(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリエステル層(A層)/接着層(B層)/ポリアミド層(C層)の少なくとも3層を有する多層積層体を二軸延伸することにより得られる冷間成形用多層延伸フィルムであって、
A層が結晶性ポリエステルを含有し、
C層が相対粘度が3.2〜4.2である脂肪族ポリアミドを含有し、
冷間成形用多層延伸フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の引張破断強度が、共に260MPa以上である、冷間成形用多層延伸フィルム。
A層に含まれる結晶性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート又はイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートである、請求項1又は2に記載の冷間成形用多層延伸フィルム。
C層に含まれる脂肪族ポリアミドが、ナイロン−6、ナイロン−6とナイロン−6,6との共重合体、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の冷間成形用多層延伸フィルム。
B層が、変性ポリオレフィン、スルホン基含有ポリエステル、及び変性ポリエステル系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の冷間成形用多層延伸フィルム。
ポリエステル層(A層)/接着層(B層)/ポリアミド層(C層)の少なくとも3層を有する多層積層体を二軸延伸することにより得られる冷間成形用多層延伸フィルムに、さらにC層側に、アルミ箔/シール層の順に積層されてなる冷間成形用多層フィルムであって、
A層が結晶性ポリエステルを含有し、
C層が相対粘度が3.2〜4.2である脂肪族ポリアミドを含有し、
当該冷間成形用多層延伸フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の引張破断強度が、共に260MPa以上である、冷間成形用多層フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の冷間成形用多層延伸フィルムは、ポリエステル層(A層)/接着層(B層)/ポリアミド層(C層)の少なくとも3層を有する。
【0020】
冷間成形用多層延伸フィルムにおける引張破断強度としては、縦方向(MD)及び横方向(TD)の引張破断強度が、共に260MPa以上であり、290MPa以上程度が好ましく、300MPa以上程度がより好ましく、310MPa以上程度がさらに好ましい。縦方向(MD)及び横方向(TD)のいずれかの引張破断強度が260MPa未満であると、冷間成形の際にピンホールやクラックが生じ、満足する成形体を得ることができない。なお、縦方向(MD)及び横方向(TD)の引張破断強度の上限は特に限定されるものではなく、フィルムとして実現可能な範囲で高ければ高いほど好ましい。
【0021】
上記の引張破断強度については、JIS K−7127に準拠して測定することができ、例えば、試料幅15mm、及びチャック間100mmのサンプルを、23℃×50%の環境下で24時間サンプルを調湿後、ストログラフVG1−Eを用いて引張速度200mm/minにて測定することができる。
【0022】
冷間成形用多層延伸フィルムの二軸延伸における延伸倍率としては、縦方向(MD)、及び横方向(TD)共に3.2倍以上程度であることが好ましく、3.3倍以上程度であることがより好ましく、3.4倍以上程度であることがさらに好ましい。延伸倍率を3.2倍以上に設定することで、得られるフィルムの引張強度を、冷間成形に必要な強度にすることが可能となる。また、延伸倍率の上限としては、特に限定されるものではないが、例えば、生産性の観点から、4.2倍以下程度であることが好ましく、4.1倍以下程度であることがより好ましく、4.0倍以下程度であることがさらに好ましい。
【0023】
本発明の冷間成形用多層延伸フィルムの各層について、以下、さらに詳細に説明する。
【0024】
1.ポリエステル層(A層)
A層は、結晶性ポリエステルを主成分として含有するため、多層延伸フィルムに耐薬品性、耐傷性、絶縁性、耐熱性、耐寒性を付与することができる。
【0025】
A層に含まれる結晶性ポリエステルとしては、本発明の多層延伸フィルムに耐薬品性、耐傷性、絶縁性、耐熱性、耐寒性を付与し得るものであれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られるものが挙げられる。
【0026】
ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物、及び低級アルキルエステル;5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スルホイソフタル酸ジアルキル及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン基含有ジカルボン酸等が挙げられる。
【0027】
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類;1,3−ジヒドロキシブタンスルホン酸、1,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸等のスルホン基含有ジオール等が挙げられる。
【0028】
これらの中でも、特に、ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(99〜80モル%)及びイソフタル酸(1〜20モル%)、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート;ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(99.5〜90モル%)及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸(0.5〜10モル%)、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等が、耐薬品性、機械物性の低下の抑制等の点から好適であり、より好ましくはテレフタル酸とエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0029】
このような結晶性ポリエステルは商業的に入手可能であり、例えば、ベルペットEFG6C、ベルペットPIFG5(いずれも(株)ベルポリエステルプロダクツ製)等を、A層を構成する結晶性ポリエステルとして用いることができる。
【0030】
なお、A層に用いられる結晶性ポリエステルは1種のみでもよいし、必要に応じて2種以上をブレンドして用いてもよい。或いはA層を2層以上設けることも可能である。
【0031】
A層に含まれる結晶性ポリエステルの極限粘度としては、0.60〜0.80dl/g程度が好ましく、0.62〜0.75dl/g程度がより好ましい。上記の条件における極限粘度を0.6dl/g程度以上に設定することで、冷間成形に耐え得るフィルム強度が得られる。また、極限粘度を0.80dl/g程度以下に設定することで、製造時のフィルム破断の発生を低減できる効果が得られる。
【0032】
また、A層は、必要に応じ結晶性ポリエステルと相溶性のある樹脂を含有していてもよいが、A層を構成する成分の総重量に対する結晶性ポリエステルの含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0033】
結晶性ポリエステルと相溶性のある樹脂としては非晶性ポリエステル等が例示できる。非晶性ポリエステルとはJIS K 7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されないポリエステルである。具体例として、ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸、ジオールに由来する成分がエチレングリコール(20〜80モル%)及びシクロヘキサンジメタノール(80〜20モル%)であるポリエステル;ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(20〜80モル%)及びイソフタル酸(80〜20モル%)、ジオールに由来する成分としてエチレングリコールからなるポリエステルが好適である。このような非晶性ポリエステルは商業的に入手可能であり、例えば、Eastar Copolyester 6763(イーストマンケミカル製)等を非晶性ポリエステルとして用いることができる。
【0034】
また、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、A層に公知の無機又は有機添加剤等を適宜配合することができる。無機又は有機添加剤としては、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、染料等を適宜配合することができる。
【0035】
2.接着層(B層)
B層は、上記A層と後述するC層を接着させる目的で形成され、B層を介在させることによって、両者の接着後の層間強度が飛躍的に向上する。
【0036】
本発明の多層延伸フィルムにおけるB層としては、前記の効果が得られるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、以下の変性ポリオレフィン、スルホン基含有ポリエステル、変性ポリエステル系エラストマー等を用いることができる。
【0037】
(2−1.変性ポリオレフィン)
変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその誘導体を共重合(例えば、グラフト共重合)した変性重合体を挙げることができる。ポリオレフィンとしては、オレフィン類の単独重合体、相互共重合体、他の共重合可能なモノマー(例えば、他のビニル系モノマー)との共重合体を例示できる。具体的には、例えば、ポリエチレン(LDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの相互共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩等が例示できる。これらの中で、変性ポリオレフィンとして、マレイン酸変性ポリオレフィン又はその誘導体が好ましい。
【0038】
上記変性ポリオレフィンの市販品としては、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(例えば、三井化学(株)アドマーSF730、SF731、SF740、SE800等)が例示される。
【0039】
(2−2.スルホン基含有ポリエステル)
スルホン基含有ポリエステルとしては、上記「1.ポリエステル層(A層)」の項で記載したポリエステルにおいて、モノマー単位にスルホン酸基が付与されたものが挙げられる。具体例としては、ポリエステル中の酸成分の一部にナトリウムスルホイソフタル酸及び/又はナトリウムスルホテレフタル酸単位を含む共重合体が挙げられる。より好ましい具体例として、PETの酸成分の一部を5−ナトリウムスルホイソフタル酸に置き換えたものが挙げられる。スルホン基含有ポリエステルにおける、ナトリウムスルホイソフタル酸及び/又はナトリウムスルホテレフタル酸の共重合比率は、全酸成分に対して0.5〜10モル%、好ましくは3〜5である。また、その極限粘度は、0.3〜0.8dl/g、好ましくは0.4〜0.7dl/gである。なお、スルホン基含有ポリエステルは市販されているものを用いてもよく、また、当業者が容易に製造することができ、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
【0040】
(2−3.変性ポリエステル系エラストマー)
B層を構成する変性ポリエステル系エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマーを、変性剤を用いて変性したものである。
【0041】
上記ポリエステル系エラストマーは、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントである芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントであるポリアルキレンエーテルグリコールや脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体が好ましい。更に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体がより好ましい。
【0042】
前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルと、(iii)ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものが好ましい。
【0043】
上記炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、例えば、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
前記芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般的に用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
上記芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、上記芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
【0046】
上記脂肪族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましく、そのアルキルエステルとしては、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルを共重合成分として用いてもよい。
【0047】
上記ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び/又は1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。
【0048】
上記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。400以上とすることで、共重合体のブロック性が高くなり、6000以下とすることで、系内での相分離が起こり難く、ポリマー物性が発現しやすくなる。より好ましい下限は500、より好ましい上限は4000、更に好ましい下限は600、更に好ましい上限は3000である。
【0049】
なお、本明細書において、数平均分子量とはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものをいう。また、上記GPCのキャリブレーションは、例えば、POLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキット(英国POLYMER LABORATORIES社製)を使用することにより行うことができる。
【0050】
上記ポリエステル系エラストマーには、天然ゴム、合成ゴム(例えば、ポリイソプレンゴム)等のゴム成分及びプロセスオイル等の軟化剤を共存させてもよい。上記軟化剤を共存させることで、ゴム成分の可塑化促進や得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性を向上させることができる。
【0051】
上記軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のいずれであってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、該樹脂成分及びゴム成分に上記以外の樹脂やゴム、フィラー、添加剤等他の成分を添加してもよい。
【0052】
上記フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カオリン、クレー、ケイソウ土、珪酸カルシウム、雲母、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、硫化モリブデン、グラファイト、シラスバルーン等が挙げられる。また、添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等が挙げられる。
【0053】
上記耐熱安定剤としては、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系等の公知のものを使用することができる。上記耐候安定剤としてはヒンダードアミン系、トリアゾール系等の公知のものを使用することができる。上記着色剤としてはカーボンブラック、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、アゾ化合物、ニトロソ化合物、フタロシアニン化合物等が挙げられる。また、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等についてもいずれも公知のものが使用可能である。
【0054】
上記ポリエステル系エラストマーの市販品としては、「プリマロイ」(三菱化学(株)製)、「ペルプレン」(東洋紡績(株)製)、「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)等が挙げられる。
【0055】
上記ポリエステル系エラストマーとして、ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールとからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体を用いる場合、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が90重量%である。5重量%以上であると、柔軟性及び耐衝撃性に優れるものとなり、90重量%以下であると、硬度及び機械強度に優れるものとなる。より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は55重量%である。なお、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を用い、水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。
【0056】
変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応は、例えば、ポリエステル系エラストマーに変性剤としてのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を反応させることによって行われる。変性反応に際してはラジカル発生剤を使用することが好ましい。変性反応においては、ポリエステル系エラストマーにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸やその誘導体が付加するグラフト反応が主として起こるが、分解反応も起こる。その結果、変性ポリエステル系エラストマーは、分子量が低下して溶融粘度が低くなる場合がある。また、変性反応においては、通常、他の反応として、エステル交換反応等も起こるものと考えられ、得られる反応物は、一般的には、未反応原料等を含む組成物となる。このような場合、得られる反応物中の変性ポリエステル系エラストマーの含有率は10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、変性ポリエステル系エラストマーの含有率が100重量%であることが更に好ましい。
【0057】
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。これらの中でも、反応性が高いことから、酸無水物が好ましい。上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、変性すべきポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する共重合体や変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。なお、上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
【0058】
上記ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素等の有機及び無機の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤等が挙げられる。
【0059】
上記ラジカル発生剤は、変性反応に使用するポリエステル系エラストマーの種類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の種類及び変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。更に、ラジカル発生剤は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
【0060】
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は30.0重量部である。0.01重量部以上とすることで、変性反応を充分に行うことができ、30.0重量部以下とすることで、経済的に有利なものとなる。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は5.0重量部、更に好ましい下限は0.10重量部、更に好ましい上限は1.0重量部である。
【0061】
上記ラジカル発生剤の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は3.00重量部である。0.001重量部以上とすることで、変性反応が起きやすくなり、3.00重量部以下とすることで、変性時の低分子量化(粘度低下)による材料強度の低下が起こりにくくなる。より好ましい下限は0.005重量部、より好ましい上限は0.50重量部、更に好ましい下限は0.010重量部、更に好ましい上限は0.20重量部であり、特に好ましい上限は0.10重量部である。
【0062】
上記変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応としては、溶融混練反応法、溶液反応法、懸濁分散反応等の公知の反応方法を使用することができるが、通常は安価であることから溶融混練反応法が好ましい。
【0063】
上記溶融混練反応法による方法では、上述した各成分を所定の配合比にて均一に混合した後、溶融混練を行う。各成分の混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等を使用することができ、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は二軸等の多軸混練押出機等を使用することができる。
【0064】
上記溶融混練を行う場合の混練温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は300℃である。上記範囲内とすることで、樹脂の熱劣化を防止することができる。より好ましい下限は120℃、より好ましい上限は280℃、更に好ましい下限は150℃、更に好ましい上限は250℃である。
【0065】
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10.0重量%である。0.01重量%以上であることで、ポリエステルとの親和性が高くなり、10.0重量%以下であることで、変性時の分子劣化による強度低下を小さくすることができる。より好ましい下限は0.03重量%、より好ましい上限は7.0重量%であり、更に好ましい下限は0.05重量%、更に好ましい上限は5.0重量%である。
【0066】
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)は、H
1−NMR測定により得られるスペクトルから、下記の式(1)に従って求めることができる。なお、上記H
1−NMR測定に使用する機器としては、例えば、「GSX−400」(日本電子(株)製)等を用いることができる。
【0068】
式(1)中、Aは7.8〜8.4ppmにおける積分値、Bは1.2〜2.2ppmにおける積分値、Cは2.4〜2.9ppmにおける積分値を表す。
【0069】
具体的には、プリマロイAP IF203(密度:1.09、融点180℃、三菱化学(株)製)等が例示される。
【0070】
3.ポリアミド層(C層)
本発明において内面層を構成するC層は、本発明の多層延伸フィルムの最内層に位置し、該多層延伸フィルムに冷間成形性、強靭性等の機能を付与するものである。C層は、脂肪族ポリアミドを含有する。
【0071】
C層に含まれる脂肪族ポリアミドの相対粘度は、3.2〜4.2であり、3.3〜4.1程度が好ましく、3.4〜4.0程度がより好ましい。C層に含まれる脂肪族ポリアミドの相対粘度が、3.2未満であると、冷間成形の際に、ピンホールやクラックが生じるため、満足する成形体を得ることができない。一方、C層に含まれる脂肪族ポリアミドの相対粘度が、4.2を超えると、粘度が非常に高くなるため、生産性が悪くなり好ましくない。
【0072】
なお、前記の脂肪族ポリアミドの相対粘度は、96%の硫酸中、0.01g/mlの濃度において、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定を行ったときの相対粘度である。
【0073】
(3−1.脂肪族ポリアミド)
脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ナイロン及びその共重合体が挙げられる。具体的には、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)等を例示でき、これらのうち、2種以上の脂肪族ポリアミドを混合してもよい。
【0074】
好ましい脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン-6,6、ナイロン−6/6,6(ナイロン6とナイロン6,6の共重合体)が挙げられ、より好ましくはナイロン−6、ナイロン−6/6,6であり、さらに好ましくはナイロン−6である。2種以上の脂肪族ポリアミドとしてはナイロン−6とナイロン−6/6,6の組み合わせ(重量比で50:50〜95:5程度)が好ましい。
【0075】
(3−2.芳香族ポリアミド)
C層は、上記脂肪族ポリアミドを必須成分として含有するが、さらに芳香族ポリアミドを含有してもよい。C層中に芳香族ポリアミドを含有することによって、本発明の多層延伸フィルムに優れた耐カール性及びさらなる冷間成形性等を付与することができる。
【0076】
芳香族ポリアミドとしては、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられる。好ましくは、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−ナイロン)等の結晶性芳香族ポリアミドである。具体例としては、S−6007、S−6011(いずれも三菱ガス化学(株)製)が例示される。
【0077】
本発明のC層として、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの好ましい組み合わせは、ナイロン−6とMXD−ナイロンの組み合わせが挙げられる。
【0078】
(3−3.芳香族ポリアミドの含有量)
本発明のC層に芳香族ポリアミドを添加する場合、芳香族ポリアミドの含有量は、付与される物性によって上記数値範囲内から適宜選択することができる。例えば、2〜25重量%程度が好ましく、好ましくは5〜15重量%がより好ましい。芳香族ポリアミドの含有割合を上記の範囲に設定することにより、多層延伸フィルムのフィルム強度を保ちつつ冷間成形による生産性を向上させることができる。
【0079】
C層は、上記ポリアミド系樹脂からなるものであってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、公知の耐屈曲性改良剤、無機又は有機添加剤等を配合することができる。
【0080】
耐屈曲性改良剤としては、ポリオレフィン類、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられ、0.5〜10重量%程度の範囲で適宜配合することができる。
【0081】
無機又は有機添加剤としては、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。例えば、アンチブロッキング剤であれば、シリカ、タルク、カオリン等を100〜5000ppm程度の範囲で適宜配合することができる。
【0082】
さらに、C層を、例えば、C1層、及びC2層のように、2層以上を設けることも可能である。この場合、最外層となる層を形成する成分中に、脂肪族ポリアミド及びアンチブロッキング剤を有することが、ブロッキング性を抑制することができる点で好ましい。
【0083】
前記、脂肪族ポリアミド、及びアンチブロッキング剤としては、前記で挙げられたものを用いることができる。また、C層に含まれる芳香族ポリアミド、及び添加剤は、前記C1層及びC2層に含まれる成分として用いることができる。
【0084】
4.その他の層
本発明の多層延伸フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてD層を積層してもよい。D層として、既知の異種ポリマーとの共押出やコート、無機物の蒸着を行うことができる。異種ポリマーとしては、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6ナイロン)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリウレタンが例示されるがこれらに限らない。無機物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及びアルミニウムが例示されるがこれらに限らない。
【0085】
例えば、多層延伸フィルムに耐カール性の機能を付与するD層をC層上に設けてもよい。この場合、D層は芳香族ポリアミドを必須成分として含有するが、必要に応じて脂肪族ポリアミドを添加してもよい。芳香族ポリアミドとしては、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられる。好ましくは、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6ナイロン)等の結晶性芳香族ポリアミドである。具体例としては、S−6007、S−6011(いずれも三菱ガス化学(株)製)が例示される。脂肪族ポリアミドとしては、上記C層の欄に記載のものを用いることができる。これによって耐ピンホール性を向上させることが可能となる。
【0086】
5.層構成
本発明の多層延伸フィルムは、A層を外層としてA層/B層/C層の順に、少なくとも3層の構成を有するものである。A層、B層、C層の各層は、それぞれ単層であってもよく、2層以上有していてもよい。
【0087】
また、本発明の多層延伸フィルムは、二軸延伸される。延伸後の多層延伸フィルムにおけるA層の厚さは、1〜10μmであり、2〜10μm程度が好ましい。A層の厚さがこの範囲にあると、良好な冷間成形性が得られる。
【0088】
延伸後の多層延伸フィルムにおけるB層の厚さは、A層とC層の接着性を向上させる効果が得られれば、特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜5μm程度が好ましく、1〜3μm程度がより好ましい。
【0089】
延伸後の多層延伸フィルムにおけるC層の厚さは、5〜25μmであり、8〜25μm程度が好ましい。C層の厚さがこの範囲にあると、良好な冷間成形性が得られる。
【0090】
このような層構成を有する本発明の多層延伸フィルムの合計の厚さとしては、10〜35μmであり、12〜32μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。多層延伸フィルムの合計の厚さがこの範囲になることで、優れた冷間成形性を発現することができる。
【0091】
6.多層延伸フィルムの製造方法
本発明の多層延伸フィルムは、上記の層構成となるように各層をフィルム状に成形し、二軸延伸することによって得られる。
【0092】
本発明の多層延伸フィルムの製造方法は、例えば、まず、各層の順になるように、Tダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出せしめ、フラット状の多層フィルムを得る。得られたフィルムは、例えば、50〜100℃程度のロール延伸機により押出成形の樹脂流れ方向(MD)に延伸し、次いで100〜240℃程度の雰囲気のテンター延伸機により、押出成形の樹脂流れに対して垂直方向(TD)に延伸し、引き続いて同テンターにより100〜240℃雰囲気中で熱処理して得ることができる。
【0093】
本発明の多層延伸フィルムは、同時二軸延伸、逐次二軸延伸してもよく、得られた多層延伸フィルムは、必要ならばその両表面又は片表面にコロナ放電処理を施すこともできる。また、片表面にコロナ放電処理を施す場合は、A層側と反対側の表面にコロナ放電処理を施すことが好ましい。
【0094】
コロナ放電処理としては、接地された金属ロールと、それに数ミリの間隔で置かれたナイフ状の電極の間に数千ボルトの高電圧かけてコロナ放電を発生させて処理する方法が挙げられる。この放電中の電極とロールとの間を高速でフィルムを通過させる。この時にフィルムの表面はコロナ放電処理され、接着剤、インク、塗料等に対する親和性が向上する。ここで、放電電流を制御することにより処理の程度が設定できる。コロナ放電処理後の表面のぬれ張力は、JIS K 6768の方法に従い測定した値が46mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上である。
【0095】
7.多層フィルム
本発明は、前記ポリエステル層(A層)/接着層(B層)/ポリアミド層(C層)の少なくとも3層を有する多層積層体を二軸延伸することにより得られる冷間成形用多層延伸フィルムに、さらにC層側に、アルミ箔/シール層の順に積層されてなる冷間成形用多層フィルムにも関する。
【0096】
当該冷間成形用多層延伸フィルムは、前記で挙げられたものを用いることができる。
【0097】
アルミ箔としては特に限定はなく、一般の軟質アルミ箔を用いることができる。
【0098】
シール層は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。シール層は押出ラミネートや無延伸フィルムをドライラミネートする方法等、一般的な方法によって積層し、多層フィルムを得ることができる。
【0099】
8.冷間成形体
本発明の冷間成形体は、前記の冷間成形多層フィルム(ポリエステル層(A層)/接着層(B層)/ポリアミド層(C層)/アルミ箔/シール層)を冷間成形することによって得られる。
【0100】
前記冷間成形としては、特に限定されるものではなく、例えば、0〜50℃程度の条件で、冷間成形することが好ましい。
【0101】
前記冷間成形により、種々の成形体を得ることができる。
【実施例】
【0102】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
・実施例1〜5、及び比較例1〜4
以下に示す各層を構成する樹脂を、A層/B層/C層の順序になるように、Tダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出し、フラット状の3層フィルムを得た。
【0104】
・A層:ポリエチレンテレフタレート(PET)((株)ベルポリエステルプロダクツ製のベルペットEFG6C)
・B層:変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製のIF203)
・C層:表1の相対粘度を有するナイロン−6
なお、上記のC層のナイロンにおける相対粘度は、96%の硫酸中、0.01g/mlの濃度において、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定した。
【0105】
前記の3層フィルムを、表1に示す延伸倍率で、65℃のロール延伸機により押出成形の樹脂流れ方向(MD)に延伸し、次いで110℃の雰囲気のテンター延伸機により、押出成形の樹脂の流れ方向に対して直交する方向(TD)に延伸し、さらに同テンターにより210℃の雰囲気中で熱処理して、表1に示すフィルムの厚さを有する多層延伸フィルムを得た。
【0106】
【表1】
【0107】
かくして得られた実施例1〜5及び比較例1〜4の各延伸フィルムについて、以下の物性評価を行った。測定結果を表2に示す。
【0108】
[引張強度の測定]
試料幅15mm、チャック間100mm、引張速度200mm/minにて実施した。なお、各フィルムは、23℃×50%の環境下で24時間調湿後、MD/TD方向の2方向について、それぞれ東洋精機(株)製のストログラフVG1−Eを用いて測定を行った。
【0109】
[成形性評価]
アルミニウム箔(AA8079−O材、厚さ40μm)の片面に、前記実施例1〜5及び比較例1〜4の得られた各多層フィルムを基材層とし、C層側にてドライラミネートし、アルミニウム箔のもう片方の面に未延伸ポリプロピレンフィルム(パイレンフィルムCT−P1128、東洋紡績(株)製、厚さ40μm)をドライラミネート(ドライ塗布量4.0g/m
2)することにより冷間成形用多層フィルムを得た。
【0110】
なお、ドライラミネート用の接着剤としては、TM−K55(東洋モートン(株)製)/CAT−10(東洋モートン(株)製)(重量比100/10.5)を用いた。また、ドライラミネート後の冷間成形用多層フィルムは、60℃で3日間エージングを行った。このようにして得られた各冷間成形用多層フィルムを、23℃×50%の環境下で24時間調湿後、圧縮用金型(55mm×35mm、ターゲット・エンジニアリング株式会社製)を用いて、未延伸ポリプロピレンフィルム側から冷間(常温)にて成形した。
【0111】
[成形深さ]
成形深さは、ピンホールやクラック等の欠陥が発生しない絞り深さを0.5mmピッチで評価した。
【0112】
なお、絞り深さが8.5mm以上の場合を「合格」、8.5mm未満を「不合格」とした。
【0113】
【表2】