6および
図7のフローチャートに示す各処理を実行する。
なお、
図6および
図7のフローチャートにおけるステップS601からステップS612までの各処理は、
図4および
図5のフローチャートにおけるステップS401からステップS412までの各処理と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
図7のステップS613で、制御部50は、ステップS612で固体燃料の粉砕開始が検出されてから待機時間(例えば、2分)が経過したかどうかを判定する。制御部50は、待機時間が経過したと判定した場合はステップS603へ処理を進める。なお、ステップS612で固体燃料粉砕開始が検出された後に、すぐに燃料供給を開始せずに、待機時間の経過を待っているのは、ボイラ等の運転が安定するまでの待機時間が経過するまでは、燃料供給部36による固体燃料の供給を再開させないようにするためである。
【0064】
以上説明したように、第2実施形態の固体燃料粉砕装置1は、制御部50が、燃料供給部36による固体燃料の供給を停止させた後に固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、待機時間が経過した場合に、燃料供給部36による固体燃料の供給を再開させるよう制御する。このようにすることで、固体燃料の供給を停止させた後に固体燃料の粉砕の開始を検出した場合であっても、微粉燃料ボイラ60等の運転が安定するまでの待機時間が経過するまでは、燃料供給部36による固体燃料の供給を再開させないようにすることができる。
【0065】
〔他の実施形態〕
第1実施形態では、固体燃料の粉砕が開始されたかどうかを、電動モータに流れる電流の電流値を検出する検出部(電流検出センサ)200aの出力値に基づいて判定するものであったが、他の態様であっても良い。
例えば、回転テーブル12の外周部12bに対してローラ13が所定距離以上離れたかどうかを検出し、所定距離以上離れたことを検出した場合に、固体燃料の粉砕が開始されたことを検出するようにしても良い。
【0066】
この場合、回転テーブル12の外周部12bに対してローラ13が所定距離以上離れたかどうかは、例えば、中間ピストン28の近傍に中間ピストン28の移動量を検出する移動量検出センサを設け、その移動量検出センサの出力値に基づいて判定するようにすれば良い。
【0067】
以上説明したように、本発明の他の実施形態の固体燃料粉砕装置は、回転テーブル12に対してローラ13が所定距離以上離れた場合に、ローラ13が燃料供給部36により供給された固体燃料の粉砕を開始したと検出する。このようにすることで、回転テーブル12に対するローラ13の位置に基づいて、固体燃料の粉砕の開始を検出することができる。