(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る給紙装置27,28、及びこの給紙装置27,28を備えた画像形成装置10について説明する。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が平坦面に設置された状態(
図1に示される状態)の鉛直方向を上下方向6と定義する。また、操作表示パネル17が設けられた側の面を正面(前面)として前後方向7を定義する。また、画像形成装置10の正面を基準に左右方向8を定義する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
まず、
図1乃至
図3を参照して画像形成装置10の概略構成について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複合機であり、プリンター、複写機、FAX装置、及びスキャナーなどの各機能を備える。この画像形成装置10は、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて印刷用紙P(本発明のシート部材の一例)に画像を形成する。なお、画像形成装置10は複合機に限られず、プリンターや複写機、FAX装置などの専用機であっても、本発明は適用可能である。
【0013】
画像形成装置10は、画像読取部12と、画像形成部14とを備える。画像読取部12は、原稿の画像を読み取る処理を行うものであり、画像形成装置10の上部に設けられている。画像形成部14は、電子写真方式に基づいて画像を形成する処理を行うものであり、画像読取部12の下側に設けられている。また、画像形成部14は、上下二段に配置された2つの給紙装置27,28を備える。上側の給紙装置27は、画像形成部14の最下部に筐体29と一体に設けられている。下側の給紙装置28は、画像形成部14の筐体29の底面にオプションデバイスとして連結された増設タイプのものである。給紙装置28は、筐体29の底面に着脱可能に構成されている。また、画像形成部14の右側には、用紙排出部30が設けられている。なお、画像形成部14は電子写真方式のものに限られず、インクジェット記録方式のものであっても、或いはそれ以外の記録方式又は印刷方式のものであってもかまわない。
【0014】
画像形成部14の上方には印刷用紙が排出される排紙スペース21が設けられている。用紙排出部30は、画像形成部14と画像読取部12との間に排紙スペース21を形成しつつ、画像形成部14と画像読取部12とを連結するように設けられている。本実施形態では、
図1に示されるように、排紙スペース21の前方側と左側が開放されている。また、排紙スペース21の後方側と右側は開放されておらず、後方側は閉塞されており、右側には用紙排出部30が設けられている。
【0015】
図1に示されるように、画像読取部12は原稿載置台23を備える。画像形成装置10が複写機として機能する場合は、原稿載置台23に原稿がセットされ、原稿カバー24が閉じられた後に、操作表示パネル17からコピー開始指示が入力される。これにより、画像読取部12による読取動作が開始され、原稿の画像データが読み取られる。そして、読み取られた画像データが画像形成部14に送られる。なお、
図1及び
図2では、画像読取部12の原稿カバー24(
図3参照)の図示が省略されている。
【0016】
また、
図3に示されるように、画像読取部12はADF13を備えている。ADF13は、原稿カバー24に設けられている。ADF13は自動原稿送り装置であり、原稿トレイ45、給送機構46、複数の搬送ローラー47、用紙押さえ48、及び排紙部49等を備える。ADF13は、給送機構46及び搬送ローラー47各々をモーター(不図示)で駆動させることによって、原稿トレイ45にセットされた原稿を原稿載置台23上の読取位置43を通過させて排紙部49まで搬送させる。給送機構46は、原稿を取り出す給送ローラー46Aと、給送ローラー46Aによって取り出された原稿を搬送する搬送ローラー46Bとを備えており、給送ローラー46Aによって原稿トレイ45から原稿から給送され、搬送ローラー46Bによって原稿が給送方向の下流側へ搬送される。そして、給送方向下流側に設けられた搬送ローラー47によって更に搬送される。ADF13による原稿の搬送過程において、読取位置43を通過する原稿の画像が画像読取部12によって読み取られる。
【0017】
画像形成部14は、画像読取部12で読み取られた画像データや外部から入力された画像データに基づいて、A判サイズやB判サイズなどの規定サイズの印刷用紙Pに画像を形成する。本実施形態では、後述するように、画像形成部14は、片面に画像が形成された印刷用紙Pを排紙スペース21に排出するか、或いは、印刷用紙Pをスイッチバックさせて反転搬送路39に送り込み、その裏面に画像を形成することができるようになっている。
【0018】
図3に示されるように、画像形成部14は、主として、給紙装置27,28、電子写真方式の画像転写部18、定着部19、画像形成部14を統括的に制御する制御部(不図示)などを備えている。つまり、画像形成装置10は、給紙装置27,28を備えている。また、画像形成部14は、搬送用モーター及び排出用モーター(共に不図示)を備えている。これらは、画像形成部14の外枠のカバーや内部フレームなどを構成する筐体29の内部に設けられている。給紙装置27,28は、本発明のシート搬送装置の一例である。
【0019】
給紙装置27,28は、画像転写部18へ向けてシート部材を搬送するものである。給紙装置27,28それぞれは、トレイ形状の用紙収容部22と、給送機構15とを備えている。用紙収容部22に、画像転写部18によって画像が形成される印刷用紙P(画像形成に用いられる印刷用紙P)が積載されている。給紙機構15は、用紙収容部22に収容された印刷用紙Pを一枚ずつ取り出して搬送する。給送機構15は、用紙収容部22の右端部の上側に設けられている。給送機構15は、給送ローラー51と、一対のローラーからなる搬送ローラー対52とを備えている。画像形成装置10に対して印刷用紙Pを給送させるための指示が入力されると、前記搬送用モーターが回転駆動される。これにより、給送ローラー51及び搬送ローラー対52が回転される。そして、給送ローラー51によって、印刷用紙Pが用紙収容部22から給送され、搬送ローラー対52によって印刷用紙Pの給送方向の下流側へ搬送される。
【0020】
図3に示されるように、画像形成部14において、搬送ローラー52対から上方へ向けて縦搬送路26が形成されている。縦搬送路26は、筐体14の右側面側に形成されており、右側面に沿って上下方向6に延びている。以下の説明においては、縦搬送路26を第1搬送路26A、第2搬送路26B、第3搬送路26C、第4搬送路26Dの4つの区間に分けて説明する。第1搬送路26Aは、給紙装置28に形成されている。第2搬送路26Bは、給紙装置27に形成されている。第3搬送路26Cは、第2搬送路26Bの終端付近の後述の合流点T2から後述の分岐点T1に至る区間に形成されている。そして、第4搬送路26Dは、分岐点T1から排紙スペース21に至る区間に形成されている。
【0021】
また、
図4及び
図5に示されるように、給紙装置27には、搬送ローラー53(本発明の第1搬送ローラーの一例)が設けられている。搬送ローラー53は、前記搬送用モーターから伝達された回転駆動力を受けて回転する駆動ローラーである。搬送ローラー53のローラー面には、ゴムなどのように摺動摩擦の大きい弾性部材が取り付けられている。搬送ローラー53の回転軸55は後方へ延出されており、その回転軸55の後端に設けられたギヤ(不図示)に前記搬送用モーターの回転駆動力が入力される。搬送ローラー53は、第2搬送路26Bの上端付近に配置されており、筐体29Aに回転可能に支持されている。搬送ローラー53は、そのローラー面が第2搬送路26Bに露出された状態で支持されている。この搬送ローラー53は、後述の内側カバー57が閉位置(
図3及び
図4参照)で後述のロック機構41によってロックされた状態で、内側カバー57が備える回転ローラーなどの従動ローラー72(本発明の第2搬送ローラーの一例)に当接する。本実施形態では、筐体29Aの上面において前後方向7の中央に2つの搬送ローラー53が設けられている。前記搬送用モーターによって搬送ローラー53が回転されると、給送機構15によって第2搬送路26Bに給送された印刷用紙Pが、搬送ローラー53及び従動ローラー72によって挟持されつつ上方へ向けて搬送される。なお、給紙装置28にも、搬送ローラー53と同様の搬送ローラー54(本発明の第1搬送ローラーの一例)が第1搬送路26Aの上端付近に回転可能に支持されている。搬送ローラー54は、搬送ローラー53と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
【0022】
また、給紙装置27は、外側カバー56及び内側カバー57を備えている。内側カバー57は、本発明の開閉部材の一例である。外側カバー56及び内側カバー57は、給紙装置27の右側の端部に設けられている。外側カバー56及び内側カバー57は、筐体29に回動自在に支持されている。本実施形態では、外側カバー56が
図3に示す閉位置から開けられると、内側カバー57が外側カバー56の開動作に連動して開けられる。これにより、給紙装置27における第2搬送路26Bが開放される。なお、給紙装置28にも、給紙装置27と同様の外側カバー58及び内側カバー59が備えられている。外側カバー56及び内側カバー57の構成については後述する。
【0023】
給紙装置27の上方に画像転写部18が設けられている。画像転写部18は、給紙装置27,28から搬送される印刷用紙Pに対して画像転写処理を行う。詳細には、画像転写部18は、入力された画像データに基づいて、トナーなどの印刷材料を用いて印刷用紙Pにトナー像を転写する。
図3に示されるように、画像転写部18は、感光体ドラム31と、帯電部32と、現像部33と、LSU(Laser Scanner Unit)34と、転写ローラー35と、クリーニング部36と、を備えている。
【0024】
感光体ドラム31は第3搬送路26Cの左側に設けられている。画像形成動作が開始されると、帯電部32によって感光体ドラム31の表面が一様の電位に帯電される。また、LSU34から感光体ドラム31に対して画像データに応じたレーザー光が走査される。これにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。その後、現像部33によって静電潜像にトナーが付着されて、感光体ドラム31にトナー像が形成される。転写ローラー35は、第3搬送路26Cの右側に設けられており、第3搬送路26Cを挟んで感光体ドラム31に対向するように配置されている。第3搬送路26Cを通過する印刷用紙Pが転写ローラー35と感光体ドラム31とのニップ部を通過する際に、トナー像が転写ローラー35によって印刷用紙Pに転写される。トナー像が転写された印刷用紙Pは、第3搬送路26Cを通って、画像転写部18よりも印刷用紙Pの搬送方向の下流側(つまり上方側)に配置された定着部19に搬送される。
【0025】
定着部19は、印刷用紙Pに転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙Pに定着させる。定着部19は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とを備える。加圧ローラー42は、バネなどの弾性部材によって加熱ローラー41側へ付勢されている。これにより、加圧ローラー42は加熱ローラー42に圧接される。加熱ローラー41は、定着動作時にヒーターなどの加熱手段によって高温に加熱される。印刷用紙Pが定着部19を通過する際に加熱ローラー41によってトナー像を構成するトナーが加熱されて溶融され、また、加圧ローラー42によって印刷用紙Pが加圧される。これにより、定着部19によって印刷用紙Pにトナーが定着される。つまり、トナー像が印刷用紙Pに定着されて、印刷用紙Pに画像が形成される。
【0026】
縦搬送路26の第4搬送路26Dの終端には、印刷用紙Pが排出される用紙排出口37が設けられている。縦搬送路26の終端付近、具体的には、定着部19の下流側の分岐点T1から用紙排出口37に至る第4搬送路26Dは、鉛直方向から水平方向へ湾曲された形状である。用紙排出口37の近傍には、前記排出用モーター(不図示)によって双方向へ回転される排出ローラー対25が設けられている。定着部19を通過して第4搬送路26Dに搬送された印刷用紙Pは、前記排出用モーターにより正回転方向へ回転される排出ローラー対25によって用紙排出口37から排紙スペース21へ向けて搬送される。
【0027】
画像形成部14において片面印刷が行われる場合、画像転写部18で片面にトナー像が転写された印刷用紙Pは、定着部19を通過した後、第4搬送路26Dを通って用紙排出口37から外部へ排出される。
【0028】
一方、画像形成部14において両面印刷が行われる場合、最初に片面に画像が形成された印刷用紙Pは、定着部19を通過した後、第4搬送路26Dを逆搬送されて反転搬送路39に送り込まれる。詳細には、片面に画像が形成された印刷用紙Pの先端が用紙排出口37から外部へ露出された状態で、排出ローラー対25が停止される。このとき、印刷用紙Pの後端が用紙排出口37付近の排出ローラー対25によって挟持された状態で保持される。その後、前記排出用モーター(不図示)の逆回転駆動によって排出ローラー対25が逆回転される。これにより、印刷用紙Pが再び第4搬送路26Dを逆方向へ搬送される。つまり、印刷用紙Pは第4搬送路26Dを逆搬送される。
図3に示されるように、画像形成部14には、第4搬送路26Dから分岐する反転搬送路39が形成されている。反転搬送路39は、画像転写部18側から見て印刷用紙Pの搬送方向の上流側の合流点T2で第3搬送路26Cに合流している。つまり、反転搬送路39は、分岐点T1から合流点T2に至っている。反転搬送路39は、筐体29において縦搬送路26よりも右側に形成されている。反転搬送路39は、概ね縦搬送路26と平行なように上下方向6(縦方向)に延びている。
【0029】
第4搬送路26Dから反転搬送路39へ送り込まれた印刷用紙Pは、反転搬送路39を下方へ案内される。反転搬送路39において合流点T2の付近には搬送ローラー40が設けられている。反転搬送路39を下方へ案内された印刷用紙Pは、合流点T2の手前で搬送ローラー40によって再び縦搬送路26に送り込まれる。そして、第3搬送路26Cを通って再び画像転写部18へ搬送される。画像転写部18に到達した印刷用紙Pは、画像が形成されていない面が再び感光体ドラム31に対向される。そして、画像転写部18及び定着部19を順次通過することによって、画像が形成されていない反対側の面に画像が形成される。その後、両面に画像が形成された印刷用紙Pは、正回転に戻された排出ローラー対25によって第4搬送路26Dを通って用紙排出口37から排紙スペース21へ排出される。
【0030】
次に、
図3乃至
図6を参照しながら、給紙装置27の外側カバー56及び内側カバー57の構成について説明する。なお、給紙装置28が備える外側カバー58及び内側カバー59(
図3参照)については、給紙装置27の外側カバー56及び内側カバー57と同じ構成であるため、本実施形態の説明では、給紙装置27の外側カバー56及び内側カバー57に付した符号の番号と同じ符号を付し示すことにより、その構成の詳細な説明を省略する。ここで、
図4は、画像形成装置10から給紙装置27の構成を抽出して描かれた斜視図である。
図5は、画像形成装置10から給紙装置27,28の構成を抽出して描かれた斜視図である。
図6は、外側カバー56及び内側カバー57の構成及び動作を示す模式図であり、外側カバー56及び内側カバー57の正面側の面が示されている。なお、
図6では、給紙装置27の筐体29Aの具体的な図示が省略されており、筐体29Aの外枠の一部だけが二点鎖線で示されている。
【0031】
図4に示されるように、給紙装置27の右端部に外側カバー56及び内側カバー57が設けられている。外側カバー56及び内側カバー57は、いずれも、給紙装置27の筐体29Aに取り付けられている。ここで、給紙装置27の筐体29Aは、画像形成装置10の筐体29の一部であり、筐体29において給紙装置27に対応する部分である。
【0032】
外側カバー56は、給紙装置27の右側面を構成するものであり、
図4に示されるように、前後方向7に長く上下方向6に短い矩形状に形成されている。外側カバー56は、合成樹脂を射出成形することにより形成される。外側カバー56は、給紙装置27の右側面に対して開閉可能に支持されている。詳細には、外側カバー56は、給紙装置27の右側面を閉塞する閉位置(
図3及び
図4に示される位置)と給紙装置27の右側面を開放する開位置(
図5に示される位置)との間で回動可能なように筐体29Aに支持されている。前記閉位置のときの外側カバー56の下方の端部(下端部)に、回動支点となる回動軸61(
図6参照)が設けられている。回動軸61は、外側カバー56の前後方向7の両端部に設けられている。これらの回動軸61が筐体29Aに回動可能に支持されている。
【0033】
図5に示されるように、外側カバー56は、第1係止片63及び第2係止片64を備える。第1係止片63及び第2係止片64は、外側カバー56の開閉動作において内側カバー56が備える後述の被係止片71と連結される。第1係止片63及び第2係止片64が被係止片71と係止されることにより、外側カバー56及び内側カバー57が連動して開閉可能となる。なお、第1係止片63、第2係止片64、及び被係止片71は、本発明の連動部材の一例である。
【0034】
2つの第1係止片63が外側カバー56に一体に形成されている。各第1係止片63は、外側カバー56の内面56Aに形成されている。内面56Aは、閉位置において内側カバー57に対向する面である。この内面56Aの前後方向7の両側に第1係止片63が形成されている。より詳細には、内面56Aにおいて回動軸61から最も離れた先端部の近傍に第1係止片63が形成されている。第1係止片63は、内面56Aから垂直に突出するアーム部63Aと、そのアーム部63Aの先端から回動軸61の軸方向(前後方向7に一致する方向)へ屈曲する鉤状の係止爪63Bとにより構成されている。この係止爪63Bが後述する被係止片71の係止爪71Bと連結される。
【0035】
また、2つの第2係止片64が外側カバー56に一体に形成されている。各第2係止片64は、外側カバー56の内面56Aに形成されている。この内面56Aの前後方向7の両側に第2係止片64が形成されている。より詳細には、内面56Aにおいて回動軸61と第1係止片63との間に第2係止片64が形成されている。言い換えると、第2係止片64は、内面56Aにおいて第1係止片63が形成された位置よりも回動軸61側の位置に形成されている。第2係止片64は、内面56Aから垂直に突出するアーム部64Aと、そのアーム部64Aの先端から回動軸61の軸方向(前後方向7に一致する方向)へ屈曲する鉤状の係止爪64Bとにより構成されている。この係止爪64Bが後述する被係止片71の係止爪71Bと連結される。
【0036】
第1係止片63は第2係止片64よりも長く形成されている。第1係止片63は第2係止片64それぞれの突出方向の長さは、外側カバー56及び内側カバー57の位置関係や、第2係止片64が被係止片71と係止されるときの外側カバー56の傾斜度などに応じて決定される要素である。
【0037】
図5及び
図6に示されるように、第2係止片64の係止爪64Bは、所定方向に傾斜する傾斜面66を有する。傾斜面66は、第2係止片64の係止爪64Bと被係止片71の係止爪71Bとが係止されるときに係止爪71Bに接触する面である。傾斜面66は、外側カバー56の内面56Aを基準にしたときに回動軸61へ向かう方向へ傾斜している。このため、傾斜面66と外側カバー56の内面56Aとにより形成される空間は、回動軸61側が狭くなっており、反対側の第1係止片63側が広くなっている。
【0038】
図5に示されるように、外側カバー56の内面56Aに押圧部69が設けられている。押圧部69は、外側カバー56と一体に形成されている。押圧部69は、外側カバー56が給紙装置27の右側面に対して閉じられたときに、内側カバー56の外面56Bを押圧して、内側カバー56を閉位置へ向かう方向(閉方向)へ回動させる。押圧部69は、内面56の中央付近に設けられており、内面56から垂直に突出している。なお、
図6では、押圧部69の図示が省略されている。
【0039】
図5に示されるように、内側カバー57は、前後方向7に長く上下方向6に短い矩形状に形成されている。内側カバー57は、外側カバー56と同様に、合成樹脂を射出成形することにより形成される。内側カバー57は、外側カバー56よりも給紙装置27の内部側、つまり、筐体29Aの内部側に配置されている。詳細には、
図3に示されるように、内側カバー57は、第2搬送路26Bと外側カバー56との間に配置されている。内側カバー57の内部側の内面57Aは、
図3及び
図4に示される閉位置で、第2搬送路26Bの右側のガイド面となる。つまり、前記閉位置にある内側カバー57は、鉛直方向(上下方向6)に延びる第2搬送路26Bの右側の搬送ガイドを構成する。本実施形態では、内側カバー57は、第2搬送路26Aに対して開閉可能なように筐体29Aに支持されている。この内側カバー57が閉位置(
図3及び
図4参照)から開位置へ向かう開方向へ回動されると、第2搬送路26Bが開放される。
【0040】
具体的に、内側カバー57は、筐体29Aの内部に形成された第2搬送路26Bを閉塞する閉位置(
図3及び
図4に示される位置)と第2搬送路26Bを開放する開位置(
図5に示される位置)との間で回動可能なように筐体29Aに支持されている。前記閉位置のときの内側カバー57の下方の端部(下端部)に回動支点となる回動軸68(
図6参照)が設けられている。回動軸68は、筐体29Aにおいて、外側カバー56の回動軸61と概ね同じ高さ位置に設けられている。回動軸68は、内側カバー57の前後方向7の両端部に設けられている。これらの回動軸68が筐体29Aに回動可能に支持されている。
【0041】
図5に示されるように、内側カバー57は、被係止片71を備える。被係止片71は、外側カバー56と連結される部分である。被係止片71は、外側カバー56の開閉動作において外側カバー56が備える第1係止片63及び第2係止片64のいずれかと選択的に係止されて互いに連結される。本実施形態では、被係止片71は、外側カバー56及び内側カバー57が共に
図3及び
図4に示される閉位置であるときに第1係止片63と連結される。また、被係止片71は、外側カバー56及び内側カバー57が開方向に回動されて、
図5に示される開位置に到達したときに第2係止片64と係止されて互いに連結される。
【0042】
2つの被係止片71が内側カバー57に一体に形成されている。各被係止片71は、内側カバー57の外面57Bに形成されている。外面57B(
図6参照)は、閉位置において外側カバー56に対向する面である。この外面57Bの前後方向7の両側に被係止片71が形成されている。被係止片71は、外面57Bから垂直に突出するアーム部71Aと、そのアーム部71Aの先端から回動軸68の軸方向(前後方向7に一致する方向)へ屈曲する鉤状の係止爪71Bとにより構成されている。この係止爪71Bが、第1係止片63の係止爪63Bまたは第2係止片64の係止爪64Bと係止される。
【0043】
図5に示されるように、内側カバー57の前後方向7の両端部には、筐体29Aに対して内側カバー57を閉位置の状態でロック(固定)するロック機構80が設けられている。ロック機構80が設けられているため、内側カバー57は筐体29Aに対して前記閉位置の状態で保持される。ロック機構80の構成については後述する。
【0044】
図5に示されるように、内側カバー57に2つの従動ローラー72が設けられている。従動ローラー72は、内面57Aの上端に回転可能に支持されている。従動ローラー72は、内側カバー57が閉位置にあるときに、搬送ローラー53のローラー表面に当接される。搬送ローラー53と従動ローラー72とによって、印刷用紙Pを搬送可能な一対の搬送ローラー対が構成される。搬送ローラー53と従動ローラー72とが接触した状態で搬送路ローラー53が回転されると、従動ローラー72が搬送路ローラー53の回動に従動して回転される。
【0045】
図6に示されるように、筐体29Aには、内側カバー57を支持する支持部74が設けられている。支持部74は、内側カバー57が閉位置から開けられて更に右側へ回動されたときに、所定の回動位置で内側カバー57の外面57Bに当接して、内側カバー57を支持する。つまり、支持部74は、内側カバー57が前記所定の回動位置から更に回動することを規制する。本実施形態では、支持部74は、第2係止片64の係止爪64Bが被係止片71の係止爪71Bと係止したときの回動位置で内側カバー57が保持されるように内側カバー57を支持する。
【0046】
以下、
図6及び
図7を参照して、上述のように構成された外側カバー56及び内側カバー57の開閉動作について説明する。
【0047】
外側カバー56及び内側カバー57が共に閉位置にある状態(
図6(A)参照)では、内側カバー57は、ロック機構80によって閉位置に保持されている。このとき、第1係止片63の係止爪63Bは、被係止片71の係止爪71Bに係止されておらず、係止爪71Bの内側面との間に所定の隙間を隔てた位置に配置されている。この状態から、外側カバー56が開方向へ回動された場合に、係止爪63Bが係止爪71Bの内側面に近づく方向へ移動して係止爪71Bに当接する。つまり、第1係止片63の係止爪63Bは、被係止片71の係止爪71Bに係止される。これにより、係止爪63Bと係止爪71Bとが開方向に連結される。そして、外側カバー56が開方向へ更に回動されると、係止爪63Bが係止爪71Bを開方向へ引っ張るように付勢する。つまり、第1係止片63は、外側カバー56が閉位置から開位置へ向かう開方向へ回動された場合に被係止片71を前記開方向へ付勢する。これにより、外側カバー56に連動して内側カバー57が開方向へ回動しようとする。このときの引っ張り力によって、ロック機構80による内側カバー57のロックが解除されると、外側カバー56の開動作に連動して、内側カバー57が開方向へ回動される(
図6(B)参照)。
【0048】
図6(B)に示されるように、外側カバー56及び内側カバー57が閉位置から開方向へ回動される過程で、係止爪71Bは係止爪63Bに対して相対的に下方へ移動する。この移動は、内側カバー57の回動軸68が外側カバー56の回動軸61よりも筐体29Aの内部側に配置されていることに起因して生じる。そして、外側カバー56が更に開方向へ回動されると、係止爪71Bは係止爪63Bの下側から抜けて、係止爪71Bと係止爪63Bとの係合が解除される(
図7(A)参照)。つまり、第1係止片63は、外側カバー56が前記開方向へ回動された場合に被係止片71を前記開方向へ付勢して内側カバー56を開方向へ回動させた後に、被係止片71の係止爪71Bから係脱して、係止爪63Bと係止爪71Bとの連結を解除する。このとき、内側カバー57は外側(開方向側)へ傾斜した状態にあるため、外側カバー56による引っ張り力を受けなくても、内側カバー57の自重によって内側カバー57は開方向へ回動する。
【0049】
外側カバー56が更に開方向へ回動されると、その更なる回動中に被係止片71の係止爪71Bが第2係止爪64に徐々に近づく。そして、内側カバー57の外面57Bが支持部74によって支持されるまで回動されると、係止爪71Bが第2係止片64の係止爪64Bに入り込み、係止爪71Bと係止爪64Bとが互いに係止する(
図7(B)参照)。これにより、係止爪71Bと係止爪64Bとが開方向に連結される。つまり、第2係止片64の係止爪64Bは、第1係止片63の係止爪63Aが被係止片71の係止爪71Bから係脱して連結が解除された後に外側カバー56が更に前記開方向へ回動された場合に、被係止片71の係止爪71Bと係止して連結する。この連結によって、外側カバー56が開放位置で保持される。本実施形態では、上述したように、係止爪64Bが傾斜面60を有する。そのため、係止爪64Bと外側カバー56の内面56Aとの空間において、回転軸61から遠ざかる側の開口が末広がり状に形成されているため、係止爪71Bが係止爪64Bに入りやすくなっている。
【0050】
このように、給紙装置27の外側カバー56及び内側カバー57が構成されているため、外側カバー56及び内側カバー57が閉位置の状態から外側カバー56を開方向へ回動させるだけで双方のカバー56,57を連動して開けることができる。また、内側カバー57が支持部74によって支持された状態で、係止爪71Bと係止爪64Bとが係止するため、外側カバー56が必要以上に回動しなくなる。なお、外側カバー56及び内側カバー57を閉じるときは、外側カバー56を閉じる方向へ回動させると、外側カバー56の内面56Aの押圧部69が内側カバー57の外面57Bの中央付近に当接して、内側カバー57を閉位置へ向けて押圧する。これにより、双方のカバー56,57が連動して閉位置へ向けて回動する。
【0051】
また、外側カバー56に一体に形成された第1係止片63及び第2係止片64と、内側カバー57に一体に形成された被係止片71とによって双方のカバー56,57が連動して連結されるため、独立した連結部材を必要とせず、部品コストの削減を図ることができる。
【0052】
次に、
図6、
図8乃至
図10を参照しながら、ロック機構80の構成について説明する。ここで、
図8は、後方側に設けられたロック機構80の周辺構造を示す給紙装置27の上面図であって、内側カバー57が閉位置の状態で筐体29Aにロック(固定)された状態が示されている。
図9(A)は、ロック機構80によるロックがされていない状態を示す斜視図であり、
図9(B)は、ロック機構80によるロックがされている状態を示す斜視図である。
【0053】
図8及び
図9に示されるように、ロック機構80は、突出形状のロック部材81(本発明の係合突起部の一例)と、被ロック部材82(本発明の被係合突起部の一例)とにより構成されている。
【0054】
ロック部材81は、内側カバー57の前後方向7の両方の端部(両端部)それぞれに設けられている。ロック部材81は、前記両端部から外側へ向けて突出している。詳細には、内側カバー57の前記両端部には、ロック部材81の基端部83(
図10参照)を支持する支持部84が設けられている。支持部84は、ロック部材81を前後方向7へ移動可能に支持する。支持部84によって基端部83が支持されることにより、ロック部材81は、その突出方向における所定の退避位置と突出位置との間で変位可能である。前記退避位置は、支持部84の内部に没入する位置であり、前記突出位置は、支持部84から前記退避位置よりも突出方向の外側へ隔てられた位置である。本実施形態では、支持部84は概ね矩形状に形成されており、その内部にコイルバネなどの弾性部材86(
図10参照)が設けられている。この弾性部材86による弾性力によって、ロック部材81は、常時、前記退避位置から前記突出位置へ変位する方向へ付勢されている。なお、支持部84及び弾性部材86によって本発明の弾性支持部が実現されている。
【0055】
筐体29Aには、2つのロック部材81に対応して2つの被ロック部材82が設けられている。被ロック部材82は、閉位置にある内側カバー57の両端部へ向けて突出した形状である。被ロック部材82は、内側カバー57が閉位置にあるときにロック部材81が対向される鉛直壁87に一体に形成されている。言い換えると、内側カバー57が閉位置にあるときに被ロック部材82と対向する内側カバー57の前記両端部の対向面にロック部材81が設けられている。被ロック部材82は、鉛直壁87から山折り状に突出する突出形状に形成されている。
【0056】
図10に示されるように、被ロック部材82は、鉛直壁87から最も離れた位置に頂部82C(本発明の第1頂部の一例)を有する。頂部82Cは、鉛直壁87から突出した形状であり、上下方向6に延びる峰形状である。被ロック部材82は、第1傾斜面82Aと第2傾斜面82Bとを有する。被ロック部材82において頂部82Cよりも右側に第1傾斜面82Aが形成されており、頂部82Cよりも左側(第2搬送路26B側)に第2傾斜面82Bが形成されている。第1傾斜面82Aは、内側カバー57が開けられる前記開方向へ向けて頂部82Cから下り傾斜した傾斜面である。第2傾斜面82Bは、内側カバー57が開位置から閉位置へ向かう前記閉方向へ向けて下り傾斜した傾斜面である。第1傾斜面82A及び第2傾斜面82Bによって頂部82Cが形成されている。
【0057】
被ロック部材82は、第1傾斜面82Aの傾斜度が第2傾斜面82Bの傾斜度よりも小さくなる形状に形成されている。つまり、第1傾斜面82Aは、第2傾斜面82Bよりも緩やかに傾斜している。
【0058】
本実施形態では、内側カバー57が開位置から閉位置へ向かう前記閉方向へ回動されたときに、第1傾斜面82Aは、ロック部材81と接触してロック部材81を前記退避位置側へ押圧可能である。つまり、第1傾斜面82Aは、ロック部材81と接触してロック部材81を前記退避位置側へ押圧可能な位置に位置決めされている。また、内側カバー57が更に閉方向へ回動されたときに、第2傾斜面82Bは、ロック部材81が前記突出位置側へ突出することを許容する。つまり、第2傾斜面82Bは、ロック部材81が前記突出位置側へ突出することを許容可能な位置に位置決めされている。
【0059】
図10に示されるように、ロック部材81の突出側の端部(突出端)には、被ロック部材82と接触可能な突起81C(本発明の第2頂部の一例)が設けられている。突起81Cは、支持部81から突出した形状である。ロック部材81は、第3傾斜面81Aと第4傾斜面81Bとを有する。ロック部材81において突起81Cよりも右側(
図10における下側)に第3傾斜面81Aが形成されており、突起81Cよりも左側(
図10における上側、第2搬送路26B側)に第4傾斜面81Bが形成されている。第3傾斜面81Aは、内側カバー57が開けられる前記開方向へ向けて突起81Cから下り傾斜した傾斜面である。第3傾斜面81Bは、内側カバー57が開位置から閉位置へ向かう前記閉方向へ向けて下り傾斜した傾斜面である。第3傾斜面81A及び第4傾斜面81Bによって突起81Cが形成されている。
【0060】
突起81Cは、内側カバー57が閉位置にあるときに、ロック部材81の幅方向の中心位置よりも前記閉方向側、つまり、第2搬送路26B側の位置に配置されている。言い換えると、突起81Cは、内側カバー57が閉位置にあるときに、前記中心位置よりも搬送ローラー53側の位置に配置されている。
【0061】
図6(A)に示されるように、ロック部材81には、3つの突起81Cが設けられている。これらの突起81Cは、内側カバー57が閉位置にある状態で、第2搬送路26Bの延出方向、つまり、上下方向6に均等間隔で隔てられた位置に設けられている。これにより、各突起81Cは、被ロック部材82に対して接触する。
【0062】
このように構成されたロック機構80に対して、本実施形態では、搬送ローラー53及び従動ローラー72は、以下の条件を満たすように位置決めされている。すなわち、突起81Cが第1傾斜面82Aに当接して第1傾斜面82A上に位置しているときに、従動ローラー72は、搬送ローラー53に対して非接触状態となる位置に位置決めされている。また、突起81Cが頂部82Cを越えて第2傾斜面82Bに当接して第2傾斜面82B上に位置しているときに、従動ローラー72は、搬送ローラー53に当接する位置に位置決めされている。具体的には、
図10に示されるように、突起81Cが頂部82Cに位置した状態で、従動ローラー72は搬送ローラー53から長さL11だけ離れた位置に配置される。なお、長さL11は、1.0mm〜2.5mmの範囲内であり、より好ましくは1.2mm程度に設定されている。そして、回転体72が搬送ローラー53に接触してから押し込まれるまでの押し込み量をL13とし、突起81Cが頂部82Cを越えてから内側カバー57の閉位置に対応する位置(突起81Cが被ロック部材82に係合されるロック位置)までの長さをL12とすると、押し込み量L13は次式で表される。
【0064】
本実施形態では、例えば、長さL11が1.2mmに設定されている場合、長さL12は2.9mmに設定されており、この場合の押し込み量L13は1.7mmに設定される。
【0065】
このようにロック機構80が構成されているため、外側カバー56の閉方向への回動に連動して内側カバー57が閉方向へ動作されたときに、ロック部材81が被ロック部材82に当接する。このとき、内側カバー57が閉じられるときに、ロック部材81の突起81Cが被ロック部材82の第1傾斜面82Aを頂部82Cへ向けて移動する。この移動過程で、ロック部材81は、前記突出位置から前記退避位置へ変位しつつ、ロック部材81の突起81Cが被ロック部材82の頂部82Cを乗り越える。突起81Cが頂部82Cを乗り越えるまでの間は、押し込み量L13が上述のように設定されているため、従動ローラー72は搬送ローラー53に対して非接触状態である。つまり、従動ローラー72が搬送ローラー53に当接する前に、ロック部材81の突起81Cが被ロック部材82の頂部82Cを越える。
【0066】
内側カバー57が閉方向へ更に動作されて、突起81Cが頂部82Cを乗り越えて第2傾斜面82Bに沿って移動すると、ロック部材81は、前記退避位置から前記突出位置へ変位する。そして、内側カバー57を前記閉位置でロックするロック位置(
図10の破線で示される位置)で停止する。突起81Cが頂部82Cを乗り越えて前記閉位置に対応する前記ロック位置に到達するまでに、従動ローラー72は搬送ローラー53に接触する。このようにロック機構80が動作するため、従動ローラー72と搬送ローラー53との接触時に生じる反発力の影響を受けずに、ロック機構80によるロックを確実に行うことができる。
【0067】
また、突起81Cは、内側カバー57が閉位置にあるときに、支持部84の中心位置よりも第2搬送路26B側の位置に配置されているため、前記中心位置に突起81Cを設ける場合と比較して、内側カバー57の閉方向の動作(閉じる動作)において、ロック部材81はより早いタイミングで頂部82Cを乗り越えることができる。言い換えると、前記中心位置に突起81Cを設ける場合と比較して少ない押し込み量L13でロック部材81の突起81Cが頂部82Cを乗り越える。このように、突起81Cの位置を従来よりも第2搬送路26B側に配置させるだけで、他の構成を変更することなく、ロック機構80によるロックを確実に行うことができる。
【0068】
また、突起81Cが頂部82Cを越えてから前記ロック位置までの移動量L12を十分に確保することができる。これにより、内側カバー57や筐体29Aなどの形状誤差や反り返りなどを考慮して、前記長さL11を十分に長く設定することができる。したがって、内側カバー57や筐体29Aなどに形状誤差や反り返りが生じていたとしても、前記反発力の影響を受けることなく、ロック機構80によるロックを確実に行うことができる。
【0069】
なお、上述の実施形態では、ロック部材81が前記退避位置と前記突出位置との間で変位可能な構成について説明したが、被ロック部材82が前記退避位置と前記突出位置との間で変位可能な構成であってもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、給紙装置27の内側カバー57に適用されるロック機構80について例示したが、給紙装置28が備える内側カバー59についてもロック機構80を適用することが可能である。
【0071】
また、上述の実施形態では、外側カバー56及び内側カバー57を有する構成について例示したが、本発明はこれに限られない。例えば、装置本体の内部に形成された搬送路を開閉するための一つのカバー(開閉部材)が設けられた構成において、前記カバーをロックする機構として、ロック機構80を適用することができる。
【0072】
また、上述の実施形態では、給紙装置27の内側カバー57に適用されるロック機構80を例示したが、ロック機構80は、開閉部材の形状や搬送路の形状及び位置に限定されず、印刷用紙などのシート部材が搬送される搬送路を開閉する開閉部材に対して適用可能である。
【0073】
本発明の範囲は、請求項の記載に先行する詳細な説明ではなく、添付の請求項の記載により定義されるので、本明細書に記載の実施形態は、例示に過ぎず、かつ非限定的であると理解されたい。従って、特許請求の境界・限界から逸脱しない変更の全て、または境界・限界の均等物は、特許請求の範囲に含まれるものとする。