特許第5984798号(P5984798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984798
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】マニホールド用加圧Oリング磁極片
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20160823BHJP
   F16K 11/20 20060101ALI20160823BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20160823BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   F16K31/06 305E
   F16K31/06 305C
   F16K31/06 305D
   F16K31/06 305J
   F16K11/20 Z
   F16K27/02
   F16J15/10 G
   F16J15/10 D
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-512157(P2013-512157)
(86)(22)【出願日】2011年5月24日
(65)【公表番号】特表2013-534595(P2013-534595A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】US2011037739
(87)【国際公開番号】WO2011149935
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年5月7日
(31)【優先権主張番号】13/110,460
(32)【優先日】2011年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/347,734
(32)【優先日】2010年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ボーイチュク,ロバート,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デイトン,ロバート,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】オニール,ブリアン,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデブラント,マーク,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バンベル,ダニエル,ダブリュー.
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0089347(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06
F16J 15/10
F16K 11/20
F16K 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニホールド(24)と、バルブ(12)と、ハウジング(22)と、を含み、
前記マニホールド(24)は、ボア(50)を画定する部分を有し、
前記ボア(50)は、第1端と第2端とを有し、
前記バルブ(12)は、少なくとも一部が前記マニホールド(24)内に配置され、
前記バルブ(12)は、磁界を発生するように形成されるコイル(20)と、前記コイル(20)を収容するように形成されるボビン(18)と、前記ボビン(18)に隣接して位置する磁極片(38)と、を含み、
前記磁極片(38)は、前記マニホールド(24)の前記ボア(50)内に挿入するように形成される第1端と、前記磁極片(38)の前記第1端に隣接して位置する円周状に延びる溝(51)と、前記円周状に延びる溝(51)内に配置されるOリング(52)と、前記円周状に延びる溝(51)に隣接して位置する径方向外側へ延びるフランジ(54)と、を含み、
前記径方向外側へ延びるフランジ(54)は、前記ボア(50)の前記第1端を画定する前記マニホールド(24)の部分の軸方向の端面と前記ボビン(18)の内周面における軸方向の端面との双方に係合するように形成され、
前記ハウジング(22)は、前記コイル(20)、前記ボビン(18)、および磁極片(38)を収容するように形成され、
前記ハウジング(22)は、前記バルブ(12)を前記マニホールド(24)に固定するように形成されるタブ(56)を含む、ことを特徴とするアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記バルブ(12)は、トップ側磁束集束器(36)およびボトム側磁束集束器(40)をさらに含み、前記ボビン(18)および前記コイル(20)は、前記トップ側磁束集束器(36)と前記ボトム側磁束集束器(40)との間に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記ボビン(18)と前記ボトム側磁束集束器(40)との間にギャップが形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記バルブ(12)は、電機子(42)をさらに含み、前記電機子(42)は、前記マニホールド(24)の前記ボア(50)内に少なくとも配置されるとともに、前記コイル(20)によって磁界が発生した時に移動するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記電機子(42)と前記磁極片(38)との間に動作エアギャップが形成される、ことを特徴とする請求項4に記載のアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記動作エアギャップは、約0.80mmと約1.10mmとの間である、ことを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記マニホールド(24)は、エンジンに対して流体連通されるように形成された供給ポート(28)を画定し、流体が前記供給ポート(28)から供給ギャラリ(34)へ流れるように形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記マニホールド(24)は、エンジンに対して流体連通されるように形成されたコントロールポート(30)をさらに画定し、流体が前記供給ギャラリ(34)から前記コントロールポート(30)へ流れるように形成される、ことを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記マニホールド(24)は、エンジンに対して流体連通されるように形成された排出ポート(32)をさらに画定する、ことを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記マニホールド(24)は、流体が前記供給ポート(28)あるいは前記供給ギャラリ(34)から前記排出ポート(32)へ直接流れることを許容するように形成されたバイパス通過(46)をさらに画定する、ことを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記排出ポート(32)内の油圧をコントロールするように構成される排出レギュレータ(48)をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記Oリング(52)は、フルオロカーボンエラストマによって構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記タブ(56)は、前記ボトム側磁束集束器(40)に係合するように形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ(10)。
【請求項14】
マニホールド(24)と、バルブ(12)と、トップ側磁束集束器(36)と、ボトム側磁束集束器(40)と、電機子(42)と、ハウジング(22)と、を含み、
前記マニホールド(24)は、ボア(50)を画定する部分を有し、
前記ボア(50)は、第1端と第2端とを有し、
前記バルブ(12)は、少なくとも一部が前記マニホールド(24)内に配置され、
前記バルブ(12)は、磁界を発生するように形成されるコイル(20)と、前記コイル(20)を収容するように形成されるボビン(18)と、前記ボビン(18)に隣接して位置する磁極片(38)と、を含み、
前記磁極片(38)は、前記マニホールド(24)の前記ボア(50)内に挿入するように形成される第1端と、前記磁極片(38)の前記第1端に隣接して位置する円周状に延びる溝(51)と、前記円周状に延びる溝(51)内に配置されるOリング(52)と、前記円周状に延びる溝(51)に隣接して位置する径方向外側へ延びるフランジ(54)と、を含むアセンブリ(10)の製造方法であって
前記径方向外側へ延びるフランジ(54)、前記ボア(50)の前記第1端を画定する前記マニホールド(24)の部分の軸方向の端面と前記ボビン(18)の内周面における軸方向の端面との双方に係合
前記コイル(20)および前記ボビン(18)、前記トップ側磁束集束器(36)と前記ボトム側磁束集束器(40)との間に配置するとともに、前記ボビン(18)と前記ボトム側磁束集束器(40)との間にギャップ形成
前記コイル(20)によって磁界が発生した時に前記電機子(42)が移動するように、前記電機子(42)少なくとも一部を、前記マニホールド(24)の前記ボア(50)内に配置
前記ハウジング(22)、前記コイル(20)、前記ボビン(18)、および磁極片(38)を収容
前記マニホールド(24)と一体で鋳造された前記ボトム側磁束集束器(40)を、前記ハウジング(22)のタブ(56)で被ってクリンプすることにより、前記バルブ(12)を前記マニホールド(24)に固定する、ことを特徴とするアセンブリ(10)の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドバルブに関し、特に、Oリングを備える磁極片を有するソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ソレノイドバルブは、可変バルブリフト技術を用いるエンジンの構成部品で使用されるラッチ機構へオイル圧力を供給するためのオイルコントロールバルブとして利用される。ソレノイドバルブは、シリンダシステムへのモータオイルの流れをコントロールし、同様に、どのようにシリンダをエンジンアセンブリのバルブ列に連結させるかをコントロールする。オイルコントロールバルブとしてのソレノイドバルブは、供給圧力に通じる。モーターオイルは、一定の圧力下で、オイルコントロールバルブの供給ポートへ流れる。電圧が印加されていない状態では、油圧によってポペットがプッシュされて電機子が動作することにより、オイルコントロールバルブへのオイル流れが阻止される。電圧が印加された状態では、既定電圧がコイルに印加され、それによって磁力が発生する。磁力によって電機子が動作し、排出ポートへのオイル流れが封鎖されるとともにオイルコントロールバルブのコントロールポートへのオイル流れが許容される。オイルコントロールバルブのコントロールポートは、特定のシリンダに対するエンジンバルブのラッチおよびアンラッチを促進するラッシュアジャスタに通じる。オイルコントロールバルブに電圧が印加されていない状態の間、ラッチ機構への最小限の圧力が維持される。オイルコントロールバルブは、排出ポートに通じることにより、ラッチ機構に対するオイルギャラリ内の高圧状態を防止する。
【0003】
ソレノイドバルブは、磁極片を含む。磁極片は、オイル供給源から油圧通路をシールするためにマニホールドに挿入される。磁極片は、ソレノイドバルブの性能を引き出すため、(先行測定値に基づく)マニホールドの特定の軸方向位置へ押し付けられる。金属間シールは、磁極片とマニホールドとの間に使用される。ある状況下において、磁極片とマニホールドとの間により強靭なシールを使用することは有利である。生産性を向上させるためにアセンブリに追加の改良を加えることは同様に有利である。
【発明の概要】
【0004】
提供されるアセンブリは、マニホールドおよびバルブを含む。マニホールドは、第1端と第2端とを有するボアを画定する部分を有する。バルブは、マニホールド内に少なくとも部分的に配置される。バルブは、磁界を発生させるためのコイル、コイルを収容するためのボビン、ボビンに隣接して位置する磁極片、および、コイル、ボビン、ならびに磁極片を収容するハウジングを含む。磁極片は、マニホールドのボア内への挿入のために形成された第1端、磁極片の第1端に隣接して位置する周方向へ延びる溝、周方向へ延びる溝内に配置されるOリング、および、周方向へ延びる溝に隣接して配置されてボアの第1端を画定するマニホールドの部分とボビンとの双方に係合するように形成される径方向外側へ延びるフランジを含む。Oリングは、本発明の実施形態に従ってフルオロカーボンエラストマによって構成することができる。ハウジングは、マニホールドにバルブを固定するためのタブを含む。
【0005】
バルブはトップ側磁束集束器およびボトム側磁束集束器をさらに含み、ボビンおよびコイルはトップ側磁束集束器とボトム側磁束集束器との間に配置される。ボトム側磁束集束器は、マニホールドと一体で鋳造することができる。タブは、ボトム側磁束集束器に係合するように形成される。限定しないが、例えば、タブはボトム側磁束集束器上にかしめられる。
【0006】
ボビンとボトム側磁束集束器との間にギャップを設けることができる。バルブは電機子をさらに含み、電機子は、マニホールドのボア内に少なくとも部分的に配置されるとともに、コイルによって磁界が発生した時に移動するように構成される。電機子と磁極片との間には動作エアギャップを設けることができる。動作エアギャップは、約0.90mmから約1.05mmの間とすることができる。
【0007】
マニホールドは、エンジンに対して流体連通されるように形成された供給ポートを画定し、流体が供給ポートから供給ギャラリへ流れるように構成される。マニホールドは、エンジンに対して流体連通されるように形成されたコントロールポートをさらに画定し、流体が供給ギャラリからコントロールポートへ流れるように構成される。マニホールドは、エンジンに対して流体連通されるように形成された排出ポートをさらに画定する。マニホールドは、流体が供給ポートまたは供給ギャラリから排出ポートへ直接流れることを許容するように形成されたバイパス通路をさらに画定する。アセンブリは、排出ポート内の油圧をコントロールするように構成された排出レギュレータをさらに含むことができる。
【0008】
磁極片の第1端上の径方向外側へ延びるフランジは、先行測定値に基づくマニホールドの軸方向位置に対してアセンブリする必要があるのとは対照的に、マニホールドでの確実な「停止」を可能とすることによって、アセンブリの生産性を向上させることができる。磁極片と組み合わされた部品とは、結果として生じる動作エアギャップがバルブアセンブリの機能的限界内に収まるように公差が設定される。磁極片の第1端におけるOリングの使用は、磁極片とマニホールドとの間のより強靭な液密シールを可能とする。マニホールドの第1端におけるOリングの使用は、フリクション(例えば、磁極片とマニホールドとの間の金属間接触の締り嵌め)を排除し、これは作動中に磁極片が動作(例えば、後退動作)するのを妨げるための確実な手段として機能するので、磁極片の保持力を向上させるような方法でアセンブリを改良するのに有利である。例えば、コイル、ボビン、および磁極片のためのハウジングは、コイル、ボビン、および磁極片を一定の位置に保持するためのマニホールドとの係合内に配置されるように形成された少なくとも1つのハウジングタブを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態を、例示した、添付された図面を参照して説明する。
図1図1は、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリを断面で示す正面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリの概略的な斜視断面図である。
図3図3Aは、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリを部分的に断面で示す正面図である。 図3Bは、金属間シールを採用したマニホールドにおける磁極片を部分的に断面で示す図である。 図3Cは、本発明の一実施形態のマニホールドにおける磁極片を部分的に断面で示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリを部分的に断面で示す正面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリを部分的に断面で示す正面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態のソレノイドバルブを含むアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態を例示的に添付した図面を参照して詳細に説明する。本発明が実施形態に関連して説明されると同時に、本発明がこれらの実施形態に限定することを意図していないことは理解されるであろう。それと反対に、本発明は、添付された請求項によって具体化される本発明の精神および目的を内包する変更、改良および同等のものをカバーすることを意図する。例えば、本発明は、これによって参照して組み込まれる共同米国特許出願2010/0089347号公報に記載されたソレノイドバルブモジュールに関連して説明された実施形態を含むことができる。
【0011】
図1を参照すると、アセンブリ10は、概ね図解されたソレノイドバルブ12を含む。アセンブリ10は、本発明の一実施形態に従ってエンジン上あるいはエンジン内に取り付けることが可能である。アセンブリ10は、エンジンバルブシステムの要素を作動させるおよび/または作動させないように使用可能な圧力下のオイルをコントロールするために使用される流体圧コントロールシステムとともに使用することができるが、アセンブリ10は、他の実施形態における様々な他のシステムに関連して使用することもできる。アセンブリ10はソレノイドバルブ12を含むものとして説明されるが、アセンブリ10は、本発明の他の実施形態に関連して2個以上のソレノイドバルブを含んでいてもよい。例えば、概ね図解されるように、アセンブリ10は、2個あるいはそれ以上のソレノイドバルブを含んでいてもよい。そのような複数個のソレノイドバルブを含む本発明の実施形態において、複数個のソレノイドバルブの各々の構造および機能は、概ね同一とすることができる。
【0012】
特に、図1−2を参照すると、ソレノイドバルブ12は、ソレノイド部14およびバルブボディ16を含む。当業者において周知のように、ソレノイド部14およびバルブボディ16は、流体制御を提供するための典型的な手段で作動させることができる。図2に最も良く示されるように、ソレノイドバルブ12のソレノイド部14は、ボビン18を含む。ボビン18は、コイル20を収容する。コイル20は、ソレノイドバルブ12へ電力を供給する。特に、コイル20は、磁界を発生するように構成される。ソレノイドバルブ12はまた、ハウジング22を含む。ハウジング22は、ボビン18、コイル20、およびソレノイドバルブ12のソレノイド部14の他の要素を収容する。
【0013】
図1−4を参照すると、アセンブリ10は、マニホールド24をさらに含む。マニホールド24は、ソレノイドバルブ12のバルブボディ16を収容する。ハウジング22およびマニホールド24は、相互に接続される。マニホールド24は、複数個の取付開口部を画定し、複数個の留め具26はエンジンにアセンブリ10を固定するために複数個の取付開口部(図示しない)を貫通して延びる。取付開口部と留め具との数量は、エンジンとアセンブリ10との配置によって決定される。
【0014】
特に、図2を参照すると、マニホールド24はまた、供給ポート28、コントロールポート30、及び排出ポート32を画定する。対応するポートは、アセンブリ10からエンジン内の要求される位置へ(例えば、バルブリフタ、ラッシュアジャスタ等の様々な要素へ)流体を移動させる。供給ポート28は、ソレノイドバルブ12のための供給ギャラリ34まで延びる。供給ギャラリ34は、マルチプルソレノイドバルブを含む実施形態における共通の供給ギャラリとすることができる。供給ギャラリ34内の圧力は、マルチプルソレノイドバルブを含む実施形態におけるマルチプルソレノイドバルブの独立した作動を維持するのに十分である。
【0015】
ソレノイドバルブ12は、トップ側磁束集束器36、磁極片38、ボトム側磁束集束器40、および電機子42によって構成される磁束回路を有する。電機子42は、電機子キャビティ43内に配置される。電機子42は、磁界がコイル20によって発生した時に移動する。トップ側磁束集束器36、磁極片38、ボトム側磁束集束器40、および電機子42は、ハウジング22内にアセンブリされる。磁極片38のジオメトリは、磁束を移動させるために最適化することができる。ボビン18とボトム側磁束集束器40との間のギャップGは、例えば、本発明の一実施形態において約0.20mmである。ギャップGは、本発明の一実施形態において少なくとも約0.20mmである。したがって、ギャップGは、本発明の異なる実施形態に対応して変化する。この中でより詳細に説明されるように、ギャップGは、ボビン18が磁束集束器40よりむしろ、アセンブリ10に挿入される場合に、ボビン18が磁極片38のフランジ54に係合することを確実にするように設定される。コイル20に電圧を印加あるいは印加しないことにより、電機子42は、バルブボディ16内にバルブステム44をシフトさせるように磁束を発生させる。本発明の一実施形態に関連して、電機子42と磁極片38との間の動作エアギャップ(WAG)は、例えば、約0.80mmから約1.10mmまでの範囲内で変化する。動作エアギャップWAGのためのこの特定の範囲について詳細に言及するが、動作エアギャップWAGは、本発明の他の実施形態に応じてより大きくあるいはより小さくなる。
【0016】
オイルは、供給ポート28を通過してアセンブリ10へ流入するとともに供給ギャラリ34を通過して流れる。ソレノイドバルブ12が一定のポジション(例えば、コイル20に電圧が印加されるとともに電機子42が磁極片38の方へ移動されるポジション)へ作動する場合、オイルは供給ギャラリ34からコントロールポート30へ流れ、排出ポート32は閉塞される。ソレノイドバルブ12の作動は、コントロールポート30内の圧力を変化させる。オイルはまた、様々なエンジン部品へ流れる。ソレノイドバルブ12はまた、バイパス通路46を含む。バイパス通路46は、オイル流れの一部が供給ポート28あるいは供給ギャラリ34から排出ポート32へ直接流れることを許容する。バイパス通路46は、マニホールド24によって画定されるとともに、ソレノイドバルブ12の効率的な作動をアシストする。ソレノイドバルブ12に電圧が印加されている時、アセンブリ10はローリフトモードにある。供給ギャラリ34への供給圧力は閉ざされる。少量の圧力がバイパス通路46を通して供給ギャラリ34内で維持される。ソレノイドバルブ12に電圧が印加されていない時、アセンブリ10はハイリフトモードにある。調整された供給圧力が供給ギャラリ34に適用される。コイル20に電圧が印加されている時、電機子42は、動作エアギャップによって磁極片38から分離される。
【0017】
図1を参照すると、排出レギュレータ48は、排出ポート32内のオイルの圧力をコントロールする。供給ポート28からのオイルは、バイパス通路46を通じて排出ポート32内へ排出される。排出レギュレータ48は、排出ポート32内のオイルの圧力をコントロールするための圧力リリーフバルブとして機能する。さらに、コイル20に電圧が印加されていない時、排出ポート32からのオイルは、様々なエンジン部品へ送り込むためにコントロールポート30へ戻る。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、磁極片38の少なくとも一部(例えば、第1端)は、マニホールド24のボア50内へ挿入されるように形成される。マニホールド24の少なくとも一部は、例えば、ボア50を画定する。ボア50は、第1端および反対側の第2端を有する。磁極片38とマニホールド24との間の嵌め合い/クリアランスは、例えば、本発明の一実施形態に従って約0.04から約0.16mmの範囲内である。磁極片38とマニホールド24との間の嵌め合い/クリアランスのこの特定の範囲に詳細に言及するが、磁極片38とマニホールド24との間の嵌め合い/クリアランスは、本発明の他の実施形態に従ってより大きくあるいはより小さくなる。
【0019】
磁極片38の第1端は、溝51を含む。溝51は、磁極片38の第1端の周囲に円周状に延びる。Oリング52は、円周状に延びる溝51内に配置される。Oリング52は、マニホールド24のボア50の側面に係合される。限定しないが、Oリング52は、例えば、製品名VITON(登録商標)でデュポン社によって販売されているような、フルオロカーボンエラストマOリングを採用することができる。フルオロカーボンエラストマが本発明の一実施形態で詳細に言及されるが、Oリングは、他の様々な材料あるいは本発明の様々な他の実施形態に従って予備成形されたパッキンを採用することができる。本発明の一実施形態によれば、Oリングは、約23〜40%の潰し代を有する。Oリング潰し代のためのこの特定の範囲に言及したが、Oリング潰し代は、本発明の他の実施形態に従ってより大きくあるいはより小さくなる。Oリング52は、磁極片38とマニホールド24との間に強靭な液密シールを提供する。Oリング52は、図3Bに図解されるような金属間シールを伴う設計と比較して、磁極片38とマニホールド24との間に向上されたシールを提供する。
【0020】
磁極片38は、ボビン18に隣接して位置する。磁極片38は、径方向外側へ延びるフランジ54をさらに含む。フランジ54は、本発明の一実施形態に従って溝51に隣接して位置する。フランジ54は、ボア50の第1端を画定するマニホールド24の部分とボビン18との双方に係合するように形成される。特に、ボビン18がアセンブリ10に挿入される場合、ボビン18の少なくとも一部は、ボトム側磁束集束器40に係合するよりむしろ、フランジ54に係合する。フランジ54は、磁極片38のアセンブリ10がマニホールド24に対して確実に「停止」することを許容する(すなわち、先行測定値に基づく予め決められた軸方向位置にアセンブリする必要がない)ことにより、生産性が向上されるように構成される。
【0021】
特に、図1図2、および図5を参照すると、ハウジング22は、タブ56を含む。タブ56は、マニホールド24に一体で鋳造されたボトム側磁束集束器40に係合する。特に、タブ56は、バルブアセンブリ10をマニホールド24に接続するためにマニホールド24に一体で鋳造されたボトム側磁束集束器40との係合(例えば、ベントおよびクリンプ)内に配置される。それにより、タブ56は、コイル20、ボビン18、および磁極片38を一定位置に保持するとともに、磁極片38の移動を阻止することができる。磁極片38、マニホールド24、および電機子42の配置ならびに大きさは、指定された磁気エアギャップ(例えば、動作エアギャップ(WAG))を維持するとともに、応答時間およびソレノイドバルブ12の性能を最適化するように構成される。磁極片38と電機子42との間の磁気エアギャップ(例えば、動作エアギャップ(WAG))は、磁力を付与するために使用される。発明のアセンブリ10の配置は、様々な部品およびアセンブリ10の製造コストを低減することができる。発明のアセンブリ10はまた、例えば、較正された位置における最少変化で少なくとも3百万サイクルの耐久性を実現する。
【0022】
図6を参照すると、アセンブリ10に使用するためのソレノイドバルブ112の他の実施形態が図解されている。ソレノイドバルブ112は、以下の変更を除いて上述したソレノイドバルブ12と同一である。特に、磁極片38の端60は、縮小された直径を有する。磁極片38の端60で縮径された部分は、トップ側磁束集束器36を受けるように構成されたショルダ62を形成する。このように、トップ側磁束集束器36は、磁極片38のポジションの保持を促進するとともに磁極片38の移動を阻止するために使用される。ハウジングは、タブ56を含む。本発明のこの実施形態によれば、タブ56は、トップ側磁束集束器36に係合する。特に、タブ56は、バルブアセンブリをマニホールドに接続するためにトップ側磁束集束器36との係合(例えば、ベントおよびクリンプ)内配置される。加えて、ボビン18の少なくとも一部は、ボビン18とボトム側磁束集束器40との間にギャップが形成されないようにボトム側磁束集束器40に係合される。ボビン18は、磁極片38のフランジ54に係合しない、それによって、電機子42およびアセンブリの残りの部分に関連して磁極片38のポジションが維持されている間、ボビン18がアセンブリの残りの部分から分離されるのを許容する。一方、磁極片38の配置および大きさは、指定されたエアギャップ(例えば、動作エアギャップ(WAG))を維持するとともにソレノイドバルブ112の応答時間および性能を最適化するように構成される。
【0023】
本発明の特定の実施形態の先の記述は、図解および明細書の目的のためにもたらされた。それらは、網羅的であること、あるいは本発明を開示された正確な形態に限定することを意図しておらず、上の教授内容を考慮すると、様々な変更ならびにバリエーションが可能である。実施形態は本発明の原理を説明するために選択および開示されるとともにそれは実用的応用であり、それによって、本発明ならびに様々な変更を伴う様々な実施形態を他の当業者が利用することが可能であり、熟慮された特定の使用に適用される。本発明は、前述の明細書で極めて詳細に説明されており、本発明の種々の変更および改良が、明細書の解釈および理解から当業者にとって明白になることと思料する。すべてのそのような変更および改良は、添付された請求項の目的の範疇である限りにおいて本発明に含まれることを意図する。本発明の目的は、ここに添付された請求項およびそれらと同等のものによって定義されることを意図する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6