特許第5984908号(P5984908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984908
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】内燃機関用の排ガス再循環モジュール
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/22 20160101AFI20160823BHJP
   F02M 26/51 20160101ALI20160823BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20160823BHJP
   F28F 1/00 20060101ALI20160823BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   F02M26/22
   F02M26/51
   F28D7/10 Z
   F28F1/00 A
   F28F21/08 F
   F28F21/08 A
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-500299(P2014-500299)
(86)(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公表番号】特表2014-512475(P2014-512475A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】EP2012051553
(87)【国際公開番号】WO2012126654
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2013年11月21日
(31)【優先権主張番号】102011001461.6
(32)【優先日】2011年3月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593209987
【氏名又は名称】ピールブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ユルゲン ヒュスゲス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ウルリヒ キューネル
(72)【発明者】
【氏名】ペーター コアバッハ
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07363919(US,B1)
【文献】 特開2009−002239(JP,A)
【文献】 特開2002−242767(JP,A)
【文献】 特開平04−292795(JP,A)
【文献】 特開2004−116913(JP,A)
【文献】 特開2006−200381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00−26/74
F28D 7/10
F28F 1/00
F28F 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の排ガス再循環モジュールであって、排ガスクーラ(16)と、該排ガスクーラ(16)の上流側に配置された排ガス再循環弁(26)と、該排ガス再循環弁(26)の上流側に配置された排ガス通路(20)とを備える排ガス再循環モジュールにおいて、該排ガス再循環モジュールがアウタハウジング(2)を有し、該アウタハウジング(2)は、前記排ガス通路(20)と、前記排ガスクーラ(16)のインナハウジング(4)のための収容部(18)を形成しており、該インナハウジング(4)と前記排ガス通路(20)との間に、冷却媒体通路(14)が配置されており、冷却される前記排ガス通路(20)、前記排ガス再循環弁(26)および前記排ガスクーラ(16)の構成部分が、直接に互いに接して位置しており、前記冷却媒体通路が冷却媒体ジャケット(14)として形成されており、該冷却媒体ジャケット(14)は、前記排ガスクーラ(16)の横断面を取り囲んでおり、前記冷却媒体通路(14)は片側で前記排ガス通路(20)から隔壁(30)を介して分離されていることを特徴とする、内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項2】
前記隔壁(30)から複数のリブ(32)が前記排ガス通路(20)内に突入するように延びている、請求項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項3】
前記リブ(32)は、前記隔壁(30)に向かい合って位置する壁(34)に結合されている、請求項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項4】
前記リブ(32)は、排ガスの流れ方向で中断されて形成されている、請求項または記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項5】
前記排ガス再循環弁(26)が、前記アウタハウジング(2)内に配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項6】
前記アウタハウジング(2)内に、前記排ガス再循環弁(26)を取り囲む冷却媒体通路区分(56)が形成されており、該冷却媒体通路区分(56)は前記排ガスクーラ(16)の前記冷却媒体通路(14)に流体接続されている、請求項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項7】
前記アウタハウジング(2)が一体に形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項8】
前記アウタハウジング(2)が、砂型鋳造部品である、請求項からまでのいずれか1項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【請求項9】
前記インナハウジング(4)が、2つのダイカスト部品から成っている、請求項記載の内燃機関用の排ガス再循環モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の排ガス再循環モジュール(EGRモジュール)であって、排ガスクーラと、該排ガスクーラの上流側に配置された排ガス再循環弁(EGRバルブ)と、該排ガス再循環弁の上流側に配置された排ガス通路とを備えた排ガス再循環モジュールに関する。
【0002】
このような排ガス再循環モジュールは公知である。排ガス再循環モジュールは、内燃機関の排ガス中の有害物質を減少させるために働く。このためには、通常、排気マニホルドの背後に分岐部が設けられていて、この分岐部において、排ガス流出管路から排ガス再循環管路が分岐している。しかし、排ガス再循環管路がエンジンブロックに近付けば近付くほど、排ガスの温度はますます高くなり、排ガスの温度はこの範囲においては約700℃になり得る。特に電動モータ式に駆動される排ガス再循環弁が使用される場合、このことは、電動モータもしくは電動モータの制御ユニットの熱的な過負荷を招く。
【0003】
この問題は、CN101526048Aに基づき公知であるような構成により回避される。排ガスの流れ方向で見て、排ガス再循環弁の上流側には、プリクーラ(予冷却器)が配置されており、このプリクーラを介して、排ガスは、排ガス再循環弁のアクチュエータの熱負荷の許容範囲内にある温度にまで冷却される。それにもかかわらず、この温度は、排ガス再循環弁の過度に高度な煤汚染を回避するためにはまだ十分な高さに維持される。しかし、上記CN101526048Aに開示されているように、それぞれ管路を介して、その間に位置する排ガス再循環弁に接続される2つの個々のクーラが使用される場合、所要構成スペースに対する高い要求および大きな組付け手間が生じる。
【0004】
したがって、所要構成スペースに対する要求および組付け手間に関して最小限に抑えられていて、しかもそれと同時に狭い構成スペースにおいても高い冷却能力が得られ、かつ排ガス再循環弁が過熱および煤汚染から保護されるような排ガス再循環モジュールを提供するという課題が課せられる。
【0005】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。排ガス再循環モジュールが、外側のアウタハウジングを有し、該アウタハウジング内に前記排ガス通路が形成されていて、かつ前記排ガスクーラを形成する内側のインナハウジングが配置されており、該インナハウジングと前記排ガス通路との間に、冷却媒体通路が配置されていることにより、所要構成スペースならびに組付け手間は最小限に抑えられる。なぜならば、別個の排ガス管路が使用されなくて済み、そして各部分が直接に互いに接して位置していて、著しく少数の方法ステップで製造され得るからである。排ガス通路に隣接して配置された冷却媒体通路により、プリクーラもしくは予冷却器としての排ガス通路の機能が生じる。これにより、排ガスから既に熱が取り出されるので、排ガス再循環弁の熱的な負荷は著しく減じられる。
【0006】
有利な構成では、前記冷却媒体通路が冷却媒体ジャケットとして形成されており、該冷却媒体ジャケットが、前記排ガスクーラの横断面を取り囲んでおり、前記冷却媒体通路は片側で前記排ガス通路から隔壁を介して分離されている。こうして、前記排ガス通路と前記排ガスクーラとにおける排ガスの完全に平行な経路が実現され得る。これにより、最小限に抑えられた冷却媒体区間において、排ガス案内区間全体にわたって両通路から熱エネルギが導出され得る。
【0007】
別の改良形では、前記隔壁を起点として複数のリブが前記排ガス通路内に突入するように延びている。これらのリブの配置により、小さな区間において一層高い効率を得ることができると同時に、この区間にわたって圧力損失を最小限に抑えることができる。
【0008】
前記リブが、前記隔壁に向かい合って位置する壁に結合されていると、前記排ガス通路内での特に良好な冷却作用が得られる。前記隔壁に向かい合って位置する壁における固定により、冷却媒体の著しく僅かな熱が、前記隔壁に向かい合って位置する壁にまでも導入され得る。これにより、この壁は冷却面としても利用され得る。
【0009】
さらに、前記リブが、排ガスの流れ方向で中断されて形成されていると有利である。なぜならば、これにより排ガス流の一層良好な混合が得られるからである。これにより境界層が阻止される。こうして、冷却効率は高められる。
【0010】
排ガス再循環弁が、前記アウタハウジング内に配置されていると特に有利である。これにより、やはり別の構成部分が不要にされ得る。供給管路が回避され、ひいては特にコンパクトでかつ前組立て可能なユニットが提供される。
【0011】
前記アウタハウジング内に、排ガス再循環弁を取り囲む冷却媒体通路区分が形成されており、この冷却媒体通路区分が、前記排ガスクーラの前記冷却媒体通路に、流体が流通するように接続(「流体接続」と呼ぶ)されていると有利である。こうして、排ガス再循環弁においても熱を導出することができる。これにより、再び排ガス再循環モジュールの構成サイズおよび排ガス再循環弁の熱的な負荷が低減される。
【0012】
さらに別の改良形では、前記アウタハウジングが一体に、つまりワンピースに形成されている。このことはインタフェースを減少させ、ひいては組付け手間を減少させる。
【0013】
この場合、前記アウタハウジングは砂型鋳造部品であると有利である。この砂型鋳造部品では、排ガス通路がそのリブと共に唯1回の方法ステップにおいて一緒に鋳造され得る。比較的高い表面粗さは良好な熱伝達をもたらし、この場合、この範囲における高い温度により煤汚染が回避される。
【0014】
さらに別の改良形では、前記インナハウジングが、2つのダイカスト部品から成っている。これらのダイカスト部品はアウタハウジングの内部に配置されている。排ガスは流入時に既に予冷却されている。煤汚染を回避するために流速を高めるためには、前記リブが、ダイカスト法において小さな相互間隔を持って配置され得る。
【0015】
したがって、簡単に組付け可能でかつ構成スペースを減少させる排ガス再循環モジュールが提供される。この排ガス再循環モジュールを用いて、極めて小さな構成スペースにおいて高い効率が得られる。この場合、排ガス再循環弁の、故障なしの機能ならびに排ガスクーラの僅かな煤汚染が確保される。それと同時に、極めて高い冷却出力もしくは冷却能力が得られる。
【0016】
以下に、本発明による排ガス再循環モジュールの1実施形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による排ガス再循環モジュールを部分的に断面して示す3次元の斜視図である。
図2図1に示した本発明による排ガス再循環モジュールの平面図である。
【0018】
本発明による排ガス再循環モジュール(EGRモジュール)は、互いに内外に位置する2つのハウジングを有する。両ハウジングのうち、有利には砂型鋳造法で一体に製造される一方のハウジングは、外側に位置するアウタハウジング2であり、このアウタハウジング2内には、有利にはダイカスト法で製造されたインナハウジング4が配置されている。インナハウジング4は2つの部分から製造されていて、ポット形の第1のハウジング部分6と、この第1のハウジング部分6の横断面を閉じる、カバー8の形の第2のハウジング部分とを有している。第1のハウジング部分6と第2のハウジング部分8とは、たとえば摩擦攪拌接合により互いに結合される。カバー8からも、第1のハウジング部分6からも、複数のリブ10が、インナハウジング4の内部に形成された排ガス通路12内に突入して延びている。この排ガス通路12は本実施形態では、長手方向壁13を介して分離された2つの通路に分割されている。これらのリブ10は比較的小さな相互間隔を置いて配置されている。
【0019】
インナハウジング4は、冷却媒体通路により取り囲まれている。この冷却媒体通路は冷却媒体ジャケット14として形成されていて、アウタハウジング2とインナハウジング4との間に形成されている。相応して、これら両ハウジング2,4は、その互いに逆向きのヘッド端部のところを除いて、互いに間隔を置いて配置されている。したがって、インナハウジング4は、このインナハウジング4を取り囲む冷却媒体ジャケット14と共に排ガスクーラ16を形成している。
【0020】
アウタハウジング2は、インナハウジング4が内蔵されている収容部18の他に、本発明によれば、排ガスクーラ16に対して平行に延びる排ガス通路20と、冷却媒体通路22とを有しており、さらに排ガス再循環弁(EGRバルブ)26のための収容部24を形成している。
【0021】
上記排ガス通路20は、アウタハウジング2の内部に設けられた排ガス入口28から、反対の側にまで延びている。この排ガス通路20の横断面を片側で画定する壁が、排ガスクーラ16の冷却媒体ジャケット14に対する隔壁30である。この隔壁30からは、複数のリブ32が排ガス通路20内に突入して、反対の側に位置する壁34にまで延びているので、冷却作用は、隔壁30と冷却媒体ジャケット14との接触により、反対の側に位置する壁34にまで伝達される。排ガスの流れ方向において、リブ32は中断されて形成されているので、排ガス流の混合が可能となる。これらのリブ32は、排ガスクーラ16のリブ10よりも著しく大きく互いに遠ざけられているので、圧力損失は小さなままとなり、砂型鋳造における製造が可能になる。
【0022】
排ガス通路20は、排ガス再循環弁26に設けられたハウジングチャンバ36に接続されている。このハウジングチャンバ36内には、排ガス再循環弁26の弁ロッド38が延びている。この弁ロッド38には2つの弁ポペット40,41が取り付けられている。両弁ポペット40,41は、収容部24内に差し込まれた排ガス再循環弁ハウジング37に形成された弁座42,43と協働する。一方の弁ポペット40の、ハウジングチャンバ36とは反対の側には、変向チャンバ44が配置されている。この変向チャンバ44はアウタハウジング2と、この側でアウタハウジング2を閉じるカバー46とによって形成されている。このカバー46は、ねじ48を介してアウタハウジング2に固定されている。変向チャンバ44は、インナハウジング4の手前にまで延びている。この変向チャンバ44は、排ガス再循環弁ハウジング37とアウタハウジング2との間の通路(図示しない)を介して、チャンバ49にも流体接続されている。このチャンバ49は、他方の弁ポペット41の、ハウジングチャンバ36とは反対の側でアウタハウジング2内に配置されている。
【0023】
アウタハウジング2の反対の側の端部には、出口ハウジング50がねじ52を介して固定されている。この出口ハウジング50内には、排ガス逆止弁が配置されていてよい。
【0024】
既に述べたように、アウタハウジング2内には、冷却媒体通路22も形成されている。この冷却媒体通路22は冷却媒体入口54から排ガスクーラ16に対して平行に延びていて、冷却媒体ジャケット14に対して流体接続を有している。この冷却媒体ジャケット14は冷却媒体通路区分56に対して流体接続を有している。冷却媒体通路区分56は排ガス再循環弁ハウジング37を少なくとも部分的に取り囲んでいる。冷却媒体通路区分56を介して、排ガス再循環弁26の電動モータ式のアクチュエータ58に対する熱的なシールドが行われる。この電動モータ式のアクチュエータ58はコネクタ60を介してエンジン制御ユニットに接続可能である。冷却媒体通路区分56からは、冷却媒体が冷却媒体出口62を介して再びアウタハウジング2から流出し得る。
【0025】
したがって、排ガスが排ガス入口28を介して排ガス通路20内に流入すると、この排ガスは隔壁30とリブ32とを介した接触により予冷却されるので、排ガスの温度は、排ガス再循環弁26のハウジングチャンバ36内への流入時には既に十分に減少されており、この場合、排ガス再循環弁26の熱的な過負荷が回避される。それと同時に、この温度はまだ、弁ポペット40,41または弁ロッド38における煤の焼付きが十分に阻止され得る程に高い。排ガス再循環弁26の開放された状態、つまり弁ポペット40,41が弁座42,43から持ち上げられた状態では、排ガスがハウジングチャンバ36から一方の弁座42を通ってさらに変向チャンバ44内に流入すると同時に、他方の弁座43を介してチャンバ49と、排ガス再循環弁ハウジング37とアウタハウジング2との間の通路とを通って変向チャンバ44内に流入する。この変向チャンバ44内では、排ガスが約180°だけ変向されて、排ガスクーラ16の排ガス通路12内に流入する。この場合さらに、冷却媒体ジャケット14を介して冷却媒体により周囲を流過されるインナハウジング4、ならびにカバー8と第1のハウジング部分6とに取り付けられたリブ10によって熱導出が行われる。出口ハウジング50を通じて、排ガスは引き続き、本発明による排ガス再循環モジュールから流出する。
【0026】
この本発明による排ガス再循環モジュールにより、高い冷却能力を有する高度に効率の良い排ガス再循環が、最小限に抑えられた構成スペースにおいて達成される。付加的な排ガス管路または冷却媒体管路を不要にすることができる。これに加えて、排ガス再循環弁の高い寿命および確実な運転形式が確保される。組付け手間は、公知の構成に比べて著しく減じられている。
【0027】
もちろん、本発明の対象は、上記実施形態に限定されるものではない。特に、種々のハウジングを別の鋳造法により製造するか、または通路の相互配置形式を変えることが考えられる。また、たとえば排ガス再循環弁としてフラップ弁を使用することもできる。ハウジングの分割も同じく変えることができる。
図1
図2