特許第5984713号(P5984713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984713
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】検体処理装置および検体処理システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
   G01N35/00 E
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-36456(P2013-36456)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-163855(P2014-163855A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 淳
(72)【発明者】
【氏名】木村 智史
(72)【発明者】
【氏名】有吉 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】中塚 恆
(72)【発明者】
【氏名】西田 勇
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−042361(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/127870(WO,A1)
【文献】 特開2009−278295(JP,A)
【文献】 特開2008−104032(JP,A)
【文献】 特開2000−258432(JP,A)
【文献】 特開2011−149905(JP,A)
【文献】 特開平05−264555(JP,A)
【文献】 特開2012−255663(JP,A)
【文献】 特開2011−033415(JP,A)
【文献】 特開2007−316092(JP,A)
【文献】 特開2004−271299(JP,A)
【文献】 特開2005−181123(JP,A)
【文献】 特開2010−276512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された時間に自動的に起動可能な検体処理装置であって、
検体に対して処理を行う検体処理部と、
前記検体処理部をシャットダウン状態から検体に対する処理が可能な状態へと移行させるために、前記検体処理部を自動的に起動させるための起動時間に関する情報の設定を受け付ける受付手段と、
ユーザの操作を受け付ける入力部と、を備え、
前記起動時間に関する情報に基づいて前記検体処理部が自動的に起動された場合に、自動的に前記検体処理部が起動されてから所定時間内に前記入力部がユーザによる所定の操作を受け付けない場合には、前記検体処理部を自動的にシャットダウンし
前記検体処理部がユーザの操作により通常起動された場合には、前記所定時間内に前記入力部がユーザの操作を受け付けない場合でも、前記検体処理部を自動的にシャットダウンしない、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記所定の操作、ユーザによるログイン操作を含む、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検体処理装置において、
前記入力部は、タッチパネルである、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないしの何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部が自動的に起動された場合に、装置を使用することを確認するための入力をユーザに促す確認手段をさらに備え、
前記所定の操作は、前記確認手段による確認に応答する操作を含む、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項5】
請求項1ないしの何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部を自動的にシャットダウンする前に、前記検体処理部が自動的にシャットダウンされるまでの時間をユーザに報知する停止時間報知手段をさらに備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項6】
請求項1ないしの何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部を自動的にシャットダウンする前に、警報音または音声を出力する音出力手段をさらに備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項7】
請求項1ないしの何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部が自動的に起動された日が平日であった場合は、前記入力部が前記所定の操作を受け付けても、前記検体処理部を自動的にシャットダウンしない、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項8】
請求項1ないしの何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部をシャットダウンする際に、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報をユーザに報知する起動時間報知手段をさらに備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項9】
請求項に記載の検体処理装置において、
表示部を備え、
前記起動時間報知手段は、前記表示部に、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報を表示する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項10】
請求項に記載の検体処理装置において、
前記起動時間報知手段は、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報と共に、起動時間に関する情報の設定を受け付ける画面または当該画面に表示を移行させるための表示要素を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の検体処理装置において、
前記起動時間に関する情報は、前記検体処理部が起動された後、検体に対する処理が可能な状態となる時点の時間である、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項12】
請求項ないし11の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記起動時間に関する情報は、前記検体処理部が起動される時点の時間である、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項13】
請求項1ないし12の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体の処理に用いる試薬を冷蔵保管する保冷部をさらに備え、
前記所定の操作に基づいて前記検体処理部をシャットダウンする場合に、前記保冷部には電源の供給を行う、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載の検体処理装置と、
前記検体処理装置に接続され、前記検体の処理オーダーを受け付けるホストコンピュータと、を備え、
前記ホストコンピュータのオーダー受付状況に基づいて、前記検体処理部を自動的にシャットダウンする、
ことを特徴とする検体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を処理する検体処理装置および検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液等の検体を分析する分析装置や、検体をスライドガラスに塗抹してから染色を行って標本を自動で作成する標本作成装置等の検体処理装置が知られている。これらの検体処理装置には、検体と試薬との反応を促進するために測定試料を加温する加温部に対し温度制御部が設けられることがある。この温度制御部は加温部が一定の温度で安定するよう制御を行っている。しかしながら、一定の温度に安定するまでは、検体の測定を行うことができないため、装置の起動から処理が可能になるまでには、長い時間がかかる場合がある。また、加温部だけではなく、測定にハロゲンランプ等の光源を用いる装置においては、光源の発光量を安定させる必要があり、起動後に多くの時間を要する場合がある。そこで、このような検体処理装置においては、あらかじめ設定した時間に、自動で装置を起動する機能が搭載された装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−181123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記機能が搭載されると、装置の使用者が、起動予定時刻を誤って意図しない日時に設定することが起こり得る。たとえば、起動予定時刻が誤って祝日等に設定されると、使用者が不在のまま装置が起動され、使用者が次回出勤するまでの長い期間、装置が測定スタンバイ状態となってしまう。測定スタンバイ状態においては、たとえば、温度調整部により加温部が動作され続けることとなる。このため、起動予定時刻の設定を誤ると、不要な電力消費に繋がる恐れがある。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、装置を自動で起動する機能を有する検体処理装置において、不要な電力の消費を抑制可能な検体処理装置および当該検体処理装置を備える検体処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、予め設定された時間に自動的に起動可能な検体処理装置に関する。この態様に係る検体処理装置は、検体に対して処理を行う検体処理部と、前記検体処理部をシャットダウン状態から検体に対する処理が可能な状態へと移行させるために、前記検体処理部を自動的に起動させるための起動時間に関する情報の設定を受け付ける受付手段と、ユーザの操作を受け付ける入力部と、を備え、前記起動時間に関する情報に基づいて前記検体処理部が自動的に起動された場合に、自動的に前記検体処理部が起動されてから所定時間内に前記入力部がユーザによる所定の操作を受け付けない場合には、前記検体処理部を自動的にシャットダウンし、前記検体処理部がユーザの操作により通常起動された場合には、前記所定時間内に前記入力部がユーザの操作を受け付けない場合でも、前記検体処理部を自動的にシャットダウンしない
【0007】
本態様に係る検体処理装置によれば、起動時間に関する情報に基づいて検体処理部が自動的に起動された場合に、自動的に前記検体処理部が起動されてから所定時間内に前記入力部がユーザによる所定の操作を受け付けない場合には、検体処理部が自動的にシャットダウンされる。これにより、たとえば、ユーザが不在のまま検体処理部が誤って自動的に起動された場合でも、検体処理部は自動的にシャットダウンされるため、検体処理部にかかる不要な電力の消費を抑制することができる。また、不要な電力の消費が抑制されるため、環境への負担も軽減することができる。
【0008】
本態様に係る検体処理装置において、前記所定の操作、ユーザによるログイン操作を含むよう構成され得る。このように、検体処理装置を使用する際に必要なログイン操作が所定時間内に行われないことを所定の操作に含めることにより、自動起動後に装置が使用される状態にないことを適正に判断することできる。よって、自動起動後の自動停止を、適正に行うことができる。
【0010】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記入力部は、タッチパネルであるよう構成され得る。
【0011】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体処理部が自動的に起動された場合に、装置を使用することを確認するための入力をユーザに促す確認手段をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記所定の操作、前記確認手段による確認に応答する操作を含むよう構成され得る。このように、ユーザに対して装置の使用意思を確認することにより、自動起動後に装置が使用される状態にないことを、適正に判断することできる。
【0012】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体処理部を自動的にシャットダウンする前に、前記検体処理部が自動的にシャットダウンされるまでの時間をユーザに報知する停止時間報知手段をさらに備える構成とされ得る。こうすると、自動的に起動した検体処理部が、自動的にシャットダウンされるまでの時間が分かるため、ユーザは、検体処理部をシャットダウンさせない等の適切な措置を取ることができる。
【0013】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体処理部を自動的にシャットダウンする前に、警報音または音声を出力する音出力手段をさらに備える構成とされ得る。こうすると、ユーザが検体処理部の起動状態が維持されることを望む場合に、検体処理部が自動的に起動されたことに気付かず、誤って検体処理部が自動的にシャットダウンされる事態を防ぐことができる。
【0014】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体処理部が自動的に起動された日が平日であった場合は、前記入力部が前記所定の操作を受け付けても、前記検体処理部を自動的にシャットダウンしないよう構成され得る。こうすると、検体処理部の使用が一般的に想定される平日において、誤って検体処理部が自動的にシャットダウンされることを回避することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体処理部をシャットダウンする際に、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報をユーザに報知する起動時間報知手段をさらに備える構成とされ得る。こうすると、ユーザは、検体処理部をシャットダウンする場合に、次回検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報が正しいかを確認することができる。
【0017】
ここで、本態様に係る検体処理装置は、表示部を備える構成とされ、前記起動時間報知手段は、前記表示部に、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報を表示する構成とされ得る。
【0018】
この場合、前記起動時間報知手段は、次回前記検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報と共に、起動時間に関する情報の設定を受け付ける画面または当該画面に表示を移行させるための表示要素を、前記表示部に表示させる構成とされ得る。こうすると、次回検体処理部を自動的に起動する起動時間に関する情報を修正または再設定したい場合に、ユーザは、円滑に起動時間に関する情報の修正または再設定を行うことができる。
【0019】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記起動時間に関する情報は、前記検体処理部が起動された後、検体に対する処理が可能な状態となる時点の時間であるよう構成され得る。
【0020】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記起動時間に関する情報は、前記検体処理部が起動される時点の時間であるよう構成され得る。
【0021】
また、本態様に係る検体処理装置は、前記検体の処理に用いる試薬を冷蔵保管する保冷部をさらに備え、前記所定の操作に基づいて前記検体処理部をシャットダウンする場合に、前記保冷部には電源の供給を行う構成とされ得る。こうすると、試薬の冷蔵保管を維持しながら、保冷部以外の検体処理装置の各部にかかる不要な電力の消費を抑制することができる。
【0022】
本発明の第2の態様は、検体処理システムに関する。この態様に係る検体処理システムは、上記第1の態様に係る検体処理装置と、前記検体処理装置に接続され、前記検体の処理オーダーを受け付けるホストコンピュータと、を備え、前記ホストコンピュータのオーダー受付状況に基づいて、前記検体処理部を自動的にシャットダウンする。
【0023】
本態様に係る検体処理システムによれば、たとえば、オーダーがない場合、すなわち、検体処理部にて処理を行う必要のある検体がない場合に、検体処理部が自動的にシャットダウンされるため、不要な電力の消費を抑制することができる。また、不要な電力の消費が抑制されるため、環境への負担も軽減することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、装置を起動する機能を有する検体処理装置において、不要な電力の消費を抑制可能な検体処理装置および当該検体処理装置を備える検体処理システムを提供することができる。
【0025】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態に係る検体処理装置の外観の構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る筐体の内部を上側から見た場合の平面図である。
図3】実施の形態に係る測定部と検体搬送部を除く検体処理装置の構成を示す図である。
図4】実施の形態に係る測定部の構成を示す図および検体処理装置の起動時間と設定時間を示すタイミングチャートである。
図5】実施の形態に係る検体処理装置の動作を示すフローチャートである。
図6】実施の形態に係るログオン画面の構成を示す図である。
図7】実施の形態に係るメニュー画面の構成を示す図である。
図8】実施の形態に係るシャットダウン処理を示すフローチャートおよびシャットダウン画面の構成を示す図である。
図9】実施の形態に係る設定処理を示すフローチャートである。
図10】実施の形態に係る設定画面および曜日設定画面を示す図である。
図11】実施の形態に係る検体処理装置の動作を示すフローチャートおよびログオン画面の構成を示す図である。
図12】実施の形態に係る検体処理装置の動作を示すフローチャートである。
図13】実施の形態に係るシャットダウン画面の構成を示す図である。
図14】変更例に係る検体処理装置の設定時間を示すタイミングチャート、ログオン画面、および検体処理装置の動作を示すフローチャートである。
図15】変更例に係る検体処理装置の動作を示すフローチャートである。
図16】変更例に係るシャットダウン画面の構成を示す図である。
図17】変更例に係る検体処理システムの構成を示す図および検体処理装置の動作を示すフローチャートである。
図18】変更例に係る検体処理装置の動作を示すフローチャートおよび表示入力部の表示領域に表示される領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施の形態の検体処理装置は、検体(血漿)に試薬を添加することで調製された測定試料に光を照射し、得られた透過光を、凝固法、合成基質法、免疫比濁法または凝集法によって解析することにより、血液の凝固能に関する分析を行う血液凝固分析装置である。以下、本実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、検体処理装置1の外観の構成を示す図である。
【0029】
検体処理装置1は、情報処理部2(図3参照)と、測定部3(図2、4参照)と、検体搬送部4を備えている。情報処理部2と測定部3は、筐体10の内部に収容されており、検体搬送部4は、筐体10の前方に配置されている。情報処理部2の表示入力部21は、筐体10にアームで接続されており、筐体10の外側に位置付けられている。表示入力部21は、タッチパネル式のディスプレイである。情報処理部2は、測定部3と検体搬送部4に指示を与える。測定部3は、検体(血漿)に含まれる成分を光学的に測定し、測定部3により取得された測定データは、情報処理部2により分析される。検体搬送部4は、検体ラック102に支持された検体容器101を、ピアサ116a(図2参照)による吸引位置まで搬送する。
【0030】
また、筐体10上には起動ボタン11が設置されており、図3に記載されるように、検体処理装置1は、筐体10の内部に、基板5(電源制御部)と、電圧供給部61、62を備えている。電圧供給部61は、基板5に電圧を供給し、電圧供給部62は、測定部3と、検体搬送部4と、基板5に電圧を供給する。ユーザは、検体処理装置1を使用する場合、起動ボタン11を押して検体処理装置1を起動させ、検体処理装置1の使用を終了する場合、表示入力部21に表示された画面を操作して検体処理装置1をシャットダウンさせる。また、検体処理装置1は、予め設定された内容に基づいて、自動的に起動し、自動的にシャットダウンするよう構成されている。自動起動および自動シャットダウンについては、追って説明する。
【0031】
図2は、筐体10の内部を上側から見た場合の平面図である。図2には、便宜上、測定部3のみが図示されている。以下、測定部3の各部について説明する。
【0032】
試薬テーブル111とキュベットテーブル112は、円環形状を有すると共に、回転可能となるよう構成されている。試薬テーブル111には、試薬容器103が載置される。また、試薬テーブル111の下側には、円形状の保冷部113が設置されている。保冷部113は、ペルチェ素子を有しており、試薬テーブル111に載置された試薬容器103に収容されている試薬を所定温度に冷却する。また、保冷部113は、保冷部113の温度を検出するための温度センサを有している。
【0033】
キュベットテーブル112には、キュベット104を支持可能な複数の孔からなる支持部112aが形成されている。ユーザによってキュベット供給部114に投入された新しいキュベット104は、キュベット供給部114により順次移送され、キャッチャ115によりキュベットテーブル112の支持部112aに設置される。
【0034】
検体搬送部4によって検体容器101が所定位置に搬送されると、検体分注アーム116のピアサ116aにより、検体容器101に収容されている検体が吸引される。また、緊急検体セット部118に緊急を要する検体がセットされている場合、検体搬送部4から供給される検体に割り込んで、ピアサ116aにより、緊急を要する検体が吸引される。ピアサ116aにより吸引された検体は、キュベットテーブル112上の新しいキュベット104に吐出される。
【0035】
ランプユニット119は、ハロゲンランプ119aを有しており、検出部121、122による光学的な信号の検出に用いられる5種類の波長の光を供給する。ハロゲンランプ119aの光は、光ファイバ120a、120bを介して、それぞれ、検出部121、122に供給される。
【0036】
検体が吐出されたキュベット104は、キュベットテーブル112が回転されることにより、検出部121による光学的な情報の取得が可能な位置に搬送される。検出部121は、ランプユニット119から供給された光を、試薬を添加する前の検体に照射し、透過光量に基づいて光学的情報を取得する。取得された光学的情報は、情報処理部2に送信される。
【0037】
検出部121により光学的情報が取得されると、このキュベット104は、キュベット移送部123のキャッチャ123aにより、加温部124の支持部124aに移送される。加温部124は、ヒータを有しており、支持部124aに設置されたキュベット104に収容されている検体を所定温度に加温する。また、加温部124は、加温部124の温度を検出するための温度センサを有している。
【0038】
加温部124による検体の加温が終了すると、このキュベット104は、キャッチャ123aによって再び把持され、キャッチャ123aにより把持された状態で、ピペット117aにより試薬容器103から吸引された試薬が吐出される。そして、キャッチャ123aの振動機能により、キュベット104内の検体と試薬が攪拌される。これにより、測定試料の調製が行われる。
【0039】
測定試料を収容するキュベット104は、キャッチャ123aにより、検出部122の支持部122aに移送される。検出部122は、ランプユニット119から供給される光をキュベット104に照射し、透過光量に基づいて光学的情報を取得する。取得された光学的情報は、情報処理部2に送信される。情報処理部2は、検出部121、122から送信された光学的情報に基づいて分析を行い、分析結果を表示入力部21に表示する。こうして、検体の測定が終了する。
【0040】
図3は、測定部3と検体搬送部4を除く検体処理装置1の構成を示す図である。
【0041】
情報処理部2は、基板20と、表示入力部21と、読出装置22と、ハードディスク23と、スピーカー24を備えている。基板20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、インターフェース204、205と、セレクタ206を有する。基板20は、電圧供給部61と接続されており、電圧供給部61により供給された電圧を情報処理部2の各部に供給する。
【0042】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202およびハードディスク23に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0043】
インターフェース204は、画像データに応じた映像信号を表示入力部21に出力し、表示入力部21を介してユーザにより入力された信号を受け付ける。また、インターフェース204は、読出装置22とハードディスク23に情報を出力し、読出装置22とハードディスク23から出力された情報を受け付ける。また、インターフェース204は、スピーカー24に信号を出力する。
【0044】
インターフェース205は、基板5と通信可能に接続されており、CPU201は、インターフェース205を介して、基板5との間で各種信号の送受信を行う。セレクタ206には、筐体10上に設置された起動ボタン11と、基板5のアナログスイッチ53が、並列に接続されている。起動ボタン11とアナログスイッチ53がオンされる前では、セレクタ206は、電圧供給部61から供給される電圧を、情報処理部2の各部に供給しない状態を維持する。一方、起動ボタン11とアナログスイッチ53の何れかがオンされると、セレクタ206は、電圧供給部61から供給される電圧を、情報処理部2の各部に供給する状態を維持する。
【0045】
表示入力部21は、インターフェース204から出力された映像信号に基づいて画像を表示する。読出装置22は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。ハードディスク23は、オペレーティングシステムと、CPU201に実行させるためのコンピュータプログラムと、後述する複数の設定時間と、分析結果等を記憶している。スピーカー24は、インターフェース204から出力された信号に基づいて警報音や音声等の音を出力する。
【0046】
基板5は、制御部51と、RTC52と、アナログスイッチ53と、電池54を有する。基板5は、電圧供給部62と接続されており、電圧供給部62により供給された電圧を基板5の各部に供給する。制御部51は、情報処理部2と、測定部3と、検体搬送部4に接続されており、制御部51は、これらとの間で各種信号の送受信を行う。
【0047】
RTC52は、電圧供給部62または電池54から供給される電圧に基づいて動作し、現在の日時を保持している。また、RTC52は、メモリ52aを有しており、メモリ52aには、後述する1つの設定時間が記憶される。RTC52は、現在の日時と、メモリ52aに記憶している設定時間とに基づいて、アナログスイッチ53をオンにする。電池54は、電圧供給部62から基板5に電圧が供給されていない状態でも、RTC52とアナログスイッチ53に電圧を供給するためのボタン電池である。これにより、検体処理装置1が起動しておらず、基板5に電圧が供給されていない状態であっても、RTC52は日時を保持することができる。
【0048】
図4(a)は、測定部3の構成を示す図である。
【0049】
測定部3は、インターフェース301と、保冷部113と、加温部124と、ランプユニット119と、センサ部302と、機構部303と、検出部304を備えている。測定部3の各部と検体搬送部4は、インターフェース301と、基板5の制御部51を介して、情報処理部2のCPU201により制御される。また、測定部3と検体搬送部4の各部は、電圧供給部62により供給される電圧により動作する。
【0050】
センサ部302は、保冷部113の温度センサと、加温部124の温度センサ等を含んでいる。機構部303は、測定部3の各部を駆動するための機構と、ピアサ116aとピペット117aに圧力を供給する空圧源等を含んでいる。検出部304は、検出部121、122を含んでいる。
【0051】
ここで、図4(b)を参照して、ユーザによって起動ボタン11が押下されることにより検体処理装置1が起動される場合(手動起動)と、アナログスイッチ53がオンされることにより検体処理装置1が起動される場合(自動起動)について説明する。
【0052】
手動起動では、起動ボタン11が押下されると、電圧供給部61から情報処理部2の基板20に電圧が供給される。これにより、情報処理部2の各部に電圧が供給され、情報処理部2が起動する。情報処理部2が起動すると、情報処理部2のインターフェース205から基板5に、情報処理部2が起動したことを示す信号が送信される。基板5は、この信号を電圧供給部62に送信する。これにより、電圧供給部62から、基板5と、測定部3と、検体搬送部4に電圧が供給される。こうして、検体処理装置1が起動される。
【0053】
なお、検体処理装置1が起動した後、実際に検体処理装置1における処理が可能となる状態(以下、「スタンバイ状態」という)までに、準備期間を要する。すなわち、この準備期間が経過する間に、保冷部113の温度が所定の温度(たとえば、約9℃)になり、加温部124の温度が所定の温度(たとえば、37℃)になり、ハロゲンランプ119aが安定して発光する状態となる。本実施の形態では、準備期間として、30分程度の時間が想定されている。
【0054】
自動起動では、あらかじめ、RTC52のメモリ52aに設定時間が記憶されている。設定時間は、後述のように、検体処理装置1がスタンバイ状態となるタイミングを所望する時間として、ユーザによりあらかじめ設定された日時のことである。RTC52は、現在の日時が設定時間の30分前になると、アナログスイッチ53をオンにする。以下、このように自動起動においてアナログスイッチ53がオンされるタイミングを、「起動時間」と称する。アナログスイッチ53がオンされることにより、手動起動と同様にして検体処理装置1が起動し、その後、設定時間になると検体処理装置1がスタンバイ状態となる。なお、自動起動において、起動時間を設定時間の30分前としたのは、上述のように、検体処理装置1が起動してからスタンバイ状態となるまでに準備期間(本実施の形態では30分)を要するからである。
【0055】
図5は、検体処理装置1の動作を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、検体処理装置1が起動していない状態から開始される。
【0056】
ユーザにより起動ボタン11が押下されると(S11:YES)、電圧供給部61から情報処理部2の基板20に電圧が供給される。これにより、情報処理部2が起動し(S12)、情報処理部2以外の検体処理装置1の各部が起動する(S13)。こうして、検体処理装置1が起動する。そして、情報処理部2のCPU201は、検体処理装置1が起動
してからの経過時間のカウントを開始する(S14)。なお、ここでカウントを開始した経過時間は、S21においてハロゲンランプ119aが安定して発光する状態となったか否かの判定に用いられる。
【0057】
他方、起動ボタン11が押下されない場合でも(S11:NO)、設定時間がRTC52aのメモリ52aに記憶されており(S31:YES)、現在の日時がRTC52に記憶されている設定時間の30分前(起動時間)になると(S32:YES)、処理が図11(a)のS33に進められ、検体処理装置1が自動的に起動される。S33以降の処理については、追って説明する。
【0058】
次に、検体処理装置1が起動すると、CPU201は、表示入力部21に、図6に示すログオン画面D1を表示する(S15)。ログオン画面D1は、ログオン名とパスワードを入力するための入力ボックスD11、D12と、入力したログオン名とパスワードにより情報処理部2に対してログオン動作を行うためのOKボタンD13と、シャットダウンボタンD14と、タッチパネルである表示入力部21において入力する文字を選択するためのボタンを含む領域D15を有する。
【0059】
ログオン画面D1において、シャットダウンボタンD14が押下されると(S17:YES)、CPU201は、シャットダウン処理(検体処理装置1の電源をオフする処理)を行う(S18)。シャットダウン処理については、追って図8(a)を参照して説明する。OKボタンD13が押下されると(S16:YES)、CPU201は、入力ボックスD11、D12に入力された内容に基づいてログオン処理を行ってログオン画面D1を閉じる(S19)。
【0060】
続いて、CPU201は、表示入力部21に、図7に示すメニュー画面D2を表示する(S20)。メニュー画面D2は、測定開始ボタンD21と、測定停止ボタンD22と、設定ボタンD23と、シャットダウンボタンD24を有する。ここで、測定開始ボタンD21は、押下できないよう無効化されている。
【0061】
次に、CPU201は、検体処理装置1がスタンバイ状態となっているかを判定する(S21)。具体的には、保冷部113の温度センサにより保冷部113が所定温度(本実施の形態では9℃)になっているか、加温部124の温度センサにより加温部124が所定温度(本実施の形態では37℃)になっているか、および、ハロゲンランプ119aが安定して発光する状態となるために検体処理装置1が起動してからの経過時間が所定時間(本実施の形態では30分)に達しているか、を判定する。これら3つの判定条件が何れも満たされている場合、S21の判定がYESと判定され、何れか1つでも満たされていない場合、S21の判定はNOとなる。
【0062】
検体処理装置1がスタンバイ状態となる前に(S21:NO)、メニュー画面D2のシャットダウンボタンD24が押下されると(S22:YES)、CPU201は、S18と同様のシャットダウン処理を行う(S23)。検体処理装置1がスタンバイ状態であると(S21:YES)、CPU201は、メニュー画面D2の測定開始ボタンD21をユーザが押下できるように有効にする(S24)。
【0063】
次に、測定開始ボタンD21が押下されると(S25:YES)、CPU201は、図2を参照して説明したように測定部3と検体搬送部4の駆動(初期動作)を行い(S26)、検出部121、122により測定を行う(S27)。そして、CPU201は、測定結果に基づいて分析を行い、表示入力部21に分析結果を出力する(S28)。
【0064】
なお、測定が開始される前および測定が行われた後で、メニュー画面D2のシャットダ
ウンボタンD24が押下されると(S29:YES)、CPU201は、S18、S23と同様のシャットダウン処理を行う(S30)。シャットダウン処理が行われ、検体処理装置1のシャットダウンが行われるまで、検体処理装置1の処理は継続される。
【0065】
図8(a)は、シャットダウン処理を示すフローチャートである。
【0066】
シャットダウン処理が開始されると、情報処理部2のCPU201は、表示入力部21に、図8(b)に示すシャットダウン画面D3を表示する(S101)。シャットダウン画面D3は、領域D31と、検体処理装置1をシャットダウンするためのシャットダウン実行ボタンD32と、設定時間を設定するための設定ボタンD33と、キャンセルボタンD34を有する。
【0067】
領域D31には、次回の設定時間として、あらかじめユーザにより設定画面D4(図10(a)参照)を介して設定され、ハードディスク23に記憶された複数の設定時間のうち、直近の(最も現在の日時に近い)設定時間が表示される。なお、直近の設定時間が、現在時刻から、検体処理装置1がスタンバイになるまでに必要な時間(本実施の形態では30分)以内である場合、次に現在時刻に近い設定時間が、次回の設定時間として領域D31に表示される。
【0068】
シャットダウン実行ボタンD32が押下されると(S102:YES)、CPU201は、次回の設定時間をRTC52のメモリ52aに記憶させ(S103)、検体処理装置1をシャットダウンさせる(S104)。検体処理装置1のシャットダウンでは、具体的には、検体処理装置1の各部の終了処理が行われ、電圧供給部61、62から検体処理装置1の各部へ電圧が供給されなくなる。ただし、電圧供給部62から基板5への電圧が供給されなくなっても、RTC52とアナログスイッチ53には電池54により電圧が供給される。検体処理装置1がシャットダウンされると、処理が図5のS11に戻される。
【0069】
なお、シャットダウン画面D3を表示した後、シャットダウン実行ボタンD32が押下されずに長時間放置された場合には、領域D31に表示された時刻と実際の時刻の差がスタンバイになるまでに必要な時間(本実施の形態では30分)未満となる場合がある。その場合には、S103においてシャットダウン後すぐに検体処理装置1が起動するよう、CPU201は、設定時間をRTC52のメモリ52aに記憶させる。
【0070】
キャンセルボタンD34が押下されると(S105:YES)、CPU201は、シャットダウン画面D3を閉じ(S106)、シャットダウン処理を終了させる。そして、シャットダウン処理が呼び出されたフローチャートの位置の後段に処理が戻される。たとえば、図5のS18においてシャットダウン処理が実行された場合、シャットダウン処理が終了すると、S18の後段に処理が戻される。設定ボタンD33が押下されると(S107:YES)、CPU201は、設定処理を行う(S108)。
【0071】
図9は、設定処理を示すフローチャートである。
【0072】
設定処理が開始されると、情報処理部2のCPU201は、表示入力部21に、図10(a)に示す設定画面D4を表示する(S201)。設定画面D4は、カレンダーD41と、カレンダーD41の年と月を変更するための領域D42と、時刻を設定するための領域D43と、設定時間をセットするためのセットボタンD44と、設定時間をリセットするためのリセットボタンD45と、曜日を設定するための曜日設定ボタンD46と、キャンセルボタンD47を有する。カレンダーD41は、年と月を示す領域D41aと、曜日を示す7個の項目D41bと、日を示す42個のセルD41cを有する。
【0073】
ユーザは、設定画面D4を介して、設定時間として日時を設定することができる。ユーザは設定時間を設定する場合、まず、領域D42内の2つのボタンを押下して、カレンダーD41に表示される年と月を選択する。続いて、ユーザは、セルD41cを押下して反転表示することにより設定したい日を選択し、領域D43内の2つのボタンを押下して領域D43内の時刻を指定する。なお、セルD41cは、複数選択が可能となっている。また、項目D41bが押下されると、押下された項目D41bに対応する曜日と同一の曜日であるセルD41cが全て選択される。
【0074】
セットボタンD44が押下されると(S202:YES)、CPU201は、選択されたセルD41cの日と、領域D43で指定された時刻とを合わせて、設定時間としてハードディスク23に記憶する(S203)。また、セルD41cに表示される時刻は、ハードディスク23に記憶された設定時間に基づいて更新される。このように、設定画面D4を介して設定時間が少なくとも1つ設定されると、図5のS31においてYESと判定されるようになる。リセットボタンD45が押下されると(S204:YES)、CPU201は、選択されたセルD41cの日の設定時間を消去する(S205)。
【0075】
曜日設定ボタンD46が押下されると(S206:YES)、CPU201は、図10(b)に示す曜日設定画面D50を表示する(S207)。ユーザは、曜日設定画面D50を介して、任意の曜日に対し設定時刻を一括して設定することができる。曜日設定画面D50において、曜日に対応するボタンD51が押下されると、ボタンD51内のチェックボックスがチェック状態となり、領域D52内の2つのボタンが押下されると、領域D52内の時刻が指定される。OKボタンD53が押下されると、CPU201は、チェックされた曜日と、対応する領域D52で指定された時刻とを合わせて、設定時間としてハードディスク23に記憶し、処理をS202に戻す。キャンセルボタンD54が押下されると、CPU201は、曜日設定画面D50で指定された内容を破棄して、処理をS202に戻す。
【0076】
ここで、設定画面D4において項目D41bを選択し設定を行った場合には領域D42において選択された月のみに対し設定が行われる。対して曜日設定画面D50において設定を行った場合には、月が変わったとしても設定された曜日に対し設定された時刻を設定する。これにより、毎月起動時刻を設定する手間を抑制することができる。
【0077】
キャンセルボタンD47が押下されると(S208:YES)、設定画面D4を閉じ(S209)、設定処理を終了させる。そして、設定処理が呼び出されたフローチャートの位置(図8(a)のS108)の後段に処理が戻される。
【0078】
なお、図10(a)に示す設定画面D4は、図7のメニュー画面D2の設定ボタンD23がユーザにより押下された場合も、表示入力部21に表示される。この場合、設定ボタンD23が押下されたことに応じて図9の設定処理が開始され、設定画面D4が閉じられると、メニュー画面D2が表示され設定処理が終了する。
【0079】
図11(a)は、図5のS22においてYESと判定された後の処理を示すフローチャートである。
【0080】
1以上の設定時間が設定されており(図5のS31:YES)、現在の日時がRTC52のメモリ52aに記憶されている次回の設定時間の30分前(起動時間)になると(S32:YES)、RTC52は、現在の日時と、メモリ52aに記憶している次回の設定時間とに基づいて、アナログスイッチ53をオンにする。これにより、図5のS12〜S14と同様に、情報処理部2が起動し(S33)、情報処理部2以外の検体処理装置1の各部が起動し(S34)、情報処理部2のCPU201は、検体処理装置1が起動してか
らの経過時間のカウントを開始する(S35)。なお、ここでカウントを開始した経過時間は、後述するS39とS51の判定に用いられる。また、この経過時間は、処理がS21に進められた場合に、S21においてハロゲンランプ119aが安定して発光する状態となったか否かの判定にも用いられる。
【0081】
次に、CPU201は、表示入力部21に、図11(b)に示すログオン画面D5を表示する(S36)。ログオン画面D5は、図6に示すログオン画面D1に、領域D16が追加されたものである。領域D16には、検体処理装置1が自動起動した旨と、一定時間ログオンしない場合、自動でシャットダウンを行う旨が示されている。
【0082】
なお、検体処理装置1が自動起動した場合、RTC52のメモリ52aに自動起動をしたことを示すフラグが設定されている。CPU201は、検体処理装置1の起動後に、このフラグがメモリ52aに設定されているかを参照することにより、ログオン画面D1、D5のうち何れを表示するかを判定する。
【0083】
ログオン画面D5において、OKボタンD13が押下されると(S37:YES)、CPU201は、入力ボックスD11、D12に入力された内容に基づいてログオン処理を行い、処理を図5のS19に進める。シャットダウンボタンD14が押下されると(S38:YES)、CPU201は、処理を図5のS18に進める。OKボタンD13とシャットダウンボタンD14が押下されず、検体処理装置1が起動してからの時間(S35でカウントを開始した経過時間)が、Te−Tw分となると(S39:YES)、CPU201は、ログオン画面D5を閉じて(S40)、処理を図12のS41に進める。なお、本実施の形態では、Teは60分、Twは5分に設定される。すなわち、検体処理装置1の起動後、55分が経過すると処理がS41に進められる。
【0084】
次に、図12を参照して、CPU201は、情報処理部2のスピーカー24から警報音を鳴らし(S41)、図13に示すシャットダウン画面D6を表示する(S42)。シャットダウン画面D6は、図8(b)に示すシャットダウン画面D3に、領域D35が追加されたものである。領域D35には、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされるまでの時間が示されている。領域D35に表示される時間は、シャットダウンされるまでの時間に応じて更新される。
【0085】
シャットダウン画面D6において、シャットダウン実行ボタンD32が押下されると(S43:YES)、CPU201は、次回の設定時間をRTC52のメモリ52aに記憶させ(S44)、検体処理装置1をシャットダウンさせる(S45)。検体処理装置1がシャットダウンされると、処理が図5のS11に戻される。キャンセルボタンD34が押下されると(S46:YES)、CPU201は、シャットダウン画面D6を閉じ(S47)、処理を図5のS15に進めて、表示入力部21に、図6に示すログオン画面D1を表示する(S15)。
【0086】
設定ボタンD33が押下されると(S48:YES)、CPU201は、自動起動の際に表示されるシャットダウン画面D6を閉じて(S49)、図9の設定処理を行う(S50)。この場合、設定処理が終了すると、CPU201は、処理を図8(a)のS101に進めて、表示入力部21に、図8(b)に示す手動起動の際に表示されるシャットダウン画面D3を表示する(S101)。なお、処理がS101に進められ、シャットダウン画面D3においてキャンセルボタンD34が押下されると(S105:YES)、シャットダウン画面D3が閉じられた後(S106)、処理がS15に戻され、表示入力部21にログオン画面D1が表示される(S15)。
【0087】
シャットダウン実行ボタンD32と、設定ボタンD33と、キャンセルボタンD34が
押下されず、シャットダウン画面D6が表示されてからTw分経過すると(S51:YES)、CPU201は、次回の設定時間をRTC52のメモリ52aに記憶させ(S52)、検体処理装置1をシャットダウンさせる(S53)。検体処理装置1がシャットダウンされると、処理が図5のS11に戻される。
【0088】
以上、本実施の形態によれば、設定時間の30分前に検体処理装置1が自動的に起動すると、表示入力部21にログオン画面D5が表示される。ログオン画面D5において、OKボタンD13とシャットダウンボタンD14が押下されず、検体処理装置1が起動してからTe−Tw分経過すると、表示入力部21にシャットダウン画面D6が表示される。シャットダウン画面D6において、シャットダウン実行ボタンD32と、設定ボタンD33と、キャンセルボタンD34が押下されず、さらにTw分経過すると、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされる。これにより、たとえば、ユーザが不在のまま検体処理装置1が誤って自動的に起動された場合でも、検体処理装置1は自動的にシャットダウンされるため、検体処理装置1にかかる不要な電力の消費を抑制することができる。また、不要な電力の消費が抑制されるため、環境への負担も軽減することができる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、検体処理装置1が自動的に起動したときに、ログオン画面D5において、OKボタンD13が押下されログオン処理が行われると、以降の処理は手動起動の場合と同様になるため、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされなくなる。このように、検体処理装置1を使用する際に必要なログオン操作が所定時間内に行われないことにより、自動起動後に検体処理装置1が使用される状態にないことを適正に判断することできる。よって、自動起動後において、検体処理装置1の自動的なシャットダウンを適正に行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、検体処理装置1が自動的に起動されたときに、ログオン画面D5において、シャットダウンボタンD14が押下されると、以降の処理は手動起動の場合と同様になるため、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされなくなる。また、シャットダウン画面D6において、設定ボタンD33とキャンセルボタンD34が押下されると、以降の処理は手動起動の場合と同様になるため、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされなくなる。このように、検体処理装置1を使用する際に何らかの操作が行われた場合には、検体処理装置1の周囲に人が居り、この人によって検体処理装置1が使用されることが確認され得る。よって、自動起動後において、検体処理装置1の自動的なシャットダウンを適正に行うことができる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、検体処理装置1が自動的に起動された場合に、所定時間が経過して表示されるシャットダウン画面D6には、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされるまでの時間を示す領域D35が表示される。これにより、自動的に起動した検体処理装置1が、あと何分で自動的にシャットダウンされるかが分かるため、ユーザは、検体処理装置1をシャットダウンさせない等の適切な措置を取ることができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、シャットダウン画面D6が表示されるときに、スピーカー24から警報音が鳴らされる。これにより、ユーザが検体処理装置1の起動状態が維持されることを望む場合に、検体処理装置1が自動起動したことに気付かず、誤って自動的にシャットダウンされてしまう事態を防ぐことができる。
【0093】
また、本実施の形態によれば、シャットダウン画面D3、D6の領域D31には、次回の設定時間が表示される。これにより、ユーザは、検体処理装置1をシャットダウンさせる前に、次回の設定時間が正しいかを確認することができる。また、シャットダウン画面D3、D6には、次回の設定時間と共に、設定時間の設定を行うための設定ボタンD33が配置されている。これにより、ユーザは、次回の設定時間を修正または再設定したい場
合に、円滑に次回の設定時間の修正または再設定を行うことができる。
【0094】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0095】
たとえば、上記実施の形態では、検体処理装置1を血液凝固分析装置としたが、これに限らず、検体処理装置1は、検体としてどのような臨床検体を分析する装置であっても良い。たとえば、検体処理装置1は、血清を測定する免疫分析装置あるいは生化学分析装置、血液中の血球を計数する血球計数装置、尿を分析する尿分析装置、または骨髄液を分析する分析装置であっても良い。また、検体処理装置1は、臨床検体を分析する装置に限られず、臨床検体を処理する装置であっても良い。たとえば、検体処理装置1は、検体をスライドガラスに塗抹してから染色を行って標本を自動で作成する標本作成装置等であっても良い。
【0096】
また、上記実施の形態では、図4(b)に示すように、設定時間は、検体処理装置1がスタンバイ状態となるタイミングを所望する時間として、ユーザによりあらかじめ設定された日時であり、現在の日時が設定時間の30分前になると、検体処理装置1が自動的に起動され、設定時間になると検体処理装置1がスタンバイ状態となった。しかしながら、これに限らず、図14(a)に示すように、設定時間は、検体処理装置1が起動される時間としても良い。この場合、ユーザは、設定画面D4を介して、検体処理装置1が起動される時間として設定時間を設定し、検体処理装置1は、設定時間になると自動的に起動される。また、シャットダウン画面D3、D6の領域D31には、次回の設定時間として、次回検体処理装置1が起動される時間が表示される。
【0097】
また、上記実施の形態では、表示入力部21は、タッチパネル型のディスプレイであったが、表示部と入力部に分かれていても良い。
【0098】
また、上記実施の形態において、検体処理装置1が自動的に起動した後、表示入力部21に、図14(b)に示す確認画面D7が表示されるようにしても良い。この場合、図11(a)のS35の後段の処理が、図14(c)に示すようにS301〜S304に置き換えられる。
【0099】
図14(c)を参照して、CPU201は、検体処理装置1が起動してからの経過時間のカウントを開始すると(S35)、表示入力部21に、図14(b)に示す確認画面D7を表示する(S301)。続いて、検体処理装置1が起動してからTe分経過するまでの間に(S303:NO)、OKボタンD71が押下されると(S302:YES)、処理が図5のS15に進められる。これにより、以降の処理は手動起動の場合と同様になるため、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされなくなる。他方、OKボタンD71が押下されず(S302:NO)、検体処理装置1が起動してからTe分経過すると(S303:YES)、CPU201は、検体処理装置1をシャットダウンさせる(S304)。
【0100】
このように、ユーザに対して検体処理装置1の使用意思を確認することにより、自動起動後において、検体処理装置1が使用される状態にないことを適正に判断することができる。よって、自動起動後において、検体処理装置1の自動的なシャットダウンを適正に行うことができる。
【0101】
また、図14(b)に示す確認画面D7のOKボタンD71が押下されることに替えて、他の手段によって、ユーザに対して検体処理装置1の使用意思を確認することにより、検体処理装置1が使用される状態にないことを適正に判断するようにしても良い。
【0102】
たとえば、検体処理装置1の近くに人がいるかを検知する生体モニタを検体処理装置1に設置し、かかる生体モニタに基づいて人が検知されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、ユーザを特定するRFIDを読み取るためのRFIDリーダを検体処理装置1に設置し、かかるRFIDリーダによりRFIDリーダが読み取られると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、検体処理装置1の筐体10の開閉を検知するセンサを検体処理装置1に設置し、かかるセンサにより開閉が検知されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、検体ラック102を検知するためのセンサが検体搬送部4に設置され、かかるセンサにより検体ラック102が検知されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、検体処理装置1の廃液タンクに廃液交換を検知するセンサが設置され、かかるセンサにより廃液交換が検知されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、情報処理部2にUSB機器を接続するための端子が設けられ、かかる端子にUSB機器の接続が検知されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。また、試薬容器103が交換されたことを検出するセンサが試薬テーブル111に設置され、かかるセンサにより試薬容器103が交換されたことが検出されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避されるようにしても良い。
【0103】
また、所定時間の経過後に検体処理装置1が自動的にシャットダウンされること、および、自動的なシャットダウンを回避するために表示入力部21を介して所定のキーを入力することを、表示入力部21に表示されたメッセージまたはスピーカー24から出力される音(警報音)でユーザに知らせても良い。この場合、ユーザにより表示入力部21を介して所定のキーが入力されると、検体処理装置1の自動的なシャットダウンが回避される。
【0104】
なお、自動的に起動が行われる設定時間が設定されている日に、設定時刻より前に使用者が手動で検体処理装置1を起動する場合もある。この場合には、設定時刻になっても検体処理装置1の起動状態を継続すると共に、検体処理装置1の自動的なシャットダウンの機能を作動させないようにしてもよい。
【0105】
また、自動的に起動を行う設定時間については、たとえば、検体処理装置1とインターネット回線で接続された携帯電話やパーソナルコンピュータ等により設定可能としてもよい。これにより、帰宅後に誤設定をしたことに気付いた場合であっても、設定を修正することが容易となる。
【0106】
また、上記実施の形態では、シャットダウン画面D6の領域D35に、検体処理装置1がシャットダウンされるまでに要する時間が表示されたが、これに限らず、検体処理装置1がシャットダウンされるまでに要する時間が、スピーカー24から音声として鳴らされ、ユーザに報知されるようにしても良い。
【0107】
また、上記実施の形態では、シャットダウン画面D6が表示される場合に、合わせてスピーカー24から警報音が鳴らされたが、これに限らず、スピーカー24から、所定時間の経過後に検体処理装置1が自動的にシャットダウンされる旨を報知する音声ガイダンスが出力されるようにしても良い。
【0108】
また、上記実施の形態では、検体処理装置1が自動的に起動した後、ユーザがボタンを押下する等、所定の動作を行うことにより、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることが回避された。しかしながら、これに限らず、現在の曜日が平日であれば、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることが回避されるようにしても良い。なお、
この場合の平日とは、検体処理装置1を使用することが想定された曜日や日付のことであり、施設・病院ごとに異なるものである。したがって、検体処理装置1のハードディスク23は、あらかじめ休日を設定可能なカレンダー情報を保持しており、これに、ユーザが休日を登録することで、平日と、平日以外の日(休日)が区分される。
【0109】
図15(a)は、この場合のフローチャートを示す図である。図15(a)は、図11(a)に示すフローチャートの一部を示す図であり、図15(a)では、図11(a)のS35、S36の間に、S305が追加されている。
【0110】
検体処理装置1が自動的に起動した後、情報処理部2のCPU201は、本日が平日であるか否かを判定する(S305)。なお、平日に含まれる日は、上述したように、あらかじめ施設・病院ごとに設定されている。本日が平日でないと(S305:NO)、処理がS36に進められる。他方、本日が平日であると(S305:YES)、処理が図5のS15に進められる。こうすると、使用が想定される平日において、誤って検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることを回避することができ、使用が想定されない休日において、検体処理装置1を自動的にシャットダウンすることができる。
【0111】
また、図15(a)では、本日が平日である場合に、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることが回避された。しかしながら、日ごとに検体処理装置1の使用の要否が判定されるのではなく、時刻によって検体処理装置1の使用の要否が判定されるようにしても良い。この場合、検体処理装置1のハードディスク23には、あらかじめユーザにより検体処理装置1を稼働しない時間帯が登録される。
【0112】
図15(b)は、この場合のフローチャートを示す図である。図15(b)では、図15(a)のS305がS306に置き換えられている。
【0113】
検体処理装置1が自動的に起動した後、CPU201は、現在の時刻が、あらかじめ設定された稼働時間帯に含まれるか否かを判定する(S306)。現在の時刻が稼働時間帯に含まれないと(S306:NO)、処理がS36に進められる。他方、現在の時刻が稼働時間帯に含まれると(S306:YES)、処理が図5のS15に進められる。こうすると、検体処理装置1の使用が想定される時間帯において、誤って検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることを回避することができ、使用が想定されない時間帯(たとえば、午後休診等)において、検体処理装置1を自動的にシャットダウンすることができる。
【0114】
また、上記実施の形態では、次回の設定時間が、シャットダウン画面D3、D6の領域D31に表示されたが、これに限らず、次回の設定時間が、スピーカー24から音声として鳴らされ、ユーザに報知されるようにしても良い。
【0115】
また、上記実施の形態では、シャットダウン画面D6には設定ボタンD33配置されており、設定ボタンD33が押下されると、設定時間を変更するための設定画面D4が表示された。しかしながら、これに限らず、シャットダウン画面D6に替えて、図16に示すように、シャットダウン画面D8が表示されるようにしても良い。シャットダウン画面D8は、シャットダウン画面D6の右側に設定画面D4が配置された構成となっており、設定ボタンD33と、キャンセルボタンD47が省略されている。こうすると、次回の設定時間を修正したい場合に、迅速に設定時間の設定を行うことができる。
【0116】
また、本発明は、図17(a)に示すように、検体処理装置1とホストコンピュータ71とを含む検体処理システム7に適用されても良い。この場合、ホストコンピュータ71は、検体の処理オーダーを受け付け、情報処理部2のインターフェース205は、ホスト
コンピュータ71と通信可能に接続されている。そして、情報処理部2は、ホストコンピュータ71のオーダー受付状況に基づいて、検体処理装置1を自動的にシャットダウンする。
【0117】
図17(b)は、この場合のフローチャートを示す図である。図17(b)は、図11(a)に示すフローチャートの一部を示す図であり、図17(b)では、図11(a)のS35、S36の間に、S307、S308が追加されている。
【0118】
検体処理装置1が自動的に起動した後、CPU201は、ホストコンピュータ71に処理オーダーを問合せて(S307)、処理オーダーがあるかを判定する(S308)。処理オーダーがないと(S308:NO)、処理がS36に進められる。他方、処理オーダーがあると(S308:YES)、処理が図5のS15に進められる。こうすると、検体処理装置1で処理を行う検体がある場合に、誤って検体処理装置1が自動的にシャットダウンされることを回避することができ、検体処理装置1で処理を行う検体がない場合に、検体処理装置1を自動的にシャットダウンすることができる。
【0119】
なお、上記変更例において、図15(a)のS305と、図15(b)のS306と、図17のS307、S308は、それぞれ、S35とS36の間に単独で挿入されたが、これに限らず、これら3つの処理を適宜組み合わせて、S35とS36の間に挿入しても良い。
【0120】
また、上記実施の形態では、自動的に検体処理装置1が起動された場合には、起動してからの時間がTe−Tw分となると(図11(a)のS39:YES)、処理がS40に進められた。しかしながら、これに限らず、起動してからの時間がTe分となると、シャットダウン画面D6を表示せず、警報音を鳴らすと共に強制的に検体処理装置1をシャットダウンしてもよい。
【0121】
図18(a)は、この場合のフローチャートを示す図である。図18(a)は、図11(a)に示すフローチャートの一部を示す図であり、図18(a)では、図11のS36、S37の間にS309が追加され、S39、S40に替えて、S310〜S313が追加されている。
【0122】
ログオン画面D5が表示されると(S36)、CPU201は、図18(b)に示すように、表示入力部21の表示領域の下端に、検体処理装置1が自動的にシャットダウンされるまでの時間を示す領域D25を表示する(S309)。なお、領域D25は、ログオン画面D5と重ならないように構成されている。そして、検体処理装置1が起動してからの時間がTe分となると(S310:YES)、CPU201は、次回の設定時間をRTC52のメモリ52aに記憶させ(S311)、スピーカー24から警報音を鳴らし(S312)、検体処理装置1をシャットダウンさせる(S313)。そして、処理が図5のS11に進められる。なお、領域D25は、表示入力部21の表示領域の下端に表示されたが、ログオン画面D5内に表示されるようにしても良い。
【0123】
また、上記実施の形態では、シャットダウンが実行されると、検体処理装置1の各部の終了処理が行われ、電圧供給部61、62から電圧が供給されなくなる。しかしながら、シャットダウン処理はこれに限らず、たとえば情報処理部2は常に起動状態として、シャットダウンが実行されると、測定部3と検体搬送部4への電圧が供給されなくなるようにしても良い。また、検体の分析に用いる試薬を冷蔵保管する保冷部113には電圧供給を行う等、シャットダウン後も装置の一部を稼働状態としてもよい。具体的には、S104、S45、S53、S304、S313において検体処理装置1のシャットダウンが行われる際に、保冷部113のみ電圧供給部62からの電圧供給が維持され、保冷部113を
除く検体処理装置1の各部には電圧供給部61、62から電圧が供給されなくなるようにしても良い。
【0124】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 … 検体処理装置
21 … 表示入力部
24 … スピーカー
3 … 測定部
7 … 検体処理システム
71 … ホストコンピュータ
113 … 保冷部
D25 … 領域
D3 … シャットダウン画面
D31 … 領域
D33 … 設定ボタン
D35 … 領域
D4 … 設定画面
D6 … シャットダウン画面
D7 … 確認画面
D8 … シャットダウン画面
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