【実施例】
【0097】
実施例1:用語および定義
【0098】
P−SCN−Bn−DOTA:S−2−(4−イソチオシアナトベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン四酢酸(Macrocyclics、Dallas、TX)
【0099】
BFC:二官能性キレート剤
【0100】
DOTA−BFC:DOTA二官能性キレート剤:例えば、NHS−DOTA;p−SCN−Bn−DOTA
【0101】
Na(NH
4)Ac:酢酸ナトリウム(アンモニウム)
【0102】
mAb:モノクローナル抗体:HuM195
【0103】
HuM195:脊髄性白血病の治療のための抗CD33抗体構成体。HuM195は、ネズミのM195のCDR領域をヒトフレームワーク/定常領域と組み合わせた、組み換えIgG1 mAbである。
【0104】
SEC:サイズ排除クロマトグラフィ
【0105】
HPLC:高性能液体クロマトグラフィ
【0106】
SE−HPLC/UV:UV検出器と連結されたSE−HPLC
【0107】
SE−HPLC/rad.:放射線検出器と連結されたSE−HPLC
【0108】
ITLC:インスタント薄層クロマトグラフィ
【0109】
NH
4CH
3CO
2:酢酸アンモニウム、NH
4Ac
【0110】
NaCH
3CO
2:酢酸ナトリウム、NaAc
【0111】
D
f:希釈係数
【0112】
CHCA:アルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸
【0113】
MALDI:マトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析法
【0114】
HDPE:高密度ポリエチレン
【0115】
HEPES:N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタンスルホン酸
【0116】
実施例2:HuM195のp−SCN−Bn−DOTAとの複合体化
【0117】
2.3.1 材料および化学物質。仕様については表2を参照されたい。
【0118】
2.3.2 化学物質の調製および複合体化反応のための条件
【0119】
2.3.2.1 事前に以下の溶液を調製する。
【0120】
天然HuM195、5mg/mL、4〜8℃で貯蔵
【0121】
p−SCN−Bn−DOTA、−20℃で貯蔵
【0122】
NaCl、0.9%:0.45gのNaClを秤量し、それを無金属水中に溶解し、次いで容積を50mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、50mLのHDPE容器に保管する。
【0123】
0.2Mのリン酸一ナトリウム(溶液A):0.48gのNaH
2PO
4を秤量し、20mLの蒸留されたH
2Oに加える。完全に溶解するまで溶液を混合する。
【0124】
0.2Mのリン酸二ナトリウム(溶液B):2.83gのNaHPO
4を秤量し、100mLの蒸留されたH
2Oに加える。
【0125】
0.1Mのリン酸塩緩衝液、pH=8:5.3mLの溶液Aを94.7mLの溶液Bと組み合わせて、混合する。pHの試験には、pH紙を使用する。等しい容積の蒸留されたH
2O(100mL以下)を加えることによって、緩衝液を希釈する。溶液を0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、50mLのHDPE容器に保管する。
【0126】
2MのNaOH:約5mLの30%NaOHを取り出し、それを無金属水と混合し、溶液を冷まし、次いで容積を25mLにする。溶液は、50mLのFEP容器に保管する。
【0127】
4MのNaOH:50mLのHDPE容器に、50mLの無金属水および8.0gのNaOHを加えて、完全に溶解するまで撹拌する。
【0128】
3MのNH
4Ac(またはNaAc):6.15gのNaAcを秤量し、無金属水中に溶解する。塩の溶解後に、容積を25mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0129】
0.25MのNH
4Ac(またはNaAc):2.1mLの3MのNaAcを取り出し、無金属水と混合し、容積を25mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0130】
0.1MのNH
4Ac(NaCH
3CO
2)、pH7:3.3mLの3MのNaAcを取り出し、無金属水と混合し、容積を100mLにする。溶液は、100mLのHDPE容器に保管する。
【0131】
0.1MのHCl:2.5mLの10MのHClを取り出し、それを25mLのPE容積測定フラスコ中で無金属水と混合する。溶液が冷めるまで待ち、容積を25mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0132】
0.05MのHCl:1.25mLの10MのHClを取り出し、それを25mLのPE容積測定フラスコ中で無金属水と混合する。溶液が冷めるまで待ち、容積を25mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0133】
NaN
3 0.05%:0.5gのNaN
3を秤量し、それをミリポア水中に溶解する。容積を1Lにする。
【0134】
1.0MのNaHCO
3:50mLのHDPE容器に、50.0mLの無金属水および8.4gのNaHCO
3を加えて、完全に溶解するまで撹拌する。(これは、2MのNaHCO
3溶液を生じる)。17.8mLの4MのNaOH溶液および50mLの2MのNaHCO
3溶液を、Corning Costar250mL貯蔵容器(または同等物)の中で混合する。十分に混合する。
【0135】
代替として:
【0136】
1.0MのNaHCO
3:100mLのHDPE容器に、50.0mLの無金属水および8.4gのNaHCO
3を加えて、17.8mLの4MのNaOH溶液と混合する。全体が溶解するまで撹拌し、容積を100mLにする。溶液は、Corning Costar250mL貯蔵容器(または同等物)に保管する。十分に混合する。
【0137】
0.1MのHEPES溶液:3.0mLの1MのHEPES緩衝液(Fisher BioReagents、製品番号BP299−500)を50mLのHDPE瓶の中に置いて、注射のための27mLの水を加える。
【0138】
2.3.2.2 材料
表2:化学物質および複合体化のための材料のリスト
【0139】
2.3.2.3 測定器:
【0140】
冷凍(4℃)付き超遠心分離機「Biofuge primo R(Heraeus社製)」またはThemo Scientific社製の同等物、または類似物(6500rpmで回転するもの)
【0141】
渦流または類似のシステム
【0142】
スペクトルの記憶および評価用のコンピュータを備える、UV可視分光光度計Varian Cary−Win5000または類似のシステム(または同等物)
【0143】
UV検出器、および固定相としてのWaters社製Protain Pack 300SW(または同等物)を伴い、スペクトルの記憶および評価用のコンピュータを備える、HPLC
【0144】
mAbおよび複合体化されたmAbを貯蔵する冷蔵庫(4〜8℃)
【0145】
BFC−DOTAを貯蔵する冷凍庫(−20℃)
【0146】
分析用天秤
【0147】
加熱ブロックまたはオーブン内部のNutator
【0148】
2.3.3 HuM195の定量化のためのHPLC−UV検出器の校正。HuM195の品質管理
【0149】
2.3.3.1 HuM195の5mg/mLの溶液から、SE−HPLCに連結された放射線検出器の感度および使用時の設定によって画定される、既知の濃度を含有する少なくとも3つの希釈された溶液を調製する。感度および直線性に関係があるので、通常は、125〜625μg/mLの濃度の範囲が妥当である。
【0150】
2.3.3.2 280nmでUV検出器を使用して測定するために、HPLCを準備する。
【0151】
2.3.3.3 0.5mL/分の速度を使用して、0.9%NaCl中でSE−HPLCカラムを整える。
【0152】
2.3.3.4 希釈されたHuM195溶液から(または複合体から)一定分量を取り出し、それらにSE−HPLC/UVを通過させる。例えば、100μLループの注射システムを用いて設定したHPLCの場合、Protain Pack 300SWカラムを通るタンパク質の量は、12.5μg〜62.5μgとなる。移動相として、0.9%NaClを使用する。典型的なクロマトグラムの具体例として、
図2を参照されたい。
【0153】
2.3.3.5 信号I
c(ピークの下の領域)と濃度との間の関係を確立する。校正曲線(典型的なクロマトグラムを示す、
図3を参照されたい)を作成して、分析者が、複合体試料
*中のHuM195の濃度を計算することができるようにする。別の類似する手法は、標準的なHuM195試料のSE−HPLC/UVクロマトグラムから得られる濃度と信号との比率を見出すことに基づいている。直線性の条件が満たされていれば、濃度/信号の比率は、定数(K280nm)となる。したがって、複合体試料のHuM195の濃度は、次式に従って計算される。
C(HuM195、mg/mL) = K
280nm×I
s×D
f
K
280nm 校正試料のUVのピーク(270nmに設定)の下の
面積(I
c)に対する、校正試料の中のHuM195の
濃度(mg/mL)の比率。
I
c 校正試料のSE−HPLC/UV(280nm)クロマ
トグラムのピークの下の面積(
図2)。
I
s 試料のSE−HPLC/UV(280nm)クロマトグ
ラムのピークの下の面積(
図4)。
D
f 希釈係数
C(HuM195、mg/mL) 希釈されていない試料中のHu
M195の濃度(mg/mL)。
* 複合体溶液は、280nmで吸収する遊離BFCまたは任意の他の物質を含有すべきではない(
図1Bを参照されたい)
【0154】
2.3.4 任意選択:濾過−遠心分離によるmAbの濃縮
【0155】
このステップは、大量の複合体を調製する時に関連する。単一の実験/バイアルあたり約10mgのHuM195を取り扱うために、次の手順を適用する。
【0156】
2.3.4.1 10,000MWの分画分子量を伴う新しいミリポア遠心装置YM−10を取り(それに応じて回転時間を増加させた、より高い分画のYMデバイスを使用してもよい)、それを数mLの0.05MのHClおよび純粋なH
2Oで洗浄する。
【0157】
2.3.4.2 事前に、遠心分離機のチューブの温度を4℃に調整する。
【0158】
2.3.4.3 2mLの天然の5mg/mLのHuM195溶液または精製されたHuM195を秤量し、それを遠心分離チューブに移す。
【0159】
2.3.4.4 溶液の容積が1mL以下になるまで、該溶液を6500rpmおよび4℃で遠心分離する。
【0160】
2.3.4.5 遠心分離後、遠心チューブおよび遠心分離機を再度500rpmで回転させて、濃縮されたmAb溶液を残留液バイアルに回収する。
【0161】
2.3.4.6 濃縮されたmAb(約10mg/mL)をエッペンドルフ型バイアルに移す。また、両方の溶液中の濾過水を回収して、SE−HPLCによってHuM195の含有量を分析する。溶液は、4〜8℃に保つ。
【0162】
2.3.5 重炭酸塩緩衝液の複合体化反応
【0163】
2.3.5.1 0.25mLの無金属水中で、2.5mgのDOTA/p−SCN−Bnを含有するエッペンドルフ型バイアルを解凍する。
【0164】
2.3.5.2 1mLの5mg/mLの(または0.5mLの10mg/mLの)HuM195の溶液を加え、溶液を混合する。
【0165】
2.3.5.3 0.05mLの1.0MのNaHCO
3を加えて、溶液を混合する。
【0166】
2.3.5.4 混合した後、0.001mLの一定分量を除去し、それを適切なpH範囲を伴うpH紙上にスポッティングすることによって、pHを確認する。pHは8〜9にすべきであり、目標pHは9である。pHが8.0〜9.2の間になるまで、0.01mLの0.1MのNaHCO
3の追加およびpHの測定を続ける。
【0167】
2.3.5.5 反応混合物を、Nutatorの中で、37℃で1時間30分間インキュベートする。
【0168】
2.3.6 任意選択:リン酸塩緩衝液の複合体化反応
【0169】
2.3.6.1 予め洗浄したエッペンドルフ型バイアルに5mgのp−SCN−Bn−DOTAを秤量し、それを0.4mLの0.1Mのリン酸塩緩衝液(pH=8)中に溶解する。
【0170】
2.3.6.2 約10mg/mLの濃縮されたmAb溶液を、400μLのリン酸塩緩衝液溶液と穏やかに混合する。
【0171】
2.3.6.3 混合した後、0.001mLの一定分量を除去し、それを適切なpH範囲を伴うpH紙上にスポッティングすることによって、pHを確認する。pHは、8.0〜9.2にすべきである。
【0172】
2.3.6.4 pHが低すぎる場合は、2MのNaOHの0.010mLの一定分量を溶液に加えて、溶液を緩やかに混合する。
【0173】
2.3.6.5 目標pHに到達するまで、ステップ2.3.6.3および2.3.6.4を繰り返す。目標pHに到達させるためには、約0.03mLの2MのNaOH溶液が必要である。
【0174】
2.3.6.6 エッペンドルフ型バイアルを閉じ、混合するために渦流システムを使用して、それを室温で24時間そのままにするか、または、以下のステップ2.3.6.7で説明されるように進行する。
【0175】
2.3.6.7 代替として、反応混合物を、加熱ブロックで、または保温シェーカーキャビネットで、37℃で1時間30分間インキュベートする。
【0176】
2.3.7 濾過−遠心分離による反応混合物の精製 SE−HPLC/UVのQC
【0177】
2.3.7.1 全ての構成体反応混合物(2.3.5.5節または2.3.6.7節)を、新しいミリポア遠心装置YM−10または同等物(10,000MW分画)に移す。20,000または40,000の分画分子量のフィルタも使用可能である。
【0178】
2.3.7.2 溶液の容積が約1mLになるまで、1mLの0.1MのHEPESまたは0.1MのNaAcを加え、6500
*rpmおよび4℃で試料を遠心分離する。
*必然的な分離時間の増加に伴って、より低い回転を使用することができる。他のフィルタを使用する時には、製造業者の指示を用いる。
【0179】
2.3.7.3 ステップ2.3.7.2をさらに3回繰り返す。
【0180】
2.3.7.4 最終的な精製された複合体化された画分から少量の一定分量を取り出し、それにProtein Pack 300SWカラムから成るSE−HPLCを通過させる(2.3.3を参照されたい)。移動相として、0.9%NaClを使用する。複合化されていないmAbと比較すると、複合体化されたmAbは、クロマトグラムの左側に移行したピークを示す(
図4を参照されたい)。
【0181】
2.3.7.5 SE−HPLC/UVクロマトグラム(例えば、
図4を参照されたい)を分析し、遊離BFCに対応するいかなる信号領域も観察されないことを確認する。
【0182】
2.3.7.6 遊離BFCがSE−HPLC/UVクロマトグラムで観察された場合は、ステップ2.3.7.2を繰り返し、それ以外の場合は、以下のステップを継続する。
【0183】
2.3.7.7 校正実験のために2.3.3.4〜2.3.3.5に説明されるように、または2.3.9節に示されるように、試料中の複合体化されたmAbの含有量を定量化する。
【0184】
2.3.7.8 精製された複合体化された画分は、4〜8℃で貯蔵する:試料は、放射能標識の準備ができている。
【0185】
2.3.8 任意選択:重力SE−クロマトグラフィおよび濾過−遠心分離による反応混合物の精製
【0186】
以下の手順は、2.3.7に記載される方法の代替案である。
【0187】
2.3.8.1 ステップ2.3.7.1を参照されたい。
【0188】
2.3.8.2 5mLの0.1MのNaAcにカラムを通過させることによって、0.1MのNaAc溶液中で、新しいPD−10樹脂を整える。洗浄液を廃棄する。
【0189】
2.3.8.3 全ての構成体反応混合物を(2.3.6.7節または2.3.5.5節の後に)カラムのリザーバに加え、溶離液をエッペンドルフ型チューブまたはPEバイアルに回収する(画分1)。
【0190】
2.3.8.4 0.5mLの0.1MのNaAc溶液で反応バイアルを洗浄し、洗浄液をPD−10カラムのリザーバに注入する。
【0191】
2.3.8.5 溶離液を、エッペンドルフ型チューブに別に回収する(画分2)。
【0192】
2.3.8.6 ステップ2.3.8.4〜2.3.8.5を2回繰り返す(画分3、4)。
【0193】
2.3.8.7 総溶出容積が6mLに到達するまで、0.5mLの0.1MのNaAcをPD−10カラムのリザーバに加え続け、この作業を繰り返す(画分5、6、7、8、9、10、11、12)
【0194】
2.3.8.8 それぞれ2mLの0.1MのNaAcでカラムを2回以上洗浄する(画分13および14)。溶出液を回収する。
【0195】
2.3.8.9 画分5〜12(4mL)は大部分の複合体化されたmAbを含有するので、これらを組み合わせる。画分13〜14は、大部分の結合していないまたは遊離BFCを含有する。
【0196】
2.3.8.10 ステップ2.3.7.2〜2.3.7.8に示されるように進行する。
【0197】
2.3.9 UV分光光度法による複合体中のタンパク質濃度の定量
【0198】
2.3.9.1 UV分光光度計を280nmに設定する(
図1に関連する、天然および複合体化されたHuM195の典型的なUVスペクトルを見る)。
【0199】
2.3.9.2 1つの希釈標準試料を調製し、または随意に、校正曲線を作成するために、少なくとも3つの、既知の0.9%NaCl中のHuM195の濃度を伴う希釈された標準溶液を調製し、光学密度(一般的に0.1〜0.8)と濃度(一般的に60〜600 600μg/mL)との間の直線領域を見出す。校正曲線の例については
図5を参照されたい。1cmの光経路キュベットにおける0.1%(0.9%NaCl中1mg/mL)のHuM195溶液の場合、吸光度は、約1.4である。
【0200】
2.3.9.3 グラフ「光学密度対濃度」(例えば、
図5)からの校正曲線を使用することによって、またはあまり正確ではないが、次式に基づいて、資料中のタンパク質濃度を計算する。
C(HuM195、mg/mL) = A
280nm×D
f×f
c/ε
280nm.L
A
280nm 280nmでの吸光度
ε
280nm 0.1%の場合の280nmでの減衰係数=1.4
L キュベットの光経路(1cm)
D
f 希釈係数
f
c 天然および複合体化されたIgGの減衰係数の差を修正
する係数。この係数は、280nmで約1である(
図1を
参照されたい)
C(HuM195 conj、mg/mL) 希釈されていない試料中
のHuM195の濃度(mg/mL)
【0201】
実施例3:放射能標識手順の記述:1ステップ法
【0202】
3.1 目的
【0203】
予めDOTA二官能性キレート剤によって複合体化されたHuM195で
225Acを標識する。
【0204】
3.2 用語および定義
【0205】
実施例1も参照されたい。
【0206】
DTPA:ジエチレントリアミン五酢酸
【0207】
ゲンチシン酸:2,5−ジヒドロキシ安息香酸
【0208】
AA:アスコルビン酸
【0209】
3.3 放射性標識プロトコル
【0210】
3.3.1 材料および化学物質
【0211】
表3を参照されたい。
表3:化学物質および標識のための材料のリスト
【0212】
3.3.2 化学物質の調製および反応のための条件
【0213】
反応バイアルおよび加熱ブロック
【0214】
3.3.2.1 新しい反応チューブ(例えば、容積2mLのエッペンドルフ型チューブ)を取り出し、それを数mLの0.1MのHCl、H
2Oを注入するための水、そして最後に、0.5MのNaAc(0.5MのNH
4Ac)緩衝液で洗浄する。
【0215】
3.3.2.2 標識のために、同じ種類の反応チューブを使用して加熱ブロックを校正する。チューブ内の液体(水)の温度は、37±2℃にすべきである。
【0216】
Ac−225の調製
【0217】
3.3.2.3 製造業者から入手したバイアルで
225Acの活性を定量化する。
【0218】
3.3.2.4 バイアルの中の残留物(試料が乾燥している場合)を0.05mLの0.2MのHCl溶液中に溶解する。放射性標識について、取り出される一定分量は、0.3mL未満にすべきである。
【0219】
3.3.2.5 不溶性物質の存在を調査する。残留物は、完全に溶解すべきであり、結果として生じた溶液は、均一、透明であるべきで、かつ粒子および異物を含むべきではない。
【0220】
他の化学物質および材料
【0221】
3.3.2.6 標識のために、予め次の溶液を調製する。
【0222】
2節に記載されるような、0.9%NaCl中の5〜10mg/mLのタンパク質濃度のp−SCN−Bn−DOTA−mAb複合体溶液
【0223】
0.5MのNH
4Ac(またはNaAc):4.2mLの3MのNaAcを取り出し、それを無金属水と混合して、容積を25mLにする。溶液を混合し、均質化の後に、それを0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0224】
3MのNaAc中のゲンチシン酸の溶液:0.033gのゲンチシン酸を秤量して、1mLの3MのNaAc中に溶解する。使用前に、溶液を0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、容積2mLのエッペンドルフ型バイアルで冷暗所に保管する。
【0225】
150g/Lのl−AA溶液:1.5gのAAを秤量し、10mLの無金属水中に溶解する。溶液を0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器で冷暗所に保管する。
【0226】
50mMのDTPA溶液:0.49gのDTPAを秤量し、25mLの無金属水中に溶解する。溶液を0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0227】
20mMのDTPA溶液:0.20gのDTPAを秤量し、25mLの無金属水中に溶解する。溶液を0.45μmの酢酸セルロース薄膜フィルタを通して濾過する。溶液は、25mLのHDPE容器に保管する。
【0228】
以下の材料を調製する。
【0229】
PD−10カラム
【0230】
pH紙:4〜10の範囲のpH紙の細帯
【0231】
エッペンドル型フバイアル
【0232】
PEバイアル
【0233】
0.45μm、直径25mmの酢酸セルロースフィルタおよび濾過用の無菌シリンジ
【0234】
ITLC SG 5×20cm
【0235】
3.3.2.7 標識の前に、非放射性溶液を、0.45μm、直径25mmの酢酸セルロースフィルタを通して濾過する。
【0236】
3.3.2.8 測定器:
【0237】
渦流または類似のシステム
【0238】
UV検出器、および固定相としてのProtain Pack 300SECカラムを伴うHPLC
【0239】
mAbおよび複合体化されたmAb試料を貯蔵する冷蔵庫(4〜8℃)
【0240】
BFCを貯蔵するための冷凍庫(−20℃)
【0241】
高純度ゲルマニウム検出器を伴うガンマ分光測定システム。随意に、および特に活性バランス評価について、例えばバイアル、カラム等のそれぞれの特定のカウンティングジオメトリの絶対測定を可能にするように、検出器は、Canberra Industries社によって特徴付けられるISOCSであるべきで、また、標準的なGENIE2000ソフトウェア構成の下で動作する、ISOCS/LABSOCSソフトウェアパッケージを伴うべきである。
【0242】
Squibb社製CRC−17放射性同位元素用量校正器(または同等モデル)
【0243】
3.3.3 放射性標識
【0244】
3.3.3.1
225Acの必要とされる活性を含む(例えば、標識日に約1mCi)、0.3mLの0.05MのHClの一定分量を取り出し、それを反応チューブの中にピペットで移す(3.3.7.3節の表を更新する)。
【0245】
3.3.3.2 随意に、反応チューブの中の
225Acの活性を、高分解能ガンマ分光測定法で測定する。
【0246】
3.3.3.3 0.1mLの3MのNaAc(またはNH
4Ac)を加えて、渦流システムを使用して緩やかに、かつ短く混合する。
【0247】
3.3.3.4 0.001mLの一定分量を除去し、それを適切なpH範囲を伴うpH紙上にスポッティングすることによって、pHを確認する。pHは、5〜8.5にすべきである。先端部およびpH紙は廃棄せず、それらは、放射能バランス評価のために、小さいPEバッグに回収する。
【0248】
3.3.3.5 複合体溶液中のHuM195の濃度に応じて、0.1mL(10mg/mLの時)の、または計算した容積の、約1mgのmAbを含有するp−SCN−Bn−DOTA−mAb複合体溶液を加える。容積は、0.2mLを超えるべきではない。
【0249】
注:対照実験では、このステップは省略される。
【0250】
3.3.3.6 0.020mLの新しく調製した飽和ゲンチシン酸溶液を加えて、渦流システムを使用して短く緩やかに混合する。
【0251】
3.3.3.7 3.3.3.4を繰り返す。標的pHは、5.5〜7.0の間にすべきである。
【0252】
3.3.3.8 pHが7.0を超えている場合は、0.010mLの0.1MのHClを加える。pHが5.5以下である場合は、0.025mLの3MのNaAcを加える。
【0253】
3.3.3.9 必要であれば、ステップ3.3.3.8を繰り返す。
【0254】
3.3.3.10 反応混合物を含む2mLの反応バイアル反応チューブを閉じ、それを37℃の加熱ブロック(3.3.2.2)の中に80〜90分間置く。
【0255】
3.3.4 DTPAの対抗およびITLCによる反応収率の定量
【0256】
3.3.4.1 90分後に、反応を停止させ、0.010mLの10mMのDTPA溶液を加え、渦流システムを使用して短く緩やかに混合する。
【0257】
3.3.4.2 反応チューブを加熱ブロックの中に戻して、30分間インキュベートする。
【0258】
3.3.4.3 20分後、加熱ブロックのスイッチを切り、反応混合物から0.002mLの一定分量を取り除き、それをITLCストライプ(一方から約15mmの所に記される線)の中央にスポッティングする。空の先端部は、廃棄物用のバックに回収する(3.3.3.4を参照されたい)。反応混合物を含有するチューブは、安全に保つ。
【0259】
3.3.4.4 ITLCを、移動相を含むガラス管の中に配置する:数mLの20mMのDTPA溶液(ITLCに使用される容器の寸法に依存する)。
【0260】
3.3.4.5 移動相の最前部が、ストライプの他端から約15mmの所に記された第2の基準線に到達するまで、7〜8分間待つ。
【0261】
3.3.4.6 ITLCチューブから帯を除去して、それを乾燥させる。次いで、帯を、それぞれ15mmの間隔で小さい切片に切断する。
【0262】
3.3.4.7 予め番号を付けたポリエチレンバイアル(例えば、液体シンチレーションカウンティングに通常使用される20mLのPEバイアル)の中に、各切片を置く。
【0263】
3.3.4.8 1時間待ち、最初の評価のために、高分解能ガンマ分光計上で各クロマトグラム切片の中の
221Frを測定することによって、
225Acの活性をカウントする(任意選択)。
【0264】
3.3.4.9
225Acと全ての娘との間の放射能平衡のために、6時間以上待ち、最終的な評価のために、
221Frおよび
213Biの両方を通して
225Acの活性を測定する。
【0265】
3.3.4.10 次式を使用して放射性標識収率を計算する。
Y(%)=(A
1+A
2)×100%/A
t
式中、
Y= 放射性標識収率(%)
A
1= クロマトグラムの切片1(最後から数える)において測定される
225
Acの活性(Bq(μCi))
A
2= クロマトグラムの切片2において測定される
225Acの活性(Bq
(μCi))
A
t= クロマトグラムの全ての切片において測定される
225Ac活性の合計
(Bq(μCi))
同じジオメトリ(線源〜検出器距離、同じバイアル、検出器等)を使用して試料を測定する場合、収率は、次式を使用して計算することができる。
Y(%)=(I
1+I
2)×100%/I
t
式中、
Y= 放射化学収率(%)
I
1= クロマトグラムの切片1(最後から数える)において測定される
225Acのカウント率(cps)
I
2= クロマトグラムの切片2において測定される
225Acのカウント率(cps)
I
t= クロマトグラムの全ての切片において測定される
225Acのカウント率(cps)
【0266】
3.3.5 10DGカラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィによる反応混合物の精製
【0267】
3.3.5.1 次の構成要素を入手する。10mLの10DGのSE樹脂、カラム構成要素、および以下に説明される精製ステップのための3方ストップコック。
【0268】
3.3.5.2 10mL容積の10DGの樹脂をプラスチック製の使い捨てカラムに注入し、安定させて、トップフリットを適用する。これらの全ての材料は、Biorad Inc.(Hercules、CA)から入手される。パッケージ化した樹脂を2つの容積10mLの0.9%NaClで洗浄する。洗浄液を廃棄する。
【0269】
3.3.5.3 樹脂を2つの容積10mLの1%HSAで平衡させる。洗浄液を廃棄する。
【0270】
3.3.5.4 薬物生成物の回収のために新しい50mL無菌コーニングチューブを取り出し、全ての構成体反応混合物(3.3.4を参照されたい)をカラムに適用して、溶出液を廃棄物チューブに回収する。
【0271】
3.3.5.5 構成体反応バイアルを0.20mLの1%HSAで洗浄し、この洗浄液をカラムに加えて、同じく溶出液を廃棄物チューブに回収する。移動相として2.0mLの1%HSAを加え、同じく溶出液を廃棄物チューブに回収する。2mLの1%HSAをサイズ排除カラムに加えて、最終生成物を回収する。
【0272】
3.3.5.5 回収された薬物生成物を秤量し、生成物を含有する溶液の質量を記録する。
【0273】
3.3.5.6 精製スキームを使用して1.0mgの抗体の80%が復元されたものと仮定する。活性を、復元されたHuM195の総量(0.8mg)で割ることによって、生成物の比活性を計算する。生成物の活性レベルは、精製に続いて、6時間後に定量することができる。今回は、Ac−225の永続平衡を確立することが必要とされ、生成物収率および活性レベルを定量するために、用量校正器または同等物で測定される。
【0274】
3.3.6 任意選択:PD−10カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィによる反応混合物の精製
【0275】
これは、3.3.5節に記載される手順の代替案である。
【0276】
3.3.6.1 カラム(5mL、0.9%NaCl)を通過させることによって、0.9%NaCl溶液中で、PD−10樹脂を整える。洗浄液を廃棄する。
【0277】
3.3.6.2 全ての構成体反応混合物(3.3.4.3節)をカラムのリザーバに適用し、溶離液(f1)をエッペンドルフ型チューブまたはPEバイアルに回収する。
【0278】
3.3.6.3 反応バイアルを0.5mLの0.9%NaCl溶液で反洗浄し、洗浄液をPD−10カラムのリザーバに注入する。活性バランス評価のために、空の反応バイアルを廃棄物用の小さいPEバッグの中に置く(3.3.3.4を参照されたい)。
【0279】
3.3.6.4 溶離液を、エッペンドルフ型チューブまたはPEバイアルに別に回収する。
【0280】
3.3.6.5 ステップ3.3.6.3〜3.3.6.4を2回繰り返し、これらの溶離液をまとめて回収する(fw)。
【0281】
3.3.6.6 総溶出容積が6mLに到達するまで、0.5mLの0.9%NaClをPD−10カラムのリザーバに加え続ける。4mLの溶離液をまとめて回収する。これらの画分は、大部分の標識された複合体(fp)を含有するはずである。
【0282】
3.3.6.7 付加的な8mLの0.9%NaClでカラムを洗浄する。溶離液を、新しい容器の中に別に回収する。これは、遊離または結合したDTPA Ac−225(ff)を含有する、画分である。
【0283】
3.3.6.8 1時間待ち、最初の評価のために、高分解能ガンマ分光計上で各バイアルの中の
221Frを測定することによって、
225Acの活性をカウントする(任意選択)。
【0284】
3.3.6.9
225Acと全ての娘との間の放射能平衡のために、6時間以上待ち、最終的な評価のために、
221Frおよび
213Biの両方を通して
225Acの活性を測定する。
【0285】
3.3.6.10 濃縮が必要とされる場合は、画分f
p(4mL)を、10,000MWの分画分子量を伴う新しいミリポア遠心装置YM−10に移す(それに応じて回転時間を増加させた、より高い分画の膜を伴うYMチューブを使用してもよい)。そうでない場合は、直接3.3.5.5に進む。
【0286】
3.3.6.11 複合体を組み合わせた溶液の容積が約1mLになるまで、該溶液を6500rpmおよび4℃で遠心分離する。
【0287】
3.3.6.12 1モルの0.9%NaClを加えて、ステップ3.3.6.11を繰り返す。
【0288】
3.3.6.13 生成物の回収のために、新しい50モルの無菌コーニングチューブを取り出す。
【0289】
3.3.6.14 生成物を、新しい50mL無菌コーニングチューブに移す。
【0290】
3.3.6.15 最高1mLの1%HSAで空のYM−10チューブを洗浄し、洗浄液を、生成物を含有するチューブに移す。
【0291】
3.3.6.16 3.3.5.5に示されるように進行する。
【0292】
3.3.7 任意選択:活性バランスの評価
【0293】
3.3.7.1 カラム上に残っている
225Acの活性を定量化するために、高分解能ガンマ分光計上でPD−10カラムを測定する。
【0294】
3.3.7.2 標識実験中にQCのために使用される空の反応バイアル、先端部、およびpH紙を含むバッグを測定する。
【0295】
3.3.7.3 結果を下表(表4)に要約する。
【0296】
3.4 放射性標識複合体の品質管理
【0297】
3.4.1 外観/目視試験:
【0298】
3.4.1.1 白および黒の背景を使用して、生成物の透明性、色、および異物がないことを目視で検査する。
【0299】
3.4.2 放射性核種の識別
【0300】
3.4.2.1 校正されたガンマ分光計上のガンマスペクトルを回収する。例として
図9を参照されたい。
【0301】
3.4.2.2 標準的な核種ライブラリ(表1を参照されたい)を使用して、Fr−221からの218keVおよびBi−213からの441keVでの主ピークの存在を探す。また、確認のためにAc−225およびTl−209のピークを探す。
【0302】
3.4.3 ITLCによる放射化学的純度
【0303】
3.4.3.1 前述の3.3.4に記載
【0304】
3.4.4 サイズ排除HPLCによる放射化学的純度
【0305】
3.4.4.1 ピークの中のカウント率が放射能検出器のバックグラウンドを大幅に上回るように、構成体から一定分量を取り出す。
【0306】
3.4.4.2 校正実験と同じ条件(0.9%NaCl、1mL/分の速度等)を使用して、試料をSE−HPLCに通す。
【0307】
3.4.4.3 検出器によって検出された全活性に対する、複合体と関連する活性を比較および計算する。具体例として、
図6を参照されたい。
【0308】
3.4.4.4 次式を使用して複合体「R
c」の放射化学的純度を計算する。
R
c(%)=(I
c)×100%/I
t
式中、
R
c = 標識された複合体の放射化学的純度(%)
I
c = SE−HPLC/rad.クロマトグラム上の複合体ピークの下側で測定される面積(
図6)。
I
t = SE−HPLC/rad.クロマトグラム上で測定される総面積(
図6)。
次式を使用して、Ac−225が関連する高分子量凝集体の割合を計算する。
A
H(%)=(I
h)×100%/I
t
式中、
AH = 高分子量凝集体(%)と関連するAc−225の割合(%)。
I
h = SE−HPLC/放射能クロマトグラム上の複合体ピークの左側で測定される面積。
次式を使用して、Ac−225が関連する低分子量凝集体の割合を計算する。
A
L(%)=(I
l)×100%/I
t
式中、
A
L = 低分子量凝集体の割合と関連するAc−225の割合(%)。
I
t = 遊離Ac−225に対応するピークが始まるまで、複合体ピークの右側で測定される面積(
図6)。
【0309】
3.4.5 免疫反応性
【0310】
3.4.5.1
225Ac−HuM195の免疫反応性は、総容積0.030mLの2ngの放射性標識された抗体を、500〜1000倍過剰な抗原(約10×10
6個のCD33陽性AL67細胞)とともにインキュベートすることによって決定される。
【0311】
これらの細胞は、細胞1個当たり約400、000個のCD33陽性結合部位を発現し、加えられたHuM195に対して過剰な抗原の中にある。0℃で30分間インキュベートした後、遠心分離によって細胞を回収し、上澄み液を取り除き、細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄して、この洗浄液を取り除いた。細胞ペレット、上澄み液、および洗浄液は、シンチレーションカウンティングによって放射能を測定する。パーセント免疫反応性は、{(細胞に結合した
225Ac−HuM195)/(結合活性+非結合活性の総量(上澄み液および洗浄液)}×100に等しいものとして計算される。
【0312】
3.4.6 バイアルの中のAc−225の活性
【0313】
3.4.6.1
225Acと全ての娘との間の放射能平衡のために、6時間以上待ち、最終的な評価のために、
221Frおよび
213Biの両方を通して
225Acの活性を測定する。
【0314】
3.4.7 構成体の総数
【0315】
3.4.7.1 生成物の総容積は、重量的に測定される。
【0316】
3.4.8 Ac−225活性濃度の計算
【0317】
3.4.8.1 3.4.6.1で得られた活性を3.4.7.1で得られた容積で割ることによって、活性濃度(mCi/mL)を計算する。
【0318】
3.4.9 比活性の計算
【0319】
3.4.9.1 3.3.5.5節に従う。
【0320】
3.4.10 任意選択:UV分光光度法によるタンパク質の定量および比活性の計算
【0321】
この方法は、HSAが精製されたタンパク質画分の中に存在しない場合にだけ使用されるべきである(
図1.2を参照されたい)。
【0322】
3.4.10.1 組み合わせたタンパク質画分「fp」(3.3.6.6節)から、0.02mLの一定分量を取り出し、0.9%NaClで容積を0.5mL(Df=25)にする。25という希釈係数Dfは、1mgの複合体が標識に使用される時に推奨される。
【0323】
3.4.10.2 2.3.7節または2.3.9節で説明されるように、組み合わせて濃縮された試料のタンパク質濃度(cpi)を測定する。
【0324】
実施例4
【0325】
表5:「1ステップ」プロセスと既存のプロセスとのリンツズマブ−Ac−225を生成するための製造手順の比較
【0326】
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