特許第5984832号(P5984832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984832
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】チゼルホルダ
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/085 20060101AFI20160823BHJP
   E21C 35/18 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   E01C23/085
   E21C35/18
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-541371(P2013-541371)
(86)(22)【出願日】2011年12月2日
(65)【公表番号】特表2014-501861(P2014-501861A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】EP2011071588
(87)【国際公開番号】WO2012072786
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2013年8月2日
(31)【優先権主張番号】102010061019.4
(32)【優先日】2010年12月3日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102011051521.6
(32)【優先日】2011年7月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】301064954
【氏名又は名称】ヴィルトゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Wirtgen GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ツィルス バリマーニ
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ブーア
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ヘーン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レーナート
【審査官】 石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−530393(JP,A)
【文献】 特表2008−528831(JP,A)
【文献】 特表2008−503669(JP,A)
【文献】 特開2010−203197(JP,A)
【文献】 特表2008−540875(JP,A)
【文献】 特開2000−234490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/085
E01C 23/12
E21C 35/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面用加工機械のチゼルホルダであって、当該チゼルホルダは、ベース部分(10)と共に工具コンビネーションを形成し、支持体(21)を備え、差込み突出部(30)が前記支持体(21)に間接的に又は直接的に該支持体(21)の一方の側において接続されており、前記支持体(21)は、前記差込み突出部(30)が接続されている差込み突出部側に、2つの第1のストリッピング面(29.1)及びつの第2のストリッピング面(29.4)を有し、該2つの第1のストリッピング面(29.1)同士及び該2つの第2のストリッピング面(9.4)同士はそれぞれ互いに角度(ε,ε)を成して位置しており、前記支持体(21)は、前記差込み突出部(30)とは反対の側に、チゼル収容部(27)を備えた加工側を有する、チゼルホルダであって、
前記2つの第1のストリッピング面(29.1)及び記2つの第2のストリッピング面(29.4)はそれぞれ、差込み突出部側から加工側に向かって互いに拡開するように、前記角度(ε,ε)を成しており、前記ベース部分(10)は、前記2つの第1のストリッピング面(29.1)及び前記2つの第2のストリッピング面(29.4)にそれぞれ対応する2つの第1の支持面(16.1)及び2つの第2の支持面(16.2)を有していることを特徴とする、チゼルホルダ。
【請求項2】
前記2つの第1のストリッピング面(29.1)及び記2つの第2のストリッピング面(29.4)の面垂線はそれぞれ、工具送り方向(v)で見てチゼルホルダのそれぞれの側に向いている、請求項1記載のチゼルホルダ。
【請求項3】
第1のストリッピング面(29.1)及び2のストリッピング面(29.4)は、00°〜140°の範囲の鈍角(ε,ε)を成していて、1のストリッピング面(29.1)は、互いに100°〜120°の範囲の角度を成し、かつ2のストリッピング面(29.4)は、互いに120°〜140°の範囲の角度を成している、請求項1又は2記載のチゼルホルダ。
【請求項4】
前記第1及び第2のストリッピング面(29.1,29.4)はそれぞれ、前記差込み突出部側の領域において、少なくとも部分的に移行部分(29.2,29.5)を介して互いに結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項5】
前記第1及び第2のストリッピング面(29.1,29.4)はそれぞれ、ストリッピング面対を形成しており、前記第1のストリッピング面(29.1)は第1のストリッピング面対を形成し、前記第2のストリッピング面(29.4)は第2のストリッピング面対を形成しており、前記ストリッピング面対の間の角度を2等分する角度2等分線の平面が、第1及び第2のストリッピング面(29.1,29.4)の間にそれぞれ形成されており、前記2等分線の平面には、前記ストリッピング面対の両ストリッピング面(29.1,29.4)に対して平行に延びている長手方向中心軸線(MLL)が位置しており、前記差込み突出部(30)の長手方向軸線(M)と前記ストリッピング面対の長手方向中心軸線(MLL)とは、100°〜130°の範囲の角度(β,μ)を成している、請求項1から4までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項6】
前記2つの第1のストリッピング面(29.1)は、送り方向(v)において少なくとも部分的に前記差込み突出部(30)の前に配置され、かつ前記2つの第2のストリッピング面(29.4)は、送り方向(v)において少なくとも部分的に前記差込み突出部(30)の後ろに配置されている、請求項2から5までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項7】
前記支持体(21)の、第1のストリッピング面(29.1)とは反対側に位置する前記加工側に、摩耗防止のために役立つエプロン(22)が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項8】
第2のストリッピング面(29.4)は、前記支持体(21)の、チゼル収容部(27)とは反対の側で送り方向(v)で見て後ろに配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項9】
前記チゼル収容部(27)の前記長手方向中心軸線(24.1)は、前記2つの第2のストリッピング面(29.4)の間に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項10】
第1のストリッピング面(29.1)の前記ストリッピング面対の前記長手方向中心軸線(MLL)と、前記チゼル収容部(27)の長手方向中心軸線(24.1)との間における角度(α)は、40°〜60°の範囲ある、請求項1から9までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項11】
第2のストリッピング面(29.4)の前記ストリッピング面対の前記長手方向中心軸線(MLL)と、前記チゼル収容部(27)の長手方向中心軸線(24.1)との間における角度(φ)は、70°〜90°の範囲ある、請求項1から10までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項12】
前記チゼル収容部(27)は、貫通孔として形成されていて、前記差込み突出部側において、前記チゼル収容部(27)内に進入した廃石粒子を搬出するための排出通路(28)に移行しており、該排出通路(28)は、少なくとも部分的に、前記2つの第2のストリッピング面(29.4)の間の範囲において終端する、請求項1から11までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項13】
第1のストリッピング面(29.1)及び第2のストリッピング面(29.4)はそれぞれ、ストリッピング面対を形成し、該ストリッピング面対において前記ストリッピング面(29.1と29.1、29.4と29.4)はそれぞれ、互いにV字形を成すように位置している、請求項1から12までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項14】
第1のストリッピング面対の1つの第1のストリッピング面(29.1)と第2のストリッピング面対の1つの第2のストリッピング面(29.4)とは、それぞれ、互いに20°〜160°の範囲の角度(ω)を成して位置し、かつ支持領域を形成する、請求項13記載のチゼルホルダ。
【請求項15】
前記2つの第1のストリッピング面(29.1)及び記2つの第2のストリッピング面(29.4)の面垂線はそれぞれ、前記送り方向(v)に対して傾けられて延びている、請求項1から14までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項16】
前記2つの第1のストリッピング面(29.1)及び前記2つの第2のストリッピング面(29.4)の間に、前記角度2等分線を含む共通の平面が配置されており、前記差込み突出部(30)の長手方向軸線(M)は、前記平面内に位置していて、前記2つの第1のストリッピング面(29.1)同士及び前記2つの第2のストリッピング面(9.4)同士はそれぞれ、前記平面に対して対称的に配置されている、請求項5から15までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【請求項17】
前記支持体(21)への前記差込み突出部(30)の接続領域は、少なくとも80%が、前記第1のストリッピング面(29.1)によって形成された前記ストリッピング面対の領域に配置されている、請求項1から16までのいずれか1項記載のチゼルホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面用加工機械、特に路面切削機用、採鉱用機械又はこれに類した機械用のチゼルホルダであって、支持体を備え、差込み突出部が前記支持体に間接的に又は直接的に差込み突出部側において接続されており、前記支持体は、2つの第1のストリッピング面及び/又は2つの第2のストリッピング面を有し、該第1及び第2のストリッピング面はそれぞれ互いに角度を成して位置しており、前記支持体は、チゼル収容部を備えた加工側を有する、チゼルホルダに関する。
【0002】
US3992061に基づいて公知のチゼルホルダは、差込み突出部を一体に成形された支持体を形成する。この場合支持体は、チゼル収容部として形成された円筒形の孔によって貫通されている。チゼル収容部内には、加工工具、ここでは円形シャンクチゼルを、挿入することができる。支持体は、互いに角度を成して位置する2つのストリッピング面を有し、両ストリッピング面は、ベース部分の対応する支持面における支持のために役立つ。ベース部分は、差込み収容部を有し、この差込み収容部には、チゼルホルダの差込み突出部を交換可能に挿入することができる。取り付けられた状態において、チゼルホルダのストリッピング面は、ベース部分の支持面に接触している。確実な面対応を維持するために、ベース部分の差込み収容部において差込み突出部をクランプするクランプねじが使用される。
【0003】
加工使用中、加工工具は、加工される地面に係合する。この際に大きな加工力が伝達される。このような加工力は、加工工具からチゼルホルダに伝達される。そして加工力は、チゼルホルダにおいてストリッピング面を介してベース部分へとさらに伝えられる。
【0004】
加工係合中、力の方向及び力の値は、その他の点で同じ条件下でも、単に、加工工具が、入口点から出口点に向かって肉厚になるチップ(コンマチップ)を形成するという事実に基づいて、変化する。さらに力の方向及び値は、例えば切削深さ、送り、加工される材料等のような種々様々なパラメータに関連して変化する。US3992061に開示されたチゼルホルダの構成は、加工力を、特に、高い送り速度時に、十分に良好な工具寿命でもたらすことができない。特にストリッピング面は短期間のうちに駄目になってしまう。さらに差込み突出部もまた、高い曲げ負荷にさらされ、部材疲労の後で差込み突出部が破損するおそれがある。
【0005】
DE3411602A1に基づいて公知の別のチゼルホルダは、突出部を介してベース部分に支持された支持体を有する。この支持体にはクランプ部分が成形されていて、このクランプ部分は、くさび結合部を介してベース部分に緊締することができる。
【0006】
US4828327に開示されたチゼルホルダは、中実のブロックとして形成されていて、チゼル収容部によって貫通されている。さらにチゼルホルダは、ねじ山付受容部を有し、このねじ山付受容部は、ベース部分のねじ受容部に整合して位置している。ねじ受容部を通して、固定ねじを貫通させ、チゼルホルダのねじ山付受容部にねじ込むことができる。固定ねじの引き締め時に、チゼルホルダは、ベース部分のL字形の切欠き内に引き込まれ、そこで支持面に支持される。
【0007】
上に述べたチゼルホルダは、通常、フライスドラムの表面に突出して配置されている。加工使用中には、工具送り方向に対して横方向に作用する横力も発生する。このような横力は、US4828327に記載されたチゼルホルダによっては、もはや十分安定的に受け止めることができない。特に、このような横力は固定ねじに伝達され、これにより固定ねじは強い剪断応力を受けることになる。
【0008】
本発明の課題は、冒頭に述べたチゼルホルダを改良して、高められた安定性によって傑出するチゼルホルダを提供することである。
【0009】
この課題を解決するために本発明の構成では、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面は、差込み突出部側から加工側に向かって拡がっている。
【0010】
このように構成されていると、ストリッピング面は、差込み突出部の領域において角柱形状の支持部を形成し、チゼルホルダからベース部分への確実な力伝達を可能にする。この直接的な支持によって、加工使用中における差込み突出部の負荷も減じられる。ストリッピング面の本発明による配置形態は、地面用加工工具において典型的に変化する力の状態も考慮しているので、全体として、長い工具寿命を得ることができる。
【0011】
本発明の好適な態様では、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面の面垂線はそれぞれ、工具送り方向で見てチゼルホルダ側に向いている。つまりこのように構成されていると、ストリッピング面は、例えば、フライスドラムにおけるチゼルホルダの使用時に、フライスドラムの回転軸線に対して斜めに配置されている。この配置形態によって、加工使用中に生じる横力をも確実に受け止めることができ、これによって工具寿命はさらに最適化される。
【0012】
本発明の特に好適な態様では、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面は、鈍角を、特に100°〜140°の範囲の鈍角を成している。このような角度によって、チゼルホルダを、見通しのきかない箇所においても、荒っぽい工事現場運転においても、ベース部分に簡単に取り付けることができ、その結果、ストリッピング面とベース部分の支持面との確実な対応関係が保証される。さらに、場合によってはストリッピング面が支持面に対してある程度大きく損耗もしくは変形するような、長い使用時間の後でも、食い込みもしくは引っ掛かりが発生することが、阻止される。これによってチゼルホルダは、常に簡単に交換することができる。さらに、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面がこのような角度で設定されていると、加工力の確実な低減もしくは除去が保証される。この場合開放角は、工具が係合する過程において発生しかつ他のパラメータの変化によって発生する横力の各方向の大きな変動幅を、カバーしている。
【0013】
特に好適には、第1のストリッピング面の間における角度範囲は、100°〜120°の範囲であり、かつ/又は第2のストリッピング面の間における角度範囲は、120°〜140°の範囲の角度である。そしてこのように設定されていると、工具系は、特に路面切削のための使用に対して、及びその際に発生する負荷状態に対して最適化して設計されている。
【0014】
本発明によるチゼルホルダは、ストリッピング面が、差込み突出部側の領域において、少なくとも部分的に移行部分を介して互いに結合されているように、構成されていてよい。このように構成されていると、ストリッピング面が互いに角度の頂点において交わることがなくなり、損傷を生ぜしめ得るような鋭角の角度移行部の発生が阻止される。さらに移行部分によってかつベース部分との関連において、リセッティング領域を形成することもできる。これにより、ストリッピング面及び/又はベース部分の支持面が損耗した場合に、チゼルホルダがこのリセッティング空間内に連続的にリセッティングし、この際に常にストリッピング面は、支持面に接触したままである。特に、ベース部分がそのままで、チゼルホルダが新しいチゼルホルダと交換されねばならない場合、そしてこのような交換が複数回にわたっても、平らな面による接触が維持される。
【0015】
本発明の特に好適な態様では、差込み突出部は、少なくとも部分的にストリッピング面の領域において、差込み突出部側に接続されている。このように構成されていると、ストリッピング面と差込み突出部との直接的な対応付けが可能になり、これによって構成部材の寸法が小さくなり、さらに、最適化された力の伝達経路が提供される。
【0016】
本発明によるチゼルホルダの別の態様では、差込み突出部の長手方向軸線と、第1又は第2のストリッピング面によって形成された角柱の長手方向中心軸線とは、100°〜130°の範囲の角度を成している。このような態様においても、最適な力の伝達経路を得ることができる。
【0017】
本発明の別の態様では、第1のストリッピング面は、送り方向において少なくとも部分的に差込み突出部の前に配置され、かつ2つの第2のストリッピング面は、送り方向において少なくとも部分的に差込み突出部の後ろに配置されている。このような構成は、特に、加工使用中に力の状態が変化することを考慮しており、差込み突出部に対する加工力による負荷をさらに軽減する。
【0018】
本発明の好適な態様では、第1のストリッピング面は、少なくとも部分的に、前側のエプロンの下面を形成する。前側のエプロンは通常、ベース部分の前側領域を覆っていて、これによって摩耗を防止する。好適な態様では、この前側のエプロンを、ストリッピング面を形成するためにも使用することによって、コンパクトな構造形態が得られ、チゼルホルダの製造を簡単にすることができる。
【0019】
本発明の別の態様では、第2のストリッピング面は、少なくとも部分的に、背側の支持突出部の下面を形成する。この場合、特定の使用条件では、背側の支持突出部を介して、力の大部分が伝達される。チゼルホルダに、例えば加工工具、特に丸形シャンクチゼルを収容するためのチゼル収容部、特に孔が設けられているような構成では、チゼル収容部の長手方向中心軸線が、少なくとも部分的に、ストリッピング面の間に配置されていると、好適である。このように構成されていると、一方では、加工工具を介してもたらされた加工力を両方のストリッピング面に良好に分配することができる。さらに他方ではチゼルホルダを、フライスドラムに対して種々異なった方向付けで位置決めすることができ、そしてこの際に確実な力伝達が維持される。
【0020】
また、第1のストリッピング面の角柱の長手方向中心軸線と、チゼル収容部の長手方向中心軸線との間における角度が、40°〜60°の範囲、特に好適には45°〜55°の範囲であり、かつ/又は、第2のストリッピング面の角柱の長手方向中心軸線と、チゼル収容部の長手方向中心軸線との間における角度が、70°〜90°の範囲、特に好適には75°〜85°の範囲であると、低減もしくは逃がすべき力を長手方向力と横力とに最適に分配できることが、判明している。上に記載の角度位置はまた、チゼルホルダがストリッピング面の形態によって極めて大きな構造幅にならないことを、保証し、ひいては、材料に関して最適化された構造が保証される。
【0021】
本発明の別の態様では、チゼル収容部は、排出通路に移行しており、該排出通路は、少なくとも部分的に、第2のストリッピング面の間の範囲において終端する。従って排出通路は、ストリッピング面が互いに鋭角的に接続しないように、配置されている。
【0022】
本発明の特に好適な態様では、第1のストリッピング面及び第2のストリッピング面はそれぞれ、ストリッピング面対を形成し、該ストリッピング面対においてストリッピング面はそれぞれ、互いにV字形を成すように位置している。ストリッピング面が互いにV字形を成すように位置していることによって、工具装置構造の意味において角柱が形成される。そしてこの2つの角柱は、ベース部分に対するチゼルホルダの安定した支持を保証する。第1もしくは第2のストリッピング面によって形成された角柱は、長手方向中心軸線を有する。この長手方向中心軸線は、両ストリッピング面の間に形成された、角度の2等分線の平面に位置している。
【0023】
上記態様に加えて、第1のストリッピング面対の1つの第1のストリッピング面と第2のストリッピング面対の1つの第2のストリッピング面とが、それぞれ、互いに角度を成して、好適には、120°〜160°の範囲の角度を成して位置し、かつストリッピング面対が支持領域を形成すると、チゼルホルダを、ベース部分の、同様に対応するように形成された角度を成すチゼルホルダ収容部内に、挿入し、その中で安定的に支持することができる。相応な配置形態は、第1及び第2のストリッピング面対の残っている面に対しても通用し、つまり両方の角柱は、互いに角度を成して位置していて、同様に1つの角柱を形成する。この場合開放角は、工具が係合する過程において発生しかつ他のパラメータの変化によって発生する長手方向力の各方向の大きな変動幅を、カバーしている。
【0024】
本発明のさらに別の態様では、差込み突出部の長手方向中心軸線は、第1及び/又は第2のストリッピング面対の角度2等分線に対して−10°〜+10°の角度範囲に位置している。このように構成されていると、チゼルホルダとベース部分との緊締時に、均一な予荷重が加えられる。特に好適な態様では、差込み突出部の長手方向中心軸線は、第1及び/又は第2のストリッピング面対の角度2等分線に対して−2°〜+2°の角度範囲に位置している。
【0025】
本発明によるチゼルホルダの別の態様では、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面の面垂線は、送り方向に対して傾けられて延びており、このように構成されていると、横力を確実に伝達することができる。
【0026】
本発明の特に好適な態様では、第1のストリッピング面及び/又は第2のストリッピング面の間に、角度2等分線を含む平面が配置されており、差込み突出部は、前記平面に対して対称的に配置されている。このような対称的な構成によって、チゼルホルダは、フライスドラム又はこれに類したものの種々様々な取付けポジションにおいても取り付けることができ、つまり、チゼルホルダは1つのバリエーションしか必要でなく、左側用チゼルホルダ及び右側用チゼルホルダで作業を行う必要がなくなる、という利点が得られる。
【0027】
差込み突出部の負荷を軽減し、かつ差込み突出部を疲れ破損から保護するために、本発明の別の態様では、支持体への差込み突出部の接続領域は、少なくとも80%が、第1のストリッピング面によって形成されたストリッピング面対の領域に配置されている。
【0028】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ベース部分及びチゼルホルダの工具コンビネーションを示す斜視図である。
図2図1に示した工具コンビネーションを分解して示す図である。
図3図1及び図2に示したチゼルホルダの正面図である。
図4図1図3に示したチゼルホルダの背面図である。
図5図1図4に示したチゼルホルダを左から見た側面図である。
図6図5に示したチゼルホルダをその横方向中心平面で切断して、左から見た断面図である。
図7図1図6に示したチゼルホルダを右から見て、一部を断面した側面図である。
図8図5のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図9図7のIX−IX線に沿った断面図である。
図10図7のX−X線に沿った断面図である。
図11図1に示した工具コンビネーションを上から見た図である。
図12図11のXII−XII線に沿った断面図である。
図13図5に示したチゼルホルダを前から見た図である。
図14】チゼルホルダを後ろから見た図である。
図15】チゼルホルダを斜め上から見た図である。
【0030】
図1には、ベース部分10とチゼルホルダ20とから成る工具コンビネーションが示されている。この場合チゼルホルダ20は、交換可能にベース部分10に結合されている。ベース部分10は、中実のベース体13を有し、このベース体13は下側の接続面11を有する。この接続面11は、凹面状に湾曲しており、この湾曲は、フライスドラム(Fraeswalzenrohr)の外径に相応して選択されている。これによってベース部分10は、その接続面11で、フライスドラムの外面に装着され、該フライスドラムに堅固に溶接されることができる。ベース体13は前側に突出部を有し、この突出部は側部において斜面14によって、かつ前側において傾斜面15によって画定されている。傾斜面15は互いに角度を成して隣接しており、斜面14は傾斜面15に対して角度を成して接続している。これによって、前側においては、ベース部分10の矢印状の幾何学形状が生ぜしめられ、このような幾何学形状によって、ベース部分10の良好な除去作用(Raeumwirkung)が得られる。
【0031】
図2から明らかなように、ベース部分10には、差込み収容部16.7を備えたチゼルホルダ収容部16が加工されている。この場合差込み収容部16.7はベース体13を完全に貫通していて、これにより接続面11において開口する。ベース部分10には、ねじ山付収容部18が加工されており、このねじ山付収容部18は、差込み収容部16.7において開口する(図12参照)。チゼルホルダ収容部16は、第1の支持面16.1と第2の支持面16.2とを有する。第1の支持面16.1は第1の支持面対を形成し、第2の支持面16.2は第2の支持面対を形成する。この場合各支持面対において支持面16.1,16.2は、それぞれ互いに角度を成して配置されている。さらに支持面16.1もそれぞれ支持面16.2に対して角度を成して位置していて、これによって鈍角のチゼルホルダ収容部16が形成される。個々の支持面16.1,16.2の間の移行領域には、切欠きもしくは凹部として形成されたリセッティング空間(Nachsetzraum)16.3,16.4,16.5がそれぞれ設けられている。リセッティング空間16.5の領域にはさらに、チゼルホルダ収容部16からねじ山付収容部18への移行部を形成する凹部16.6が設けられている。
【0032】
図2からさらに分かるように、ねじ山付収容部18への入口の周りには面17が形成され、この面17は側部において斜面によって画定されており、これらの斜面は、ベース部分10の背面に向かって拡がって開放している。このように構成されていると、面17の容易な掃除可能性、ひいては押圧ねじ40の工具係合部43の容易な掃除可能性が得られる。押圧ねじ40は、ねじ山部分41を有し、このねじ山部分41でねじ山付収容部18にねじ込むことができる。さらに押圧ねじ40は、円錐台形状のピンの形をした押圧突出部42を備えて形成されており、この押圧突出部42は、ねじ山部分41に一体に成形されている。
【0033】
図2からさらに分かるように、ベース部分10にはチゼルホルダ20を結合することができる。チゼルホルダ20は、前側にエプロン22を備えた支持体21を有する。このエプロン22は、一体に成形されたウェブ22.1を有し、このウェブ22.1は、エプロン22を起点として上方に向かって上昇する。支持体21にはまた突出部23も一体に連結されており、この突出部23は円筒部分24において終端している。この円筒部分24には摩耗マーキングが設けられていて、これらの摩耗マーキングは、図示の実施形態では環状溝26として形成されている。円筒部分24は、チゼル収容部27の孔入口を同心的に取り囲む支持面25で終端している。チゼル収容部27は、斜面形状の導入部分27.1を介して支持面25に移行する。
【0034】
図4に示すように、チゼル収容部27は貫通孔として形成されている。支持体21は、排出通路(Spuelkanal)28として働く背側の凹部を備えている。従ってこの排出通路28は、チゼル収容部27をその孔出口の領域において半径方向外側に向かって開放している。これによって、チゼル収容部27内への工具挿入中に進入した廃石粒子(Abraumpartikel)を、排出通路28を通して半径方向外側に向かって搬出することができる。
【0035】
図3に示すように、支持体21は、エプロン22の領域に第1のストリッピング面(Abtragflaeche)29.1を有する。これらのストリッピング面29.1は、互いに鈍角ε図13参照)を成して位置していて、移行部分29.2を介して互いに接続されている。この場合第1のストリッピング面29.1の間の角度εは、ベース部分10の第1の支持面16.1の間の角度に相当する。
【0036】
図4から分かるように、支持体21は背側に、下方に向かって延びる第2のストリッピング面29.4を有する。この第2のストリッピング面29.4は互いに角度εを成して位置しており(図14参照)、第2のストリッピング面29.4の間におけるこの角度εもまた、ベース部分10の第2の支持面16.2の間における角度に相当する。第1のストリッピング面29.1が移行部分29.2を介して互いに移行し合っているのに対して、第2のストリッピング面29.4の間では、移行領域が、排出通路28と移行部分29.5とによって形成されている。
【0037】
ストリッピング面29.1,29.4はそれぞれ、角柱の形をしたストリッピング面対を形成している。この場合これらの角柱は長手方向中心軸線MLLを有し、この長手方向中心軸線MLLは、両第1のストリッピング面29.1の間もしくは第2のストリッピング面29.4の間の、2等分線の平面に形成されている。図13及び図14において、これらの2等分線の平面は、符号WEで示されている。長手方向中心軸線は、図13及び図14において符号MLLで示され、この場合長手方向中心軸線MLLは基本的に、2等分線の平面内において任意の位置を取ることができる。
【0038】
図3及び図4図13及び図14との関連において、示されているように、第1のストリッピング面29.1と第2のストリッピング面29.4とは、差込み突出部側を起点として加工側に向かって拡がっている。図示の実施形態ではこの場合相応に、ストリッピング面29.1,29.4に対する面垂線は、差込み突出部側から加工側に向かって収斂している。従って面垂線は、加工力が工具系に導入される工具係合点の領域に収斂する。
【0039】
それぞれ第1及び第2のストリッピング面29.1;29.4を備えた2つのストリッピング面対の使用は、工具係合中における加工力の分散を、最適に考慮する。工具係合中には、コンマチップ(Kommaspan)が発生する。このチップ形成時には、力の大きさのみならず、力の方向も変化する。それに応じて、工具係合の開始時に加工力は、該加工力がむしろ、第1のストリッピング面29.1によって形成されたストリッピング面対を介して導かれるように、作用する。工具係合が進行すると、加工力の方向が回転し、加工力は、第2のストリッピング面29.4によって形成されたストリッピング面対を介してより多く導かれる。従って、ストリッピング面対の間の角度γ′(図5)は、加工力の分散が考慮されるように、そして加工力が常に、ストリッピング面対によって形成される角柱内に作用するように、形成されていなくてはならない。
【0040】
図3及び図9には、チゼルホルダ20の横方向中心平面MQがマーキングされている。チゼルホルダは、この横方向中心平面MQに対して鏡面対称的に構成されているので、チゼルホルダはフライスドラムにおいて右側部分として使用することも又は左側部分として使用することもできる。
【0041】
図3及び図4には、通常の矢印表示で送り方向が示されている。この送り方向に対して横方向に、チゼルホルダ側面が配置されている。従ってストリッピング面29.1,29.4の面垂線は、図3及び図4から明らかなように、チゼルホルダ20の、工具送り方向で見て側方に、かつ下方を向いている。図5には、このことが再度、側面図で示されている。
【0042】
しかしながら加工力は、図5に示した図平面の方向において作用するのみならず、むしろ図平面に対して横方向にも作用する。このような横方向成分は、ストリッピング面29.1,29.4の角度を成した設置形態(ε,ε)を介して、理想的に受け止められる。工具係合の開始時に加工力は横方向に僅かしか分散しないので、角度εは、角度εより小さく選択されてもよい。
【0043】
図5がさらに示すように、支持体21には差込み突出部30が一体に成形されていて、丸み付けをされた円形移行部29.3を介して、第1のストリッピング面29.1及び第2のストリッピング面29.4に移行している。この場合差込み突出部30は、この差込み突出部30がほぼ、図示の実施形態では約90%、第1のストリッピング面29.1の領域において、支持体21に接続するように、配置されている。差込み突出部30は前側に2つの接触面31.1を有する。この2つの接触面31.1は、図3から分かるように、凸面状に湾曲された円筒面として形成されている。接触面31.1は、差込み突出部30の長手方向中心軸線Mに沿ってかつ平行に延びている。従って接触面31.1は互いに平行でもある。接触面31.1は、差込み突出部30の周方向において互いに間隔をおいて配置されている。接触面31.1は等しい曲率半径を有し、1つの共通の部分円に配置されている。この曲率半径は、部分円直径の半分に相当する。接触面31.1の間の領域には、切欠き31.2が設けられていて、この場合接触面31.1は切欠き31.2に対して平行に延びている。この切欠きは種々異なった形状を有することができ、例えば単純な鏡面対称体(Anspiegelung)であってよい。図示の実施形態において切欠き31.2は、接触面31.1の間において凹面状に凹んでいる凹設部を形成している。この場合凹面は、部分円筒形の幾何学形状が生じるように、設計されている。切欠き31.2は、差込み突出部30の全長にわたって延びているのではなく、図13から分かるように、差込み突出部30の部分領域にわたってしか延在していない。切欠き31.2は、差込み突出部30の自由端部に向かって、つまり差込み方向に開放している。切欠き31.2はまた、アンダカットなしに半径方向外側に向かっても開放している。接触面31.1とは反対の側に、差込み突出部30は背側に押圧ねじ受容部32を有し、この押圧ねじ受容部32は押圧面32.1を備えている。
【0044】
図6及び図9に示すように、切欠き31.2は、両接触面31.1の間において凹面状に凹んだ幾何学形状を有し、特に部分円筒形の横断面を形成することができる。
【0045】
図7図10には、差込み突出部30の構成が詳しく示されている。図9には、切欠き31.2の凹面状の窪みが明瞭に示されていて、この切欠き31.2は、凸面状の接触面31.1に接続している。図10からは、差込み突出部30が、接触面31.1に接続する領域において、ほぼ円形もしくは楕円形の横断面形状を有することが明らかである。図8には、押圧ねじ受容部32の領域が示されており、この場合押圧面32.1は、差込み突出部30の長手方向中心軸線Mに対して角度δを成している。この場合この設定角(Anstellwinkel)δは好ましくは、チゼルホルダ20の最適な引込み作用を得るために、20°〜60°の範囲である。
【0046】
図7にはさらに、押圧面32.1が、支持体21への差込み突出部30の接続領域から、間隔寸法Aの間隔をおいて配置されていることが、示されている。
【0047】
接触面31.1は、支持体21への差込み突出部30の接続領域から、間隔寸法Bの間隔をおいて配置されている。接触面31.1の面重心は、押圧面32.1の面重心から間隔寸法Cの間隔をおいて配置されている。
【0048】
ベース部分10へのチゼルホルダ20の取付けのためには、差込み突出部30が差込み収容部16.7に差し込まれる。この差込み運動は、第1及び第2の支持面16.1,16.2に当接する第1及び第2のストリッピング面29.1,29.4によって制限される。
【0049】
図1及び図12から分かるように、この場合対応付けは、移行部分29.2がリセッティング空間16.4の上方に位置し、リセッティング空間16.5が移行部分29.5によって橋渡しされ、側部のリセッティング空間16.3が、第1のストリッピング面29.1と第2のストリッピング面29.4との間に形成された角度領域によって橋渡しされているように、なされている。これらのリセッティング空間16.3,16.4,16.5の領域におけるチゼルホルダの間隔設定によって、ストリッピング面29.1,29.4及び/又は支持面16.1,16.2が損耗(abarbeiten)した場合に、加工使用中にチゼルホルダ20はリセッティング空間16.3,16.4,16.5内にリセット(nachsetzen)することができる。このことは特に、ベース部分10がそのままで、摩耗したチゼルホルダ20が、新たなチゼルホルダ20と交換される場合に、言える。上に述べた取付け状態を固定するために、押圧ねじ40がねじ山付収容部18にねじ込まれる。この場合押圧段部42はその平らな端面で押圧面32.1を押圧し、差込み突出部30の長手方向中心軸線Mの方向で作用する引込み力を生ぜしめる。しかしながらまた同時に、押圧ねじ40は差込み突出部30の長手方向中心軸線Mに対して角度を成して当て付けられているので、前側に向かう方向において作用する緊締力も差込み突出部30にもたらされる。この緊締力は、接触面31.1を介して、差込み収容部16.7の円筒形部分の対応する凹面状の対応面に伝達される。切欠き31.2を介して接触面31.1が互いに間隔をおいて位置していることによって、差込み突出部30が、接触面31.1によって側部に形成された2つの支持領域を介して確実に固定されることが、保証される。これによって特に、両接触面31.1によっても、発生する面圧は小さく保たれ、これにより、差込み突出部30の確実な固定が達成される。
【0050】
チゼルホルダ20が摩耗時にリセッティング空間16.3,16.4,16.5内に後退できることによって、効果的な摩耗補償を行うことができ、この場合ストリッピング面29.1,29.4は支持面16.1,16.2を如何なる箇所においても越えて延在しているので、摩耗時にはいずれにせよ、支持面16.1,16.2は均一に摩耗し、この際にまくれ又はばりが生じることはない。このような構成は特に、ベース部分10が、通常要求されるように、チゼルホルダ20の耐用寿命の数倍の長さの工具寿命を有する場合に、有利である。摩耗していないチゼルホルダ20は、この場合常に、部分的に摩耗したベース部分10においてもなお確実に緊締され、かつ保持されることができる。これによって、ベース部分10とチゼルホルダ20とによって形成される工具系が使用される機械の修理もまた、簡単になる。通常、このような機械、例えば路面切削機(Strassenfraesmaschine)又はサーフィス・マイナ(Surface Miner)には、多数の工具系が取り付けられている。この場合ベース部分10は、多くの場合、フライスドラムの表面に溶接されている。すべてのチゼルホルダ20又はチゼルホルダ20のうちの幾つかが摩耗した場合、これらのチゼルホルダは、新しい摩耗していないチゼルホルダ20又は部分的に摩耗したチゼルホルダ20(このようなチゼルホルダ20は例えば大まかな破砕作業のために使用することができる)と、簡単に交換することができる。
【0051】
交換時には、初めに押圧ねじ40が解離される。次いで、摩耗したチゼルホルダ20の差込み突出部30を、ベース部分10の差込み収容部16.7から引き出して除去することができる。次に新しい(又は部分的に摩耗した)チゼルホルダ20の差込み突出部30を、ベース部分10の差込み収容部16.7内に挿入する。この際に押圧ねじ40は必要とあれば新しい押圧ねじ40と交換することができる。そして押圧ねじ40はベース部分10にねじ込まれ、上に述べたように、チゼルホルダ20と緊締される。
【0052】
図12から分かるように、ベース部分10は突出部50を有し、この突出部50は差込み収容部16.7内に進入する。この突出部50は図示の実施形態では、円筒ピンとして形成され、この円筒ピンは、接続面11から、部分円筒形の切欠き19内に打ち込まれている。部分円筒形の切欠き19はこの場合円筒ピンを、その全周の180°以上にわたって取り囲んでおり、これにより円筒ピンは紛失不能に保持される。円筒ピンの、チゼルホルダ20内に突出する領域は、接触面31.1の間における切欠き31.2内に係合する。差込み収容部16.7内への差込み突出部30の挿入時に、突出部50は、差込み突出部30の自由端部に向かって開放する切欠き31.2内に確実に進入する。これによってベース部分10に対するチゼルホルダ20の方向付けが達成される。この方向付けは、今や第1及び第2のストリッピング面29.1,29.4が支持面16.1,16.2に正確に接触し、不適切な取付けが排除されることを保証する。さらに突出部50と、該突出部50に幾何学形状を合わせられた切欠き31.2とは、いわば鍵と錠の原理で、不注意に誤ったチゼルホルダ20がベース部分10に取り付けられることを、阻止する。
【0053】
以下に、本発明によるチゼルホルダ20の角度関係について詳しく述べる。
【0054】
図5から分かるように、チゼル収容部27の長手方向中心軸線24.1は、移行部分29.2もしくは29.5の長手方向に対して、ひいては、第1のストリッピング面29.1もしくは第2のストリッピング面29.4によって形成された角柱の長手方向中心軸線MLLに対して、角度αもしくはφを成して位置している。この場合角度αは40°〜60°の範囲であり、角度φは70°〜90°の範囲である。
【0055】
図5にさらに示すように、送り方向に対して横方向の平面にストリッピング面29.1,29.4を投影した場合(図5に相当する投影)、ストリッピング面29.1と29.4とは、互いの間に40°〜60°の範囲の角度γを成しており、もしくは、移行部分29.2と29.5との間の開放角は、図5に示した長手方向の方向付けにおいて、120°〜140°の値を有する。従って、ストリッピング面29.1,29.4によって形成された両角柱(ストリッピング面対)の長手方向中心軸線MLLの間における角度γ′は、120°〜140°の範囲である。さらに、ストリッピング面29.1,29.4のこのような投影図において、第1のストリッピング面29.1は、差込み突出部30の長手方向中心軸線Mに対して角度βを成し、第2のストリッピング面29.4は角度μを成している。同様なことは、角柱の長手方向中心軸線MLLに対しても言える。この場合角度β,μは、100°〜130°の範囲、好ましくは110°〜120°の範囲であってよい。
【0056】
図13には、第1のストリッピング面29.1が角度εを成すことが示されている。この角度εは好ましくは、100°〜120°の範囲にある。この角度εの2等分線は、一平面に位置しており、図13から明らかなように、差込み突出部30はこの平面に対して対称的に配置されている。
【0057】
同様に、後ろの第2のストリッピング面29.4もまた、図14に示すように、互いの間に角度εを成して位置している。しかしながらこの角度εは、角度εと異なっていてよく、図示の実施形態では120°〜140°であり、差込み突出部30はまた、この角度εの2等分線の平面に対して対称的に配置されかつ形成されている。
【0058】
図15には、第1のストリッピング面対の1つの第1のストリッピング面29.1と、第2のストリッピング面対の1つの第2のストリッピング面29.4とが、互いに角度ωを成して位置し、支持領域を形成することが、示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15