(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上方に開口した収納部を内側に有する便器外殻と、この収納部に脱着自在で収納される汚物受けと、前記便器外殻の上部に配置される便座と、前記収納部に収納され前記汚物受けに連通した脱臭器とを備え、
前記汚物受けは、前記収納部の上端縁に外縁を当接して前記便器外殻に保持される平面視枠状の防汚トレイを備え、この防汚トレイが後辺部に脱臭器連通用の開口部を有し、
前記脱臭器は、脱臭部を有した機器本体と、この機器本体を前記開口部に連通接続させるための接続部材とを備え、
この接続部材は、前記便器外殻の内面に固定されて前記防汚トレイを気密状態で当接して前記開口部に連通するアダプターを備えるものであることを特徴とする可搬便器。
前記開口部の縁部と、この縁部に当接される前記アダプターの端縁との間に、気密部材を介在させて、前記防汚トレイを前記アダプターに当接するものであることを特徴とする請求項1に記載の可搬便器。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。本実施形態の可搬便器1は、設置位置を容易に変更することができる。このため、可搬便器1は、老人、身体障害者、病人等の利用者が利用する介護用の便器に好適に用いられる。可搬便器1は、
図1に示すように、着座して利用される便器本体2と、利用時に生じる臭気を脱臭する脱臭器40とを備える。
【0014】
便器本体2は、
図2に示されるように、平面視矩形状の便器外殻3と、便座11及び便蓋12と、便器外殻3の内側に配置される汚物受け14とを備える。便座11及び便蓋12は、便器外殻3の後端部に左右軸回りに回動自在に連結される。なお、この左右軸回りとは、回転軸方向が左右方向と平行であることを意味する。以下、便座11に着座した利用者を基準に、利用者の腹側を前方とし、背中側を後方とし、右腕側を右側とし、左腕側を左側とする。
【0015】
便器本体2は、便器外殻3から下方に突出した脚部20と、便器外殻3の後端部に立設される背もたれ24と、便器外殻3の左右両側上方に配置される肘掛け27とを備える。このため、便器本体2は、所謂椅子型の便器になっている。そして、便器本体2は、便器外殻3、脚部20、背もたれ24のフレーム25、肘掛け27等が例えば木質材で形成してあり、所謂家具調の可搬便器1になっている。なお、汚物受け14は、例えば合成樹脂で形成してある。
【0016】
便器外殻3は、
図3,4に示すように、略箱状になっており、左右両側の側板4と、両側板4の前端間に架設した前板5と、両側板4の後端間に架設した後板6と、汚物受け14を支持する天板7とを備える。
【0017】
便器外殻3は、汚物受け14を配置・収納する収納部8を有する。収納部8は、両側板4と前板5と後板6とで囲まれた空間(箱の内部)で形成してある。収納部8は、上下方向に貫通した平面視矩形枠状になっており、上方の開口を介して汚物受け14が出し入れされる。更に、後板6は、側面視階段状に形成してあり、下部が上部に比べて後方に位置する。このため、収納部8は、後方下部に凹所8aを有した形状になっている。
【0018】
天板7は、平面視矩形枠状の板部材で形成してある。天板7は、板面を上下方向に向けた姿勢で、前記箱の内部上方に配置してある。天板7は、平面視における外周端が両側板4及び後板6の箱内面上部に当接固定してあり、下面の前部(前辺部の下面)が前板5の上端に当接固定してある。天板7は上面に汚物受け14が当接される。これによって、天板7はこの上面で汚物受け14を支持する。このため、天板7は、収納部8の上方開口の縁部(上端縁)として機能している。
【0019】
また、天板7は、
図4に示すように、後辺部7a(後端部)の左右方向の略中央に、間隙71が設けてある。間隙71は、前後方向及び左右方向において後辺部7aの全長に亘って開口しており、後辺部7aを右側の部位(第1部位)と左側の部位(第2部位)とに分断している。このため、天板7は、平面視矩形C字の略枠状になっている。そして、間隙71は、左右方向において、後辺部7aの全長(両側板4の内面の間の距離)の略中央から前記第1部位に至るまでの寸法と前記略中央から前記第2部位に至るまでの寸法とが略同寸になっている。
【0020】
後辺部7aは、前記第1部位及び前記第2部位の上面の間隙71近傍に、穴36が設けてある。言い換えると、穴36は、収納部8の上縁部の後端部(後辺部)の間隙71近傍に設けてある。そして、穴36は上方に開口して形成してあり、例えば上下方向に貫通した貫通孔になっている。なお、穴36は、貫通孔に限らず、上面から下方に凹んだ凹みであってもよい。
【0021】
両穴36(左右計二つの穴36)は、左右方向に沿って並んで位置する。そして、後辺部7aの前記略中央から各穴36までの距離は、略同寸になっている。言い換えると、前記二つの穴36は、後板6の前記略中央を基準に、左右方向において同じ距離離れた位置に夫々設けてある。そして、この二つの穴36の間の距離は、間隙71の左右方向の寸法より大寸になっている。なお、穴36の機能の詳細な説明は、後述する。
【0022】
図2に示すように、両側板4の内面には夫々、脚部20が取り付けてある。便器外殻3は脚部20を介して床上に配置される。便器外殻3は脚部20に対して高さ調節自在に取り付けてある。これによって、可搬便器1は、便器外殻3の高さを調節することができる。また、脚部20は、
図3,4に示すように、後端部にキャスター21が設けてある。これによって、可搬便器1は床上を走行して移動することができる。
【0023】
図2,3に示すように、両側板4の後端部には夫々、上方に突出した突出片9が設けてある。突出片9間には、クッション体25が取り付けてある。このため、突出片9及びクッション体25が、可搬便器1の背もたれ24になっている。そして、突出片9は背もたれ24のフレーム25として機能する。言い換えると、背もたれ24は、便器外殻3の側板4と一体でフレーム25が形成してある。
【0024】
肘掛け27は、
図2,4に示すように、肘を載せる肘載せ部28と、肘載せ部28を下方から支持する柱部29とを備え、側面視略T字状になっている。肘載せ部28は、上下方向に板面を有した板状になっており、後端がフレーム25に脱着自在で取り付けてある。また、肘載せ部28は、下面の前部に柱部29の上端が固定してある。
【0025】
柱部29は、
図2に示すように、上下方向に長尺な板状部材で形成してある。柱部29は、板面を左右方向に向けて、便器外殻3の左右の外側に配置される。このとき、柱部29は、板面下部を側板4の外面(便器外殻3の外側面)に当接した状態で、側板4に脱着自在で取り付けられる。そして、肘掛け27は、柱部29の側板4への取付位置を変更することで、肘載せ部28の高さを変更することができる。言い換えると、肘掛け27は、便器外殻3に高さ調節自在に取り付けてある。
【0026】
汚物受け14は、
図3に示されるように、屎尿を受ける便容器(不図示)と、収納部8の上端縁に外縁を当接して便器外殻2に保持される防汚容器15とを備える。そして、汚物受け14は、防汚容器15内に前記便容器が収納される。このため、汚物受け14は、二重容器になっている。
【0027】
前記便容器は、上方に開口した容器形状になっている。この便容器は、上端部から平面視外方に突出してフランジ片を有する。前記便容器は、このフランジ片を防汚容器15に載置することで、防汚容器15内に取り付けられる。以下、このフランジ片を被載置片と記載する。
【0028】
防汚容器15は、
図5に示すように、上方に開口した容器部16と、容器部16の上方開口に連通する貫通孔を略中央に有した板状の防汚トレイ17とを備える。防汚容器15は、例えば樹脂製になっており、容器部16と防汚トレイ17とが一体に形成してある。防汚トレイ17は、容器部16の上端部の略全周に亘って形成してあり、平面視枠状になっている。
【0029】
このため、防汚容器15は、上端にフランジを有した容器形状になっている。言い換えると、防汚容器15は、防汚トレイ17の前記貫通孔の縁部(内端部の内縁)が、容器部16の上端部に接続してある。
【0030】
容器部16は内部に前記便容器が配置収納される。このとき、防汚容器15は、この便容器の被載置片が、防汚トレイ17の内端部に載置される。言い換えると、防汚トレイ17は、内端部が、前記被載置片を載置する載置部31になっている。これによって、この便容器は、防汚容器15に支持される。
【0031】
そして、防汚トレイ17は、
図3乃至5に示すように、載置部31外縁に壁部32が設けてある。壁部32は、載置部31外縁の全周に亘って形成してある。そして、壁部32は載置部31外縁から上方に立ち上がって設けてある。壁部32の上端には、便座受け33が設けてある。便座受け33は、壁部32上端の全周に亘って形成してある。そして、便座受け33は、壁部32から平面視外方に突出して設けてある。このため、便座受け33は、平面視矩形の枠状になっている。そして、便座受け33は、上面に便器11が載置される。
【0032】
このように、防汚トレイ17は、内端部が載置部31になっており、外端部が便座受け33になっている。そして、防汚トレイ17は、載置部31と便座受け33との間に壁部32を有するため、断面階段状になっており、載置部31の載置面(上面)が便座受け33の上面より下方に位置する。
【0033】
また、便座受け33は、
図3に示すように、下面が天板7に載置される。これによって、防汚トレイ17(防汚容器15)は便器外殻3に支持される。このため、前記便容器は、防汚容器15を介して便器外殻3に支持される。そして、便座受け33は、
図5に示すように、矩形枠状の四辺のうち、後辺部の下面(裏面)に突起35が設けてある。言い換えると、防汚トレイ17は、後辺部17aの外縁に、突起35が設けてある。
【0034】
突起35は、左右方向に間隔をおいて二つ並んで形成してある。平面視において、右側の突起35は右側の穴36と重なって位置し、左側の突起35は左側の穴36と重なって位置する。言い換えると、突起35の並ぶ前記間隔は、穴36の並ぶ前記間隔と略同寸になっている。そして、突起35の前記間隔の左右方向の略中央が、穴36の前記間隔の左右方向の略中央と平面視において重なって位置する。
【0035】
便座受け33は、突起35を穴36に嵌め込むことで、位置決めして下面を天板7に当接することができる。言い換えると、可搬便器1は、突起35を穴36に嵌め込み便座受け33の下面を天板7に当接することで、防汚トレイ17(防汚容器15)を位置決めして天板7に支持させることができる。このため、突起35及び穴36は、防汚容器15を天板7に支持させる際に、位置決め部として機能する。
【0036】
また、防汚トレイ17は、
図3に示すように、天板7の後辺部7a側に当接される後端部(後辺部17a)に、開口部18が設けてある。開口部18は、防汚トレイ17の後辺部17aの左右方向の略中央に設けてある。
【0037】
具体的には、開口部18が、便座受け33の後辺部の前端部で上方及び前方に開口しており、壁部32で上下方向の略全長に亘って前方に開口している。そして、開口部18は、便座受け33側の開口部位と壁部32側の開口部位とが連通している。言い換えると、開口部18は、防汚トレイ17の後辺部17aのうち、便座受け33の前端部から壁部32に跨って設けてある。
【0038】
更に、開口部18は、
図4に示すように、左右方向において、便座受け33及び壁部32の略中央に設けてある。そして、開口部18は、左右方向において、間隙71に比べて小寸で所定の幅を有する。このため、開口部18は、正面視において間隙71内に位置する。
【0039】
脱臭器40は、
図3に示すように、開口部18に接続してあり、開口部18を介して汚物受け14内の臭気(空気)を吸入する。これによって、脱臭器40は汚物受け14内を脱臭する。脱臭器40は、収納部8の容器部16より後方側の空間に収納してある。言い換えると、脱臭器40は、収納部8において、容器部16の背面と後板6との間の空間に配置される。
【0040】
そして、脱臭器40は、
図1に示すように、前記臭気を脱臭する機器本体41と、機器本体41を連通接続した接続部材42とを備える。脱臭器40は、接続部材42を介して機器本体41が開口部18に連通接続してある。接続部材42は、開口部18に接続する第1アダプター43(アダプター43)と、第1アダプター43に接続した接続管46と、接続管46を機器本体41に接続する第2アダプター47とを備える。
【0041】
第1アダプター43は、左右方向に略対向して設けた二つの側壁と、両側壁の後端間に架設した後壁と、両側壁の前端間に架設した前壁と、両側壁及び後壁及び前壁で囲まれた空間の下端を塞ぐ底部とを備える。このため、第1アダプター43は、平面視矩形の箱状になっている。言い換えると、第1アダプター43は、矩形の箱体44で形成してある。
【0042】
箱体44は、前壁の上部及び箱の天井が開口している。そして、箱体44は、開口縁の略全体に亘って、気密部材(不図示)が設けてある。具体的には、この気密部材が、前壁の上端、この上端より上部に位置する側壁の前端(前端上部)、側壁の上端、後壁の上端の略全体に亘って設けてある。そして、この気密部材としては、例えばテープ状のパッキンになっており、例えば接着等で箱体44の前記開口縁に固定してある。
【0043】
箱体44は、平面視において、後壁及び両側壁の前壁より上部側の部位が間隙71内に配置してあり、この部位は間隙71の略中央に位置する。そして、箱体44は、開口の左右方向及び前後方向の寸法が夫々、開口部18の対応する方向における寸法より大きい寸法になっている。なお、箱体44の前記開口の寸法は、開口部18の前記寸法と略同じ寸法であってもよい。
【0044】
箱体44は、側壁に夫々被固定片が設けてある。被固定片は、各側壁の後端部から後板6に沿って左右方向の外側に突出して形成してある。そして、箱体44は、被固定片を介してビスやねじ等の固定具で後板6に固定される。このとき、箱体44は、後壁の後面を後板6の内面に当接した状態で取り付けられる。
【0045】
箱体44は、この状態で、側壁及び後壁の上端(又はこの上端を覆う前記気密部材の上面)が、天板7の後辺部7aの上面と略面一となる高さに位置する。そして、箱体44は、この状態で、側壁の前端上部(又はこの前端を覆う前記気密部材の前面)が、天板7の後辺部7aの前端面と略面一或いはこの前端面より前方に位置する。
【0046】
このため、天板7に防汚容器15を取り付けた場合には、平面視において、後壁が便座受け33の後部(開口部18より後方側の部位)の下方に位置し、前壁が載置部31の下方に位置する。そして、この場合には、両側壁が便座受け33の開口部18の縁部と突起35との間に位置する。言い換えると、前記場合には、平面視において、第1アダプター43の前記開口の内側に開口部18が位置する。
【0047】
更に、天板7に防汚容器15を取り付けることで、第1アダプター43は箱体44の前記開口縁が前記気密部材を介して防汚トレイ17の裏面に当接される。詳しくは、箱体44の両側壁及び後壁の上端が便座受け33の下面に前記気密部材を介在して当接され、両側壁の前端上部が壁部32の後面に当接され、前壁の上端が載置部31の下面に当接される。これによって、第1アダプター43は、箱体44の内部空間が開口部18(汚物受け14内)と気密状態で連通する。
【0048】
また、左側の側壁には、
図1に示すように、エルボ部材45が設けてある。言い換えると、第1アダプター43は、エルボ部材45をさらに備える。エルボ部材45は、上流端が箱体44内に開口しており、箱体44の内部空間に連通している。そして、エルボ部材45は下流側に接続管46が取り付けてある。これによって、第1アダプター43は、エルボ部材45を接続管46に連通接続することができる。言い換えると、第1アダプター43は、エルボ部材45を介して箱体44と接続管46とを連通接続することができる。
【0049】
接続管46は、例えば蛇腹状等のフレシキブルな管部材で形成してある。そして、接続管46は、エルボ部材45との接続部位から下方に伸びた後、一旦上がってから下方に伸びており、横倒しのS字状に屈曲させて配置してある。また、接続管46は、前記一旦上がってから下方に伸びた下端部に第2アダプター47が取り付けてある。
【0050】
このため、接続管46は、エルボ部材45に取り付けた側(前記接続部位)が上流端になっており、第2アダプター47に取り付けた側が下流端になっている。そして、接続管46は、平面視において、箱体44の左側外方に上流端が位置し、箱体44の右側外方に下流端が位置する。
【0051】
第2アダプター47は、収納部8の凹所8a右側に配置される。そして、第2アダプター47は、接続管46の下流端に取り付けた断面円形状の外筒49と、機器本体41の上流端に取り付けた断面円形状の内筒48とを備える。
【0052】
内筒48は、
図7に示すように、円筒形状に形成してあり、例えば樹脂製になっている。内筒48は軸方向の一端(第1端48a)が、自由端になっている。第1端48aは、内筒48内部を外筒49内部に連通させるための上流端になっている。そして、内筒48は、反対側の一端(第2端)が、機器本体41の外殻41a(詳細は後述する)に接着等で固定してある。そして、内筒48は、この第2端を介して内筒48内部と機器本体41内部とが連通接続している。
【0053】
外筒49は、
図6に示すように、円筒形状に形成してあり、例えば樹脂製になっている。そして、外筒49は筒の一端(第1端)側が接続管46の下流端に固定してあり、接続管46内部と外筒49内部とが連通接続してある。このため、外筒49は、この第1端が上流端になっている。外筒49は、この第1端側の部位が、上流側に向かう程狭まる略円錐形状になっており、この第1端がエルボ部材45と略同じ直径になっている。
【0054】
また、外筒49は、円筒状の部位の内径が、内筒48の外径より若干大きい或いは略同じになっている。そして、外筒49は、円筒の第1端とは反対側の一端(第2端49a)が自由端になっている。このため、外筒49は、第2端49a側から円筒状の部位の内側(内周側)に、内筒48を略同心で挿入配置することができる。これによって、脱臭器40は、外筒49と内筒48とを連通接続することができて、接続管46と機器本体41とが連通接続される。
【0055】
そして、外筒49は、内側に内筒48を配置することで、例えば外筒49の内周面に内筒48の外周面が当接或いは近接する等で、外筒49と内筒48とを脱着自在で嵌め合せた状態にすることができる。更に、この嵌め合せた状態では、外筒49の内周面と内筒48の外周面との間に気密部材を介在させなくても、この間が略気密状態となる。
【0056】
また、第2アダプター47は、外筒49と内筒48とを嵌め合せた状態(嵌着させた状態)に保持する保持構造をさらに備える。保持構造は、凸部50と凸部50に嵌り合う凹部51とで形成してあり、外筒49の内周面と内筒48の外周面のうち、一方に凸部50が設けてあり、残りの一方に凹部51が設けてある。
【0057】
例えば本例では、
図6に示すように、外筒49の内周面に凸部50が設けてあり、
図7に示すように、内筒48の外周面に凹部51が設けてある。凸部50は、外筒49の第2端49a近傍に設けてある。そして、凸部50は、径内方向に突出して形成してある。凹部51は、内筒48の第1端48a近傍に設けてある。そして、凹部51は、径外方向に凹んで形成してあり、凸部50と嵌り合う形状になっている。
【0058】
更に、内筒48の外周面には、外筒49と内筒48とを嵌め合せる際に、凸部50を凹部51にガイドするための溝部52が設けてある。溝部52は径内方向に凹んだ形状になっており、軸方向に沿って長尺に形成してある。そして、溝部52は軸方向の一端が第1端48aに開口しており、反対側の一端側が内筒48の円周方向において凹部51に連通している。
【0059】
このため、第2アダプター47は、凸部50を溝部52に配置して、外筒49を内筒48に対して軸方向に相対移動させる。そして、第2アダプター47は、凸部50が溝部52の前記反対側の一端に達すると、外筒49を内筒48に対してその円周方向に相対移動させて、凸部50と凹部51とを嵌め合せる。これによって、第2アダプター47は、外筒49の内筒48に対する軸方向の相対移動を規制して、外筒49と内筒48とを嵌着させた状態にすることができる。
【0060】
更に、第2アダプター47は、前記嵌着させた状態で、外筒49を内筒48に対してその円周方向に相対移動させて、凸部50を溝部52に位置させることで、外筒49を内筒48に対して軸方向に相対移動可能にすることができる。なお、本例では、接続管46をフレキシブルな部材で形成したことで、前記相対移動を行うにあたって、後板6に機器本体41を介して固定される内筒48に比べて、外筒49側を動かし易くしてある。
【0061】
また、本例では、凸部50及び凹部51(及び溝部52)が、第2アダプター47に二つ設けてある。外筒49は、内周面の直径に沿った所定の直線との二つの交点位置に夫々凸部50が設けてある。内筒48は、外周面の直線に沿った所定の直線との二つの交点位置に夫々凹部51が設けてある。このように、凸部50及び凹部51を二つ以上(複数)設ける場合には、凸部50間(凹部51間)の円周方向における距離が略均等になるように配置することが好ましい。
【0062】
更に、外筒49は内周面に、内筒48の上流端を当接する当接片49aが設けてある。当接片49aは、
図6に示すように、外筒49と略同心の円環状に形成してあり、外筒49の内周面から径内方向側に突出する。当接片49aは、外筒49内に内筒48を挿入して、凸部50を凹部51に嵌め合せた状態で、内筒48の上流端が当接される。
【0063】
このため、当接片49aは、内筒48の外筒49への挿通時に、凸部50が溝部52の前記反対側の一端側より下流側に移動しないように(内筒48が挿通され過ぎないように)内筒48の外筒49への挿通範囲を規定している。これによって、第2アダプター47は、内筒48と外筒49との嵌め合わせを行い易くすることができる。
【0064】
また、第2アダプター47内には、
図7に示すように、異物の流通を抑制するフィルター54が設けてある。フィルター54は、内筒48の内周に略同心で配置してある。フィルター54は、内筒48の軸方向において内筒48の第1端48a側(上流側)に位置する。そして、フィルター54は、円盤形状のフィルター本体55と、フィルター本体55を保持する円環状の枠部材56とで形成してある。
【0065】
フィルター本体55は、空気が流通可能で且つ異物を捕捉可能なもので形成してあり、例えば不織布等のメッシュ部材等で形成してある。枠部材56は、板面に通気口を有した円盤状になっている。枠部材56は、フィルター本体55と略同心で、フィルター本体55の上流側と下流側とに夫々配置される。そして、枠部材56は、円盤の板面がフィルター本体55の板面に当接されており、フィルター本体55を間に介在して互いに固定してある。これによって、枠部材56は、フィルター本体55を保持している。
【0066】
更に、第2アダプター47は、フィルター54を取付位置に保持する保持部48bが、内筒48に設けてある。保持部48bは、内筒48の内周面から内周側に突出して設けてある。保持部48bは、内筒48と略同心の円環状になっている。保持部48bは、内筒48の第1端48aより下流側に位置する。
【0067】
そして、保持部48bは、内筒48にフィルター54を略同心で配置した際に、保持部48bの上流側を向く端面に、下流側の枠部材56の下流側を向く板面の外周縁が当接される。これによって、フィルター54は、内筒48内において、軸方向における取付位置が規定されて、内筒48内に位置決め保持される。
【0068】
機器本体41は、収納部8の凹所8aに配置される。機器本体41は、凹所8aの左右方向の略中央に位置して、後板6に固定してある。そして、機器本体41は、正面視矩形状で左右方向に長尺な箱型の外殻41aを有する。
【0069】
外殻41aは、
図8に示すように、左右方向の一側面(本例では右端面)に、貫通孔が設けてある。そして、この右端面には内筒48の第2端が固定してあり、前記貫通孔と内筒48内部とが連通接続している。更に、外殻41aは、前記一側面とは反対側の一側面(本例では左端面)に、貫通孔が設けてある。
【0070】
そして、機器本体41の内部には、前記貫通孔の両方に連通した通風路60が設けてある。通風路60は、前記右端面の貫通孔が上流端60aになっており、前記左端面の貫通孔が下流端60bになっている。そして、機器本体41は、上流端60aに内筒48の前記第2端が固定してあり、内筒48と通風路60とが連通する。
【0071】
また、機器本体41の内部には、吸引部62と、脱臭部63と、吸引部の作動を制御する制御部61とがさらに設けてある。吸引部62は、例えば吸引ファン等を備える。そして、吸引部62は、少なくとも前記吸引ファンが通風路60に配置される。脱臭部63は、例えば光触媒フィルター及び活性炭フィルター等を備える。脱臭部63は、少なくとも前記光触媒フィルター及び前記活性炭フィルターが通風路60に配置される。そして、脱臭部63(前記光触媒フィルター及び前記活性炭フィルター)は、例えば吸引部62(吸引ファン)より下流側に配置される。
【0072】
このため、機器本体41は、吸引ファン(吸引部62)を作動させることで、内筒48(接続部材42)から通風路60に空気を吸入した後、この空気を機器本体41外(収納部8内の汚物受け14より外方の空間)に排出する。このとき、機器本体41は、前記空気を通風路60内で脱臭部63に流通させることで、例えばこの空気中の臭い成分等を低減や除去する等で、この空気の脱臭を行うことができる。
【0073】
言い換えると、脱臭器40は、吸引部62を作動させることで、汚物受け14内の臭気(空気)を便座受け33の開口部18から接続部材42を介して機器本体41に吸引する。このとき、接続部材42は、第1アダプター43(アダプター43)、接続管46、第2アダプター47の順番で前記臭気が流通する。そして、脱臭器40は、この吸引した臭気を脱臭部63に流通させて前記脱臭を行った後、脱臭した前記臭気(臭い成分を低減・除去した空気)を機器本体41外に排出する。
【0074】
また、脱臭器40は、臭気センサ64を備える。臭気センサ64は、
図4に示すように、例えば便座受け33の開口部18近傍に設けられる。臭気センサ64は、開口部18周辺の臭気を検知して、その検知結果を制御部61に出力する。制御部61は、この検知結果が所定の条件を満たす場合に、前記脱臭を行う(開始する)ように吸引部62を制御する。そして、制御部61は、前記所定の条件を満たさなくなる(前記脱臭が完了する)と、前記脱臭を終了させるように吸引部62を制御する。
【0075】
このように、可搬便器1は、着座した使用者の体重、防汚トレイ17及び便座11の重量、前記便容器内の水等の使用時の重量によって、防汚トレイ17を第1アダプター43や天板7に押し付けることができる。このため、可搬便器1は、前記使用時に、第1アダプター43の端縁と防汚トレイ17の裏面側における開口部18の縁部との間を気密状態にして、第1アダプター43と開口部18とを連通した状態にし易くすることができる。言い換えると、可搬便器1は、脱臭器40を開口部18に気密状態で連通接続し易くすることができて、例えば開口部18の縁部と第1アダプター43との間等の開口部18以外からの空気の流入を生じ難くすることができる。
【0076】
これによって、可搬便器1は、脱臭器40による臭気の吸入を安定して行い易くなり、例えば開口部18からの吸入量の低下等での脱臭器40の性能低下を抑制することができる。そして、可搬便器1は、臭気センサ64を備えたことで、使用者が脱臭器40を操作しなくても、前記脱臭の開始・停止等を切り替えることができて、可搬便器1を利用し易くすることができる。
【0077】
また、可搬便器1は、第1アダプター43を防汚トレイ17(汚物受け14)に対して非固定としたことで、接続部材42を伴わずに防汚容器15や汚物受け14を便器外殻3から取り外したり取り付けたりすることができる。このため、可搬便器1は、防汚トレイ17の便器外殻3に対する脱着時における接続部材42の便器外殻3や防汚トレイ17への干渉や、接続部材42による防汚トレイ17清掃の妨害等を生じ難くすることができる。これによって、可搬便器1は、前記脱着や清掃等のメンテナンスにおける作業を行い易くすることができる。
【0078】
更に、可搬便器1は、接続部材42から分離した状態で防汚容器15を清掃することができる。このため、可搬便器1は、洗浄時等に洗浄水の接続部材42への流入を防止することができる。これによって、可搬便器1は、この洗浄水等の接続部材42への残留による脱臭器40の性能低下を抑制することができる。
【0079】
また、可搬便器1は、第1アダプター43の端縁と開口部18の縁部との間に前記気密部材を介在させたことで、前記間に気密状態を生じ易くすることができる。これによって、可搬便器1は、脱臭器40と開口部18とを、気密状態で連通接続し易くすることができる。
【0080】
また、可搬便器1は、位置決め部によって収納部8に対する防汚トレイ17の取付位置を規定したことで、防汚トレイ17を収納部8に取り付ける際に、開口部18の縁部に第1アダプター43の端縁を当接し易くすることができる。これによって、可搬便器1は、脱臭器40と開口部18とを気密状態で連通接続し易くすることができる。
【0081】
また、可搬便器1は、内筒48にフィルター54用の保持部60を設けたことで、内筒48内にフィルター54を配置・保持した状態で、外筒49と内筒48とを嵌め合せることができる。これによって、可搬便器1は、接続部材42内にフィルター54を配置し易くすることができて、メンテナンス等の作業を行い易くすることができる。
【0082】
そして、可搬便器1は、接続部材42を汚物受け14に非固定としたことで、汚物受け14を容易に取り除ける等で、フィルター54の脱着時に、汚物受け14を干渉し難くすることができる。これによって、可搬便器1は、フィルター54の交換や清掃等のメンテナンスを行い易くすることができる。
【0083】
なお、本発明は、実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。