(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5985008
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成
(51)【国際特許分類】
D04B 15/60 20060101AFI20160823BHJP
D04B 15/58 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
D04B15/60
D04B15/58 101
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-119863(P2015-119863)
(22)【出願日】2015年6月15日
【審査請求日】2015年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】393010101
【氏名又は名称】佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬程
【審査官】
田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−237747(JP,A)
【文献】
特開2008−297643(JP,A)
【文献】
特開2008−297662(JP,A)
【文献】
特開2011−219897(JP,A)
【文献】
米国特許第6000245(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 15/58,15/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸挟み切り構成を有し、丸編機上に設置し、丸編機の動きを受けて連動する丸編機にある給糸切換装置であって、
前記糸挟み切り構成は、隣接し且つ同時に連動される二つの糸挟み切り連動片を有し、そのうち、これ等糸挟み切り連動片のうちの一つの一方は給糸片を有し、且つ前記糸挟み切り連動片と前記給糸片との間に前記糸挟み切り連動片に接触する糸挟持片を有し、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸挟持片の変位に相対して挟持を実施するための引導区間を形成する第一フック部を有し、もう一つの前記糸挟み切り連動片は、前記糸挟持片に相対するもう一方に前記糸挟み切り連動片に接触する糸切片を有し、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸切片の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間の位置と落差を形成するための間隔区間を形成する第二フック部を有することを特徴とする丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項2】
前記引導区間は、前記糸挟持片に近接する箇所に第一ガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項3】
前記引導区間は、前記間隔区間に近接する箇所に第二ガイド面を有することを特徴とする請求項2に記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項4】
前記糸挟み切り構成同士の間には、隔離片をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項5】
複数の糸挟み切り構成を有し、丸編機上に設置し、丸編機の動きを受けて連動する丸編機にある給糸切換装置であって、
前記糸挟み切り構成は、一方に給糸片を有する糸挟み切り連動片を有し、且つ前記糸挟み切り連動片と前記給糸片との間に前記糸挟み切り連動片に接触する糸挟持片を有し、前記糸挟み切り連動片のもう一方には前記糸挟み切り連動片に接触する糸切片を有し、また、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸挟持片の変位に相対して挟持を実施するための引導区間と、前記糸切片の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間の位置と落差を形成するための間隔区間とを有するフック部を有することを特徴とする丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項6】
前記引導区間は、前記糸挟持片に近接する箇所に第一ガイド面を有することを特徴とする請求項5に記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項7】
前記引導区間は、前記間隔区間に近接する箇所に第二ガイド面を有することを特徴とする請求項6に記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【請求項8】
前記糸挟み切り構成同士の間には、隔離片をさらに有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編機の給糸切換装置(Striping Apparatus)、特に丸編機(Circular Knitting Machine)に使用する給糸切換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給糸切換装置を丸編機に使用することは、周知技術であるが、丸編機の効果及び構成の違いから、給糸切換装置は設置上の変化があり、通常、縦式及び横式に分けることができ、例えば、特許文献1である「STRIPING APPARATUS FOR CIRCULAR KNITTING MACHINES」と、特許文献2である「STRIPING SYSTEM FOR CIRCULAR KNITTING MACHINE」とは、異なる色糸を編機の編針に給糸するために用いる縦式給糸切換装置がそれぞれ開示されている。また、特許文献3である「CIRCULAR KNITTING MACHINE STRIPER CONTROL SYSTEM」と、特許文献4である「STRIPING APPARATUS OF A CIRCULAR KNITTING MACHINE」は、編機に用いる横式給糸切換装置及びその制御器がそれぞれ開示されている。
【0003】
しかし、縦式或いは横式の給糸切換装置のいずれかであったとしても、上述したような周知技術における給糸切換装置にある糸挟み切り構成は以下のような問題が存在している。
第一に、周知技術において、糸切連動片のフック部と糸挟持片の角とが、糸を挟持する際に、色糸を引き千切ってしまうという状況が発生し易く、且つ前記色糸のもう一方は、糸切片によって糸切が行われた後、一部分が糸屑を形成し、この糸屑は、その後、フック部によってリリースされると、編針の動きに伴い、編地中に編み込まれ、編地の品質に影響を及ぼしている。
第二に、周知技術に係る糸挟持に関する構成において、色糸を余分に取っておくというものがないため、糸を挟持する際に、色糸が引き千切られた場合、給糸切換装置は、高速稼働中の糸挟持過程において、糸挟持が不適格になって糸が抜け落ちるという状況が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第US6655176号公報
【特許文献2】米国特許第US5070709号公報
【特許文献3】米国特許第US5218845号公報
【特許文献4】米国特許第US7036343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主要な目的は、色糸が安定的に挟持され、且つ色糸の一方にのみ断糸するように確保することで、糸の抜け落ちや糸屑の発生を防ぎ、製品の欠陥発生率を低減し、各編針の編織動作の安定性を向上させ、上述した周知技術にあるすべての不具合及び課題を解決することにある。
【0006】
また、本発明のもう一つの目的は、給糸切換装置にある糸挟み切り構成の従来の厚さを維持することで、給糸切換装置を丸編機に設置する際、給糸口が多い丸編機と組み合わせ可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するため、本発明は、複数の糸挟み切り構成を有し、丸編機上に設置し、丸編機の動きを受けて連動する丸編機にある給糸切換装置であって、前記糸挟み切り構成は、隣接し且つ同時に連動される二つの糸挟み切り連動片を有し、そのうち、これ等糸挟み切り連動片のうちの一つの一方は給糸片を有し、且つ前記糸挟み切り連動片と前記給糸片との間に前記糸挟み切り連動片に接触する糸挟持片を有し、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸挟持片の変位に相対して挟持を実施するための引導区間を形成する第一フック部を有し、もう一つの前記糸挟み切り連動片は、前記糸挟持片に相対するもう一方に前記糸挟み切り連動片に接触する糸切片を有し、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸切片の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間の位置と落差を形成するための間隔区間を形成する第二フック部を有する丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成を提供している。
【0008】
また、上述した方法の実施例において、前記引導区間は、前記糸挟持片に近接する箇所に第一ガイド面を有している。
【0009】
また、上述した方法の実施例において、前記引導区間は、前記間隔区間に近接する箇所に第二ガイド面を有している。
【0010】
また、上述した方法の実施例において、前記糸挟み切り構成同士の間には、隔離片をさらに有している。
【0011】
さらに、本発明の目的を達成するため、本発明は、複数の糸挟み切り構成を有し、丸編機上に設置し、丸編機の動きを受けて連動する丸編機にある給糸切換装置であって、前記糸挟み切り構成は、一方に給糸片を有する糸挟み切り連動片を有し、且つ前記糸挟み切り連動片と前記給糸片との間に前記糸挟み切り連動片に接触する糸挟持片を有し、前記糸挟み切り連動片のもう一方には前記糸挟み切り連動片に接触する糸切片を有し、また、前記糸挟み切り連動片の端縁は、前記糸挟持片の変位に相対して挟持を実施するための引導区間と、前記糸切片の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間の位置と落差を形成するための間隔区間とを有するフック部を有する丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成を提供している。
【0012】
また、上述した方法の実施例において、前記引導区間は、前記糸挟持片に近接する箇所に第一ガイド面を有している。
【0013】
また、上述した方法の実施例において、前記引導区間は、前記間隔区間に近接する箇所に第二ガイド面を有している。
【0014】
また、上述した方法の実施例において、前記糸挟み切り構成同士の間には、隔離片をさらに有している。
【発明の効果】
【0015】
上述したことから、本発明は、以下のように、周知技術より有益な効果を達成することができる。
第一に、給糸切換装置は、丸編機の高速稼働下において、前記色糸を引き千切る恐れがあるものの、本発明に係る前記糸挟み切り連動片が挟み切りを行う工程で糸挟持確保区間を形成するため、前記色糸が前記糸挟持片から離脱して糸の抜け落ちが発生するという状況を有効的に防ぐことができる。
第二に、本発明に係る前記フック部の前記引導区間と前記糸挟持片との間には角をそぎ取ったような前記第一ガイド面を有しているため、前記色糸が挟持によって引き千切られることを有効的に防ぎ、且つ前記色糸が挟持されるのを待った後、さらに前記フック部のもう一方と前記糸切片とによって糸切を継続的に行い、片方のみの断糸が実現する効果を確保することができ、これによって糸屑の形成を有効的に防ぎ、編地の品質を改善している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る好ましい第一実施例の組立を示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る
図1にある糸挟み切り連動片を示す局部拡大図である。
【
図5】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図6】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図7】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図8】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図9】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図10】本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である。
【
図11】本発明に係る
図1にある糸挟み切り連動片のもう一つの実施態様を示す局部拡大図である。
【
図13】本発明に係る好ましい第二実施例の組立を示す斜視図である。
【
図15】本発明に係る
図13にある糸挟み切り連動片を示す局部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施例及び詳細な技術内容は、図面を参照しつつ説明する。まず、本発明に係る好ましい第一実施例の組立を示す斜視図、分解図、糸挟み切り連動片を示す局部拡大図と平面拡大図、及び糸挟み切り構成を断面で示す局部拡大図である
図1乃至
図5を参照されたい。図示されているとおり、本発明は、丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成を提供しており、縦式の設置を応用する前記給糸切換装置1は、丸編機上に設置(本発明が設置する位置は特許文献にある周知技術を参照)し、丸編機の動きを受けて連動し、前記給糸切換装置1の両側は、ハウジング板10をそれぞれ有し、二つの前記ハウジング板10の間には複数の糸挟み切構成2を有し、前記糸挟み切り構成2同士の間には、隔離片7をさらに設置(実施において省略することも可能)することができ、前記糸挟み切り構成2は、隣接し且つ同時に連動される二つの糸挟み切り連動片3a、3bを有し、そのうち、前記糸挟み切り連動片3aの一方は給糸片6を有し、且つ前記糸挟み切り連動片3aと前記給糸片6との間に前記糸挟み切り連動片3aに接触する糸挟持片4を有し、前記糸挟み切り連動片3aの端縁は、前記糸挟持片4の変位に相対して挟持を実施するための引導区間31を形成する第一フック部30aを有し、前記引導区間31は、前記糸挟持片4に近接する箇所に色糸8が挟持によって引き千切られることを有効的に防ぐことができる第一ガイド面311を有し、もう一つの前記糸挟み切り連動片3bは、前記糸挟持片4に相対するもう一方に前記糸挟み切り連動片3bに接触する糸切片5を有し、前記糸挟み切り連動片3bの端縁は、前記糸切片5の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間31の位置と落差を形成するための間隔区間32を形成する第二フック部30bを有し、前記引導区間31は、前記間隔区間32に近接する箇所にも、同じように色糸8が挟持によって引き千切られることを有効的に防ぐことができる第二ガイド面312を設けている。
【0018】
さらに、本発明に係る
図1にある糸挟み切り構成の連続的な動きを断面で示す局部拡大図である
図5乃至
図10を参照されたい。図示されているとおり、前記糸挟み切り連動片3bの前記第二フック部30bが
図5のように糸切を完了すると、前記糸挟み切り連動片3aの前記第一フック部30aと前記糸挟持片4とは前記色糸8を強固に挟持し、且つ前記色糸8は、前記間隔区間32において、前記色糸8が前記糸挟持片4から抜け落ちないようにするための糸挟持確保区間81をさらに形成しており、前記給糸片6の動きで前記色糸8が再び用いられて引っ張られると、
図6のように、前記第一フック部30aと前記糸挟持片4との間にある前記色糸8は、前記糸挟み切り連動片3a、3bが未だ同時に伸長していない時に糸が抜け落ちるという問題も発生せず、また、
図7のように、前記糸挟み切り連動片3a、3bが同時に伸長し、前記色糸8が前記第一フック部30aと前記糸挟持片4との間から離脱し、
図8のように、前記糸挟み切り連動片3a、3bが完全に伸長して再び引掛けの動きを行い、前記色糸8を引っ掛けた場合、前記糸挟み切り連動片3a、3bが同時に糸を引掛け、糸切を止めると、
図9のように、前記引導区間31にある前記色糸8は、まず前記糸挟持片4に接触し、前記第一フック部30aは前記糸挟持片4と糸の挟持をはじめ、前記糸挟み切り連動片3aの第一フック部30aが糸の挟持を継続的に行うと、前記色糸8は前記糸挟持片4と前記第一フック部30aとの間において確実な糸の挟持を継続的に行われ、さらに前記色糸8は、
図10のように、前記糸挟み切り連動片3bの前記第二フック部30bと前記糸切片5とに接触した後、前記色糸8が完全に切断して確実に前記糸挟持片4と前記第一フック部30aとに完全に挟持されるまで糸切を行っており、注目する点は、上述から分かるとおり、本発明に係る前記糸挟み切り連動片3a、3bが糸切を行っている過程において、前記間隔区間32は、前記糸挟持確保区間81を形成するため、前記給糸切換装置1が高速稼働下における前記色糸8が前記糸挟持片4から離脱して糸が抜け落ちるという状況を有効的に防ぎ、また、本発明に係る前記第一フック部30aの前記引導区間31と前記糸挟持片4との間は、前記第一ガイド面311を有するため、角をそぎ取ったような前記第一ガイド面311により前記色糸8が糸の挟持で鋭角によって引き千切られることを有効的に防ぎ、且つ前記色糸8が挟持されるのを待った後、さらに前記第二フック部30bのもう一方と前記糸切片5とによって糸切を継続的に行うことで、完全に糸を挟持する効果と片方のみの断糸が実現する効果とを確保することができ、これによって糸屑の形成を有効的に防ぎ、編地の品質を改善している。なお、本発明に係る給糸切換装置1は、糸挟み切り構成2の従来の厚さを維持することができるため、本発明に係る給糸切換装置1を丸編機に設置する際、給糸口が多い丸編機と組み合わせることが可能である。
【0019】
また、本発明に係る
図1にある糸挟み切り連動片のもう一つの実施態様を示す局部拡大図とそのA−A線断面図である
図11及び
図12を参照されたい。図示されているとおり、前記糸挟み切り連動片3を
図1乃至
図10で図示される前記糸挟み切り連動片3a、3bと比較すると、前記糸挟み切り連動片3は、単片体のみ、即ち一体成形によって構成されており、前記糸挟み切り連動片3の前記フック部30が糸切を行う際、同時進行するため、このような態様であっても確実に本発明を実施するができる。このため、本発明は、もう一つの丸編機にある給糸切換装置の糸挟み切り構成を提供しており、前記給糸切換装置1は、丸編機上に設置し、丸編機の動きを受けて連動し、前記給糸切換装置1の両側は、ハウジング板10をそれぞれ有し、二つの前記ハウジング板10の間には複数の糸挟み切構成2を有し、前記糸挟み切り構成2同士の間には、隔離片7をさらに設置することができ、そのうち、前記糸挟み切り構成2は、糸挟み切り連動片3を有し、前記糸挟み切り連動片3の一方は給糸片6を有し、且つ前記糸挟み切り連動片3と前記給糸片6との間に前記糸挟み切り連動片3に接触する糸挟持片4を有し、前記糸挟み切り連動片3のもう一方には前記糸挟み切り連動片3に接触する糸切片5を有し、また、前記糸挟み切り連動片3の端縁は、前記糸挟持片4の変位に相対して挟持を実施するための引導区間31と、前記糸切片5の変位に相対して挟持を実施し且つ前記引導区間31の位置と落差を形成するための間隔区間32とを有するフック部30を有し、そのうち、前記引導区間31が前記糸挟持片4に近接する箇所に第一ガイド面311を有し、前記引導区間31が前記間隔区間32に近接する箇所に第二ガイド面312を設けている。
【0020】
最後に、本発明に係る好ましい第二実施例の組立を示す斜視図、分解図及び糸挟み切り連動片を示す局部拡大図とそのB−B線断面図とである
図13乃至
図16を参照されたい。図示されているとおり、本発明に係る好ましい第二実施例を本発明に係る好ましい第一実施例を比較すると、好ましい第二実施例の前記給糸切換装置1は横式の設置を応用するものであって、これ以外に、好ましい第二実施例の図面には、好ましい第一実施例にある前記隔離片7がないものの、好ましい第二実施例では新たに部材を追加してこれを実施ている。注目する点は、
図15及び
図16に図示されているとおり、前記給糸切換装置1の前記糸挟み切り連動片3a、3bの構成が、好ましい第一実施例の特徴及びその挟み切りの動作全く同一で、これに基づいて実施することが可能ということにある。
【0021】
なお、上述した内容は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明に係る請求範囲に基づいて行った変更及び修正は、いずれも本発明の請求範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0022】
1 給糸切換装置
10 ハウジング板
2 糸挟み切り構成
3 糸挟み切り連動片
3a 糸挟み切り連動片
3b 糸挟み切り連動片
30 フック部
30a 第一フック部
30b 第二フック部
31 引導区間
311 第一ガイド面
312 第二ガイド面
32 間隔区間
4 糸挟持片
5 糸切片
6 給糸片
7 隔離片
8 色糸
81 糸挟持確保区間
【要約】 (修正有)
【課題】色糸が安定的に挟持され且つ色糸の一方にのみ断糸するように確保することで糸の抜け落ちや糸屑の発生を防ぎ製品の欠陥発生率を低減し各編針の編織の動きを向上させ周知技術にある不具合及び課題を解決する。
【解決手段】複数の糸挟み切り構成を有する丸編機にある給糸切換装置であって、糸挟み切り構成は隣接し且つ同時に連動される二つの糸挟み切り連動片3a、3bを有しこれ等糸挟み切り連動片のうちの一つの一方は給糸片6を有し且つ糸挟み切り連動片と給糸片との間に糸挟持片4を有し糸挟み切り連動片の端縁は引導区間31を形成する第一フック部30aを有しもう一つの糸挟み切り連動片は糸挟持片に相対するもう一方に糸切片5を有し糸挟み切り連動片の端縁は引導区間の位置と落差を形成するための間隔区間32を形成する第二フック部30bを有する。
【選択図】
図5