(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定のサービスを利用するために基地局を介して所定のネットワークに接続している移動端末であって、ハンドオーバによってルータを介して前記所定のネットワークに接続する場合に、新しい接続先となる前記ルータにハンドオーバのためのハンドオーバ要求シグナリングを送信する前記移動端末と、
前記ハンドオーバ要求シグナリングに基づいて、前記ルータの識別情報と前記移動端末の識別情報を含む識別情報シグナリングを前記移動端末のホームネットワークのゲートウェイに送る前記ルータと、
前記ゲートウェイから送信された開放要求シグナリングであって、前記ルータの識別情報と前記移動端末の識別情報を含み、前記ハンドオーバ前の前記移動端末の接続の前記開放を要求する前記開放要求シグナリングに基づいて、前記移動端末のコンテキストと前記ルータのコンテキストをバインドし、前記ハンドオーバ前の前記移動端末の接続を開放するためのプロセスを実行するモビリティ管理装置とを、
備える通信システム。
前記ハンドオーバ要求シグナリングを送信する前に、前記移動端末は前記ルータの識別情報に基づいて、前記ルータがページングプロキシの機能を有するかを確認し、前記移動端末の位置情報の登録のためのシグナリングをモビリティ管理装置に送信する請求項2に記載の通信システム。
前記ルータは、前記ハンドオーバ要求シグナリングを受信した後、前記移動端末が所定の同じグループに属するか否かを判断し、属すると判断した場合に前記識別情報シグナリングを送信する請求項1から3のいずれか1つに記載の通信システム。
前記所定のネットワークが3GPPネットワークである場合において、前記モビリティ管理装置は、前記移動端末のための前記所定のサービスのトリガを受信した際、前記移動端末のコンテキストにバインドされた前記ルータの前記コンテキストを利用することによって前記ルータを特定し、前記モビリティ管理装置と前記ルータとの3GPPシグナリングベアラを介して前記所定のサービスのページングを含むシグナリングを前記移動端末に送信する請求項1に記載の通信システム。
前記ルータは、前記所定のサービスのページングを含む前記シグナリングを受信した場合、前記所定のサービスのページングを用いて前記移動端末に対してページングをする請求項5に記載の通信システム。
前記ルータは、前記シグナリングが前記所定のサービスのページングを含み、前記ルータと前記移動端末の前記ゲートウェイとの間に特有のデータベアラがある場合、前記ルータは前記データベアラを削除する又は前記データベアラのサービスの質を下げる請求項5に記載の通信システム。
所定のサービスを利用するために基地局を介して所定のネットワークに接続する移動端末の新たな接続先であるルータであって、ハンドオーバによって前記移動端末が前記所定のネットワークに接続する際に介する前記ルータであって、
前記移動端末から前記ハンドオーバのためのハンドオーバ要求シグナリングを受信する受信手段と、
受信された前記ハンドオーバ要求シグナリングに基づいて、前記ルータ及び前記移動端末の識別情報を含む識別情報シグナリングを生成するシグナリング生成手段と、
生成された前記識別情報シグナリングを前記移動端末のホームネットワークのゲートウェイに送信する送信手段とを、
備え、
モビリティ管理装置から送信され、前記所定のサービスのページングを含むシグナリングが前記受信手段を介して受信され、前記ルータと前記移動端末の前記ゲートウェイとの間に特有のデータベアラがある場合、前記データベアラを削除する又は前記データベアラのサービスの質を下げる処理手段を更に備えるルータ。
所定のサービスを利用するために基地局を介して所定のネットワークに接続している移動端末であって、ハンドオーバによって新しい接続先となるルータを介して前記所定のネットワークに接続する前記移動端末のモビリティを管理するモビリティ管理装置であって、
前記移動端末のホームネットワークのゲートウェイから送信された、前記ルータ及び前記移動端末の識別情報を含み、前記ハンドオーバ前に前記移動端末の接続の開放を要求する開放要求シグナリングを受信する受信手段と、
受信された前記開放要求シグナリングに基づいて前記ルータのコンテキストを前記移動端末のコンテキストにバインドするバインディング手段と、
前記ハンドオーバ前に前記移動端末の接続を開放するための処理を行う処理手段とを、
備えるモビリティ管理装置。
前記所定のネットワークが3GPPネットワークである場合において、前記受信手段が前記移動端末のための前記所定のサービスのトリガを受信した際に、前記所定のサービスのページングを含むシグナリングを生成するシグナリング生成手段と、
前記移動端末のコンテキストにバインドされた前記ルータの前記コンテキストを利用することによって前記ルータを特定し、前記モビリティ管理装置と前記ルータとの3GPPシグナリングベアラを介して、生成されたシグナリングを前記移動端末に送信する送信手段とを更に備える請求項10又は11に記載のモビリティ管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の記載において、説明の目的で、本発明の完全な理解を得るために、具体的な数値、時間、構造、プロトコル、及び他のパラメータについて述べる。しかしながら、これらの具体的な詳細事項がなくても本発明を実施可能であることは当業者には明らかであろう。
【0031】
以下の記載において、説明の目的のため、例示的な3GPPアクセス技術及びネットワークアーキテクチャとして、3GPP LTE(Long Term Evolution)及びEPS(Evolved Packet System)を用いる。また、例示的な非3GPPアクセス技術としてWLAN又はWiFiを用いる。しかしながら、例えばGSM(登録商標)、GPRS、UMTS、WiMAX、LTE Advanced、ブルートゥース、ジグビー(Zigbee(登録商標))、イーサネット(登録商標)等、同一の原理のもとでの他のアクセス技術及びネットワークアーキテクチャを用いて本発明を実施可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0032】
本記載において、LIPAを一例として用いる。しかしながら、一般的な原理に大きな変更を加えることなく本発明をSIPTOにも適用可能であることは、当業者には明白である。更に、本発明はLIPAもSIPTOも用いずに汎用的な場合にも適用可能である。
【0033】
(第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明が適用可能である例示的なネットワーク構成を説明する。
【0034】
図に示すように、eNodeB(129)は、オペレータのコアネットワーク(120)に3GPP接続を提供し、例えば図中のUE−1(101)及びUE−2(102)のようなUEに3GPPアクセスサービスを提供している。eNodeB(129)は、インタフェース151及び153を介して、コアネットワーク装置すなわちモビリティ管理装置(MME)(123)及びサービングゲートウェイ(SGW)(127)にそれぞれ接続されている。SGW(127)及びMME(123)はインタフェース155を介して接続されている。オペレータのコアネットワーク(120)が(非特許文献1)に定義されているような3GPP SAEアーキテクチャを用いる場合、インタフェース151、153、及び155はS1−MME、S1−U、及びS−11インタフェースに対応している。
【0035】
MME(123)は、インタフェース159を介して移動通信交換局(MSC)/VLR(Visitor Local Register)(125)に接続されている。MSC/VLRはCSドメインからの装置である。例えば、(非特許文献3)に定義されているCSFBアーキテクチャを用いる場合、インタフェース159はSGインタフェースとすることができる。
【0036】
SGW(127)は更に、インタフェース157を介してセキュリティゲートウェイ(SeGW)(121)に接続してもよい。SeGW(121)は、例えばローカルIPアクセスゲートウェイ(LIPA−GW)(141)のようなユーザ構内装置がオペレータのコアネットワーク(120)に接続することを可能とするゲートウェイである。この接続は、例えばISPネットワーク(130)のようなあるサードパーティネットワークを介する場合があり、従って何らかの追加のセキュリティ構成を必要とすることがある。例えば、LIPA−GW(141)とSeGW(121)との間の接続は保護のためにIPセキュリティ(IPSec)の利用を必要とする場合があり、161でセキュアなトンネルをセットアップするためにインターネットキー交換プロトコルバージョン2(IKEv2)を用いることができる。SeGW機能の一例が(非特許文献4)に定義されている。
【0037】
LIPA−GW(141)は、サービスデバイス1(143)及びサービスデバイス2(145)に接続を提供することができるローカルIPアクセスドメイン(140)に対するエントリポイントである。LIPA−GE(141)はSGW(127)と一定のシグナリング接続を有する。このシグナリング接続はSeGW(121)を介してトランスペアレントに行われる。必要な場合、LIPA−GW(141)とSGW(121)との間にユーザプレーンデータ接続も確立することができる。LIPA−GWは、ある程度拡張して、PGW(PDN GW)として機能することができる。
【0038】
この図は前述の解決策に関連する最小限の装置のみを示したことは、当業者には明白である。実際のシステムでは、これよりも著しく多数のネットワークノードが存在する。また、例えばSIPTO同様の場合において、ローカルIPアクセスドメイン(140)がオペレータによって提供され、ISP(130)が関与しないということもあり得る。
【0039】
図に示すように、ネットワークには2種類の移動端末がある。すなわちUE−1(101)及びUE−2(102)である。それらは双方とも3GPPアクセスをサポートすることができる。UE−1(101)はモバイルルータの追加機能を有し、例えばWLANのような非3GPPアクセス技術を用いた接続を他の端末に提供することができる。UE−1(101)は、例えばリンク113を用いてeNodeB(129)を介して、3GPPアクセスによってオペレータのコアネットワークに接続する。同時に、UE−1(101)は、例えばリンク111を用いてUE−2(102)のような他の端末に非3GPPベースのアクセスを提供することができる。UE−1(101)の一例は、例えばUMTS又はLTEのようなセルラーサービスを用いてオペレータのコアネットワークに接続することができる、電車内に設置されたモバイルルータとすることができ、UE−1(101)が提供するWLANリンクを介して他の移動端末がオペレータのコアネットワークにアクセスすることを可能とする。他の端末にサービスを提供している場合、UE−1(101)は、例えば、(非特許文献2)に定義されているような、MAG(Mobility Access Gateway)のような信頼できる非3GPPアクセス機能、又は例えばPDG(Packet Data Gateway)もしくはePDG(enhanced PDG)のような信頼できない非3GPPアクセス機能等のローカルモビリティアンカー(機能又はノード)として機能することができる。他の場合、UE−1(101)は、WLAN又はブルートゥース接続によって他の近くの移動端末にテザリングサービスを提供している通常のモバイル電話になり得る。あるいは、UE−1(101)は自動車内に設置された3GPP移動端末とすることができ、UE−1(101)が他の通信デバイスに提供するWLAN、ブルートゥース、又は他の自動車内もしくはパーソナル/身体領域通信接続を介して自動車内の他のモバイルデバイスと3GPP接続を共有し得る。
【0040】
UE−2(102)は、3GPPアクセス及び非3GPPアクセスの双方をサポートする3GPP移動端末であり、UE−1(101)がアクセスのためのアクセスポイントとなるWLAN等の非3GPPアクセスリンクを介してUE−1(101)に接続することができる。例えば、UE−2(102)は、1つの3GPPインタフェースと、WLANインタフェース、USB、WiMAX、又はブルートゥース等の2つ以上の非3GPPインタフェースと、を有するモバイル電話とすることができる。
【0041】
UE−2(102)は、遠隔でLIPAドメイン(140)(すなわちRIPAからLIPAドメイン(140))によって提供されるサービスにアクセスしている。例えば、UE−2(102)は、eNodeB(129)を介して3GPP接続を確立してもよく、SGW(127)及びLIPA−GW(141)を介してサービスデバイス1(143)にアクセスしている。
【0042】
同時に、UE−2(102)は、オペレータのコアネットワークのCSドメインに記録されている。すなわち、MSC/VLR(125)とMME(123)との間のインタフェースが(非特許文献3)に従って確立されている。これによって、MSC/VLR(125)からトリガが送信された場合、又はUE−2(102)に配信すべきSMSがある場合、MME(123)はUE−2(102)に対してページングをすることができる。
【0043】
UE−2(102)は、UE−1(101)に近付くと、例えばGPS情報に基づいて、3GPP位置又はセル情報に基づいて、又はマニュアル構成によって無線信号をスキャンすることで、UE−1(101)が提供する非3GPP接続を検出することができる。UE−2(102)はそのPDN接続(又はPDPコンテキスト)を非3GPPアクセスにハンドオーバすることを決定する。その理由としてあり得るのは、課金率の差、電力消費の考慮、オペレータのポリシー、又はユーザのマニュアル構成である。
【0044】
例えば、LIPAドメイン(140)は、例えばUPnP、DLNA等のようなデバイス検出のための何らかのブロードキャスト又はマルチキャストトラフィックを生成する。UE−2(102)が3GPPアクセスを用いている場合、かかるトラフィックはシステムをトリガしてUE−2(102)を配信のための接続モードとすることができる。UE−2(102)がアイドルモードであった場合、ページングを用いて最初にUE−2(102)を接続モードとする。通常これらのトラフィックデータは周期的であるので、これはUE−2(102)がほとんどいつも結局は接続モードとなり得ることを意味する。従って、UE−2(102)の電力消費は大きい。また、これは、例えばページング及びアイドルモードから接続モードへの遷移のために、ネットワークに対する追加のシグナリング負荷を生じる。
【0045】
従って、UE−2(102)がLIPAドメイン(140)に対する遠隔アクセスを非3GPPアクセスに移すことができる場合、これによってある程度の電力を節約することができる。例えば、WLANベースの非3GPPアクセスは、ダウンリンクデータを配信するために追加の制御シグナリングを必要とせず、端末はデータを受信した直後に直接スリープモードに移行することができる。
【0046】
(UEの疑似デタッチ及びMRのEMMコンテキストへのバインド)
図2を参照して、
図1に示したアーキテクチャにおける本発明の例示的な動作シーケンスを説明する。
【0047】
図に示すように、ステップ2001において、UE−1(101)は、オペレータのコアネットワーク(120)を介してLIPAドメイン(140)に対する遠隔LIPA接続(すなわちRIPA接続)を確立する。これは、(非特許文献1)に定義されている動作手順に従うと共に、P−GW選択ステップにおいてある機能拡張を行うことによって達成可能である。例えばUE−1(101)は、PDN接続要求において遠隔LIPA APNをMME(123)に提供し、MME(123)は、その加入契約情報及びUE−1(101)の現在の位置に基づいて、遠隔LIPA(RIPA)接続を認可可能であるか否かを決定する。認可が成功すると、MME(123)は、要求された遠隔LIPA APN、UE−1(101)の加入契約情報、及びCSG加入契約、負荷状況等の情報に従ってLIPA−GW(141)を選択する。LIPA−GW(141)は、(非特許文献1)に定義されているP−GWとして必要な手順を実行する。
【0048】
このRIPA接続は、フェムトセルからマクロネットワークへのハンドオーバの結果であり得ることに留意すべきである。例えばUE−1(101)は、(非特許文献1)におけるステップに従って、CSG(Closed Subscriber Group)セルのもとでLIPA接続を確立してもよい。UE−1(101)がCSGセルカバレージを出ると、その全てのPDN接続についてハンドオーバが実行される。例えばCSGセル基地局(すなわちH(e)NB)及びMME(123)のようなネットワークは、UE−1(101)加入契約情報、オペレータのポリシー、ネットワーク構成、及び新しいサービングセル情報に基づいてRIPAアクセスを認可した。
【0049】
例えばUE−1(101)が家庭の電気自動車(EV)のような自動車に設置された3GPP UEである場合、EVが自宅でH(e)NBのカバレージのガレージに駐車された場合にLIPA接続を確立してもよい。ユーザがEVを運転して外出すると、接続はマクロネットワークにハンドオーバされ、例えばLIPAドメイン(140)のようなホームネットワークに対するサービスはRIPA接続を介して維持することができる。
【0050】
RIPA接続が(非特許文献1)に定義されたようなSIPTO接続でもあり得ることは、当業者には明白である。この場合、自宅外のUEは、LIPAドメインに対するRIPA接続を介してインターネットにアクセスする。これは本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0051】
図に示す通り、ステップ2003に示すように、UE−2(102)もオペレータのコアネットワーク(120)を介してRIPA接続を確立している。確立手順はUE−1(101)のものと同様であり、このRIPA接続もLIPA接続のアウトバウンドハンドオーバの結果であってもよい。
【0052】
ステップ2001と2003との間に時間の関係が無いことは当業者には明白である。これらは並行して又は他のいかなる順序で実行してもよい。ステップ2001は、UE−2(102)をMR/UE−1(101)に接続し、ステップ2005においてハンドオーバを要求した後で実行してもよい。
【0053】
UE−1(101)は、RIPA接続を確立したら、非3GPPアクセスを提供するモバイルルータ(MR)の機能をオンにしてもよい。この場合、UE−1(101)は、LIPAドメイン(140)に対する接続の可用性を通知する。例えば、MRがIEEE802.11技術によってWLANアクセスを提供することができる場合、ビーコンメッセージでLIPAドメイン(140)ID、CSG ID、又はRIPA APNを通知してもよい。あるいはMRは、例えばIEEE802.11u技術又はHotspot2.0に規定された機構を用いたプローブのための他のWLAN端末用の他の広告要素においてそのような情報を提供してもよい。UE−2(102)がモバイルルータ/UE−1(101)に近付くと、ブロードキャストされたメッセージを聞くことによって、又はMR(101)に問い合わせることによって、通知された情報を取得してもよい。また、例えばWLAN SSIDもしくはHESSID、又は特定の位置のフィンガープリントのようなUE−1(101)のIDを用いてUE−2(102)を構成し、UE−2(102)が非3GPP無線をオンして本明細書に記載した特別な機能を用いてMR/UE−1(101)を検索することで、UE−2(102)が、記載した本発明の機能によって非3GPPアクセスのターゲットを容易に識別可能とすると共に、アクセスをセットアップする際の時間短縮及びエラー削減を可能とすることも考えられる。
【0054】
別の代替案は、オペレータのコアネットワーク(120)が、位置及び接続タイプに基づいてUE−2(102)に何らかのポリシーを提供することである。これは例えば、(非特許文献2)に定義されたANDSF機能による何らかのポリシールールである。この場合、UE−2(102)は、ポリシールールに規定された条件に基づいてMR/UE−1(101)の位置を突き止めてこれを発見する。これによって、オペレータの好みに基づいた完全に自動化された動作が可能となる。また、ポリシールールによってフロー又はアプリケーションの特定の分類を行うことで、それらのアプリケーション及びフローが存在する場合にUE−2(102)が非3GPPアクセスに対するハンドオーバを開始するということも考えられる。例えば、ポリシーは、ユーチューブサイトでのビデオストリーミング又はこれに対するアクセスのみを非3GPPアクセスにハンドオーバすることを示してもよい。従って、MR/UE−1(101)が提供する非3GPPアクセスの存在が検出されると、UE−2(102)は、非3GPPアクセスの確立の開始又はハンドオーバの開始を行おうとする。また、UE−2(102)がユーザ入力に基づいてMR/UE−1(101)を識別することも可能である。例えば、ユーザが自動車又は電車に乗った場合に、彼らは非3GPPアクセスの検索を手動で開始してもよい。これによってユーザはある事前設定を無視して、所望のユーザ経験を提供可能とすることができる。例えば、ユーザがある情報を緊急でダウンロードする必要があると、非3GPPアクセスが好ましいアクセスでない、又は追加コストがかかる場合であっても、彼らは速度の速い非3GPPアクセスの使用を決定してもよい。
【0055】
MR/UE−1(101)を識別した後、UE−2(102)は、提供された非3GPPアクセスを介してこれに接続し、既存のPDN接続を3GPPアクセスから非3GPPアクセスにハンドオーバすると決定してもよい。これを実行するためにUE−2(102)は、ステップ2005に示すように、非3GPPアクセス固有の方法を用いて非3GPハンドオーバ要求メッセージをMR/UE−1(101)に送信する。
【0056】
展開の状況に応じて、MR/UE−1(101)を、オペレータのコアネットワーク(120)に対する信頼できる又は信頼できない非3GPPアクセスと見なすことができる。これによって、MR/UE−1(101)が(非特許文献2)に規定されたようなMAGルータ、PDG、又はePDGの機能を実行するか否かを決定する。しかしながら、この差は本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0057】
MR/UE−1(101)が信頼できる非3GPPアクセスとして扱われる場合、非3Gハンドオーバ要求(2005)は、例えばDHCP要求メッセージ、ルータ要請メッセージ、又はIPに基づいたローカルシグナリングメッセージのようなアクセス固有のレイヤ3接続トリガとすることができる。MR/UE−1(101)が信頼できない非3GPPアクセスとして扱われる場合、非3GPハンドオーバ要求(2005)は、UE−2(102)とMR/UE−1(101)のePDG機能との間で必要であるIKEv2手順の一部とすることができる。
【0058】
MR/UE−1(101)に接続するプロセスにおいて、UE−2(102)の認証又は認可プロセスを実行してもよい。これは、(非特許文献2)に規定されたステップに従うことで達成可能である。これを達成するため、MR/UE−1(101)はオペレータのコアネットワーク(120)においてAAAサーバ又はAAAプロキシにアクセスを有する必要がある。これは、加入契約情報に基づいてオペレータのコアネットワーク(120)に接続された場合にある特別なAAAプロキシをMR/UE−1(101)に割り当てることによって容易に達成可能である。例えばMR/UE−1(101)は、PDN接続要求のPCO要素においてかかる接続を要求してもよい。MR/UE−1(101)のP−GW(例えばLIPA−GW141)は、PCO情報及びシステム認可に基づいてAAAプロキシに対する特別な接続をセットアップしてもよい。
【0059】
非3Gハンドオーバ要求(2005)を受信した後、MR/UE−1(101)は、UE−2(102)のRIPA接続を非3GPPアクセスに切り換えるために非3GハンドオーバシグナリングをLIPA−GW(141)に送信する。UE−2(102)のモビリティを管理するためにシステムにおいてプロキシMIP(PMIP)(非特許文献5)を用いる場合、非3Gハンドオーバシグナリング(2007)はプロキシバインディング登録メッセージとすることができる。
【0060】
このステップにおいて、MR/UE−1(101)は、UE−2(102)がそのCSサービスを保持することを要望するか、又はUE−2(102)が非3GPPアクセスを介してCSサービスを保持する必要があるかを判断してもよい。これは、非3Gハンドオーバ要求(2005)内の特別な指示によって実行してもよい。この指示は、UE−2(102)及びUE−1(101)の双方に供給された予め構成されたあるトークンである。他の場合、MR/UE−1(101)はこれを決定するため、UE−2(102)の加入契約又は予め構成したデータを考慮してもよい。例えばMR/UE−1(101)は、非3GPPアクセスを介してUE−2(102)に、例えばビーコンメッセージ、又は関連応答メッセージにおける特別な要素、又は下位レイヤの認証及び認可プロセスの一部として、CSサービス保持のサポートを示してもよい。一方、UE−2(102)は、非3Gハンドオーバ要求(2005)に特別な指示又はトークンを含ませてもよい。このトークンは、例えばMME(123)からの応答において、又はANDSFポリシールールから、又はLIPA−GW(141)から、オペレータのコアネットワーク(120)に対する以前のシグナリングによってUE−2(102)が取得してもよい。デフォルトでCSサービス保持を実行することに比べ、このようにMR/UE−1(101)とUE−2(102)との間で構成について交渉すると、MR/UE−1(101)及びコアネットワークは不必要なリソースの浪費を回避することができる。移動端末の中にはCSサービスを保持する必要がないか、又は以前にCSサービスがサポートされていないものがあるからである。
【0061】
UE−2(102)がCSサービスを保持することを要望するか又は必要とすることをMR/UE−1(101)が決定すると、MR/UE−1(101)は非3Gハンドオーバシグナリングメッセージに追加情報を含ませる。例えばMR/UE−1(101)は、GUTI、TMSI等の一時的なID、又はIMSI等の永続的なID等の3GPPネットワークにおける識別子、及びWLANアクセス(非3GPPアクセス)においてUE−2(102)を識別するためのローカルUE識別子、及び/又はトークンを、LIPA−GW(141)に対するメッセージ内に含ませる。
【0062】
ローカルUE識別子は様々な形態とすることができる。例えばこれは、UE−2のIMSI、TMSI(又はGUTI)、又はMN−NAI、UE−2のWLAN MACアドレス、又はUE−2(102)を識別するためにMR/UE−1(101)が割り当てたローカル識別子とすることができる。ローカル識別子は、例えばUE−2に割り当てられたローカルIPアドレス、DHCP交換で用いられる端末のID、又はUPnPもしくはDLNA検出で用いられるID等である場合がある。
【0063】
いったんLIPA−GW(141)がメッセージを受信すると、接続が非3GPPアクセスに移されるとしてもUE−2(102)がそのCSサービスの保持を要望するか又は必要とすることが理解される。接続を処理するための更に別のシグナリングにおいて、LIPA−GW(141)によって特別なアクションが行われる。
【0064】
LIPA−GW(141)は、非3Gハンドオーバシグナリング応答(2009)によりMR/UE−1(101)に応答する。PMIPが用いられている場合、このメッセージはプロキシバインディング肯定応答であり、UE−2(102)に割り当てられたIPアドレスを伝える。このメッセージはMR/UE−1(101)をトリガして、非3Gハンドオーバ肯定応答(2010)でUE−2(102)にシグナリングさせる。これらのメッセージは(非特許文献2)に従ったものである。任意に、LIPA−GWはメッセージ2009においてCSサービス保持が受容されるか又は拒絶されるかを示してもよい。このような情報は、MR/UE−1(101)によってメッセージ2010においてUE−2(102)に転送してもよい。
【0065】
非3Gハンドオーバ肯定応答(2010)を受信した後、UE−2(102)は、MR/UE−1(101)を介した非3GPPアクセスへのPDN接続のハンドオーバが成功であるか否かを知り、UE−2がCSサービス保持を要求した場合はその保持が実行される。このプロセスが成功すると、UE−2(102)はもはや3GPPアクセスを必要とせず、適切な時にこれをオフにすることができる。この応答における指示は、UE−2(102)がネットワークからの更に別の確認用シグナリングのために3GPPアクセスでの接続を維持することを示す場合もあることに留意すべきである。この場合、例えばステップ2017におけるシグナリングによって接続を解除可能であることが示されるまで、UE−2(102)は3GPP接続を維持しなければならない。
【0066】
LIPA−GW(141)は非3GPPアクセスを介してUE−2(102)のためのCSサービスを保持することを受容したので、ステップ2011及び2011’に示すように、SGW(127)を介してMME(123)に対して特別なPDN接続開放メッセージを発行する。このメッセージにおいて、LIPA−GW(141)は、MR/UE−1(101)のID(例えばGUTI)、UE−2のローカル識別、及び/又はトークンを含む情報を含ませる。これらは、LIPA−GW(141)が必要な処理によって非3Gハンドオーバシグナリング(2007)で受信したものである。
【0067】
いったんこのようなPDN接続開放メッセージを受信すると、MME(123)は、例えばUE−2(102)の加入契約、MR/UE−1(101)の加入契約、APN、トークン情報、ネットワークポリシー等の情報に基づいて、CSサービス保持を認可可能であるか否かをチェックする。
【0068】
MME(123)がCSサービス保持を認可した場合、MME(123)は、ステップ2013に示すように、疑似デタッチ(又は限定デタッチ、PS-Only-Detach等)動作を実行する。疑似デタッチによってMME(123)は、3GPP EPSベアラ又はPDPコンテキスト及びUE−2(102)の対応するコンテキストを除去することができるが、例えばSGのようなそのCS関連インタフェースを保持し、これをMR/UE−1(101)のモビリティ管理コンテキストに関連付ける。MME(123)は、PDN接続開放メッセージ(2011)において提供されたUE−1のID(例えばGUTI)を用いて、MR−UE−1(101)のコンテキストを取得する。MME(123)は、PDN接続開放(2011’)において受信したローカル識別子を用いて、疑似デタッチの後にUE−2(102)のためのCS関連インタフェースを識別する。
【0069】
換言すると、MME(123)がローカル識別子及びSGインタフェース(例えばUE−2に割り当てられたSG識別子)をバインドする(又は再リンクする)ことで、MMEは、UE−2に対する着信呼が受信されるSGインタフェースに基づいて、対応するUE(UE−2)のローカル識別子を知ることができ、次いでMMEはページングを開始し、MR/UE−1は、後述するようにMMEから提供されるローカル識別子に基づいてページングを対応するUE−2に転送することができる。SGインタフェース識別子(UE−2のための)とUE−2のローカル識別子との間のバインドは、MR/UE−1もCS機能を有する場合に役立つ。なぜなら、MMEはページングにおいてUE−1のローカル識別子を提供しない(含まない)からである。単にローカル識別子の存在をチェックすることで、MR/UE−1は、UE−1自体の非3GPPアクセス又はプロセスに接続された(ローカル識別子の)他のUEに対してページングを転送するべきか否かを知ることができる。その後、MME(123)はMR/UE−1(101)の(E)MMコンテキストを利用して、CSサービス保持のためにUE−2(102)のモビリティを管理する。
【0070】
次いでMME(123)は、UE−2(102)の3GPPアクセスに割り当てられたネットワークリソースの除去を開始する。これを達成するには、ステップ2015におけるように、SGW(127)を介してLIPA−GW(141)にPDN接続開放肯定応答(2015)をシグナリングし、ステップ2017におけるように、eNodeB(129)を介してUE−2(102)にPDN接続開放を送信する。PDN接続開放(2017)メッセージは、eNodeB(129)をトリガして、UE−2のための関連無線リソースも開放させる。
【0071】
UE−2(102)へのPDN接続開放メッセージ(2017)において、MME(123)はUE−2(102)に対してCSサービス保持が成功であることを示してもよく(例えばこれを意味するフラグを含むメッセージを送信し)、この時点でUE−2(102)のCSコンテキストはMR/UE−1(101)にバインドされる。これを知ると、UE−2(102)はその3GPPインタフェースを安全にオフすることができ、例えばMR/UE−1(101)からの非3GPPアクセスからのページングのようなCS関連の指示を監視し始める。
【0072】
図に示した上述のシグナリングメッセージが例示の目的のためのものであることは当業者には明白である。実際の実施において、これらのシグナリングは何回かのメッセージ交換を伴う場合があり、異なる名前を与えられることがある。しかしながら、これらの変更例は本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0073】
場合によっては、オペレータのコアネットワーク(120)のCSドメインは、例えば着信CS呼、又はSMS等、UE−2(102)に対する接続を確立する必要があり得る。この場合、MSC/VLR(125)はSGインタフェースを介してMME(123)にCSトリガ(2019)を送信する。UE−2(102)のためのSGインタフェースはこの時点でMR/UE−1(101)の(E)MMコンテキストにバインドされているので、MME(123)はMR/UE−1(101)の(E)MM接続を利用してUE−2(102)に接触する。ステップ2011’において受信したUEのローカル識別子(ローカルUE ID)によってUE−2(102)のSGにインデクスを付けるので、MME(123)はローカルUE IDも取得する。
【0074】
図に示すように、MME(123)は、MR/UE−1(101)に対するNASメッセージにおいてUE−2(102)を対象とするページングメッセージをトンネルする(トンネルページングメッセージ(2021))。このメッセージは、MR/UE−1(101)が接続モードにある場合にこれに直接配信され、MR/UE−1(101)がアイドルモードにある場合はMR/UE−1(101)が接続モードに入った後にこのために何らかのページングをトリガする。トンネルページングメッセージ2021は、MME(123)とMR/UE−1(101)との間のシグナリングプレーンを介して転送される。
【0075】
このトンネルページングメッセージ(2021)に、MIME(123)はローカルUE IDを含ませる。MR/UE−1(101)は、このメッセージを受信すると、ステップ2023におけるように、ローカルUE IDを用いて実際のUE−2(101)のローカル非3GPP接続にマッピングする。ローカル非3GPP接続は、UE−2に対する論理接続もしくはリンクとしてもよく(例えばこれはMACアドレス、IPアドレス、MR/UE−1とUE−2との間でIPsecを用いる等のセキュリティ接続のためのSPI(セキュリティパラメータインデクス)、何らかの認証ID等によって識別可能である)、又は、UE−2に対する物理接続もしくはリンクとしてもよい(例えばこれは専用チャネル識別子によって識別可能である)。
【0076】
トンネルページングメッセージ(2021)は、例えば、(非特許文献6)に定義されているようなCSサービス通知メッセージのものと同様とすることができる。しかしながら、本発明では、NASメッセージはMR/UE−1(101)に宛てられるが、埋め込まれたCSサービス通知のページングアイデンティティはUE−2(102)に宛てられたものである。ローカルUE IDが、例えばS−TMSI又はIMSIのようにページングアイデンティティと同一である場合、追加の情報を加える必要はない。
【0077】
MR/UE−1とUE−2との間のローカル接続(例えばWLAN、ブルートゥース、ジグビー、イーサネット(登録商標)、USB等)においてローカル配信(2023)を介してこのページングメッセージを受信すると、UE−2(102)はページングアイデンティティをチェックし、(非特許文献6)における規定に従ってこれを処理する。例えば、UE−2(102)はその3GPPインタフェースをオンし、3GPPアクセスを介してMMEに対してサービス要求又は拡張サービス要求によって応答してもよい。すなわちステップ2025におけるように、MME(123)に対してeNodeB(129)を介して応答することができる。着信CS呼の場合、ステップ2027に示すように、この結果として(非特許文献3)に規定されているようにCSFB手順が実行される。このように、UE−2(102)は事前に確立された3GPPアクセス接続を有しない場合であっても、CSサービスを取得することができる。
【0078】
UE−2(102)は(E)MM/(E)SMコンテキストを有しないので、UE−2(102)からの拡張サービス要求(2025)がMME(123)をトリガして、(非特許文献3)に定義されているようなCSFB動作の手順要求を満足させるために何らかのダミーコンテキストを生成させる。最終的な結果は、UE−2(102)がCSドメインに接続すれば良いので、これらのダミーコンテキストはネットワーク側リソースを割り当てる必要はない。従って、MME(123)は単に必要な情報を用いて転送によってeNodeBにRRC接続開放を実行してUE−2(102)をCSドメインに転送するように命令すれば良く、PSドメインにおいてEPSベアラをセットアップすることはない。また、MME(123)は、トンネルページング(2021)をMR/UE−1(101)に送信した場合、又は可能ならばUE−2が非3GPP接続を介して(すなわちMR/UE−1を介して)サービス要求シグナリングをMMEに送信した場合に、これらの全てのダミーコンテキスト又は実際のコンテキストを先回りして準備してもよい。UE−2がCSドメインから即座に呼又はサービスを開始可能であるように、更にハンドオーバ時間を短縮するように、ユーザ経験を増大させる。
【0079】
あるいは、MME(123)は、UE−2(102)が疑似デタッチされたことを知ると、特定の原因コードによって拡張サービス要求を拒絶することができる。これによってUE−2(102)は2/3Gアクセスを再選択し、CSのみのセットアップ手順を継続する。このように、MME(123)はeNodeBに対して新しい手順を実行する必要はなく、3GPPアクセスネットワークにおいて追加の機能も必要ない。
【0080】
UE−2(102)が実際に、3GPPアクセスを介するためRIPA及び/又は他の既存の接続を移動したい場合、サービス要求又は拡張サービス要求(2025)は転送要求のための追加の指示を含むことができる。その場合、MME(123)はLIPA−GW(141)に対するデフォルトのPDN接続を確立し、UE−2(102)はこの後(非特許文献2)に定義されたPDN接続ハンドオーバ手順を実行して、RIPA及び/又は他の既存の接続を3GPPアクセスのために移動する。他の場合、非3GPPアクセスを介した接続は、LIPA−GW又はMR/UE−1によって開放されてもよく(例えばLIPA−GW又はMR/UE−1がUE−2及び/又はオペレータのネットワーク装置にベアラ開放シグナリングを送信する)、他の場合には、例えばローカルネットワークアクセス、インターネットアクセス等のPSサービスのために保持されてもよい。
【0081】
UE−2が非3GPPアクセスを介した(すなわちMR/UE−1を介した)PDN接続を開放すると、UE−2を、非3GPPアクセス中に保持されたCSサービスを3GPPアクセスに強制的に戻してもよい。詳細には、LIPA−GWがPDN接続開放要求又はベアラ開放要求を受信し、LIPA−GWが、非3GPPアクセスを介したUEの接続の開放に関してUE−2のための保持コンテキストを有するMME(MMEが、UE−2の3GPPから非3GPPへのハンドオーバ処理の前に提供された情報を維持することができる)を指示して、MMEがCSFB手順(すなわちUE−2にページングを送信するための)を開始してUE−2の接続を3GPPアクセスに移す。UE−2に対するページングの開始後、すでに説明したものと同一の手順を実行する。MMEはCSFBを開始しない場合があり、その代わりに3GPPアクセスを介したUE−2のページングのためにUE−2のCSベアラコンテキストを生成することができる。非3GPPアクセスから切り離された場合であってもUE−2はCSサービスを維持することができ、CSサービスは意図せずに開放されることはないのでユーザにとって利点が増す。他の場合すなわちUE−2が非3GPP開放手順においてCSサービスも開放する意図を示す場合(例えばCSサービスを含む全ての接続を開放することを示す指示又はフラグを含むことによって)、LIPA−GWはその指示をMMEにも示し、MMEはUE−2のためのSGインタフェース上のリソースを開放して、不必要なリソースを除去可能とし、システム効率を高める。
【0082】
(音声呼以外のCSサービスのサポート)
例えばSMS、LCSのようないくつかのCSベースのサービスでは、MMEはUE−2(102)と多数のNASメッセージを交換する必要がある場合があり、UE−2(102)をCSドメインに接続する必要はない。このような場合、MME(123)は、MR/UE−1(101)に対するダウンリンクNAS転送メッセージにおいてUE−2(102)のためにメッセージインテントをトンネルすることができる。この場合、ローカル配信を介してUE−2(102)に送信されたメッセージはもはやページングメッセージではない。
【0083】
一方、UE−2(102)は、MR/UE−1(101)に応答を送信するために非3GPPアクセスにおけるローカル配信方法を用いてもよい。かかるメッセージは、MME(123)に対するアップリンクNAS転送を用いてMR/UE−1(101)によって送信される。
【0084】
メッセージがMR/UE−1(101)又はUE−2(101)のどちらに対するインテントであるかをMR/UE−1(101)が見分けるために、ダウンリンクNAS転送又はアップリンクNAS転送メッセージにおいて追加の指示が必要である。この指示はローカルUE ID又は単にフラグとすることができる。MR/UE−1(101)は、ターゲットを一意に識別することができない場合、その非3GPPアクセスを介して内部でメッセージをブロードキャストしてもよい。MR/UE−1(101)の非3GPPアクセスを介して接続されている全てのUEは、メッセージを受信して、これがそれ自体に向けられたものであるか否かをチェックすることができる。
【0085】
MR/UE−1(101)とUE−2(102)との間のローカル配信は、用いる技術に応じて多くの形態を取ることができる。考えられる1つの方法は、既定のポートに対するIPベースの配信である。例えば、MR/UE−1(101)はモバイルルータとして機能し、従ってそのアドレスはUE−1(102)に知られている。ローカルUE IDとIPアドレスとの間のマッピングに基づいて、MR/UE−1(101)はUE−2(101)のアドレスを知ることができる。これはステップ2005において、MR/UE−1(101)がそのようなマッピング情報を生成し記憶することが可能であるからである。
【0086】
あるいは、それらは何らかの非3GPPアクセス固有のチャネルを直接用いることができる。例えば、非3GPPアクセスがIEEE802.21機構をサポートする場合、ローカル配信はイベントサービス又は情報サービスに基づいて実施することができる。非3GPPアクセスがIEEE802.11uをサポートする場合、ローカル配信はANQPベースのメッセージ交換とすることができる。
【0087】
(疑似デタッチのためのuプレーンベースのページング)
図3には本発明の代替的な動作シーケンスが示されている。この動作は
図2のものと同様である。以下に、相違点のみを強調して記載する。
【0088】
図に示す通り、ステップ3003に示すように、MR/UE−1(101)は、オペレータのコアネットワーク(120)を介してLIPAドメイン(140)に対するRIPA接続を確立している。これは、すでに確立されているLIPA接続のアウトバウンドハンドオーバの結果であり得る。
【0089】
同様に、ステップ3003に示すように、UE−2(102)もRIPA接続を確立している。ステップ3005において、これは、MR/UE−1(101)が提供する非3GPPアクセスにそのRIPA接続を移し始める。これらの動作は、ステップ2001、2003、及び2005のものと同様である。
【0090】
MR/UE−1(101)が非3GPPハンドオーバ要求(3005)を受信し、CSサービス保存を認可した後、ステップ3007に示すように、MR/UE−1(101)はLIPA−GW(141)に対する新しいEPSベアラを確立する。これは、(非特許文献1)に定義されているような手順に従い、非3GPPアクセスハンドオーバ要求を通してUE−2(102)によって提供された情報を用いて行われる。
【0091】
ステップ3009に示すように、MR/UE−1(101)は非3GPハンドオーバシグナリングによってLIPA−GW(141)にシグナリングする。これは
図2のステップ2007と同様である。しかしながら、この非3GPハンドオーバシグナリングメッセージ(3009)において、MR/UE−1(101)は、UE−1(101)のGUTI及びステップ3007で確立したベアラのEPSベアラID(EBI)を含める。
【0092】
この情報を用いて、LIPA−GW(141)はハンドオーバを実行し、UE−2(102)のためのトラフィックをUE−1(101)のEBIにより識別されたEPSベアラにバインドする。同時に、LIPA−GW(141)は、UE−2(102)のアドレスをUE−1(101)のEBIにバインドする。
【0093】
図2のステップ2011及び2011’と同様に、ステップ3013及び3013’におけるように、LIPA−GW(141)はSGW(127)を介してMME(123)に対して何らかの特別なPDN接続開放メッセージを発行する。このPDN接続開放メッセージ(3013/3013’)において、LIPA−GW(141)は、ステップ3009で受信したUE−1(101)のGUTI及びEBIを含める。
【0094】
いったんMME(123)がPDN接続開放(3013/3013’)を受信したら、
図2の2013と同様に、ステップ3015におけるように、疑似デタッチプロセスを開始する。しかしながら、この場合、MME(123)は、例えばSGのようなUE−2(102)のCSドメインインタフェースを、EBIによって識別されたEPSベアラのためのUE−1(101)の(E)SMコンテキストに対してバインドしようとする。
【0095】
従って、CSトリガ(3021)がMME(123)に到着すると、MMEはUE−1(101)のEBIに基づいて(E)SMコンテキストを取得する。このような情報を用いて、MMEは特別なベアラ変更メッセージを発行し、SGW(127)を介してLIPA−GW(141)に対して例えばページングメッセージのようなCS関連シグナリングメッセージを埋め込む。CSシグナリングメッセージを埋め込むための1つの可能な方法は、それらをMME(123)が生成したPCOに配置して、SGW(127)の変更を必要としないようにすることである。他の場合、これを位置情報又はCSG加入契約情報要素に埋め込んで、LIPA−GW(141)に対する配信を保証することができる。
【0096】
LIPA−GW(141)が特別なベアラ変更メッセージを受信すると(3023)、これはメッセージからEBIを取得することができ、従って、ステップ3009で取得した情報に基づいてUE−2(102)のIPアドレスにマッピングすることができる。従って、LIPA−GW(141)はCS関連シグナリングメッセージをカプセル化し、ステップ3025におけるようにUE−2(102)に対してユーザプレーンチャネルを介して直接送信する。例えば、UE−2(102)及びLIPA−GW(141)は、例えばPCOを用いたRIPA接続の確立プロセス中に、この目的のために特別なポート番号について予め合意していてもよい。この場合、LIPA−GW(141)は単に、UE−2(102)IPアドレスのそのポートに対するCS関連シグナリングメッセージをカプセル化する。
【0097】
ユーザプレーンを介してCS関連シグナリングメッセージを受信した後、UE−2(102)は、(非特許文献6)に定義されているような必要な手順を実行する。例えば、UE−2(102)はMMEに対してサービス要求/拡張サービス要求(3027)を送信することができ、これがステップ3029において以下のCSFB手順をトリガする。
【0098】
3GPPアクセスをオンすることなくUE−2(102)がMME(123)に返信することを可能とする必要がある場合、そのホームエージェント又はデフォルトのゲートウェイであるLIPA−GW(141)に向けたIPパケットにカプセル化されたメッセージを送信することができる。また、LIPA−GW(141)はそのメッセージをMME(123)にリレーするためにベアラ変更手順を用いることができる。
【0099】
上述の記載において、UE−2(102)のモビリティを管理するためにMR/UE−1(101)とLIPA−GW(141)との間の例示的なプロトコルとしてPMIPを用いている。しかしながら、これは本発明をそのようなプロトコルに限定するものではない。実際の実施において、例えばGTP−C/Uのような他のモビリティ管理プロトコルも使用可能である。これは本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0100】
(低優先度デバイスのためのMME開始疑似デタッチ)
前述の記載において、MME(123)は、LIPA−GW(141)からの指示に基づいて、例えばステップ2013又はステップ3015において疑似デタッチプロセスを実行する。しかしながら、ある展開では、MMEは輻輳を緩和するために3GPPアクセスからあるデュアル接続UEを外すことを決定してもよいが、これらのデバイスのCSドメインサービスのサポートを継続することができる。この場合、加入契約、MTC特性、又は低優先度インジケータのようなUEの情報に基づいて、MME(123)はUEの疑似デタッチを実行するか否かを決定することができる。
【0101】
しかしながら、これを実行するため、UE−2(102)はMME(123)にMR/UE−1(101)の情報を通知しなければならない。これは、UE−2(102)がMR/UE−1(101)を介して非3GPP接続を取得した後にTAUを実行することによって達成可能である。TAUは、非3GPP接続の確立によってUE−2(102)が取得したMR/UE−1(101)の情報を伝達する。
【0102】
あるいは、UE−2(102)は非3GPPアクセスを介してMR/UE−1(101)にTAUを送信することができ、MR/UE−1(101)はそれ自身のNAS接続を用いてこれをMMEに転送する。例えば、MR/UE−1(101)は、NAS転送に専用のSRB2を利用してUE−2(102)からの受信TAUメッセージを転送する。この結果、eNodeB(129)は、UE−1(101)のためにセットアップされたS1−MMEチャネルを用いて、UE−2(102)からのTAUメッセージを転送する。これによって、MME(123)はMR/UE−1(101)をUE−2(102)にバインドする。従って、MME(123)は、疑似デタッチの実行を決定した場合、MR/UE−1(101)情報を取得することができる。
【0103】
(TAUベースの適用性チェック及びトークン生成)
前述の記載においては、オペレータのコアネットワーク(120)システムによって、動作に関して何らかのアクセス制御を加えなければならない。以下は、制御を実行することを可能とするいくつかのオプションである。
【0104】
1つの実行し得る動作において、UE−2(102)は、例えばステップ2005又は3005において、MR/UE−1(101)を検出した後、かつ非3GPPアクセスに対するハンドオーバを実行する前(であるが非3GPPアクセスに対するハンドオーバの決定を行った後)に、TAUを実行する。MMEは、これに応じてUE−2の位置を登録するためのトラッキングエリア(すなわち位置)登録手順を実行するので、MMEが後にLIPA−GW(PGW)からPDN接続開放メッセージを受信した場合に、MMEが、UE−1及びUE−2が適度に近接しているか(近傍にあるか)、更に条件(近接性)が満足されている(すなわちそれらが適度に近接している)かを判断することができ、MMEによってUE−2のためのCSプリザベーションを可能として、前述のようにSGをUE−1のコンテキストにバインドすることができる。基本的に、このような判断は加入契約又はオペレータのポリシー情報に基づいて実行可能である。しかしながら、このような情報はそれらの実際の位置の検証を与えない。
【0105】
例えば、UE−1及びUE−2が異なる位置にあるが、例えばあるバッファリング機構のためにUE−1がそのメモリ内にUE−2からの何らかの古い要求を記憶しているならば、UE−1がバインディング要求(すなわちハンドオーバシグナリング)を送信可能であってもよい。これによって明らかにUE−2の位置の不整合が生じ、UE−2に送信されるべきパケットがUE−1にルーティングされ、セキュリティ上の問題を引き起こす。かかる状況を回避するために、MMEから提供されたTAIリストのTA内でUE−2が移動している際にMMEにおける位置が登録されず、UE−2がアイドルモードである場合であっても、MMEにおける位置ベースの判断が妥当であり、UE−2のための正しいパケットルーティングを保証することに役立つ。更に信頼性を高めるため、UE−1は、UE−2からのハンドオーバシグナリングを処理する場合にTAUも実行してもよく、これによってUE−1及びUE−2の位置情報を実際に登録し、MMEが最新情報を用いて判断することを可能とする。
【0106】
非3GPPアクセスに対する実際のハンドオーバの前にUE−2が送信するTAUにおいて、UE−2(102)は、非3GPPアクセスに対するそのハンドオーバの意図、MR/UE−1(101)に関する情報、及びCSサービスを保存する意図を示してもよい。TAUを受信した後、MME(123)はこれに応じてアクセス制御を実行することができ、例えばUE/デバイスの位置近接性をチェックし、加入契約情報及びそれを可能とするオペレータポリシーをチェックし、そのような集合のLIPA−GWがサポートされているか否かをチェックする等である。かかるチェックが成功すると、MME(123)は、そのような動作の受容を示すTAU応答、及び、例えば何らかのトークンのような動作を容易にするための追加情報を返信する。
【0107】
次いでUE−2(102)は続いて、例えばステップ2005又は3005のような動作を実行することができ、トークンを利用する。
【0108】
このトークンは、例えばMMEからのデジタル署名証明書、又は暗号証明可能コマンドのような認可情報を含み、これは例えばステップ2007又は3009において、MR/UE−1(101)に、非3GPPハンドオーバシグナリングにおいてGUTIを送信するように命令する。
【0109】
また、このトークンは、上述した非3GPPアクセスを介してハンドオーバシグナリングにおいて転送され、例えばステップ2011’及び3013’において、LIPA−GW(PGW)を介してMME(123)に戻る。いったんMME(123)がトークンを受信すると、これを検証し、記憶された情報と比較し、これに基づいて疑似デタッチを許容するか否かを決定する。
【0110】
これらの動作によって、オペレータのコアネットワークは何らかのプロセス制御を適用することができ、動作のセキュリティを向上させることができる。
【0111】
(UEのGUTI以外の識別子の使用)
上述の動作の記載においては、MMEがコンテキストを識別するために、シグナリングにMR/UE−1(101)のGUTIが含まれている。しかしながら、いくつかの状況では、これは必ずしも可能でないか許容されない場合がある。かかる場合、例えばMSISDN、グループID、CSG ID等の他の何らかのIDを用いることができる。
【0112】
あるいは、UE−2(102)が手順の前にトークンを取得した場合、必要な情報を含めてUE−1(101)を識別してもよい。例えば、MMEは、UE−2(102)がTAUを送信した場合に一時的なIDを生成し、この一時的なIDをTAU応答に埋め込まれたトークンに含めてもよい。
【0113】
(S2c DSMIPプロトコルの使用)
ある展開においては、モバイルルータは、(非特許文献2)に定義されたようなS2cインタフェースのみを提供可能である。この場合、ハンドオーバのシグナリングは、モバイルルータ(101)ではなくUE−2(102)によって実行される。すなわち、ステップ2007及び3009のシグナリングは直接UE−2(102)からである。
【0114】
かかる動作をサポートするため、UE−2(102)は、MR/UE−1(101)を識別するためにMME(123)によって使用可能な識別子を知る必要がある。いくつかの可能な手法を用いることができる。
【0115】
モバイルルータ/UE−1(101)がこの解決策をサポートする場合、UE−2(102)がUE−1(101)との接続を得た場合に非3GPPアクセス固有の方法によってUE−2(102)に対してそのような識別子を通知してもよい。例えば、これは、ビーコンメッセージでそれをブロードキャストするか、又は関連メッセージ内にそれを含めるか、又は例えばDHCPのようなIPレイヤ構成メッセージ、ルータ通知、ルータ広告によって、又はIEEE802.11u ANQPによって通知を行う。
【0116】
あるいは、UE−2(102)が、MR/UE−1(101)によって提供される非3GPPアクセスに対する接続及びハンドオーバの前に、前述のようにTAUを実行した場合、UE−2(102)はTAU応答においてMME(123)からそのような情報を取得することができる。
【0117】
あるいは、例えばグループIDのような情報は、ユーザによってUE−2(102)に対して手作業で構成することができる。
【0118】
かかる知識を用いて、
図2及び
図3に紹介した動作シーケンスは小さい変更を加えて適用することができる。例えば2007、2009、又は3009、3011のような非3GPPハンドオーバシグナリングの終端点は、MR/UE−1(101)ではなくUE−2(102)である場合がある。更に、用いるプロトコルは、S2cインタフェースのための(非特許文献2)に定義されたようなデュアルスタックモバイルIP(DSMIP)である場合がある。
【0119】
動作シーケンスの結果は、実質的な変更なしで適用することができる。
【0120】
(異なるMME)
上述の記載においては、同一のMME(123)がUE−1(101)及びUE−2(102)に対応すると仮定している。これは、2つの端末が近接しているならば、ほとんどの場合に適用可能であり得る。
【0121】
しかしながら、いくつかの特別な状況では、例えば負荷均衡化、異なるPLMNの使用、又は他の理由のために、それらは異なるMMEによって対応されてもよい。かかる場合、提案する動作はいくつかのわずかな変更を必要とする。
【0122】
MME(123)がPDN接続開放メッセージ(2011’又は3013’)を受信したら、(非特許文献1)に定義された手順に従って、UE−2(102)がUE−1(101)のMMEにハンドオーバを必要としているかのように疑似ハンドオーバプロセスを実行する。UE−2(102)のMMEは、PDN接続開放メッセージ(2011’又は3013’)におけるGUTI情報によってUE−1(101)のMMEのアイデンティティを取得する。
【0123】
これはハンドオーバの特別な場合であるので、新しいMMEに対する新しい関連付けを登録するためMSC/VLR(125)をトリガするだけでよく、新しいMMEはコンテキストバインディングを実行する。古いMMEは続いて、例えば2015又は3017においてPDN接続開放手順を実行し、その後、UE−2(102)の全てのコンテキストを除去する。
【0124】
従って、CSトリガ(3021)が到達すると、これはUE−1(101)のMMEで終了し、従って手順は継続することができる。
【0125】
この動作シーケンスにおいて、モバイルルータ(101)は、LIPA−GW(141)に対するUE−2(102)のための非3Gハンドオーバシグナリング内に追加情報を含める。例えばこれは、それ自身のGUTI及びUE−2(101)のためのローカルIDを含めることができる。
【0126】
(MR/UE−1の動作)
図4には、本発明をサポートするMR/UE−1(101)の例示的なアーキテクチャが示されている。図に示すように、モバイルルータ(400)は4つの主な機能要素を含む。すなわち、非3Gモバイルルータ管理(401)、ローカルページング配信(403)、3GPPアクセス管理(405)、及びトンネルページング処理(407)である。簡略化の理由で記載しないが、例えば(非特許文献1)及び(非特許文献2)に規定されたもののような他の機能要素も存在し得ることは当業者には明白である。追加の機能要素を含めることは、本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0127】
これらの機能要素の中で、非3GMR管理(401)は、他の移動端末に与えられる非3GPPアクセスを制御する機能を提供する。例えば、これは、LIPAドメイン(140)又は他のドメインに対するサービスの可用性の通知、移動端末のためにCSサービス(すなわちCSページングプロキシ特性)を保持する可用性、非3GPPアクセスを介して接続された移動端末からのCSサービス保存要求の検証、CSサービス保存関連情報の指示を有する移動端末のためのハンドオーバのシグナリング、並びに、例えばMAG、PDG、又は(非特許文献2)におけるePDGのような信頼できるか又は信頼できない非3GPPアクセス機能について定義されたアクセス制御及びベアラ管理機能の管理を含む。
【0128】
例えば、MR(400)で用いられている非3GPPアクセスがWLANである場合、非3GMR管理(401)機能は、(非特許文献5)におけるルータ及びMAG機能を有するWLAN APのSMEであり得る。また、これは、(非特許文献2)に定義されたようなePDG機能を含んでもよい。これはアクセス制御機能を含み、オペレータのコアネットワーク(120)におけるAAAプロキシ又はサーバとの相互作用のためのプロトコルスタックを含む。
【0129】
また、UE−2(102)認証又は認可プロセスが行われてもよい。これを達成するため、非3GMR管理(401)はオペレータのコアネットワーク(120)におけるAAAサーバ又はAAAプロキシにアクセスを有する必要がある。これは、MR/UE−1(101)がその加入契約情報に基づいてオペレータのコアネットワーク(120)に接続した場合にこれにある特別なAAAプロキシを割り当てることによって容易に達成可能である。このアクセスは3GPPアクセス管理(405)を介して行ってもよい。例えば、非3GMR管理(401)は、PDN接続要求のPCO要素においてそのような接続を要求してもよい。MR/UE−1(101)のP−GW(LIPA−GW141)は、PCO情報及びシステム認可に基づいてAAAプロキシに対する特別な接続をセットアップしてもよい。
【0130】
UE−2(102)から非3Gハンドオーバ要求を受信した後、非3GMR管理(401)はLIPA−GW(141)に対して非3Gハンドオーバシグナリングを送信して、UE−2(102)の接続(複数の接続)を非3GPPアクセスに切り換える。UE−2(102)のモビリティを管理するためのシステムにおいてプロキシMIP(PMIP)を用いている場合、非3Gハンドオーバシグナリングはプロキシバインディング登録メッセージとすることができる。
【0131】
非3GMR管理(401)が、UE2(102)がそのCSサービスの保持を要望するか又は必要とすることを決定すると、非3GMR管理(401)は、非3Gハンドオーバシグナリングメッセージに追加情報を含める。例えばこれは、GUTI、TMSI等の一時的なID、又はIMSI、MSISDN等の永続的なID等の3GPPネットワークにおける識別子、及びWLANアクセス(非3GPPアクセス)においてUE−2を識別するためのローカルUE識別、及び/又はトークンを、LIPA−GW(141)に対するメッセージ内に含める。
【0132】
非3G MR管理(401)機能は、関連するシグナリング又はデータメッセージを配信するために、3GPPアクセス管理(405)によって提供された接続を利用することに留意すべきである。
【0133】
3GPPアクセス管理(405)は一般に、(非特許文献1)においてUEに関して定義された機能に従うが、MR(400)の動作を支援するために追加の機能を有する。例えば、3GPPアクセス管理(405)は、非3G MR管理(401)によってトリガされてもよく、LIPAドメイン(140)又は他のいずれかの必要なドメインに対する接続を確立する。
【0134】
また、3GPPアクセス管理(405)は、本発明のサポートを示すため、例えばPCOを用いて追加情報を接続管理シグナリングに含むようにトリガされて、ネットワーク側で追加の処理を実行可能とすることができる。
【0135】
また、3GPPアクセス管理(405)は、オペレータのコアネットワークからトンネルページングメッセージを受信することができる。例えばMME(123)は、埋め込まれたページングメッセージにより、NASシグナリングチャネルを介してMR/UE−1(101)にシグナリングすることができる。ページングメッセージはMR/UE−1(101)に宛てられたものでない場合がある。例えばこれは、UE−1(102)を指し示すローカルUE IDを含む。いったん3GPPアクセス管理(405)がそのようなトンネルページングメッセージを受信したら、更に処理するためにこれをトンネルページング処理(407)に渡す。
【0136】
トンネルページング処理(407)は、埋め込まれたメッセージを処理して、実際のページング先を決定する。例えばローカルUE IDが含まれている場合、非3GMR管理(401)機能からの情報を利用して、これは例えばUE−2(102)のような実際の移動端末のアイデンティティに変換される。ローカルUE IDが存在しない場合、トンネルページング処理(407)はこのメッセージがMR/UE−1(101)自体に宛てられているか否かをチェックする。
【0137】
埋め込まれたページング又はNASメッセージが(MR(400)に)ローカルに接続された移動端末のために検証されると、メッセージは非3GMR管理(401)を介してローカルページング配信(403)に転送される。メッセージは、非3G MR管理(401)から取得した必要な情報を利用して、トンネルページング処理(407)によって直接ローカルページング配信(403)に配信可能であることは、当業者には明白である。これは本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0138】
ローカルページング配信(403)は、ローカルUE IDを利用してMR(400)に接続されたターゲットの移動端末の位置を突き止め、メッセージの適正な配信機構を識別する。例えば、ローカルページング配信(403)は、メッセージをIPパケットに埋め込んで既定のポートを介してUE−2(102)に送信し、又はメッセージを既定のMACアドレスに対するレイヤ2パケットにカプセル化し、又はマルチキャスト機構を用いてこれを送信し、又はIEEE802.21ES/IS/CS機構を用いてこれを配信する等を実行してもよい。メッセージを配信するための機構の選択は、用いている非3GPPアクセス技術、MR(400)、及び接続されている移動端末の機能に依存する。
【0139】
例えばSMS又はLCSサービスをサポートするため、MR(101)の機能を拡張してUE−2(102)とMME(123)との間のNASメッセージの双方向配信を可能とする場合、ローカルページング配信(403)の機能を拡張して、非3GPPアクセスを介してUE−2(102)からのNASメッセージもローカルに受信することは当業者には明白である。これは、宛先を用いて上述のページングメッセージ配信と同様に達成可能である。このような場合、トンネルページング処理(407)も機能を拡張して、ローカルページング配信(403)機能によってUE−2(102)から受信したメッセージに基づいて3GPPアクセス管理(405)を介して配信すべきコンプライアントなNASメッセージを生成する。
【0140】
トンネルページング処理(407)がMMEからトンネルページングメッセージを受信した場合、又はトンネルページングメッセージを処理した後、トンネルページング処理(407)は、ベアラリソース変更手順を実行して、UE−2(102)のトラフィックフローを収容するPDN接続又はPDPコンテキストのリソース(例えばビットレート(MBR、GBR、AMBR等)のQoSリソース、優先度(ARP等)、保証されたBER、保証されたレイテンシ)を低減してもよい(場合によっては、これらは単にMR/UE−1とLIPA−GW(PGW)との間のベアラ又はデータベアラと呼ばれる)。なぜなら、トンネルページングメッセージによって、UE−2(102)を、MR(101)が提供する非3GPPアクセスネットワークから3GPPアクセスネットワークに移動させて(着信呼を終端させるため)CSサービスを受信し、システム効率のためにUE−2のトラフィックに割り当てたリソースを低減可能であるからである。トンネルページング処理(407)は、トンネルページングメッセージを受信した場合又はこれを処理した後(又はトンネルページングプロセスを実行した後、すなわちUE−2からの転送されたサービス要求メッセージの後)、UE−2トラフィックのための接続を削除/終端させてもよい。
【0141】
(UE−2の動作)
図5にはUE−2(102)の例示的なアーキテクチャが提示されている。図に示すように、UE(500)は4つの主な機能要素を含む。すなわち、3GPPアクセス管理(501)、非3Gアクセス管理(503)、モビリティ管理(505)、及びローカルページング受信(507)である。簡略化の理由で記載しないが、例えば(非特許文献1)及び(非特許文献2)に規定されたもののような他の機能要素も存在し得ることは当業者には明白である。追加の機能要素を含めることは、本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0142】
3GPPアクセス管理(501)は、(非特許文献1)及び(非特許文献6)でUEについて定義されているような一般的な機能を実施する。また、これは、例えば非3GPPアクセスからのローカルに受信したページングメッセージを処理し、それに応じて処理を行う等、本発明をサポートするためのいくつかの追加の機能も含む。また、これは、非3GPPアクセスを介した双方向NASシグナリングを用いて、例えばSMS又はLCS等のいくつかのCSサービスを非3GPPアクセスでサポートする場合、NASメッセージによって応答し、応答としてローカルページング受信(507)機能に渡してもよい。
【0143】
更に、CSページングプロキシ機能(これはこの実施の形態において記載している)を有する例えばアクセスポイントのような特別な非3GPPアクセスを検出した場合、3GPPアクセス管理(501)は、モビリティ管理(505)によってトリガされて、非3GPPアクセスに対する何らかの接続のハンドオーバの前にTAUを実行してもよい。アクセスネットワーク(すなわちアクセスポイント)から提供されたアクセス識別子(例えばSSID)の全体もしくは一部又は他の何らかの明示的な(例えばビーコン信号における)指示を検出した場合、又はアクセスポイントのMACアドレスが所定のもしくは予め構成された値と同一である場合、3GPPアクセス管理(501)が、ターゲットの非3GPPアクセスが本発明に対応可能であると検出することも可能である。このため、UE(500)は、これが、本実施の形態において記載したCSページングプロキシの機能を有する特別なMR/UE−1(101)に向けて移動しておりこれに接続していると識別することができる。TAUは、例えばMME(123)のようなネットワークのために機能拡張して、例えばトークンのようなCSサービス保持のための何らかの情報を配信することができる。
【0144】
UE(500)がターゲットの非3GPPアクセスネットワークのSSIDを検出すると、UE(500)は、例えばSSID及び/又はフラグを含むTAU又は他のメッセージ(ANDSF(アクセスネットワークディスカバリ選択機能)要求等)を送信するために、ターゲット非3GPPアクセスが特別な機能すなわちCSページングプロキシ機能を有するか否かを質問する。これによって、UE(500)はその機能のデータベースを保持する必要がなく、メモリ消費を低減すると共に登録情報を追跡することを可能とする。
【0145】
非3Gアクセス管理(503)によって、UE(500)は、(非特許文献2)に定義された手順に従ってMR/UE1(101)に接続することができる。本発明をサポートするため、非3Gアクセス管理(503)は、例えばトークンのような関連情報によって、CSサービス保持の要求のための信号に追加の指示を提供することができる。
【0146】
また、非3GPPアクセス管理(503)によって、UE(500)は、非3GPPアクセスを介して3GPPページング又はNASメッセージを受信することができ、これを更に処理するためにローカルページング受信(507)に渡すことができる。
【0147】
また、非3GPPアクセス管理(503)は、ハンドオーバを処理するか否か及びどのように処理するかを決定するための追加情報をUE(500)のモビリティ管理(505)に提供する。例えば、これは、非3GPPアクセスでCSサービス保存を実行可能であるか否かを示してもよい。これによって、モビリティ管理(505)は、接続を非3GPPアクセスにハンドオーバするか否か、及び3GPPインタフェースを全体的にシャットダウンするか否かを決定することができる。
【0148】
ローカルページング受信(507)は、3GPPアクセスの下位レイヤであるかのようにあるので、可能な場合に3GPPアクセス管理(501)は本発明の動作に対してトランスペアレントとすることができる。かかる場合、ローカルページング受信(507)機能は、非3GPPアクセスを介して受信したページングメッセージを再びまとめ、これが3GPPアクセスから直接受信されたかのように3GPPアクセス管理(501)に提示することができる。このため、現在のUEの実施に対する変更を最小限に抑えることができる。
【0149】
あるいは、非3GPPアクセスを介してUE−2(102)とMME(123)との間で双方向NAS通信がサポートされる場合、ローカルページング受信(507)は、3GPPアクセス管理(501)からNASメッセージを受信し、これを非3GPPアクセスを介して配信するように再びまとめるように構成することも可能である。
【0150】
(MMEの動作)
図6にはMME(123)の例示的なアーキテクチャが示されている。図に示すように、MME(600)は4つの主な機能要素を含む。すなわち、3GPP PSサービス管理(601)、CSサービス管理(603)、疑似デタッチ管理(605)、及びトンネルページング処理(607)である。簡略化の理由で記載しないが、例えば(非特許文献1)及び(非特許文献3)に規定されたもののような他の機能要素も存在し得ることは当業者には明白である。追加の機能要素を含めることは、本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0151】
3GPP PSサービス管理(601)は、一般に(非特許文献1)に規定されている通りである。しかしながら、MME(123)がPDN接続開放(2011’又は2013’)においてCSサービス保持指示を受信すると、これは疑似デタッチ管理(605)機能をトリガする。この機能では、例えばCSサービス管理(603)からの613のようなUE−2(102)のCSサービスインタフェースは、PDN接続開放(2011’又は2013’)からの情報を用いて取得されたMR/UE−1(101)のコンテキストに(再)リンクされる。また、疑似デタッチ管理(605)は、CSトリガメッセージを更にマッピングするためにローカルUE IDを追跡する。
【0152】
例えば、疑似デタッチは、提供されたGUTIを用いてMR/UE−1(101)のコンテキストを取得し、これにUE−2(102)のSGをリンクする。このため、CSサービス管理(603)機能がUE−2(102)をターゲットとするCSトリガを受信した場合、疑似デタッチ管理(605)がこれをUE−1(101)の識別子に変換し、これによって3GPP PSサービス管理(601)がUE−1(101)のコンテキストを識別することができる。例えばGUTI再割り当て等、UE−1(101)の識別子が登録される場合は、3GPP PSサービス管理(601)はこれに応じて疑似デタッチ管理(605)を登録して、疑似デタッチ管理(605)が常にUE−1(101)について最新の登録された識別子を有することができるようにする。
【0153】
疑似デタッチ管理(605)は、UE−1(101)に対してUE−2(102)のCSサービス保持の認可を実行してもよく、更に、上述したような位置情報を用いてノード(UE−1及びUE−2)が相互に適度に近接しているか否かをチェックしてもよい。
【0154】
CSトリガを検出し、UE−1(101)の識別子を取得すると、疑似デタッチ管理(605)はこの情報を、UE−2(102)のローカルUE IDと共に、3GPP PSサービス管理(601)に渡す。ある変更例では、疑似デタッチ管理(605)は、UE−2(102)の最後に用いた識別子を記憶し、これを共に渡すことができるので、3GPP PSサービス管理(601)はこれに応じてページングメッセージを形成することが可能である。
【0155】
3GPP PSサービス管理(601)がUE−2(102)のローカルUE IDに関する情報を検出すると、CSトリガがUE−1(101)に接続されたUEを対象とするものであり、従ってトンネルページング方法を用いて配信するべきであることがわかる。次いで3GPP PSサービス管理(601)は、受信した情報と共にUE−1(101)に関するコンテキスト情報をトンネルページング処理(607)に渡す。トンネルページング処理(607)機能では、疑似デタッチ管理(605)及び3GPP PSサービス管理(601)から渡された情報を用いてUE−2(102)に対する3GPPページングメッセージを集める。例えばページングメッセージは、CSのCNドメインを含み、ページングをされたデバイスの識別子はUE−2(102)を用いているはずである。同時に、ページングメッセージは、3GPP PSサービス管理(601)から渡されたコンテキストに基づいてUE−1(101)に宛てられるNASメッセージにカプセル化される。次いでこのNASメッセージは、UE−1(101)に対する既存のNASコンテキストを用いてUE−1(101)に配信される。UE−1(101)がアイドルモードである場合、これは最初にページングされて接続モードとなり、その後NASメッセージはUE−2(102)に対するトンネルページングによって配信される。
【0156】
同時に、トンネルページング処理(607)は、UE−2(102)から受信されるサービス要求又は拡張サービス要求を処理するために必要なコンテキスト情報を準備する。例えば、トンネルページング処理(607)は、ダミーコンテキストを形成し、UE−2(102)からサービス要求又は拡張サービス要求を受信すると、PSハンドオーバなしにCSドメインに対するハンドオーバをトリガする。あるいは、トンネルページング処理(607)は、UE−2(102)からのサービス要求又は拡張サービス要求が適正な原因コードによって拒絶されるようにコンテキストにマーキングし、この結果、UE−2(102)は自律的にCSドメインを再選択しCS接続を継続する。
【0157】
トンネルページング処理(607)は、例えばベアラ応答変更メッセージがページングメッセージを含む場合、UE−2(102)に対するページングメッセージ及びMR/UE−1(101)に対するベアラ応答変更によってトンネルページングメッセージを構築するので、MR/UE−1は、UE−2(102)のトラフィックフローを収容するPDN接続又はPDPコンテキストについてリソースを低減する(例えばビットレート(MBR、GBR、AMBR等)のQoSリソース、優先度(ARP等)、保証されたBER、保証された潜在(レイテンシ))。なぜなら、トンネルページングメッセージによって、UE−2(102)をMR(101)から3GPPアクセスネットワークに移動させてCSサービスを終端させるからである。トンネルページング処理(607)は、UE−2からサービス要求メッセージを受信した場合又はこれを処理した後、UE−2トラフィックのための接続を削除/終端させてもよい。
【0158】
上述の構成を用いて、MMEの既存の実施に対する影響を最小限に抑えることができる。例えば、CSサービス管理及び3GPP PSサービス管理における主な機能は、ほとんど元のままに維持することができる。主な機能拡張は、疑似デタッチ管理及びトンネルページング処理中にまとめることができる。簡略化の理由で記載しないが、例えば(非特許文献1)及び(非特許文献2)に規定されたもののような他の機能要素も存在し得ることは当業者には明白である。追加の機能要素を含めることは、本発明の一般的な原理に影響を与えるものではない。
【0159】
(LIPA−GW(PGW)の動作)
図7には、本発明のL−GW又はP−GW(LIPA−GW(141))の例示的なアーキテクチャが示されている。図に示すように、L−GW/P−GW(703)は3つの主な機能要素を含む。すなわち、ベアラ管理(701)、モビリティ管理(703)である。
【0160】
ベアラ管理(701)は、(非特許文献1)及び(非特許文献2)に定義されているように、通常のベアラ管理の処理及びS5インタフェースのシグナリングを行うことができる。これは更に、非3G HOシグナリング(2009又は3011)におけるように、CSプリザベーション要求を指示するためのシグナリングにおける追加情報を受信することができる。ベアラ管理(701)はそのような指示を見出すと、メッセージを処理のためにCSプリザベーションアシスタンス(705)に渡す。
【0161】
別の態様においては、UE−1(101)が接続を行って接続を確立すると、PCOにおいて、これがモバイルルータとなり、CSプリザベーションサービスを提供することを示すことができる。その場合、ベアラ管理(701)はCSプリザベーションアシスタンス(705)にも通知する。次いでCSプリザベーションアシスタンス(705)は、UE−1(101)のために、例えばAAAプロキシ又はAAAサーバに対する必要な接続を確立することを支援する。
【0162】
UE−2(102)が非3GPPアクセスに対するハンドオーバを実行することが必要である場合、CSプリザベーションアシスタンス(705)は必要な情報をモビリティ管理(703)に提供する。これによって、L−GW/P−GW(700)は、2011又は3013におけるように、例えばUE−1(101)のGUTI、UE−2(102)のためのローカルUE ID、EBI等の追加情報を埋め込んで、3GPPアクセス側においてベアラ切断(tear down)を開始する。
【0163】
図3におけるように、UプレーンベースのCSサービス保持機構を用いている場合、CSプリザベーションアシスタンス(705)は、EPSベアラシグナリング及びuプレーンベアラのマッピングを生成及び維持して、L−GW/P−GW(700)がベアラ管理シグナリングを受信した場合(例えば3023)、これに応じてそれを変え、ローカルUE ID又はEBIと共にuプレーンベアラを介してUE−1(101)に送信して、UE−1(101)がこれをUE−2(102)アドレスにマッピングすることを助ける。
【0164】
(第2の実施の形態)
図8には本発明をサポートする代替的なアーキテクチャが示されている。このアーキテクチャは
図1に示したものと概ね類似している。従って、以下では相違点のみを強調する。
【0165】
図に示すように、
図1のアーキテクチャと比較して主な相違点は、オペレータのコアネットワーク(120)にPGW(801)が配置されていることである。このPGW(801)は、PDNサービスドメイン(820)にUE−1(101)及びUE−2(102)のサービスを提供する。これは例えば、IMSサービスドメイン、SIPTOサービスドメイン、ローカルブレイクアウトサービスドメイン、企業ネットワークサービスドメイン、又は大学構内ネットワークサービスドメインとすることができる。
【0166】
PGW(801)は、ローカルブレイクアウトのための、例えばSIPTOのための要件等を満足させるため、3GPPのアクセスのポイントの近くにオペレータのコアネットワーク(120)によって選択されてもよい。また、これは、例えばIMSサービス等のために別の位置に選択することも可能である。しかしながら、UE−1(101)及びUE−2(102)では、同一のAPN又はサービスが要求された場合、同一のPGW(801)はネットワークによって選択される。その理由は、それらがSIPTOサービスを要求している同一のセル内にあること、又はそれらが同一のIMSサービスを要求していること等である。従って、実質的な前提は、
図1に示すようなアーキテクチャのものと同様である。
【0167】
第1の実施の形態に記載したような動作シーケンス及び機能が
図8に示すアーキテクチャにも適用されることは明白であるが、PGW(801)は
図2及び
図3におけるようなLIPA−GW(141)の機能を実行し、
図7におけるような機能要素を実施する。
【0168】
(第3の実施の形態)
図9及び
図10には本発明をサポートする代替的なアーキテクチャが示されている。これらのアーキテクチャは、
図1及び
図8に示したものとそれぞれ概ね類似している。従って以下では相違点のみを強調する。
【0169】
図に示すように、
図1及び
図8のアーキテクチャと比較して主な相違点は、モバイルルータ/UE−1(101)の代わりに固定又は携帯型ルータ/UE−1(1101)が配置されていることである。ルータ/UE−1(1101)は、3GPP及び無線LANインタフェースを有するが、ある時間期間にわたって又は永久に移動しそうにない。その理由は、構築が容易であり、3GPP無線アクセスを用いるので配置構築がブロードバンドライン(例えばFTTH、ADSL等)の終端点によって制約を受けないことである。例示的な状況は、UE−2(102)のユーザがあるレストランを訪れ、ここでルータ/UE−1(101)を用いて無線アクセスサービスが提供され、UE−2(102)がルータ/UE−1(1101)を介してユーザの住居/会社の構内のLIPAドメイン(140)(すなわちLIPA−GW(141))又はPDNサービス(すなわちPGW(801))に接続する場合である。別の例示的な状況は、UE−2(102)のユーザがユーザの住居内又は企業構内においてルータ/UE−1(101)を介してPDNサービス(すなわちPGW(801))に接続する場合である。これらの状況では、ユーザは何らかの追加ローカルサービスのために非3GPP接続を介したアクセスを望むが、ユーザに対する着信呼がMSC(125)を介してMME(123)に来ると、これに対してページングを行って3GPPアクセスネットワークに移り、UE−2(102)が着信CSサービスを取得可能としなければならない。
【0170】
第1の実施の形態に記載したような動作シーケンス及び機能が
図9及び
図10に示すアーキテクチャにも適用されることは明白であるが、ルータ/UE−1(1101)は
図1及び
図8におけるようなモバイルルータ/UE−1(101)の機能を実行し、
図4におけるような機能要素を実施する。
【0171】
(第4の実施の形態:GTP S2aをサポートすることができる信頼できるWLANをUE−1が提供する)
オペレータのコアネットワークがGTPに基づいた信頼できるWLANアクセスをサポートする場合、モバイルルータ/UE−1(101)は、信頼できるWLANにおいてGTPピア及び対応するAAAピアの機能を実行することができる。この設定において、モバイルルータ/UE−1(101)は、オペレータのコアネットワークにおけるAAAサーバとのAAA接続、及び、UE−2(102)のために選択されたLIPA−GW(141)/PGW(801)とのGTPトンネルを確立する必要がある。
【0172】
この場合、モバイルルータ/UE−1(101)は、LIPA−GW(141)/PGW(801)に対する接続のためにGTPベースのプロトコルの使用をサポートしてもよい。この場合、例えばステップ2007、2009におけるLIPA−GW(141)/PGW(801)によるシグナリングメッセージは、(非特許文献1)におけるようなセッション生成要求及びセッション生成応答のようなGTP−Cベースのメッセージとすることができる。
【0173】
上述の場合、モバイルルータ/UE−1(101)は、例えばAAAピア、GTPピア機能等、信頼できるWLANアクセスネットワーク機能全体を実質的に提供する。UE−2(102)がモバイルルータ/UE−1(101)に対するアクセスを取得すると、オペレータのコアネットワークにおける対応するAAAサーバがUE−1(101)のプロファイルをモバイルルータ/UE−1(101)に提供して、LIPA−GW(141)/PGW(801)に対するGTPベースの接続が正しく確立されるようにする。信頼できるWLANアクセスネットワーク機能の機能は(非特許文献7)に定義されている通りである。
【0174】
モバイルルータ/UE−1(101)が信頼できるWLANアクセスネットワーク機能を実施した場合、例えばステップ2005及び2010、3005及び3011’における非3Gハンドオーバ要求及び肯定応答の手順ステップは、EAPメッセージのようなレイヤ2トリガであってもよい。
【0175】
(第5の実施の形態:M2Mデバイストリガ)
上述の記載において、UE−2(102)はCSサービスを受信することが予想され、このため疑似コンテキストをネットワークにより管理することを必要とする。別の使用の場合、UE−2(102)はマシンタイプの通信デバイスとしてもよい。この意味で、UE−2(102)が予想するサービスは、例えばSMS、デバイストリガ等、マシンタイプの通信に固有のものであってもよい。従って、MME(123)が受信したトリガ又はメッセージは、もはやMSC/VLRから来ていない場合がある。その代わり、それらはSMS−SC又はMTCサーバ、又はMTC相互作用機能によって送信することができる。これらのメッセージはCSドメインで配信することができ、このため前述の動作が適用される。代替的なアーキテクチャにおいては、これらのメッセージは、PSドメインを介して制御プレーン上で、例えばNASメッセージ内で配信することができる。この場合、MMEはUE−2(102)に対してページングを行わず、メッセージをUE−1(101)のNASに送信する。デバイストリガメッセージを受信すると、UE−2(102)は、ローカルポリシー及びオペレータの構成に応じて、UE−1(101)を介した3GPPアクセス又は非3GPPアクセスによる接続の確立を選択してもよい。
【0176】
(第6の実施の形態:AAAサーバがMME機能を実行する)
前述の記載において、モバイルルータ/UE−1(101)は3GPPアクセスを介してオペレータのコアネットワーク(120)に接続され、従って、MME(123)は本発明の処理を担当する。別の代替的な動作においては、モバイルルータ/UE−1(101)は、例えば非3GPPアクセスのような他の手段を介して、又はブロードバンドフォーラムアクセスネットワーク及びセキュリティゲートウェイを介して、オペレータのコアネットワーク(120)に接続してもよい。この場合、モバイルルータ/UE−1(101)自体は、MME(123)でなくオペレータのコアネットワーク(120)におけるAAAサーバによって制御されてもよい。
【0177】
この場合、前述の動作にいくつかの変更が必要である。AAAサーバがMME(123)に代わってモバイルルータ/UE−1(101)及びUE−2(102)の双方に対する接続を処理するので、CSドメイン又は他のメッセージソース(例えばSMS−SC、MTCサーバ、MTC相互作用機能)に対するインタフェースもAAAサーバに転送することができる。従って、UE−2(102)がUE−1(101)を介して非3GPPアクセスにその接続をハンドオーバすると、MME(123)は確立されたSGインタフェース又は他のインタフェース(例えばMTCサーバ又はSMS−SCとの)を、疑似デタッチプロセスの一部としてAAAサーバに転送しなければならない。これは、MME(123)がHSSからAAAサーバ情報を取得し、関連情報を用いてトリガをAAAサーバに送信することによって達成可能である。これによってMSC/VLR、MTCサーバ等に対するインタフェースを再確立する。あるいは、UE−2(102)は、非3GPPアクセス接続を取得した場合に、例えば認証/認可プロセスにおいて、MMEに関してAAAサーバに通知してもよい。次いでAAAサーバはMMEにSGインタフェースの転送について通知する。あるいは、MMEはそれらのインタフェースを維持するが、メッセージをAAAサーバに転送する。
【0178】
AAAサーバが、例えばSGを介したSMS又はSGを介したCSFBトリガ等、転送されたインタフェースを介したメッセージを受信すると、例えばEAP再認証要求等、UE−2(102)に対するサーバ開始AAAシグナリングをトリガする。また、このプロセスにおいて、AAAサーバはUE−2(102)にメッセージを通知し、UE−2(102)はこれに応じて動作する。
【0179】
(第7の実施の形態:非3Gアクセスを用いたモバイルリレー)
モバイルルータ/UE−1(101)がインタフェース113を介してリレー機能を実施し、eNodeB(129)が(非特許文献8)に定義されているようにドナーeNodeB機能を実施する場合、本発明は代替的なモードで動作することができる。
図11に示すように、UE−2(102)は、例えばWLANアクセスのような非3GPPアクセスを用いてモバイルリレー/UE−1(1201)に接続し、これは例えばLTEアクセスのような3GPPアクセスを用いてオペレータのコアネットワーク(120)に対するドナーeNodeB(1209)に接続する。UE−2(102)は非AP STA機能を実装し、UE−1(101)はIEEE802.11u(非特許文献9)に定義されているようなAP STA機能を実装する。更に、モバイルリレー/UE−1(1201)はHotspot2.0について定義されている必要な機能を実装することができる。
【0180】
UE−2(102)が、例えばHotspot2.0シーケンスに定義されているもののような検出情報及び何らかのローカル又はオペレータポリシーに基づいてモバイルリレー/UE−1(1201)に接続することを決定した場合、UE−2(102)は接続確立のために3GPP NAS手順を再使用することができる。例えば、EAPに基づいた通常のWLAN認証手順を用いる代わりに、モバイルルータ/UE−1(1201)は、IEEE802.11uのANQP特性によって3GPPベースのAKA手順をサポートする機能をブロードキャストしてもよい。この場合、UE−2(102)はANQPメッセージを用いてモバイルリレー/UE−1(1201)に対する3GPP NASメッセージをカプセル化する。次いで、モバイルリレー/UE−1(1201)は、MME(123)が基地局(eNodeB)であるかのようにこれにそのNASメッセージを転送する。これは(非特許文献8)に定義されたリレー機能のものと同様である。
【0181】
実質的に、モバイルルータ/UE−1(1201)及びUE−2(102)は、インタフェース1211上での非3Gアクセスを介して3GPPアクセスをエミュレートする(代行する)ことができ、IEEE802.11uのANQP機能が、例えばSRBのような制御プレーンを置換し、通常のWLANデータフレーム交換がユーザプレーンをエミュレートする。また、これによってUE−1(1201)及びUE−2(102)は、例えばADDTS、DELTS等のQoSアクションフレームを用いることで専用ベアラをエミュレートすることができる。
【0182】
MME(123)は、そのようなシグナリングを受信すると、UE−2(102)がモバイルリレー(1201)のもとにあるセルに移動したことを取得し、これが非3GPPアクセスを用いていることは認識しない。従って、SAE 3GPPアクセスに定義されているような通常のモビリティ手順を実行する。例えば、UE−2(102)に対するPGW(801)へのPDN接続を、ドナーeNodeB(1209)又はモバイルリレー/UE−1(1201)が新しいサービングゲートウェイであるかのように、これらにハンドオーバする。この場合、UE−2(102)が今なお3GPPアクセスを介して接続されているかのように、UE−2(102)に対する全サービスは、モバイルリレー/UE−1(101)を介してUE−2(102)に提供することができる。
【0183】
代替的な動作においては、モバイルリレー/UE−1(1201)は、接続が可能となる前に、UE−2(102)の認証のための非3GPP手順に従ってもよい。このような場合、モバイルリレー/UE−1(1201)は、オペレータのコアネットワーク(120)における図示しないAAAサーバに接続し、例えばEAPベースのAAAのような非3GPPアクセス手順に従ってこれを処理する。しかしながら、このプロセスでは、モバイルリレー/UE−1(1201)はAAAサーバに対して、これが純粋なアクセス制御のためのものであり、従って、例えばPGW又はPCCフレームワークに伝達する等の他の手順をAAAサーバが実行する必要はないことを示すことができる。UE−2(102)が接続された後、前述の動作におけるように、3GPPベースのNASシグナリングを用いてモバイルルータ/UE−1(1201)において適正なコンテキストセットアップを得ることができる。このように、モバイルルータ/UE−1(1201)にはセキュリティが追加される。更に、これは単に初期接続セットアップのためであるので、追加のシグナリングによってシステムに多くの負担を加えることはない。UE−2(102)及びモバイルリレー/UE−1(1201)は、この接続に関する何らかのセキュリティコンテキストを節約することができるので、次回それらが非3GPP認証手順を再び行う必要はない。これによって更に余分のシグナリングを低減させることができる。
【0184】
UE−2がその接続を同一のUE−1を介した3Gセルラーと非3G(WLAN)アクセスとの間で切り換える決断に関して、これは、現在のトラフィックが非3Gアクセスを介して(又は3Gアクセスを介して)ルーティングされる必要があることをUE−2が検出したことに基づいたものであってもよい。その理由としては、何らかのオペレータポリシー(例えばISMP(システム間モビリティポリシー)もしくはISRP(システム間ルーティングポリシー)、又はUE−2の条件/好み(例えば残りの電池レベル、アプリケーションに必要な帯域幅に従って)、又は、UE−1又はオペレータネットワークによる、UE−2のトラフィックのための非3Gアクセスに対するSIPTO(Selected IP Traffic Offloading)の開始(又は非3GPPから3GアクセスへのSIPTOの開放)の決定が挙げられる。
【0185】
(第8の実施の形態:UE−2がローミング中である)
上述の実施の形態の動作においては、UE−2(102)はローミング中のユーザである、すなわちMME(123)のものとは異なるオペレータのネットワークから来ている場合がある。この場合、MME(123)はこれをUE−2(102)のコンテキストから知り、例えばステップ2013又は3015においてコンテキストバインディングプロセスで特別なフラグをセットする。従って、MME(123)が例えばステップ2021又は3025においてトンネルページングを実行した場合、かかる指示が含まれる。UE−2(102)は、特別なフラグを有するそのようなページングを受信すると、そのホームネットワークに接続しなければならないことを知る。保留中のサービスはホームネットワークからのみサポートされるからである。これが特に有用であるのは、例えばVoLTE、緊急、サービスユーザ等、MME(123)がサービスの性質を知っており、現在のネットワークがそれをサポートしないと決定可能である場合である。これはUE−2(102)のための時間及びエネルギを著しく節約して、3Gインタフェースを起動した場合に追加のドメイン選択を回避することができる。
【0186】
MME(123)がUE−2(102)のサービス要求手順の間にそのような情報を示すことができることは、当業者には明白である。
【0187】
(第9の実施の形態:PLMNベースの決定)
(MRがUEの決定のためにそのオペレータ情報を提供する)
上述の動作において記載したように、モバイルルータ/UE−1(101)は、UE−2(102)のための追加情報を通知して接続確立を決定してもよい。例えばモバイルルータ/UE−1(101)は、IEEE802.11u又はHotspot2.0をサポートする場合、現在インタフェース113を用いていることをPLMN又はePLMNに示してもよい。これをチェックすることでUE−2(102)は、例えばPLMN ID又はePLMN IDに基づいて、UE−1(101)が同一のオペレータネットワークに接続されているか否かを決定することができる。実行しているアプリケーション及び/又はオペレータポリシーに応じて、UE−2(102)は、もっとインテリジェントな決定を行って、起こり得るサービス中断を回避し、例えばUE−1のPLMNがUE−2としてのオペレータのものであるか又はPLMNが同一である場合にUE−1に対する接続又はハンドオーバ手順を開始する。
【0188】
(UEがMRの決定のためにそのオペレータ情報を提供する)
また、UE−2(102)は、UE−2(102)についてバインディング/疑似デタッチプロセスを開始するか否かを決定するために、モバイルルータ/UE−1(101)に追加情報を示してもよい。例えば、UE−2(102)は、モバイルルータ/UE−1(101)とWLAN接続を確立した場合に、その3GPPインタフェースでの現在接続されている(又は記録されている)オペレータを示してもよい。例えば、IEEE802.11u機構を用いて、又はIPレイヤDHCP/RSメッセージに対する拡張によって、PLMN ID又は同等のPLMN IDを示す。このように、モバイルルータ/UE−1(101)は、UE−2(102)が同一のオペレータのネットワークによって対応されているか否か、及び、リソース最適化が集約の実行によって達成可能であるか否かを決定することができる。モバイルルータ/UE−1(101)は、UE−2(102)が提供した情報及びオペレータのポリシーに基づいて最適化が達成可能でないと決定した場合、集約を実行しない場合がある。これは例えば、それらが異なるオペレータに接続/記録されている場合である。
【0189】
(記録されたPLMNに基づくMMEの決定)
また、前述の動作において、MME(123)は、加入契約情報、双方のUEのコンテキストステータス、ローミング契約等に基づいて、UE−2(102)のコンテキストのUE−1(101)へのバインディング(疑似デタッチ)を実行するか否かを決定してもよい。例えば、MME(123)は、UE−1(101)及びUE−2(102)のコンテキストに基づいて、それらが同一のPLMN(又はePLMN)に接続されているか否かをチェックすることができ、それらが同一でない場合はバインディングを行うとネットワークリソースの無駄になる恐れがあるのでバインディングを拒絶する。あるいは、MME(123)は、ローミング契約によってUE−2(102)の現在の全サービスをUE−1(101)リンクを介してサポートすることが可能であるか否か、すなわちそれらのいずれか1つがローミング中であるか否かをチェックしてもよい。UE−1(101)のリンクを介してサポートすることができないサービスがある場合、又はネットワークリソースに無駄につながるサービスがある場合、MME(123)はバインディングを拒絶してもよい。また、加入契約プロファイルにおいてバインディングに関する特別な設定がある場合があるので、MME(123)は、UE−1(101)及びUE−2(102)の双方のHSSをチェックしてもよい。また、かかるバインディングの明示的又は暗黙的な禁止がある場合、MME(123)はバインディングを実行しない。
【0190】
(PLMNベースの決定による利点)
上述したバインディング動作の追加のチェック及び認可によって、ネットワーク及びオペレータは、バインディング動作/集約の後にネットワークリソースを常に最適化可能であることを保証することができる。また、これは、不適切なバインディング/集約によるユーザに対するサービス中断の可能性を回避することに役立つ。
【0191】
UE−1、UE−2の記録されたPLMNに基づいた、UE−1、UE−2、又はMMEによる、上述の記載に対する何らかの追加又は代替的な決定は、UE−1及びUE−2のターゲットAPNであってもよい。オペレータのポリシー又はオペレータ間のローミング契約に従って限定があるので、APNの何らかの組み合わせ(すなわち特定サービスのためのネットワーク(PDN))は可能でない場合があり、このため、UE−1及びUE−2が異なるオペレータのもとにある場合、コンテキスト集約/バインディング(疑似デタッチ)は可能でないか許容されない。例えば、異なるオペレータに接続している場合でも、インターネットトラフィックを集約することが可能であり得る(すなわちUE−1及びUE−2がインターネットアクセスについてAPNで指定された接続を有する)が、SMS(ショートメッセージサービス)、IMS(IPマルチメディアサービス)等(すなわちUE−1及びUE−2がオペレータ固有のサービスについてAPNで指定された接続を有する)等のいくつかのオペレータ固有サービスが可能でない場合がある。CSサービスが完全にそのオペレータ固有である場合、単に集約は拒絶されることがある。
【0192】
(第10の実施の形態:UE−2の別のローミングの場合)
モバイルルータ/UE−1(101)及びUE−2(102)の双方を所有するユーザが外国に旅行に行くという、前述の実施の形態とは異なる状況において、ユーザの観点からUE−1及びUE−2の接続を集約することが有利である場合がある。ユーザは実際、空港において、例えば7日間限定の無料インターネットアクセスでモバイルルータ/UE−1の加入契約を行ったので、モバイルルータ/UE−1は旅行中にHPLMNに対するセルラー接続を有するが、ユーザのモバイル電話(UE−2)はセルラーネットワークに対してローミングする。かかる場合、ユーザは彼らの支払い削減のためにUE−2がもっとモバイルルータ/UE−1を介して接続することを望むが、ユーザは、セルラー接続によってしか提供可能でないセルラー固有サービスが必要でない限り、UE−2をセルラーネットワークから切断しておきたいと思う場合がある。UE−2がセルラー接続を維持する場合、モバイルルータ/UE−1を介したWiFi接続が利用可能な時であっても、アプリケーションの一部はセルラー接続を介してパケットを送信することがある。基本的に、ユーザがUE−2において全アプリケーションの通信経路を制御することは不可能であり、このようなローミングの場合、セルラー接続を介したアプリケーションの通信はユーザにとって好ましくない。
【0193】
上述の場合にユーザ経験を改善するため、それぞれの場合について前述の実施の形態で記載した手順の間に、モバイルルータ/UE−1がホームユーザであり(すなわちそのHPLMNに接続しており)、UE−2がローミング中である(すなわちVPLMNに接続している)場合、モバイルルータ/UE−1、UE−2、又はMMEは、UE−2のコンテキストのモバイルルータ/UE−1へのバインディング(疑似デタッチ)を実行する決定を行ってもよい。この決定及び動作によって、UE−2はセルラーアクセスから切断してモバイルルータ/UE−1を介した通信を享受することができる。ただしこれは、セルラーアクセスによってしか提供可能でない何らかのオペレータ固有サービスのためにセルラーアクセスに接続する必要がある場合を除く。上述の方法に従って、UE−2は、UE−2に対するモバイルルータ/UE−1を介したページングによって通知される。これは、特にローミング中の場合の接続料金が安くなるのでユーザにとって有利である。
【0194】
上述の場合、モバイルルータ/UE−1及びUE−2は、モバイルルータ/UE−1のホームPLMNでありUE−2の訪問先PLMNである同一のPLMNに接続してもよい。他の場合、それらは異なるPLMNを実行してもよい(すなわちモバイルルータ/UE−1はホームPLMNに接続し、UE−2は訪問先PLMNに接続する)。
【0195】
また、上述のローミングの場合、MMEは、コンテキストバインディング(疑似デタッチ)を実行することの決定を、ローミング契約(例えばそのようなバインディングがホーム又は訪問先オペレータによって可能であるか否か)、又はUE−1及び/又はUE−2の加入契約(例えばそのようなバインディングが特定のUE又はモバイルルータによってそれぞれ可能であるか否か)に基づいて、行ってもよい。
【0196】
(第11の実施の形態:UEに対する明示的デタッチの指示)
上述の実施の形態における動作では、モバイルルータ/UE−1(101)、ルータ/UE−1(1101)、及びモバイルリレー/UE−1(1201)は、例えばステップ2010又は3011’の非3G HO AckメッセージにおいてUE−2(102)に対し、UE−2(102)の3GPP接続を切断可能であることを示すことができる。かかる指示は、IEEE802.11u ANQPメッセージ、又は拡張DHCP応答又はRAメッセージを用いることで達成することができる。これによって、ネットワークに頼って切断を行う代わりにUE−2(102)が3Gインタフェース切断手順を開始することを支援する。これは、ネットワークインフラストラクチャに対して及ぼす影響が少ない。
【0197】
(第12の実施の形態:UEを除去するためのモバイルルータ)
モバイルネットワーキングは接続において大きな変遷を有するので、モバイルルータ/UE−1(101)、ルータ/UE−1(1101)、又はモバイルリレー/UE−1(1201)がUE−2(102)に提供する接続及びサービスも変化してもよい。これには様々な理由があり得る。例えば、UE−1(101/1101/1201)からオペレータのネットワークへのアップリンク接続が変化したこと、又はUE−1(101)が他の何らかの重要なアプリケーション実行を開始したこと、又はこれに対してあまりに多くの端末が接続されていることである。かかる場合、例えば優先度が低い又は低下したUE−2(102)の一部には、モバイルルータ/ルータ/モバイルリレーを介した接続のために接続を維持することはおそらく意味が無いか又は利点が少ない。上述のような状況の変化によってQoSが大きく劣化する恐れがあるからである。従って、モバイルルータ/ルータ/モバイルリレーは、QoSレベルの現在の又は想定される/可能なサポートに関する情報、及び/又はモバイルルータ/ルータ/モバイルリレー又は非3GPPアクセスを介したUE−2(102)に対するバックボーンネットワークに対する負荷状況を示すことができる。これには例えば、IEEE802.11u ANQP又はHotspot2.0等に定義されているもののような追加の通知が用いられる。このように、UE−2(102)は、3GPP接続に対する接続を変更する場合、動的に決定を行ってもよい。
【0198】
UE−2(102)接続の円滑な移行をサポートするため、リアルタイム情報の他に、モバイルルータ/UE−1(101)、ルータ/UE−1(1101)、及びモバリルリレー/UE−1(1201)は、そのサービスレベルの予測を指示してもよい。例えば、新しいアプリケーションの初期化のためにQoSが1分で低下する可能性があること、又は、特定の高帯域幅及び/又は高優先度サービスのためのページングをそれに関連付けられた端末の1つについて受信したこと等を示してもよい。このように、UE−2(102)はその3Gインタフェースを起動するために長い時間を確保し、サービス及びユーザ経験の潜在的な中断の可能性を回避する。
【0199】
(第13の実施の形態:3Gアクセスを介してのみ限定されたいくつかのパケットサービスについてのコンテキスト集約/バインディング)
前述の記載において、目標は、非3GPPアクセスにのみ接続されている場合に、UEに対するネットワーク開始のNASレイヤシグナリングをサポートすることである。これによって、CSサービスのサポート、又はUEに対するNASレイヤシグナリングに依存する他のいずれかのサービスが可能となる。しかしながら、本発明は、わずかな機能拡張を行うことで他のタイプのサービスをサポートするためにも使用可能であることは明らかであろう。例えば、あるオペレータ制御によるサービスは通常、3GPPアクセスのPSドメインを介してのみ利用可能である。従って、UE−2(102)が非3GPPアクセスに接続を切り換えた場合、かかるサービスは、例えば制御されたAPNとのPDN接続の切断等のために終端する。その場合、UE−2(102)はサービスを得ることができない。
【0200】
しかしながら、
図1、
図8、
図9、及び
図10に示すように、UE−2(102)は実際、UE−1(101)の3GPP接続を介してオペレータのコアネットワークに接続されている。従って、接続が非3GPPアクセスのように見えるとしても、オペレータは条件を緩和することができ、同一のサービスをUE−2(102)に配信可能とする。これはオペレータのコアネットワーク(120)の制御装置によって達成可能である。これは例えば、MME(123)、又はPGW(801)、又は図には示さないポリシー及びチャージ制御機能(PCRF)であり、UE−2(102)の疑似デタッチステータスを認識し、UE−2(102)の非3GPPアクセスをモバイルルータ/UE−1(101)の3GPP接続に関連付ける。この関連付けによって、MME(123)は、UE−2(102)のサービスについてPSドメインコンテキストを維持し、これをUE−1(101)の(E)MM/(E)SMコンテキストにバインドすることができる。MME(123)又はPCRFは更に、PGW(801)に対し、追加の識別子によって、例えば専用ベアラを介して、サービスデータをUE−1(101)に転送するように命令することができ、UE−1(101)がこれをUE−2(102)にリレーすることを可能とする。
【0201】
上述の動作によって、UE−2(102)は、UE−1(101)によって非3GPPアクセスを介して接続された場合、オペレータのサービスを受信することができる。これによって、かかるサービスを受信するためにオペレータがUE−2(102)に対してページングをし、その3Gインタフェースをオンにする必要をなくす。従って、これにより、ネットワークシグナリングリソース及びUE−2(101)の電池の双方を節約する。
【0202】
オペレータのコアネットワーク(120)の制御装置がUE−2(102)とUE−1(101)との間の関係を取得するために、異なる方法がある。例えば、
図2及び
図3に示した手順により、LIPA−GW(141)/PGW(801)は、例えば2007、3009における非3Gハンドオーバシグナリングからこれを得ることができる。また、かかる情報は、シグナリングフラグ又は追加のIEによってMME(123)及びPCRFに伝播させることができる。
【0203】
なお、上記の各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブ ル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
【0204】
本発明は、移動端末が非3GPPアクセスを介してローカルIPアクセスにアクセスすることを可能とする利点があり、その3GPPアクセスが切り離されてもなおCSサービス指示を享受する。従って、本発明は、モバイル通信システムにおいて遠隔ローカルIPアクセスの管理として有利に使用可能である。