特許第5984804号(P5984804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984804
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】LEDランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20160823BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20160823BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20160823BHJP
   F21V 25/04 20060101ALI20160823BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160823BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V23/04
   F21V19/00 110
   F21V25/04
   F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-517640(P2013-517640)
(86)(22)【出願日】2011年6月30日
(65)【公表番号】特表2013-533594(P2013-533594A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】IB2011052889
(87)【国際公開番号】WO2012004708
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年6月12日
(31)【優先権主張番号】10168385.2
(32)【優先日】2010年7月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デッペ カルステン
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/067074(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/069983(WO,A1)
【文献】 特開2010−192229(JP,A)
【文献】 蘭国特許発明第02002333(NL,C)
【文献】 中国特許出願公開第101737664(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0181178(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0149563(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V25/04
F21V19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された1つのLEDユニットと、
前記筐体の両端に互いに離れて配置された第1及び第2のランプキャップと、を少なくとも有し、
前記第1及び第2のランプキャップそれぞれは、前記LEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素を有し、
前記第1のランプキャップは、LEDランプが前記ランプ器具から取り外される場合に、前記第1及び第2のランプキャップの前記接点要素を互いに電気的に切り離す接点遮断手段を有する、LEDランプであって、
前記接点遮断手段は、前記接点要素が互いに接続された接続状態から前記接点要素が互いに切り離された切断状態へ移行可能であるスイッチング部材を有し、
前記スイッチング部材は、前記接続状態においてロック装置と係合する少なくとも1つのラッチング部を有し、
前記接点遮断手段は、前記スイッチング部材が前記切断状態となるようなバイアスをかけるバネ要素を更に有する、
LEDランプ。
【請求項2】
前記接点遮断手段は、前記LEDランプが前記ランプ器具に対して回転及び/又は直線的に変位される場合に、前記接点要素を互いに切り離す、請求項1記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記接点遮断手段は、前記第1のランプキャップの前記少なくとも1つの接点要素を前記LEDユニットから切り離す、請求項1又は2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記接点遮断手段は、前記スイッチング部材を前記接続状態にセットするための作動部材を有する、請求項1記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記第1のランプキャップは、リリース要素を更に有し、
前記リリース要素は、作動状態において前記ラッチング部を前記ロック装置から解放するように、前記ロック装置に対して変位可能である、請求項1記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記ロック装置は、キャップ筐体にマウントされ、
前記第1のランプキャップの前記接点要素及び前記リリース要素は、リリースベースプレートと接続され、
前記リリースベースプレートは、前記キャップ筐体と回動可能に接続されており、且つ、作動位置から前記リリース要素が作動される第1のリリース位置へ前記LEDランプの長手方向軸周りに回動可能である、請求項5記載のLEDランプ。
【請求項7】
前記第1のランプキャップの前記接点要素は、前記接点要素が作動位置から前記リリース要素が作動される第2のリリース位置へ前記キャップ筐体に対して前記LEDランプの長手方向軸に対して直交する軸に沿って変位可能であるように、前記リリース要素に固定されている、請求項6に記載のLEDランプ。
【請求項8】
前記ロック装置は、少なくとも1つの舌部を有し、
前記舌部は、窪みを持ち、且つ、前記窪みが前記スイッチング部材の前記ラッチング部と係合可能な係合状態から前記窪みが前記ラッチング部から外れた非係合状態へ移行可能であり、さらに、
前記舌部は、前記係合状態となるようなバイアスをかけられている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のLEDランプ。
【請求項9】
前記ロック装置は、前記LEDランプの長手方向軸に直交する方向に前記リリース要素によって互いに離されて配置された2つの舌部を有し、
前記リリース要素は、前記2つの舌部を係合状態から非係合状態へ移行させるために、前記2つの舌部の間の距離を大きくする、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のLEDランプ。
【請求項10】
少なくとも1つのLEDユニットを持つLEDランプのためのランプキャップであって、
前記LEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素と、
前記LEDランプが前記ランプ器具から取り外される場合に、前記少なくとも1つのLEDユニットを前記接点要素から電気的に切り離す接点遮断手段と、を有する、ランプキャップにおいて、
前記接点遮断手段は、前記接点要素が互いに接続された接続状態から前記接点要素が互いに切り離された切断状態へ移行可能であるスイッチング部材を有し、
前記スイッチング部材は、前記接続状態においてロック装置と係合する少なくとも1つのラッチング部を有し、
前記接点遮断手段は、前記スイッチング部材が前記切断状態となるようなバイアスをかけるバネ要素を更に有する、
ランプキャップ。
【請求項11】
筐体内に配置された少なくとも1つのLEDユニットと、前記筐体の両端上に互いに離れて配置された第1及び第2のランプキャップと、を有し、前記第1及び第2のランプキャップそれぞれは、前記LEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素を有するLEDランプの作動方法であって、前記第1のランプキャップは、前記接点要素が互いに接続された接続状態から前記接点要素が互いに切り離された切断状態へ移行可能であるスイッチング部材を備える接点遮断手段を有し、
前記スイッチング部材は、前記接続状態においてロック装置と係合する少なくとも1つのラッチング部を有し、
前記接点遮断手段は、前記スイッチング部材が前記切断状態となるようなバイアスをかけるバネ要素を更に有し、
前記スイッチング部材は、前記LEDランプが前記ランプ器具から取り外される場合に、前記第1及び第2のランプキャップの前記接点要素が互いに電気的に切り離されることを提供するように前記切断状態にされる、LEDランプの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の分野に関し、第1及び第2のランプキャップを具備するLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的な部屋又はオフィスの照明アプリケーションなどのために、発光ダイオード(LED)を用いた照明装置又はランプが利用可能である。かかるLEDランプは、とても高いエネルギー効率であり、さらに、高い光束を供給する。省エネルギーに関する現在の取り組みを考慮し、一般的な白熱光源又は蛍光光源と置き換えるため、即ちレトロフィットアプリケーションのためのLEDランプが近年開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ランプ内部の水銀などの有害物質の使用に起因する環境問題のために、蛍光ランプを使用する照明装置を置き換える(レトロフィットする)特定のニーズがある。上記レトロフィットアプリケーションのために、ユーザがランプを設置又は交換できるようにする必要があることから、安全性は重要な側面である。従って、とりわけランプ交換時に、ユーザがいずれの通電中の電気部品とも、即ち危険性のある感電に容易につながり得る動作電圧を印加されたいずれの部品とも接触しないよう、注意が払われる必要がある。
【0004】
従って、安全に扱われることが可能で、感電の危険性を減らすLEDランプを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1記載のLEDランプ,請求項12記載のLEDランプのためのランプキャップ及び請求項13記載のLEDランプの作動方法によって達成される。従属項は、本発明の好ましい実施形態に関する。
【0006】
本発明の基本的な思想は、とりわけレトロフィットアプリケーションのために、特に取り外し工程のための改善された安全性を示すLEDランプを提供することである。一般的な器具から両側に口金を具備する(double-capped)ランプを取り外す場合、ユーザが、器具の2つのソケットからランプを続けて、即ち次々と取り外す可能性がある。従って、第2のランプキャップが器具とまだ接続されている間に、ユーザがランプの第1のランプキャップの通電部位に触れる可能性がある。一般的な蛍光ランプの場合、ガス放電がなければ、かかるランプは概して高いインピーダンスを示すため、ランプにエネルギーが供給されていない状態では、ランプを通る電流路、即ち導電回路は生じない。しかしながら、LEDユニットを具備するランプを使用する場合、電流路が存在する。
【0007】
LEDランプは、筐体内に配置された少なくとも1つのLEDユニットと、筐体の両端に互いに離れて配置された第1及び第2のランプキャップとを有する。第1及び第2のランプキャップそれぞれは、上記LEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素を有する。第1のランプキャップは、上記LEDランプが上記ランプ器具から取り外される場合に、上記第1及び第2のランプキャップの上記接点要素を互いに電気的に切り離すように構成された接点遮断手段を更に有する。
【0008】
上記第1及び第2のランプキャップ間、例えばLEDユニットを通る内部電流路は、器具からランプを取り外す際に遮断される。ランプキャップの一方の接点要素に触った場合の感電の危険性は、従って好適に低減される。本発明の状況においては、ランプキャップの少なくとも1つが上記器具から切り離された場合に、LEDランプが器具から取り外されたと理解される。
【0009】
器具側での変更が必要ないので、LEDランプは、改善された安全を提供しつつも、レトロフィットアプリケーションのために、即ち一般的な蛍光ランプを交換する際に使用され得る。
【0010】
LEDランプは、筐体内に配置された少なくとも1つのLEDユニットを有する。本発明の語句において、「LEDユニット」は、無機LED,有機LED又は個体レーザなどの少なくとも1つの固体光源、例えばレーザダイオードなどを含む。LEDユニットは、電子的ドライバ又はバラストユニットなどの他の電気的又は電子的回路をもちろん有していてもよい。
【0011】
一般の照明アプリケーションのために、LEDユニットは、少なくとも1つのハイパワーLED、即ち1lmより大きい光束を持つLEDを好ましくは有していてもよい。好ましくは、かかるハイパワーLEDは、20lmより大きい光束、最も好ましくは50lmより大きい光束を供給する。レトロフィットアプリケーションのために、LEDユニットの全光束は、一般的な5W〜80Wの蛍光管ランプに相当する、300lm〜10000lmの範囲にあることが特に好ましい。
【0012】
LEDユニットは、例えば、RGB−LEDを使用する、放出された光の色制御が必要であるアプリケーションにおいて、又は、LEDランプの光束を更に増加させるため、複数の光源を有していてもよい。さらに、LEDランプは、アプリケーションに依存して、複数のLEDユニット、あるいは、例えばRGBランプの場合の色制御のための追加的な電気的又は電子的回路,反射器あるいは任意の他のタイプの光学的部品などの他の部品を有していてもよい。
【0013】
ランプの上記筐体は、少なくとも1つのLEDユニットを収容するための任意の適切な形状及び寸法であってもよい。筐体は、完全に閉じた状態で形成されるか、又は、例えば換気目的のための1つ以上の開口部を備えていてもよい。筐体は、少なくともランプの作動状態、即ち、ランプが動作電圧を印加された状態にある、通電中の電気的部品とのユーザの不慮の接触に対して保護を提供しなければならない。
【0014】
筐体は、金属,ガラス又はプラスチック材料などの、任意の適切な材料でできていてもよい。好ましくは、筐体の少なくとも一部は、例えば、透明なプラスチック材料又はガラスから形成されて透明である。好ましくは、筐体は細長く、長手方向のランプ軸を定める。最も好ましくは、筐体は、ランプ軸に対して軸方向に対称であり、従って、筐体は、管の形などであってもよい。
【0015】
LEDランプは、筐体の両端において互いに離れて配置された少なくとも第1及び第2のランプキャップを更に有する。ランプキャップは、上記少なくとも1つのLEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素をそれぞれ更に有する。
【0016】
第1及び第2のランプキャップは、任意の適切な形状及び寸法であってもよく、ランプが器具内に設置される場合、ランプ器具、ひいては上記ランプ器具と接続された適切な電源とのLEDユニットの電気的な接続を少なくとも提供してもよい。ランプキャップは、LEDユニットと、例えば対応する配線などと直接的に接続されることが好ましいが、パワーコンバータなどの他の中間回路が存在していてもよい。
【0017】
ランプキャップ及び/又は接点要素は、ランプ器具の固有のタイプ及び設計に確実に適応していなければならない。ランプキャップ及び/又は接点要素は、ランプ器具に設置される際、LEDランプを機械的に支持するのに更に適していてもよい。好ましくは、上記第1及び第2のランプキャップは、LEDランプの筐体の軸方向に対向する両端に配置される。
【0018】
接点要素は、上記ランプ器具の対応するソケットと電気的に接するため、ひいては、少なくとも1つのLEDユニットを電源と接続するため、任意の適切なタイプであってもよい。接点要素は、例えば、金属材料で形成されていてもよく、器具の対応するソケット内に形成された接点スロットと係合するための細長い接続ピンなどをそれぞれ有していてもよい。アプリケーションに依存して、ランプキャップは、例えばバイピン口金などの複数の接点要素をそれぞれ備えていてもよい。好ましくは、接点要素は、ランプキャップから外側へランプ軸に対して平行に延びるように配置される。
【0019】
ランプキャップ及び/又は接点要素は、任意の適切なタイプの器具と接続されるように構成されていてもよい。文脈上、器具は、ランプキャップと係合するための2つのソケットを有していてもよい。器具は、例えば、ランプソケットと一体的に形成されていてもよく、又は、適切な電源と電気的に接続された幾つかの別個の部品を有していてもよい。
【0020】
LEDランプは、好ましくは、例えば、蛍光ランプ器具に接続され、且つ、特定の器具のために設計された蛍光ランプを交換するように適応した、レトロフィットランプであってもよい。最も好ましくは、LEDランプは、レトロフィットランプであり、即ちT5〜T8型蛍光ランプの電気的及び/又は機械的特性を持っている。好ましくは、LEDランプは、直管型ランプなどのチューブランプである。特に好ましくは、LEDランプは、両側に口金を具備する(double-capped)チューブランプである。
【0021】
少なくとも上記第1のランプキャップは、上記LEDランプが上記ランプ器具から取り外される場合に、上記第1及び第2のランプキャップの上記接点要素を互いに電気的に切り離すように構成された接点遮断手段を更に有する。
【0022】
上記接点遮断手段は、上記LEDランプが器具から取り外される場合に、接点要素を互いに電気的に切り離すための任意の適切なタイプであってもよい。接点要素が互いに切り離された場合、電気的な接続又は電流路が上記第1及び第2のランプキャップの接点要素間に付与されないということが理解される。
【0023】
接点遮断手段は、例えば、接点ブレーカ,リレー,リード接点,適切なタイプのトランジスタ,トライアック又はサイリスタなどの機械的又は電気的スイッチなどの任意のタイプの適切な部品を有していてもよい。接点遮断手段は、上記切断状態において信頼性のある回路遮断、即ち特定のアプリケーション及び器具の電圧レベルに応じて十分に高い絶縁電圧を持つ状態を提供しなければならない。好ましくは、接点遮断手段は、上記接点要素を切り離すために機械的に作動される。接点遮断手段は、完全にランプキャップの内部に配置されてもよいが、ランプの各構成に依存して、接点遮断手段は、ランプキャップの外側に配置された部品を有していてもよく、さらに、例えば、LEDランプの筐体内へ延びていてもよい。特に、ランプキャップがバイピン口金を備える場合、接点遮断手段は、両方のピンを別個にLEDユニットと接続するために、2つの切り替え可能な接点を備えていてもよい。
【0024】
もちろん、LEDランプは、例えば、LEDランプの筐体に損傷又は欠陥がある場合、装置の安全性を更に高めるため、両側に、即ち両方のランプキャップに同様の接点遮断手段を備えていてもよい。
【0025】
本発明の実施形態によれば、接点遮断手段は、上記LEDランプがランプ器具に対して回転及び/又は直線的に変位される場合に、上記接点要素を互いに切り離すように構成される。
【0026】
一般的なタイプの器具ではランプが撤去される前の取り外し中に変位される必要があるので、本実施形態は、蛍光ランプ器具のためのレトロフィットランプの場合に特に好適である。上述のように、一般的な器具のソケットは、接点要素が係合する接点スロットを有する。第1のタイプの器具からランプを取り外すため、ソケットの接点スロットひいてはランプが設置位置へ約90°回転される。第2のタイプの器具の場合、接点要素は、ランプを取り外すために、スロットの軸に沿って直線的に変位される。ここで、接点要素は、一般的には、ランプを安全に保持するためにソケット内の接点バネによって器具の作動位置で安全に保持される。いずれの場合も、ランプは、接点要素が露出される前に変位されるので、本実施形態は、取り外された接点要素がユーザによって触れられる前に接点要素から危険性のある電圧を取り除くことを可能にする。
【0027】
好ましくは、接点遮断手段は、LEDランプが回転又は直線的に変位される場合に、上記接点要素を互いに切り離すように構成される。最も好ましくは、接点遮断手段は、上記LEDユニットから上記第1のランプキャップの上記少なくとも1つの接点要素を切り離すように構成される。本実施形態は、LEDランプのとても簡単なセットアップを好適に提供する。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、接点遮断手段は、上記接点要素が互いに電気的に接続された接続状態から上記接点要素が互いに切り離された切断状態へ移行可能であるスイッチング部材を有する。
【0029】
スイッチング部材は、接続状態から上記切断状態へ、及び、好ましくは逆方向にも簡単に移行できるようにするために、任意の適切なタイプ及び形状であってもよく、これにより、上記ランプが器具から取り外される場合に、接点要素が互いに安全に切り離される。接続状態において、第1及び第2のランプキャップの接点要素が、互いに電気的に接続されているので、ランプ内には電気回路又は電流路が存在する。もちろん、接点要素が互いに直接的に接続される必要はない。好ましくは、第1及び第2のランプキャップの接点要素は、それぞれLEDユニットと接続される。
【0030】
スイッチング部材は、例えば、少なくとも1つの接点を有していてもよく、ランプキャップの接点要素を互いに切り離すことを可能とするために、他の固定された接点に対して変位可能であってもよい。あるいは、スイッチング部材は、磁石部分を備えていてもよく、これにより、スイッチング部材が、磁石部分をスイッチに近づけたり、又は、磁石部分をスイッチから遠ざけたりすることによって、リードスイッチなどの磁気近接スイッチを作動又は非作動とすることができる。好ましくは、スイッチング部材は、ランプ軸に直交する軸に沿って変位されるように配置される。
【0031】
好ましくは、接点遮断手段は、スイッチング部材を接続状態にセットするための作動部材を有する。作動部材は、例えば、ランプ器具のメンテナンスや器具からLEDランプが意図せず外れた場合に、接点要素を互いに手動で接続又は再接続できるようにする。
【0032】
さらに、本実施形態は、装置の安全性を更に高めるため、切断状態で工場からの新しいLEDランプの提供を可能とする。この場合、ユーザは、まず、ランプ器具にランプを安全に設置し、次に、スイッチング部材を接続状態にすべく、作動部材を作動させることができる。本実施形態によれば、ユーザが器具のソケットにランプを続けて設置したとしても、露出した接点要素に触れたとき危険性のある電圧は存在しない。作動部材は、好ましくは、LEDランプの外側から容易にアクセス可能でなければならず、例えば、ランプキャップの開口部を通じてアクセス可能なプッシュボタンで形成されていてもよい。最も好ましくは、作動部材は、上記スイッチング部材と一体的に形成される。
【0033】
本発明の実施形態によれば、スイッチング部材は、上記接続状態においてロック装置と係合するように構成された少なくとも1つのラッチング部を有し、上記接点遮断手段は、上記スイッチング部材が上記切断状態となるようなバイアスをかけるバネ要素を更に有する。
【0034】
ロック装置は、例えばユーザが作動部材を作動する場合に、スイッチング部材を接続状態に保持するので、器具に設置されるときにLEDランプが安全に作動状態にセットされる。ロック装置及びラッチング部は、互いに適合していなければならず、これにより、ロック装置はスイッチング部材を安全に接続状態に保つことができる。ロック装置は、例えば、適切な窪みを使用するなどして上記ラッチング部と機械的に係合してもよく、又は、磁力によって上記ラッチング部と係合してもよい。
【0035】
バネ要素は、任意の適切なタイプ、例えばコイルバネなどであってもよく、ランプが器具から取り外される場合にスイッチング部材を切断状態へ移行させる。
【0036】
好ましくは、ロック装置は、ランプの信頼性を更に改善するために、スイッチング部材の2つのラッチング部と係合する2つのロック部材を有する。特に好ましくは、ロック装置は、ロック装置が上記ラッチング部と係合可能な係合状態となるようなバイアスをかけられる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のランプキャップは、リリース要素を更に有し、当該リリース要素は、上記ロック装置に対して変位可能であるため、作動状態において上記ラッチング部を上記ロック装置から解放することができる。
【0038】
リリース要素は、従って、作動状態において、スイッチング部材をロック装置から外すので、バイアスされたスイッチング部材は切断状態へ移行できる。
【0039】
リリース要素は、任意の適切な形状であってもよく、例えば、ランプ軸周りの回転動作によって作動されてもよい。あるいは、又は、さらに、リリース要素は、好ましくは、ランプ軸に直交する軸に沿った直線的な変位によって作動されてもよい。好ましくは、リリース要素は、LEDランプがランプ器具に対して回転及び/又は直線的に変位される場合に作動される。最も好ましくは、リリース要素は、非作動状態となるようなバイアスをかけられるので、不慮の作動が回避される。
【0040】
本発明の実施形態によれば、ロック装置は、キャップ筐体にマウントされる。上記第1のランプキャップの接点要素及び上記リリース要素は、キャップ筐体と回動可能に接続されており、且つ、作動位置から上記リリース要素が作動される第1のリリース位置へLEDランプの長手方向軸周りに回動可能であるリリースベースプレートにマウントされる。
【0041】
本実施形態は、好適には、ランプが上記第1のタイプの器具から取り外される場合に、接点要素を互いに安全に切り離すことを可能とする。上述したように、ランプを上記第1のタイプの器具から取り外すために、ランプは、ユーザによって設置位置へ回転される。回転動作中、リリースベースプレートがリリース要素を作動する第1のリリース位置にセットされるように、ランプは、リリースベースプレートに対して回動される。リリース要素の作動は、スイッチング部材をロック装置から外し、ひいては、バイアスされたスイッチング部材を、ランプを器具から安全に取り外し可能な切断状態へ移行させる。
【0042】
キャップ筐体及びリリースベースプレートは、任意の適切な形状を有していてもよいが、任意の通電中の電気的部品に対して十分な電気的絶縁を提供しなければならない。好ましくは、キャップ筐体は、少なくとも部分的にプラスチック材料から作られる。リリースベースプレートは、好ましくは、上記第1のランプキャップの長手方向端部を形成してもよい。
【0043】
ベースプレートは、好ましくは、止め具を備えていなければならず、これにより、リリース位置に至ると、ランプ及びベースプレートが一緒に回転されて器具のソケットをランプが器具から分離可能な設置位置に移すことができる。最も好ましくは、ベースプレートは、作動位置となるようなバイアスをかけられる。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記第1のランプキャップの少なくとも1つの接点要素が、上記リリース要素に固定されるので、作動位置から上記リリース要素が作動される第2のリリース位置へキャップ筐体に対してLEDランプの長手方向軸に直交する軸に沿って接点要素及びリリース要素が一緒に変位可能である。本実施形態は、LEDランプが上述のように上記第2のタイプのランプ器具に使用される場合に、特に好適である。
【0045】
上記タイプのランプ器具からLEDランプを取り外すために、器具のソケットから接点要素を切り離すために、ユーザによってランプに直線的な力が付与される。本実施形態によれば、取り外し中、ユーザによって付与された上記の力は、接点要素及びリリース要素を、リリース要素を作動させる第2のリリース位置に変位させる。
【0046】
さらに、リリース要素の作動は、バイアスされたスイッチング部材を、器具からランプを安全に取り外し可能とする切断状態にセットする。好ましくは、接点要素は、作動位置へバイアスをかけられるので、ランプに印加される力がなくても、接点要素ひいてはランプが作動位置に安全に保たれる。
【0047】
最も好ましくは、ロック装置は、少なくとも1つの舌部を有し、当該舌部は、窪みを持ち、且つ、上記窪みがスイッチング部材のラッチング部と係合可能な係合状態から窪みがラッチング部から外れた非係合状態へ移行可能である。舌部は、係合状態となるようなバイアスをかけられている。
【0048】
本構成は、スイッチング部材を接続状態に安全に保つことが可能でありながら、費用効率の高いロック装置の構成を可能とする。
【0049】
舌部は、バネなどの適切なバイアス要素によって、又は、舌部を少なくとも部分的にバネ鋼などの弾性材から作ることによって、上記係合状態へバイアスをかけられる。
【0050】
好ましくは、舌部は、ランプの長手方向軸に直交する第1の軸に沿って延びている。最も好ましくは、舌部は、第1の軸及びランプ軸の両方に直交する第2の軸に沿って、係合状態から非係合状態へ移行可能である。
【0051】
本発明の発展によれば、ロック装置は、上記リリース要素によって互いに離されて配置された2つの舌部を有する。リリース要素は、2つの舌部を係合状態から非係合状態へ移行させるために、2つの舌部の間の距離を大きくするように設けられる。
【0052】
本実施形態は、費用効率の高い装置の構成を提供する。上記のように、リリース要素は、作動時において2つの舌部を引き離すために、上記2つの舌部の間に配置される。好ましくは、2つの舌部は、ランプ軸に直交する第1の軸に沿って互いに平行に延びている。最も好ましくは、2つの舌部は、上記第1の軸及びランプの長手方向軸の両方に直交する第2の軸に沿って互いに離れている。リリース要素は、例えば、作動時においてランプ軸周りに対角位置に回転されるブロック形状又は直方体状の部材として設けられてもよく、これにより、リリース要素の上記第2の軸に平行な方向における広がりが増加されて、2つの舌部を押し広げる。
【0053】
さらに、又は、代わりに、リリース要素は、上記舌部の一方に対向して配置され、且つ、上記第2の軸に対して平行に延びている少なくとも1つの突起部を備えていてもよい。係合状態において突起部を受けるために、窪みが上記舌部に設けられる。本実施形態によれば、上記リリース要素は、作動時において、上記第1の軸に対して平行に変位され、上記突起部は、上記窪みの外へ移され、舌部を外側へ動かし、ひいては、スイッチング部材のラッチング部から舌部を外すために、舌部の間の距離を増加させる。
【0054】
最も好ましくは、リリース要素は、上記リリース要素の両側に配置された2つの突起部を備え、当該突起部は、上記2つの舌部の対応する窪みで受けられる。
【0055】
本発明の他の実施形態によれば、少なくとも1つのLEDユニットを有するLEDランプのためのランプキャップが、上記LEDユニットをランプ器具と接続するための少なくとも1つの接点要素と、上記LEDランプが上記ランプ器具から取り外される場合に、上記少なくとも1つの接点要素を上記LEDランプから電気的に切り離すように構成された接点遮断手段とを備える。
【0056】
本態様に従ったランプキャップは、LEDランプに改善された安全性を提供し、レトロフィットアプリケーションのためにとりわけ使用されてもよい。もちろん、本ランプキャップは、好ましくは、後述される実施形態に従って適合されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の上記実施形態が、好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
図1図1は、本発明に従ったLEDランプの第1の実施形態を概略的な側面図で示している。
図2図2は、本発明のLEDランプとの接続のための模範的なランプ器具の基本回路図を示している。
図3図3は、図1記載のLEDランプの設置/取り外し中の図2の回路図を示している。
図4図4a及び図4bは、切断状態における図1記載のLEDランプのランプキャップの概略図を示している。
図5図5a及び図5bは、接続状態における図4の実施形態を示している。
図6図6a及び図6bは、第1のリリース位置における図4の実施形態を示している。
図7図7a及び図7bは、第2の実施形態に従った接続状態におけるLEDランプのランプキャップの概略図を示している。
図8図8a及び図8bは、第1のリリース位置における図7の実施形態を示している。
図9図9a及び図9bは、第2のリリース位置における図7の実施形態を示している。
図10図10a及び図10bは、LEDランプのランプキャップの第3の実施形態の側面図を示している。
図11図11a及び図11bは、LEDランプのランプキャップの第4の実施形態の側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、LEDランプ1の実施形態を概略的な側面図で示している。LEDランプ1は、長手方向のランプ軸3に沿って延びている管状の筐体2を有する。筐体は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明なプラスチック材料から作られている。幾つかのハイパワー発光ダイオード及び対応の制御回路(両方とも図示省略)を有する細長いLEDユニット4が、筐体2内にランプ軸3に沿って配置されている。LEDユニット4は、LEDユニットを電源に電気的に接続し、且つ、LEDランプ1の機械的な固定及び支持も提供する、図2に記載の対応するランプ器具20への接続のための第1のランプキャップ5及び第2のランプキャップ6に接続されている。各ランプキャップ5,6は、ランプキャップ5,6ひいてはLEDユニット4をランプ器具20と、即ち電源と接続するために、接点ピン7a,7b、即ちバイピン口金を有する。
【0059】
LEDランプ1は、直管型蛍光ランプのためのランプ器具20への接続のために適合されたレトロフィットランプである。この場合、器具20は、約120cmの長さを持つ、TL−D36Wランプ、即ちT8管に適している。
【0060】
図2は、一般的な蛍光ランプ器具20の回路図を示している。器具20は、メイン電源などの電源22に接続される主回路21を有する。主回路21は、電源22を、対応するランプ1との接続のための第1のランプソケット23及び第2のランプソケット24と接続する。ソケット23,24は、ともにG13タイプである。直列コイル25が、主回路21を通る電流を制限するために、通常、使用される。ランプ器具20は、器具20に取り付けられた蛍光ランプを起動するのに必要な補助回路26を更に有する。
【0061】
LEDランプ1と一緒にランプ器具20を使用する場合、コイル25及び補助回路26は必須でない。しかしながら、以下で説明されるように、いかなる構造的な変更も器具20に加えずに、LEDランプ1を動作させることが好適に可能であるので、費用効率の高いレトロフィットが可能である。
【0062】
図2に示されている器具20は、「回転型」器具である。器具20にランプを設置するために、ランプ1の接点ピン7が、設置位置において、ソケット23,24のそれぞれ回動可能な接点スロットに挿入される。「回転型」器具20によれば、ランプ1は、ランプ1をランプ軸3周りに回転させることによって、主回路21ひいては電源22と接続され、これは、ソケット23,24の接点スロットを器具20の作動位置に回転させることとなる。
【0063】
器具20へのランプ1の設置又は取り外しの間の典型的な危険性は、図3に示されているように、ランプをソケット23,24と続けて接続する可能性があるということである。図から分かるように、第2のランプキャップ6が器具20のソケット24と接続されている一方で、第1のランプキャップ23は保護されておらず、これにより、接点ピン7aが露出され、ユーザによって触れられる可能性がある。一般的な蛍光ランプに比して、LEDユニット4の内部インピーダンスは比較的低いため、メイン電源電圧が第1のランプキャップ5の接点ピン7a上に容易に現れ、これは、設置又は取り外し中にユーザにとって感電の高い危険性をもたらすであろう。
【0064】
上記危険性を低減するため、本実施形態に従ったLEDランプ1の第1のランプキャップ5は、図4図6を参照して以下で詳細に説明される、機械的に安全スイッチ装置40を備える。
【0065】
図4aは、ランプ軸3の方向における、LEDランプ1の第1のランプキャップ5の概略的な正面図を示している。ランプキャップ5は、図4bの概略的な側面図に点線で示されるように、ランプ1の筐体2に接続された管状のキャップ筐体41を有する。明瞭化のため、キャップ筐体41は図4bの側面図において部分的に取り除かれている。
【0066】
本実施形態に従った安全スイッチ装置40は、スイッチング部材42を有する。スイッチング部材42は、案内スリーブ52内に支持され、図4a及び図4bに示される切断状態と図5a及び図5bに示される接続状態との間で移動可能である。図4b及び図5bから分かるように、スイッチング部材42は、たわみ線を使用して接点ピン7aと接続された第1の接点43を有する。接続状態においては、第1の接点43は、ランプ筐体2内へキャップ筐体41を通って延びており、且つ、LEDユニット4(図4図6では図示省略)と接続された、対応する第2の接点44と電気的に接続されている。
【0067】
図4b,図5b及び図6bの側面図は、一対の第1の接点43及び第2の接点44のみを示しているが、他の対それぞれの構成も図示された配置と同一である。接続状態において、LEDユニット4は、2つの接点ピン7a、ひいては、器具20に設置された場合には電源22と接続されている。切断状態においては、図4a及び図4bに示されているように、第1のランプキャップ5の2つの接点ピン7aとLEDユニット4との間の接続は分断されており、即ち、第1のランプキャップ5の接点ピン7aは第2のランプキャップ6の接点ピン7bから切り離されている。スイッチング部材42は、コイルバネ45(図4bでは図示省略)によって切断状態となるようなバイアスをかけられている。
【0068】
器具20へのランプ1の設置の前に、安全スイッチ40は、切断状態にあるので、図3に示されるように、ランプキャップ5,6の一方が器具20と接続されているとしても、安全に接点ピン7に触れることができる。設置が完了した場合、ユーザは、キャップ筐体41内の開口部51を通じてアクセス可能な作動部材46を押下する。作動部材46は、スイッチング部材42と一体的に形成されることにより、スイッチング部材42は、ランプ1が動作可能な接続状態へ移行される。
【0069】
図5a及び図5bに示されるように、接続状態において、スイッチング部材42の2つのラッチングアーム47は、2つの離れた弾性の舌部48に形成された、対応する窪みと係合するので、スイッチング部材42は、接続状態に安全に保たれる。舌部48は、ロック装置を形成し、キャップ筐体41にマウントされる。舌部48は、バネ鋼から作られており、図5aに示されるように、係合状態となるようなバイアスをかけられている。
【0070】
リリース要素49は、ランプ1が器具20から取り外される場合に、舌部48をスイッチング部材42から外すために、2つの舌部48の間にランプ軸3に沿って延びている。
【0071】
リリース要素49は、例えば、図4bに示されるように、直方体状であり、リリースベースプレート50にマウントされている。明瞭化のため、ベースプレート50は、図4a,図5a及び図6aの正面図には図示されていない。リリースベースプレート50は、円周周りの溝内において、キャップ筐体41に回動可能にマウントされており、LEDランプ1の軸上の端部を形成している。例えば図4bから分かるように、ベースプレート50は、接点ピン7aを支持している。
【0072】
上記LEDランプ1が器具20から取り外される場合、ランプ1は、ソケット23,24のスロットを設置位置に移すため、ユーザによってランプ軸3周りに回転される。接点ピン7aは、器具20のスロットに設置されるため、回転による力は、ベースプレート50を、例えば図5a及び図5bに記載の作動位置から図6a及び図6bに示されるような第1のリリース位置へ、キャップ筐体41ひいては筐体2に対して回動させる。ベースプレート50ひいてはリリース要素49の回転運動は、上記リリース要素49を作動させ、リリース要素49は、舌部48を押し広げて舌部48をスイッチング部材42から外す。スイッチング部材42は、バネ45のバイアスのせいで切断状態に戻されるので、ランプキャップ5,6間の接続は分断され、LEDランプ1は器具20から安全に取り外されることが可能となる。再接続が必要な場合、ユーザは、ベースプレート50が作動位置に戻された後で、単に作動部材46を再び押下すればよい。
【0073】
ベースプレート50は、リリース要素49がランプ1の回転によって作動された後で、ランプ1を器具20から外すことを可能とするために、ランプ1の更なる回転運動がソケット23,24のスロットを設置位置へ移せるように、止め具(図示省略)を備える。本実施形態によれば、ベースプレート50を作動位置から第1のリリース位置に回動させるための回転角は、10°〜15°である。
【0074】
図7図9は、LEDランプ1の第1のランプキャップ5´の第2の実施形態を示している。本実施形態は、LEDランプ1が「直線型」器具(図示省略)にマウントされた場合であっても、接点ピン7aをLEDユニット4から安全に切り離すことができる、修正されたリリースベースプレート50´を除き、図4図6の実施形態に実質的に対応する。ここで、接点ピン7aは、直線的な抜き差しによって、上記器具のソケット内に形成されたスロットに設置され、又は、当該スロットから取り外される。
【0075】
一般的には、接点ピン7は、安全にランプを保持するため、接点バネによってソケット23,24内の作動位置で締め付け固定される。
【0076】
具体的には、接続状態のスイッチング部材42を示している図7a及び図7bから分かるように、2つの接点ピン7a及びリリース要素49´が、ベースプレート50´と接続されたリニアマウント70に固定されている。リニアマウント70は、ランプ軸3に対して直交する軸73に沿って、ベースプレート50´に対して動くことができる。リニアマウント70は、ベースプレート50´に接続された2つのバネ71によって作動位置となるようなバイアスをかけられる。ベースプレート50´は、2つのピン7aが通る2つの卵型の開口部を有する。リリース要素49´は、図7a及び図7bに示される作動位置において、ランプ軸3及び軸73の両方に直交する方向に延びている舌部48´の対応する窪みに受けられる2つの突起部72を有する。
【0077】
本実施形態によるランプ1が回転型のランプ軸20と一緒に使用される場合、リリースベースプレート50´は、図8a及び図8bから分かるように、第1のリリース位置へ回動される。この場合、リニアマウント70は、作動位置に保たれ、スイッチング部材42は、図6a及び図6bの実施形態を参照して説明されたように、舌部48´から外れる。
【0078】
直線型の器具から取り外す場合、直線型器具のソケット内の接点バネの保持力のため、付与された直線的な力は、図9a及び図9bに示されるように、リニアマウント70を第2のリリース位置に移す。リニアマウント70が第2のリリース位置に達すると、ランプ1を器具から取り外すことを可能とするために、止め具が設けられる(図示省略)。この位置において、リリース要素49´ひいては突起部72は、軸73の方向に然るべく移される。マウント70の運動は、突起部72を舌部48´の窪みから外すので、突起部72は舌部48´を離れて、舌部48´の窪みからスイッチング部材42を外す。従って、接点ピン7は、互いに切り離され、ランプ1は器具から安全に取り外される。
【0079】
図10a及び図10bは、例えば図4bの側面図に従って示されているLEDランプ1のランプキャップ5´´の第3の実施形態を示している。図10aは、切断状態のスイッチング部材42´を示す一方、図10bは、接続状態のスイッチング部材42´を示す。
【0080】
本実施形態は、図7図9の実施形態と実質的に対応しているが、上記実施形態とは対照的に、安全スイッチング装置40´、特にスイッチング部材42´は、キャップ筐体41´の細長い開口部(図示省略)を通じてランプ1の筐体2内へ延びている接点アーム100を有する。接点アーム100は、LEDユニット4(図示省略)に接続された第1の接点43を保持する。本実施形態に従った2つの接点ピン7aは、第2の接点44に接続されている。図10a及び図10bの側面図は一対の第1の接点43及び第2の接点44のみを示しているが、接点43,44の他の対の配置も図示された構成と対応する。スイッチング部材42´の作動は、上記の実施形態と対応している。筐体2内の接点43,44の配置は、図示されるように、ランプキャップ5の小型化を可能とし、更に、絶縁電圧の観点から改善された安全性をもたらすことができる。
【0081】
ランプキャップ5´´´の第4の実施形態が、図4bなどの側面図に準じて、図11a及び図11bに示されている。本実施形態は、図10a及び図10bの実施形態と実質的に対応する。しかしながら、本実施形態に従った接点アーム100は、永久磁石104を有する。接点ピン7aは、リードスイッチ105を使用して、LEDユニット4(図示省略)に接続されている。
【0082】
図11aは、切断状態のスイッチング部材42´´を示している。リードスイッチ105は、開放位置にある。スイッチング部材42´´が、図11bに示されるように、接続状態にセットされた場合、スイッチング部材42´´の動作は、永久磁石104をリードスイッチ105の近傍に然るべく移し、十分な大きさの磁場がある場合、これは、接点ピン7aをLEDユニット4と接続する。
【0083】
本発明が、図面及び前述の記載により詳細に図示及び説明された。上記図示及び説明は実例または例示であって限定的でないと考えられ、本発明は開示された実施形態に限定されない。例えば、以下の実施形態に従った本発明を動作させることも可能である。即ち、筐体2は、ガラス又は他の透明な材料から作られてもよい。また、単一のLEDユニット4の代わりに、複数のLEDユニット4が設けられてもよい。さらに、筐体2内では、バイピン配置に代えて、各ランプキャップ5,6が単一の接点ピン7のみを有していてもよく、ランプキャップ5,6の両方が安全スイッチング装置40,40´又は40´´を備えていてもよい。また、ランプキャップ6の構成は、第1のランプキャップ5,5´,5´´及び5´´´の構成に対応していてもよいし、上記第1のランプキャップ5,5´,5´´及び5´´´は、単一の舌部48,48´のみを備えていてもよい。さらに、図10又は図11に記載の安全スイッチング装置40´又は40´´は、図4図7の実施形態と一緒に使用されてもよい。
【0084】
請求項において、「有する」なる文言は、他の要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属項で言及されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが好適に使用されないということを示すものではない。請求項中の任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b