(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984434
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】ロータリー包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/50 20060101AFI20160823BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20160823BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
B65B43/50
B65B57/00 Z
B65B57/10 C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-47503(P2012-47503)
(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公開番号】特開2013-180818(P2013-180818A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】余頃 純一
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−124521(JP,A)
【文献】
特開平09−095303(JP,A)
【文献】
実開平06−027510(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/50
B65B 57/00
B65B 57/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形ロータの周縁に一対のクランプアームが支持され、各クランプアームは、それぞれの先端に包装袋を挟持するクランプを備え、前記包装袋内に被包装物と、小袋が充填されるロータリー包装装置であって、
被包装物充填セクション下流の袋底突き上げセクションに、包装袋の底部を突き上げて折り込み、前記小袋が包装袋の底部の山形の斜面に沿って立ち上がる袋底突き上げ機構を設け、
前記袋底突き上げセクション下流の検知セクションに、包装袋内に被包装物が充填されているか否かを検知する検知手段を設け、
前記検知手段は、包装袋を表裏から挟む一対の挟み板と、これら挟み板を近接・離間させる接離機構とを備え、包装袋の前記検知セクション到達停止時に包装袋を表裏から挟む各挟み板の対向距離が設定値以上であると包装袋内に被包装物が充填されていると検知し、各挟み板の対向距離が設定値未満であると被包装物が充填されていない空袋であると見分けて検知するように構成してなる、
ことを特徴とするロータリー包装装置。
【請求項2】
前記袋底突き上げ機構は、包装袋の底部を突き上げて山形に折り曲げて包装袋内に突出させる突き上げ板と、包装袋の前記袋底突き上げセクション到達停止時に前記突き上げ板を所定のストロークで昇降させるアクチュエータと、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のロータリー包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータの外周に一対のクランプアームが軸支され、クランプアームの先端に設けたクランプにより包装袋を挟持して包装作業を行うロータリー包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は特許文献1に開示されたロータリー包装装置の平面図である。この図において、10はロータ、20は一対のクランプアームでロータ10の外周に軸支されている。(A)は袋供給セクションで、袋箱から包装袋13を真空吸盤33で吸着してクランプアーム20のクランプ11に受け渡す。(B)は袋開セクションで、包装袋13の袋口を拡開し、(C)の充填セクションでホッパー14から被包装物を充填する。(D)の袋閉じセクションでは、被包装物が充填された包装袋13の袋口を閉じて、(E)セクションで袋口をシーラ15,16でシールし、搬出セクション(F)ではシールが完了した包装袋13を搬出する。
このロータリー包装装置には、充填セクション(C)の後位にセンサー50が設けられており、セクション(C)で充填作業にミスが生じると、袋は空のまま送り出されてくるので、前記センサー50で被包装物が充填された包装袋13と空袋とを見分けて空袋を検出し、その空袋を搬出セクション(F)及び袋供給セクション(A)でクランプ11から排除せず、これら両セクション(F)(A)で空袋をクランプ11に支持したまま通過させてそのまま再利用しようとするものである(以下、リサイクルという)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−124521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセンサー50は、包装袋13を透視して被包装物が充填されているか否かを検出するが、光電スイッチのようなセンサーでは、被包装物と同時に包装袋13に投入される小袋(例えば、脱酸素剤、乾燥剤、鮮度保持剤等の製品の品質低下を抑制し、長期保存、鮮度維持等を目的とした小さな袋)は検出できず、また、包装袋13が光を透過しない素材であると、被包装物の有無が検出できないという問題点がある。そこで、センサーに包装袋を接触させながら通過させる接触式のセンサーを使用すると前記問題は解決するが、包装袋13の表面にキズやシワを付けるおそれがある。
【0005】
さらに、接触式センサーではなく、包装袋13を表裏方向から挟んで、その厚みで被包装物が充填されているか否かを検知する検知手段を用いれば、前記のような包装袋13の表面を傷つけるおそれが少なくなって好ましい。しかし、このような検知手段も、小袋の姿勢によっては、包装袋13を表裏方向に膨らませ、誤作動を起こすおそれがある。つまり、
図9(d)のように、包装袋13の底部13aに小袋Sが倒れたままの状態で検知セクションに到達し、
図9(e)に示すように、後に詳細に説明する検知手段の一対の挟み板8a,8bで包装袋13が表裏から挟まれると、小袋Sは底部13a,13bとともに折れ曲がる。そのため、各挟み板8a,8bの対向距離が設定値以上に拡大して、包装袋13内に被包装物が充填されていると誤検知され、リサイクルする必要のある空の包装袋13を搬出セクション(F)で搬出する誤作動が生じる。
【0006】
そこで本発明は、被包装物が充填されず脱酸素剤や乾燥剤のような小袋のみが投入された包装袋であっても、小袋の投入姿勢による包装袋の膨らみをなくすことで、小袋を被包装物であると誤検知するのを回避するとともに、包装袋にキズやシワを付けることなく、リサイクルすることが可能なロータリー包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、円形ロータの周縁に一対のクランプアームが支持され、各クランプアームは、それぞれの先端に包装袋を挟持するクランプを備え
、前記包装袋内に被包装物と、小袋が充填されるロータリー包装装置であって、被包装物充填セクション下流の袋底突き上げセクションに、包装袋の底部を突き上げて折り込み、
前記小袋が包装袋の底部の山形の斜面に沿って立ち上がる袋底突き上げ機構を設け、前記袋底突き上げセクション下流の検知セクションに、包装袋内に被包装物が充填されているか否かを検知する検知手段を設け、
前記検知手段は、包装袋を表裏から挟む一対の挟み板と、これら挟み板を近接・離間させる接離機構とを備え、包装袋の前記検知セクション到達停止時に包装袋を表裏から挟む各挟み板の対向距離が設定値以上であると包装袋内に被包装物が充填されていると検知し、各挟み板の対向距離が設定値未満であると被包装物が充填されていない空袋であると見分けて検知するように構成してなる、ことを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、包装袋は、袋底突き上げセクションに到達して停止した時に、その底部が袋底突き上げ機構により突き上げられて山形に折り込まれる。被包装物充填セクションで包装袋に被包装物が充填され、かつ、小袋が投入されている形態では、袋底突き上げ機構により底部が突き上げられても、この突き上げに影響されることなく、包装袋は表裏方向に膨らんで下流の検知セクションに到達して停止する。ここで、検知手段は包装袋を表裏両側から挟んで、前記の膨らみから包装袋内に被包装物が充填されていることを検知して、搬出セクションで包装袋を搬出する。
【0009】
被包装物充填セクションでの被包装物の充填作業にミスが生じたために、包装袋に被包装物が充填されず、小袋のみが投入された空の状態で袋底突き上げセクションに到達して停止すると、袋底突き上げ機構により底部が突き上げられて山形に折り込まれることで、投入されている小袋は、その姿勢の如何を問わず底部の山形の斜面に沿って立ち上がる姿勢に変換されて下流の検知セクションに到達して停止する。ここで、検知手段は包装袋を表裏両側から挟んで、小袋の立ち上がりによって表裏方向の厚みが薄くなったことから包装袋が空であることを見分けて検知して、空の包装袋をリサイクルする。したがって、小袋を被包装物であると誤検知するのが回避されるとともに、検知手段は、停止している包装袋を表裏両側から挟んで検知するので、包装袋にキズやシワを付けることなくリサイクルすることが可能となる。
【0010】
本発明のロータリー包装装置の袋底突き上げ機構は、包装袋の底部を突き上げて山形に折り曲げて包装袋内に突出させる突き上げ板と、包装袋の前記袋底突き上げセクション到達停止時に前記突き上げ板を所定のストロークで昇降させるアクチュエータとを備えている。これによると、構造がシンプルな袋底突き上げ機構によって、容易に包装袋の底部を突き上げて山形に折り込むことが可能となる。そのため、小袋が被包装物であるとの誤検知を高い精度で回避できる。
【0011】
本発明のロータリー包装装置の検知手段は、包装袋を表裏から挟む一対の挟み板と、これら挟み板を近接・離間させる接離機構とを備え、包装袋の前記検知セクション到達停止時に包装袋を表裏から挟む各挟み板の対向距離が設定値以上であると包装袋内に被包装物が充填されていると検知し、各挟み板の対向距離が設定値未満であると被包装物が充填されていない空袋であると見分けて検知するように構成されている。これによると、包装袋を表裏両側から挟んで包装袋内に被包装物が充填されているか否かを正確に検知することが可能となって、小袋が被包装物であるとの誤検知を高い精度で回避できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のロータリー包装装置は、被包装物が充填されず脱酸素剤や乾燥剤のような小袋のみが投入された包装袋であっても、袋底突き上げ機構により小袋の投入姿勢による包装袋の膨らみをなくすことで、検知手段が小袋を被包装物であると誤検知するのを回避するとともに、包装袋にキズやシワを付けることなく、リサイクルすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図9】従来の包装袋に投入された小袋の姿勢変化の説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明のロータリー包装装置の概略平面図であるが、前記従来のロータリー包装装置と同一の構成については同一の符号を付している。
図1において、ロータリー包装装置Mは、円形ロータ10の周縁に2本を一組とする8組のクランプアーム20が支持され、各クランプアーム20は、それぞれの先端にスタンドパック形の包装袋13の両側縁部を挟持するクランプ11を備える。図示していないモータの動力を、間欠回転伝達機構(図示省略)を介してロータ10の中心軸1aに伝えると、ロータ10は8組のクランプアーム20の円周方向間隔に相当する45゜のピッチで時計まわり(矢印R1)に間欠回転する。
【0015】
ロータ10は、空の包装袋13を供給する包装袋供給セクション(1)、包装袋13に賞味期限等を印字し、包装袋13の袋口開工程を実施する袋口開セクション(2)、被包装物を充填する被包装物充填セクション(3)、包装袋13の底部13aを突き上げて山形に折り込む袋底突き上げセクション(4)、包装袋13内に被包装物が充填されているか否かを検知する検知セクション(5)、被包装物が充填されていると包装袋の袋口をシーラ15,16でシールするシールセクション(6)、包装袋13のシール部を冷却する冷却セクション(7)、包装した包装袋13を搬出する搬出セクション(8)の各セクション(1)〜(8)において、所定時間停止する。従って、包装袋供給セクション(1)でクランプアーム20に供給された包装袋13は、その両側縁部をクランプ11に挟持された懸垂状態で、45゜のピッチで1ピッチずつロータ10外域の円軌道Rに沿って搬出セクション(8)に向けて間欠搬送される。なお、このロータリー包装装置Mは、8セクションに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0016】
包装袋供給セクション(1)には、袋箱5にスタンドパック形の包装袋13が積層されており、積層されている包装袋13は、真空吸盤33で上から順に1枚ずつ吸着してクランプ11に供給され、その両側縁部を挟持して懸垂される。袋口開セクション(2)では、印字装置5aにより、例えば、賞味期限や製造年月日等が包装袋13の表面適所に印字されるとともに、開口機構2の開口吸盤2aにより包装袋13の表裏両面を吸引して袋口が半開きに開口される。この場合、クランプアーム20の円周方向間隔は、袋口の開口を助長するために僅かに縮小される。
【0017】
被包装物充填セクション(3)には、被包装物充填装置(図示せず)が設置されており、挿入装置(図示せず)や作業者により被包装物がホッパー14を介して包装袋13に充填される。その際、包装袋13の袋口は、袋口開セクション(2)と被包装物充填セクション(3)の間を往復動するアーム6の先端部に設けられた一対のヘラ6a,6bによって拡開される。この包装袋13には、例えば、脱酸素剤、乾燥剤、鮮度保持剤等の小袋Sが先に投入される。
【0018】
袋底突き上げセクション(4)には、
図2、
図3に示す袋底突き上げ機構7が設置されている。詳しくは、被包装物充填セクション(3)と袋底突き上げセクション(4)の間に袋底突き上げ機構7が設置されている。この袋底突き上げ機構7は、袋底突き上げセクション(4)の円軌道Rに位置合せされた突き上げ板7aと、この突き上げ板7aを所定のストロークで昇降させるエアシリンダ−からなるアクチュエータ7bとを備え、前記突き上げ板7aは、第1アーム7cの先端に垂直方向に直立して取り付けられ、この第1アーム7cを介してアクチュエータ7bの昇降ロッド7dに固着されている。また、昇降ロッド7dには、L字形の第2アーム7eを介して、被包装物が充填された包装袋13の袋底を軽くたたくタッピング板7fが被包装物充填セクション(3)の円軌道Rに位置合せして固着されており、このタッピング板7fも突き上げ板7aと同じストロークで同時に昇降する。
【0019】
図1の検知セクション(5)には、該検知セクション(5)の円軌道Rに位置合せして検知手段8が設置される。
図4,
図5,
図6において、検知手段8は、包装袋13を表裏から挟む一対の挟み板8a,8bと、これら挟み板8a,8bを近接・離間させる接離機構9とを備える。
【0020】
接離機構9は、一方の挟み板8aを上端部に取付けて回動可能に軸9aにより基台9Aに枢支された第1レバー9bと、他方の挟み板8bを上端部に取付けて回動可能に軸9cにより同じく基台9Aに枢支された第2レバー9dとを備え、これら長方形状の一対の挟み板8a,8bで包装袋13を挟んで厚みを計測し、包装袋13内の被包装物の有無を検知する。一対の挟み板8a,8bを、常時は、
図5に示すように近接させるために、第1、第2レバー9b,9d間に、引きバネ9eが掛け渡されている。引きバネ9eの付勢力に抗して第1、第2レバー9b,9dを軸9a、9cを中心に開閉するために、エアシリンダ−からなるアクチュエータ9fが、基台9A上の固定板9Bに水平方向に備え付けられている。アクチュエータ9fのロッド9g先端部は、第2レバー9dを切り欠いて水平に折り曲げられた当接板9Dに当接し、第1、第2レバー9b,9dそれぞれの下端部は、ターンバックル状の連結部材9hによって互いに連結され、アクチュエータ9fのロッド9gの作動により同じ割合で両レバー9b,9dが開閉する。なお、
図4及び
図6に示すように、固定板9Bの上部側面に光電センサー9Eが取り付けられ、
図5に示すように、第2レバー9dの縁部を検知し、検知した場合は挟み板8a,8bが近接していることを示すので被包装物が充填されていないと判断でき、検知できない場合は挟み板8a,8bが開いているので包装袋13内に被包装物が充填されていると判断できる。
【0021】
包装袋13が被被包装物充填セクション(3)から袋底突き上げセクション(4)に到達して停止すると、袋底突き上げ機構7のアクチュエータ7bの作動により突き上げ板7aが
図3の実線で示す位置から二点鎖線の位置に上昇して、
図7(b)に示すように包装袋13の底部13a,13bが突き上げられて山形に折り込まれ、
図7(c)に示すように、挟み板8a,8bにより小袋Sを立てた状態で底部13a,13bを折り込むことができる。従って、
図9(e)のように、挟み板8a,8bの対向距離が設定値以上に拡大して、包装袋13内に被包装物が充填されていると誤検知されることはない。なお、タッピング板7fも実線で示す位置から二点鎖線の位置に上昇して、被包装物充填セクション(3)で停止している後続の包装袋13の底部をたたいて被充填物の収まりを良くする。
【0022】
被包装物充填セクシヨン(3)で包装袋13に被包装物が充填され、かつ、小袋Sが投入されている形態では、袋底突き上げ機構7の突き上げ板7aにより底部が突き上げられても、この突き上げに影響されることなく、包装袋13は表裏方向に膨らんで下流の検知セクション(5)に到達して停止する。包装袋13が検知セクション(5)に到達する前に、
図5の検知手段8のアクチュエータ9fのロッド9gを突出させ、当接板9Dを押圧する。これにより、第2レバー9dは引きバネ9eの付勢力に抗して軸9cを回動中心に時計まわりに回転し、同時に連結部材9hを介して引きバネ9eの付勢力に抗して軸9aを回動中心に第1レバー9bを反時計まわりに回動させて、一対の挟み板8a,8bを離間して両者の対向間隔を拡大し、包装袋13が検知セクション(5)に到達して停止するのを許容する。
【0023】
続いて、検知手段8のアクチュエータ9fは、ロッド9gの引き込みが可能な状態に切替え保持される。これにより、引きバネ9eの付勢力で第1、第2レバー9b,9dは垂直な位置に向けて回動し、一対の挟み板8a,8bで包装袋13を表裏両側から挟んで、前記の膨らみから包装袋13内に被包装物が充填されていることを検知する。この検知に基づいて、シールセクション(6)では包装袋13の開口端をシーラ15,16で加熱シールし、冷却セクション(7)では加熱シールにより温度の上がったシール部を冷却するとともに、搬出セクション(8)ではクランプ11による包装袋13の両側縁部の挟持を解除してコンベアC(
図1参照)で搬出する。
以上を順次、実施して包装を完成する。
【0024】
被包装物充填セクション(3)での被包装物の充填作業にミスが生じたために、包装袋13に被包装物が充填されず、後述する小袋のみが投入された空の状態で袋底突き上げセクション(4)に到達して停止しても、袋底突き上げ機構7のアクチュエータ7bの作動により突き上げ板7aが上昇して、包装袋13の底部が突き上げられて
図7(b)に示すように山形に折り込まれる。
【0025】
被包装物充填セクション(3)での被包装物充填作業ミスによって、
図7(a)に示すように、スタンドパック形の包装袋13には被包装物が充填されず小袋Sのみが投入された空の状態が生じ、この状態で袋底突き上げセクション(4)に到達して停止した場合、小袋Sは、包装袋13の底部13aに倒れている。ここで、
図2,
図3の突き上げ板7aが上昇して、
図7(b)のように包装袋13の底部13aが突き上げられて山形に折り込まれると、小袋Sは、底部13aの山形の斜面の底部13bに沿って立ち上がる姿勢に変換され、この状態で下流の検知セクション(5)に到達して停止することになる。
【0026】
検知セクション(5)では、
図7(c)のように検知手段8の一対の挟み板8a,8bが包装袋13を表裏両側から挟んで、小袋Sが底部13aの山形の斜面の底部13bに沿って立ち上がったことにより、表裏方向の厚みが薄くなったことから包装袋13が空であることを前記光電センサー9Eにより検知する。この検知に基づいて、シールセクション(6)でシールせず、続く排出セクション(8)でも排出することなくリサイクルする。
【0027】
即ち、検知手段8は、包装袋13が検知セクション(5)に到達して停止した時に、一対の挟み板8a,8bで包装袋13を表裏から挟んで、各挟み板8a,8bの対向距離が設定値以上であると包装袋13内に被包装物が充填されていると検知し、各挟み板8a,8bの対向距離が設定値未満であると被包装物が充填されていない空袋であると検知するように構成されているので、包装袋13を一対の挟み板8a,8bで表裏両側から挟んで包装袋13内に被包装物が充填されているか否かを正確に検知することが可能となって、小袋Sが被包装物であるとの誤検知を高い精度で回避できる。また、検知手段8は、停止している包装袋13を表裏両側から一対の挟み板8a,8bで挟んで検知するので、包装袋13にキズやシワを付けることなくリサイクルすることが可能となる。
【0028】
包装袋13がリサイクルされると、包装袋供給セクション(1)では新しい包装袋13は供給されず、袋口開セクション(2)へ送られる。その際、包装袋13に前述の印字も行わないようにする。印字する際に包装袋13の姿勢を安定させるために対向間隔の狭い板(図示せず)の間を通過するが、リサイクルされた包装袋13は、袋底突き上げセクション(4)で小袋Sが底部13aの山形の斜面の底部13bに沿って立ち上がっていることと、検知セクション(5)の一対の挟み板8a,8bで挟まれたこととによって、表裏方向の厚みが薄くなっているので、前記狭い板の間を容易に通過できる。その後、被包装物充填セクション(3)で被包装物が充填され、以下シールセクション(6)、冷却セクション(7)等は前記と同じである。なお、次の包装作業において、サイズの異なる包装袋13を用いて被包装物を包装する場合は、
図6に示す第1と第2レバー9b,9d上端部のハンドルレバー9Fを緩めて、
図5に示すように長孔に沿って挟み板8a,8bを上方にスライドすれば、サイズの異なる包装袋13であっても検知作業が可能となる。同様に、袋底突き上げ機構7の前記突き上げ板7a及びタッピング板7fの下部の長ネジにより、突き上げ板7a及びタッピング板7fの垂直方向の位置調整ができるようにすれば、サイズの異なる包装袋13であっても対応することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、被包装物が充填される包装袋に小袋が投入される例えばロータリー包装装置において有用である。
【符号の説明】
【0030】
7 袋底突き上げ機構
7a 突き上げ板
8 検知手段
8a 挟み板
8b 挟み板
9 接離機構
9f アクチュエータ
13 包装袋
(3) 被包装物充填セクション
(4) 袋底突き上げセクション
(5) 検知セクション
M ロータリー包装装置