(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984644
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法及びその装置並びに突き固めビーム及び道路仕上げ装置
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
E01C19/48
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-262231(P2012-262231)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2013-117160(P2013-117160A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2015年2月19日
(31)【優先権主張番号】10 2011 119 937.7
(32)【優先日】2011年12月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592188715
【氏名又は名称】ボーマーク・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】BOMAG GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】カール‐ヘルマン・メッツ
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・ヴァーグナー
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭58−011204(JP,A)
【文献】
特公昭48−000664(JP,B1)
【文献】
実開平05−016165(JP,U)
【文献】
特開昭55−117014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00−19/52
E02D 7/00−13/10
B06B 1/12
B25D 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突き固めビームが上死点と下死点とを有する揺動垂直振動をし、前記上死点が調節可能であり、前記下死点が一定に維持される方法であって、
前記垂直振動は、前記突き固めビームを前記下死点に向けて駆動し、そこから切り離し、前記突き固めビームを前記上死点に向けて退避させることによって作り出され、前記上死点が退避経路の長さの任意に調節可能な規制によって調節可能とされることを特徴とする道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法。
【請求項2】
前記突き固めビームの駆動中にエネルギーが蓄えられ、前記エネルギーが前記突き固めビームを退避させるために使用される請求項1に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法。
【請求項3】
前記上死点の調節が、少なくとも1つの参照値の関数として行われ、この参照値は前記突き固めビーム駆動装置の油圧、前記突き固めビームの圧縮力、前記突き固めビームのプッシュロッドの圧縮応力、舗装スクリード構造の垂直移動、前記舗装スクリードの後方の舗装材の密度又は土壌の堅さ、のいずれか一つ又はこれらの組み合わせを含む請求項1又は2に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法。
【請求項4】
前記揺動振動の周波数は、前記上死点の関数として設定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法。
【請求項5】
衝突距離が一定に維持される請求項1〜4のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する方法。
【請求項6】
第1駆動装置によって上死点と下死点とを有する揺動垂直振動をする突き固めビーム(10)を有する道路仕上げ装置の突き固めビーム(10)の振幅を調節する装置であって、
前記下死点を一定に維持しながら前記上死点のための調節装置を含むものにおいて、
前記突き固めビーム(10)の退避のために、前記上死点に向かう方向に作用する第2駆動装置が設けられ、前記上死点に向かう方向に作用する当該第2駆動装置が前記第1駆動装置から切り離され、前記振幅調節のために、退避経路の長さが任意に調節可能である道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項7】
前記第1駆動装置は前記突き固めビーム(10)が前記下死点への偏位のために作動接続されたカム駆動装置(13)又は一定の振幅(A1)を有する偏心軸として構成され、前記カム駆動装置(13)は前記突き固めビーム(10)の前記上死点への偏向のために当該突き固めビーム(10)と作動係合せず、前記突き固めビーム(10)が前記上死点への偏位のために作動接続され前記カム駆動装置(13)の前記振幅から独立している第2駆動装置としての退避装置が設けられ、前記上死点を決定する任意に垂直調節可能な停止部(22, 41)が設けられている請求項6に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項8】
前記退避装置はバネ(20)である請求項7に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項9】
前記上死点のための前記停止部(22, 41)は連続的に調節可能である請求項7又は8に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項10】
前記上死点のための前記停止部(22)は、その中で前記突き固めビーム(10)のプッシュロッド(11)が案内されるブッシングとして構成され、前記プッシュロッド(11)には停止部カウンタピース(25)が設けられている請求項7〜9のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項11】
前記ブッシングはベースフレームに固定された補完的なネジ部に取付けられた外ネジ(36)を備えるネジブッシング(19)として構成され、これにより当該ネジブッシング(19)を捻ることによる前記ネジブッシング(19)の軸芯方向変位が作り出される請求項10に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項12】
前記上死点のための前記停止部(22, 41)は、伝動装置によって調節可能である請求項7〜11のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項13】
前記上死点のための前記停止部(22, 41)はショック・アブソーバを有する請求項7〜12のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項14】
前記突き固めビーム(10)のベース面は、舗装スクリード(16)のベース面(24)を備えて平面に延出する後方領域(27)と、前方侵入傾斜(28)と、前方に向かって上昇する傾斜を備える中間移行領域(29)とを有する請求項7〜13のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項15】
前記中間移行領域(29)の傾斜は、1°〜20°の傾斜角で前方に向かって上昇する請求項14に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項16】
前記カム駆動装置(13)は、舗装スクリード振動を作り出すインバランス(31)を備える請求項7〜15のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項17】
前記カム駆動装置(13)は、舗装スクリード振動を作り出す装置のための駆動装置(32)として構成されている請求項7〜16のいずれか一項に記載の道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節する装置。
【請求項18】
それぞれが請求項6〜17のいずれか一項に記載の装置を有する二本の互いに離間したプッシュロッドを備える、道路仕上げ装置のための突き固めビーム。
【請求項19】
振幅調節のための前記二つの装置の調節装置は、伝動装置を介して互いに作動接続されている請求項18に記載の突き固めビーム。
【請求項20】
前記両プッシュロッドに割り当てられた上死点のための前記調節装置のための駆動装置は、回転速度と回転角度位置とにおいて同期される請求項19に記載の突き固めビーム。
【請求項21】
請求項6〜17のいずれか一項に記載の装置又は請求項18〜20のいずれか一項に記載の突き固めビームを備える道路仕上げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突き固めビームのための回転駆動装置を備えて突き固めビームが上死点と下死点とを有する振動垂直運動を行う、道路仕上げ装置の突き固めビームの振幅を調節するための方法と装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているように、道路表面を平面状に形成するために道路仕上げ装置が使用される。この場合、舗装材、例えばアスファルトは、舗装材を所望の舗装厚に引いて表面を平滑化する舗装スクリード(paving screed)の前方で所望の舗装幅に分配される。突き固め装置とも呼ばれる突き固めビームは、舗装スクリードの前方に配置可能であり、これは、突き固め垂直移動によって舗装材を固め、舗装スクリードの下で、舗装されるべき材料の流れを支える。この目的のために、突き固めビームは、プッシュロッドを介して回転駆動装置に接続され、この駆動装置の回転中に、突き固めビームの振幅又はストロークとして指定(designated)される振動垂直運動が作り出される。公知の突き固めビームでは、駆動装置は例えばクランク軸から構成される。
【0003】
通常、道路仕上げ装置の突き固めビームによる固めは、その後のローラによる固めに置き換わるものではない。それは、突き固めビームによる固めの場合においては、事前突き固めの話もあるからである。しかしながら、より良好な舗装面が達成されるためには、突き固めビームによる高度な事前突き固めが有利である。それは又、舗装材が可能な最も高い温度である状態で行われ、その後のローリング固め中に材料がスライドするおそれが最小化されるために、特に効率的でもある。更に、ローラの固め力を低減することも可能である。
【0004】
公知の突き固めビームは、約2〜3cmの幅の平坦なベース面を有し、その前側の進入角は約60度である。このようなジオメトリ(形状)が選択される理由は、それによって、舗装材又は舗装装置になんら損傷を与えることなく、使用される舗装材の全部と通常の層厚さを舗装することが可能であるからである。これは全ての層厚さ及び材料に対して同等に有利な作用を与えることのない妥協を伴うものである。例えば、層厚さが大きくベース面積が狭い突き固めビームでは、材料は垂直方向において僅かにしか圧縮(固め)されずに、主に前方に押される。この場合、それは、舗装スクリードの下方に既に存在している材料上に載置され、それによって、舗装スクリードの下方の別の材料の流れが或る程度促進される。比較的大きなベース面積の突き固めビームでは、厚い層での垂直圧縮(固め)の増大を達成することは確かに可能であるが、約2cm程度の薄い層の場合は、材料がもはや前方に流れないことから粒状断片化のおそれがある。比較的幅の広い突き固めビームの垂直反動力によって、ストローク毎に、それに連動する舗装スクリードが持ち上げられ、舗装材の表面上に波が形成される。
【0005】
突き固めビームの振動振幅を手動で調節することは勿論知られている。しかしながら、この目的のためには、まず調節装置に対する作業者のアクセスを可能にしなければならないため、これには高い組み立てコストが必要である。通常、機械の被覆(cladding)の少なくとも一部分を除去しなければならない。このことは、道路仕上げ装置の作動を中断しなければならないということを意味し、これは、舗装される材料層の品質に対して不利な影響を与える。
【0006】
突き固めビームのための一般的な装置がDE102006046250A1(特許文献1)において知られている。この突き固めビームは、所定の有効長を有するレバーアームに取付けられ、このアームが偏心駆動装置によって駆動される。突き固めビームのストロークを調節するには、突き固めビームに対するレバーアームの有効長をそのままに維持しながら、偏心駆動装置に対してレバーアームの有効長を変える。これによって、突き固めビームの下死点は、調節されたストロークにかかわらず変化しない。突き固めビームのストロークを調節するための別の一般的装置がDE1459670A(特許文献2)とEP2325392A2(特許文献3)において知られている。これらの装置には全て、突き固めビームの上死点と下死点とが偏心駆動装置の偏心性によって不変に規定されるという共通点がある。偏心駆動装置によって突き固めビームの下死点への下方移動と、突き固めビームの上死点への退避移動とが決まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE102006046250A1
【特許文献2】DE1459670A
【特許文献3】EP2325392A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、簡単な振幅調節を可能にする最初に述べたタイプの方法と装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、突き固めビームを下死点に向けて駆動し、そこから切り離し、それを上死点に向けて退避させることによる垂直振動を作り出し、かつ、退避経路の長さを任意に調節可能な規制によって調節可能とする上死点の構成によって達成される。
【0010】
従って、本発明の基礎をなす概念は、突き固めビームの偏位は、突き固めビーム駆動装置の偏位に比例しないということである。
【0011】
別の好適な発展構成によれば、突き固めビームの駆動中にエネルギーを保存し、このエネルギーを突き固めビームの退避移動に利用する。これにより、突き固めビームは、下方向の駆動力によってのみ積極的に偏位することになる。
【0012】
特に有利な構成として、駆動装置は、突き固めビームが下死点への偏位のために作動接続される一定の振幅を有するカム駆動装置又は偏心軸として構成され、突き固めビームが上死点への偏位のために作動接続されるとともにカム装置の振幅から独立した退避装置が設けられ、上死点を固定する任意に垂直調節可能な停止部(stop)が設けられる。
【0013】
その他の好適な発展構成は従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明は、振幅を変化させた時に、下死点における突き固めビームのベース面が、舗装スクリードのベース領域の平面で、調節されたストロークから独立して維持される点で有利である。従って、従来の突き固めビームと比較して、突き固めビームのベース面の幅を、たええ大きな厚さでも垂直に十分に固め可能な程度にまで拡大することが可能となる。薄い層を固める場合には、適当な振幅に容易に調節することが可能である。従って、振幅の変更後に再度アラインメントすることは不要である。振幅を変えるために調節しなければならいなコンポーネントは一つだけであり、これは比較的単純な手段によって構造的(constructively)に行うことができ、カム軸のストロークは一定に維持可能であるので振幅の変更を迅速に行うことができる。もう一つの利点は、振幅を基本的に小さく維持することが可能であり、それによって摩耗と作業騒音が低減されることである。
【0015】
本発明に更に別の好適発展構成によれば、振幅振動の周波数が上死点に依存して設定される。これは、周波数が突き固めビームの振幅に依存して変化し、かつ、その周波数は舗装材の層厚さに対しても適合される、という利点を有する。
【0016】
更に、突き固めビームの衝突距離を一定に維持する、即ち、周波数を舗装速度に比例して増加させると有利である。ここで衝突距離とは、道路仕上げ装置の前進移動中の2つの死点間の距離として理解される。
【0017】
原則的に、停止部(stop)の段階的調節を提供することが可能である。但し、停止部(stop)の連続調整が特に有利であり、これにより振幅を無段に変化させることが可能となる。このように、それぞれの層厚さ及びそれぞれの材料に対する最適な固めを、その後に表面又は装置に対してなんら損傷を与えることなく、正確に調節することが可能となる。
【0018】
本発明の別の好適発展構成によれば、前記停止部(stop)は前記プッシュロッドに作動接続される。これは、前記停止部(stop)の調節を、プッシュロッドに対して平行又は同芯に行うことが可能になるという利点を有する。
【0019】
道路仕上げ装置の運転席から操作可能な停止部(stop)のための調節装置を提供することによって作業の中断の無い振幅調節が特に確保される。
【0020】
前記調節のために、駆動装置、好ましくは、機械式、電気式又は油圧式の装置を使用することができる。停止部が、プッシュロッド又はチェーンによって案内されるとともにプッシュロッドに取付けられた変位不能なカウンタピース(counterpiece)と協働する直線変位可能なブッシングとして好適に構成される機械式調節装置が好都合である。
【0021】
ブッシングの調節は、ハウジング側の内ネジに案内される外ネジを備え、最も単純なケースにおいて、これら内ネジと外ネジとがそれぞれ制御ピンとこの制御ピン用の制御曲線とから構成されるブッシングによって特に単純に達成することが可能である。好ましくは、制御ピンは、ブッシング側に配設され、制御曲線はハウジング側に配設される。これは、ブッシングをその軸芯周りで捻るだけで停止部の調節が達成可能であるという利点を有する。
【0022】
調節装置の好適な代替構成においては、それによって停止部をプッシュロッドに対して平行に変位することが可能なスピンドル駆動装置を備える。
【0023】
その結果、振幅調節は、作業者によって手動で行うことができ、作業者が次の観察と視覚的検査を進めるか、又は舗装材と必要な層厚さとに関する仕様に従って進めて良い作業結果を得ることが可能となる。但し、本発明は、停止部の調節を、制御又は調整された装置、例えばモータ又はモータコントローラによって比較的容易に達成することが可能であるので、自動振幅調節用に特に有利である。
【0024】
最適に調整された振幅調節は、センサによって測定される下記の制御変数の少なくとも一つを使用することによって得られる。
− 突き固めビーム駆動装置の油圧、
− 突き固めビームの圧縮力
− 突き固めビームのプッシュロッドの圧縮応力
− 舗装スクリード構造の垂直移動
− 舗装スクリード構造の垂直加速度
− 特に舗装スクリードの後方の振動率EVIB[MN/m
2]としての密度および/又は土壌の堅さ
【0025】
これらの制御変数を、突き固めビームの振動周波数、舗装スクリードの進行、舗装層厚さなどのその他のパラメータと有利に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、本発明を、図面に概略図示されている4つの実施例を参照して更に説明する。
【
図1】突き固めビームの振幅を調節するための第1の装置の一部切断側面図である。
【
図2】突き固めビームの振幅を調節するための第2の装置の一部切断側面図である。
【
図3】突き固めビームの振幅を調節するための第3の装置の一部切断側面図である。
【
図4】突き固めビームの振幅を調節するための第4の装置の一部切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1,2及び3において、10は、上死点と下死点とを備える振動垂直振動を実行可能とするべく垂直変位可能に取付けられた道路仕上げ装置(図示せず)の突き固めビームを示している。この突き固めビーム10は、上端部に位置するヘッド面12を備える垂直プッシュロッド11を有している。プッシュロッド11は、第1駆動装置によって一方向に移動され、前記第1駆動装置から切り離された第2駆動装置によって反対方向に移動される。図示の例において、第1駆動装置はカム駆動装置13であって、これは、上端部に位置するとともに、それに対して突き固めビーム10が作動接続されて、軸30に取付けられた偏心カム14がヘッド面12上で摺動回転するように構成されている。カム14は突き固めビーム10に対してリジッド又は積極的に接続されていないので、それは、突き固めビーム10に向かって移動している時にのみ、即ち、図示の例においては時計回り方向で突き固めビーム10に向かって移動している時にのみ、駆動力を伝達することができる。突き固めビーム10から離間移動している時は、カム駆動装置13は突き固めビーム10に対してなんら駆動力を伝達しない。
【0028】
第2駆動装置は、ここでは、突き固めビーム10に対して、カム駆動装置から吸収した運動エネルギーを突き固めビーム10に伝達するように突き固めビーム10に作動接続されている圧縮バネ20として構成された退避装置(retractor)である。第1駆動装置による偏位後、第2駆動装置、即ち、圧縮バネ20は、自動的に突き固めビーム10をそのスタート位置へと退避させる。従って、第2駆動装置は、同様に、一方の方向、即ち、第1駆動装置の駆動力の方向の反対である退避方向にのみ、突き固めビーム10へ駆動力を伝達することができる。
【0029】
突き固めビーム10とカム駆動装置13とは、道路仕上げ装置の舗装スクリード16のベースフレーム15に配設されている。プッシュロッド11は、ベースフレーム15上において摩擦ベアリング18とネジブッシング19とに案内される。ネジブッシング19は、ベースフレーム15の相補的な内ネジと協働する外ネジ36を有する。その結果、ネジブッシング19の位置を、それを回すことによって、ベースフレーム15及びプッシュロッド11に対して同芯に調節することが可能である。舗装クリード16は、スライドプレート17を有し、このプレートのベース面24は実質的に平坦であり、舗装される材料上に位置する。突き固めビーム10は、道路仕上げ装置の進行方向においてスライドプレート17の前方に位置する。
【0030】
カム駆動装置13は、カム14の偏心性によって決まる一定の最大振幅A1を有する。このカム14の最大振幅A1において、突き固めビーム10は、この突き固めビーム10の下面が舗装スクリード16のスライドプレート17のベース面17に対してフラットとなる下死点まで下方に偏向する。この状態が図面に示されている。カム駆動装置13は、下死点に向かう方向においてのみプッシュロッドを駆動する。
【0031】
上死点に向かう駆動は、下死点への移動中にカム14によって引っ張られ、耐疲労性で無定着式(settlement-free)に構成された圧縮バネ20によって達成される。プッシュロッド11の上死点への駆動は、下死点への駆動から切り離されている。即ち、上死点への移動はカム駆動装置13から独立している。圧縮バネ20は、ベースフレーム15と、プッシュロッド11上に位置するカラー21との間に配設されている。カム14が下死点に向けて移動すると、それによってプッシュロッド11が下方に押され、圧縮バネ20が引っ張られ、このプロセスの間に、エネルギーが蓄えられる。カム14の下死点からの離間移動中は、圧縮バネ21は弛緩し、蓄えられたエネルギーが放出され、それによって、カム駆動装置13によるプッシュロッド11の駆動無しに、プッシュロッド11が上方へと押される。
【0032】
上死点は、ここでは垂直調節可能な停止部(stop)22によって形成される調節装置によって任意に調節される。停止部は、プッシュロッド11の退避経路の長さの調節可能な任意の限界を形成する。これにより、カム駆動装置13をプッシュロッド11に任意に作動接続することなく、又、プッシュロッド11の退避経路の長さに影響を与えることなく、プッシュロッド11の上方に向かう移動が制限される。
【0033】
突き固めビーム10の退避はカム駆動装置13から切り離されているので、突き固めビーム10の退避経路の長さを、カム14の退避経路から独立して調節することが可能である。突き固めビーム10の退避経路の長さをカム14の退避経路の長さよりも短く調節すれば、カム14は、下方に移動する時に、それに対応して遅延して突き固めビーム10に任意に作動接続される。従って、ある角度範囲において、カム14は、自由に、即ち突き固めビーム10を下方に移動させることなく回転する。この角度範囲の大きさは、突き固めビーム10の退避経路の調節された長さに依存するものとなる。
【0034】
図示の例において、停止部22は、ネジブッシング19の下前方面によって形成されている。プッシュロッド11の停止部カウンタピース(stop counterpiece:停止部対部材)25は、ここではカラー21の上前方面によって形成されている。停止部22に対するカラー21の衝撃を和らげるためのショック・アブソーバが設けられ、これは、この図示の実施例では、停止部22上に衝撃吸収材料から成る緩衝部材23として構成されている。或いは、圧縮バネ(図示せず)を、ショック・アブソーバとして、停止部22と停止部カウンタピース25との間に設けてもよい。
【0035】
従って、前記突き固めビーム10は、カム駆動装置13の前記振幅A1によって固定的に予め決められる下死点と、プッシュロッド11に沿って任意に直線状に調節可能な停止部22との間で振動移動を行い、それによって調節可能な振幅規制を形成する。下死点は振幅調節中に変化しないので、突き固めビーム10の全ての設定振幅において、突き固めビーム10の下面は、スライドプレート17のベース面24に対して平坦なままに維持される。
【0036】
停止部22の上方又は下方への調節のために、ネジブッシング19が、それが矢印P2に従い要望通りに上方又は下方にオフセットされるように、ベースフレーム15内で捻られる。このネジブッシング19の捻りは、当該ネジブッシング19に径方向に取付けられ、手動又は自動制御による伝動装置(図示せず)によって操作可能な、調節レバー26によって行われる。もしも上述したタイプの装置を突き固めビームの長さに渡って複数設ける場合には、関連する調節レバー26が、伝動装置、好適には水平プッシュロッド(図示せず)を介して、まとめて調節可能とするべく、互いに作動接続される。
【0037】
突き固めビーム10は、停止部カウンタピース25から停止部22の距離に対応する振幅A2で偏向する。停止部22によって、突き固めビーム10の上死点、従って振幅A2を、突き固めビーム10の下死点を変えることなく、連続して調節することが可能である。
【0038】
突き固めビーム10のベース面は、そのプロファイルにおいて3つの領域を有し、この点で従来の突き固めビームより広い。ベース面は、下死点において舗装スクリード16のスライドプレート17の下面24と整列されると共に、スライドプレート17の直前に位置する、後方領域27を有する。ライドプレート17から離間する側、即ち道路仕上げ装置の進行方向において前方に位置する突き固めビームの側に、舗装される材料のための比較的急傾斜の進入傾斜部28(run-in slope)が設けられ、この進入傾斜部28と後方領域27との間には、移行部29が設けられ、この移行部も前方に向けて傾斜を有するが、その傾斜は進入傾斜部28よりも小さい。突き固めビーム10のベース面の全幅は4〜10cmであり、後方領域27の幅が好ましくは2cmである場合、好ましくは5〜8cmである。移行部29の傾斜は好ましくは、1°〜20°であり、その幅は好ましくは、4〜6cmである。突き固めビーム10の全ての振幅において下死点が一定に留まることによって、ベース面のより大きな全幅と、移行領域29の構成が可能となり、その結果、たとえ小さな振幅においても、舗装材に作用する突き固め力が、突き固めビーム10の下方に位置する舗装材を十分に固めるために十分な大きさとなる。
【0039】
図2の第2の実施例において、インバランス31が、カム駆動装置13の軸30上に配設され、これによって、舗装スクリード16の振動が作り出される。インバランス31の遠心力が突き固めビーム10の移動に対して対抗するように、インバランス31の回転角度位置は、カム14の回転角度位置に対して反対側である。
【0040】
図3の第3実施例においては、カム駆動装置13は、舗装スクリード16の振動を作り出すための装置(図示せず)のための駆動装置32としても作用する。この追加の駆動装置32は、舗装スクリード16のベースフレーム15に取付けられ、別のプッシュロッド34を備える別のヘッド面33を有する。カム14は、この追加のヘッド面33上を転がり、カムの破線によって図示されている別のプッシュロッド34の偏位を作り出す。追加のプッシュロッド34は、別の復帰バネ35によってこの偏位に対してプリテンションされ、それによって追加のプッシュロッド34はカム14が別ヘッド面33を開放するとすぐにその初期位置に戻り、その結果、矢印P3で示す振動運動が作り出され、これが、図示されない伝動装置によって舗装スクリード16に伝えられる。
【0041】
図4の第4の実施例では、突き固めビーム10’は、互いに離間してはいるが平行である二本のプッシュロッド11a,11bを備え、これらプッシュロッド11a,11bが、カム軸30’と二つのカム14a,14bとを備えるカム駆動装置13’によって振動垂直振動される。カム駆動装置13’は、軸ベアリング37によって道路仕上げ装置のベースフレームに取付けられる。
【0042】
二本のプッシュロッド11a,11bは、突き固めビーム10’の振幅を調節する装置40a,40bに対して同様に作動接続されている。繰り返しを避けるために、左側に図示されている装置40aについてのみ、下にプッシュロッド11aとの関係で説明する。従って、以下の記載は右側に図示されている同様の装置40bにも当てはまるものである。
【0043】
プッシュロッド11aは、カラー21’を備え、それによって、圧縮バネ20として構成された退避装置が上方に向けて支持されている。圧縮バネ20は、更に、調節可能な停止部41によって下方に向けて支持されている。プッシュロッド11aが突き固めビームと共に、カム14aによって下死点に向けて偏位されると、圧縮バネ20がプリテンションされる。それは、駆動装置として作用して、カム駆動装置13’とは独立して、プッシュロッド11aを突き固めビーム10’と共に上死点へと移動させる。
【0044】
図示の例において、停止部41の調節は、道路仕上げ装置のベースフレーム15に取付けられたスピンドル駆動装置42として構成された伝動装置によって行われる。このスピンドル駆動装置42は、二本のプッシュロッド11a,11bの間の中央に位置している。図示の例において、これは二本のプッシュロッド11a,11bに対して対称に構成されている。即ち、それぞれ別の同様な調節装置が各プッシュロッド11a,11bに割り当てられているが、以下においては、左側のプッシュロッドに割り当てられた調節装置についてのみ記載する。従って、記載される全ての部材は、対で設けられる。調節装置は、プッシュロッド11a,11bに対して平行なネジスピンドル43を備え、これは、その一端部においてはベースフレーム側のハウジング44に回転可能に取付けられ、その自由端部においてはキャリジ45に取付けられている。キャリッジ45は、スピンドルナット46を備え、これにより、回転方向に応じてネジスピンドル43を回すと、キャリッジ45の位置が上方又は下方に調節される。キャリッジ45には水平アーム49が取付けられ、その自由端部に停止部41が形成されている。
【0045】
ネジスピンドル43の回転は、このネジスピンドル43上のピニオン48に係合する垂直ラック47によって行われる。このラック47は、調節装置(図示せず)のための接続片49を備え、調節装置によって、手動又は自動で調節することが可能である。図示した例以外に、両方の調節装置のピニオンに一つのラックを作動接続して、両方の調節装置を同期して調節可能にすることも可能である。
【0046】
停止部カウンタピース50が突き固めビーム側のプッシュロッド11aの端部の停止部41の下方に位置している。この停止部カウンタピース50は、プッシュロッド11aの上方向移動が振幅規制によって停止した時に、停止部41上又は停止部41上の緩衝部材52上を移動するショルダ51を備えている。
【0047】
突き固めビーム10’の振動移動の上死点は、停止部1の調節によって任意に調節され、それに対してカム駆動装置13’の振幅に依存する下死点は一定に保持される。