(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100の一例を示す全体概図である。
【0011】
図1に示したように、空気清浄機能付き照明装置100は、天井701や壁などの取付面702に直接、または、天井701から吊下げた状態で天井701に対して間隔をあけて設置される。照明装置100は、卓上調理や喫煙などにより発生した湯気や煙などを、内蔵するファンにより捕集し、清浄フィルタにより浄化して、浄化した空気を室内705に吹き出す。
照明装置100は、リモートコントローラ708からの制御信号を受信し、その制御信号に基づいて、ファンの回転や停止、照明部の点灯や消灯などを行う。このリモートコントローラ708は、赤外線や電波などの無線により制御信号を送信する。本実施形態では、リモートコントローラ708は、赤外線を搬送波として所定の変調方式により制御信号を送信する。
【0012】
<照明装置100の構成>
図2は本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100の断面図、
図3は
図2に示した空気清浄機能付き照明装置100の分解断面図、
図4は
図2に示した空気清浄機能付き照明装置100の斜視図である。
【0013】
照明装置100は、
図2、
図3、
図4に示したように、照明部10と、シェード(傘部)20と、ファン(送風機)30と、フィルタ40と、ケース部50と、底面カバー60と、排気方向調整部70と、制御部90と、リモートコントローラ用受光部91と、などを有する。以下、照明装置100の各構成要素について説明する。
【0014】
<照明部10>
照明部10は、略筒形状のケース部50の周囲に設けられている。照明部10としては、蛍光灯、LED(発光ダイオード)、発光素子などを採用することができる。本実施形態では、照明部10はリング状の蛍光灯を採用している。この照明部10は、
図2、
図3に示したように、ばねなどの弾性体で形成された支持部材54により、ケース部50の下部付近に固定される。
【0015】
<ケース部50>
ケース部50は、略筒形状に形成され、吸気口50aと排気口50bとの間に通風路50cが形成されている。本実施形態では、ケース部50は、下部に吸気口50a、上部に排気口50bが位置するように配置されている。
本実施形態では、ケース部50は、略筒形状のフィルタ収容ケース部51と、略筒形状のファン収容ケース部52とを有し、このフィルタ収容ケース部51と、略筒形状のファン収容ケース部52とが係合して一体となるように構成されている。
フィルタ収容ケース部51は、ファン収容ケース部52の下側に配置され、フィルタ40を備えている。フィルタ収容ケース部51は、大径の吸気口50aと、小径の排気口51bを有する。
ファン収容ケース部52は、フィルタ収容ケース部51の上部に配置されており、ファンを収容するとともに、ファン30の駆動モータ32を支持している。詳細には、ファン収容ケース部52は、筒状本体部52aと、その筒状本体部52aから上方(吸気方向と反対方向)に突出した形状の突出部52bとを有する。筒状本体部52aの下端部は、フィルタ収容ケース部51の外周上端近傍に係合するように構成されている。
突出部52bは断面錐台形状に形成されており、傾斜面や垂直面などに形成された側面部52cにスリット状の排気口50bが設けられている。本実施形態では、突出部52bの下端部は、筒形状のファン収容ケース部52の上端部から僅かに所定距離だけ下側の内周面に接続されている。
この突出部52bの上部には平坦面52dが形成され、平坦面52dの中央部にファン30の駆動モータ32が固定されている。また、突出部52bの中央部の平坦面52dには、電源コード95や金属製の吊り下げ支持部材(不図示)などが、固定部材96により固定されている。また、電源コード95の端部には、天井側に設けられた電源側コネクタに接続される接続端子や、それを覆うカバー部94が設けられている。
【0016】
<フィルタ40>
フィルタ40は、筒形状のケース部50において、ファン30の吸気側または排気側に設けられ、ファン30の送風により空気清浄を行う。本実施形態では、フィルタ40はファン30の吸気側に配置されている。
【0017】
フィルタ40としては、詳細には、グリスフィルタ41、脱煙フィルタ42、脱臭フィルタ43、除湿フィルタなどを採用することができる。
【0018】
グリスフィルタ41は、金属や樹脂に多数の孔を設けたパンチングタイプ、カットベンドタイプ、ラス網などの網目状タイプ、不織布タイプなどを採用することができる。本実施形態では、
図2、
図3、
図4に示したように、多数の孔部を備えるパンチングタイプのグリスフィルタ41を採用する。グリスフィルタ41は、汚染空気が通り抜けるとき、汚染空気中に含まれている油脂分がグリスフィルタ41に衝突や接触によって付着することで、汚染空気から油脂分を分離除去する。グリスフィルタ41は、ケース部50の吸気側に着脱自在に取り付けられている。
【0019】
脱煙フィルタ42は、準HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどを用いることで煙を除去する。本実施形態では、脱煙フィルタ42は、ケース部50内で、ファン30の吸気側に設けられている。
【0020】
脱臭フィルタ43は、活性炭などを内蔵し、空気が通り抜けるとき、空気中に含まれている臭いを吸着することで、空気から臭いを分離除去する。本実施形態では、脱煙フィルタ42は、ケース部50内で、ファン30の吸気側に設けられている。なお、脱煙フィルタ42及び脱臭フィルタ43は、消臭剤がコーティングされており、付着した臭気成分を消臭する。
【0021】
脱煙フィルタ42、脱臭フィルタ43は、ケース部50のフィルタ収容ケース部51内に配置され、吸気側から着脱自在に構成されている。脱煙フィルタ42、脱臭フィルタ43は、止めネジ(不図示)などによりケース部50内に固定可能に構成されている。
【0022】
<ファン30>
ファン30(送風機)は、回転駆動により送風可能に構成されている。本実施形態では、ファン30として、シロッコファンを採用している。ファン30は、
図2、
図3に示したように、ケーシング31と、駆動モータ32と、多翼ファン(シロッコファン)33と、を有する。
ケーシング31は、フィルタ収容ケース部51の小径の排気口51bに連通する吸気口31aと、略水平方向に排気を行う排気口31bとを有する。本実施形態では、吸気口31aがベルマウス形状に形成されている。また、ケーシング31は、ケース部50に固定されている。ケーシング31内には、駆動モータ32が配置されるとともに、駆動モータ32により軸支された多翼ファン(シロッコファン)33が回転自在に配置されている。
【0023】
<シェード20>
シェード20は、照明部10やケース部50などを収容するとともに、ケース部50の吸気側に開口部20aを有する。シェード20は、金属や樹脂などの規定材料により形成されている。また、シェード20は、必要に応じて、光透過性部材や光半透過性部材により形成されていてもよい。後述するように、シェード20の下部の底面の開口部20aを覆う状態で、底面カバー60が着脱可能に取り付けられる。
【0024】
また、シェード20は、上部に開口部20bを有し、開口部20bの縁部近傍に、ケース部50の上部に固定される固定部20cを有する。
本実施形態では、シェード20の下部の開口部20aは、上部の開口部20bよりも大径に形成されている。また、本実施形態では、シェード20は、上部に平坦部20dが形成され、平坦部20dから下方に向かって拡径した形状に形成されている。シェード20は、
図2、
図3に示した例では、略円錐台形状に形成されているが、この形態に限られるものではなく、略円筒形状、略直方体形状、多角筒形状、略球形状、など所望の形状であってもよい。
【0025】
本実施形態では、シェード20の上部に形成された開口部20bから、ファン収容ケース部52の突出部52bが上方に向かって突出し、傾斜面や垂直面などに形成された側面部52cに形成された排気口50bから、浄化された空気が排気される。
【0026】
<排気方向調整部70>
排気方向調整部70は、排気口50bからの排気方向を略水平方向とし、且つ、シェード外周表面に沿って排気させない形状に形成されている。排気方向調整部70は、詳細には、排気口50bの近傍に設けられ、径方向外側に向かって延出した形状の排気ガイド部70fを有する。
【0027】
本実施形態では、
図2、
図3に示したように、シェード20の上部中央に上側に突出する突出部52bの側面に形成された排気口50bの上端に、径方向外側に向かって延出した形状の排気ガイド部70fを有する。排気ガイド部70fは、排気方向を略水平方向など所望方向に調整する。
また、排気ガイド部70fは、上方からの平面視において、排気口50bを覆う形状に形成されている。このため、上部からの埃などが照明装置内部に侵入することを防止することができる。
【0028】
また、排気方向調整部70は、
図2、
図3に示したように、排気口50bより径方向外側に設けられ、シェード20上方に所定の高さとなるように突出した形状の底上げ部73を有する。本実施形態では、底上げ部73は、排気口50bのうち略下部分のみ、取り囲むように、ケース上部に円形状に全周に亘って、所定の高さとなるように形成されている。
つまり、底上げ部73は、排気口50bの略下端部から吹き出された空気を、シェード外周表面に沿って下方に向かって排気させないように阻止する形状に形成されている。
空気清浄機能付き照明装置100は、上記排気方向調整部70を有するので、排気による天井701の汚れを少なくすることができる。また、空気清浄機能付き照明装置100は、底上げ部73を備えているので、排気口50bの略下端部から吹き出された空気を、シェード外周表面に沿って下方に向かって排気させないように阻止することができる。
【0029】
<底面カバー60>
底面カバー60は、シェード20の開口部20bを覆う状態で着脱可能に取り付けられる。また、底面カバー60は、ケース部50の吸気口50aへ連通する通気部60aとしての開口部を備える。この底面カバー60は、光透過性や半光透過性の材料により形成されている。このため、照明部10から射出した光が、底面カバー60を介して照明装置100の外部に射出可能となっている。
照明部10は、シェード20とケース部50と底面カバー60とで囲まれる空間(照明部10の収容空間210)に収容されるように構成されている。
【0030】
また、底面カバー60は、ケース部50やシェード20に対して着脱自在に固定する構造を有する。本実施形態では、底面カバー60は、通気部60aとしての開口部に、ケース部50側に突出した突出部60fと、通気部60aの近傍に設けられた平坦部60eに、ケース部50側に突出した係合部60dとを有する。
ケース部50は、
図2、
図3に示したように、下部のフランジ部50eに、底面カバー60の係合部60dを係合する被係合部50dが形成されている。
ケース部50の被係合部50dと、底面カバー60の係合部60dとが係合することで、底面カバー60がケース部50に着脱自在に取付けられる。
【0031】
また、底面カバー60は、ケース部50などに取り付けられた状態で、その外周部60bがシェード20の内面20fに当接するように構成されている。
【0032】
底面カバー60は、詳細には、
図2、
図3に示したように、中央部に形成された通気部60aから下方に向かって拡径した形状に形成されている。また、底面カバー60は、照明部10を収容する空間(収容空間210)に向かって径方向断面略凸形状に形成されている。このように、底面カバー60は、汚染空気に対して高い捕集効率を有する形状に形成されている。
【0033】
また、
図2、
図3に示したように、底面カバー60は、中央部に形成された通気部60aと外周部60bの中間部分で、照明部10の近傍に、その照明部10に対して所定距離を確保する段部60cを有する。段部60cは、周方向に沿って全周に渡って形成されていてもよい。また、底面カバー60は、1つの平坦面により構成される段部60cを備えていてもよいし、複数の平坦面により構成される多段部を有していてもよい。
【0034】
<リモートコントローラ用受光部91>
リモートコントローラ用受光部91は、底面カバー60とシェード20とケース部50とで囲まれる空間、本実施形態では照明部10の収容空間210に設けられている。詳細には、
図2に示したように、ケース部50の下端の外周端部に設けられたフランジ部50eにリモートコントローラ用受光部91が設けられている。リモートコントローラ用受光部91は上記位置に配置されており、油煙などの汚染空気が直接接触しないので、汚染空気などによる汚れが少ない。
【0035】
本実施形態では、赤外線方式のリモートコントローラ708を採用した場合、底面カバー60は赤外線を透過する材料により形成される。尚、規定の波長の無線信号を利用したリモートコントローラ708を採用した場合、底面カバー60は、その規定の波長の無線信号を透過する材料により形成する。
【0036】
また、
図1に示したように、空気清浄機能付き照明装置100の下方(底面側)にリモートコントローラ708が位置した状態で、リモートコントローラ708から制御信号を含む無線信号を送信した場合、その無線信号を受信できる位置に、リモートコントローラ用受光部91がケース部50に固定されている。
【0037】
制御部90は、空気清浄機能付き照明装置100のファン30や照明部10などの構成要素を統括して制御する。制御部90は、
図2に示したように、ケース部50の外周部付近などに固定されている。
制御部90は、リモートコントローラ用受光部91で受信した信号に基づいて、ファン30の駆動モータ32の回転や停止などの回転駆動処理、照明部10の点灯や消灯などの照明処理を行う。
【0038】
<空気清浄機能付き照明装置100の動作>
次に、空気清浄機能付き照明装置100の動作を説明する。
ユーザがリモートコントローラ708を操作して、リモートコントローラ708から空気清浄機能付き照明装置100の照明部10を点灯または消灯させる制御信号を送信した場合、制御部90は、底面カバー60を介して、リモートコントローラ用受光部91でその制御信号を受信すると、照明部10を点灯または消灯させる処理を行う。
【0039】
ユーザがリモートコントローラ708を操作して、リモートコントローラ708から空気清浄機能付き照明装置100のファン30をオンまたはオフにする制御信号を送信した場合、制御部90は、底面カバー60を介して、リモートコントローラ用受光部91でその制御信号を受信すると、ファン30の駆動モータ32の回転や停止などの回転駆動処理を行う。
【0040】
空気清浄機能付き照明装置100は、ファン30の駆動モータ32がオン状態の場合、ファン30の多翼ファン33が回転する。空気清浄機能付き照明装置100は、底面カバー60を備えるので、調理中に電化調理器や調理鍋などから発生する汚染空気は、照明部10に直接触れることなく、吸気口50aから吸い込み補集され、油脂成分、煙、水分、臭気成分、などの汚染物質がそれぞれグリスフィルタ41、脱煙フィルタ42、脱臭フィルタ43により分離除去され、ケース部50の通風路50cを通って、汚染空気を清浄化したクリーンな空気として、排気口50bから室内に排気される。
この際、排気口50bの近傍に設けられた排気方向調整部70、詳細には、径方向外側に向かって延出した形状の排気ガイド部70fが、排気口50bからの排気方向を略水平方向とし、且つ、シェード外周表面に沿って排気させないように排気方向を調整する。
【0041】
<底面カバー60の取り外し動作、及び、取付け動作>
次に、空気清浄機能付き照明装置100の底面カバー60の取り外し動作を説明する。
上述したように、底面カバー60は、係合部60dとケース部50の被係合部50dと、が係合することで、底面カバー60がケース部50に取付けられている。
底面カバー60を取り外す場合、ユーザは、底面カバー60をケース部50に対して、底面カバー60の中心を回転中心として、所定角度だけ回転させるなどの所定の動作を行うことで、ケース部50の被係合部50dに対して、底面カバー60の係合部60dを被係合状態として、底面カバー60を下方向に移動させて、ケース部50から取り外す。
【0042】
底面カバー60を取り付ける場合には、上述した動作と逆の動作を行う。詳細には、ユーザは、底面カバー60を、シェード20の開口部20aを覆うように、下方から上方に向かって移動させ、ケース部50の被係合部50dに対して、底面カバー60の係合部60dを嵌合させたのち、底面カバー60をケース部50に対して、底面カバー60の中心を回転中心として、取外し時と逆方向に所定角度だけ回転させるなどを行うことで、ケース部50の被係合部50dと、底面カバー60の係合部60dとが係合状態となる。 この際、底面カバー60の外周部60bがシェード20の内面20fに当接した状態となる。
底面カバー60の取付構造は、上述した構造に限られるものではない。例えば、ネジなどの固定部材により、底面カバー60をケース部50に取付け固定してもよい。
【0043】
排気方向調整部70は、上述した形状に限られるものではない。
例えば、排気方向調整部70は、
図5(a)に示したように、断面略円錐台形状に形成され、排気口50bの上端から径方向外側に向かって延出するとともに、上方側に傾斜した平坦な傾斜面70aを備える排気ガイド部70fを備えていてもよい。こうすることで、簡単な構成で、排気口50bからの排気方向を略水平方向とすることができる。
【0044】
また、排気方向調整部70は、
図5(b)に示したように、排気口50bの上端から径方向外側に向かって水平方向に沿って延出するとともに、平坦面70bを備える排気ガイド部70fを備えていてもよい。こうすることで、より簡単な構成で、排気口50bからの排気方向を略水平方向とすることができる。
【0045】
また、排気方向調整部70は、
図6(a)、
図6(b)に示したように、排気口50bの上端から径方向外側に向かって延出するとともに、上方側に湾曲した湾曲面70cを備える排気ガイド部70fを備えていてもよい。また、
図6(a)に示したように、複数の排気口50bの開口長さが比較的長くともよいし、
図6(b)に示したように、複数の排気口50bの開口長さが比較的短くともよい。
こうすることで、簡単な構成で、排気口50bからの排気方向を略水平方向とすることができる。
尚、
図5(a)、
図5(b)、
図6(b)において、上述した底上げ部73を適宜設けることが好ましい。
【0046】
図7は、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100の排気方向調整部70の一例を示す図であり、詳細には、
図7(a)はルーバ501(方向板)の一例を示す側面図、
図7(b)は
図7(a)の拡大断面図である。
【0047】
図7(a)、
図7(b)に示したように、空気清浄機能付き照明装置100は、排気方向調整部70としてルーバ501を備えていてもよい。
このルーバ501は、略水平方向、例えば僅かに斜め上方向などに排気方向が設定された複数の方向板501aを有する。このルーバ501は、シェード20の上方に所定距離512だけ離れた位置に形成された複数の開口部501cと、その開口部501cおよびシェード20の間に形成された壁部501bと、を有する。複数の開口部501cは、
図7(b)に示したように、所定の長さ511の範囲内に形成されている。
壁部501bにより、シェード外周表面に沿った排気を阻止することで、シェード外周表面に沿って下方に向かう排気を低減することができる。
【0048】
<他の実施形態>
図8は、本発明の他の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100の斜視図、
図9は
図8に示した空気清浄機能付き照明装置100の断面図をそれぞれ示す。
図8、
図9に示した空気清浄機能付き照明装置100において、上述した実施形態と同様な構成要素については説明を簡略とする。
図8、
図9に示した空気清浄機能付き照明装置100は、照明部10と、シェード(傘部)20と、ファン(送風機)30と、フィルタ40と、ケース部50と、底面カバー60と、排気方向調整部70、カバー部材75、などを有する。尚、底上げ部73、制御部90、リモートコントローラ用受光部91などについては説明を省略する。以下、図示しないが、適宜、上記底上げ部73を設けることが好ましい。
【0049】
図8、
図9に示した空気清浄機能付き照明装置100は、シェード20が略円筒形状に形成され、下方に開口部20aが形成されている。
円筒形状に形成されたフィルタ収容ケース部51の上部には、ファン収容ケース部52が設けられている。本実施形態では、ファン収容ケース部52がフィルタ収容ケース部51よりも大径に形成されている。照明部10は、フィルタ収容ケース部51の周囲に配置されるように、ファン収容ケース部52に固定されている。
【0050】
排気口20pは、シェード20の上部中央から径方向に所定距離だけ離れた位置に形成された平坦部20dに設けられている。また、排気口50bは、ファン収容ケース部52の平坦部20dに対応する位置に設けられている。
シェード20の上部中央には、上部が覆われた円筒形状のカバー部材75が設けられている。
カバー部材75には、排気方向調整部70が設けられている。
図8、
図9に示したように、本実施形態では、排気方向調整部70は、平面視で排気口50b、20pより径方向中心側の位置から排気口50b、20pより径方向外側の位置まで延出した形状の排気ガイド部70fを有する。この排気ガイド部70fにより排気口50b、20pからの排気方向を略水平方向にすることができ、天井の汚れを低減することができる。
【0051】
尚、シェード20の上部に設けられた排気口20p、50bは、上述した形態に限られるものではない。例えば、
図10(a)に示したように、シェード上部平坦部に、4つの矩形状の排気口20p、50bが設けられていてもよい。また、
図10(b)に示したように、シェード上部平坦部に4つの台形状の排気口20p、50bが設けられていてもよく、
図10(c)に示したように、大径のリング形状の排気口20p、50bが設けられていてもよく、
図10(d)に示したように、シェード上部平坦部に、4つの円弧形状の排気口20p、50bが設けられていてもよく、
図10(e)に示したように、小径のリング形状の排気口20p、50bが設けられていてもよい。
尚、
図10(a)、
図10(b)、
図10(c)、
図10(d)では排気方向調整部70等を省略している。
【0052】
底面カバー60は、中央部に形成された通気部60aとしての開口部と、その通気部60aから径方向外側に水平方向に延出した平坦部60g、平坦部60gから下方に向けて湾曲した傾斜面60hと、その傾斜面60hから径方向外側に向けて延びる平坦部60mと、平坦部60mから外周部60bに亘って上方に折り返された折返部60nとを有する。
この底面カバー60は、外周部60bがシェード20の外周端部20e近傍の内面に当接するように、着脱自在に取付けられる。
【0053】
上述した空気清浄機能付き照明装置100は、ファン30の駆動モータ32がオン状態の場合、詳細には、ファン30の多翼ファン33が回転した場合、吸気口50aから汚染空気を吸い込み補集し、油脂成分、煙、水分、臭気成分、などの汚染物質をそれぞれグリスフィルタ41、脱煙フィルタ42、脱臭フィルタ43で分離除去し、ケース部50の通風路50cを介して汚染空気を清浄化したクリーンな空気として、排気口50bから室内に排気する。
【0054】
尚、排気方向調整部70は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、
図11に示したように、排気方向調整部70は、
図11(a)に示したように、カバー部材75から水平方向に延出した排気ガイド部70fを備えていてもよいし、
図11(b)に示したように、斜め上方向に延出した形状、且つ、排気口20p、50bに対向する面に平坦な傾斜面を有する排気ガイド部70fを備えていてもよいし、
図11(c)に示したように、排気口20p、50bに対向する面に湾曲面を有する排気ガイド部70fを備えていてもよい。
上述したように、簡単な構成で、排気方向調整部70により、排気口20p、50bからの排気方向を略水平方向とすることができる。
この実施形態では、シェード20は、上部の平坦部20dの外周端部から、略直角に下方向に延出した形状となっているので、排気口20p、50bから吹き出した空気がシェード外周表面に沿って下方に流れる流量を比較的小さくすることができる。
【0055】
尚、
図8、
図9、
図11に示した空気清浄機能付き照明装置100において、排気口20p、50より径方向外側に、シェード上方に突出した形状の底上げ部を設けてもよい。こうすることで、排気口20p、50bから吹き出した空気がシェード外周表面に沿って下方に流れる流量をさらに小さくすることができる。
【0056】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、天井から吊下げた状態で該天井に対して間隔をあけて設置される、または、天井に直接設置される。上述したように、空気清浄機能付き照明装置100は、調理中に電化調理器や調理鍋などから発生する汚染空気を吸い込み捕集し、汚染空気中に含まれている油脂分、煙、臭気成分、水分などの汚染物質を、フィルタ40により分離除去して、汚染空気を清浄化したクリーンな空気として室内に戻すことができる。
【0057】
詳細には、空気清浄機能付き照明装置100は、回転駆動により送風可能なファン30と、吸気口50aと排気口50bとの間に通風路50cを形成した略筒形状のケース部50と、ケース部50において、ファン30の吸気側または排気側に設けられ、ファン30の送風により空気清浄を行うフィルタ40と、ケース部50の周囲に設けられた照明部10と、ケース部50および照明部10を収容するとともに、上部に排気口50bを備えるシェード20と、排気口50bからの排気方向を略水平方向とし、且つ、シェード外周表面に沿って排気させない排気方向調整部70と、を有する。
すなわち、排気方向調整部70により排気口50bからの排気方向を略水平方向とするので、天井の汚れを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
また、排気方向調整部70により、排気がシェード20の外周側表面に沿って下方へ流れることを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0058】
また、空気清浄機能付き照明装置100は、排気方向調整部70が、排気口50bより径方向外側に設けられ、シェード上方に突出した形状の底上げ部73を有する。
このため、排気口50bから略水平方向に空気が吹き出され、その吹き出した空気のうち、シェード20上部の表面付近の空気の流れが、底上げ部73によって遮られるので、シェード(傘部)20の外周側表面に沿って下方へ流れることを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0059】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気方向調整部70が、排気口50bの近傍に設けられ、径方向外側に向かって延出した形状の排気ガイド部70fを有する。このため、簡単な構成で、排気口50bからの排気方向を略水平方向とすることができ、天井の汚れを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0060】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気口50bが、シェード20の上部中央に上側に突出する突出部の側面に設けられている。排気方向調整部70は、排気口50bの上端から径方向外側に向かって延出した形状の排気ガイド部70fを有する。
このため、簡単な構成で、この排気ガイド部70fにより排気口50bからの排気方向を略水平方向にすることができ、天井の汚れを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0061】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気口50bが、シェード上部に形成された平坦部20dに設けられている。排気ガイド部70fは、平面視で排気口50bより径方向中心側の位置から排気口50bより径方向外側の位置まで延出した形状に形成されている。
このため、簡単な構成で、排気ガイド部70fにより排気口50bからの排気方向を略水平方向にすることができ、天井の汚れを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0062】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気ガイド部70fが、排気口50bより径方向中心側、且つ、シェード上部中央に、上側に突出する突出部52bの側面から径方向外側に向かって延出した形状に形成されている。
【0063】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気ガイド部70fが、排気口50bに対向する面に平坦な傾斜面または湾曲面を有する。このため、簡単な構造で、排気ガイド部70fの平坦な傾斜面や湾曲面により、排気口50bからの排気方向を略水平方向にすることができ、天井の汚れを低減することができる。
【0064】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、排気方向調整部70がルーバ501を備える。ルーバ501は、略水平方向、例えば僅かに斜め上方向などに排気方向が設定された複数の方向板501aを有する。このため、天井の汚れを低減することができる。
また、ルーバ501は、シェード20上方に所定距離だけ離れた位置に形成された複数の開口部501cと、その開口部501cおよびシェード20の間に形成された壁部501bと、を有する。この壁部501bにより、シェード外周表面に沿った排気を低減することができる。
【0065】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、シェード20の開口部20aを覆う状態で着脱可能に取り付けられ、ケース部50の吸気口50aへ連通する通気部60aを備える光透過性の底面カバー60を備える。照明部10は、シェード20とケース部50と底面カバー60とで囲まれる空間に収容されるように構成されている。
このため、照明部10は、シェード20とケース部50と底面カバー60とで囲まれる空間210に収容されるように構成されている。
このように、底面カバー60が、シェード20の開口部20aを覆う状態で着脱可能に設けられているので、簡単な構成で、良好なメンテナンス性を有する空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。また、底面カバー60を取り外して、容易に底面カバー60の清掃を行うことができる。また、底面カバー60を取り外した状態で、容易に照明部10を交換することができる。
【0066】
また、空気清浄機能付き照明装置100は、照明部10が、シェード20とケース部50と底面カバー60とで囲まれる空間(照明部10の収容空間210)に収容されるように構成されており、底面カバー60により照明部10と吸入流路801とを分離した構造となっている。このため、汚染空気が照明部10に接触することなく、底面カバー60の通気部60a、ケース部50の吸気口50a、およびフィルタ40を介して、ケース部50の排気口50bから照明装置100の外部に排出することができ、照明部10の汚れを低減することができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0067】
また、本発明の実施形態に係る空気清浄機能付き照明装置100は、天井701に直接、または、天井701から吊下げた状態で天井701に対して間隔をあけて設置され、ケース部50の吸気口50aが下側に配置されている。簡単な構成で、照明装置100の下方から汚染空気を吸い込み、照明装置100の上方から清浄された空気を室内に吹き出すことができる空気清浄機能付き照明装置100を提供することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。