特許第5985375号(P5985375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グラフテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5985375-カッティングプロッタ 図000002
  • 特許5985375-カッティングプロッタ 図000003
  • 特許5985375-カッティングプロッタ 図000004
  • 特許5985375-カッティングプロッタ 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985375
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】カッティングプロッタ
(51)【国際特許分類】
   B26D 5/00 20060101AFI20160823BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   B26D5/00 F
   B26D5/34 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-267755(P2012-267755)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2014-113645(P2014-113645A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105062
【氏名又は名称】グラフテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 暢之
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−68821(JP,A)
【文献】 実開平3−126594(JP,U)
【文献】 特開平11−139086(JP,A)
【文献】 実開平7−31393(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 5/00
B26D 5/34
B41J 11/00−11/70
B43L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断手段をシート状媒体表面に圧接離反させるアクチュエータを有するペンブロックを、カットデータに基づいてシート状媒体に対して相対的に移動させるとともに、切断手段をシート状媒体に圧接離反させることによりこれを所望の形状に切断するカッティングプロッタにおいて、
シート状媒体表面に形成された基準図形を検出する基準図形検出機構と、
ペンブロックに摺動可能に支持されるとともに、付勢部材により常時シート状媒体から離反する方向に付勢される押圧部材と、
支軸によりペンブロックに回動可能に支持され、その一端側が上記アクチュエータに当接し、当該アクチュエータが切断手段をシート状媒体から離反させるようどうさすることにより、支軸を挟んだ他端側がこれに係合する上記押圧部材を付勢部材の付勢力に抗してシート状媒体表面に押圧するよう揺動するシーソー部材と、を設けたことを特徴とするカッティングプロッタ。
【請求項2】
上記基準図形検出機構は反射型フォトセンサよりなり、
上記押圧部材は、シート状媒体に当接する開口部を有する略筒状に形成されるとともに、シート状媒体に押圧された際に上記反射型フォトセンサの照射光および反射光を開口部により覆うよう構成されることを特徴とする、請求項1記載のカッティングプロッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッティングフィルム等のシート状媒体を所望の形状に切断するカッティングプロッタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート状媒体を所望の形状に切断するこの種のカッティングプロッタとしては、シート状媒体の両端部分を駆動ローラ(グリットローラ)と従動ローラ(ピンチローラ)とで挟持して、駆動ローラを正逆回転させることによりシート状媒体を第1の方向(X軸方向)に移動させるとともに、この第1の方向と直交する第2の方向(Y軸方向)に移動可能に設けられるペンブロックと、このペンブロックに設けられるカッティングペンを移動させることにより、カッティングペンをシート状媒体に対して相対的に2次元方向に移動させ、更にカッティングペンをシート状媒体に対して選択的に圧接離反させることにより、シート状媒体を所望の形状に切断する被切断媒体駆動型(グリットローラ型)のカッティングプロッタや、平板状のテーブル上にシート状媒体を載置し、この載置テーブルに対して第1の方向に移動可能に設けられるYバーと、このYバーに摺動することにより第1の方向と直交する第2の方向に移動可能に設けられるペンブロックを移動制御することにより、このペンブロックに設けられるカッティングペンをシート状媒体に対して選択的に2次元方向に移動させ、更にカッティングペンをシート状媒体に対して選択的に圧接離反させることによりこれを所望の形状に切断する所謂フラットベッド型のカッティングプロッタが知られている。
この様なカッティングプロッタのペンブロックは、保持したカッティングペンをシート状媒体に対して圧接離反するために、ペンブロック本体に設けられたアクチュエータ、上記X軸方向とY軸方向と直交するZ軸方向に沿って設けられるスライド軸と、このスライド軸に沿って摺動するよう設けられるカッティングペンを保持したペンホルダをZ軸方向に上下動するペンアームとにより構成されている。
また、ペンブロック本体には、ペンアームの高さ(Z軸方向の位置)を検出するための検出器が取り付けられ、カッティングプロッタの制御装置はこの高さ検出器の出力を監視するとともに、ペンアクチュエータに付与する電流(或いは電圧)を制御して、カッティングペンの圧接離反(上下動)ならびにシート状媒体に対する押圧力を制御するよう構成されている。
このカッティングプロッタにおいて、シート状媒体を切断する場合は、制御装置はコンピュータ等の上位装置より送信されるカットデータに基づいて、X軸方向(グリットローラ型の場合は駆動ローラ、フラットベッド型の場合はYバー駆動機構)ならびにY軸方向(ペンブロック駆動機構)の駆動制御とともに、Z軸方向(ペンアクチュエータ)の駆動制御を行うよう構成されている。
【0003】
更にこの種のカッティングプロッタにおいて、予め図形や図柄等の印刷(記録)が施されたシート状媒体を、その図形等の輪郭にあわせてこれを切断するといった場合、シート上に予め施された画像等と、新たに施す切断画像とを正確に一致させる必要があり、このため従来はシート上に予めその座標軸を表す位置合わせ用の基準図形(十字、カギ状の図形、所謂トンボ。)を形成するとともに、カッティングプロッタのペンブロックにこの基準図形を読み取る反射型フォトセンサよりなる検出手段を設け、切断動作前にペンブロックを移動させて、このセンサにより基準図形を読み取ることによりその座標を検出し、検出した座標軸に基づいてカットデータを補正したうえでカッティング動作を行うよう構成されている。
【0004】
この種のカッティングプロッタにおいては、シート材上に形成された基準図形の読取に誤差が生じると、例えば記録済みのシート材をその記録画像の輪郭にあわせて切断する場合においては、その読取誤差によりカットデータが記録データに合致しなくなり、必要な画像部分を切断してしまうといった不具合が生じるため、基準図形の検出には精度が要求されることとなる。
しかしながら、上述した被切断媒体駆動型のカッティングプロッタにおいては、シート状媒体の両端部分を十分展張しないでこれを駆動ローラとピンチローラとで挟持させた場合、或いはロール状に巻回されたシートをカットしたものを使用した際に、その巻き癖によりその端部で曲げが生じてしまった場合、また、フラットベッド型のカッティングプロッタにおいても、シート状媒体を載置テーブルに対して隙間なく固定しなかった場合など、基準図形が施された部分で「浮き」が生じてしまうと正確な検出が出来なくなり、その結果カットデータの補正が上手く出来なくなるといった不具合が生じる。
【0005】
これらの不具合を解消するために、従来のカッティングプロッタにおいては、ペンブロックにシート状媒体を所定の押圧力で押圧する部材を選択的に突出または収納する用紙抑え手段を設け、基準図形を検出するセンサを作用させる際には、この押圧部材を突出させて検出すべき基準図形近傍のシート材を押圧するよう構成していた。(特許文献1参照)
また、別のカッティングプロッタにおいては、基準図形の読取センサの周囲部分を押圧する押圧部材を設けて構成していた。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−079794号公報
【特許文献2】特許第4256947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に記載の装置においては、その構成が複雑な用紙押さえ手段を用意する必要があり、製作コストが上昇するとともに、押圧部材を突出させるようノック部材を押し込むために、ペンブロックを都度記録範囲外に設けられた押し込み用ブロック上に位置付ける必要があり、基準図形検出に時間を要するといった不具合が生じていた。
また、特許文献2に記載の装置においては、シート材を押圧する部材の昇降のために固有のソレノイドを必要としているため、部品点数が増加し、カッティングプロッタの製作コストが上昇するとともに、ペンブロックが大型化することによりカット動作を高速化することが困難になるという不具合が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は簡単な構成により製作コストの上昇を招くことなく、また基準図形検出に時間を要することのないカッティングプロッタのシート材押圧機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような課題を解決するため、本発明のカッティングプロッタは、ペンブロックに摺動可能に支持されるとともに、付勢部材により常時シート状媒体から離反する方向に付勢される押圧部材と、支軸によりペンブロックに回動可能に支持され、その一端側がアクチュエータに係合し、アクチュエータが切断部材をシート状媒体から離反させるよう動作することにより、支軸を挟んだ他端側がこれに係合する押圧部材を付勢部材の付勢力に抗してシート材表面に押圧するよう揺動するシーソー部材とをペンブロックに設けたことを特徴とするものである。
また、本発明のカッティングプロッタは、ペンブロックに設けた基準図形検出機構を反射型フォトセンサにより構成するとともに、押圧部材をシート状媒体に当接する開口部を有した略筒状に形成し、押圧部材をシート状媒体に押圧した際に、反射型フォトセンサの照射光および反射光が開口部により覆われるよう構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、支軸によりペンブロックに回動可能に支持され、一端側を切断部材をシート状媒体に圧接離反させるアクチュエータに、他端側をシート状媒体表面を押圧する押圧部材に、それぞれ係合するシーソー部材を設けることにより、切断部材を圧接離反させるアクチュエータを用いて押圧部材をシート状媒体に圧接離反させることが可能となる。従って、押圧部材をシート状媒体に圧接離反させるための個別のアクチュエータを必要とすることなく、簡単な構成により製作コストの上昇を招くことがなく、また、ペンブロックの部品を押圧部材の昇降手段として利用するため、基準図形検出時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明のカッティングプロッタの構成を示す図である。
図2図2は、本発明のカッティングプロッタにおけるシーソー部材の構成を説明する図である。
図3図3は、本発明のカッティングプロッタにおける押圧部材によるシート材押圧動作を説明する図である。
図4図4は、本発明のカッティングプロッタにおける押圧部材によるシート材押圧動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<<カッティングプロッタの構成について>>
図1は、本発明のカッティングプロッタの構成を示す図であり、図において1はカッティングプロッタ本体、2はペンブロック3が摺動するYバー、4は切断手段であるカッティングペン、5は各種制御を行う制御部、6は被切断媒体である紙或いは粘着フィルム材よりなるシート状媒体、7はシート状媒体6上に付与されたその座標軸を表示する基準図形(所謂トンボ)を検出する反射型フォトセンサよりなる基準図形検出機構、8は基準図形検出機構7によりシート状媒体6上に付与された基準図形を検出する際にシート状媒体6がカッティングプロッタ本体1より浮き上がらないようにこれを押圧する押圧部材、9はペンブロック3に支持されるシーソー部材である。
【0013】
この種のカッティングプロッタは、大別して被切断媒体駆動型(グリットローラ型)と、被切断媒体載置型(フラットベッド型)のものがあり、グリットローラ型はシート状媒体の両端部分を駆動ローラと従動ローラ(ピンチローラ)とで挟持して、駆動ローラを正逆回転させることによりシート状媒体を第1の方向(X軸方向)に移動させるとともに、この第1の方向と直交する第2の方向(Y軸方向)にペンブロックを移動させてペンブロックに保持されたカッティングペンをシート状媒体に対して相対的に2次元方向に移動させるものである。また、フラットベッド型は、シート状媒体が載置される平板状の載置テーブルから離間してX軸方向に移動可能に設けられるYバーと、このYバー上をY軸方向に移動可能に設けられるペンブロックを摺動させて、ペンブロックに保持されたカッティングペンをシート状媒体に対して相対的に2次元方向に移動させるものである。
何れのカッティングプロッタにおいても、ペンブロックは保持したカッティングペンをZ軸方向に移動させてシート状媒体に対して選択的に圧接離反させ、これによりシート状媒体を所望の形状に切断するよう設けられている。
【0014】
制御部5は、制御装置50から送信されるカットデータに基づいて、X軸駆動制御手段52、Y軸駆動制御手段53、およびZ軸駆動制御手段54を各々駆動制御する駆動制御部51により構成されている。
X軸駆動制御手段52は、グリットローラ型の場合は駆動ローラを正逆方向に回転駆動する駆動モータを、フラットベッド型の場合はYバー2を載置テーブルのX軸方向に駆動する駆動機構を制御し、Y軸駆動制御手段53は、ペンブロック3をYバー2に沿ってY軸方向に駆動させる駆動機構を制御し、さらにZ軸駆動制御手段54は、カッティングペン4をシート状部材6に圧接離反させるとともにその押圧力を制御するムービングコイルよりなるアクチュエータ31を制御する。これにより制御部5は、コンピュータ等の上位装置より送信されるカットデータに基づいて、制御装置50によりカッティングペン4によるカットデータを作成し、これに基づき駆動制御部51によりX軸駆動制御手段52、Y軸駆動制御手段53、Z軸駆動制御手段54をそれぞれ駆動制御することにより、シート状媒体6に対してカッティングペン4を相対的に2次元方向に移動させ、さらにカッティングペン4をシート状媒体6に選択的に圧接離反させて、これをカットデータに基づいて所望の形状に切断するよう構成されている。
【0015】
Yバー2に摺動することによりY軸方向に移動可能に設けられるペンブロック3には、アクチュエータとしてのムービングコイル31と、スライド軸34が支持されており、ムービングコイル31のコイルボビンに支持されてこれに同期してスライド軸34に摺動するペンアーム33と、このペンアーム33に支持されるカッティングペンを保持するペンホルダ32が設けられている。
Z軸駆動制御手段54は、カットデータに基づいてムービングコイル31を駆動制御して、ペンホルダ32が保持している切断手段としてのカッティングペン4をシート状媒体6に対して選択的に圧接離反させるよう設けられている。
【0016】
また、ペンブロック3には、発光素子および受光素子よりなる反射型フォトセンサである基準図形検出機構7が、シート状媒体6に対向するよう設けられている。この種の反射型フォトセンサは、発光素子として発光ダイオード、受光素子としてフォトトランジスタがそれぞれ設けられており、発光ダイオードはシート上媒体6に対して所定の強度の光スポットを照射し、フォトトランジスタはこのシート状媒体6からの反射光を受光し、受光した反射光の強度に応じた光電流出力信号を出力するよう設けられている。
この反射型フォトセンサにおいては、その構造上検知距離、即ちセンサとシート状媒体との距離が一定の距離でなければ精度よく検出できないため、例えばシート状媒体6がカッティングプロッタ本体1より浮いた状態で支持(載置)されたといった場合には、基準図形の検出が上手くできず、その結果、シート状媒体6上の記録とカッティングプロッタによるカットがずれてしまうといった不具合が生じてしまうこととなる。そこで、本発明のカッティングプロッタにおいては、基準図形検出機構7によりシート状媒体6上の基準図形を検出する際に、基準図形検出機構7の発光素子より照射される光スポット付近において、シート状媒体6をカッティングプロッタ本体1に対して押圧する押圧部材8が設けられている。この押圧部材8は、シート状媒体6を押圧する下端部に開口部が設けられる断面視枡形の形状により形成されており、押圧部材8がシート状媒体6に押圧されると、この開口部部分に上記発光ダイオードからの照射スポットが照射され、これ以外の部分はこれに覆われるよう設けられている。これにより、上記フォトトランジスタには光スポットの反射光以外の外乱光が入力されないよう構成されている。
押圧部材8は、ペンブロック3に支持されるスライド軸(図示せず)により、Z軸方向に摺動可能に取り付けられており、バネ82によりカッティングプロッタ本体1(シート状媒体6)から離反する方向に常時付勢されている。
【0017】
図1に示される通り、ペンブロック3には、正面視押圧部材8とアクチュエータとしてのムービングコイル31の間に、各々に係合するシーソー部材9が設けられている。
シーソー部材9は、ペンブロック3に固定される支軸91を中心に回転するよう揺動するシーソー部材本体92により構成されており、シーソー部材本体92の押圧部材8側の端部には、押圧部材8に形成される孔部81に挿入されるピン93が設けられており、支軸91を挟んだ他端側の端部は、ムービングコイル31のコイルボビンに当接するよう設けられている。
【0018】
<<基準図形検出動作について>>
次に、本発明のカッティングプロッタによる基準図形検出動作について説明する。
図1および図2に示される通り、カッティングペン4がシート状媒体6より離反する、所謂ペンアップ位置にある状態で、シーソー部材本体92の端部は、ムービングコイル31のコイルボビンと当接しないよう、シーソー部材9はペンブロック3に取り付けられている。また、この状態においては、図に示される通り、押圧部材8もバネ82の付勢力によりシート状媒体6より離反するよう位置づけられて構成されている。このカッティングプロッタにおいて、シート状媒体6のカット動作の際、ムービングコイル31は図に示すこの状態からカッティングペン4をシート状媒体6に圧接離反させるので、そのZ軸方向の駆動をシーソー部材9ならびに押圧部材8に伝達することがないよう構成されている。
【0019】
カッティング動作前に、シート状媒体表面に形成された基準図形を検出する場合、本発明のカッティングプロッタにおいては、先ず、図1に示すようなカッティングペンを通常のペンアップさせた状態において、制御装置50は、X軸駆動制御部52、Y軸駆動制御部53をそれぞれ駆動制御して、基準図形検出機構7をシート状媒体6上に形成されている基準図形を検出するための所定の検出動作開始位置に位置付ける。(尚、この動作は操作者が手動操作にて行う場合もある。)
この状態から基準図形検出動作が開始されると、制御装置50は、Z軸駆動制御部54を駆動制御して、図1に示すペンアップ位置から更にカッティングペン4がシート状媒体6より離反するように、ムービングコイル31を駆動する。
図2ならびに図3は、ペンブロック3の構造を省略し、押圧部材8によるシート状媒体6の押圧動作を説明するためのペンブロック3側からの斜視図である。図2に示されるように、ムービングコイル31のコイルボビンがZ軸方向に上昇することにより、シーソー部材9の一端側に当接し、更にこれが上昇することにより、シーソー部材本体90は支軸91を中心に回動するよう揺動する。これにより、シーソー部材本体92の支軸91を挟んだ他端側に設けられたピン93は、−Z軸方向に揺動して押圧部材8の孔部81の下端に当接し、更にコイルボビンが+Z軸方向に上昇されるとともに、図3および図4に示す通り、シーソー部材本体92のピン93が、バネ82の付勢力に抗して押圧部材8を−Z軸方向に押し下げて、押圧部材8の下端部をシート状媒体6に押圧する。
上述した通り、押圧部材8の下端部には開口部が設けられているので、この状態で基準図形検出機構7を動作させると、発光素子よりシート状媒体6に照射される光スポットからの反射光を良好に受光することができる。さらに、押圧部材8がシート状媒体6をカッティングプロッタ本体に押圧することにより、シート状媒体6に浮きが生じることがないので、精度よく基準図形を検出することが可能となる。
【0020】
以上詳述した通り、本実施例の形態によれば、シーソー部材9を設けることにより、カッティングペン4をシート状媒体6に圧接離反させるためのアクチュエータ31を利用して、押圧部材8をシート状媒体に押圧することができるので、押圧部材のための個別のアクチュエータを必要とすることがなく、製作コストの上昇を招くことなく簡単な構成でこれを実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、カッティングプロッタなど、シート上の媒体を所望の形状に切断する各種装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 カッティングプロッタ本体
2 Yバー
3 ペンブロック
4 カッティングペン
5 制御部
6 シート状媒体
7 基準図形検出機構
8 押圧部材
9 シーソー部材
図1
図2
図3
図4