(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前輪および後輪の各車輪に設けられ、前記車輪に制動力を付与するブレーキと、各前記車輪への制動力の配分を変更するためのABSアクチュエータとを備える車両に適用されるブレーキ制御装置であって、
前記ブレーキの制動力が相対的に急峻に変化する急ブレーキ状態と前記ブレーキの制動力が相対的に緩やかに変化する緩ブレーキ状態とを判別するブレーキ状態判別手段と、
前記ブレーキ状態判別手段による判別結果に基づいて、急ブレーキ状態のときには、前記後輪への制動力の配分量が相対的に小さく、緩ブレーキ状態のときには、前記後輪への制動力の配分量が相対的に大きくなるように、前記ABSアクチュエータを制御するEBD制御手段とを含み、
前記EBD制御手段は、急ブレーキ状態のときには、前記後輪に付与される制動力が最小荷重を超える前に、前記ABSアクチュエータの制御を開始し、緩ブレーキ状態のときには、前記後輪に付与される制動力が前記最小荷重を超えた後、前記最小荷重より大きい安定荷重を超える前に、前記ABSアクチュエータの制御を開始する、ブレーキ制御装置。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両では、車輪がブレーキによってロックすると、車体の姿勢が不安定になり、また、ステアリング操作による車両の方向制御が困難になる。
【0003】
そのため、近年の車両には、各車輪のブレーキのホイールシリンダの液圧(ホイールシリンダ液圧)を制御するためのバルブなどを内蔵したABSアクチュエータが備えられている。そして、後輪のロックを防止するために、ABSアクチュエータによるEBD(Electronic Brake force Distribution)制御や、各車輪のロックを防ぐために、ABSアクチュエータによるABS(Antilock Brake System)制御が行われる。
【0004】
たとえば、ブレーキ操作時には、車両の前方への荷重移動が生じ、前輪に加わる荷重(フロント荷重)が増え、後輪に加わる荷重(リア荷重)が減る。そのため、後輪に付与される制動力(リア制動力)がリア荷重を超えやすく、リア制動力がリア荷重を超えると、後輪がロックする。そこで、リア制動力がリア荷重を超える前に、後輪のロックを防止するためのEBD制御が行われ、前輪および後輪への制動力の配分が変更されて、後輪のブレーキのホイールシリンダ液圧の上昇が抑えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5は、ブレーキ操作時のリア荷重およびリア制動力の時間変化を示すグラフである。
【0007】
ブレーキペダルが瞬時に強く踏み込まれる急ブレーキ操作時には、
図5に実線で示されるように、リア制動力が急峻に増加するとともに、前方への荷重移動により、リア荷重が初期荷重Aから最小荷重Bまで急峻に減少する。その後、リア荷重は、ばね系による車体の振動に伴って増減を繰り返す過渡状態を経て、初期荷重Aよりも小さく、かつ、最小荷重Bよりも大きい安定荷重Cでほぼ変化しない定常状態となる。
【0008】
急ブレーキ操作時における後輪のロックを防止するため、EBD制御は、リア制動力が最小荷重Bを超える前に開始される。
【0009】
一方、ブレーキペダルが比較的緩やかに踏み込まれる緩ブレーキ操作時には、
図5に二点鎖線で示されるように、リア荷重が初期荷重Aから安定荷重Cまでほぼ単調かつ緩やかに減少する。そのため、緩ブレーキ操作時には、リア制動力が安定荷重Cを超える直前でEBD制御が開始されることが望ましい。しかしながら、従来の車両では、急ブレーキ操作を考慮して、リア制動力が最小荷重Bを超える前に、EBD制御が開始される。
【0010】
本発明の目的は、緩ブレーキ状態でリア制動力を有効に利用することができる、ブレーキ制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明に係るブレーキ制御装置は、前輪および後輪の各車輪に設けられ、前記車輪に制動力を付与するブレーキと、各前記車輪への制動力の配分を変更するためのABSアクチュエータとを備える車両に適用される。前記ブレーキ制御装置は、前記ブレーキの制動力が相対的に急峻に変化する急ブレーキ状態と前記ブレーキの制動力が相対的に緩やかに変化する緩ブレーキ状態とを判別するブレーキ状態判別手段と、前記ブレーキ状態判別手段による判別結果に基づいて、急ブレーキ状態のときには、前記後輪への制動力の配分量が相対的に小さく、緩ブレーキ状態のときには、前記後輪への制動力の配分量が相対的に大きくなるように、前記ABSアクチュエータを制御するEBD制御手段とを含
み、前記EBD制御手段は、急ブレーキ状態のときには、前記後輪に付与される制動力が最小荷重を超える前に、前記ABSアクチュエータの制御を開始し、緩ブレーキ状態のときには、前記後輪に付与される制動力が前記最小荷重を超えた後、前記最小荷重より大きい安定荷重を超える前に、前記ABSアクチュエータの制御を開始する。
【0012】
前輪および後輪の各車輪には、ブレーキが設けられている。また、車両には、車輪への制動力の配分を変更するためのABSアクチュエータが備えられている。
【0013】
ブレーキによる車両の制動時には、ブレーキの制動力が相対的に急峻に変化する急ブレーキ状態とブレーキの制動力が相対的に緩やかに変化する緩ブレーキ状態とが判別される。
【0014】
そして、急ブレーキ状態では、ABSアクチュエータの制御により、後輪への制動力の配分量が相対的に小さくされる。これにより、急ブレーキ状態では、後輪の制動力が抑えられるので、後輪のロックを防止することができる。
【0015】
一方、緩ブレーキ状態では、ABSアクチュエータの制御により、後輪への制動力の配分量が相対的に大きくされる。これにより、緩ブレーキ状態では、後輪に大きい制動力(リア制動力)を付与することができる。よって、緩ブレーキ状態において、リア制動力を有効に利用することができ、車両の制動距離を短くすることができる。
【0016】
通常走行時には、急ブレーキ状態となるブレーキ操作よりも緩ブレーキ状態となるブレーキ操作が行われる頻度が高い。そのため、緩ブレーキ状態で後輪に大きい制動力が付与されることにより、車両の走行全般で前輪のブレーキへの負荷を減らすことができる。その結果、前輪のブレーキの温度上昇を抑制できるので、前輪のブレーキのフェード現象が生じることを抑制できる。また、前輪のブレーキの寿命を長くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、緩ブレーキ状態において、リア制動力を有効に利用することができる。その結果、車両の制動距離を短くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の構成を図解的に示す図である。
【0021】
ブレーキ制御装置1は、左右の前輪2FL,2FRおよび左右の後輪2RL,2RRの4つの車輪を備える車両に適用される。
【0022】
車輪2FL,2FR,2RL,2RRには、それぞれブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRが設けられている。ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRは、それぞれホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRを備えている。また、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRには、その回転速度を検出するための車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRが設けられている。
【0023】
車両の車室内には、運転者の足で操作されるブレーキペダル6が設けられている。ブレーキペダル6は、マスタシリンダ7と一体的に設けられたブレーキブースタ8に連結されている。
【0024】
ブレーキペダル6が踏み込まれると、そのブレーキペダル6に入力された踏力がブレーキブースタ8に伝達される。ブレーキブースタ8に伝達された踏力は、ブレーキブースタ8の働きによって増幅(倍力)され、ブレーキブースタ8からマスタシリンダ7に入力される。マスタシリンダ7では、ブレーキブースタ8から入力される力(増幅された踏力)に応じた液圧(マスタシリンダ液圧)が発生する。
【0025】
マスタシリンダ液圧は、ABSアクチュエータ9に伝達される。ABSアクチュエータ9には、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRの液圧を制御するためのバルブやブレーキフルードをマスタシリンダ7に戻すためのポンプなどが内蔵されている。マスタシリンダ7からABSアクチュエータ9に伝達された液圧は、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRに分配されて伝達される。そして、ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRの液圧(ホイールシリンダ液圧)により、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRからそれぞれ車輪2FL,2FR,2RL,2RRに制動力が付与される。
【0026】
ABSアクチュエータ9の制御のために、CPUおよびメモリを含む構成のABS−ECU11が設けられている。
【0027】
ABS−ECU11には、車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRが接続されており、車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRの検出信号が入力される。また、ABS−ECU11には、マスタシリンダ液圧を検出するためのマスタシリンダ液圧センサ12が接続されており、マスタシリンダ液圧センサ12の検出信号が入力される。
【0028】
ABS−ECU11は、車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRの検出信号およびマスタシリンダ液圧センサ12の検出信号に基づいて、ABSアクチュエータ9を制御することにより、ABS(Antilock Brake System)制御およびEBD(Electronic
Brake force Distribution)制御を実現する。
【0029】
車両の制動時(ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動時)には、車両の前方への荷重移動が生じ、前輪2FL,2FRに加わる荷重(以下「フロント荷重」という。
)が増え、後輪2RL,2RRに加わる荷重(以下「リア荷重」という。)が減る。そのため、前輪2FL,2FRに比べて、後輪2RL,2RRがロックしやすい。
【0030】
車両の制動時に、後輪2RL,2RRがロックするような条件が成立すると、EBD制御が行われる。EBD制御では、ABS−ECU11により、ABSアクチュエータ9が制御されて、軽荷重となる後輪2RL,2RRのブレーキ3RL,3RRのホイールシリンダ液圧が前輪2FL,2FRのブレーキ3FL,3FRのホイールシリンダ液圧よりも低く抑えられるように、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRへの液圧の配分が変更される。これにより、後輪2RL,2RRのロックが防止される。
【0031】
そして、EBD制御中に、車輪2FL,2FR,2RL,2RRのいずれかの車輪がロックするような条件が成立すると、EBD制御が終了されて、ABS制御が行われる。ABS制御では、ABS−ECU11により、ABSアクチュエータ9が制御されて、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRの車輪スリップ率が閾値以下となるように、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRへの液圧の配分が変更される。これにより、車輪2FL,2FR,2RL,2RRのロックを防止することができる。
【0032】
車輪スリップ率は、ABS−ECU11により、車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRの検出信号に基づいて演算される。すなわち、車輪速センサ5FL,5FR,5RL,5RRの検出信号に基づいて、まず、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRの車輪速を演算する。また、各車輪速の平均値に基づいて、車両の車体速が演算によって推定される。そして、車輪2FL,2FR,2RL,2RRごとに、車体速から車輪速を減算して得られる値が車体側で除されることにより、車輪スリップ率(=(車体速−車輪速)/車体速)が演算される。
【0033】
図2は、ブレーキ状態判別処理のフローチャートである。
【0034】
ブレーキペダル6が操作されると、ABS−ECU11により、ブレーキ状態判別処理が実行される。ブレーキペダル6の操作は、たとえば、ブレーキペダル6が踏まれるとオンになり、ブレーキペダル6から足が放されるとオフになるブレーキスイッチによって検出することができる。
【0035】
ブレーキ状態判別処理では、まず、マスタシリンダ液圧センサ12の検出信号に基づいて、マスタシリンダ液圧が取得される(ステップS1)。
【0036】
次に、マスタシリンダ液圧の微分演算により、マスタシリンダ液圧の変化速度(液圧変化速度)が求められる(ステップS2)。マスタシリンダ7の液圧は、ブレーキペダル6の操作に応じて変化するので、液圧変化速度は、ブレーキペダル6の操作速度に対応する。
【0037】
また、マスタシリンダ液圧が予め定める液圧閾値以上であるか否かが判断される(ステップS3)。すなわち、ブレーキペダル6が強く踏み込まれたか否かが判断される。
【0038】
マスタシリンダ液圧が液圧閾値以上であれば(ステップS3のYES)、次いで、液圧変化速度が予め定める速度閾値以上であるか否かが判断される(ステップS4)。すなわち、ブレーキペダル6が素早く操作されたか否かが判断される。
【0039】
そして、液圧変化速度が速度閾値以上であれば(ステップS4のYES)、ブレーキペダル6が瞬時に強く踏み込まれる操作、つまり急ブレーキ操作が行われたと判別される(ステップS5)。
【0040】
一方、マスタシリンダ液圧が液圧閾値未満であるか(ステップS3のNO)、または、液圧変化速度が速度閾値未満である場合には(ステップS4のNO)、急ブレーキ操作ではない緩ブレーキ操作が行われたと判別される(ステップS6)。
【0041】
なお、ステップS3の判断とステップS4の判断とは、その順序が逆であってもよい。すなわち、液圧変化速度が速度閾値以上であるか否かの判断が先に行われ、液圧変化速度が速度閾値以上であれば、その後にマスタシリンダ液圧が液圧閾値以上であるか否かが判断されてもよい。
【0042】
図3は、急ブレーキ操作時の後輪に加わる荷重および後輪に付与される制動力の時間変化を示すグラフである。
【0043】
急ブレーキ操作時には、後輪2RL,2RRに付与される制動力(以下「リア制動力」という。)が急峻に増加するとともに、車両における前方への荷重移動により、リア荷重が初期荷重Aから最小荷重Bまで急峻に減少する。その後、リア荷重は、サスペンションのスプリングなどのばね系による車体の振動に伴って増減を繰り返す過渡状態を経て、安定荷重Cでほぼ変化しない定常状態となる。
【0044】
急ブレーキ操作時には、後輪2RL,2RRのロックを防止するため、リア制動力が最小荷重Bを超える前に、EBD制御が開始される。
【0045】
図4は、緩ブレーキ操作時の後輪に加わる荷重および後輪に付与される制動力の時間変化を示すグラフである。
【0046】
緩ブレーキ操作時には、リア荷重が初期荷重Aから安定荷重Cまでほぼ単調かつ緩やかに減少する。そして、リア荷重は、安定荷重Cでほぼ変化しない定常状態となる。
【0047】
緩ブレーキ操作時には、リア制動力が最小荷重
Bよりも大きい安定荷重Cを超える直前で、EBD制御が開始される。これにより、緩ブレーキ操作時には、急ブレーキ操作時と比較して、後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が大きくなるように、つまりホイールシリンダ4RL,4RRへの液圧の配分量が大きくなるように、ABS−ECU11により、ABSアクチュエータ9が制御される。
【0048】
以上のように、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRによる車両の制動時には、急ブレーキ操作が行われたか、緩ブレーキ操作が行われたかが判別される。言い換えれば、急ブレーキ操作により、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの制動力が相対的に急峻に変化する急ブレーキ状態と、緩ブレーキ操作により、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの制動力が相対的に緩やかに変化する緩ブレーキ状態とが判別される。
【0049】
そして、急ブレーキ操作時には、ABSアクチュエータ9の制御により、後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が相対的に小さくされる。これにより、急ブレーキ状態では、後輪2RL,2RRの制動力が抑えられるので、後輪2RL,2RRのロックを防止することができる。
【0050】
一方、緩ブレーキ状態では、ABSアクチュエータ9の制御により、後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が相対的に大きくされる。これにより、緩ブレーキ状態では、後輪2RL,2RRに大きいリア制動力を付与することができる。よって、緩ブレーキ状態において、リア制動力を有効に利用することができる。その結果、車両の制動距離を短くすることができる。
【0051】
通常走行時には、急ブレーキ操作よりも緩ブレーキ操作が行われる頻度が高い。そのため、緩ブレーキ状態で後輪2RL,2RRに大きい制動力が付与されることにより、車両の走行全般で前輪のブレーキ3FL,3FRへの負荷を減らすことができる。その結果、前輪のブレーキ3FL,3FRの温度上昇を抑制できるので、前輪のブレーキ3FL,3FRのフェード現象が生じることを抑制できる。また、前輪のブレーキ3FL,3FRの寿命を長くすることができる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0053】
前述の実施形態では、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が急ブレーキ状態であるか緩ブレーキ状態であるかが判別されて、緩ブレーキ状態では、急ブレーキ状態と比較して、EBD制御における後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が大きくされる場合を例にとった。
【0054】
しかしながら、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が3以上の状態に分けられて、各状態に応じて、EBD制御における後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が変更されてもよい。
【0055】
たとえば、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が第1ブレーキ状態、第2ブレーキ状態、第3ブレーキ状態および第4ブレーキ状態に分けられて、第1ブレーキ状態では、第2ブレーキ状態と比較して、EBD制御における後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が大きくされ、第2ブレーキ状態では、第3ブレーキ状態と比較して、EBD制御における後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が大きくされ、第3ブレーキ状態では、第4ブレーキ状態と比較して、EBD制御における後輪2RL,2RRへの制動力の配分量が大きくされてもよい。この場合、ブレーキペダル6が操作されたときに、マスタシリンダ液圧が第1液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第1速度閾値未満であれば、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が第1ブレーキ状態であると判別される。マスタシリンダ液圧が第1液圧閾値よりも大きい第2液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第1速度閾値よりも大きい第2速度閾値未満であって、マスタシリンダ液圧が第1液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第1速度閾値未満でなければ、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が第2ブレーキ状態であると判別される。マスタシリンダ液圧が第2液圧閾値よりも大きい第3液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第2速度閾値よりも大きい第3速度閾値未満であって、マスタシリンダ液圧が第2液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第2速度閾値未満でなければ、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が第3ブレーキ状態であると判別される。マスタシリンダ液圧が第3液圧閾値以上または液圧変化速度が第3速度閾値以上であって、マスタシリンダ液圧が第3液圧閾値未満かつ液圧変化速度が第3速度閾値未満でなければ、ブレーキ3FL,3FR,3RL,3RRの作動状態が第4ブレーキ状態であると判別される。
【0056】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。