(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の組織軸(X)に沿って前記半導体基板(6)に接続された複数の導電性コンタクト(5)を備えており、前記コンタクト(5)が、前記フォトダイオード(1)の前記反復ピッチ(P)の倍数である第1の反復ピッチで等間隔に前記フォトダイオード(1)間に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
検出装置の分野において、一般的に、読み出し回路と関連した光検出器がある。この光検出器は、観察場面を表す信号を送出し、この信号は読み出し回路によって解析される。
【0003】
光検出器のバイアス化は、容量トランスインピーダンス増幅器型の読み出し装置による、光検出器の第1の端末に印加された基板電位と、光検出器の第2の端末に印加された基準電位とによって得られる。
【0004】
増大し続ける観察場面に関する情報を取得するために、光検出器は複数の光検出器に取って代わった。さらに、検出器の解像度を高めるために、検出回路に集積された光検出器の数の増加が続いている。しかしながら、多数の光検出器を集積することは、製造および操作の困難さをもたらす。
【0005】
装置の合理的な収集表面および小型サイズを維持するために、複数の光検出器は行列(マトリクス)の形状で集積される。導電性バイアスリングはこの行列を囲んで、行列に基板電位を印加する。そして、多数の光検出器が行列に組織化され、すべての光検出器は、基板電位に対して事実上直接接続される。
【0006】
この組織化は、集積密度に関する限り明らかな利得をもたらすが、異なる光検出器のバイアス化において困難を生じる。
【0007】
フォトダイオードは一般的に、観察場面を表す電流を送出するために逆バイアスされる。そしてフォトダイオードは電流発生器として作用する。フォトダイオードバイアスは、一方では基板によって、他方では読み出し回路によって印加される。これらの動作条件下で、行列のフォトダイオードの電気モデリングは、電流生成器と並列接続された動的抵抗器と、アセンブリと直列接続された直列抵抗器とによって表されることが可能である。
【0008】
そして、フォトダイオードの直列抵抗器が、この端子においてバイアスの変化をもたらしうることが観察される。電源によって生成された電流密度によると、フォトダイオードの端子における電位は事実上変化しうる。さらに、異なるフォトダイオードを行列に組織化することは、これらの電位の変化が堆積し、行列の中央部分にある1つ以上のフォトダイオードの偏光解消をもたらしうることを意味している。
【0009】
基本的な偏光解消成分が抵抗性であれば、この偏光解消のリスクは、光検出器によって生成された電流が大きいほど、顕著なものとなる。光検出器の行列が大きく、かつ抵抗値が高いほど、この現象は大きくなることが分かる。
【0010】
そして、最適な動作範囲でもはや動作していない少なくとも1つの光検出器を有するというリスクが存在する。そしてこのことは、光検出器によって供給された電流と入射光束間の線形性に関する問題をもたらす。この種の問題は、行列全体に適用される画像補正装置によって補正することが困難または不可能である。
【0011】
したがって、高電流で動作する大型行列および/または行列の集積に対して制約がある。
【0012】
光検出器に高ドープ領域を集積することによって基板を修正(変更)するという解決策が、特許文献1によって提供されている。この高ドープ領域は、基板の抵抗率を低下させることによって電荷キャリアの移動を促進する。しかしながら、この基板の修正は犠牲を伴い、通常の成長技術によっては実行不可能である。したがってこの解決策は、容易に集積可能なものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
より厳格な動作を提供する検出装置を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この要求は、以下を備える装置によって満たされる傾向がある。
【0016】
−第1の導電型の半導体基板と、
−反復ピッチで第1の組織軸に沿って組織化されたフォトダイオードの行列であって、各フォトダイオードが、第1の導電型と反対の第2の導電型の領域によって形成された第1の電極と、半導体基板によって形成された第2の電極とを備える行列と、
−フォトダイオード行列の周りの周辺バイアスリングであって、バイアス電圧を半導体基板に印加するバイアス電圧生成器に接続されている周辺バイアスリングと、
−第1の組織軸に整列して2つのフォトダイオード間に配置されたコンタクトであって、コンタクトがフォトダイオードを置換するように反復ピッチで第1の組織軸に沿って2つのフォトダイオードから分離されているコンタクトであって、
−半導体基板上に配置され、かつバイアス電圧生成器に接続されて、バイアス電圧を基板に印加する導電性バンプと、
−導電性バンプと半導体基板間に電荷を通過させるように構成されている第1の導電型の第1の領域とを備えるコンタクトと、
−導電性バンプと接触して配置された第2の導電型の第2の領域。
【0017】
このような装置を簡単に製造するための方法を提供することが求められている。
【0018】
この要求は、以下を備える方法によって満たされる傾向がある。
【0019】
−第1の導電型の半導体基板を提供するステップと、
−第1の組織軸に沿って組織化された第2の導電型の領域の行列を形成するステップであって、第2の導電型の領域が、第1の組織軸に沿って一定の反復ピッチで分離されており、第2の導電型が第1の導電型と反対であるステップと、
−半導体基板に接続し、かつ基板と第1の導電型の領域間の電荷の通過を可能にするように第1の導電型の領域を形成するステップであって、第1の導電型の領域が第2の導電型の領域と整列されているステップと、
−第2の導電型の領域と電気接続された導電性バンプと、第1の導電型の領域とのインタフェースを有する導電性バンプとを形成するステップ。
【0020】
他の利点および特徴は、非制限例としてのみ付与され、かつ添付の図面に表されている本発明の具体的な実施形態に関する以下の説明からより明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1および
図2に示されているように、検出装置は、行列に組織化(organized)された複数の光検出器1を備えている。光検出器1は第1の組織軸Xに沿って組織化されている、つまり光検出器1はこの第1の軸Xに沿って行または列を形成する。光検出器は、反復ピッチPで軸Xに沿って組織化されている。
【0023】
図示されている好ましい実施形態において、複数の光検出器1はまた、第1の組織軸Xに直交する第2の組織軸Yに沿って組織化される。例示目的として、第1の組織軸Xは第2の組織軸Yに直交する。このように、光検出器1は、第1および第2の組織軸によって表されている2つの異なる方向に、相互に組織化されている。
【0024】
このように、光検出器1は、軸Xに平行な1つ以上のラインに沿って相互に整列されており、軸Yに平行な1つ以上のラインに沿って整列されてもよい。そして光検出器1は、複数の行および列に組織化される。
【0025】
光検出器行列1は、半導体材料からなる基板上に形成され、周辺バイアスライン2によって囲まれている。ライン2は、基板の表面を通る導電性材料、例えば金属ラインからなるラインである。他の実施形態では、ライン2は基板のドープ領域であり、この領域は、このラインに沿った電位の低下を縮小するために、基板の他の部分よりも大きくドープされている。好ましくは、ライン2は、基板と同じ導電型のドープ領域である。この基板は、第1の導電型、例えばP導電性である。
【0026】
周辺バイアスライン2はバイアス電圧生成器3に接続される。バイアス電圧V
SUB、つまり後者に近い電圧が、バイアスライン2および基板を介して光検出器1に印加される。バイアス電圧V
SUBは、第1の電位を光検出器1の第1の電極に印加することによって、光検出器1のバイアス条件を部分的に固定する。バイアス電圧V
SUB、つまり後者から生じる電圧が、異なる光検出器1の第1の電極に印加される。第2の電圧である基準電圧が、異なる光検出器1のバイアス条件を固定するために、光検出器の第2の電極に印加される。好都合なことに、光検出器は、バイアス電圧V
SUBと基準電圧間で逆バイアスされる。
【0027】
図3に示されている好ましい実施形態において、各光検出器1は、半導体基板1の一部によって少なくとも部分的に形成されている。例えば、第1の電極は、基板への行列の集積を容易にし、かつバイアスエクスカーション(bias excursions)を制限する基板1によって形成される。より具体的な実施形態において、光検出器は基板に形成される。光検出器は、PNまたはNP型のフォトダイオードであり、この第1の電極は、基板6と、第1の導電型の第1の領域と、基板に形成された第2の導電型の第2の領域7である第2の電極とによって形成されている。
【0028】
例示目的として、各光検出器1は、光検出器1の第2の電極に基準電圧を印加する読み出し回路と関連している。
図1において、異なる読み出し回路がひとつにまとめられて、読み出し回路の行列を備える読み出し手段つまり読み出し装置4を形成する。各読み出し回路は1つ以上の光検出器1と関連しており、発せられた電気信号を回復する。代替実施形態において、光検出器1によって発せられた電気情報を読み出して、光検出器をバイアスすることは2つの別個の機能であり、光検出器1を読み出し回路およびバイアス装置に関連付けることは可能である。
【0029】
動作時に、基板は必ずしも、異なる光検出器1によって発せられた電荷キャリアの、バイアスライン2への移動を実行できるわけではなく、このことは、基板からの特定の光検出器1のバイアス条件の修正をもたらす。
【0030】
図2に示されているように、この装置もまた、一方では基板に、他方ではバイアス電圧生成器3に接続されている1つ以上の導電性ピンポイントコンタクト5を備えている。導電性コンタクト5は、光検出器1ではなく光検出器行列1に形成されている。コンタクト5は、バイアス電圧V
SUBを基板に印加する手段を備えている。
【0031】
コンタクト5は、バイアス電圧生成器3を、基板の第1の導電型の領域に結合させる。これは、バイアス電圧V
SUBを基板および光検出器行列1に直接印加するために、基板の第1の導電型の領域とのインタフェースを有する導電性バンプ8を備えている。コンタクト5は、基板および第1の導電型の領域と、バイアス電圧生成器3との間のダイレクトコンタクトとして作用する。
【0032】
このように、コンタクト5は、光検出器行列1内のバイアスライン2の中継である。コンタクト5は、バイアス電圧V
SUBに達するように光検出器1によって放出された電荷によってカバーされ、かつ基板から放出されるべき距離を短縮する。
【0033】
図3の断面図に示されているように、コンタクト5は、光検出器1と略同一である。コンタクト5および光検出器1は各々、導電性バンプ8を備えている。光検出器1がPNまたはNPダイオードである場合、このバンプ8は、コンタクト5と同様に、基板上に堆積される。
【0034】
光検出器の場合には、バンプ8の一方の端部が読み出し回路に結合されている。バンプ8の他方の端部は、光検出器1、ここではダイオードがバイアスされるように基板の第2の導電型の領域に堆積される。
【0035】
コンタクト5の場合、バンプ8の一方の端部はバイアス電圧生成器3に結合される。バンプ8の他方の端部は、バイアス電圧V
SUBが、ダイオード上ではなく基板上に直接印加されるようにする基板の第1の導電型の領域6に堆積される。
【0036】
コンタクト5および光検出器1のアーキテクチャは類似しているため、共通の製造ステップが、具現化を容易にし、かつ高集積密度を維持するために使用可能である。
【0037】
具体的な実施形態では、コンタクト5は、第2の導電型の領域が形成される場合に基板のこの部分を保護することによって製造可能である。このように、基板は、光検出器1を形成する目的を果たす第2の導電型の複数の領域7と、コンタクト5を形成する目的を果たすこのドーピングのない領域とを備えている。
【0038】
この技術ステップによって、第1の整列軸Xに沿って組織化された第2の導電型の領域7の行列と、第1の導電型の領域とが形成可能になる。この第1の導電型の領域は第2の導電型の領域7と整列されている。第1の導電型の領域を、第2の導電型の2つの最も近い隣接領域から分離する距離は、第2の導電型の2つの連続領域間にある反復ピッチに等しい。反復ピッチは、行列の光検出器と同じである。
【0039】
そして、バンプ8を形成するという共通ステップが、バンプ8がコンタクト5または光検出器1に対して形成可能であるという事実を考慮せずに実行される。例示目的として、バンプ8は同一の横方向寸法(長さおよび幅)を有しており、同じ材料によって形成可能である。導電性材料からなるバンプ8が、第2の導電型の領域および第1の導電型の領域に形成される。
【0040】
光検出器1ではなく導電性コンタクト5が形成され、コンタクト5は第1の組織軸Xに沿って、同じ列または同じ行の他の光検出器1と整列される。コンタクト5は、第1の組織軸X上の最も近くに隣接する2つの光検出器1を有する。コンタクト5をこれら2つの最も近くに隣接する光検出器1から分離する距離は、第1の組織軸Xに沿った2つの隣接する光検出器1を分離する距離と等しい。反復ピッチPは第1の組織軸に沿って一定であり、この反復ピッチPは2つの連続要素、つまり、2つの光検出器1または1つの光検出器1と導電性コンタクト5とを分離する。
【0041】
具体的な実施形態において、2つのコンタクト5は、組織方向の1つで隣接および連続している。本実施形態は、複数の光検出器によって分離された2つのコンタクト5ほど興味深いものではない。
【0042】
コンタクト5は光検出器行列に完全に集積され、この寸法は光検出器と等しい。
【0043】
好ましくは、複数のコンタクト5が光検出器行列1に形成されると、コンタクト5は第1の組織軸Xに沿って一定間隔で配置される。2つのコンタクト5を分離する距離は、コンタクト5に固有の第1の反復ピッチを定義可能な第1の軸Xに沿った行列の反復ピッチPの倍数の整数である。この反復距離は、光検出器1のバイアス条件が閾値を超えて修正されるのを防止するように選択される。
【0044】
コンタクト5の反復距離は、したがって、適用されるバイアス条件と、最大の適用可能な照明条件と、基板の電気特性とにしたがって装置の寸法設定段階から定義可能である。
【0045】
光検出器1ではなく導電性コンタクト5が形成されると、行列に追加要素は集積されない。したがって、この解決策は、反復ピッチがより小さい、例えば、30μm未満の反復ピッチP、さらに好都合なことには15μm以下の反復ピッチPの行列に集積可能である。
【0046】
光検出器行列1における1つの導電性コンタクト5または複数の導電性コンタクト5の使用によって、例えば装置に大型光束が施される場合、偏光解消というリスクに対して装置はより堅固なものとなる。
【0047】
光検出器1が導電性コンタクト5と置換されると、観察場面に関する情報を送出しない検出領域が存在する。情報のないこの領域は分離画素に対応する。この情報の欠如は、直近の画素によって付与される情報を使用する処理装置によって補償可能である。このタイプの補正は、バイアスサブラインが使用され、かつ光検出器1の列全体または行全体を犠牲にする場合には、容易に実行することは不可能である。
【0048】
したがって、好都合な実施形態では、この装置は、コンタクト5に隣接する光検出器1から光信号を生成する手段を備えている。実施形態に応じて、4〜8個の隣接する光検出器が、コンタクト5から人工的に発する信号を生成するために使用可能である。このように、この装置は、1つまたは複数のコンタクト5によって生成されたシャドウ領域を排除する観察場面を表す信号(例えば、画像)を送信する。
【0049】
検出行列において、事前に知らされた位置を有する不完全な光検出器にホールが組み込まれることが可能であり、このことによって、この領域が光検出器とバンプのいずれによって占められていても、補正管理が為されて、行列の各座標に関する情報を有することができるようになる。
【0050】
光検出器1は、行列によって供給された情報を回復する金属材料からなる第1のラインに接続される。この第1の金属材料のラインは光検出器1を読み出し回路4に結合させる。読み出し回路4は、光検出器によって送出された情報を記憶し、光検出器1をバイアスするために使用可能である。各光検出器は、観察場面を表す電気信号(電圧または電流)を提供する。この信号は、電気ラインによって、読み出し回路4を介して情報処理手段に送信される。異なるタイプの読み出し回路、例えば直接噴射(DI)、バッファ化直接噴射(BDI)または容量トランスインピーダンス増幅器(CTIA)回路が可能である。
【0051】
導電性コンタクト5はまた第2の金属ラインに接続され、この第2の金属ラインはバイアス電圧生成器3に結合される。第2の金属ラインは第1の金属ラインと同じである。2つの金属ラインは、同じ材料から、場合によっては同じ寸法で形成される。
【0052】
本実施形態において、バイアス電圧V
SUBが、金属相互接続レベルを使用する、つまり、光検出器1間に新たなバイアスラインを提供する必要のない光検出器行列1内の基板に印加される。このアーキテクチャにおいて、コンタクト5に結合された金属ラインに適用されるバイアス条件は、光検出器に対して影響が小さい。
【0053】
バイアス電圧生成器3に結合された導電性コンタクト5の使用は、基板6が、光検出器によって受容された照明条件と比較して高い抵抗率を示す場合に、とりわけ興味深いものである。例えば、電荷キャリアの帯電がNドープ基板ほど良好でない場合に基板がPドープされると、1つ以上の導電性コンタクトを使用することは好都合なことである。このアーキテクチャによって、アバランシェフォトダイオードが行列に、または行列の隣に形成可能になり、このことは、ドーピングタイプが反対の場合には不可能である。これらの実施形態は、基板が、大型の行列を集積するには不十分な電気特徴を有するCdHgTe系材料である場合にとりわけ興味深いものである。
【0054】
バイアス電圧生成器3に結合された導電性コンタクト5の使用は、光検出器行列が大型の場合にとりわけ興味深いものである。
【0055】
バイアス電圧生成器に結合された導電性コンタクト5の使用は、光検出器1が、基板における多数の電荷キャリアの管理をもたらす赤外線スペクトル(8〜15μm)の広い波長範囲と関連している場合にとりわけ興味深いものである。
【0056】
行列を複数のサブ行列に分割する従来のバイアスリングと比較して、導電性コンタクトは、光検出器の列全体または行全体が失われるのを防止する。この場合、得られた行列はよりコンパクトである、つまり表面単位で多数の光検出器を備えている。
【0057】
光検出器行列1は、複数の行の光検出器および/または複数の列の光検出器を備えることができる。導電性コンタクト5は、複数の異なる行または列に形成可能である。したがって、光検出器のいずれか1つの行またはいずれか1つの列が複数の導電性コンタクト5を備えることができる。別の実施形態では、いずれか1つの行またはいずれか1つの列は、行および/または列によって供給された情報へのコンタクトの影響を小さくすることによって、情報処理に対する影響を小さくするために、2つ以上のコンタクト5を備えることはない。
【0058】
具体的な実施形態において、光検出器行列1は、異なる組織の光検出器1を備えることができ、例えば、2つの連続ラインまたは2つの連続列にある光検出器のオフセットが、コンパクト性を得るために存在しうる。第1および第2の組織方向は必ずしも直交していない。
【0059】
このアーキテクチャは、2つのタイプの光検出器が集積されているバイスペクトル行列の場合にとりわけ興味深いものである。各タイプの光検出器は特定の波長に反応する。このタイプの装置について、基板は、異なる波長に反応する複数の層を備えており、このことによって、文書特許文献1に開示されている高ドープ層は使用困難になる。これら2つのタイプのフォトダイオードは、基板の電気特性に対して異なるサイズおよび/または異なる影響を有することがある。
【0060】
光検出器がPN導電性またはNP導電性ダイオードである場合、共通のインタフェースを有する反対の導電型の2つの領域がある。
【0061】
好都合なことに、基板6は第1の導電型であり、第2の導電型の領域7は基板内に形成される。複数の個別ダイオードを有するために、第2の導電型の領域7は、相互に一定距離で配置されている。
【0062】
しかしながら、各ダイオードは、第2の導電型の領域7によって占められている表面より大きな生成済みキャリア収集表面を提供する。言い換えると、ダイオード外で生成されたキャリアはダイオードによってひき付けられ、収集される。言い換えると、平面図において、キャリア収集表面は、第2の導電型の表面外にある。
【0063】
具体的な実施形態において、観察場面によって放出された光エネルギーの収集を最大にするために、2つの隣接する光検出器1間の収集領域が重複する。2つの光検出器に共通なこの重複領域において、生成された電荷キャリアは、光検出器1の一方または他方によって捕捉される可能性がある。
【0064】
好都合なことに、光検出器1は、行列の他の光検出器1と比較して、各光検出器1によって放出された情報の処理を容易にするための同一のアーキテクチャおよび同一のバイアス条件を有している。この場合、光検出器1は、アーキテクチャおよび動作の両方において同一であるとみなされている。光検出器1は同一の有効収集表面を有している。
【0065】
コンタクト5が、第1の導電型の領域に堆積されたバンプ8を備えており、第2の導電型の領域を備えていない場合に、ダイオードまたは収集領域は形成されない。コンタクト5に隣接する光検出器1はコンタクト5との重複領域を有しておらず、これらは、他の光検出器より大きな有効収集表面を有している。行列の他の光検出器より大きな電荷収集領域にリンクされた光検出器1の動作にシフトが存在する。
【0066】
この動作の特異性は、実際よりも明るい領域を人工的に生成することによって、情報処理をより困難なものにしている。この効果は、電荷キャリア収集表面の重複面積が大きいほど、顕著になるものである。
【0067】
光検出器を、残りの行列数と同じにするために、導電性コンタクト5は好都合なことに、中央が環状の第2の導電型のドープ領域9と、基板および/または、基板と電気接続している第1の導電型のドープ領域10とを備えている。このように、導電性コンタクト5は、第1の導電型の中央領域と、第2の導電型の周辺領域とを備えている。第2の導電型の領域9は第1の導電型の領域を完全に囲んでおらず、バイアス電圧V
SUBは、ダイオードを介さず基板に直接印加可能である。
【0068】
この第2の導電型のドープ領域9は、収集表面でフォトダイオードの動作をシミュレーションし、コンタクト5と、隣接する光検出器1の各々との間の重複領域を生成する。この重複領域は、光検出器1の有効収集表面を縮小する。
【0069】
バンプ8は、第1の導電型の領域10および第2の導電型の領域9と電気接触している。領域10は、導電率を変化させるために、反対の型で引き続きドープされていた基板の一部または領域9の一部であってもよい。
【0070】
好ましい実施形態において、環状の第2の導電型のドープ領域9の外縁と、光検出器1の第2の導電型のドープ領域7とを分離する距離は、第1の組織軸に沿って2つの隣接する光検出器の第2の導電型の2つのドープ領域7を分離する距離に等しい。コンタクト5の中央領域および周辺領域は反対の導電型を有しており、これら2つの領域は、例えば金属などの導電性材料によって、好ましくは、生成器3に接続されたバンプ8によって短絡される。
【0071】
このアーキテクチャは、コンタクト5の十分な動作に対して有害な、コンタクト5の中央領域と周辺領域間のダイオードの形成を防止する。このことによって、周辺領域9は、バンプ5の中央部分によってバイアス電圧V
SUBで基板のバイアス化を実行するのと同時に、隣接する光検出器の収集表面を縮小するために使用可能になる。
【0072】
具体的な実施形態において、基板におけるコンタクト5の中央部分、つまり領域10は、基板6の他の部分より高いドーパント濃度を表している。
【0073】
この具体的なアーキテクチャは、基板にPNまたはNPダイオードの行列を形成することによって簡単に達成可能である。フォトダイオードの領域7および領域9は同一の技術ステップで形成されるが、これらを別個に形成することも想定可能である。そして第1の導電型のドープ領域10は、第1の導電型の基板6とコンタクト5のバンプ8間を直接接続するために、第2の導電型の領域9に形成される。領域の形成順序を変更すること、例えば、最初に領域10を、次いで領域7および9を形成することも可能である。
【0074】
最終的に、バンプ8は、装置を具現化する方法の残りの部分と同様に従来のように形成される。バンプは例えば、読み出しモジュールを備える第2の基板と相互接続する目的を果たす金属ボールである。金属ラインのルーティングのみが、コンタクト5をバイアス電圧生成器3に接続するために、わずかに修正される。バンプは好ましくは、一定の反復ピッチ、つまり光検出器の反復ピッチで配置される。
【0075】
この追加ステップによってPNまたはNPダイオード型の光検出器は、簡単かつ経済的に、行列内に直接集積されているバイアスコンタクトに変換可能になる。
【0076】
一般的に、コンタクト5は、第1の導電型の領域10および第2の導電型の領域9を備える。これら2つの領域は、同一の電位、ここではバイアス電位V
SUBにバイアスされるように、隣接しており、かつ短絡されている。第1の導電型の第1の領域10は、基板6の残りの部分とドーピング的に連続している。このように、第1の領域10は、第2の導電型のウェルに形成され、かつ完全に画定されることは不可能である。導電型は、第1の領域10から基板に至るまで一定である。第2の領域9は、隣接する領域の1つ以上の収集表面に影響を与えるように、水平方向の観点から、第1の領域10を部分的または完全に囲むことができる。相互に離れている複数の領域9、ここでは領域9aおよび9bは、重複領域を修正するために、1つ以上の光検出器に対向して形成可能である。
【0077】
検出器は、基板とドーピング的に連続している第1の導電型の領域と、第2の導電型の領域にバイアス電圧を直接印加する手段を備える。このことは、少なくとも1つの隣接する光検出器の収集表面を縮小する、水平方向の影響を有するダイオードの形成を可能にする。