特許第5985122号(P5985122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5985122クロスフローファン、クロスフローファンを備える電気製品、及びクロスフローファンに用いられる羽根車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5985122
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】クロスフローファン、クロスフローファンを備える電気製品、及びクロスフローファンに用いられる羽根車
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/04 20060101AFI20160823BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20160823BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   F04D17/04
   F04D29/60
   F04D29/66
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526254(P2016-526254)
(86)(22)【出願日】2015年9月8日
(86)【国際出願番号】JP2015075426
【審査請求日】2016年4月25日
(31)【優先権主張番号】特願2014-221719(P2014-221719)
(32)【優先日】2014年10月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】増田 慎子
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−242687(JP,A)
【文献】 特開2000−64981(JP,A)
【文献】 特開2005−127208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 17/04
F04D 29/60
F04D 29/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の羽根車を回転軸方向に連結して構成されるクロスフローファンであって、
前記羽根車は、それぞれ、
複数のブレードと、
1又は複数の凸部を有する第1連結部と、
前記凸部より数が多い凹部を有する第2連結部とを含み、
一の前記羽根車の前記第1連結部と他の前記羽根車の前記第2連結部との連結において、前記一の羽根車の前記凸部と、前記他の羽根車の前記凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合するうちの1つの嵌合状態になっているクロスフローファン。
【請求項2】
前記凹部は、
前記一の羽根車のブレードと前記他の羽根車のブレードとが同位相となる状態で、前記凸部と嵌合する第1凹部と、
前記一の羽根車のブレードと前記他の羽根車のブレードとが位相がずれた状態で、前記凸部と嵌合する第2凹部とを含む請求項1に記載のクロスフローファン。
【請求項3】
前記第1凹部は、前記第2凹部よりも、回転方向に広く、
前記第2凹部は前記凸部とガタなく嵌合し、前記第1凹部は前記凸部とガタをもたせて嵌合する請求項2に記載のクロスフローファン。
【請求項4】
前記第1連結部は、
前記複数のブレードの一端側を固定する板状の円環を含み、
前記凸部は、前記円環の内周に有り、
前記第2連結部は、
前記複数のブレードの他端近辺の前記回転軸側を固定し、前記円環の内周に嵌合する外周を有し、
前記凹部は、前記外周に有り、
前記複数のブレードには、標準長ブレードと、前記第2連結部側が前記標準長ブレードよりも長い長寸ブレードとがあり、
前記第1連結部は、他の羽根車の前記第2連結部と連結する際に、一部の嵌合状態において、他の羽根車の前記長寸ブレードの一部を埋め込む窪みを有する請求項1に記載のクロスフローファン。
【請求項5】
前記凹部の数は、前記凸部の数の前記N倍であることを特徴とする請求項1に記載のクロスフローファン。
【請求項6】
さらに、
連結された複数の羽根車の回転軸の位置に配置されたシャフトと、
前記連結された複数の羽根車の回転軸方向の両端で、各々の羽根車の前記シャフトに対する回転軸方向の移動を規制する規制部とを備える請求項1に記載のクロスフローファン。
【請求項7】
請求項1に記載のクロスフローファンと、
前記クロスフローファンを回転駆動する駆動部とを備える電気製品。
【請求項8】
複数の羽根車を回転軸方向に連結して構成されるクロスフローファンに用いられる当該羽根車であって、
複数のブレードと、
1又は複数の凸部を有する第1連結部と、
前記凸部より数が多い凹部を有する第2連結部とを含み、
一の前記羽根車の前記凸部と、他の前記羽根車の前記凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合することにより、前記一の羽根車の前記第1連結部と、前記他の羽根車の前記第2連結部とが連結される羽根車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスフローファンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気製品において、送風又は内部冷却などの目的で、様々なファンが用いられている。中でもクロスフローファンは、円筒形で長細く、羽根直径の割に空気の圧力を高く出来るという効果があるため、エアコン及び画像形成装置などに多用されている。クロスフローファンには、送風量を増やすと風切り音が大きくなる傾向がある。よって、電気製品の用途又はスペックに合わせて、様々なクロスフローファンを作成する必要がある。
【0003】
例えば、比較的短い羽根車を回転軸方向に複数連結して、長細いクロスフローファンを構成する技術が関連技術として知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−127208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気製品の用途又はスペックに合わせて様々なクロスフローファンを作成するとなると、様々なクロスフローファンのそれぞれに対して専用の金型を準備しなければならないためコスト高となる。
【0006】
また上記関連技術によれば、羽根車を1つずつ樹脂を注入して結合する必要があり、他の方式の多くのファンの場合と比べても組立工数がかかるためコスト高となる。
【0007】
本発明は、専用の金型を準備することなく同一形状の羽根車を用いて、電気製品の用途又はスペックに合わせて、様々なクロスフローファンを提供すること、当該クロスフローファンを備える電気製品を提供すること、及び当該クロスフローファンに用いられる羽根車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るクロスフローファンは、複数の羽根車を回転軸方向に連結して構成される。前記羽根車は、それぞれ、複数のブレードと、1又は複数の凸部を有する第1連結部と、前記凸部より数が多い凹部を有する第2連結部とを含む。前記クロスフローファンでは、一の前記羽根車の前記第1連結部と他の前記羽根車の前記第2連結部との連結において、前記一の羽根車の前記凸部と、前記他の羽根車の前記凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合するうちの1つの嵌合状態になっている。
【0009】
本発明の他の局面に係る電気製品は、上記記載のクロスフローファンと、クロスフローファンを回転駆動する駆動部とを備える。
【0010】
本発明の他の局面に係る羽根車は、複数の羽根車を回転軸方向に連結して構成されるクロスフローファンに用いられる。前記羽根車は、複数のブレードと、1又は複数の凸部を有する第1連結部と、前記凸部より数が多い凹部を有する第2連結部とを含む。前記羽根車では、一の前記羽根車の前記凸部と、他の前記羽根車の前記凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合することにより、前記一の羽根車の前記第1連結部と、前記他の羽根車の前記第2連結部とが連結される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、専用の金型を準備することなく同一形状の羽根車を用いて、電気製品の用途又はスペックに合わせて、様々なクロスフローファンを提供することができ、当該クロスフローファンを備える電気製品を提供することができ、当該クロスフローファンに用いられる羽根車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係るクロスフローファンを備える電気製品の概要を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係るクロスフローファン部の外観を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る羽根車の外観を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る羽根車の外観を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る羽根車を、図3中の矢印Xの方向から見た図である。
図6図6は、本実施形態に係る羽根車を、図4中の矢印Yの方向から見た図である
図7図7は、本実施形態に係る第1の嵌合状態の羽根車を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る第2の嵌合状態の羽根車を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る第3の嵌合状態の羽根車を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係るクロスフローファンを備える電気製品1の概要を示す図である。電気製品1は、エアコン及び画像形成装置などのクロスフローファンを備える機器である。電気製品1は、図1に示すように、クロスフローファン部10、クロスフローファン部10を回転駆動する駆動部20及び各種機能部30を備える。
【0014】
図2は、クロスフローファン部10の外観を示す図である。クロスフローファン部10は、送風又は内部冷却などの目的で用いられる気流発生装置であり、図2に示すように、複数の羽根車11a〜11g、シャフト15及び規制部16a〜16bを備える。
【0015】
羽根車11a〜11gは、回転軸方向に連結されている。なお、連結する羽根車の数は、例えば、エアコンであれば吹き出し口の幅に適合する長さとなるように、電気製品1における用途又はスペックに合わせて適宜設定することが好ましい。また、画像形成装置であれば主走査方向における送風範囲に適合する長さとなるように、電気製品1における用途又はスペックに合わせて適宜設定することが好ましい。
【0016】
シャフト15は、連結された複数の羽根車11a〜11gの回転軸の位置に配置されている。規制部16a〜16bは、連結された複数の羽根車11a〜11gの回転軸方向の両端で、各々の羽根車のシャフト15に対する回転軸方向の移動を規制している。詳細には、規制部16aが羽根車11aとシャフト15とを固定し、規制部16bが羽根車11gとシャフト15とを固定し、さらに規制部16bが駆動部20に含まれる駆動軸21に固定されている。このように、複数の羽根車を回転軸方向に連結して構成されるクロスフローファンにおいて、羽根車の組立工程を簡素化したクロスフローファンを提供することすることができ、従来のクロスフローファンと比較して組立工数を削減することができる。
【0017】
図3図4は、羽根車11aの外観を示す図である。図5は、羽根車11aを、図3中の矢印Xの方向から見た図である。図6は、羽根車11aを、図4中の矢印Yの方向から見た図である。ここで、羽根車11b〜11gは、羽根車11aと同一形状であるので、その説明を省略する。
【0018】
羽根車11aは、複数のブレード12a〜12r、第1連結部13及び第2連結部14を含み、例えばこれらの構成要素は、樹脂材料により一体成形される。複数のブレード12a〜12rは、回転軸を中心に回転駆動されることにより、気流を発生させる機能を有する。
【0019】
第1連結部13は、1又は複数の凸部を有する。本実施形態の第1連結部13は、図3図6に示すように、複数のブレード12a〜12rの一端側(例えば図3中の右端側)を固定する板状の円環13aを含み、円環13aの内周に3個の凸部13b〜13dを有する。
【0020】
第2連結部14は、凸部より数が多い凹部を有する。本実施形態の第2連結部14は、図3図6に示すように、複数のブレード12a〜12rの他端(例えば図4中の左端側)の近辺の回転軸側を固定し、円環13aの内周に嵌合する外周14aを有し、外周14aに3個の凸部13b〜13dと3通りに嵌合する9個の凹部14b〜14jを有し、さらに、羽根車11aの軸心に当たる位置に、シャフト15が挿入される開口14kが形成されている。ここで、凹部の数は、凸部の数の3倍である。なお、凹部の数は、凸部の数のN(Nは2以上の整数)倍であることが好ましい。これにより、一の羽根車の第1連結部13と、他の羽根車の第2連結部14とをN通りに連結できる。
【0021】
一の羽根車(例えば羽根車11a)の凸部と、他の羽根車(例えば羽根車11b)の凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合することにより、一の羽根車の第1連結部13と、他の羽根車の第2連結部14とが連結される。
【0022】
本実施形態では、以下に示す第1の嵌合状態〜第3の嵌合状態を、使用する電気製品の用途又はスペックに合わせて選択することができる。詳細には、第1の嵌合状態では、一の羽根車の凸部13bと他の羽根車の凹部14bとが嵌合し、一の羽根車の凸部13cと他の羽根車の凹部14eとが嵌合し、一の羽根車の凸部13dと他の羽根車の凹部14hとが嵌合する。
【0023】
図7は、第1の嵌合状態の羽根車を示す図である。図7に示す第1の嵌合状態では、一の羽根車(図7中の羽根車A)のブレードと他の羽根車(図7中の羽根車B)のブレードとが同位相となる状態で、一の羽根車の凹部14b、14e、14h(以下「第1凹部」と記す)が、他の羽根車の凸部13b〜13dと嵌合する。羽根車11a〜11gのブレードを同位相となる状態で連結した場合には、冷却用に適した均一で幅の広い風を作ることができるクロスフローファンを提供できる。静音効果が高くなるので、図書館などの騒音を抑えたい場所に適したクロスフローファンを提供できる。
【0024】
第2の嵌合状態の羽根車では、一の羽根車の凸部13bと他の羽根車の凹部14cとが嵌合し、一の羽根車の凸部13cと他の羽根車の凹部14fとが嵌合し、一の羽根車の凸部13dと他の羽根車の凹部14iとが嵌合する。
【0025】
図8は、第2の嵌合状態の羽根車を示す図である。図8に示す第2の嵌合状態では、一の羽根車(図8中の羽根車A)のブレードと他の羽根車(図8中の羽根車B)のブレードとが位相がずれた状態で、一の羽根車の凹部14c、f、i(以下「第2凹部」と記す)が、他の羽根車の凸部13b〜13dと嵌合する。羽根車11a〜11gのブレードを位相がずれた状態で連結した場合には、図書館などの騒音を抑えたい場所に適した静音効果が高いクロスフローファンを提供できる。
【0026】
なお、第1凹部を、第2凹部よりも回転方向に広くして、第2凹部は凸部13b〜13dとガタなく嵌合し、第1凹部は凸部13b〜13dとガタをもたせて嵌合することが好ましい。羽根車11a〜11gをガタなく嵌合した場合には、冷却用に適した均一で幅の広い風を作ることができるクロスフローファンを提供できる。一方、羽根車11a〜11gをガタをもたせて嵌合した場合には、定着器の湯気飛ばし用などに適した乱流を発生させることができるクロスフローファンを提供できる。
【0027】
第3の嵌合状態の羽根車では、一の羽根車の凸部13bと他の羽根車の凹部14dとが嵌合し、一の羽根車の凸部13cと他の羽根車の凹部14gとが嵌合し、一の羽根車の凸部13dと他の羽根車の凹部14jとが嵌合する。
【0028】
図9は、第3の嵌合状態の羽根車を示す図である。なお、複数のブレード12a〜12rに、標準長ブレードと、第2連結部14側が標準長ブレードよりも長い長寸ブレードとを設けると共に、一の羽根車の第1連結部13と他の羽根車の第2連結部14とを連結する際に、一部の嵌合状態において、他の羽根車の長寸ブレードの第2連結部14側を埋め込む窪みを一の羽根車の第1連結部13に設けることが好ましい。具体的には図3図5に示すように、ブレード12e、12k、12qを長寸ブレードにし、その他のブレードを標準長ブレードにすると共に、第1連結部13の円環13aに、第1の嵌合状態において長寸ブレードの第2連結部14側を埋め込む第1の窪み13e〜13gと、第2の嵌合状態において長寸ブレードの第2連結部14側を埋め込む第2の窪み13h〜13jとを設ける。また、第3の嵌合状態において長寸ブレードの第2連結部14側を埋め込む窪みは設けない。
【0029】
よって図9に示す第3の嵌合状態では、一の羽根車(図9中の羽根車A)の標準長ブレードと他の羽根車(図9中の羽根車B)の標準長ブレードとの間に隙間(図9中の矢印S)が生じた状態で、一の羽根車の凹部14d、14g、14jが、他の羽根車の凸部13b〜13dと嵌合する。羽根車11a〜11gにおいて長寸ブレードを埋め込む場合には、冷却用に適した均一で幅の広い風を作ることができるクロスフローファンを提供できる。一方、羽根車11a〜11gにおいて長寸ブレードの一部を埋め込まない場合には一の羽根車と他の羽根車の標準長ブレード間に隙間が生じるので、定着器の湯気飛ばし用などに適した乱流を発生させることができるクロスフローファンを提供できる。
【0030】
駆動部20は、クロスフローファン部10を回転駆動するモータなどの動力源と、動力を伝達するギア(図示せず)と、ベルト(図示せず)と、駆動軸21(図2中に記載)などの伝達機構とを含む。
【0031】
各種機能部30は、例えばエアコンにおける温調、或いは画像形成装置におけるプリント、スキャン及びコピーなどの電気製品1本来の機能を司る構成要素及びこれらの組み合わせである。
【0032】
なお、本実施形態では、第1連結部13の円環13aの内周に凸部13b〜13dを有し、第2連結部14の外周14aに凹部14b〜14jを設けたが、これとは逆に、第2連結部14の外周14aに凸部を設け、第1連結部13の円環13aの内周に凹部を設けてもよい。
【0033】
本実施形態では、凸部及び凹部は径方向(回転軸に向かう方向)に設けられているが、例えば、凸部及び凹部を回転軸と平行な方向に設けられてよい。つまり。凸部は回転軸と平行な方向に突出し、凹部は回転軸と平行な方向に凹入してもよい。さらに、凸部及び凹部は、径方向と回転軸と平行な方向とに設けられてもよい。また、凸部と凹部について、例えば、標準長ブレードよりも長い長寸ブレードを凸部として、窪みを凹部として、それぞれしてもよい。
【0034】
以上のように、上記構成のクロスフローファン部10は、一の羽根車の第1連結部13と他の羽根車の第2連結部14との連結において、一の羽根車の凸部と、他の羽根車の凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合するうちの1つの嵌合状態となっている。これにより、専用の金型を準備することなく、同一形状の羽根車を用いて、電気製品の用途又はスペックに合わせて、様々なクロスフローファンを提供することができる。よって、生産コストを下げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、クロスフローファンを備えるエアコン及び画像形成装置などの電気製品に広く適用することができる。本発明によって、クロスフローファンの生産コストを下げることができ、その産業的利用価値は極めて高い。
【要約】
複数の羽根車(11a〜11g)を回転軸方向に連結して構成されるクロスフローファン(10)であって、前記羽根車(11a〜11g)は、それぞれ、複数のブレード(12a〜12r)と、1又は複数の凸部を有する第1連結部(13)と、前記凸部より数が多い凹部を有する第2連結部(14)とを含む。一の前記羽根車(11a〜11g)の前記第1連結部(13)と他の前記羽根車(11a〜11g)の前記第2連結部(14)との連結において、前記一の羽根車(11a〜11g)の前記凸部と、前記他の羽根車(11a〜11g)の前記凹部の一部とが、回転軸を一致させた状態でN(Nは2以上の整数)通りに嵌合するうちの1つの嵌合状態になっている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9